JP2739070B2 - パケット交換システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はパケット交換システム、とくにパケット交換
システムにおける交換制御に関する。

（従来の技術） 多段スイッチング回路は比較的少ないハードウェア量
で大規模なスイッチ回路を構成することができるため、
交換網や並列コンピュータなどの研究分野で多くの研究
がなされてきた。とくに近年ではディジタル通信技術お
よびこれらを支えるデバイス技術の進展を背景とした通
信ネットワークのディジタル化による、交換・伝送・端
末を含めたサービス統合ディジタルネットワーク化が急
速に進んでいる。このため、高速・広帯域サービスへの
要求が高まりつつあり、高速・高スループットを実現す
るスイッチ方式として、たとえば特願昭62−281152に記
載されたものがある。

これには、高速・高スループットのスイッチングシス
テムを構成するにあたって、スイッチングシステムのバ
ッファ制御方式、すなわち「勝残り報告方式」が開示さ
れている。勝残り報告方式とは、同じ宛先のパケットが
同時にスイッチング制御を行なう「本選網」に入力され
ないよう所定の規則に従ってハードウェアの演算制御を
行なう方式である。すなわちこの方式では、スイッチン
グシステム内におけるパケットの流れを制御するため
に、バッファを交換網の入力側に設け、この入力バッフ
ァから同一宛先のパケットが同時に本選網に送出されな
いようにしている。

パケットの交換はパケットヘッダの宛先によって行な
われ、その宛先はランダムな値を示す。そのため同じ宛
先のパケットが同時に発生することがありえる。この場
合、これらのパケットを同時に同じ出力先に交換するこ
とができない。このため、この勝残り報告方式では「予
選網」を設け、パケットの交換処理を行なう前に宛先情
報が示されている予選パケットをこの予選網に送り、同
一宛先のパケットを少なくしてから、実際に交換を行な
う本選網に送るようにしたものである。

予選網は、同一の宛先のパケットが存在した場合に
は、唯一のパケットのみ有効とし、そのパケットを送出
した入力バッファに対しパケットの「勝残り報告」を行
なう。入力バッファは、パケットの優先順位に応じて予
選パケットを予選網に送り、予選網より勝残り報告が所
定の回数送られてきたときのみ、そのパケットを本選網
に送る。もし、同一の宛先のパケットが存在して勝残り
報告が受けられなければ、その入力バッファはパケット
送出時に空パケットを本選網に送る。

（発明が解決しようとする課題） しかしながらこのような従来技術では、同一宛先のパ
ケットが集団でパケット交換スイッチに入力する状況が
定常的に発生する場合には、同一の出力ポートへ向かう
パケットの衝突が連続して発生することがあり、そのた
めにパケット交換スイッチの交換効率が低下するという
問題があった。

本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、同一宛
先を持つパケットが定常時に集団で到着する状況が発生
する場合でも、交換効率の優れたパケット交換システム
を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本発明は上述の課題を解決するために、複数の入力ポ
ートに接続され、複数の入力ポートより受信したパケッ
トを各入力ポート毎に順に取り出して多重化するパケッ
ト多重手段と、複数の前記パケット多重手段に接続さ
れ、パケット多重手段により多重化されたパケットを入
力し、パケットの交換制御情報に示された出力ポートに
入力したパケットを交換制御するパケット交換手段とを
有する。

（作 用） 本発明によれば、複数の入力ポートよりパケット多重
手段のそれぞれの複数の入力端子に入力されたパケット
は、入力端子毎にパケットがそれぞれ順に取り出され、
空パケットが挿入されて多重化される。そして、多重化
された状態でパケット交換手段に送られ、パケット交換
手段にて交換制御情報に従ってスイッチングされる。

