JP2742079B2 - インクジェット記録ヘッドの回復方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録ヘッドの回復方法及びインクジェット記録装置Info
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- jet recording
- ink jet
- recording apparatus
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、結晶化する性質を有するインクを吐出して
画像記録を行なうインクジェット記録装置及び前記装置
に適用するインクジェット記録ヘッドの回復方法に関す
る。
画像記録を行なうインクジェット記録装置及び前記装置
に適用するインクジェット記録ヘッドの回復方法に関す
る。
[従来の技術] インクジェット記録用のインクとしては、主に水性イ
ンクが用いられている。
ンクが用いられている。
水性インクは、少なくとも水を主体とする溶剤と、着
色剤とを含む。
色剤とを含む。
この水を主体とする溶剤を組成する成分として、通常
不揮発性のDEG(ジエチレングリコール)やGL(グリセ
リン)等の溶剤が用いられている。
不揮発性のDEG(ジエチレングリコール)やGL(グリセ
リン)等の溶剤が用いられている。
これは、吐出口にあるインク中の揮発成分が蒸発し
て、その部分が増粘したり、析出した固形物が固着し
て、吐出口からのインク吐出不良や吐出不能を発生させ
ることを防ぐためである。
て、その部分が増粘したり、析出した固形物が固着し
て、吐出口からのインク吐出不良や吐出不能を発生させ
ることを防ぐためである。
ところが、上述のように、DEGやGL等の溶剤を含む水
性インクでは、普通紙等に印字した際に、良好な乾燥定
着性が得られない場合がある。そこで、確実な記録画像
の乾燥定着を行なう場合には、例えば別途設けたヒータ
ーやファン等の乾燥手段によって印字直後の記録画像を
加熱乾燥させる方法が取られている。
性インクでは、普通紙等に印字した際に、良好な乾燥定
着性が得られない場合がある。そこで、確実な記録画像
の乾燥定着を行なう場合には、例えば別途設けたヒータ
ーやファン等の乾燥手段によって印字直後の記録画像を
加熱乾燥させる方法が取られている。
そこで、DEGやGLの不揮発性溶剤の使用を極力抑え、
乾燥定着性に優れたインクを用いれば、上述のようにヒ
ーターやファン等の記録画像の乾燥手段を別途設ける必
要がなくなる。ところが、DEGやGL等の含有を抑えた水
性インクでは、上述のような記録ヘッドの吐出口でのイ
ンクの増粘や固形物の析出がより起り易くなり、ある程
度の期間の停止や休止後の記録再開時に、吐出口付近に
ある増粘インクや固形物を含む、あるいは固化したイン
クを取り除くための記録ヘッド回復操作が必要となる。
乾燥定着性に優れたインクを用いれば、上述のようにヒ
ーターやファン等の記録画像の乾燥手段を別途設ける必
要がなくなる。ところが、DEGやGL等の含有を抑えた水
性インクでは、上述のような記録ヘッドの吐出口でのイ
ンクの増粘や固形物の析出がより起り易くなり、ある程
度の期間の停止や休止後の記録再開時に、吐出口付近に
ある増粘インクや固形物を含む、あるいは固化したイン
クを取り除くための記録ヘッド回復操作が必要となる。
この回復操作は、例えば記録ヘッドの吐出口を吸引手
段により吸引し、良好な吐出状態を生じさせるのに適当
な物性を有していないインクを吐出口から除去すること
により行なわれている。
段により吸引し、良好な吐出状態を生じさせるのに適当
な物性を有していないインクを吐出口から除去すること
により行なわれている。
しかしながら、吸引等による回復手段は、ノズル部の
インクの増粘部分の粘度が環境や記録装置の放置時間等
により違うため、粘度が高い場合に対応した吸引圧を設
定するのが困難な場合が多い。例えば増粘部の粘度が見
