JP2740886B2 - 電気光学装置 - Google Patents

電気光学装置

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JP2740886B2
JP2740886B2 JP8954091A JP8954091A JP2740886B2 JP 2740886 B2 JP2740886 B2 JP 2740886B2 JP 8954091 A JP8954091 A JP 8954091A JP 8954091 A JP8954091 A JP 8954091A JP 2740886 B2 JP2740886 B2 JP 2740886B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクティブ型表示装
置、特にアクティブ型電気光学装置に関するもので、明
確な階調のレベルを設定できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】液晶組成物はその物質特性から、分子軸
に対して水平方向と垂直方向の誘電率が異なるため、外
部の電界に対して水平方向に配列したり、垂直方向に配
列したりさせることが容易にできる。液晶電気光学装置
はこの誘電率の異方性を利用して、光の透過光量または
分散量を制御することで、ON/OFFの表示を行って
いる。
【0003】図2にネマチック液晶の電気光学特性を示
す。印加電圧が小さいVa(A点01)のときには、
透過光量がほぼ0%、Vb(B点02)の場合には3
0%ほど、Vc(C点03)の場合には80%ほど、
Vd(D点04)の場合には100%ほどになる。つ
まり、A、D点のみを利用すれば、白黒の2階調表示
が、B、C点のように電気光学特性の立ち上がりの部分
を利用すれば、中間階調表示が可能となる。本発明者が
確認した具体的電圧としては、Va=2.0V、Vb=
2.18V、Vc=2.3V、Vd=2.5Vであっ
た。
【0004】従来、TFTを利用した液晶電気光学装置
の階調表示の場合、TFTのゲート印加電圧もしくはソ
ース・ドレイン間の印加電圧を変化させてアナログ的に
電圧を調整し、階調表示をおこなっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】TFTを利用した液晶
電気光学装置の階調表示の方法に関して、さらに詳しい
説明をくわえる。従来液晶電気光学装置に用いられてい
るnチャネル型薄膜トランジスタは、図3に示すような
電圧電流特性を持っている。図3に示した電圧電流特性
はアモルファスシリコンを用いたnチャネル型薄膜トラ
ンジスタの特性01と、ポリシリコンを用いたnチャ
ネル型薄膜トランジスタの特性02である。
【0006】ゲート電極に加える電圧をアナログ的に制
御することで、ドレイン電流を制御することができ、ひ
いてはソース・ドレイン間の抵抗値を変化させることと
なる。その結果、直列接合された液晶に加わる電界の大
きさをその抵抗分割によって、任意に変化させることが
できる。これによって、階調表示が可能になっている。
また、この逆でゲート電極を走査側信号線に接続し、ソ
ース・ドレイン間電圧を変化させて、液晶に加える電界
値そのものを任意に制御する方法もある。
【0007】どちらの手法にしても、TFTの特性に大
きく依存したアナログ的な階調表示方式であることに違
いはない。しかしながら、マトリクス構成をなす多数の
TFT素子の全てが均一な特性を有するように作成する
のは難しく、特に階調表示に必要な中間の電圧の微調整
は今の技術では、非常な困難を要しているのが現状であ
る。図2に示したネマチック液晶の電気光学的特性から
もわかる様に、暗状態の境界値である2.08V付近か
ら明状態の境界値である2.40V付近までの0.32
V間で全ての階調表示を行なわねばならない。16階調
を過程した場合、平均0.02V間隔でのコントロール
が必要となる。
【0008】もし、図2に示すA点01とD点04
の様な、液晶が完全にON/OFFする部分でコントロ
ールした場合、その電圧差は0.5V以上とることが出
来るために、TFTの面内特性ばらつきを十分緩和する
に値する。複数の書込みフレームを利用して、例えば1
0フレーム中6フレームをON(2.5V)にして、残
り4フレームをOFF(2.0V)にしてやることで、
書込み平均電圧は2.3Vとなり、中間階調表示が可能
となる。
【0009】しかしながらこの様にした場合、複数フレ
ームを利用するために、人間の視覚で確認できる30H
z以下の表示になる危険性が発生して、条件によっては
フリッカー等の表示不良の原因となっていた。これを防
止する方法として、駆動周波数の高速化も提案されてい
るが、ドライバーICのデーター転送速度にも、20M
Hz程度と限界があり、困難を要していた。
【0010】
【問題を解決するための手段】そこで本発明では、従来
のアナログ的階調表示ではなく、デジタル的階調表示を
行うことで、明確な階調表示レベルを液晶に供給する手
段を提案するものであり、且つその際に、従来提案され
ているような単純に駆動周波数を上げて階調表示を行う
方法ではなく、データの転送周波数と階調表示用周波数
を独立させて、フレーム周波数の変化をさせない状態で
デジタル階調表示を行うことに特徴を有する。
【0011】本発明はアクティブマトリクス型液晶表示
装置において、任意の画素に書き込む単位時間tと1画
面を書き込む時間Fで関係される表示タイミングを有す
る表示駆動方式を用いた表示装置の階調表示を、前記時
間Fを変更すること無しに前記時間tの書込み時間中の
信号を時分割とし、このことによって時間tに画素の液
晶に加わる電界の平均値を分割の割合に応じた変化さ
せ、階調を表示可能にしたことを特徴としている。
【0012】従来の表示装置の場合、データ方向の信号
