JP2741260B2 - 三次元織物およびその製造方法 - Google Patents

三次元織物およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 航空機、自動車その他の構造用として、織物と合成樹
脂とを複合した断面T字形、I字形、H字形等の三叉部
を有する異形断面形状の複合型材が使用されているが、
この発明は、上記の複合型材の補強用織物として好適な
三次元織物およびその製造方法に関するものである。
(従来の技術) 断面T字形、I字形、H字形等の三叉部を有する型材
形状の複合構造材の補強用に使用することができる異形
断面の三次元織物が実開昭62−79900号公報および特開
昭62−117843号公報等に開示されている。
上記の実開昭62−79900号公報には、断面I字形の異
形断面形状、すなわちウエブとその上下両端の水平フラ
ンジとからなる型材形状の三次元織物として、多数本の
長さ方向糸を上記の断面I字形の型材のウエブを垂直に
立て、フランジを水平に向けた形状に配列し、その横断
面内で幅方向糸を上記長さ方向糸の配列幅に応じ、上記
のフランジではその全幅にわたって、またウエブではそ
の全幅にわたってそれぞれ幅方向に往復させながら上向
きまたは下向きに進めて上下に隣接する長さ方向糸の層
間に順に挿入し、また幅方向糸に垂直な縦断面内で垂直
方向糸を、上記の長さ方向糸および幅方向糸の配列高さ
に応じ、上下のフランジでは各フランジごとにその全厚
みにわたって、またウエブの上下にフランジが重なる部
分ではその全高さにわたってそれぞれ上下に往復させな
がら長さ方向に進めて長さ方向に隣接する幅方向糸の幅
間に順に配置し、この垂直方向により上記の幅方向糸お
よび長さ方向糸を締め付けて一体化したものが記憶され
ている。
一方、特開昭62−117843号公報には、上記断面I字形
の三次元織物を得る方法として、このI字形を横に倒し
てウエブを水平に向け、その両端のフランジをそれぞれ
三叉部の外に屈曲してフランジを2枚重ねにした偏平形
状に多数本のたて糸(長さ方向糸)を配列し、この偏平
化したフランジおよびウエブの表面に沿ってよこ糸(幅
方向糸)を巻回し、1周後に2層目のたて糸の表面に沿
ってよこ糸を巻回し、すなわち外側から中心に向かう渦
巻き状によこ糸を挿入し、かつ上側フランジの下面およ
び下側フランジの上面に連続してよこ糸を沿わせるとき
は屈曲部の隅に沿ってあらかじめ設けた力糸に上記よこ
糸を掛け、製織の進行に伴って上記の力糸を抜き取り、
製織の終了後に上記のフランジを展開して断面I字形に
することが記載されている。
(発明が解決使用とする課題) 実開昭62−79900号公報に記載された三次元織物は、
多数本の長さ方向糸を断面I字形の型材形状に配列し、
これらの長さ方向糸を1層ずつ順に開口して幅方向糸を
挿入するので、ウエブの垂直方向糸が三叉部で屈曲して
フランジを幅方向に延びることはなく、またフランジの
幅方向糸が三叉部で屈曲してウエブを垂直方向に延びる
ことなく、換言すれば三叉部の隅においてウエブおよび
フランジの双方にまたがって延びる糸条が存在せず、そ
のため引張り、曲げ等の応力に対して強度が不充分にな
るという問題があった。
一方、特開昭62−117843号公報に記載された三次元織
物の製造方法は、上記のI字形を横に倒しフランジ部分
を外に折り重ねて偏平化した状態に製織するので、製織
時の織物の厚みが小さくなる反面、多層のたて糸を1層
ずつ順に上下させるのではなく、中央のウエブおよびそ
の左右上下につながる端部のウエブ(型材のフランジと
なる部分)の全表面をよこ糸で囲み、しかるのち全層の
