JP2741580B2 - 溶融炭酸塩型燃料電池システム - Google Patents

溶融炭酸塩型燃料電池システム

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JP2741580B2
JP2741580B2 JP7174699A JP17469995A JP2741580B2 JP 2741580 B2 JP2741580 B2 JP 2741580B2 JP 7174699 A JP7174699 A JP 7174699A JP 17469995 A JP17469995 A JP 17469995A JP 2741580 B2 JP2741580 B2 JP 2741580B2
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義明 天野
淳 幹
俊樹 加原
正 吉田
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溶融炭酸塩型燃料電池発電システム技術研究組合
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融炭酸塩型燃料電池シ
ステムに係り、特に、システムから排出される排ガス中
のNOx量を負荷変動等に関係なく常に低く抑えること
が可能な溶融炭酸塩型燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の溶融炭酸塩型燃料電池システムの
構成を図3に示す。図において、システムに供給された
天然ガス等の原燃料は水蒸気と混合された後に、改質器
1に送られ、ここで改質されて水素と二酸化炭素を主成
分とする改質ガスとなる。この改質ガスは燃料電池2の
アノード2aに導入され、ここで改質ガス中の水素の約
80%が電気化学反応による発電に使用される。通常、
燃料電池2における水素利用率(水素利用率とは、燃料
電池のアノードに供給された水素のうち発電に消費され
た水素の割合をいう)は約80%である。燃料電池2の
アノード2aでは、発電の結果、アノード排ガス11が
発生し、そのアノード排ガス11は熱交換器21を経て
改質器1の燃焼部1bに導かれ、改質反応に必要な熱を
得るのに使用される。
【0003】一方、燃料電池2のカソード2bには、改
質器1よりの燃焼排ガスとタービン圧縮機4の圧縮機4
bからの空気との混合ガスが供給され、ここで酸素およ
び二酸化炭素の一部が発電に使用される。カソード2b
では、発電の結果、カソード排ガス15が発生し、その
カソード排ガス15は補助燃焼器3の混合室3bに導入
される。
【0004】なお、燃料電池2の運転温度を調整するた
めに、カソード2bの出口から入口へカソード循環ブロ
ワ5を介してカソード排ガスの一部(カソード循環ガス
16)を循環させている。図において、2cはアノード
2aとカソード2b間に設けられた電解質である。
【0005】補助燃焼器3には補助燃料12が導かれ燃
焼部3a内で燃焼して、タービン圧縮機4のタービン4
aの運転に必要なエネルギを得ている。そして、燃焼部
3aからの燃焼ガスによってタービン4aは回転し、そ
の回転力により圧縮機4bは回転する。
【0006】ここで、補助燃料12には天然ガス等の原
燃料が使用され、補助燃料流量調節弁17等により流量
調節が行われる。燃焼に必要な空気(燃焼用空気14)
は圧縮機4bにより燃焼用空気流量調節弁19等にて流
量調節された後、補助燃焼器3の燃焼部3aに供給され
る。
【0007】ところで、従来の溶融炭酸塩型燃料電池シ
ステムでは、上述したように補助燃焼器3の燃料として
天然ガス等の原燃料が用られてきた。一般に、天然ガス
を使用する燃焼器では空燃比の制約から燃焼温度が高く
なり、そのため燃焼ガス中のNOx(サーマルNOx)
の濃度が高くなる傾向があった。比較的低いNOx濃度
の燃焼器でも50〜150ppm(7%O2濃度換算)
の濃度が普通である。
【0008】一方、燃料電池本体はその発電原理から、
燃焼部分がないためNOxが殆ど発生しない長所があ
