JP2741069B2 - 芳香族不飽和化合物の新規な酸化法による芳香族化合物の製法 - Google Patents

芳香族不飽和化合物の新規な酸化法による芳香族化合物の製法

Info

Publication number
JP2741069B2
JP2741069B2 JP1160324A JP16032489A JP2741069B2 JP 2741069 B2 JP2741069 B2 JP 2741069B2 JP 1160324 A JP1160324 A JP 1160324A JP 16032489 A JP16032489 A JP 16032489A JP 2741069 B2 JP2741069 B2 JP 2741069B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
aromatic
aryl
producing
iodosyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1160324A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02131435A (ja
Inventor
五十雄 清水
泰男 松村
孝一 岩本
Original Assignee
日本石油化学株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本石油化学株式会社 filed Critical 日本石油化学株式会社
Publication of JPH02131435A publication Critical patent/JPH02131435A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2741069B2 publication Critical patent/JP2741069B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C49/00Ketones; Ketenes; Dimeric ketenes; Ketonic chelates
    • C07C49/20Unsaturated compounds containing keto groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C49/255Unsaturated compounds containing keto groups bound to acyclic carbon atoms containing ether groups, groups, groups, or groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/27Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation
    • C07C45/30Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with halogen containing compounds, e.g. hypohalogenation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C49/00Ketones; Ketenes; Dimeric ketenes; Ketonic chelates
    • C07C49/20Unsaturated compounds containing keto groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C49/213Unsaturated compounds containing keto groups bound to acyclic carbon atoms containing six-membered aromatic rings

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、芳香族不飽和化合物の新規な酸化法に関す
るものである。
[従来の技術] 芳香族不飽和化合物を酸化することにより得られる酸
化生成物の中には各種の農薬、医薬品などの中間原料と
して有用な化合物が多い。
例えば、4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルアセ
トン、3,4−ジメトキシフェニルアセトン、および3,4−
ジヒドロキシフェニルアセトンなどのアリールアセトン
は血圧降下剤として用いられるL−α−メチルドーパを