線の電界の強さの強弱で画素電極にかかる電界が決ま
り、それによって液晶の透過率が決定される。
【0013】本発明では、このようなアナログ的な階調
制御を行うのでは無く、任意の画素に書き込む単位時間
tの書込み時間中の信号を時分割とし、分割数分の階調
を表示可能にしている。その際、書き込み時間における
電界変化は、非書き込み時間ではその平均値になり、明
快な階調表示が可能となるっている。
【0014】情報信号側のデーター転送速度は、例えば
1920×400ドット構成の液晶電気光学装置の場
合、8ビットパラレル転送で、5.76MHzのクロッ
ク周波数が必要となる。これに、従来の複数フレーム方
式を用いた場合、10フレームを利用するならば単純に
57.6MHzのクロック周波数が必要となるのであ
る。しかしながら、本発明の場合、階調表示用のクロッ
ク周波数を独立してとるため、最大8MHzの駆動能力
を有するICを用いた場合、約166階調まで、表示可
能となる。12.3MHzの駆動ICを採用すれば、ビ
ジュアル用に必要と言われている256階調表示まで十
分可能な値になり、従来のアナログ方式および複数フレ
ーム方式のデジタル階調表示とは格段の優位性が生じ
る。以下に実施例をもってさらに詳細な説明を加える。
【0015】
【実施例】
【0016】『実施例1』(画像表示装置・テレビ)本
実施例では図に示すような回路構成を用いた液晶表示
装置を用いて、壁掛けテレビを作製したので、その説明
を行う。またその際のTFTは、レーザーアニールを用
いた多結晶シリコンで、スタガ型とした。図4の回路
は、第1の信号線401および第2の信号線402でな
る一対の信号線と、第3の信号線403とがマトリック
ス状に配置され、この一対の信号線と第3の信号線との
各交点に画素電極406、Nチャンネル型薄膜トランジ
スタ404とPチャンネル型薄膜トランジスタ405と
を相補型に構成した相補型薄膜トランジスタが設けられ
ている。 Nチャネル型薄膜トランジスタ404のソース
及びドレインの一方と、Pチャネル型薄膜トランジスタ
405のソース及びドレインの一方は、画素電極406
に接続されている。 Nチャネル型薄膜トランジスタ40
4のソース及びドレインの他方は第1の信号線401に
接続され、Pチャネル型薄膜トランジスタ405のソー
ス及びドレインの他方は第2の信号線に接続され、Nチ
ャネル型薄膜トランジスタ404及びPチャネル型薄膜
トランジスタ405のゲートは第3の信号線403に接
続されている。 液晶組成物または液晶組成物を含む混合
物407を介して、対向する基板の電極408が配置さ
れている。
【0017】この回路構成に対応する実際の電極等の配
置構成を図に示している。これらは説明を簡単にする
為2×2(またはそれ以下)に相当する部分のみ記載さ
れている。図5(B)は図5(A)を矢印で示される線
で切断した際の断面図を示す。また、実際の駆動信号波
形を図1に示す。これも説明を簡単にする為に2×2の
マトリクス構成とした場合の信号波形で説明を行う。
【0018】まず、本実施例で使用する液晶パネルの作
製方法を図を使用して説明する。図(A)におい
て、石英ガラス等の高価でない700℃以下、例えば約
600℃の熱処理に耐え得るガラス50上にマグネトロ
ンRF(高周波)スパッタ法を用いてブロッキング層5
1としての酸化珪素膜を1000〜3000Åの厚さに
作製する。プロセス条件は酸素100%雰囲気、成膜温
度15℃、出力400〜800W、圧力0.5Paとし
た。ターゲットに石英または単結晶シリコンを用いた成
膜速度は30〜100Å/分であった。
【0019】この上にシリコン膜をプラズマCVD法に
より珪素膜を作製した。成膜温度は250℃〜350℃
で行い本実施例では320℃とし、モノシラン(SiH
)を用いた。モノシラン(SiH)に限らず、ジシ
ラン(Si)またトリシラン(Si)を用
いてもよい。これらをPCVD装置内3Paの圧力でに
導入し、13.56MHZの高周波電力を加えて成膜し
た。この際、高周波電力は0.02〜0.10W/cm
が適当であり、本実施例では0.055W/cm
用いた。また、モノシラン(SiH)の流量は20S
CCMとし、その時の成膜速度は約120Å/分であっ
た。NTFTのスレッシュホールド電圧(Vth)を制
御するため、ホウ素をジボランを用いて1×1015
1×1018cm−3の濃度として成膜中に添加しても
よい。またTFTのチャネル領域となるシリコン層の成
膜にはこのプラズマCVDだけでなく、スパッタ法、減
圧CVD法を用いても良く、以下にその方法を簡単に述
べる。
【0020】スパッタ法で行う場合、スパッタ前の背圧
を1×10−5Pa以下とし、単結晶シリコンをターゲ
ットとして、アルゴンに水素を20〜80%混入した雰
囲気で行った。例えばアルゴン20%、水素80%とし
た。成膜温度は150℃、周波数は13.56MHz、
スパッタ出力は400〜800W、圧力は0.5Paで
あった。
【0021】減圧気相法で形成する場合、結晶化温度よ
りも100〜200℃低い450〜550℃、例えば5
30℃でジシラン(Si)またはトリシラン(S
)をCVD装置に供給して成膜した。反応炉内
圧力は30〜300Paとした。成膜速度は50〜25
0Å/分であった。
【0022】これらの方法によって形成された被膜は、
酸素が5×1021cm−3以下であることが好まし
い。結晶化を助長させるためには、酸素濃度を7×10
19cm−3以下、好ましくは1×1019cm−3
下とすることが望ましいが、少なすぎると、バックライ
トによりオフ状態のリーク電流が増加してしまうため、
この濃度を選択した。この酸素濃度が高いと、結晶化さ
せにくく、レーザーアニール温度を高くまたはレーザー
アニール時間を長くしなければならない。水素は4×1
20cm−3であり、珪素4×1022cm−3とし
て比較すると1原子%であった。