る。しかしながら、従来のシステムでは、システム内に
天然ガス等を使用する補助燃焼器があるために、システ
ム全体としてはNOxが発生してしまい燃料電池の利点
を損なうという欠点があった。
【0009】また、システム効率を上げるために水素利
用率を約80%と高くとっているため、水素量に余裕が
無く、電池電圧があまり高くとれない、また急激な負荷
増加に対応できないという欠点があった。
【0010】さらに、負荷遮断が発生した場合、原燃料
を絞り込むまでの間、消費されなくなった水素が改質器
1の燃焼部1bに流入し、燃焼量が急増する結果、燃焼
温度が急上昇し改質器1の反応管1aを過熱し、場合に
よっては反応管1aを破損してしまう恐れがあった。
【0011】そこで、図4に示すように、アノード排ガ
ス11の一部(アノード排ガス11b)を補助燃焼器3
に導入し、補助燃焼器3の燃焼部3a内でアノード排ガ
ス11bを燃焼させるようにした溶融炭酸塩型燃料電池
システムが知られている。図4の構成によれば、補助燃
料流量調節弁17を操作することにより、改質器1で改
質されてから燃料電池2に供給される原燃料の量を多く
できるとともに、燃料電池2からのアノード排ガス11
bを補助燃焼器3に導入できるため、急激な負荷増加や
負荷遮断にも対応できるといった効果はある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の溶融炭酸塩型燃料電池システムでは、アノード排ガ
スをその流量を制御せずに単に補助燃焼器に導入し、そ
の燃焼部で燃焼させているだけなので、NOx値を充分
に低減することができないという欠点がある。すなわ
ち、燃料電池のアノードで発生するアノード排ガスの量
は負荷等に応じて変動しており、補助燃焼器の燃焼部に
多量の外部からの燃料ガスが導入されることがあり、N
Ox値が増大してしまう恐れがある。
【0013】本発明の目的は、負荷が変動しても常にN
Ox値を低く抑えることができる溶融炭酸塩型燃料電池
システムを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、燃焼部で発生する熱を利用して、外部か
ら供給される燃料ガスと水蒸気を水素と二酸化炭素を主
成分とする改質ガスに変換する改質器と、前記改質ガス
と空気とを取り込んで電気化学反応により発電を行う燃
料電池本体と、前記燃料電池本体からのアノード排ガス
の一部または外部からの燃料ガスを取り込んで燃焼部で
燃焼させることにより、燃料電池本体からのカソード排
ガスを加熱する補助燃焼器と、前記補助燃焼器で加熱さ
れたカソード排ガスの熱エネルギを利用して圧縮機を駆
動し、その圧縮機で圧縮された空気を、前記燃料電池本
体のカソード、前記改質器の燃焼部、および前記補助燃
焼器の燃焼部に供給するタービン圧縮機と、を備えた溶
融炭酸塩型燃料電池システムにおいて、前記燃料電池本
体からのアノード排ガスの一部を前記補助燃焼器に取り
込むための配管の途中に弁を設けるとともに、前記補助
燃焼器の下流側に補助燃焼器からの排ガス中のNOx量
を検出する検出手段を設け、かつ前記検出手段からの検
出結果を取り込んで、NOx量が大きくなったときは前
記弁を制御してアノード排ガスの流量を増加させ、(そ
の分外部からの燃料ガスを減少させ)NOx量が小さく
なったときは前記弁を制御してアノード排ガスの流量を
減少させる(その分外部からの燃料ガスを増加させる)
制御手段を設けたことを特徴としている。
【0015】また、本発明は、上記構成と同様の溶融炭
酸塩型燃料電池システムにおいて、前記燃料電池本体か
らのアノード排ガスの一部を前記補助燃焼器に取り込む
ための配管の途中に弁を設けるとともに、燃料電池の経
時的な出力変化を記憶した記憶手段を設け、かつ前記記
憶手段に記憶した燃料電池の経時的出力変化に基づいて
前記弁を制御し、補助燃焼器に取り込まれるアノード排
ガスの流量を増減させる制御手段を設けたことを特徴と
している。
【0016】
【作用】まず、補助燃焼器の燃料にアノード排ガスを用
いると、天然ガス等の原燃料を用いる場合に比べてNO