製造するための中間体として利用される化合物である。
また、2−(4−イソブチルフェニル)プロピオンアル
デヒドは消炎、解熱、鎮痛作用をもつ2−(4−イソブ
チルフェニル)プロピオン酸(商品名:イブプロフェ
ン)の中間体として、また(4−イソブチルフェニル)
アセトアルデヒドは同様な薬理効果をもつ(4−イソブ
チルフェニル)酢酸(商品名:イブフェナック)の中間
体となる物質である。
これらの化合物の中から有用性が非常に高く、従来か
ら種々の方法が提案されているアリールアセトン類を例
にとり説明する。そのアリールアセトン類の代表的な製
法としては次のような方法がある。
1)英国特許第1,119,612号明細書には、1−(3,4−ジ
メトキシフェニル)プロピレンに過酢酸などの過酸化物
を作用させ、得られたジオール型の生成物を塩化亜鉛の
ような酸性物質で処理することにより3,4−ジメトキシ
フェニルアセトンを得る方法が開示されている。
2)フランス特許1,450,200号明細書には、3,4−ジメト
キシベンズアルデヒドにα−クロルプロピオン酸エステ
ルを強アルカリの存在下反応させた後、強酸で処理する
ことにより3,4−ジメトキシフェニルアセトンを得る方
法が開示されている。
3)ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイ
ティ(JACS),77,700(1955)には、酢酸エチルなどの
溶媒中で3,4−ジメトキシフェニルアセトニトリルにナ
トリウムエトキシドを反応させてアセチル体に変え、次
いでこれを加水分解することからなる3,4−ジメトキシ
フェニルアセトンを得る方法が開示されている。
[発明が解決しようとする課題] 上記1)の方法は酸性物質による処理の工程の収率が
低い点、そして使用する過酸化物は爆発性があるため、
その取扱いに特に注意が必要である点などにおいて問題
がある。
また、2)の方法では、原料である3,4−ジメトキシ
ベンズアルデヒドおよびα−クロルプロピオン酸エステ
ルの入手が容易とは言い難い。
3)の方法は、ナトリウムエトキシドの加水分解を防
ぐために、これを用いる工程は厳密に水を除去した系で
行なう必要がある点、その加水分解工程の収率が低い
点、また原料の3,4−ジメトキシフェニルアセトニトリ
ル自体を入手の容易な化学原料から製造するために必要
な工程を考慮すると全体の工程数が多くなる点などの問
題がある。
以上のように1)、2)、3)共に工業的な製法とし
てはまだ充分であるとは言えない。
したがって、本発明は、容易に入手できる原料から高
い収率で例えばアリールアセトンを製造する方法をも提
供し、更に各種の農薬、医薬品などの中間原料として有
用である芳香族不飽和化合物の酸化生成物を、容易に入
手できる安価な原料から高い収率をもって製造すること
を目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、各種の農薬、医薬品などの中間原料として
有用である芳香族不飽和化合物の酸化生成物を容易に入
手できる安価な原料から高い収率をもって製造する方法
に関する。
即ち本発明は、芳香族不飽和化合物を、ヨードシル基
を有するアリール化合物あるいはその塩と反応させるこ
とを特徴とする芳香族不飽和化合物の新規な酸化法に関
するものである。
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明の方法は、容易に入手することのできる芳香族
不飽和化合物を原料にして、これをヨードシル基を有す
るアリール化合物あるいはその塩と反応させることによ
り行われる。
本発明の原料は、下記一般式(I)で示す芳香族不飽
和化合物である。
ここで上記式のAr1は例えば、フェニル基、ナフチル
基、ビフェニリル基などの芳香族炭化水素の芳香族環か
ら水素原子が1個引き抜かれた置換基であるアリール基
を示し、該アリール基は塩素、弗素、臭素、ヨー素等の
ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、メチル基、エチル
基等の低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基等の低
級アルコキシ基からなる群より選ばれる1〜3個の置換
基で置換されていてもよい。
また、R1、R2、R3、は水素原子、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基等の炭素数1から4の低級アルキル基あるいは塩
素、弗素、臭素、ヨー素等のハロゲン原子、ニトロ基、
アミノ基、メチル基、エチル基等の低級アルキル基、メ
トキシ基、エトキシ基等の低級アルコキシ基からなる群
より選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい
フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基などのアリー
ル基を表わしている。更に、R1、R2あるいはR3がAr1
環状構造を形成していてもよい。
上記(I)式で表わされる具体的な芳香族不飽和化合
物としては、スチレン、4−メチルスチレン、3−メチ
ルスチレン、2−メチルスチレン、4−エチルスチレ
ン、4−イソプロピルスチレン、4−イソブチルスチレ
ン、4−フェニルスチレン、4−クロルスチレン、2−
クロルスチレン、3−クロルスチレン、4−ブロムスチ
レン、4−ニトロスチレン、4−メトキシスチレン、3
−ベンゾイルスチレン、3−ベンジルスチレン、6−メ
トキシ−2−ナフチルエチレン等のアリールエチレン
類;1−フェニルプロピレン、1−(クロロフェニル)プ
ロピレン、1−(フルオロフェニル)プロピレン、1−
(ブロムフェニル)プロピレン、1−(ニトロフェニ
ル)プロピレン、1−(ジメチルアミノフェニル)プロ
ピレン、1−(メチルフェニル)プロピレン、1−(ジ
メチルフェニル)プロピレン、1−(エチルフェニル)
プロピレン、1−(4−イソブチルフェニル)プロピレ
ン、1−(3−トリフロロメチルフェニル)プロピレ
ン、1−(メトキシフェニル)プロピレン、1−(3,4
−ジメトキシフェニル)プロピレン、1−(3−ベンゾ
イルフェニル)プロピレン、1−(6−メトキシ−2−
ナフチル)プロピレン、1−ビフェニリルプロピレンな
どの1−アリールプロピレン類;2−フェニルプロピレ
ン、2−(クロロフェニル)プロピレン、2−(フルオ
ロフェニル)プロピレン、2−(4−ブロムフェニル)
プロピレン、2−(ニトロフェニル)プロピレン、2−
(ジメチルアミノフェニル)プロピレン、2−(メチル
フェニル)プロピレン、2−(エチルフェニル)プロピ
レン、2−(3−トリフロロメチルフェニル)プロピレ
ン、2−(メトキシフェニル)プロピレン、2−(3,4
−ジメトキシフェニル)プロピレン、2−(エトキシフ
ェニル)プロピレン、2−(3−フェノキシフェニル)
プロピレン、2−ナフチルプロピレン、2−(6−メト
キシ−2−ナフチル)プロピレン、2−ベンゾイルフェ
ニルプロピレン、2−ビフェニリルプロピレンなどの2
−アリールプロピレン類;1フェニル−1−ブテン、1−
(3−ブロムフェニル)−1−ブテン、1−(4−クロ
ロフェニル)−1−ブテン等の1−アリール−1−ブテ
ン類;2−フェニル−1−ブテン、2−(4−メチルフェ
ニル)−1−ブテン等の2−アリール−1−ブテン類;2
−フェニル−2−ブテン、2−(2−メチルフェニル)
−2−ブテン、2−(4−メチルフェニル)−2−ブテ
ン、2−(4−イソブチルフェニル)−2−ブテン等の
2−アリール−2−ブテン類;1−フェニル−2−メチル
プロピレン、1−(4−メチルフェニル)−2−メチル
プロピレン、1−(4−クロロフェニル)−2−メチル
プロピレン、1−(3−ブロムフェニル)−2−メチル
プロピレン、1−(4−ブロムフェニル)−2−メチル
プロピレン等の1−アリール−2−メチルプロピレン
類;アリールペンテン類;アリールヘキセン類;1,1−ジ
フェニルエチレン、1,1−ビス(メチルフェニル)エチ
レン、1,1−ビス(クロロフェニル)エチレン、1−フ
ェニル−1−(4−メチルフェニル)エチレン、1−フ
ェニル−1−(4−フロロフェニル)エチレン、1−フ
ェニル−1−(4−クロロフェニル)エチレン、1−フ
ェニル−1−(4−ブロムフェニル)エチレン、1,2−
ジフェニルエチレン等のジアリールエチレン類あるい
は、前記式(I)におけるR1、R2あるいはR3がAr1と環
状構造を形成する化合物である1,2−ジヒドロナフタレ
ン、インデン、1,2−ジヒドロアンスラセンの様な化合
物が挙げられる。本発明の方法により上記芳香族不飽和
化合物は、酸化され酸化物となる。これら酸化生成物
は、下記一般式(II)により表わされる。
ここでAr1、R1、R2およびR3は、それぞれ上記式
(I)における定義と同じ置換基を表わす。
すなわち、前記式(I)と式(II)を比較すると明ら
かであるが、本発明の反応の結果、式(I)の芳香族不
飽和化合物において見掛け上アリール基Ar1は、R1が結
合している炭素原子からR2およびR3の結合している炭素
原子へ転位し、代わりに前記R1の結合している炭素原子
にはカルボニル基が導入され、式(II)の芳香族化合物
が製造されることになる。
本発明の方法により製造される具体的な酸化生成物と
しては、上記(I)式の芳香族不飽和化合物に対応する
化合物である。
すなわち、例えばアリールエチレン類、1−アリール
プロピレン類、2−アリールプロピレン類、1−アリー