積った粘度よりも低いと、必要量以上のインクが吸引さ
れてしまう。
インクの増粘部分の粘度が環境や記録装置の放置時間等
により違うため、粘度が高い場合に対応した吸引圧を設
定するのが困難な場合が多い。例えば増粘部の粘度が見
積った粘度よりも低いと、必要量以上のインクが吸引さ
れてしまう。
これは、ランニングコストの上昇を招く要因となり得
る。また、吐出口にインク中に析出した固形物が固着し
たり、その部分のインク全体が固化してしまうと、吸引
だけでは回復させることができない恐れがある。
る。また、吐出口にインク中に析出した固形物が固着し
たり、その部分のインク全体が固化してしまうと、吸引
だけでは回復させることができない恐れがある。
本発明の目的は、普通紙等を用いた場合でも、良好な
印字画像の乾燥定着性が得られ、かつ上述のような吸引
による回復操作と比較して、より効率の良い回復方法を
用いたインクジェット記録に必要な技術を提供すること
にある。
印字画像の乾燥定着性が得られ、かつ上述のような吸引
による回復操作と比較して、より効率の良い回復方法を
用いたインクジェット記録に必要な技術を提供すること
にある。
本発明の他の目的は、画像記録のためのインク吐出に
先立ってヘッドを加熱する際に、従来から公知の予備加
熱とは異なって、結晶を溶解する温度以上にヘッドを加
熱することによって、結晶化する性質を有するインクの
利点を充分に発揮させることのできるインクジェット記
録ヘッドの回復方法及びインクジェット記録装置を提供
することにある。
先立ってヘッドを加熱する際に、従来から公知の予備加
熱とは異なって、結晶を溶解する温度以上にヘッドを加
熱することによって、結晶化する性質を有するインクの
利点を充分に発揮させることのできるインクジェット記
録ヘッドの回復方法及びインクジェット記録装置を提供
することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、結晶化する性質を有するインクを吐出して
画像記録を行なうインクジェット記録装置に適用するイ
ンクジェット記録ヘッドの回復方法であって、 画像記録のためのインク吐出に先立って、結晶を溶解
する温度以上にヘッドを加熱した後、予備吐出を行い画
像記録可能状態となることを特徴とするインクジェット
記録ヘッドの回復方法を含む。
画像記録を行なうインクジェット記録装置に適用するイ
ンクジェット記録ヘッドの回復方法であって、 画像記録のためのインク吐出に先立って、結晶を溶解
する温度以上にヘッドを加熱した後、予備吐出を行い画
像記録可能状態となることを特徴とするインクジェット
記録ヘッドの回復方法を含む。
また、本発明は、結晶化する性質を有するインクを吐
出して画像記録を行なうインクジェット記録装置であっ
て、 結晶化する性質を有するインクを吐出するための吐出
口と、 前記吐出口を複数個有するヘッドと、 結晶を溶解する温度以上にヘッドを加熱した後、予備
吐出を行う手段と、 を有し、 前記予備吐出を行ない記録可能状態となるインクジェ
ット記録装置を含む。
出して画像記録を行なうインクジェット記録装置であっ
て、 結晶化する性質を有するインクを吐出するための吐出
口と、 前記吐出口を複数個有するヘッドと、 結晶を溶解する温度以上にヘッドを加熱した後、予備
吐出を行う手段と、 を有し、 前記予備吐出を行ない記録可能状態となるインクジェ
ット記録装置を含む。
上記結晶の溶解のための加熱の制御は、公知の加熱に
おける温度制御手段が利用できる。
おける温度制御手段が利用できる。
以下に示す実施例は、インクジェット記録用のインク
としてジエチレングリコール(DEG)やグリセリン(G
L)等の不揮発性溶剤の含有率が低く、普通紙等におい
ても乾燥定着性に優れたインクを用い、該インクを使用
したインクジェット記録装置を作動させる際の回復操作
を少なくとも記録ヘッドのノズル先端の吐出口内のイン
クを、該インク内に析出した固形物を溶解させるのに必
要な温度に加熱した状態で、予備吐出を行ない、記録可
