JP2743585B2 - マイクロ波プラズマ処理装置 - Google Patents

マイクロ波プラズマ処理装置

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JP2743585B2
JP2743585B2 JP3001929A JP192991A JP2743585B2 JP 2743585 B2 JP2743585 B2 JP 2743585B2 JP 3001929 A JP3001929 A JP 3001929A JP 192991 A JP192991 A JP 192991A JP 2743585 B2 JP2743585 B2 JP 2743585B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波プラズマ処
理装置に係り、特に半導体素子基板等の試料をプラズマ
を利用してエッチング処理、成膜処理等するのに好適な
マイクロ波プラズマ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のマイクロ波プラズマ処理装置は、
例えば、特開平2−16732号公報に記載のように、
マイクロ波が伝播する導波管内に円偏波変換手段を設け
て、マイクロ波の振動方向を1/4周期毎に90°ずつ
回転させ、1周期で1回転するようにし、プラズマ生成
密度を均一化させるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術は、マ
イクロ波からプラズマ中の荷電粒子へのエネルギー変換
効率に影響を与えるマイクロ波の位相速度の点について
は配慮されておらず、プラズマの高密度化が不十分であ
った。
【0004】本発明の目的は、高密度プラズマを生成
し、プラズマ処理速度を向上させることのできるマイク
ロ波プラズマ処理装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、内部に処理
ガスが導入されるとともに減圧排気される真空処理室
と、真空処理室内に設けられプラズマ処理される試料を
配置可能な試料台と、真空処理室の一部を構成し試料台
の試料配置面に対応して真空処理室上部に中空部を形成
する遅波回路と、真空処理室の一部を構成し遅波回路の
上部開口部に気密に設けた石英窓と、石英窓上部に設け
られ真空処理室にマイクロ波を導入する導波管と、遅波
回路の外側外周部に設けたコイルとを具備し、導電体に
複数のディスクまたは溝を形成しディスク間または溝に
誘電体を設けて遅波回路を構成することにより、達成さ
れる。また、内部に処理ガスが導入されるとともに減圧
排気される真空処理室と、真空処理室内に設けられプラ
ズマ処理される試料を配置可能な試料台と、真空処理室
の一部を構成し試料台の試料配置面に対応して真空処理
室上部にプラズマ発生領域を形成する石英ベルジャと、
石英ベルジャを囲んで設けられ石英ベルジャ内にマイク
ロ波を導入する導波管と、導波管内に設けられ石英ベル
ジャを囲んで外周部に設けられた遅波回路と、遅波回路
を囲んで導波管の外側外周部に設けたコイルとを具備す
ることにより、達成される。
【0006】
【作用】マイクロ波の伝播領域に設けられた遅波回路
は、マイクロ波の位相速度を遅くする働きを有する。一
方、プラズマ中の荷電粒子の中で、マイクロ波の位相速
度に近い速度を有する荷電粒子が、最も良くマイクロ波
のエネルギーを吸収する。またプラズマ中の荷電粒子の
速度分布としてマックスウェル分布等で仮定されるよう
に比較的低い速度を有する荷電粒子の方が多数を占め
る。したがって、真空処理室の一部を構成し試料台の試
料配置面に対応して真空処理室上部に中空部を形成する
ように、導電体に複数のディスクまたは溝で形成されデ
ィスク間または溝に誘電体を設けて成る遅波回路を設け
る、または、導波管内であってプラズマ発生領域を形成
する石英ベルジャを囲んで外周部に遅波回路を設ける。
これにより、プラズマに作用する部分で遅波回路を用い
てマイクロ波の位相速度を、プラズマ中の荷電粒子の速
度分布で多く分布する比較的低い速度まで遅くし、プラ
ズマ中のより多くの荷電粒子がマイクロ波のエネルギー
を効率良く吸収できるようにする。これによって、プラ
ズマ密度が増加するため、プラズマ処理速度が向上す
る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1ないし図
3により説明する。図1は、本発明のマイクロ波プラズ
マ処理装置を示すもので、この場合、有磁場マイクロ波
プラズマエッチング装置を示す。処理室10の上側開口
部には、非磁性でかつ導電性の材料で成る、例えば、ア
ルミニウムで形成された中空の遅波回路19が真空シー
ル21を介して気密に設けてある。遅波回路19はアー
ス電位に接地されている。遅波回路19の上側開口部に
は、板状の石英窓が真空シール22を介して気密に設け
てある。処理室10の底部には、電気絶縁材11を介し
て試料台12が設けてある。この場合、処理室10,遅
波回路19および石英窓20によってプラズマ発生室で