【0023】また、ソース、ドレインに対してより結晶
化を助長させるため、酸素濃度を7×1019cm−3
以下、好ましくは1×1019cm−3以下とし、ピク
セル構成するTFTのチャネル形成領域のみに酸素をイ
オン注入法により5×1020〜5×1021cm−3
となるように添加してもよい。
【0024】上記方法によって、アモルファス状態の珪
素膜52を500〜5000Å、本実施例では1000
Åの厚さに成膜した。
【0025】その後、図(B)に示すように、フォト
レジスト53をマスクP1を用いてソース・ドレイン領
域のみ開孔したパターンを形成した。その上に、プラズ
マCVD法によりn型の活性層となる珪素膜を作製し
た。成膜温度は250℃〜350℃で行い本実施例では
320℃とし、モノシラン(SiH)とモノシランベ
ースのフォスフィン(PH)3%濃度のものを用い
た。これらをPCVD装置内5Paの圧力でに導入し、
13.56MHzの高周波電力を加えて成膜した。この
際、高周波電力は0.05〜0.20W/cmが適当
であり、本実施例では0.120W/cmを用いた。
この方法によって出来上がったn型シリコン層の比導電
率は2×10−1〔Ωcm−1〕程度となった。膜厚は
50Åとした。
【0026】また一方、図(C)に示すように、フォ
トレジスト54をマスクP2を用いてソース・ドレイン
領域のみ開孔したパターンを形成した。その上に、プラ
ズマCVD法によりp型の活性層となる珪素膜を作製し
た。成膜温度は250℃〜350℃で行い本実施例では
320℃とし、モノシラン(SiH)とモノシランベ
ースのジボラン(B)2%濃度のものを用いた。
これらをPCVD装置内4Paの圧力でに導入し、1
3.56MHzの高周波電力を加えて成膜した。この
際、高周波電力は0.05〜0.20W/cmが適当
であり、本実施例では0.080W/cmを用いた。
この方法によって出来上がったp型シリコン層の比導電
率は1×10−1〔Ωcm−1〕程度となった。膜厚は
50Åとした。
【0027】その後リフトオフ法を用いて、ソース・ド
レイン領域55、56および57、58を形成した。そ
の後、マスクP62を用いてNチャネル型薄膜トラン
ジスタ用アイランド領域63およびPチャネル型薄膜ト
ランジスタ用アイランド領域64を形成した。(図6
(D))
【0028】その後XeClエキシマレーザーを用い
て、ソース・ドレイン・チャネル領域をレーザーアニー
ルすると同時に、活性層にレーザードーピングを行なっ
た。この時のレーザーエネルギーは、閾値エネルギーが
130mJ/cmで、膜厚全体が溶融するには220
mJ/cmが必要となる。しかし、最初から220m
J/cm以上のエネルギーを照射すると、膜中に含ま
れる水素が急激に放出されるために、膜の破壊が起き
る。そのために低エネルギーで最初に水素を追い出した
後に溶融させる必要がある。本実施例では最初150m
J/cmで水素の追い出しを行なった後、230mJ
/cmで結晶化をおこなった。
【0029】アニールにより、珪素膜はアモルファス構
造から秩序性の高い状態に移り、一部は結晶状態を呈す
る。特にシリコンの成膜後の状態で比較的秩序性の高い
領域は特に結晶化をして結晶状態となろうとする。しか
しこれらの領域間に存在する珪素により互いの結合がな
されるため、珪素同志は互いにひっぱりあう。レーザラ
マン分光により測定すると単結晶の珪素のピーク522
cm−1より低周波側にシフトしたピークが観察され
る。それの見掛け上の粒径は半値巾から計算すると、5
0〜500Åとなっているが、実際はこの結晶性の高い
領域は多数あってクラスタ構造を有し、各クラスタ間は
互いに珪素同志で結合(アンカリング)がされた構造の
被膜を形成させることができた。
【0030】結果として、被膜は実質的にグレインバウ
ンダリ(以下GBという)がないといってもよい状態を
呈する。キャリアは各クラスタ間をアンカリングされた
個所を通じ互いに容易に移動し得るため、いわゆるGB
の明確に存在する多結晶珪素よりも高いキャリア移動度
となる。即ち電子移動度(μe)=15〜300cm
/VSecおよびホール移動度(μe)=5〜100c
/VSecが得られた。
【0031】この上に酸化珪素膜をゲイト絶縁膜として
500〜2000Å例えば1000Åの厚さに形成し
た。これはブロッキング層としての酸化珪素膜の作製と
同一条件とした。この成膜中に弗素を少量添加し、ナト
リウムイオンの固定化をさせてもよい。
【0032】この後、この上側にリンが1〜5×10
21cm−3の濃度に入ったシリコン膜またはこのシリ
コン膜とその上にモリブデン(Mo)、タングステン
(W),MoSiまたはWSiとの多層膜を形成し
た。これを第4のフォトマスク69にてパターニングし
て図(E)を得た。ゲイト電極66および67を形成
し、例えばチャネル長7μm、ゲイト電極としてリンド
ープ珪素を0.2μm、その上にモリブデンを0.3μ
mの厚さに形成した。
【0033】また、ゲート電極材料としてアルミニウム
(Al)を用いた場合、これを第4のフォトマスク69
にてパターニング後、その表面を陽極酸化することで、
セルファライン工法が適用可能なため、ソース・ドレイ
ンのコンタクトホールをよりゲートに近い位置に形成す
ることが出来るため、移動度、スレッシュホールド電圧
の低減からさらにTFTの特性を上げることができる。
【0034】かくすると、400℃以上にすべての工程
で温度を加えることがなくC/TFTを作ることができ
る。そのため、基板材料として、石英等の高価な基板を
用いなくてもよく、本発明の大画面の液晶表示装置にき
わめて適したプロセスであるといえる。
【0035】図(F)において、層間絶縁物68を前
記したスパッタ法により酸化珪素膜の形成として行っ
た。この酸化珪素膜の形成はLPCVD法、光CVD
法、常圧CVD法を用いてもよい。例えば0.2〜0.