（実施例） 次に添付図面を参照して本発明によるパケット交換シ
ステムの実施例を詳細に説明する。

第１図を参照すると、本発明によるパケット交換シス
テムの実施例であるブロック構成図が示されている。パ
ケット多重装置41は、パケットを受信する複数の入力ポ
ート６に接続され、この入力ポート６より送られてきた
パケット（第２図）を多重化し、パケット交換スイッチ
401の入力端子（図示せず）に送るパケット多重化装置
である。すなわち多重装置41は、入力ポート６を接続す
る入力端子がもしｍ端子あれば，パケットを受信する速
度のたとえばｍ倍の速度でパケットを順にたとえば１パ
ケットづつ取り出して多重化する。この装置41は、信号
線を介し多重化したパケットをパケット交換スイッチ40
1に送る。なお、パケット多重装置41に空端子を設け、
これより空パケット（第２図）を挿入してもよい。

パケット交換スイッチ401は、たとえばソーティング
網およびルーティング網などを含むスイッチ網などによ
り構成された自己ルーティング多段スイッチである。交
換スイッチ401は、パケット多重装置41で多重化された
パケットを、そのパケットに示された自己ルーティング
スイッチの出線番号ｙ（第２図）に従ってスイッチング
する。交換スイッチ401は、出線番号に対応する複数の
出力端子（図示せず）を有し、それぞれの出力端子には
信号線を介しパケット分配装置42が接続されている。ス
イッチ401は、スイッチングしたパケット分配装置42に
送る。

パケット分配装置42は、受信したそれぞれのパケット
に示されたパケット分配装置の出線番号ｘ（第２図）に
従って、入力したパケットを出力ポート７に出力する分
配装置である。また分配装置42により、パケットの伝達
速度はパケットがパケット多重装置41に入力されたとき
の速度に変換される。

第２図には本実施例に適用されるパケットの例が示さ
れている。送信情報を有するパケットである注目するパ
ケット500は、パケット交換スイッチ401の交換制御情報
である自己ルーティングスイッチ401の出線番号ｙ、パ
ケット分配装置42の出線番号ｘを有する。また、上記以
外の送信情報を含まないパケットであるその他のパケッ
トまたは空パケットは、空パケット501として同図に示
すようにパケット分配装置の出線番号ｘ、自己ルーティ
ングスイッチの出線番号ｙが含まれていない。

第３図には本実施例における動作例が示されている。
同図を用いてパケット分配装置42の出線番号ａを示した
パケット集団Ａと出線番号ｂを示したパケット集団Ｂが
パケット多重装置41−１に入力され、パケット交換スイ
ッチ401でスイッチングされた後、パケット分配装置42
−１より出力されるまでの動作を説明する。なお、本動
作例では理解を容易にするため、多重装置41−１の入力
端子を端子Ｉ〜IVの４端子とし、また分配装置42−１の
出力端子も端子ａ〜ｄの４端子としたが、勿論多重装置
41および分配装置42の端子数はこれに限定されるもので
はない。

パケット集団Ａは、パケット交換スイッチ401の出線
番号が「１」、パケット分配装置42−１の出線番号が
「ａ」のスイッチング情報を有するパケットの集団であ
り、１〜４の４パケットにより構成されている。またパ
ケット集団Ｂは、パケット交換スイッチ401の出線番号
が「１」、パケット分配装置42−１の出線番号が「ｂ］
のスイッチング情報を有するパケットの集団であり、１
〜４の４パケットにより構成されている。パケット集団
Ａはパケット多重装置41−１の入力端子Ｉに、またパケ
ット集団Ｂはこの装置41−１の入力端子IIIに、それぞ
れの集団内の番号の若い順から入力される。また、端子
IIには空パケット501の集団が入力され、端子IVは本動
作例では空端子となっている。パケット集団Ａ、パケッ
ト集団Ｂおよび空パケット501が多重装置41−１に入力
されると、多重装置41−１は端子Ｉ→端子II→端子III
→端子IVの順にパケットを１パケットづつ４倍の速度で
多重化する。これにより、端子ＩおよびIIIより入力さ
れたパケット集団ＡおよびＢの各パケットは、その間に
同図に示すように端子IIからの空パケット501および空
端子IVからの空パケット501が介挿され、パケット交換
スイッチ401に送られる。