ある放電室を兼ねた真空処理室が形成される。放電室
は、この場合、遅波回路19および石英窓20から構成
される。試料台12は、試料13の処理面を遅波回路1
9の中空部に対応させて配置可能になっている。処理室
10および遅波回路19には、この場合、処理ガス供給
源(図示省略)から遅波回路19内の上部に処理ガスを
導入する供給路23が設けてある。処理室10の底部に
は排気口24が設けてあり、排気口24には真空処理室
内を所定の圧力に減圧排気可能な真空排気装置(図示省
略)が連結してある。試料台12には、マッチングボッ
クス14を介して高周波電源15が接続してある。処理
室10の上部には、遅波回路19の外周および石英窓2
0の上部を囲んで導波管16が設けてある。導波管16
の端部には、マイクロ波を発振可能なマグネトロン17
が設けてある。遅波回路19の外側でさらに導波管16
の外側外周部には、ソレノイドコイル18が設けてあ
る。遅波回路19は、この場合、図2および図3に示す
ように、内径A,外径B,厚さTのディスク状の突起を
ピッチLで等間隔に複数枚形成した円筒状のもので、導
波管の一種である。この場合、このようなディスク状の
突起を設けてることにより、マイクロ波の伝播方向に見
た目にマイクロ波の伝達経路が長くなるように構成され
ており、このような構成によってマイクロ波の伝播方向
の位相速度を遅くらせることができる。
【0008】このように構成した装置により、真空処理
室の内部を真空排気装置によって減圧排気すると共に、
処理ガス供給装置によって処理ガスである、この場合、
エッチングガスをガス供給路23を介して遅波回路19
内および処理室10内の空間に導入し、所定の圧力に調
節する。次に、図示を省略した電源によってソレノイド
コイル18を励磁する。これによって、遅波回路19内
および処理室10内には、ソレノイドコイル18によっ
て試料台12に向かう磁界が発生する。試料13は磁場
領域内に位置する。また、図示を省略した電源によって
マグネトロン17からマイクロ波を発振させる。マグネ
トロン17によって発振された、この場合、2.45 G
Hzのマイクロ波は、導波管16内を伝播し、石英窓2
0を透過して遅波回路19内に入射される。このとき、
石英窓20を透過して入射されたマイクロ波は、遅波回
路19により位相速度が遅くらされて、遅波回路19内
を伝播する。この位相速度の遅れたマイクロ波の電界と
ソレノイドコイル18による磁界との相互作用によっ
て、遅波回路19内の空間の処理ガスを励起しプラズマ
化する。このようにマイクロ波の位相速度を遅らせるこ
とによって、マイクロ波のエネルギは効率良く処理ガス
に伝えられ、処理ガスは効率良くプラズマ化される。
【0009】すなわち、処理ガスのプラズマ化に際して
は、マイクロ波の位相速度と荷電粒子の速度とがほぼ等
しいとき、マイクロ波と荷電粒子との間でエネルギ変換
が最も効率良く行なわれる。したがって、同程度の速度
を有する荷電粒子が多く分布するところの荷電粒子の速
度にマイクロ波の位相速度を合わせることによってプラ
ズマ化効率を向上させることができる。なお、プラズマ
中の荷電粒子の中には、その荷電粒子の速度が光速に近
いものから速度ゼロのものまで様々存在し、その速度分
布はマックスウェル分布等で仮定されるように光速に対
して比較的低速度をの荷電粒子の方が多数を占める。し
たがって、プラズマ中の荷電粒子の速度分布で多く分布
する比較的低速度のところにマイクロ波の位相速度が合
うように、遅波回路19によってマイクロ波の位相速度
を遅くする。なお、マイクロ波の位相速度は、できるだ
けプラズマ中の荷電粒子の速度分布で最も多く分布する
部分の速度(最確速度)に近付けることが望ましい。こ
れにより、プラズマ中のより多くの荷電粒子がマイクロ
波のエネルギーを効率良く吸収し、効率良くエネルギー
を吸収した多くの荷電粒子がプラズマ化して高密度プラ
ズマをプラズマ発生室内に生成する。
【0010】このようにして生成した高密度プラズマに
よって試料台12に配置された試料13をエッチング処
理することにより、プラズマ処理速度、この場合、エッ
チング処理速度が向上する。なお、この場合、試料台1
2に印加した高周波電源15からの高周波電圧によっ
て、試料13のエッチング形状を制御するようになって
いる。
【0011】なお、本第1の実施例において、例えば、
試料は6インチのウエハで、遅波回路19のディスク状
の突起25のピッチLをマイクロ波の管内波長の1/4
倍の長さ(この場合、32.3mm)とし、ディスク状
の突起25の内径Aを130mm、外径Bを180m
m、厚さTを3mmとして、例えば、処理ガスであるエ
ッチングガスをCHF3,エッチング圧力を10mTo
rr,マイクロ波出力を1KW,高周波電源周波数を8
00KHzとしたエッチング条件下で、エッチング処理
を行なうと、遅波回路19を用いなかった場合のSiO
2のエッチレートが485nm/minだったのに対
し、遅波回路19を用いた場合のSiO2のエッチレー
トは786nm/minとなり、エッチレートは約1.