能な状態を得ることにより行なうことを特徴とする。
としてジエチレングリコール(DEG)やグリセリン(G
L)等の不揮発性溶剤の含有率が低く、普通紙等におい
ても乾燥定着性に優れたインクを用い、該インクを使用
したインクジェット記録装置を作動させる際の回復操作
を少なくとも記録ヘッドのノズル先端の吐出口内のイン
クを、該インク内に析出した固形物を溶解させるのに必
要な温度に加熱した状態で、予備吐出を行ない、記録可
能な状態を得ることにより行なうことを特徴とする。
本発明で用いる水性インクとしては、例えばDEG、GL
等の不揮発性溶剤を10重量%以下の割合で含み、かつ尿
素等のインク中で結晶化して析出した際に保水性を有す
る成分(以下、保水性成分という)を、1〜10重量%、
好ましくは3〜5重量%の割合で含む水性インクを挙げ
ることができる。
等の不揮発性溶剤を10重量%以下の割合で含み、かつ尿
素等のインク中で結晶化して析出した際に保水性を有す
る成分(以下、保水性成分という)を、1〜10重量%、
好ましくは3〜5重量%の割合で含む水性インクを挙げ
ることができる。
なお、該水性インクは、着色剤や更に必要に応じて添
加される各種添加剤を含んでいても良い。この着色剤や
添加剤としては、通常インクジェット用水性インクに用
いられているものが利用できる。
加される各種添加剤を含んでいても良い。この着色剤や
添加剤としては、通常インクジェット用水性インクに用
いられているものが利用できる。
なお、回復操作における加熱条件は、用いるインクの
物性、即ち析出固形物の溶解に必要で、インクジェット
記録ヘッドの記録特性に悪影響を与えない程度の条件を
設定すれば良い。
物性、即ち析出固形物の溶解に必要で、インクジェット
記録ヘッドの記録特性に悪影響を与えない程度の条件を
設定すれば良い。
[実施例] 実施例1 以下の組成の水性インクを第1図の構成を有するイン
クジェット記録装置のインクタンクを介して、記録ヘッ
ド内に充填し、15℃,湿度10%の条件下に放置した。
クジェット記録装置のインクタンクを介して、記録ヘッ
ド内に充填し、15℃,湿度10%の条件下に放置した。
5時間の放置後、第2図に示すように、記録ヘッド1
の吐出口3が析出固形物の膜4でおおわれているのが観
察された。
の吐出口3が析出固形物の膜4でおおわれているのが観
察された。
そこで、第1図に示したサブヒーター2で、記録ヘッ
ド内のインクを20秒程度加熱したところ、約20μm程度
の膜4が溶解した。そこで、この状態で予備吐出(各吐
出口につき約100発)させると、吐出口部分に所定の特
性を有する記録ヘッド内部のインクが供給され、記録ヘ
ッドは記録可能な状態となった。
ド内のインクを20秒程度加熱したところ、約20μm程度
の膜4が溶解した。そこで、この状態で予備吐出(各吐
出口につき約100発)させると、吐出口部分に所定の特
性を有する記録ヘッド内部のインクが供給され、記録ヘ
ッドは記録可能な状態となった。
この状態で普通紙に対して記録を行なったところ、良
好な記録が行え、記録画像の乾燥定着性も良好であっ
た。
好な記録が行え、記録画像の乾燥定着性も良好であっ
た。
なお、予備吐出の際には、サブヒーターをOFFし空吐
出の周波数は1kHz以下にしてヘッド内のインク温度を上
げないようにした。更にいえば、逆にインクの温度を下
げるようにした。これは液滴吐出エネルギーとして熱を
利用するインクジェット記録ヘッド特有の空吐出方法で
あり、吐出の際、吐出ヒーターより熱が発生し、逆に吐
出によりインクが吐出口外に出ることで熱が逃げていく
熱の発生と消滅のバランスの系となっているためであ
る。
出の周波数は1kHz以下にしてヘッド内のインク温度を上
げないようにした。更にいえば、逆にインクの温度を下
げるようにした。これは液滴吐出エネルギーとして熱を
利用するインクジェット記録ヘッド特有の空吐出方法で
あり、吐出の際、吐出ヒーターより熱が発生し、逆に吐