たて糸を一部ずつ上げたり下げたりして1本のよこ糸を
外側から内側へ向かう渦巻き形状に一筆書きの形状に挿
入するものであるから、開口順が極めて複雑になり、ま
た一つの断面におけるよこ糸の挿入サイクルが終了した
のち、接結糸(垂直方向糸)に開口運動を与えてよこ糸
を接結するので、上記の全層のたて糸をよこ糸で囲むた
めに上記よこ糸を角や隅で折返す際、上下左右の端部ウ
エブの角および上下の端部ウエブの重なり部の隅にあら
かじめ配した多数本の力糸に引っ掛けて迂回させる必要
があった。また、上記の方法は、中央ウエブに配列する
たて糸の層数および端部ウエブに配列するたて糸の層数
を全幅にわたって等しく設定しているので、製織終了後
にフランジ形成用の端部のウエブを展開してI型材を形
成したときウエブの厚みおよびフランジの厚みが互いに
等しくなる反面、三叉部の隅に丸みが形成されずに、む
しろくたびれる傾向が生じ、そのため構造材として使用
したときに応力集中が生じて破壊し易くなるという問題
があった。
この発明は、断面T字形、I字形およびH字形等の三
叉部を有する三次元織物を偏平化して製織し、製織終了
後にフランジを展開してT字形、I字形およびH字形等
の断面形状を得ることができ、かつウエブおよびフラン
ジの厚みを任意に、またたて糸(長さ方向糸)の開口順
を容易に設定し、ウエブとフランジが交差する三叉部の
隅に任意の大きさの丸みを付け、かつ力糸を使用しない
で製織することができる三次元織物およびその製造方法
を提供するものである。
(課題を解決するための手段) この発明の三次元織物は、互いに交差する多数本の長
さ方向糸、幅方向糸および高さ方向糸を用いて製織さ
れ、水平な平板状のウエブと、その少なくとも幅方向片
側に三叉部を介して上記ウエブに平行に形成された上下
一対のフランジとからなる三次元織物において、上記の
長さ方向糸がフランジではウエブにおける層数の1/2よ
りも多層に、また三叉部付近では上記フランジにおける
層数よりも多数にそれぞれ配列され、第1の幅方向糸が
上記ウエブの上半部と上側フランジとにまたがる蛇行状
に、また第2の幅方向糸が上側フランジの下面側部分と
下側フランジの上面側部分とにまたがる一重または多重
の倒U字形に、また第3の幅方向糸が上記ウエブの下半
部と下側フランジとにまたがる蛇行状にそれぞれ配置さ
れていることを特徴とする。
また、上記の三次元織物を製造する方法は、水平な平
板状のウエブと、その少なくとも幅方向片側に三叉部を
介して上記ウエブに平行に形成された上下一対のフラン
ジとからなる三次元織物を互いに交差する多数本の長さ
方向糸、幅方向糸および高さ方向糸を使用して製織する
方法において、上記の長さ方向糸をフランジではウエブ
における層数の1/2よりも多層に配列すると共に、三叉
部付近の複数列の長さ方向糸に追加の長さ方向糸および
長さ方向の捨て糸を重ねて配列し、上記ウエブの上半部
および上側フランジの長さ方向糸、並びに上記ウエブの
下半部および下側フランジの長さ方向糸を上層または下
層から1層ずつ順に開口すると共に、その任意の段階で
上記三叉部付近の追加の長さ方向糸および捨て糸を通常
の長さ方向糸の開口と共に1回または2回以上にまとめ
て開口し、上記ウエブの上半部および上側フランジには
これらにまたがる第1の幅方向糸を、また上記ウエブの
下半部および下側フランジにはこれらにまたがる第3の
幅方向糸をそれぞれ蛇行状に挿入し、上記第1の幅方向
糸挿入と第2の幅方向糸挿入との間で上側フランジの下
面側部分および下側フランジの上面側部分にまたがる第
2の幅方向糸を一重または多重の倒U字形に挿入し、製
織終了後に上記の捨て糸を抜き取ることを特徴とする。