xの発生量を少なくすることができる理由について説明
する。アノード排ガスのガス組成の一例を以下に示す
と、 H2 : 7% CO : 2% CO2 : 37% H2O : 54% であり、可燃性ガス(H2およびCO)の割合が極めて
低いために、燃焼温度を下げることができる。
【0017】そして、NOx(サーマルNOx)は燃焼
用空気中の窒素と酸素が N2 + O2 → 2NO 等の反応で発生するが、この反応は燃焼温度が高いほど
起こり易い。したがって、補助燃焼器で天然ガス等の外
部からの燃料ガスの代わりにアノード排ガスを燃焼させ
ることによって燃焼温度を下げることができれば、NO
xの発生量が少なくなる。
【0018】本発明によればアノード排ガスの流量を制
御できるので、NOx発生量の増加を抑えることができ
る。すなわち上記構成によれば、システム運転時には、
補助燃焼器からの排ガス中に含まれるNOx量を検出手
段が常時検出し、そのNOx量検出結果を制御手段が入
力する。そして制御手段は、NOx量が大きくなったと
き、燃料電池のアノードから補助燃焼器へ流入するアノ
ード排ガスの流量が増加するよう前記弁を制御する。こ
れにより、補助燃焼器の燃焼部内の燃焼温度を下げるこ
とができ、NOx量を低減させることができる。またN
Ox量が小さくなったときは、制御手段はアノード排ガ
スの流量が減少するよう前記弁を制御して、燃焼部内の
燃焼温度を元の適正な温度に戻す。
【0019】さらに上記構成によれば、燃料電池の水素
利用率を下げることもできる。すなわち、従来より補助
燃焼器に用いられてきた天然ガス等の原燃料は、上記構
成においては改質器で改質されてから燃料電池に供給さ
れる量が多くなり、従来のシステムに比べ発電量が同一
であれば水素利用率が下がることになる。これにより燃
料電池入口と出口の水素の平均分圧が従来に比べ大きく
なり、燃料電池のセル電圧が高くなる。その結果、シス
テムへ投入する燃料の量を低減することができ、システ
ムの発電効率が向上する。
【0020】また、補助燃焼器からの排ガス中に含まれ
るNOx量を検出する代わりに、記憶手段に燃料電池の
経時的な出力変化を記憶しておいても、NOxの発生量
を抑えることができる。すなわち、この場合は、制御手
段が経時的な出力変化のデータを記憶手段から取り込ん
で、そのデータに基づいて前記弁を制御することによ
り、補助燃焼器に取り込まれるアノード排ガスの流量を
増減させることができ、NOxの発生量を低く抑えるこ
とが可能となる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に従って説明
する。図1は本発明の溶融炭酸塩型燃料電池システムの
概略構成を示している。図において、改質器1、燃料電
池2、補助燃焼器3およびタービン圧縮器は、図3およ
び図4に示した従来技術の場合と同じ構成である。
【0022】前述したように、燃料電池2に供給された
改質ガス中の水素うち、発電のために消費された水素の
割合を水素利用率というが、本実施例では水素利用率が
従来のシステムの約80%より低くなるように構成され
ている。例えば、水素利用率が約60〜80%となるよ
うにシステムに供給される原燃料や水蒸気の流量が調節
できる構成となっている。
【0023】そのような構成として、本実施例では、ア
ノード排ガス11の一部をアノード排ガス11bとして
補助燃焼器3の燃焼部3aに導入している。アノード排
ガス11bが燃焼部3aに導入されることにより、結果
的には、従来補助燃料12として用いていた原燃料が改
質器1側へ余分に供給され、水素利用率が下がることに
なるが、これによって、燃料電池セル電圧が上がり発電
効率が上がるため、上記原燃料の量は従来よりも少なく
なる。
【0024】また、本実施例では、アノード2から補助
燃焼器3にアノード排ガス11bを導入するための配管
の途中にアノード排ガス流量調節弁18を設け、さら
に、補助燃焼器3の下流側(図ではタービン圧縮機4a
の下流側)にNOx検出器41を設けている。また、N
Ox検出器41とアノード排ガス流量調節弁18との間