ル−1−ブテン類、2−アリール−1−ブテン類、2−
アリール−2−ブテン類、1−アリール−2−メチルプ
ロピレン類、1,1−ジアリールエチレン類に対しては各
々、アリールアセトアルデヒド類、2−アリールプロピ
オンアルデヒド類、アリールアセトン類、2−アリール
ブチルアルデヒド類、1−アリール−2−ブタノン類、
3−アリール−2−ブタノン類、2−アリール−2−メ
チルプロピオンアルデヒド類、ジアリールエタノン類が
それぞれ対応する酸化生成物として製造される。
本発明においては、ヨードシル基を有するアリール化
合物あるいはその塩を、前記(I)で表わされる芳香族
不飽和化合物と反応させる。
ヨードシル基を有するアリール化合物は、下記一般式
(III)で表わされる。下記式におけるアリール基Ar
2は、フェニル、ナフチル、ビフェニル基等の芳香族炭
化水素残基であり、これらアリール基にはメチル基、エ
チル基、プロピル基などの低級アルキル基、メトキシ
基、エトキシ基などの低級アルコキシ基、ニトロ基、カ
ルボキシル基等が一個以上置換されていることができ
る。
Ar2−I=O (III) 上記ヨードシル基を有するアリール化合物の具体例と
しては、ヨードシルベンゼン、オルソ、メタあるいはパ
ラ置換ヨードシルトルエン、2−ヨードシルメタキシレ
ン、2−ヨードシルパラキシレン、オルソ、メタあるい
はパラ置換ヨードシルアニソール、オルソヨードシルフ
ェネトール、オルソヨードシルフェノキシベンゼン、4
−ヨードシルビフェニル、オルソ、メタあるいはパラ置
換ニトロヨードシルベンゼン、パラ−ヨードシル安息香
酸等が挙げられる。
また、上述のようなヨードシル基を有するアリール化
合物はそのアリール基が有機高分子主鎖によって繋がれ
ていてもよい。
これらのヨードシル基を有するアリール化合物は、そ
のままで用いてもよいし、あるいは塩としても用いるこ
とができる。
このようなヨードシル基を有するアリール化合物の塩
としては、無機あるいは有機酸の塩である。有機酸とし
てはカルボン酸が例示され、例えば酢酸、プロピオン
酸、酪酸等の低級脂肪酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、
ブロモ酢酸、トリフロロ酢酸などのハロゲン化低級脂肪
酸、安息香酸、メチル安息香酸等の芳香族カルボン酸、
ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸等のハロゲン化芳香族
カルボン酸、ニトロ安息香酸等のニトロ化芳香族カルボ
ン酸等のカルボン酸が例示される。このほかに硝酸、ス
ルホン酸等の酸の塩が用いられる。好ましくは、カルボ
ン酸、硝酸あるいはスルホン酸の塩である。これらヨー
ドシル基に有するアリール化合物の塩は下記一般式(I
V)により表わされる。
Ar2−I(X) (IV) ここで、Ar2はフェニル、ナフチル、ビフェニリル基
等の芳香族炭化水素残基であり、これらアリール基には
メチル基、エチル基、プロピル基などの低級アルキル
基、メトキシ基、エトキシ基などの低級アルコキシ基、
ニトロ基、カルボキシル基等が一個以上置換されている
ことができる。イオンXは酸残基を示す。
具体的な塩としては酢酸ヨードシルベンゼン、オル
ソ、メタあるいはパラ置換酢酸ヨードシルトルエン、酢
酸2−ヨードシルメタキシレン、酢酸2−ヨードシルパ
ラキシレン、オルソ、メタあるいはパラ置換酢酸ヨード
シルクロルベンゼン、オルソ、メタあるいはパラ置換酢
酸ヨードシルニトロベンゼン、酢酸4−ヨードシルエト
キシベンゼン、酢酸4−ヨードシルシアノベンゼン、酢
酸ヨードシルビフェニル、酢酸α−ヨードシルナフタレ
ン等の酢酸塩、クロロ酢酸ヨードシルベンゼン、ジクロ
ロ酢酸ヨードシルベンゼン、トリクロロ酢酸ヨードシル
ベンゼン、ブロム酢酸ヨードシルベンゼン、トリフロロ
酢酸ヨードシルベンゼン等のハロ酢酸塩、安息香酸ヨー
ドシルベンゼン、安息香酸2−ヨードシルトルエン、安
息香酸2−ヨードシルクロルベンゼン、安息香酸2−ヨ
ードシルニトロベンゼン、安息香酸ヨードシルメシチレ
ン等の安息香酸塩、4−クロロ安息香酸ヨードシルベン
ゼン、4−ブロム安息香酸ヨードシルベンゼン、2,4−
ジニトロ安息香酸ヨードシルベンゼン、4−メトキシ安
息香酸ヨードシルベンゼン、4−メチル安息香酸ヨード
シルベンゼン等の置換安息香酸塩、そのほかにパラトル
エンスルホン酸ヨードシルベンゼン、硝酸ヨードシルベ
ンゼン、硝酸2−ヨードシルニトロベンゼン、プロピオ
ン酸ヨードシルベンゼン、ヘキサン酸ヨードシルベンゼ
ン等が挙げられる。
また、本発明のヨードシル基を有するアリール化合物
またはその塩は、有機高分子であることもできる。すな
わち、ヨードシル基あるいはその塩が少なくとも1個付