6μmの厚さに形成し、その後、第5のフォトマスク7
0を用いて電極用の窓79を形成した。その後、さら
に、これら全体にアルミニウムを0.3μmの厚みにス
パッタ法により形成し第6のフォトマスク76を用いて
リード74およびコンタクト73を作製した後、再び層
間絶縁物80を前記したスパッタ法により酸化珪素膜の
形成として行った。この酸化珪素膜の形成はLPCVD
法、光CVD法、常圧CVD法を用いてもよい。その
後、第7のフォトマスク81を用いてパターニングをし
た。その後、さらに、これら全体にアルミニウムを0.
3μmの厚みにスパッタ法により形成し第8のフォトマ
スク82を用いてリード83およびコンタクト84を作
製した。(図6(G))
【0036】表面を平坦化用有機樹脂85例えば透光性
ポリイミド樹脂を塗布形成し、再度の電極穴あけを第9
のフォトマスク86にて行った。さらに、これら全体に
ITO(酸化インジューム・錫)を0.1μmの厚みに
スパッタ法により形成し第10のフォトマスク87を用
いて画素電極88を形成した。このITOは室温〜15
0℃で成膜し、200〜400℃の酸素または大気中の
アニールにより成就した。(図6(H))
【0037】得られたTFTの電気的な特性であるNT
FTの移動度は80(cm/Vs)、Vthは5.0
(V)、PTFTの移動度は30(cm/Vs)、V
thは5.5(V)であった。この様な方法に従って作
製された液晶電気光学装置用の一方の基板を得ることが
出来た。
【0038】他方の基板の作製方法を図に示す。ガラ
ス基板900上にポリイミドに黒色顔料を混合したポリ
イミド樹脂をスピンコート法を用いて1μmの厚みに成
膜し、第1のフォトマスク11を用いてブラックストラ
イプ901を作製した。その後、赤色顔料を混合したポ
リイミド樹脂をスピンコート法を用いて1μmの厚みに
成膜し、第2のフォトマスク12を用いて赤色フィルタ
902を作製した。同様にして第3のフォトマスク1
3を用いて緑色フィルター903、および第4のフォト
マスク14を用いて青色フィルター904を作製した。
これらの作製中各フィルターは350℃にて窒素中で6
0分の焼成を行なった。その後、やはりスピンコート法
を用いて、レベリング層905を透明ポリイミドを用い
て制作した。
【0039】その後、これら全体にITO(インデゥー
ム酸化錫)を0.1μmの厚みにスパッタ法により形成
し第5のフォトマスク15を用いて共通電極906を形
成した。このITOは室温〜150℃で成膜し、200
〜300℃の酸素または大気中のアニールにより成就
し、第2の基板を得た。
【0040】前記基板上に、オフセット法を用いて、ポ
リイミド前駆体を印刷し、非酸化性雰囲気たとえば窒素
中にて350℃1時間焼成を行った。その後、公知のラ
ビング法を用いて、ポリイミド表面を改質し、少なくと
も初期において、液晶分子を一定方向に配向させる手段
を設けた。
【0041】その後、前記第一の基板と第二の基板によ
って、ネマチック液晶組成物を挟持し、周囲をエポキシ
性接着剤にて固定した。基板上のリードにTAB形状の
駆動ICと共通信号、電位配線を有するPCBを接続
し、外側に偏光板を貼り、透過型の液晶電気光学装置を
得た。
【0042】図に本実施例による電気光学装置の概略
構造図を示す。前記の工程にて得た液晶パネル1000
を冷陰極管を3本配置した後部照明装置1001と組み
合わせて設置を行った。その後、テレビ電波を受信する
チューナー1002を接続し、電気光学装置として完成
させた。従来のCRT方式の電気光学装置と比べて、平
面形状の装置となったために、壁等に設置することも出
来る様になった。
【0043】次に本発明を完結させるための、液晶電気
光学装置の周辺回路の説明を図を用いて加える。液晶
電気光学装置のマトリクス回路に接続された情報信号側
配線350、351に駆動回路352を接続した構成を
取っている。駆動回路352は駆動周波数系で分割する
と2つの部分よりなっている。1つは従来の駆動方式と
同様のデーターラッチ回路系353、これはデーター3
56を順に転送するためのデータの転送周波数発生手段
である基本クロックφH355が主な構成であり、1ビ
ット〜12ビット並列処理がおこなわれている。他の1
つは本発明による構成部分で、階調表示用周波数発生手
段である階調表示に必要な分割の割合に応じたクロック
CLK357とマグニチュートコンパレーター回路3
58、パネル駆動用バッファー360よりなっている。
データーラッチ系353より送られた階調表示データー
に応じたパルスをカウンター35で作っている。
【0044】本発明で特徴としているところは、まさに
これらの部分であり、駆動周波数を2種類とることによ
って、画面書換えのフレーム数を変化させることなく、
明快なデジタル階調表示が可能になっていることにあ
る。フレーム数の低下に伴うフリッカーの発生等が回避