に制御装置42を設置している。そして制御装置42は
NOx検出器41からのNOx量の検出信号を取り込ん
で、その検出信号に基づいてアノード排ガス流量調節弁
18の開度制御を行うことができるようになっている。
【0025】このようにアノード排ガス流量調節弁18
の開度制御を行うことにより、補助燃焼器3の燃焼部3
aに導入されるアノード排ガス11bの量を調節するこ
とができ、負荷等の増大により、万一、アノード排ガス
11が多くに発生しても、そのアノード排ガス11が多
量に燃焼部3aに流れ込むのが回避され、NOxの発生
量を所定値以下に抑えることができる。
【0026】アノード排ガス流量調節弁18の開度制御
を行う制御装置42は、NOx検出器41からの検出信
号を取り込んで、NOx量が大きくなったときは、アノ
ード排ガス流量調節弁18の開度を大きくしてアノード
排ガス11bの流量を増加させ、NOx量が小さくなっ
たときは、アノード排ガス流量調節弁18の開度を小さ
くしてアノード排ガス11bの流量を減少させる制御を
行う。また、制御装置42は、NOx検出器41からの
検出信号にあわせて、補助燃焼器3の燃焼温度やタービ
ン圧縮機4の回転数等の信号を取り込んで、アノード排
ガス流量調節弁18の開度制御を行うようにしてもよ
い。
【0027】補助燃焼器3ではタービン圧縮機4のター
ビン4aの運転に必要なエネルギーを得るためにアノー
ド排ガス11bが燃焼され、カソード排ガス15と混合
された後にタービン4aに供給されてタービン4aを回
転させる。そして、その回転力で圧縮機4bが回転す
る。
【0028】システムの起動時等には、補助燃焼器3の
燃焼部3aに補助燃料12が供給される。補助燃料12
には天然ガス等の原燃料が使用され、補助燃料流量調節
弁17等により流量調節された上で燃焼部3aに供給さ
れる。
【0029】アノード排ガス11bあるいは補助燃料1
2の燃焼に必要な空気(燃焼用空気14)は圧縮機4b
により燃焼用空気流量調節弁19等にて流量調節された
後、補助燃焼器3の燃焼部3aに供給される。
【0030】一方、NOx値や制御弁(補助燃料流量調
節弁17、アノード排ガス流量調節弁18、燃焼用空気
流量調節弁19)の開度等、システムの過去の運転状態
を記憶した記憶装置44を設けておき、制御装置42で
演算処理した制御設定値に基づいて運転することによ
り、最も効率の良い、あるいは制御性の良い運転状態を
予測しながら運転することも可能である。なお、図3に
おいて、43は燃料電池2の直流出力を交流に変換して
電力系統へ供給するためのインバータであり、このイン
バータ43も制御装置42によってその動作が制御され
ている。
【0031】本実施例では補助燃焼器3の燃料にアノー
ド排ガス11を用いることにより、従来の天然ガス等の
原燃料を用いる場合に比べ燃焼温度を下げることができ
る。これはアノード排ガス11の発熱量が原燃料に比べ
低いことによるが、このことは燃焼ガス中のNOx(サ
ーマルNOx)発生量を低減するのに極めて効果があ
る。
【0032】また、本実施例によれば、水素利用率を低
くすることができるため次のような効果がある。すなわ
ち、 燃料電池入口と出口の水素の平均分圧が従来に比べ
高くなり、燃料電池のセル電圧が高くなる。その結果、
システムへ投入される燃料の量を低減することができ、
システムの発電効率が向上する。 燃料電池アノード2aに改質ガスが従来に比べ多く
流入することから、改質ガスによる燃料電池からの発熱
量除去の効果が向上する。これにより燃料電池カソード
2bに供給される空気(発電用酸化剤と冷却用を兼ね
る)の量を低減することができる。その結果、システム
の発電効率が向上する。 燃料電池にとっては常時は水素量に余裕を持った
(水素量が多い)運転をしていることになり、負荷が急
増したときの追従が容易である。
【0033】また、システムの運転中に負荷遮断が発生
した場合、改質ガスの供給を急激に抑え込むのは制御系
の時間遅れ等の制約から困難であり、余剰の改質ガスが
生ずる。従来のシステムではこのガスを改質器1の燃焼
部1bに導き燃焼させていたため、改質器1の反応管1