加した有機高分子であることもある。これらは、いわば
前記式で表わされるヨードシル基を有するアリール化合
物またはその塩におけるアリール基が、有機高分子主鎖
に結合している形態となる。
具体的な有機高分子主鎖によって繋がれていてもよい
アリール基とは、スチレンまたはその誘導体モノマーの
重合体またはその共重合体から誘導される基である。こ
れらの有機高分子化合物はスチレンまたはその誘導体の
重合体あるいは共重合体に後処理をすることによりヨー
ドシル基を導入し、その後このヨードシル基を塩に変換
することもできる。後処理によりヨードシル基を導入す
る方法は、具体的には例えば、Angew.Makromol.Chem.,2
7(431),223(1972)に記載された方法により製造する
ことができる。また、導入したヨードシル基を塩に変換
する方法としては、具体的には例えば、Die Makromolek
ulare Chemie,153−162,(1972)に記載された方法によ
り製造することができる。
ヨードシル基を有するアリール化合物あるいはその塩
は、原料である芳香族不飽和化合物に対して少なくとも
一当量使用することが必要であり、通常は一当量で充分
である。使用量の上限はないが、一当量を越えてもなん
ら支障はないが不経済となるだけで好ましくない。ま
た、使用量が一当量以下ではその分原料の芳香族不飽和
化合物が反応しないで残る為好ましくない。
ヨードシル基を有するアリール化合物あるいはその塩
は本発明の反応後、対応するヨウ化アリールとなり、こ
れは蒸留などにより反応生成物から容易に回収できる。
本発明においては、必須の条件ではないが必要に応じ
て反応を促進する目的で触媒を使用することができる。
反応触媒としては、コバルト、マンガン、銅、鉄等の遷
移金属の塩が用いられ、遷移金属としては好ましくは、
コバルトが用いられる。遷移金属の酸化数がゼロ以外の
酸化数であればどのような数の酸化数の遷移金属であっ
ても本発明になんら問題なく使用できる。塩としては、
酢酸、酪酸、ナフテン酸等の有機酸の塩、硝酸、塩酸等
の無機酸の塩、アセチルアセトナート、トリフレート、
オクタノエート等の錯塩等が例示される。
触媒の具体例は、コバルト、マンガン、銅、鉄の酢酸
塩、硝酸塩、ナフテン酸塩、あるいはアセチルアセトナ
ート、トリフレート、オクタノエート等の錯塩などが挙
げられる。
触媒の使用量については、例えば、原料の芳香族不飽
和化合物に対して0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10
重量%が適当である。触媒の使用量がこの範囲の下限よ
り少ない場合には反応は充分には進まず、また、触媒の
使用量を上記の範囲の上限の値より多くしても、反応速
度の向上に殆ど寄与せず、かえって触媒の回収に手間取
るようになり好ましくない。
また、反応を促進させる目的で酸を存在させることも
できる。具体的には、塩酸、硫酸、燐酸、スルフォン酸
等の酸が用いられる。
反応温度は、−50〜200℃、好ましくは0〜100℃であ
る。−50℃以下の温度では反応温度が低すぎるために反
応が進まなかったり、原料の芳香族不飽和化合物が凝固
したりするので好ましくない。また、200℃を越えると
ヨードシル基を有するアリール化合物あるいはその塩の
分解や反応原料である芳香族不飽和化合物の重合等の副
生成物が生じ、目的物の選択性が著しく低下するのでい
ずれも好ましくない。また、反応時間は反応温度などの
反応条件によっても異なるが、一般には10分〜10時間の
範囲から選ばれる。
反応時の反応系の圧力は、なんら本発明の反応には影
響を与えないので、適宜選択できるが、通常は、常圧で
充分である。
また本発明の方法においては、反応溶媒を使用するこ
とは必ずしも必要ではないが、ヨードシル基を有するア
リール化合物あるいはその塩および芳香族不飽和化合物
との接触効率を向上させるために、反応に不活性な溶媒
を用いてもよく、このような溶媒としては、例えば、
水、アセトン、メタノール、t−ブチルアルコールなど
のアルコール、氷酢酸、アセトニトリル、イソオクタ
ン、ベンゼン、クロロホルムなどの単一あるいはこれら
の混合溶媒などが用いられる。
本発明の方法は、例えば、次のようにして行なうこと
ができる。
反応容器に芳香族不飽和化合物、ヨードシル基を有す
るアリール化合物あるいはその塩および反応溶媒を入れ
所定の条件下で反応を進行させる。但し、これらの添加
順序に特に制限はない。
反応後においては、常法に従いベンゼン、酢酸エチ
ル、クロロホルムなどの有機溶媒で反応混合物を抽出し
た後、通常の蒸留によりあるいは再結晶により高純度な
芳香族不飽和化合物の酸化生成物が容易に得られる。
[実施例] 以下、本発明を実施例により更に説明するが、本発明
