JP2742981B2 - ストマ用腹帯 - Google Patents

ストマ用腹帯

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は人工肛門や人工膀胱の
排泄口に使用するための腹帯に関する。
【0002】
【従来の技術】病気により大腸の一部や膀胱を切除した
後に、それに代わる人工器官として人工肛門や人工膀胱
を施術することが広く行われており、特に近年は直腸癌
の患者の増加により人工肛門の保有者が急増している。
【0003】上記の人工肛門及び人工膀胱は、肛門や膀
胱に代わり便や尿の排泄口を手術により新たに患者の腹
部に設けるものであり、これらの排泄口を医学上ストマ
(stoma)と呼んでいる。そして、このストマには
排泄された便や尿を採取・蓄積するための排泄袋が装着
される。
【0004】この排泄袋には種々のものがあるが、この
発明では接着剤や皮膚保護剤等の粘着剤(以下、粘着剤
と総称する。)をもって人体に装着する形式のものを先
行技術とする。図4にこの種の排泄袋の一例を示す。こ
の排泄袋20は袋体22の開口首部23に鍔状の基板2
1を設けた構成よりなり、基板22は裏面に設けた粘着
層(図中符号無し)により人体のストマ周辺に貼り付け
られる。尚、図中符号24は基板22に設けられる開口
であり、上記袋体22の開口首部23と連通するが、通
常、この開口24は被装着者のストマの大きさに応じて
使用時に穿設される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の排泄袋は通常は
粘着剤の粘着力により充分の強度をもってストマに装着
されるが、粘着力を上回る強い外圧が加わったり、肥満
により被装着者の腹部に皺が生じやすい場合には脱落の
おそれがあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の従来技
術の問題点を解決することを主目的とすると共に、効果
の項で述べる従来にない効果を奏するために創作された
ものである。即ち、この発明のストマ用腹帯は人体の腹
部に巻付けるべき帯部と、この帯部に取り付けられる補
助板の組み合わせよりなり、補助板にはストマ用の排泄
袋の袋体が挿通可能な穴を設けると共に、表面に止着具
を設け、一方、帯部には補助板が露出すべき窓を設ける
と共に、裏面に補助板の止着具と止着される止着具を設
けたことを特徴とする。
【0007】
【作用】よってこの発明の腹帯によれば、排泄袋をその
袋体が補助板の表面に、同じく基板が補助板の裏面に位
置するように補助板の穴に挿通すると共に、従来通り粘
着剤によりストマに貼り付け、更に排泄袋の袋体が窓を
通して表面に位置するように帯部を補助板に重合して止
着具により両者を固定すれば、排泄袋は粘着力と共に帯
部の腹部への締めつけにより強固に固定される作用を生
じることとなる(図2及び図3参照)。
【0008】
【実施例】以下、この発明の具体的実施例を添付図面に
基づいて説明する。この発明のストマ用腹帯は人体の腹
部に巻付け可能な帯部1と、この帯部に取り付けられる
補助板10の組み合わせよりなる(図1参照)。
【0009】帯部1はメッシュ生地等の通気性のよい布
地により所要長さおよび幅の帯状に構成され、両端の表
裏面に止着具4及び5(この実施例では止着具としてベ
ルベットファスナーを採用している。)を取付けること
により腹部をフリーサイズで締め付け可能にしている。
尚、ここでは帯部1の幅方向の撓みを防止するために、
その幅方向に渡る芯材6を複数個一定間隔をもって設け
ている。
【0010】上記の帯部1には下記する補助板10が露
出すべき窓2が設けられ、帯部の裏面にしてこの窓2の
周囲には止着具3(この実施例では止着具としてベルベ
ットファスナーを採用している。)が設けられる。
【0011】次に、補助板10は柔軟な布地により、少
なくとも帯部の上記の窓2より大きな形状に構成され
る。この補助板10の中央には排泄袋20の袋体22が
挿通可能な穴11が設けられ、補助板の表面には前記の
帯部の裏面の止着具3に対応する止着具12が設けられ
る。尚、ここでは補助板の上記の穴11を補強するため
に、その周囲に環状の芯材13を設けている。