なお、上記の長さ方向糸、幅方向糸および高さ方向糸
としては、炭素繊維、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊
維等の高機能性繊維のいずれか1種または2種以上から
なる糸条が好ましい。また、捨て糸としては、ポリエチ
レンテレフタレートからなるモノフィラメント糸条また
はスチールワイヤ等が好ましい。
(作用) 第1の発明の三次元織物は、平板状のウエブの片側に
三叉部を介して2枚重ねのフランジを有しているので、
このフランジを展開することにより、断面T字形、I字
形またはH字形の型材形状となる。そして、上記2枚重
ねのフランジの内側には第2の幅方向糸がU字形に湾曲
して挿入されているので、上記のフランジを展開したと
き、第2の幅方向糸が延ばされて直線状となり、フラン
ジの中央部が平面となり、ほとんど窪みが生じない。ま
た、上記の長さ方向糸がフランジではウエブにおける層
数の1/2よりも多層に配列されるので、フランジの厚み
をウエブの厚みの1/2よりも厚い任意の厚みに形成する
ことができる。そして、上記の長さ方向糸が三叉部付近
では上記フランジにおける層数よりも多層に配列される
ので、フランジを上記のように展開したとき、フランジ
とウエブの三叉部の隅に上記の増加した長さ方向糸の層
数に応じて丸みが形成され、型材としての強度が向上す
る。
また、第2発明によれば、上記第1発明の三次元織物
が効率よく製造される。しかして、この第2発明では、
三叉部付近の複数列の長さ方向糸に追加の長さ方向糸お
よび捨て糸を重ねて配列して製織し、製織終了後に捨て
糸を抜き取るので、フランジを展開したとき三叉部の隅
に丸みが形成されると共に、捨て糸の抜き取りによって
幅方向糸の緩みが生じて上記の展開が容易になる。
(実施例) 第1図および第2図は、第3図の断面T字形の三次元
織物を製造する際の断面図である。第1図において、ウ
エブAの一端に上側フランジBおよび下側フランジCが
三叉部Dを介して上記ウエブAに平行に形成され、通常
の長さ方向糸1が上記のウエブA、上側フランジBおよ
び下側フランジCにそれぞれ4層に配列されると共に、
追加の長さ方向糸1aがウエブAの三叉部Dから1列目の
上下の中間に2本、上下両端に2本ずつ合計6本配列さ
れ、2〜4列目の各上下両端に1本ずつ合計2本配列さ
れ、上側フランジBの三叉部Dから1〜3列目の各上端
および下側フランジCの三叉部Dから1〜3列目の各下
端にそれぞれ1本ずつ配列され、さらに捨て糸2がウエ
ブAの三叉部Dから1列目および2列目の各上下両端、
上側フランジBの三叉部Dから1列目上端および下側フ
ランジCの三叉部Dから1列目下端にそれぞれ1本ずつ
配列される。そして、三叉部Dから右のウエブAには長
さ方向糸1の1列ごとに高さ方向糸(接結糸)3a、3bが
1本ずつ配列される。ただし、奇数番目の高さ方向糸3a
と偶数番目の高さ方向糸3bとが別のヘルド枠によって互
いに反対方向に運動し、一方が上に開口動作をすると
き、他方が下に開口動作をするようになっている。ま
た、三叉部Dの左の上側フランジBおよび下側フランジ
Cには、それぞれ長さ方向糸1の1列毎に高さ方向糸3
a、3bが配列され、奇数番目が上に開口動作をすると
き、偶数番目が下に開口動作をするようになっている。
第1図において、全数の長さ方向糸1、追加の長さ方
向糸1a、捨て糸2、および全数の高さ方向糸3a、3bが下
降位置にある状態で、最初の第1ピックでは奇数番目の
高さ方向糸3aが上に開口し、この奇数番目の高さ方向糸
3aの下に第1幅方向糸4aが左から右に挿入され、続く第
2ピックではウエブAおよび上側フランジBにおける上