出によりインクが吐出口外に出ることで熱が逃げていく
熱の発生と消滅のバランスの系となっているためであ
る。
以上のように、良好な記録ヘッドの回復操作が行なえ
るのは、以下のような現象によるものと考えられる。
るのは、以下のような現象によるものと考えられる。
本発明に用いられる水性インク中には、水分等が蒸発
した際に固形物として析出しても保水性のある固形分を
形成し得る成分が含有されているので、記録装置をある
程度の期間放置した際に、吐出口内でインク中の水分等
の蒸発により固形物が析出しても、第5図に示すよう
に、吐出口の先端に、氷が張ったように、保水性成分の
結晶の膜が生成する。保水性成分の結晶は水分を保持す
るので、吐出口内に付着した固形物から更に水分が蒸発
してもそこから水分が完全になくなることはない。
した際に固形物として析出しても保水性のある固形分を
形成し得る成分が含有されているので、記録装置をある
程度の期間放置した際に、吐出口内でインク中の水分等
の蒸発により固形物が析出しても、第5図に示すよう
に、吐出口の先端に、氷が張ったように、保水性成分の
結晶の膜が生成する。保水性成分の結晶は水分を保持す
るので、吐出口内に付着した固形物から更に水分が蒸発
してもそこから水分が完全になくなることはない。
従って、一度保水性成分が結晶化して、析出固形物の
膜ができると、固形物の膜は、ある程度以上は乾燥する
ことがなく、しかもこの膜が膜より内側にあるインク中
の水分等の蒸発を防ぐ。
膜ができると、固形物の膜は、ある程度以上は乾燥する
ことがなく、しかもこの膜が膜より内側にあるインク中
の水分等の蒸発を防ぐ。
具体的に尿素を用いた場合は、吐出口におけるインク
と外気との接触面では乾いた環境においては、第7図の
ように水分が時間の経過により急激に蒸発し、尿素のイ
ンク成分(主に水)に対する溶解性が下がり、結晶化す
る。
と外気との接触面では乾いた環境においては、第7図の
ように水分が時間の経過により急激に蒸発し、尿素のイ
ンク成分(主に水)に対する溶解性が下がり、結晶化す
る。
しかし、一度結晶化すると水分が蒸発しにくくなり、
結晶化のスピードは鈍る。更に、一度結晶化した尿素は
吸湿性(保水性)があり、特に30℃を越えると、その保
水性は増大する。
結晶化のスピードは鈍る。更に、一度結晶化した尿素は
吸湿性(保水性)があり、特に30℃を越えると、その保
水性は増大する。
そこで、加熱手段によって加熱してその温度を上げる
と水分が増えることから保水性成分の溶解性は増大し、
更には尿素自身が第6図の様な溶解度曲線を描き、40℃
をこえると急激に溶解度が増すため、尿素の結晶がイン
クに溶解する。
と水分が増えることから保水性成分の溶解性は増大し、
更には尿素自身が第6図の様な溶解度曲線を描き、40℃
をこえると急激に溶解度が増すため、尿素の結晶がイン
クに溶解する。
また、DEGやGL等の不揮発性溶剤が多く含まれたイン
クは定着はしにくいものの普通紙等に印字した場合、な
かなか乾燥しないため、定着性が悪い。
クは定着はしにくいものの普通紙等に印字した場合、な
かなか乾燥しないため、定着性が悪い。
実施例2 実施例1と同様なインクジェット記録ヘッド放置条件
を設定したところ、吐出口内に析出固形物の膜(膜厚約
30μm)が生成した。次に、第3図に示す位置にある吐
出エネルギー発生体(電気熱変換体)5にインクの吐出
を起さない程度の電気的信号(駆動電圧、駆動パルス巾
等のいずれか1以上)を印加し、少なくとも吐出口内の
インクを加熱し、その温度を40℃まで上昇させた。する
と、吐出口内の析出固形物膜は約30秒で溶解した。そこ
で、吐出に必要な電気的信号を吐出エネルギー発生体5
に加え、空吐出(各ノズル100発程度)を行なった。そ
の後、記録情報に応じて記録を普通紙に行なったとこ
ろ、良好な記録操作が行なえ、また普通紙に形成された
記録画像の乾燥定着性も良好であった。
を設定したところ、吐出口内に析出固形物の膜(膜厚約
30μm)が生成した。次に、第3図に示す位置にある吐