6倍に向上した。
【0012】以上、本第1の実施例によれば、遅波回路
19を用いることにより、同程度の速度を有する荷電粒
子が多く存在するところの速度にマイクロ波の位相速度
を合わせ、高密度のプラズマを生成することができるの
で、プラズマ処理速度が向上するという効果がある。
【0013】なお、第1の実施例では遅波回路19のデ
ィスクのピッチLをマイクロ波の管内波長の1/4倍の
長さとしているが、一般には周期構造(突起25が所定
の間隔で設けられて成る構造)を有する遅波回路の周期
を通過するマイクロ波の管内波長の1/N倍(Nは正の
整数)としておけば、マイクロ波の電磁界分布が周期的
に形成され、発生するプラズマがより安定となる。
【0014】また、本第1の実施例では、ディスク状の
突起25を一体に形成した遅波回路19が示されている
が、図4に示すように、組み立て式にしたものでも良
い。例えば、この場合、遅波回路19aは、非磁性の導
電体で成り一端にディスク状の端面を有する外筒26内
に、同じく非磁性の導電体で成るスペーサ27とディス
ク28とを交互に複数個重ねて配置し、外筒26の他端
を同じく非磁性の導電体で成る押え30で押さえて、外
筒26内のスペーサ27およびディスク28を固定し
て、図2に示すような形状にしている。また、スペーサ
27によって形成されたディスク28間の空間に誘電体
29を設けることによって、さらにマイクロ波の位相速
度を遅くすることができる。また、本第1の実施例で
は、ディスク状の突起25を一定の内外径および間隔で
配置しているが、図5ないし図8に示すように遅波回路
19bないし19eのディスク状の突起25を、内外径
および間隔を変化させて配置しても良い。図5は、突起
25の内外径を一定にして、間隔を変化させた例を示
す。図6は、突起25の間隔および外径を一定にして、
内径を変化させた例を示す。図7は、突起25の間隔お
よび内径を一定にして、外形を変化させた例を示す。図
8は、突起25の間隔を一定にして、外径および内径を
変化させた例を示す。これら図5ないし図8に示した遅
波回路19bないし19eは、第1の実施例で示したよ
うに一体に形成しているが、図4に示すように組立て式
にしても良い。また、遅波回路の他の例は、これら図4
ないし図8に示す遅波回路19aないし19eの突起2
5の配置に限らず、適宜内外径および間隔を変化させる
ことにより、マイクロ波の位相速度を調整できることは
言うまでもない。
【0015】次に本発明の第2の実施例を図9により説
明する。前記第1の実施例では、遅波回路19の突起2
5の間隔を固定させていたが、エッチング処理における
ガス種,圧力,流量等のプラズマ発生条件を広範囲に変
化させる場合もあり、これに伴って最適なマイクロ波の
位相速度も異なる。そこで本第2の実施例では、遅波回
路の突起の間隔(周期)を調整できるようにした。図9
において、図1と同一部材は同符号で示し、説明を省略
する。本図が図1と異なる点は、プラズマ中の電子密度
を測定しながら遅波回路の周期を調整可能とした点であ
る。遅波回路31は、この場合、端板32および33の
間に複数個のベローズ35およびディスク34を交互に
接続して設けるとともに、ベローズ35の外側で端板3
2および33の間にエアシリンダ37を配置して設け、
端板32とディスク34との間,ディスク34同士の間
および端板33とディスク34との間に、移動可能に一
部が重なり合ったリング36をそれぞれディスク34ま
たは端板33,32の一方に取り付けて構成してある。
また、遅波回路31はアース電位に接地されている。ま
た、石英窓20を介して遅波回路31内の放電空間が透
視できる導波管16の部分に光ファイバ39を取付け、
光ファイバ39の他端を分光器40に接続し、分光器4
0からの出力を制御装置41に入力できるように接続し
てある。一方、エアシリンダ37にはシリンダ駆動源3
8が接続してあり、シリンダ駆動源38は制御装置41
によって制御可能に接続してある。
【0016】このように構成したマイクロ波プラズマ処
理装置によれば、エアシリンダ37をシリンダ駆動源3
8によって伸縮させることにより、遅波回路31の周期
を変化させることができ、またベロ−ズ35により、遅