パケット交換スイッチ401は、多重装置41−１から送
られてきたパケットをその自己ルーティングスイッチの
出線番号に従って出線番号１にスイッチングし、パケッ
ト分配装置42−１に伝達する。パケット分配装置42−１
は、パケット集団Ａを受信すると、そのパケットに示さ
れている分配装置42の出線番号ａに従って端子ａよりパ
ケット集団Ａを宛先の出力ポートに送る。パケット分配
装置42−１はまた、パケット集団Ｂも集団Ａと同様に端
子ｂより宛先の出力ポートに送る。パケット分配装置42
−１により、それぞれのパケットの伝達速度はパケット
がパケット多重装置41−１に伝達された速度に戻され
る。

パケット交換スイッチ401の入線から流れ込むパケッ
トにおいて、同一出線への連続パケットが発生する場合
は、パケット多重装置の隣り合う入線から同一出線を宛
先に持つパケットが同時に入力される場合である。本実
施例では前述のように、パケット500をパケット多重装
置41で多重化し、空パケットなどの挿入を適宜行なう。
これにより、同一出線への連続パケットが同時に入力さ
れる確率が極めて低くなる。換言すれば、本実施例によ
りパケット交換スイッチの同一出線を宛先に持つ集団パ
ケットの分散化が行なわれる。したがって、同一宛先を
持つパケット集団で到着する場合でもパケット交換スイ
ッチ401内でのパケットの衝突によるパケット交換効率
の低下という問題点が発生せず、交換効率の優れたパケ
ット交換システムの構築が可能となる。

（発明の効果） このように本発明によれば、パケット交換手段の各入
線に入力されるパケットは、パケット多重手段により空
パケットが挿入されながら多重化されるため、パケット
交換手段の同一出線を宛先とする集団パケットの分散化
が行なわれる。したがって、同一宛先を持つパケットが
集団で到着する場合において、パケット交換手段内での
パケットの衝突によるパケット交換効率の低下という欠
点を改善することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるパケット交換システムの実施例を
示すシステム構成図、 第２図は、第１図の交換システムに適用されるパケット
の例を示した説明図、 第３図は、第１図の交換システムにおける動作の例を説
明する動作説明図である。 主要部分の符号の説明 ６……入力ポート ７……出力ポート 41……パケット多重装置 42……パケット分配装置 401……パケット交換スイッチ

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のパケットをそのヘッダに付された宛
   先に基づいてスイッチング動作により交換制御するパケ
   ット交換システムにおいて、該システムは、 複数の入線から入力したそれぞれのパケットを複数の出
   線のそれぞれに自己ルーテイングによりスイッチングし
   て出力するパケット交換スイッチと、 該パケット交換スイッチの入線にそれぞれ接続され、複
   数の入力ポートから受信したパケットをそれぞれの入力
   ポート毎に順にスイッチングして多重化する複数のパケ
   ット多重手段と、 前記パケット交換スイッチの出線にそれぞれ接続され、
   該出線から出力されたパケットを複数の出力ポートにス
   イッチングして分配するパケット分配手段とを含み、 前記パケット多重手段は、前記複数の入力ポートのうち
   のいずれかから空パケットを受けて、該空パケットを他
   のポートからの有意パケットの間に周期的に挿入し、 前記パケット分配手段は、パケット交換スイッチからの
   多重化されたパケットを空パケットと有意パケットに分
   離して所望の出力ポートに分配することを特徴とするパ
   ケット交換システム。
2. 【請求項２】請求項１に記載のパケット交換システムに
   おいて、前記パケット多重手段は、前記複数の入力ポー
   トのうちのいずれかが伝送路に接続されない空端子を有
   し、該空端子の位置にパケット多重化の際に空パケット
   を順次挿入することを特徴とするパケット交換システ
   ム。