から1層目の長さ方向糸1、その三叉部付近で上に重な
る追加の長さ方向糸1aおよび捨て糸2が追加の開口を
し、上記の第1幅方向糸4aが右から左に挿入され、第3
ピックではウエブAおよび上側フランジBにおける上か
ら2層目の長さ方向糸1が開口を追加して上記の第1幅
方向糸4aが左から右に挿入され、これにより第1幅方向
糸4aの蛇行挿入がいったん中断される。
次の第4ピックでは、上側フランジBの3層目の長さ
方向糸1が追加開口をして第2幅方向糸4bが左から右に
挿入され、続く第5ピックでは上側フランジBの偶数番
目の高さ方向糸3bおよび4層目の長さ方向糸1、並びに
下側フランジCの奇数番目の高さ方向糸3aおよび1層目
の長さ方向糸1が追加の開口をし、この1層目の長さ方
向糸1の下に第2幅方向糸4bが右から左に挿入され、続
く第6ピックでは上記下側フランジCの1番目の長さ方
向糸1が下降位置に戻され、その上に第2幅方向糸4bが
左から右に挿入され、続く第7ピックでは上側フランジ
Bの偶数番目の高さ方向糸3bおよび下側フランジCの奇
数番目の高さ方向糸3aがそれぞれもとの下降位置に戻さ
れて第2幅方向糸4bが右から左に挿入され、これにより
第2幅方向糸4bの二重の倒U字形挿入が中断される。
次の第8ピックでは、上側フランジBの偶数番目の高
さ方向糸3b、下側フランジCの奇数番目の高さ方向糸3
a、1層目および2層目の長さ方向糸1が追加開口し、
この下側フランジCの2層目の長さ方向糸1およびウエ
ブAの2層目の長さ方向糸1の下に第3幅方向糸4cが左
から右に挿入され、続く第9ピックではウエブAの3層
目の長さ方向糸1および下側フランジCの3層目の長さ
方向糸1がそれぞれ追加開口して第3幅方向糸4cが右か
ら左に挿入され、続く第10ピックではウエブAの4層目
の長さ方向糸1および下側フランジCの4層目の長さ方
向糸1がそれぞれ追加開口して第3幅方向糸4cが左から
右に挿入される。このとき、ウエブAの偶数番目の高さ
方向糸3bおよび下側フランジCの偶数番目の高さ方向糸
3bのみが下降位置にあり、他は全て上方に開口してい
る。
続く第11ピックでは(第2図参照)、ウエブAおよび
下側フランジCのそれぞれで奇数番目の高さ方向糸3aお
よび偶数番目の高さ方向糸3bが位置を交換し、ウエブA
の奇数番目の高さ方向糸3aおよび下側フランジCの奇数
番目の高さ方向糸3aのみが下降位置にあり、他は全て上
に開口した状態で第3幅方向糸4cが右から左に挿入さ
れ、続く第12ピックではウエブAの4層目および下側フ
ランジCの4層目の各長さ方向糸1、その下の追加の長
さ方向糸1aおよび捨て糸2が下に降ろされて第3幅方向
糸4cが上記4層目の長さ方向糸1の上面に左から右に挿
入され、続く第13ピックではウエブAの3層目および下
側フランジCの3層目の各長さ方向糸1が追加して降ろ
され、これら3層目の長さ方向糸1の上面に沿って第3
幅方向糸4cが右から左に挿入され、これをもってウエブ
Aおよび下側フランジCにまたがる第3幅方向糸4cの蛇
行挿入がいったん中断される。
次いで、第14ピックでは、上側フランジBの奇数番目
の高さ方向糸3a、4層目の長さ方向糸1、並びに下側フ
ランジCの偶数番目の高さ方向糸3bおよび1層目、2層
目の長さ方向糸1がそれぞれ下に降ろされて第2幅方向
糸4bが上側フランジBの3層目の長さ方向糸1の下面に
沿って挿入され、続く第15ピックでは上側フランジBの
奇数番目の高さ方向糸3aおよび4層目の長さ方向糸1、
並びに下側フランジCの偶数番目の高さ方向糸3bおよび
1層目の長さ方向糸1が再び上に開口してこの下側フラ
ンジCの1層目の長さ方向糸1の下に第2幅方向糸4bが