できるものである。
【0045】本実施例によるC/TFTの動作波形を図
および図1に示す。図1はこのC/TFTへの
入力信号波形とC/TFTからの出力信号波形とを示す
オシロスコープ写真であります。図1(A)から図1
(B)へと入力信号の駆動周波数を5KHz、50K
Hz、500KHzさらには1MHzと上げていった場
合を示している。図1(B)からも明らかなように、
1MHzでも出力信号波形はあまりなまらず、十分実用
的な出力信号を得ることができた。このため、階調表示
数は駆動周波数をデューティ数とフレーム数で割れば算
出でき、この場合は1MHzを400と60で割った4
2という諧調表示数が得られ、42階調表示まで可能に
なっている。
【0046】アナログ的な階調表示を行った場合、TF
Tの特性ばらつきから16階調表示が限界であった。し
かしながら、本発明によるデジタル階調表示をおこなっ
た場合、TFT素子の特性ばらつきの影響を受けにくい
ために、42階調表示まで可能になりカラー表示では7
4,088色の多彩であり微妙な色彩の表示が実現でき
ている。
【0047】『実施例2』(ビューファインダー) 本
実施例では、対角1インチを有する液晶電気光学装置を
用いた、ビデオカメラ用ビューファインダーを作製し、
本発明を実施したので説明を加える。
【0048】本実施例では、画素数が387×128の
構成にして、『実施例1』と同様のプロセスを用いて第
一の基板を設けた。また、絶縁基板上に『実施例1』と
同様の方法を用いて、カラーフィルターおよび透明導電
膜ITOを1000Å成膜し、第二の基板とした。
【0049】前記基板上に、オフセット法を用いて、ポ
リイミド前駆体を印刷し、非酸化性雰囲気たとえば窒素
中にて350℃1時間焼成を行った。その後、公知のラ
ビング法を用いて、ポリイミド表面を改質し、少なくと
も初期において、液晶分子を一定方向に配向させる手段
を設けて第一および第二の基板とした。
【0050】その後、前記第一の基板と第二の基板によ
って、ネマチック液晶組成物を挟持し、周囲をエポキシ
性接着剤にて固定した。基板上のリードはそのピッチが
46μmと微細なため、COG法を用いて接続をおこな
った。本実施例ではICチップ上に設けた金バンプをエ
ポキシ系の銀パラジウム樹脂で接続し、ICチップと基
板間を固着と封止を目的としたエポキシ変成アクリル樹
脂にて埋めて固定する方法を用いた。その後、外側に偏
光板を貼り、透過型の液晶表示装置を得た。
【0051】本実施例によるTFTは、チャネル長を5
μmとしたため、駆動周波数を約2MHzまであげるこ
とができた。このため、2MHzを128と60で割っ
た260諧調、おおよそ256階調表示まで可能になっ
ている。例えば384×128ドットの49,152組
のTFTを50mm角(300mm角基板から36枚の
多面取り)に作成した液晶電気光学装置に対し通常のア
ナログ的な階調表示を行った場合、アモルファスTFT
の特性ばらつきが約±10%存在するために、16階調
表示が限界であった。しかしながら、本発明によるデジ
タル階調表示をおこなった場合、TFT素子の特性ばら
つきの影響を受けにくいために、256階調表示以上ま
で可能になりカラー表示では16,777,216色の
多彩であり微妙な色彩の表示が実現できている。
【0052】 『実施例3』(プロジェクション型画像表示装置) 本実施例では、図1に示す様なプロジェクション型画
像表示装置を作製したので説明を加える。
【0053】本実施例では3枚の液晶電気光学装置13
00を使用して、プロジェクション型画像表示装置用造
映部を組み立てている。その一つ一つは640×480
ドットの構成を有し、対角4インチの中に307,20
0画素を作製した。1画素当りの大きさは127μm角
とした。
【0054】プロジェクション型画像表示装置の構成と
して、液晶電気光学装置1300を光の3原色である赤
・緑・青色用に分割して設置しており、赤色フィルター
1301、緑色フィルター1302、青色フィルター
303と、反射板1304、150Wのメタルハライド
系光源1307とフォーカス用光学系1308より構成
されている。
【0055】本実施例の電気光学装置に用いた液晶電気
光学装置の基板は、C/TFT構成のマトリクス回路を
有する基板とした。低温プロセスによる高移動度TFT
を用いた素子を形成し、プロジェクション型液晶電気光
学装置を構成した。本実施例で使用する液晶表示装置の
作製方法を図1を使用して説明する。図1(A)に
おいて、石英ガラス等の高価でない700℃以下、例え
ば約600℃の熱処理に耐え得るガラス601上にマグ
ネトロンRF(高周波)スパッタ法を用いてブロッキン
グ層602としての酸化珪素膜を1000〜3000Å
の厚さに作製する。プロセス条件は酸素100%雰囲
気、成膜温度15℃、出力400〜800W、圧力0.