aを過熱してしまう欠点があったが、本実施例ではアノ
ード排ガス11の一部を補助燃焼器3側に導入できるの
で、上記欠点を解消できる。すなわち、負荷遮断発生の
信号を受けた時に、アノード排ガス流量調節弁18を急
開する制御を行うことにより、改質器1の燃焼部1bの
温度上昇を抑え、反応管1aの過熱を防止することがで
きる。
【0034】図2は本発明の溶融炭酸塩型燃料電池シス
テムの他の実施例を示している。本実施例の特徴は、ア
ノード排ガス11bを補助燃焼器3の燃焼部3aに導入
するための配管の途中に、弁31、オリフィス32およ
び遮断弁33を設けたことである。弁31またはオリフ
ィス32はアノード排ガス11bの流量を固定するため
に設置されている。このような構成のものは、精密な流
量調節の必要の無いシステムに適用される。
【0035】上記構成において、制御装置42はNOx
検出器41からの信号を取り込んで、遮断弁(オンオフ
弁)33を全開または全閉させる。すなわち、NOx量
が大きくなったときは、遮断弁33を全開させて所定量
のアノード排ガス11bが燃焼部3aに導入されるよう
にし、NOx量が小さくなったときは、遮断弁33を全
閉させてアノード排ガス11bの流量をゼロとするよう
制御する。
【0036】本実施例は、負荷が急増したとき等、シス
テム内の水素が不足する場合に一時的に補助燃焼器3側
へのアノード排ガス11bの供給を停止するために用い
られる。また、制御装置42は、NOx検出器41から
の検出信号にあわせて、補助燃焼器3の燃焼温度やター
ビン圧縮機4の回転数等の信号を取り込んで、遮断弁3
3の開閉制御を行うようにしてもよい。本実施例によれ
ば、前述の実施例に比べて、アノード排ガス11bの流
量調節機能は無いが、比較的経済的な手段で同等の効果
を上げることができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
補助燃焼器に導入されるアノード排ガスが補助燃焼器出
口のNOx値をもとに流量調整されるため、燃料電池シ
ステムからの排ガス中のNOx量を常に低く抑えること
ができる。
【0038】また、水素利用率を低くできることから、
燃料電池セル電圧が高くなるとともに、改質ガスによる
燃料電池冷却効果が向上してカソードに供給される空気
量が低減する。その結果、発電効率を向上させることが
可能となる。また水素利用率を低くできることから、燃
料電池の負荷増加に対しても容易に追従できるようにな
る。
【0039】さらに、負荷遮断に対し、余剰の改質ガス
を補助燃焼器で消費できるため、反応管の過熱が防止さ
れ、安全性も向上させることができる。またさらに、燃
料電池に改質ガスが従来に比べ多く流入することから、
改質ガスによる燃料電池からの発熱の除去が促進され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による溶融炭酸塩型燃料電池
システムの構成図である。
【図2】本発明の他の実施例による溶融炭酸塩型燃料電
池システムの構成図である。
【図3】従来技術による溶融炭酸塩型燃料電池システム
の構成図である。
【図4】他の従来技術による溶融炭酸塩型燃料電池シス
テムの構成図である。
【符号の説明】
1 改質器 1a 反応管 1b 燃焼部 2 燃料電池 2a アノード 2b カソード 2c 電解質 3 補助燃焼器 3a 燃焼部 3b 混合室 4 タービン圧縮機 4a タービン 4b 圧縮機 5 カソード循環ブロワ 11,11a,11b アノード排ガス 12 補助燃料 14 燃焼用空気 15 カソード排ガス 16 カソード循環ガス 17 補助燃料流量調節弁 18 アノード排ガス流量調節弁 19 燃焼用空気流量調節弁 21 熱交換器 31 弁 32 オリフィス 33 遮断弁 41 NOx検出器 42 制御装置 43 インバータ 44 記憶装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 正 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 平2−215053(JP,A) 特開 平5−303971(JP,A) 特開 平6−76845(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼部で発生する熱を利用して、外部か