右から左に挿入され、続く第16ピックでは下側フランジ
Cの1層目の長さ方向糸1が下に降ろされ、その上面に
沿って第2幅方向糸4bが左から右に挿入され、続く第17
ピックでは上側フランジBの奇数番目の高さ方向糸3aお
よび下側フランジCの偶数番目の高さ方向糸3bが追加し
て降ろされ、第2幅方向糸4bが上側フランジBの4層目
の長さ方向糸1の下面に沿って右から左に挿入され、こ
れをもって上側フランジBの下側部分および下側フラン
ジCの上側部分にわたる第2幅方向糸4bの倒U字形挿入
が中断される。
続く第18ピックでは、上側フランジBの3層目および
4層目の各長さ方向糸1が下に降ろされ、上側フランジ
BおよびウエブAの各2層目の長さ方向糸1の下面に沿
って第1幅方向糸4aが右から左に挿入され、続く第19ピ
ックでは上側フランジBおよびウエブAの各2層目の各
長さ方向糸1が下に降ろされ、上側フランジBおよびウ
エブAの各1層目の長さ方向糸1の下面に沿って第1幅
方向糸4aが左から右に挿入され、続く第20ピックでは上
側フランジBおよびウエブAの各1層目の各長さ方向糸
1が下に降ろされ、上側フランジBおよびウエブAの各
1層目の長さ方向糸1の上面に沿って第1幅方向糸4aが
右から左に挿入される。このとき、ウエブAおよび上側
フランジBの各偶数番目の高さ方向糸3bのみが上方に開
口しており、これらが下に降ろされて最初の状態に戻さ
れ、以下これの繰返しにより製織が進行する。
得られた三次元織物は、第1図および第2図に示すよ
うに、Y字形の断面形状をしているが、捨て糸2を抜き
取ってフランジB、Cを展開することにより、第3図に
示すように断面T字形の三次元織物となる。この三次元
織物は、ウエブAと左右のフランジB、Cが交差する隅
に丸みを備えており、かつフランジB、Cは、その境界
に窪みのない平板状のものである。
なお、上記の実施例において、第1図および第2図の
ウエブAの右端に左側のフランジB、Cと対称的にフラ
ンジを形成することができ、この場合は、フランジの展
開により、断面I字形またはH字形の型材が得られる。
また、上記の実施例は説明のためのものであって、この
発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、糸本
数等を適宜に変更して任意の形状、大きさに製作するこ
とができることは勿論である。
(発明の効果) 請求項1に記載の第1発明は、ウエブの少なく共一端
に折畳み状の2枚のフランジを備えており、このフラン
ジを展開することにより、断面T字形、I字形およびH
字形等の型材形状の三次元織物となり、合成樹脂等と複
合することにより、航空機等の構造部材として利用する
ことができる。そして、上記の三次元織物は、フランジ
に配列する長さ方向糸の層数により、フランジの厚みを
ウエブの厚みと同等以上の任意の厚みに形成することが
でき、かつフランジの展開により表面に窪みのない平板
状のフランジが得られると共に、三叉部の隅に丸みを形
成することができ、その丸みの半径は、製織時に三叉部
付近に配列する追加の長さ方向糸の本数によって任意に
設定することができ、ウエブとフランジとの接続を強固
にして構造部材としての引張り、曲げ、圧縮等の強度を
大きく向上させることができる。
また、請求項2に記載の第2発明は、上記第1発明の
三次元織物を効率よく製造することができる。しかし
て、この第2発明では、三叉部付近の複数列の長さ方向
糸に追加の長さ方向糸および捨て糸を重ねて配列して製
織し、製織終了後に捨て糸を抜き取るので、捨て糸の抜
き取りによって幅方向糸の緩みが生じ、フランジを平板
状に展開し、かつ三叉部の隅に丸みを形成するのが容易