5Paとした。ターゲットに石英または単結晶シリコン
を用いた成膜速度は30〜100Å/分であった。
【0056】この上にシリコン膜をLPCVD(減圧気
相)法、スパッタ法またはプラズマCVD法により形成
した。減圧気相法で形成する場合、結晶化温度よりも1
00〜200℃低い450〜550℃、例えば530℃
でジシラン(Si)またはトリシラン(Si
)をCVD装置に供給して成膜した。反応炉内圧力は
30〜300Paとした。成膜速度は50〜250Å/
分であった。PTFTとNTFTとのスレッシュホール
ド電圧(Vth)に概略同一に制御するため、ホウ素を
ジボランを用いて1×1015〜1×1018cm−3
の濃度として成膜中に添加してもよい。
【0057】スパッタ法で行う場合、スパッタ前の背圧
を1×10−5Pa以下とし、単結晶シリコンをターゲ
ットとして、アルゴンに水素を20〜80%混入した雰
囲気で行った。例えばアルゴン20%、水素80%とし
た。成膜温度は150℃、周波数は13.56MHz、
スパッタ出力は400〜800W、圧力は0.5Paで
あった。
【0058】プラズマCVD法により珪素膜を作製する
場合、温度は例えば300℃とし、モノシラン(SiH
)またはジシラン(Si)を用いた。これらを
PCVD装置内に導入し、13.56MHzの高周波電
力を加えて成膜した。
【0059】これらの方法によって形成された被膜は、
酸素が5×1021cm−3以下であることが好まし
い。この酸素濃度が高いと、結晶化させにくく、熱アニ
ール温度を高くまたは熱アニール時間を長くしなければ
ならない。また少なすぎると、バックライトによりオフ
状態のリーク電流が増加してしまう。そのため4×10
19〜4×1021cm−3の範囲とした。水素は4×
1020cm−3であり、珪素4×1022cm−3
して比較すると1原子%であった。
【0060】上記方法によって、アモルファス状態の珪
素膜を500〜5000Å、例えば1500Åの厚さに
作製の後450〜700℃の温度にて12〜70時間非
酸化物雰囲気にて中温の加熱処理、例えば水素雰囲気下
にて600℃の温度で保持した。珪素膜の下の基板表面
にアモルファス構造の酸化珪素膜が形成されているた
め、この熱処理で特定の核が存在せず、全体が均一に加
熱アニールされる。即ち、成膜時はアモルファス構造を
有し、また水素は単に混入しているのみである。
【0061】アニールにより、珪素膜はアモルファス構
造から秩序性の高い状態に移り、一部は結晶状態を呈す
る。特にシリコンの成膜後の状態で比較的秩序性の高い
領域は特に結晶化をして結晶状態となろうとする。しか
しこれらの領域間に存在する珪素により互いの結合がな
されるため、珪素同志は互いにひっばりあう。レーザラ
マン分光により測定すると単結晶の珪素のピーク522
cm−1より低周波側にシフトしたピークが観察され
る。それの見掛け上の粒径は半値巾から計算すると、5
0〜500Åとマイクロクリスタルのようになっている
が、実際はこの結晶性の高い領域は多数あってクラスタ
構造を有し、各クラスタ間は互いに珪素同志で結合(ア
ンカリング)がされたセミアモルファス構造の被膜60
を形成させることができた。
【0062】結果として、被膜は実質的にグレインバウ
ンダリ(以下GBという)がないといってもよい状態を
呈する。キャリアは各クラスタ間をアンカリングされた
個所を通じ互いに容易に移動し得るため、いわゆるGB
の明確に存在する多結晶珪素よりも高いキャリア移動度
となる。即ちホール移動度(μh)=10〜200cm
/VSec、電子移動度(μe)=15〜300cm
/VSecが得られる。
【0063】他方、上記の如き中温でのアニールではな
く、900〜1200℃の高温アニールにより被膜を多
結晶化すると、核からの固相成長により被膜中の不純物
の偏析がおきて、GBには酸素、炭素、窒素等の不純物
が多くなり、結晶中の移動度は大きいが、GBでのバリ
ア(障壁)を作ってそこでのキャリアの移動を阻害して
しまう。結果として10cm/Vsec以上の移動度
がなかなか得られないのが実情である。即ち、本実施例
ではかくの如き理由により、セミアモルファスまたはセ
ミクリスタル構造を有するシリコン半導体を用いてい
る。
【0064】この上に酸化珪素膜604をゲイト絶縁膜
として500〜2000Å例えば1000Åの厚さに形
成した。これはブロッキング層としての酸化珪素膜の作
製と同一条件とした。この成膜中に弗素を少量添加し、
ナトリウムイオンの固定化をさせてもよい。
【0065】この後、この上側にリンが1〜5×10
21cm−3の濃度に入ったシリコン膜またはこのシリ
コン膜とその上にモリブデン(Mo)、タングステン
(W),MoSiまたはWSiとの多層膜605
形成した。これを第1のフォトマスクにてパターニン
グして図1(B)を得た。本実施例では、チャネル長
は10μm、ゲイト電極としてモリブデンを0.3μm
の厚さに形成した。その際、ゲート電極の金属を3μm
程度オーバーエッチング60した。その後、基板全体
にポジのフォトレジスト607を塗布した。
【0066】フォトマスクを用いて、基板裏面より露
光、現像を行うことによって、レジスト608を得るこ
とができる。その後、スパッタ法によってn層の堆積を
行った。その後、レジスト608をリフトオフすること
で、図1(D)を得る。
【0067】同様にして、基板全体にポジのフォトレジ
スト610を塗布後、フォトマスクを用いて、基板裏
面より露光、現像を行うことによって、レジスト610
を得ることができる。その後、スパッタ法によってp層
の堆積を行った。その後、レジスト610をリフトオフ
することで、図13(E)を得る。
【0068】次に、600℃にて10〜50時間再び加
熱アニールを行った。ソース612、614、ドレイン
613、615の不純物を活性化してNまたはP
して作製した。またゲイト電極616、617下にはチ
ャネル形成領域618、619がセミアモルファス半導
体として形成されている。
【0069】かくすると、セルフアライン方式でありな
がらも、700℃以上にすべての工程で温度を加えるこ
とがなくC/TFTを作ることができる。そのため、基
板材料として、石英等の高価な基板を用いなくてもよ
く、本発明の大画素の液晶表示装置にきわめて適したプ
ロセスである。本実施例では熱アニールは図1
(A)、(E)で2回行った。しかし図1(A)のア
ニールは求める特性により省略し、双方を図1(E)
のアニールにより兼ね製造時間の短縮を図ってもよい。
【0070】図1(F)において、層間絶縁物620
を前記したスパッタ法により酸化珪素膜の形成として行
った。この酸化珪素膜の形成はLPCVD法、光CVD
法、常圧CVD法を用いてもよい。例えば0.2〜0.
