JP2740803B2 - 薄膜流下型濃縮機 - Google Patents

薄膜流下型濃縮機

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JP2740803B2
JP2740803B2 JP50112889A JP50112889A JP2740803B2 JP 2740803 B2 JP2740803 B2 JP 2740803B2 JP 50112889 A JP50112889 A JP 50112889A JP 50112889 A JP50112889 A JP 50112889A JP 2740803 B2 JP2740803 B2 JP 2740803B2
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吉治 坂井
憲三 増谷
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は、薄膜流下型濃縮機に関するもので、特
に、熱感受性の強い液、例えば、各種果汁、野菜、薬草
等の農産物のエキス、家畜類の骨エキス、カニ、エビ、
貝魚、海草等の水産物のエキス、酪農製品、醗酵食品類
等の濃縮に用いて好適である。
背景技術 熱感受性の強い液を濃縮する場合、熱接触状態を低温
度でかつ、短時間に濃縮する必要がある。そのために
は、濃縮装置に供給された原液が1パスで濃縮液とし
て、取り出されることが要求される。1パスで取り出す
場合、濃縮と共に液量は減少するため、この減少して行
く原液を如何に伝熱面に均一に分散させるかが重要なポ
イントになる。従来では、ロングチューブ化した伝熱チ
ューブ方式の濃縮機が使用されていたが、この方式で
は、伝熱チューブ表面への原液の均一な分散が得難く、
例えば、伝熱チューブの一側へ片寄って流れ、伝熱効率
が著しく低下する欠点があり、その上に洗浄も容易でな
いという欠点がある。
また、伝熱プレート方式の濃縮機を使用する場合も公
知であるが、この方式においても、原液の均一分散が不
十分であり、かつ、プレート幅に対するプレート長さが
短いため、給液量が少ない場合、プレート表面に乾き面
が発生し、原液の焼付等による品質の低下を招来する欠
点があった。
上記欠点を改善するため、本発明者等は、次のような
提案をなしている。
即ち、伝熱プレートの縦方向中心線上に原液が上昇す
る予熱流路を形成し、かつ、前記予熱流路の両側に原液
が薄膜状に流下する加熱流路を形成し、前記予熱流路を
上昇する間に原液を予熱し、前記予熱流路の上端から原
液を両側へ分散させて加熱流路を薄膜状に流下させ、こ
の流下過程で原液を加熱して水分を蒸発分離させること
により濃縮液を得る装置を提案している(1987年1月31
日付、日本国特許庁発行、特開昭62−22990号公報参
照)。
上記提案は、従来の伝熱プレート方式の濃縮機を使用
する場合の欠点を改善することに貢献し得るが、伝熱プ
レートに形成される予熱流路、分散部分、加熱流路の各
部分での性能向上等に関しては、未だ改良の余地が残さ
れていた。
この発明は、従来技術の上記問題点に鑑みて提案され
たもので、その目的とするところは、伝熱プレートに形
成される予熱流路、分散部分、加熱流路の各部分での性
能を一層向上させることにある。
発明の開示 上記目的を達成するため、この発明は、予熱流路で
は、流路断面を広狭の繰り返し構成とし、これによっ
て、原液の乱流を促進し、予熱過程での伝熱性能を向上
させている。
また、分散部では、予熱流路の上端から両側の加熱流
路へUターンする原液を、各加熱流路へ液膜厚さを平準
化させて供給するために、液膜流れに直角な狭窄部形成
用突畝部を原液の流れ方向に離隔して複数個形成し、か