になる。また、ウエブの上半部および上側フランジの上
側部分には、これらにまたがる第1幅方向糸を上層また
は下層から順に挿入し、ウエブの下半部および下側フラ
ンジの下側部分には、これらにまたがる第3幅方向糸を
上層または下層から順に挿入し、上側フランジの下側部
分および下側フランジの上側部分には、これらにまたが
る第2幅方向糸をU字形に挿入するので、第1〜第3幅
方向糸の折返し部に力糸を配置する必要がなく、従来技
術に比べて製織が容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はこの発明の実施態様を説明する三
次元織物の断面図、第3図は第1図および第2図の三次
元織物のフランジを展開した状態の断面図である。 A:ウエブ、B:上側フランジ、C:下側フランジ、D:三叉
部、1:長さ方向糸、1a:追加の長さ方向糸、2:捨て糸、3
a:奇数番目の高さ方向糸、3b:偶数番目の高さ方向糸、4
a:第1幅方向糸、4b:第2幅方向糸、4c:第3幅方向糸。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに交差する多数本の長さ方向糸、幅方
    向糸および高さ方向糸を用いて製織され、水平な平板状
    のウエブと、その少なくとも幅方向片側に三叉部を介し
    て上記ウエブに平行に形成された上下一対のフランジと
    からなる三次元織物において、上記の長さ方向糸がフラ
    ンジではウエブにおける層数の1/2よりも多層に、また
    三叉部付近では上記フランジにおける層数よりも多層に
    それぞれ配列され、第1の幅方向糸が上記ウエブの上半
    部と上側フランジとにまたがる蛇行状に、また第2の幅
    方向糸が上側フランジの下面側部分と下側フランジの上
    面側部分とにまたがる一重または多重の倒U字形に、ま
    た第3の幅方向糸が上記ウエブの下半部と下側フランジ
    とにまたがる蛇行状にそれぞれ配置されていることを特
    徴とする三次元織物。
  2. 【請求項2】水平な平板状のウエブと、その少なくとも
    幅方向片側に三叉部を介して上記ウエブに平行に形成さ
    れた上下一対のフランジとからなる三次元織物を互いに
    交差する多数本の長さ方向糸、幅方向糸および高さ方向
    糸を使用して製織する方法において、上記の長さ方向糸
    をフランジではウエブにおける層数の1/2よりも多層に
    配列すると共に、三叉部付近の複数列の長さ方向糸に追
    加の長さ方向糸および長さ方向の捨て糸を重ねて配列
    し、上記ウエブの上半部および上側フランジの長さ方向
    糸、並びに上記ウエブの下半部および下側フランジの長
    さ方向糸を上層または下層から1層ずつ順に開口すると
    共に、その任意の段階で上記三叉部付近の追加の長さ方
    向糸および捨て糸を通常の長さ方向糸の開口と共に1回
    または2回以上にまとめて開口し、上記ウエブの上半部
    および上側フランジにはこれらにまたがる第1の幅方向
    糸を、また上記ウエブの下半部および下側フランジには
    これらにまたがる第3の幅方向糸をそれぞれ蛇行状に挿
    入し、上記第1の幅方向糸挿入と第2の幅方向糸挿入と
    の間で上側フランジの下面側部分および下側フランジの
    上面側部分にまたがる第2の幅方向糸を一重または多重
    の倒U字形に挿入し、製織終了後に上記の捨て糸を抜き
    取ることを特徴とする三次元織物の製造方法。
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