はこれらの実施例のみに限定されるものではない。な
お、%は特に断わらない限り重量%を示す。
<実施例1> 原料芳香族不飽和化合物として2−フェニルプロピレ
ン(3mmol)、ヨードシル化合物の塩として酢酸ヨード
シルベンゼン(3mmol)および溶媒として60%酢酸水溶
液30mlを反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、反応温度25
℃、反応時間2時間の条件で反応を行なった。
反応終了後、反応液を水に注いだ後、エーテルで油状
物を抽出した。エーテルを蒸留で除いた後、ガスクロマ
トグラフィーで分析したところ、原料である2−フェニ
ルプロピレンの反応率30%、目的生成物であるフェニル
アセトンの収率26%であった。尚、反応副生物であるヨ
ードベンゼンも認められた。
また、目的生成物フェニルアセトンは、NMR、IRおよ
びMASS分析により、標品と同一でることを確認した。
<実施例2〜8> 上記実施例1に準じて下記の表に記載の出発原料等を
使用して反応させた。結果は同じく表に示す。
<実施例9> 実施例1の反応で触媒として酢酸コバルトを用い氷酢
酸中で反応を行なった。反応終了後、実施例1に準じて
後処理し、同様な分析したところ、反応率、収率はそれ
ぞれ100%、44%であった。
<実施例10〜31> 上記実施例9に準じて下記の表に記載の出発原料等を
使用して反応させた。結果は同じく表に示す。
<実施例32〜40> 上記実施例9に準じて下記の表に記載の触媒あるいは
反応溶媒を使用して反応させた。結果は同じく表に示
す。
<実施例41> 芳香族不飽和化合物として2−フェニルプロピレン
(3mmol)、ヨードシル基を有するユニットが15%を占
めるポリスチレン変性ビーズ(2.85g)、触媒として酢
酸コバルト(0.05mmol)および溶媒として氷酢酸100ml
を反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、反応温度25℃、反
応時間2時間の条件で反応を行なった。
反応終了後、変性ポリスチレンビーズと触媒は濾別し
た後エーテルで抽出した。エーテルを蒸留で除いた後、
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、原料である
2−フェニルプロピレンの反応率55%、目的生成物であ
るフェニルアセトンの収率15%であった。
また、目的生成物フェニルアセトンは、NMR、IRおよ
びMASS分析により、標品と同一であることを確認した。
<実施例42> 原料オレフィンとして2−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)プロピレン(3mmol)、芳香族高分子化合物とし
て、ヨードシル基に酢酸の付加したユニットが25%を占
めるポリスチレン変性ビーズ(1.6g)、触媒として硝酸
コバルト(0.05mmol)および溶媒として60%酢酸水溶液
100mlを反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、反応温度25
℃、反応時間2時間の条件で反応を行なった。
実施例41に準じて後処理したところ、反応率、収率は
それぞれ43%、12%であった。
[発明の効果] 以上記述したように、本発明によれば、芳香環に置換
基を有していてもよい芳香族不飽和化合物を、ヨードシ
ル基を有するアリール化合物あるいその塩と反応させる
ことにより、各種の農薬、医薬品などの中間原料として
有用である芳香族不飽和化合物の酸化生成物を高い収率
で製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 49/21 C07C 49/21 49/784 49/784 51/29 51/29 57/32 57/32 57/58 57/58 201/12 201/12 205/45 205/45 225/22 225/22 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I) にて表わされる芳香族不飽和化合物を、ヨードシル基を
    有するアリール化合物あるいはその塩を用いて反応温度
    −50〜200℃の範囲で酸化することを特徴とする下記式
    (II) (式中、Ar1はアリール基を示し、またR1、R2、R3はそ
    れぞれ水素原子、炭素数1から4の低級アルキル基ある
    いはアリール基を示し、R1〜R3の各々は同一または異な
    る基であってもよい。) にて表わされる芳香族化合物の製法。
  2. 【請求項2】前記芳香族不飽和化合物のアリール基Ar1
    が、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、低