つ、各狭窄部形成用突畝部の間及び分散部出口領域に原
液を均一に分散させるための分散用突部を規則正しく配
置し、さらに、分散部の最後部に原液の流下方向と直角
に延び液膜の厚さを拡大させる凹溝状の液溜部を形成
し、この液溜部によって、加熱流路へ供給される原液の
液膜厚さを流路の幅方向全長に亘って常に均一に保持さ
せるようにしている。
また、加熱流路では、原液の流下方向に沿う縦溝を加
熱流路の幅方向に等ピッチで多数波形に形成し、この縦
溝によって、流下する原液の流下方向を案内規制して整
流させ、流下中の原液の片寄り及び乾き面の発生を防止
し、均一に蒸発させて液膜厚さが徐々に薄くなるように
し、さらに、上記縦溝の配列ピッチ及び溝隅部曲率を所
定値として、一方の加熱蒸気側の伝熱プレート面では、
凝縮ドレンを表面張力により溝底へ集水し、山部を露出
させて凝縮ドレンの膜状付着による境膜伝熱性能の低下
を防止し、他方の原液側の伝熱プレート面でも同様に表
面張力で原液を溝底へ集液させて山部での液膜厚さを薄
くし、境膜伝熱性能を向上させている。これらの、及び
その他この発明の特徴は、添付図面を参照して下記する
ところから一層明らかになるであろう。
図面の簡単な説明 第1A図は本発明に係る伝熱プレートの上部平面図を示
し、第1B図は下部平面図を示しており、両図ともに伝熱
プレートの縦方向中心線より右半分は、左半分と対称な
構成であるから、図面上では省略して示している。
第2A図は加熱蒸気流路形成用ガスケットの平面図を示
し、第2B図は原液流路形成用ガスケットの平面図を示し
ているもので、両図ともに第1A図及び第1B図よりも寸法
を縮小して示している。
第3図は第1A図のIII−III線断面図、 第4図は第1A図のIV−IV線断面図、 第5図は第1A図のV−V線断面図、 第6図は第1A図のVI−VI線断面図である。
第7図は本発明の伝熱プレートによる濃縮機の概略構
成を示す分解斜視図であり、第8図及び第9図はその組
立状態の正面図及び側面図である。
第10図は本発明の伝熱プレートを使用した濃縮装置の
一例を示すフローシートである。
第11図は本発明の濃縮装置と既存の各種の濃縮装置と
の総括伝熱係数の比較表である。
発明を実施するための最良の形態 第1A図及び第1B図において、(10)は総体的に本発明
に係る伝熱プレートを示し、上部に加熱蒸気入口(11)
を有し、下部に原液入口(12)と濃縮液及び分離蒸気の
出口(13)と、ドレン出口(14)とを有し、縦長さと横
幅の比を約9:1としている。
伝熱プレート(10)には、第2A図に示す加熱蒸気流路
形成用ガスケット(15)を装着することによって、第7
図に示す蒸気プレート(10a)が構成され、また、第2B
図に示す原液流路形成用ガスケット(16)を装着するこ
とによって、第7図に示す原液プレート(10b)が構成
される。
加熱蒸気流路形成用ガスケット(15)は、加熱蒸気入
口(11)の上部からドレン出口(14)の下部に至る間の
プレート周囲を囲繞して加熱蒸気流路(17)を形成する
外枠部(15a)と、原液入口(12)の周囲並びに濃縮液
及び分離蒸気の出口(13)の周囲を囲繞する内枠部(15
b)とからなっている。従って、第7図に示す蒸気プレ
ート(10a)の部分では、加熱蒸気入口(11)から流入
した加熱蒸気は、加熱蒸気流路(17)を通って凝縮さ
れ、ドレンとなってドレン出口(14)から排出され、原
液と濃縮液及び分離蒸気とはプレートを通過するだけと
なる。
原液流路形成用ガスケット(16)は、加熱蒸気入口
(11)の周囲及びドレン出口(14)の周囲を囲繞し、か
つ、加熱蒸気入口(11)の下部から濃縮液及び分離蒸気
の出口(13)の下部に至る間のプレート周囲を囲繞して
原液の加熱流路(18)を形成する外枠部(16a)と、原