波回路31内の真空を保持できる。これにより、広範囲
のプラズマ発生条件に対しても、遅波回路31の周期を
変化させて最適の条件に設定することができるので、よ
り高密度のプラズマを発生させることができ、プラズマ
処理速度を向上させることができる。また本実施例で
は、プラズマからの発光を光ファイバ39を通して分光
器40に導入し、プラズマ中の電子密度を測定してい
る。その測定結果を制御装置41に入力し、制御装置4
1によって、処理室10内の放電空間に高密度のプラズ
マが生成されるように、シリンダ駆動源38を制御し
て、エアシリンダ37を伸縮させ、遅波回路31の周期
を変化させるようにしている。
【0017】本第2の実施例によれば、前記第1の実施
例と同様の効果があると共に、プラズマ処理の条件にあ
わせて最適なプラズマ発生状態を作ることができるとい
う効果がある。
【0018】なお、本第2の実施例では、プラズマから
の発光を利用してプラズマ中の電子密度を測定し、該電
子密度の測定結果により遅波回路31の周期を調整する
ように制御したが、高周波電圧測定器を用いて試料台1
2に印加されている高周波電圧Vppを測定し、該高周
波電圧Vppの値によって電子密度を推定し、高密度プ
ラズマが得られるように遅波回路31の周期を制御して
もよい。またマイクロ波の反射波の出力を測定し、遅波
回路31の周期を調整するように制御しても良い。ま
た、本第2の実施例では、遅波回路31の周期調整に電
子密度を利用する方法を用いたが、これ以外に、必要に
応じて、電子温度、イオン密度、イオン温度、ラジカル
密度、ラジカル温度等に依存して変化する量を計測し
て、遅波回路31の周期を調整するようにしても良い。
【0019】次に、本発明の第3の実施例を図10によ
り説明する。図10において、図1と同一部材は同符号
で示し、説明を省略する。本図が図1と異なる点は、導
波管内部の、この場合、遅波回路19と石英窓20とで
形成される空間外、すなわち、プラズマ発生領域外部に
も遅波回路を設けた点である。この場合、マイクロ波の
進行方向に対して、石英窓20の前方の導波管16内に
遅波回路19と同じように形成した遅波回路42を取り
付けている。遅波回路42はアース電位に接地してあ
る。また、遅波回路19と遅波回路42との間は、でき
るだけ近付けて配置してあり、接触させても良い。この
ように構成した第3の実施例によれば、マイクロ波が石
英窓20を透過する前にマイクロ波の位相速度をある程
度遅くしておけるので、マイクロ波が石英窓20を透過
した後でのマイクロ波の位相速度の急激な変化がなく、
より効率良くマイクロ波のエネルギをプラズマ中の荷電
粒子にエネルギ変換でき、前記第1の実施例の場合より
もさらに高密度のプラズマが生成でき、プラズマ処理速
度をより向上させることができるという効果がある。
【0020】次に、本発明の第4の実施例を図11によ
り説明する。図11において、図1と同一部材は同符号
で示し、説明を省略する。本図が図1と異なる点は、石
英ベルジャを処理室に気密に取付け、導波管の内壁に石
英ベルジャを囲んで遅波回路を一体に形成した点であ
る。この場合、マイクロ波の進行方向に対して手前側に
凸状に形成された石英ベルジャ43を処理室10上部開
口部に気密に取付け、石英ベルジャ43の外周に対応す
る導波管44の内壁に遅波回路45を一体に形成してい
る。なお、石英ベルジャ43の凸状部分の内径は少なく
とも試料13の径よりも大きくすることが好ましい。ま
た、遅波回路45は、この場合、マイクロ波の伝播をス
ムーズに行なえるように、導波管の内径が極端に変化す
る部分から徐々に遅波回路の内径を広げて設けてある。
このように構成した第4の実施例によれば、前記第1の
実施例と同様の効果があるとともに、遅波回路45が石
英ベルジャ43で形成されるプラズマ発生領域外に配置
されているので、重金属汚染の少ないプラズマ処理がで
きるという効果がある。また、石英ベルジャ43よりも
上方まで遅波回路45が伸ばしてあるので、前記第3の
実施例と同様に石英ベルジャ43を透過したマイクロ波
の位相速度の急激な変化を防止できる。さらに、導波管
内に遅波回路を一体にして形成してあるので、導波管内
