JP2738478B2 - 放射性廃液中の放射性核種の分離方法および産業廃液中の有用または有害元素の分離方法 - Google Patents

放射性廃液中の放射性核種の分離方法および産業廃液中の有用または有害元素の分離方法

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JP2738478B2
JP2738478B2 JP4023733A JP2373392A JP2738478B2 JP 2738478 B2 JP2738478 B2 JP 2738478B2 JP 4023733 A JP4023733 A JP 4023733A JP 2373392 A JP2373392 A JP 2373392A JP 2738478 B2 JP2738478 B2 JP 2738478B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放射性核種を含む溶液中
から放射性核種を分離除去する方法に関する。ここで放
射性核種を含む溶液は、原子力発電所、使用済核燃料再
処理工場、放射性同位元素取扱施設、その他の原子力施
設から発生する放射性廃液である。本発明は、また、一
般産業廃液から有用元素または有害元素を分離除去する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の放射性核種を含む溶液中から放射
性核種を分離する方法としては、特開昭58−1765
98号記載のように、溶液中に数種類の金属イオンを添
加して沈殿を形成させることなどにより固液分離を行っ
て、溶存する放射性核種を分離除去する方法が採用され
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の方法で
は、固液分離の際に、炭酸イオン(炭素)のように他の
放射性核種の分離効率を低下させるイオンが共存し、他
の放射性核種の分離効率が低下する恐れがあった。ま
た、他の放射性核種を分離している間にヨウ素等の揮発
性放射性核種が工程内に飛散する恐れがあった。
【0004】本発明の目的は、廃液中から放射性核種を
高効率で分離すると共に、ヨウ素等の揮発性放射性核種
の分離工程での飛散を防止することにある。本発明の他
の目的は、一般産業廃液中から有用元素または有害元素
を高効率で分離することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的の達
成のため、特許請求の範囲の請求項1ないしの夫々に
記載した特徴を有する、放射性廃液中の放射性核種の分
離方法を提供し、また請求項又は5のいずれかに記載
の産業廃液中の有用または有害元素の分離方法を提供す
る。
【0006】
【作用】揮発性の高い放射性核種は放射性廃液中から揮
発操作により除去される。揮発操作としては、廃液のp
H調整、加温、撹拌、廃液へのガス導入、あるいは廃液
中の揮発対象核種の酸化、還元を行う。例えば、廃液p
Hを低下させると炭酸イオンやヨウ素は廃液中から揮発
除去される。炭酸イオンが揮発除去されたことにより、
その後の廃液中の他の放射性核種の分離効率は損われな
い。また、ヨウ素イオンは適当に酸化あるいは還元する
ことにより、揮発性のヨウ素分子に変換されて廃液中か
ら揮発する。このため、その後の他の放射性核種の分離
工程に放射性ヨウ素が飛散しない。
【0007】
【実施例】実施例1 本発明の第1の実施例として、使用済核燃料の再処理廃
液からpH調整により炭酸ガスとヨウ素を揮発させ、そ
の後、放射性核種を共沈法で除去する方法について図1
により説明する。
【0008】再処理廃液供給槽3から供給された137
s,90Sr,14C,129 I,237 Np,241 Am等の放
射性核種を含む再処理廃液1は、再処理廃液処理槽2の
中においてpH調整剤供給槽4から供給されたpH調整
剤により溶液pHを調整される。元々の再処理廃液のp
Hが高い場合はpH調整剤としては硝酸が適している。
再処理廃液のpHを5以下程度の低い値に調整すると、