出エネルギー発生体(電気熱変換体)5にインクの吐出
を起さない程度の電気的信号(駆動電圧、駆動パルス巾
等のいずれか1以上)を印加し、少なくとも吐出口内の
インクを加熱し、その温度を40℃まで上昇させた。する
と、吐出口内の析出固形物膜は約30秒で溶解した。そこ
で、吐出に必要な電気的信号を吐出エネルギー発生体5
に加え、空吐出(各ノズル100発程度)を行なった。そ
の後、記録情報に応じて記録を普通紙に行なったとこ
ろ、良好な記録操作が行なえ、また普通紙に形成された
記録画像の乾燥定着性も良好であった。
なお、上記の操作で吐出口内のインク温度を50℃に昇
温すると、析出固形物の膜は約10秒で溶解した。
温すると、析出固形物の膜は約10秒で溶解した。
このようにインク温度を上げる手段として、吐出用ヒ
ーターを用いることで、インク温度を早く上げることが
可能であり、更には、サブヒーターを省略することがで
きる。
ーターを用いることで、インク温度を早く上げることが
可能であり、更には、サブヒーターを省略することがで
きる。
実施例3 第4図に示すように、フラッシュ光源6による吐出口
への熱に変換し得る光の照射を可能とする構成とし、実
施例1と同様な放置状態に設定し、記録ヘッドの吐出口
にフラッシュ光源から光照射(XEランプ,カットオフタ
イム2.5msec,印画電圧220V)を行なったところ、吐出口
内のインクが昇温し、析出固形物膜(膜厚約20μm)程
度が数秒で溶解した。この状態で、空吐出を各吐出口あ
たり50パルス巾の駆動信号で行なった。その後、記録情
報に応じて普通紙に記録を行って画像を形成したとこ
ろ、良好な画像形成操作が行なえ、かつ形成された画像
の乾燥定着性も良好であった。
への熱に変換し得る光の照射を可能とする構成とし、実
施例1と同様な放置状態に設定し、記録ヘッドの吐出口
にフラッシュ光源から光照射(XEランプ,カットオフタ
イム2.5msec,印画電圧220V)を行なったところ、吐出口
内のインクが昇温し、析出固形物膜(膜厚約20μm)程
度が数秒で溶解した。この状態で、空吐出を各吐出口あ
たり50パルス巾の駆動信号で行なった。その後、記録情
報に応じて普通紙に記録を行って画像を形成したとこ
ろ、良好な画像形成操作が行なえ、かつ形成された画像
の乾燥定着性も良好であった。
実施例4 第5図に示すように、温風ファン7を記録ヘッドの吐
出口を加熱できるように配置し、実施例1と同様の放置
状態を設定し、記録ヘッドの吐出口に温風ファン7から
熱風をあてた。1〜2分経過後、吐出口内に形成された
析出固形物膜(膜厚約20μm)が溶解し、その後実施例
1と同様な条件で空吐出を行なった。その後、記録情報
に応じて普通紙に画像を形成したところ、良好な画像形
成操作が行なえ、しかも形成された画像の乾燥定着性も
良好であった。
出口を加熱できるように配置し、実施例1と同様の放置
状態を設定し、記録ヘッドの吐出口に温風ファン7から
熱風をあてた。1〜2分経過後、吐出口内に形成された
析出固形物膜(膜厚約20μm)が溶解し、その後実施例
1と同様な条件で空吐出を行なった。その後、記録情報
に応じて普通紙に画像を形成したところ、良好な画像形
成操作が行なえ、しかも形成された画像の乾燥定着性も
良好であった。
実施例5 実施例1で用いたインクにDEGを5重量%更に加えた
インクと、TDG(チオジグリコール)を5重量%更に加
えたインクを調製した。
インクと、TDG(チオジグリコール)を5重量%更に加
えたインクを調製した。
これらのインクをそれぞれ用いて、実施例1の操作を
繰り返えししたところ、実施例1と同様に良好な記録ヘ
ッドの回復操作、インクジェット記録操作が行なえ、形
成された画像の乾燥定着性も良好であった。
繰り返えししたところ、実施例1と同様に良好な記録ヘ
ッドの回復操作、インクジェット記録操作が行なえ、形
成された画像の乾燥定着性も良好であった。
実施例6 DEG及びTDGの合計量の配合比を10重量%とする以外は