    級アルキル基および低級アルコキシ基からなる群より選
    ばれる置換基により芳香族環の水素原子が1〜3個置換
    された芳香族炭化水素残基であることを特徴とする請求
    項1記載の芳香族化合物の製法。
  3. 【請求項3】前記芳香族炭化水素残基が、フェニル基で
    ある請求項2記載の芳香族化合物の製法。
  4. 【請求項4】遷移金属塩を反応触媒として用いることを
    特徴とする請求項1記載の芳香族化合物の製法。
  5. 【請求項5】遷移金属塩の金属が、コバルト、マンガ
    ン、銅、鉄から選ばれる請求項4記載の芳香族化合物の
    製法。
  6. 【請求項6】前記ヨードシル基を有するアリール化合物
    またはその塩が、下記式(III)または(IV) Ar2−I=O (III) Ar2−I(X) (IV) (式中、Ar1、Ar2はアリール基を示し、イオンXは酸残
    基を示す。) によりそれぞれ表わされる請求項1記載の芳香族化合物
    の製法。
  7. 【請求項7】ヨードシル基を有するアリール化合物ある
    いはその塩が、ヨードシルベンゼンあるいは酢酸ヨード
    シルベンゼンである請求項6記載の芳香族化合物の製
    法。
  8. 【請求項8】ヨードシル基を有するアリール化合物ある
    いはその塩が、芳香族高分子化合物であることを特徴と
    する請求項6記載の芳香族化合物の製法。
  9. 【請求項9】前記イオンXがカルボン酸イオン、硝酸イ
    オンあるいはスルホン酸イオンである請求項6記載の芳
    香族化合物の製法。
JP1160324A 1988-07-08 1989-06-22 芳香族不飽和化合物の新規な酸化法による芳香族化合物の製法 Expired - Lifetime JP2741069B2 (ja)

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17057888 1988-07-08
JP63-170578 1988-07-08
JP63-170579 1988-07-08
JP17057788 1988-07-08
JP17057988 1988-07-08
JP63-170577 1988-07-08

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02131435A JPH02131435A (ja) 1990-05-21
JP2741069B2 true JP2741069B2 (ja) 1998-04-15

Family

ID=27323354

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1160324A Expired - Lifetime JP2741069B2 (ja) 1988-07-08 1989-06-22 芳香族不飽和化合物の新規な酸化法による芳香族化合物の製法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US4967009A (ja)
EP (1) EP0350069B1 (ja)
JP (1) JP2741069B2 (ja)
CA (1) CA1327607C (ja)
DE (1) DE68905393T2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4411667A1 (de) * 1994-04-05 1995-10-12 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von substituierten Phenylessigsäurederivaten und neue Zwischenprodukte
CN100344794C (zh) * 2005-04-26 2007-10-24 华东师范大学 对甲氧基苯基丙酮的槽内式电化学合成方法
CN100355941C (zh) * 2005-04-26 2007-12-19 华东师范大学 对甲氧基苯基丙酮的槽外式电化学合成方法
US10463563B2 (en) 2013-01-20 2019-11-05 Bioness Inc. Methods and apparatus for body weight support system
US9682000B2 (en) 2013-01-20 2017-06-20 Bioness, Inc. Methods and apparatus for body weight support system