液入口(12)から流入する原液を加熱蒸気入口(11)の
付近まで上昇させて両側の加熱流路(18)(18)へUタ
ーンさせる原液予熱流路(19)を形成する略U字形の内
枠部(16b)とからなっている。従って、第7図に示す
様に、原液プレート(10b)の部分では、原液入口(1
2)から流入した原液は、原液予熱流路(19)を上昇
し、この間に予熱され、原液予熱流路(19)の上端から
両側の加熱流路(18)(18)へUターンして加熱(18)
(18)を流下し、この間に加熱されて原液中の水分が蒸
気となって分離され、この分離蒸気と濃縮液とが出口
(13)から排出され、加熱蒸気及びドレンはプレートを
通過するだけとなる。
蒸気プレート(10a)と原液プレート(10b)とは第7
図に示す様に、両端板(20)(21)間に交互に複数対が
積層されて通しボルト等により積層方向に緊締され、第
8図及び第9図に示す様な濃縮機(22)が組立てられ
る。
原液プレート(10b)の各部の詳細な構成を、第1A
図、第1B図、第3図〜第6図を参照して説明する。
原液予熱流路(19)の上端から両側の加熱流路(18)
(18)へ至る間には、分散部(23)(23)が形成してあ
り、分散部(23)(23)と加熱流路(18)(18)との間
には液溜部(24)(24)が形成してある。
原液入口(12)は、第1B図に示す様に、濃縮液及び分
離蒸気の出口(13)の直上にあり、伝熱プレート(10)
の縦方向中心線上に配置され、かつ、伝熱プレート(1
0)の下端付近に形成されている。尚、ドレン出口(1
4)(14)は、濃縮液及び分離蒸気の出口(13)の下部
でかつ、伝熱プレート(10)の下部両隅部に形成されて
いる。
原液予熱流路(19)は、第1A図、第1B図及び第3図に
示す様に、突部(19a)を原液プレート(10b)に等間隔
又は適当な間隔に形成して流路断面を広狭の繰り返し構
成としている。尚、原液は、突部(19a)の位置におい
ては、両側に迂回し乍ら通過し、このときに狭窄部を通
ることになり、突部(19a)を過ぎれば広い部分を通る
ことになり、このように、広狭部分を交互に通過するこ
とによって、乱流を生じ、予熱過程での伝熱性能が向上
する。
分散部(23)(23)は、第1A図及び第4図に示す様
に、原液予熱流路(19)の上端から両側の加熱流路(1
8)(18)へUターンする原液を、各加熱流路(18)(1
8)へ液膜厚さを平準化させて供給するために、液膜流
れに直角な狭窄部形成用突畝部(23a)を原液の流れ方
向に離隔して伝熱プレート(10)に複数個形成し、か
つ、各狭窄部形成用突畝部(23a)(23a)間及び分散部
出口領域の伝熱プレート(10)に原液を均一に分散させ
るための多数の分散用突部(23b)を規則正しく配置し
て構成している。
液溜部(24)は、第1A図及び第5図に示す様に、分散
部(23)(23)の最後部に原液の流下方向と直角に延び
る凹溝状の液溜部として伝熱プレート(10)に形成し、
この液溜部(24)によって、加熱流路(18)(18)へ分
散部(23)(23)を経て分散供給される原液の液膜厚さ
を加熱流路(18)(18)の全幅に亘って常に均一に確保
させるようにしている。
また、加熱流路(18)(18)では、第1A図、第1B図及
び第6図に示す様に、原液の流下方向に沿う縦溝(18
a)を、伝熱プレート(10)の加熱流路(18)(18)の
幅方向に等ピッチで多数波形に形成し、この縦溝(18
a)によって、流下する原液の流下方向を案内規則して
整流させ、流下中の原液の片寄り及び乾き面の発生を防
止し、均一に蒸発させて液膜厚さが徐々に薄くなるよう
にしている。さらに、上記縦溝(18a)の配列ピッチ
(P)及び溝隅部曲率(R)を所定値、例えば、P=4.