の有効スペースを大きく取ることができる。
【0021】次に、本発明の第5の実施例を図12によ
り説明する。図12において、図1および図11と同一
部材は同符号で示し、説明を省略する。本図が図11と
異なる点は、導波管内部のプラズマ発生領域外に遅波回
路を設けた点である。この場合、マイクロ波の進行方向
に対して、石英ベルジャ43aの前方の導波管16内に
遅波回路46を取り付けてある。なお、遅波回路46の
端部と石英ベルジャ43aとはできるだけ近付けことが
好ましい。また、その隙間はマイクロ波の波長より狭く
する。このように構成した第5の実施例によれば、前記
の実施例と同様にプラズマ発生領域外に遅波回路が
設置されているので、重金属汚染の少ないプラズマ処理
ができるとともに、石英ベルジャの内径を大きくできる
ので広範囲にプラズマを生成することができ、大口径の
試料にも対応することができるという効果がある。
【0022】次に、本発明の第6の実施例を図13によ
り説明する。図13において、図1および図12と同一
部材は同符号で示し、説明を省略する。本図が図12と
異なる点は、図12の石英ベルジャに代えて、プラズマ
発生室である放電室部を非磁性でかつ導電性の材料、例
えば、アルミニウムで形成した放電ブロック47と石英
窓20とで構成した点である。この場合、放電ブロック
47を処理室10上部開口部に気密に取付け、さらに、
放電ブロック47の上部開口に石英窓20を気密に取り
付けてある。なお、この場合、放電ブロック47の内径
は試料13の径とほぼ同程度にしてあり、放電ブロック
47の端部は試料台12側に向かってテーパー状に広げ
て形成してある。放電ブロック47は、アース電位に接
地してある。このように構成した第6の実施例によれ
ば、前記第5の実施例と同様の効果が得られるととも
に、放電ブロックの端部がテーパー状に成っているの
で、プラズマが均一に拡散しやすくなり、プラズマ処理
の均一性が向上するという効果がある。
【0023】次に、本発明の第7の実施例を図14によ
り説明する。図14において、図1および図13と同一
部材は同符号で示し、説明を省略する。本図が図13と
異なる点は、図13のように放電領域外に遅波回路を設
ける代わりに、放電室部を形成する放電ブロックに遅波
回路を形成した点である。この場合、マイクロ波の進行
方向に対して、放電ブロック48の前側に遅波回路49
を形成した。このように構成した第7の実施例によれ
ば、前記第1の実施例と同様の効果が得られるととも
に、前記第6の実施例と同様に放電ブロックの端部がテ
ーパー状に成っているので、プラズマが均一に拡散しや
すくなり、プラズマ処理の均一性が向上するという効果
がある。
【0024】以上の各実施例は、有磁場マイクロ波プラ
ズマ処理装置について述べたが、磁場を用いないマイク
ロ波プラズマ処理装置であっても良い。また、プラズマ
エッチング装置に適用した場合について述べたが、プラ
ズマCVD装置、アッシング装置、更には、マイクロ波
プラズマを利用したイオン源装置及び光源装置等のよう
にマイクロ波プラズマを利用する装置であれば適用可能
である。イオン源装置の応用例としては、イオン注入装
置のイオン源等がある。また、遅波回路として、この場
合、ディスク状にして空間を広く形成したものについて
述べたが、逆に空間を狭く形成した溝状のものとしても
良い。また、遅波回路として、ヘリカルコイルやリング
電極等から構成したものでも同様の効果を得ることがで
きる。また図4ないし図8に示した遅波回路は、線型加
速器における加速管用の遅波回路、あるいはマイクロ波
を発生させる進行波管用の遅波回路、あるいは自由電子
レ−ザ−用の遅波回路としても利用することも可能であ
る。
【0025】
【発明の効果】以上、本発明によれば、プラズマが生成
されるマイクロ波の伝播領域に遅波回路を用いることに
より、同程度の速度を有する荷電粒子が多く存在すると
ころの速度にマイクロ波の位相速度を合わせることがで
きるので、高密度のプラズマを生成することができ、プ
ラズマ処理速度を向上させることができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である有磁場マイクロ波