実施例5と同様の操作を行なったところ、良好な記録ヘ
ッドの回復操作、インクジェット記録操作が行なえ、形
成された画像の乾燥定着性も十分に満足できるものであ
った。
実施例5と同様の操作を行なったところ、良好な記録ヘ
ッドの回復操作、インクジェット記録操作が行なえ、形
成された画像の乾燥定着性も十分に満足できるものであ
った。
比較例1 DEGの配合比を15重量%とする以外は、実施例5と同
様の操作を行なったところ、吐出口内で析出固形物膜の
生成は認められず、回復操作の必要性はあまりなくなっ
たが、形成された記録画像の乾燥定着性が低下した。
様の操作を行なったところ、吐出口内で析出固形物膜の
生成は認められず、回復操作の必要性はあまりなくなっ
たが、形成された記録画像の乾燥定着性が低下した。
比較例2 尿素の配合割合を種々変更する以下は、実施例1と同
様の操作を行なった。
様の操作を行なった。
尿素の配合割合が10重量%を越えた場合、印字操作中
に吐出口部に固形物の析出が観察され、吐出不良が発生
した。また、1重量%以下の場合は、吐出口における効
果的な析出固形物の膜形成がみられなかった。
に吐出口部に固形物の析出が観察され、吐出不良が発生
した。また、1重量%以下の場合は、吐出口における効
果的な析出固形物の膜形成がみられなかった。
[発明の効果] 本発明によれば、放置時に保水性があり、かつ加熱に
より容易に溶解可能な析出固形物を生じ、しかも乾燥定
着性に優れた水性インクと、記録ヘッドの吐出口内に生
成した析出固形物を溶解させるための手段とが組合わさ
れることによって、吐出口内のインクを加熱するという
簡便な操作で効果的な回復操作が行なえ、かつ形成され
た画像に良好な乾燥定着性が得られる。
より容易に溶解可能な析出固形物を生じ、しかも乾燥定
着性に優れた水性インクと、記録ヘッドの吐出口内に生
成した析出固形物を溶解させるための手段とが組合わさ
れることによって、吐出口内のインクを加熱するという
簡便な操作で効果的な回復操作が行なえ、かつ形成され
た画像に良好な乾燥定着性が得られる。
第1図は本発明に係るインクジェット記録装置の記録ヘ
ッド部の構成を示す図、第2図は吐出口内に生じた析出
固形物膜の形成状態を示す図、第3図〜第5図はそれぞ
れ本発明に係る吐出口内インク加熱手段の例を示す図、
第6図は尿素の溶解度とインク温度との関係を示すグラ
フ、第7図は析出固形物膜が生成している吐出口内の水
分含有量の分布を示すグラフである。 1:記録ヘッド、2:サブヒーター 3:吐出口、4:析出固形物膜 5:吐出エネルギー発生体 6:フラッシュ光源、7:温風ファン
ッド部の構成を示す図、第2図は吐出口内に生じた析出
固形物膜の形成状態を示す図、第3図〜第5図はそれぞ
れ本発明に係る吐出口内インク加熱手段の例を示す図、
第6図は尿素の溶解度とインク温度との関係を示すグラ
フ、第7図は析出固形物膜が生成している吐出口内の水
分含有量の分布を示すグラフである。 1:記録ヘッド、2:サブヒーター 3:吐出口、4:析出固形物膜 5:吐出エネルギー発生体 6:フラッシュ光源、7:温風ファン
Claims (9)
- 【請求項1】結晶化する性質を有するインクを吐出して
画像記録を行なうインクジェット記録装置に適用するイ
ンクジェット記録ヘッドの回復方法であって、 画像記録のためのインク吐出に先立って、結晶を溶解す
る温度以上にヘッドを加熱した後、予備吐出を行い画像
記録可能状態となることを特徴とするインクジェット記
録ヘッドの回復方法。 - 【請求項2】結晶化する性質を有するインクを吐出して
画像記録を行なうインクジェット記録装置であって、 結晶化する性質を有するインクを吐出するための吐出口
と、 前記吐出口を複数個有するヘッドと、 結晶を溶解する温度以上に前記ヘッドを加熱した後、予
備吐出を行う手段と、 を有し、 前記予備吐出を行ない記録可能状態となるインクジェッ
ト記録装置。 - 【請求項3】溶剤量が10重量%以下で、尿素を含むイン