JP7486313B2 (ja) 2017-02-14 2024-05-17 バイオネス インコーポレイテッド 部分免荷システムの方法及び装置
AU2022418436A1 (en) * 2021-12-20 2024-07-11 Nimml Institute Immunoregulatory compounds

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL6513089A (ja) * 1964-10-21 1966-04-22
GB1119612A (en) * 1966-04-20 1968-07-10 W J Bush & Company Ltd Hydroxylation of alkenyl substituted aromatic compounds

Also Published As

Publication number Publication date
EP0350069B1 (en) 1993-03-17
US4967009A (en) 1990-10-30
EP0350069A2 (en) 1990-01-10
DE68905393T2 (de) 1993-06-24
EP0350069A3 (en) 1990-05-30
CA1327607C (en) 1994-03-08
DE68905393D1 (de) 1993-04-22
JPH02131435A (ja) 1990-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2741069B2 (ja) 芳香族不飽和化合物の新規な酸化法による芳香族化合物の製法
KR100965633B1 (ko) 물에서 p-크실렌의 액상 산화에 의한 p-톨루엔산의제조방법
KR101707237B1 (ko) 치환된 1,4-퀴논 메티드의 제조 방법
JPH06718B2 (ja) アシルオキシ芳香族カルボン酸の製法
FR2804427A1 (fr) Procede de preparation de cetones alpha-halogenees
JP3062965B2 (ja) アリール置換プロピオン酸エステルの調製方法
US20040030187A1 (en) User- and eco-friendly hypervalent iodine reagent and method of synthesis
JP2782359B2 (ja) 2―(4―イソブチルフエニル)―2―ブテン
Karakaya et al. Transition‐Metal Catalyzed Coupling Reactions for the Synthesis of (Het) aryl Ketones: An Approach from their Synthesis to Biological Perspectives
JP3027162B2 (ja) ビフェニルカルボン酸の製造方法
JP2001199910A (ja) 芳香族化合物の製造方法
FR2730730A1 (fr) Procede de preparation d'un 4-hydroxybenzaldehyde substitue
JPS6137753A (ja) ケイ皮アルデヒドの酸化方法
EP2386535B1 (en) Method for producing aldehyde and ketone
JPH09509965A (ja) ベータ−ジケトンの改良された製造方法
WO1998011039A1 (fr) Procede de chloromethylation d'hydrocarbures aromatiques
JP2775319B2 (ja) ジアリールエチレングリコールの製造方法
JPS621937B2 (ja)
CN118184597A (zh) 异噁唑草酮的制备方法
JPS6140224A (ja) アリ−ルアルカン酸の製造方法
US6013841A (en) Method for the conversion of 3- and 4-methylcatechol to benzaldehyde
CS221849B2 (en) Method of making the m-phenoxybenzylalcohol and derivatives thereof
EP0934241B1 (en) Production of 6-bromo-2-methoxynaphthalene and derivatives
WO1990009975A1 (en) Aldehyde oxidation
EP0424242A2 (fr) Procédé de fabrication d'acides carboxyliques par oxidation des aldehydes correspondants