    ら供給される燃料ガスと水蒸気を水素と二酸化炭素を主
    成分とする改質ガスに変換する改質器と、前記改質ガス
    と空気とを取り込んで電気化学反応により発電を行う燃
    料電池本体と、前記燃料電池本体からのアノード排ガス
    の一部または外部からの燃料ガスを取り込んで燃焼部で
    燃焼させることにより、燃料電池本体からのカソード排
    ガスを加熱する補助燃焼器と、前記補助燃焼器で加熱さ
    れたカソード排ガスの熱エネルギを利用して圧縮機を駆
    動し、その圧縮機で圧縮された空気を、前記燃料電池本
    体のカソード、前記改質器の燃焼部、および前記補助燃
    焼器の燃焼部に供給するタービン圧縮機と、を備えた溶
    融炭酸塩型燃料電池システムにおいて、 前記燃料電池本体からのアノード排ガスの一部を前記補
    助燃焼器に取り込むための配管の途中に弁を設けるとと
    もに、前記補助燃焼器の下流側に補助燃焼器からの排ガ
    ス中のNOx量を検出する検出手段を設け、かつ前記検
    出手段からの検出結果を取り込んで、NOx量が大きく
    なったときは前記弁を制御してアノード排ガスの流量を
    増加させ、外部からの燃料ガスを減少させ、NOx量が
    小さくなったときは前記弁を制御してアノード排ガスの
    流量を減少させ、外部からの燃料ガスを増加させる制御
    手段を設けたことを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 燃焼部で発生する熱を利用して、外部か
    ら供給される燃料ガスと水蒸気を水素と二酸化炭素を主
    成分とする改質ガスに変換する改質器と、前記改質ガス
    と空気とを取り込んで電気化学反応により発電を行う燃
    料電池本体と、前記燃料電池本体からのアノード排ガス
    の一部または外部からの燃料ガスを取り込んで燃焼部で
    燃焼させることにより、燃料電池本体からのカソード排
    ガスを加熱する補助燃焼器と、前記補助燃焼器で加熱さ
    れたカソード排ガスの熱エネルギを利用して圧縮機を駆
    動し、その圧縮機で圧縮された空気を、前記燃料電池本
    体のカソード、前記改質器の燃焼部、および前記補助燃
    焼器の燃焼部に供給するタービン圧縮機と、を備えた溶
    融炭酸塩型燃料電池システムにおいて、 前記燃料電池本体からのアノード排ガスの一部を前記補
    助燃焼器に取り込むための配管の途中に弁を設けるとと
    もに、燃料電池の経時的な出力変化を記憶した記憶手段
    を設け、かつ前記記憶手段に記憶した燃料電池の経時的
    出力変化に基づいて前記弁を制御し、補助燃焼器に取り
    込まれるアノード排ガスの流量を増減させる制御手段を
    設けたことを特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池システ
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の溶融炭酸塩型燃料
    電池システムにおいて、 前記制御手段は、前記弁の開度を変化させることによ
    り、アノード排ガスの流量を増減させることを特徴とす
    る溶融炭酸塩型燃料電池システム。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の溶融炭酸塩型燃料
    電池システムにおいて、 前記制御手段は、前記弁を全開また全閉させることによ
    り、アノード排ガスの流量を増減させることを特徴とす
    る溶融炭酸塩型燃料電池システム。
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