【0012】以上のストマ用腹帯の使用法は次の通りで
ある(図2及び図3参照)。先ず、排泄袋20をその袋
体22が補助板10の表面に、同じく基板21が補助板
の裏面に位置するように補助板の穴11に挿通する。即
ち、この場合排泄袋20はその袋体の開口首部23が補
助板10の穴11に嵌入した状態となる。
【0013】次いで、排泄袋20を粘着剤によりストマ
に貼り付け、更に帯部1を窓2を通して排泄袋の袋体2
2がその表面に位置するように補助板10に重合して止
着具3及び12により両者を固定する。
【0014】そして、帯部1を腹部に巻いて両端を止着
具4及び5により止着すれば、排泄袋20は粘着力と共
に腹帯の押圧力によってストマに固定されることとな
る。尚、以上の手順は必要に応じて変更してもよく、例
えば排泄袋20を予めストマに固定した後に補助板10
を取り付てもよいことは勿論である。
【0015】
【発明の効果】以上の構成よりなるこの発明は次の特有
の効果を奏する。 排泄袋は粘着力と共に腹帯の押圧力によってストマに
固定されるので、強い外圧が加わっても脱落のおそれが
ない。
【0016】腹帯は、排泄袋を直接取り付ける補助板
とこの補助板を押圧する帯部とに分離構成されているの
で、穴の径を代えた補助板を用意するだけで、袋体の開
口首部の直径が区々な種々の排泄袋に対し、一つの腹帯
で対応することができる。
【0017】腹帯は、排泄袋を直接取り付ける補助板
とこの補助板を押圧する帯部とに分離構成されているの
で、先ず補助板を排泄袋に取り付けた後に帯部を装着す
ればよく、排泄袋に対する腹帯の装着が極めて容易に行
える。
【0018】腹帯は同時に腹部の矯正の作用も果たす
ので、肥満により被装着者の腹部に皺が生じやすい場合
には、その皺の発生を防止し、腹帯の押圧力と相まって
排泄袋の脱落や皺による一部分の剥離を防止する。
【0019】腹帯は同時に腹部の矯正の作用も果たす
ので、ストマの施術直後の患者が使用する場合には腹部
の矯正により手術後の縫合面の仕上がりを良好とすると
共に、腸のヘルニアを防止する効果を生じる。
【0020】排泄袋には基板を袋体と分離して構成す
ると共に、基板の開口の周囲及び袋体の開口首部の周囲
に雌雄の環状のスナップを設け、両者を押圧止着するこ
とにより組み立てるものがある。この種の排泄袋におい
ては、基板は常時ストマに装着しておき、スナップの係
脱により袋体のみを適宜交換するものであるが、柔らか
く且つ可撓する腹部に位置した基板に袋体のスナップを
押圧止着することは至難であった。この発明のストマ用
腹帯をこの種の排泄袋に使用すれば、ストマ周辺の腹部
は補助板が重合されることにより、柔軟性や可撓性がな
くなり容易にスナップを押圧止着できる効果を奏するこ
ととなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のストマ用腹帯及びそれを使用する排
泄袋の装着前の斜視図。
【図2】同上、装着状態の要部の斜視図。
【図3】同上、装着状態の要部の断面図。
【図4】排泄袋の斜視図。
【符号の説明】
1 帯部 2 窓 3 止着具 10 補助板 11 穴 12 止着具 20 排泄袋 21 基板 22 袋体

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人体の腹部に巻付けるべき帯部と、この
    帯部に取り付けられる補助板の組み合わせよりなり、補
    助板にはストマ用の排泄袋の袋体が挿通可能な穴を設け
    ると共に、表面に止着具を設け、一方、帯部には補助板
    が露出すべき窓を設けると共に、裏面に補助板の止着具
    と止着される止着具を設けたことを特徴とするストマ用
    腹帯。
  2. 【請求項2】 補助板の穴の周囲に環状の芯材を設けた
    請求項1記載のストマ用腹帯。
  3. 【請求項3】 止着具としてベルベットファスナーを採
    用した請求項1又2記載のストマ用腹帯。
  4. 【請求項4】 帯部に、その幅方向に渡る芯材を設けた
    請求項1から3の何れかに記載のストマ用腹帯。
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