0〜9.0mm、R=3.0mm以下、好ましくは、P=6.5mm、R
=1.6mmとする。このようにすることによって、加熱蒸
気流路(17)では、凝縮ドレンを表面張力により各縦溝
(18a)の溝底へ集水し、山部を露出させて凝縮ドレン
の膜状付着による境膜伝熱性能の低下を防止し、原液の
加熱流路(18)(18)においても同様に、表面張力で原
液を各縦溝(18a)の溝底へ集液させて山部での液膜厚
さを薄くして、境膜伝熱性能を向上させている。
尚、第1A図及び第1B図において、(18b)は加熱流路
(18)(18)中に適当に配置した補強用突部であり、
(25)は外枠部(16a)を装着するガスケット溝、(2
6)は内枠部(16b)を装着するガスケット溝、(26)は
内枠部(16b)を装着するガスケット溝、(27)は加熱
蒸気入口(11)の部分に配置された分散用及び補強用突
部、(28)は濃縮液及び分離蒸気の出口(13)の部分に
配置された補強用突部、(29)は原液予熱流路(19)部
分の補強用突部、(30)は伝熱プレート(10)の全周縁
に沿って形成した補強用凹凸部である。
上記実施例においては、原液の加熱流路(18)(18)
における縦溝(18a)のピッチ(P)及び溝隅部曲率
(R)をそれぞれP=4.0〜9.0mm、R=3.0mm以下とし
ているが、ピッチ(P)は、4.0mm以下になると、縦溝
(18a)を所定の溝深さにプレス成形する際にプレート
が破断する確率が高くなり、また9.0mm以上になると、
原液側では乾き面の発生確率が高くなり、加熱蒸気側で
は山部の凝縮ドレンが溝底内へ引き込まれる確率が低下
するものである。また、溝隅部曲率(R)は、3.0mm以
下では縦溝(18a)の溝幅内に表面張力で凝縮ドレン等
を捕捉させ得るが、3.0mm以上になると、表面張力の有
効範囲を超えるため、捕捉確率が低下するものである。
上記縦溝(18a)のピッチ(P)と溝隅部曲率(R)
とは、原液及び加熱蒸気凝縮ドレンの表面張力との相対
的な関係において、最適な設計値を前述の範囲内で設定
すればよい。
次に、第10図は本発明に係る伝熱プレートで構成した
濃縮装置のフローシートであって、(31)は第1濃縮
機、(32)は第2濃縮機、(33)は第3濃縮機、(34)
は第1セパレータ、(35)は第2セパレータ、(36)は
第3セパレータ、(37)はプレート型凝縮機、(38)
(39)はプレート型予熱器、(40)は水タンク、(41)
はバランスタンク、(42)はスチームインゼクタ、(4
3)はドレンポット、(44)は水インゼクタ、(45)は
第1給液ポンプ、(46)は第2給液ポンプ、(47)は第
3給液ポンプ、(48)は抜出ポンプ、(49)は第1ドレ
ンポンプ、(50)は第2ドレンポンプ、(51)は第3ド
レンポンプ、(52)は第4ドレンポンプ、(53)は真空
ポンプを示している。
原液は、第10図左端の給液管(54)からバランスタン
ク(41)に供給され、ここから第1給液ポンプ(45)に
より予熱器(38)→給液管(55)→予熱器(39)→給液
管(56)を経て第1濃縮機(31)の各原液プレートに供
給され、伝熱面全体に均一に薄膜分布し、上部から下部
に流下する。第1濃縮機(31)の蒸気プレートにはスチ
ームインゼクタ(42)から加熱蒸気が供給され、凝縮ド
レンはドレンポット(43)から第1ドレンポンプ(49)
で抜き出され、第1予熱器(38)へ予熱媒体として供給
されている。第2予熱器(39)の予熱媒体は、スチーム
インゼクタ(42)の上流から分岐導出した加熱蒸気の一
部を利用している。
第1濃縮機(31)に供給された原液は、各原液プレー
トの伝熱面を薄膜状に流下する間に濃縮され、その濃縮
液と分離蒸気は、第1セパレータ(34)にて分離され
る。第1セパレータ(34)にて分離された蒸気は、第2
濃縮機(32)へ加熱媒体として供給され、一方、濃縮液
は第2給液ポンプ(46)により、第2濃縮機(32)の各