6μmの厚さに形成し、その後、フォトマスクを使っ
て電極用の窓621を形成した。さらに、図1(F)
に示す如くこれら全体にアルミニウムをスパッタ法によ
り形成し、リード622、およびコンタクト623をフ
ォトマスクを用いて作製した後、表面を平坦化用有機
樹脂624例えば透光性ポリイミド樹脂を塗布形成し、
再度の電極穴あけをフォトマスクにて行った。
【0071】出力端を液晶装置の一方の画素の電極を透
明電極としてそれに連結するため、スパッタ法によりI
TO(インジューム・スズ酸化膜)を形成した。それを
フォトマスクによりエッチングし、電極625を構成
させた。このITOは室温〜150℃で成膜し、200
〜400℃の酸素または大気中のアニールにより成就し
た。かくの如くにしてNTFT626とPTFT627
と透明導電膜の電極625とを同一ガラス基板601上
に作製した。得られたNTFTの電気的な特性の移動度
は120(cm/Vs)、Vthは5.0(V)、P
TFTの電気的な特性の移動度は50(cm/V
s)、Vthは5.3(V)であった。(図13
(G))
【0072】図1に構造の概略を示す。該基板上15
00に、フマル酸系高分子樹脂とネマチック液晶を6
5:35の割合で共通溶媒であるキシレンに溶解させた
混合物をダイキャスト法を用いて10μmの厚さに形成
した。その後窒素雰囲気中120℃で180分で溶媒を
取り除いて液晶分散層1501を形成した。この場合、
大気圧よりも若干減圧にすると、タクトタイムの短縮が
はかれることがわかった。
【0073】その後、スパッタ法によりITO(インジ
ューム・スズ酸化膜)を形成し、対向電極1502を得
た。このITOは室温〜150℃で成膜した。その後印
刷法を用いて、透光性のシリコン樹脂を30μmの厚み
で塗布し、100℃で30分焼成し、液晶電気光学装置
を得た。
【0074】本実施例に用いた駆動用ICの機能構成は
『実施例1』と同様である。640×480ドットの3
07,200組のTFTを300mm角に作成した液晶
電気光学装置に対し通常のアナログ的な階調表示を行っ
た場合、TFTの特性ばらつきが約±10%存在するた
めに、16階調表示が限界であった。本実施例によるT
FTは駆動周波数を2.5MHzまであげることが出来
たため、諧調表示数は2.5MHzを480本の走査線
数と60フレームでわった86諧調まで表示可能であっ
た。従って、本実施例によるデジタル階調表示をおこな
った場合、TFT素子の特性ばらつきの影響を受けにく
いために、64階調表示まで可能になりカラー表示では
なんと262,144色の多彩であり微妙な色彩の表示
が実現できている。
【0075】テレビ映像の様なソフトを映す場合、例え
ば同一色からなる『岩』でもその微細な窪み等にあたる
光の加減から微妙に色合いが異なる。自然の色彩に近い
表示を行おうとした場合、16階調では困難を要し、こ
れらの微妙な窪みの表現には向かない。本発明による階
調表示によって、これらの微細な色調の変化を付けるこ
とが可能になった。
【0076】この液晶電気光学は、図12(A)に示し
たフロント型のプロジェクションテレビだけでなく、
12(B)に示したリヤ型のプロジェクションテレビに
も使用が出来る。
【0077】実施例4(携帯用コンピューター) 本実施例では、図1に示すような反射型の液晶分散型
表示装置を用いた携帯用コンピューター用電気光学装置
を作製したので説明を加える。
【0078】本実施例に使用した第一の基板は、『実施
例1』と同一工程で作成した物を用いた。該基板上に
フマル酸系高分子樹脂と黒色色素を15%混合させたネ
マチック液晶を65:35の割合で共通溶媒であるキシ
レンに溶解させた混合物をダイキャスト法を用いて10
μmの厚さに形成し、その後窒素雰囲気中120℃で1
80分溶媒を取り除いて液晶分散層を形成した。
【0079】ここで、黒色色素を用いたため、分散型液
晶表示では困難であった平面ディスプレイも、光の散乱
時(無電界時)に黒色がでて、透過時(電界印加時)に
白色を表示出来、紙上に書いた文字のような表示が可能
になっている。
【0080】またこの逆の構造として、黒色色素を混入
せず、散乱時に白色を表現し、透過時に黒色を表現する
ことも可能である。ただしこの際には、以下に示す裏面
側を黒色にする必要がある。これもまた紙上に書いた文
字のような表示が可能になっている。
【0081】その後、スパッタ法によりITO(インジ
ューム・スズ酸化膜)を形成し、対向電極を得た。この
ITOは室温〜150℃で成膜した。その後印刷法を用
いて、白色のシリコン樹脂を55μmの厚みで塗布し、
100℃で90分焼成し、液晶電気光学装置を得た。
【0082】
【発明の効果】本発明では、従来のアナログ方式の階調
表示に対し、デジタル方式の階調表示を独立した2つの
駆動周波数を用いて行うことを特徴としている。その効
果として、例えば640×400ドットの画素数を有す
る液晶電気光学装置を想定したばあい、合計256,0
00個のTFTすべての特性をばらつき無く作製するこ
とは、非常に困難を有し、現実的には量産性、歩留りを
考慮すると、16階調表示が限界と考えられているのに
対し印加電圧レベルを明確にするために、アナログ値で
は無く、基準電圧値を信号としてコントローラー側から
入力し、その基準信号をTFTに接続するタイミングを