プラズマエッチング装置を示す縦断面図である。
【図2】図1の装置の遅波回路の詳細を示す縦断面図で
ある。
【図3】図2を断面1−1から見た遅波回路の平断面図
である。
【図4】図1の装置の遅波回路の他の実施例を示す縦断
面図で、組立式にしたものである。
【図5】図1の装置の遅波回路の他の実施例を示す縦断
面図で、突起の間隔を変化させたものである。
【図6】図1の装置の遅波回路の他の実施例を示す縦断
面図で、突起の内径を変化させたものである。
【図7】図1の装置の遅波回路の他の実施例を示す縦断
面図で、突起の外径を変化させたものである。
【図8】図1の装置の遅波回路の他の実施例を示す縦断
面図で、突起の内径および外径を変化させたもので
る。
【図9】本発明の第2の実施例である有磁場マイクロ波
プラズマエッチング装置を示す縦断面図である。
【図10】本発明の第3の実施例である有磁場マイクロ
波プラズマエッチング装置を示す縦断面図である。
【図11】本発明の第4の実施例である有磁場マイクロ
波プラズマエッチング装置を示す縦断面図である。
【図12】本発明の第5の実施例である有磁場マイクロ
波プラズマエッチング装置を示す縦断面図である。
【図13】本発明の第6の実施例である有磁場マイクロ
波プラズマエッチング装置を示す縦断面図である。
【図14】本発明の第7の実施例である有磁場マイクロ
波プラズマエッチング装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】 10…処理室、16…導波管、17…マグネトロン、1
9,19aないし19e…遅波回路、20…石英窓、3
1…遅波回路、37…エアシリンダ、38…シリンダ駆
動源、39…光ファイバ、40…分光器、41…制御装
置、42,45,46,49…遅波回路、43,43a
…石英ベルジャ、44…導波管、47,48…放電ブロ
ック
フロントページの続き (72)発明者 掛樋 豊 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 金井 三郎 山口県下松市大字東豊井794番地 株式 会社 日立製作所 笠戸工場内 (72)発明者 川崎 義直 山口県下松市大字東豊井794番地 株式 会社 日立製作所 笠戸工場内 (56)参考文献 特開 平1−206546(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に処理ガスが導入されるとともに減圧
    排気される真空処理室と、前記真空処理室内に設けられ
    プラズマ処理される試料を配置可能な試料台と、前記真
    空処理室の一部を構成し前記試料台の試料配置面に対応
    して前記真空処理室上部に中空部を形成する遅波回路
    と、前記真空処理室の一部を構成し前記遅波回路の上部
    開口部に気密に設けた石英窓と、前記石英窓上部に設け
    られ前記真空処理室にマイクロ波を導入する導波管と、
    前記遅波回路の外側外周部に設けたコイルとを具備し、
    導電体に複数のディスクまたは溝を形成し前記ディスク
    間または溝に誘電体を設けて前記遅波回路を構成したこ
    とを特徴とするマイクロ波プラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】内部に処理ガスが導入されるとともに減圧
    排気される真空処理室と、前記真空処理室内に設けられ
    プラズマ処理される試料を配置可能な試料台と、前記真
    空処理室の一部を構成し前記試料台の試料配置面に対応
    して前記真空処理室上部にプラズマ発生領域を形成する
    石英ベルジャと、前記石英ベルジャを囲んで設けられ前
    記石英ベルジャ内にマイクロ波を導入する導波管と、前
    記導波管内に設けられ前記石英ベルジャを囲んで外周部
    に設けられた遅波回路と、前記遅波回路を囲んで前記導
    波管の外側外周部に設けたコイルとを具備したことを特
    徴とするマイクロ波プラズマ処理装置。
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