原液プレートに供給され、さらに濃縮される。第2濃縮
機(32)で濃縮された濃縮液と分離蒸気は、第2セパレ
ータ(35)にて分離される。そして第2セパレータ(3
5)にて分離された蒸気は、第3濃縮機(33)へ加熱媒
体として供給され、多重効用方式とされている。一方、
第2セパレータ(35)にて分離された濃縮液は、第3給
液ポンプ(47)により、第3濃縮機(33)の各原液プレ
ートに供給され、ここでさらに濃縮され、所定濃度の製
品として第3セパレータ(36)から抜出ポンプ(48)で
装置外に取り出される。この様に、原液は、各濃縮機
(31)(32)(33)にて循環することなく入って出て来
るまで、1パス流れで濃縮される。
第3セパレータ(36)にて分離された蒸気は、凝縮機
(37)にて凝縮され、そのドレンは、第4ドレンポンプ
(52)により第1予熱器(38)へ加熱媒体として供給さ
れる。
各濃縮器(31)(32)(33)で発生した加熱蒸気の凝
縮ドレンは、それぞれ、ドレンポンプ(49)(50)(5
1)で引き出され、第1予熱器(38)へ加熱媒体として
供給される。
尚、装置の洗浄は、バランスタンク(41)への原液の
供給を停止し、その代わりに、洗浄水或いは洗浄薬液を
バランスタンク(41)へ供給し、各給液ポンプ(45)
(46)(47)(48)を駆動して第1濃縮機(31)→第1
セパレータ(34)→第2濃縮機(32)→第2セパレータ
(35)→第3濃縮機(33)→第3セパレータ(35)→バ
ランスタンク(41)へと、原液と同じ状態で運転され、
洗浄水或いは薬液による循環洗浄が行われる。これをCI
P(Cleaning In Place)洗浄と称する。
上記実施例装置によれば、次のようなメリットがあ
る。装置入口から出口まで1パスで濃縮するため、原液
の熱接触時間が短い。このため、製品劣化がなく、高品
質の濃縮液が得られる。また、装置全体で低温濃縮が可
能となり、製品品質が向上する。そして、熱接触時間が
短いこと及び低温濃縮が可能なことにより、原液中に含
まれる揮発性の香り、匂い成分が多量に残留し、濃縮液
を希釈した場合、製品の付加価値を高め得る。
また、装置全体のホールド量が少ないため、次のメリ
ットがある。
(a).小容量の原液量でも濃縮が可能である。
(b).液種の切替が容易である。
(c).CIP洗浄時に洗剤量や、その排出量が少なくてす
む。
(d).液の歩止まりが向上する。
さらに、循環式でないため給液ポンプが小型となり、
結果、消費電力が少ない。また、多重効用方式、スチー
ムインゼクタ及び予熱器の採用により、蒸気消費量の省
エネ化が図れ、冷却水量も少なくてすむ。また、発泡性
液でも、プレート間の狭いすき間で発泡を抑え、飛沫同
伴等による液の損失もなく、安定的な運転が可能であ
る。また、CIP効果として、ロングプレート式の為、少
ない洗剤流量でもプレート内流速が大きく取れ、完全に
洗浄ができ、衛生的である。さらに、駆動部がなく、静
置型であり、装置全体がコンパクトであるため、イニシ
ャルコストが安い。
第11図は、本発明の濃縮機(A)と他の濃縮機(B)
〜(F)との総括伝熱係数の比較表であって、本発明の
濃縮機(A)は、他の濃縮機(B)〜(F)と比較し
て、高い性能が得られている。また、強制循環式(B)
は高い性能を示しているが、熱感受性の強い液に対する
1パス濃縮装置には利用できない。
以下、濃縮製品品質データ例を列挙して説明する。
まず、代表的濃縮果汁である、みかん、パイン、及び
大豆蛋白質濃縮液についてみると、表−1、2、3から
明らかな様に、原液と濃縮液成分を比較すると、殆ど変
化がなく、品質の低下は無いと言える。
さらに、表−4は、本発明の濃縮装置で実施した各種
の液体の濃縮実験結果であって、同表において(Bx)
は、糖度の単位である。
本発明装置は、上述したように、完全な1パス性能を
持ち、熱感受性の強い物質に最も適した濃縮装置と言え
る。しかし又、本装置は熱に敏感でない通常の物質の濃