デジタル値で制御することによって、TFTに印加され
る電圧を制御することで、TFTの特性ばらつきをカバ
ーする方法を本発明ではとっている事を特徴としている
ことから、明快なデジタル階調表示が可能になっている
ことにある。
【0083】また、駆動周波数を2種類とることによっ
て、画面書換えのフレーム数を変化させることなく、明
快なデジタル階調表示が可能になっていることにある。
フレーム数の低下に伴うフリッカーの発生等が回避でき
るものである。
【0084】本発明によるデジタル階調表示をおこなっ
た場合、TFT素子の特性ばらつきの影響を受けにくい
ために、64階調程度まで可能になりカラー表示ではな
んと262,144色の多彩であり微妙な色彩の表示が
実現できている。テレビ映像の様なソフトを映す場合、
例えば同一色からなる『岩』でもその微細な窪み等から
微妙に色合いが異なる。自然の色彩に近い表示を行おう
とした場合、16階調4096色では困難を要する。本
発明による階調表示によって、これらの微細な色調の変
化を付けることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による駆動波形を示す。
【図2】ネマチック液晶の電気光学特性を示す。
【図3】ポリシリコンとアモルファスシリコンによるT
FTの電気特性を示す。
【図4】本実施例によるマトリクス回路を示す。
【図5】本実施例による素子の平面構造を示す。
【図6】本実施例によるTFTのプロセスを示す。
【図7】本実施例による対向電極の工程を示す。
【図8】本実施例による液晶表示装置(テレビ)の構成
を示す。
【図9】本実施例による駆動回路のシステム構成を示
す。
【図10】本実施例によるTFTの特性のオシロの波形
を示す写真。
【図11】本実施例によるTFTの特性のオシロの波形
を示す写真。
【図12】本実施例によるプロジェクション方式の液晶
電気光学装置の構造を示す。
【図13】本実施例によるTFTのプロセスを示す。
【図14】本実施例による液晶電気光学装置の断面図を
示す。
【図15】本実施例による携帯型コンピューターの構成
を示す。
【符号の説明】
50・・・ガラス基板 51・・・ブロッキング層 66・・・NTFTゲート電極 67・・・PTFTゲート電極 88・・・画素電極。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−16596(JP,A) 特開 昭53−144297(JP,A) 実開 昭60−154996(JP,U)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1および第2の信号線でなる一対の信号
    線と、第3の信号線とがマトリックス状に配置され、 前記一対の信号線と前記第3の信号線との各交点に画素
    電極およびNチャンネル型薄膜トランジスタとPチャン
    ネル型薄膜トランジスタとを相補型に構成した相補型薄
    膜トランジスタを設けられ、 前記Nチャネル型薄膜トランジスタのソース及びドレイ
    ンの一方と、前記Pチャネル型薄膜トランジスタのソー
    ス及びドレインの一方は、前記画素電極に接続され、 前記Nチャネル型薄膜トランジスタのソース及びドレイ
    ンの他方は前記第1の信号線に接続され、 前記Pチャネル型薄膜トランジスタのソース及びドレイ
    ンの他方は前記第2の信号線に接続され、 前記Nチャネル型薄膜トランジスタ及びPチャネル型薄
    膜トランジスタのゲートは前記第3の信号線に接続され
    ている 第1の基板と、 電極が設けられた第2の基板によって、 少なくとも液晶組成物または液晶組成物を含む混合物を
    挟持した液晶表示装置において、 1フレームを書き込む時間を周期とする、データの転送
    周波数を発生する手段と、 任意の1画素に書き込む単位時間を階調表示に必要な数
    で時分割した時間を周期とする、階調表示用周波数を発
    生する手段とを有することを特徴とする電気光学装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、液晶組成物は強誘電性
    を示すことを特徴とする電気光学装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、液晶組成物はネマチッ
    ク液晶を主体とすることを特徴とする電気光学装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、液晶組成物はコレステ
    ィック液晶を主体とすることを特徴とする電気光学装
    置。
  5. 【請求項5】請求項1において、液晶組成物を含む混合
    物はネマチック液晶を有機樹脂中に分散させたことを特
    徴とする電気光学装置。
  6. 【請求項6】請求項1において、液晶組成物を含む混合
    物はコレスティック液晶を有機樹脂中に分散させたこと
    を特徴とする電気光学装置。
  7. 【請求項7】請求項1において、液晶組成物を含む混合
    物はスメクチィク液晶を有機樹脂中に分散させたことを
    特徴とする電気光学装置。
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