クを用いるインクジェット記録装置であって、吐出前に
インクの温度を上昇させる手段によりインクを環境温度
以上に加熱した後、インクの吐出手段により、ノズル先
端のインクを吐出することを特徴とするインクジェット
記録装置。 - 【請求項4】前記インクが不揮発性溶剤を10重量%以下
の割合で含む水性インクである請求項1に記載のインク
ジェット記録ヘッドの回復方法。 - 【請求項5】前記不揮発性溶剤がジエチレングリコール
及びグリセリンから選択される少なくとも一つである請
求項4に記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。 - 【請求項6】前記インクが不揮発性溶剤を10重量%以下
の割合で含む水性インクである請求項2または3に記載
のインクジェット記録装置。 - 【請求項7】前記不揮発性溶剤がジエチレングリコール
及びグリセリンから選択される少なくとも一つである請
求項6に記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項8】前記ヘッドはインクを吐出するためのエネ
ルギーとして熱を発生するエネルギー発生体を有する請
求項2に記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項9】前記吐出手段はインクを吐出するためのエ
ネルギーとして熱を発生するエネルギー発生体である請
求項3に記載のインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1907289A JP2742079B2 (ja) | 1989-01-28 | 1989-01-28 | インクジェット記録ヘッドの回復方法及びインクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1907289A JP2742079B2 (ja) | 1989-01-28 | 1989-01-28 | インクジェット記録ヘッドの回復方法及びインクジェット記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02198845A JPH02198845A (ja) | 1990-08-07 |
JP2742079B2 true JP2742079B2 (ja) | 1998-04-22 |
Family
ID=11989230
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1907289A Expired - Lifetime JP2742079B2 (ja) | 1989-01-28 | 1989-01-28 | インクジェット記録ヘッドの回復方法及びインクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2742079B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7106285B2 (ja) * | 2017-03-10 | 2022-07-26 | キヤノン株式会社 | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 |
US10647141B2 (en) | 2017-10-13 | 2020-05-12 | Canon Kabushiki Kaisha | Inkjet printing method and inkjet printing apparatus |
-
1989
- 1989-01-28 JP JP1907289A patent/JP2742079B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH02198845A (ja) | 1990-08-07 |
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