縮に対しても、その省エネ性、メインテナンス性、コン
パクト性、低コスト性から、他のタイプの濃縮装置と比
較して十分に有効な装置と考えられる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−22990(JP,A) 特開 昭62−202994(JP,A) 特開 昭61−276691(JP,A) 特開 昭60−80082(JP,A) 実公 昭49−42658(JP,Y1) 実公 昭31−8682(JP,Y1) 特公 昭60−48202(JP,B2) 仏国特許出願公開2528164(FR,A 1)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原液プレートと蒸気プレートとを交互に積
    層して、加熱蒸気により原液を濃縮する薄膜流下型濃縮
    機において、 原液プレートが、 プレートの縦方向中心線上に形成され、流路段面が広狭
    の繰り返しとされ、原液が上昇する予熱流路と、 上記予熱流路の上端から左右両側へ向けて形成され、液
    膜流れに直交して延在し、かつ、原液の流れ方向に離隔
    して複数段形成された狭窄部形成用突畝部と各突畝部間
    及び出口領域に規則正しく配置された多数の分散用突部
    とを有し、原液を均一な薄膜状に分散させる両側の分散
    部と、 両側の分散部の直下に夫々形成され、原液の流下方向に
    直交して延在し、液膜の厚さを拡大させる凹溝状とさ
    れ、液膜厚さを伝熱面の全幅に亘って平準化させるため
    の両側の液溜部と、 両側の液溜部の下方に形成され、原液を薄膜状に流下さ
    せ、かつ、流下中の原液の流下方向を案内規制する多数
    の縦溝を伝熱面の全幅に亘って形成した原液の加熱流路 とを具備していることを特徴とする薄膜流下型濃縮機。
  2. 【請求項2】加熱流路は、縦溝の配列ピッチPがP=4.
    0〜9.0mm、溝隅部曲率RがR=0.3mm以下であることを
    特徴とする請求項1の薄膜流下型濃縮機。
  3. 【請求項3】プレートの縦横比が約9:1とされているこ
    とを特徴とする請求項1の薄膜流下型濃縮機。
  4. 【請求項4】各原液プレートへの原液の供給は、共通の
    供給経路から分配供給し、かつ、各原液プレートからの
    濃縮液の取り出しも共通の取り出し経路から取り出す構
    成であることを特徴とする請求項1の薄膜流下型濃縮
    機。
  5. 【請求項5】請求項1〜4の濃縮機がセパレータとペア
    で多段配置され、原液が前段から後段へ順次1パスで送
    液され、かつ、前段の分離蒸気が次段の濃縮機の加熱媒
    体として使用される多重効用方式とされ、しかも、初段
    の濃縮機への加熱媒体の供給にスチームインゼクタが使
    用され、さらに、初段の濃縮機へ供給される原液が、各
    段の濃縮機で生ずる加熱媒体の凝縮ドレン及び最終段セ
    パレータの分離蒸気の凝縮ドレンによって予熱される構
    成であることを特徴とする薄膜流下型濃縮機。
JP50112889A 1989-02-13 1989-02-13 薄膜流下型濃縮機 Expired - Fee Related JP2740803B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS4942658U (ja) * 1972-07-18 1974-04-15
JPS6048202A (ja) * 1983-08-29 1985-03-15 Toyoda Mach Works Ltd バイト送り装置
JPS6222990A (ja) * 1985-07-22 1987-01-31 Hisaka Works Ltd 流下膜式蒸発器の伝熱プレ−ト

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