廃液中に存在する14C及び129 I等の放射性核種は炭酸
ガス及びヨウ素分子等の揮発性形態で廃液中から揮発す
る。この際、廃液撹拌器8と撹拌器用動力源7とからな
る廃液撹拌機構は廃液のpH調整と揮発性核種の揮発を
促進する役目を果たす。上記の揮発操作で揮発した炭酸
ガスおよびヨウ素等の放射性ガスは揮発ガス処理装置6
において除去処理され、放射性核種の建屋内への飛散及
び環境への放出を防止する。たとえば、ヨウ素の除去に
は銀アルミナ等の銀系吸着材が有効である。再処理廃液
処理槽2及び揮発ガス処理装置6は放射性ガスの飛散を
防止するため密閉構造となっている。再処理廃液処理槽
2の密閉構造は大気中の炭酸ガスの溶解を防止するため
にも有効である。また、一旦再処理廃液から除去された
揮発性核種の廃液への再溶解を防止するため、上記の揮
発操作後、揮発ガス処理装置6は再処理廃液処理槽2に
対して弁6’によって区画される。
【0009】揮発性核種を除去した後、槽2内の再処理
廃液中には共沈剤供給槽5から放射性核種に対する共沈
剤が供給される。たとえば、Csに対してはリンモリブ
デン酸ナトリウムやフェロシアン酸ニッケル等の試薬、
Srに対してはリン酸カルシウムや硫酸バリウム等の試
薬、NpやAmに対しては水酸化第二鉄やシュウ酸塩等
の試薬がそれぞれ共沈剤として有効である。これらの試
薬は必ずしも同時に再処理廃液中に添加する必要はない
が、処理条件さえあまり違わなければ、共沈操作を簡略
化するため一度に添加することが望ましい。この際、一
部の共沈操作を妨害する炭酸イオン等のイオンは前記の
揮発操作で既に廃液中から除去されているので、沈殿へ
の放射性核種の共沈は高効率で行われる。前記の撹拌機
構は、この場合、沈殿の形成と放射性核種の沈殿への取
り込みを促進する役目を果たす。
【0010】生成した沈殿と放射性核種を除去された廃
液とは共にスラリー移送ポンプ9により廃液処理槽2か
ら沈殿分離機構10へ移送される。沈殿を廃液から分離
するためには、燒結金属フィルターや中空糸膜等のろ過
機構を沈殿分離機構10に用いるのが有効である。沈殿
分離機構10により廃液は沈殿から分離されて処理済廃
液受槽11に漸次移される。また、放射性核種を含む沈
殿は沈殿分離機構10中のフィルター上に蓄積して残
る。この沈殿は、沈殿洗浄液貯槽12から洗浄液移送ポ
ンプ13を用いて逆方向に洗浄液を送ることにより沈殿
分離機構10から沈殿受槽14に移送される。洗浄液と
しては一般的に水が用いられる。
【0011】上記の様にして、最終的に再処理廃液は、
放射性核種濃度が大幅に低減した処理済廃液と、廃液中
の大部分の放射性核種を取り込んだ沈殿とに分離され
る。処理済廃液の体積は当初の体積と比べてあまり変化
していないが、該処理済廃液中の放射性核種濃度は当初
の1%以下となる。また、沈殿中の放射性核種濃度は当
初の1000倍以上となるが、体積は廃液体積の1/1
0以下となる。
【0012】本実施例による効果を図2及び図3により
説明する。図2は溶液中に炭酸イオンが存在したときの
水酸化第二鉄共沈法による241 Amの除染係数を示した
図である。除染係数とは処理前の廃液中の核種濃度と処
理後の廃液中の核種濃度の比で表され、核種除去の性能
を表す指標となるパラメータであり、大きい方が廃液か
らの核種除去効率が高い。図2から、炭酸イオンの存在
により241 Amの除染係数が低下することがわかる。す
なわち、炭酸イオンはAmの放射性廃液からの分離除去
を妨害することが明らかである。本実施例ではpH調整
により予め廃液から炭酸イオンを除去するのであるが、
その効果を図3により説明する。図3は、廃液(溶液)
のpHを変化させたときの14Cと129 Iの夫々の除染係
数を示している。14Cと炭酸イオンは1対1に対応して
おり、14Cを炭酸イオンに置き換えても同じである。廃
液のpHを8以下、望ましくは6以下に低下させること
により、廃液中の炭酸イオンを高効率で除去でき、炭酸
イオンによるAm分離効率低下を防止できる。また、こ
のように廃液のpH調整を行うことにより容易に放射性
14Cや129 Iが廃液から気相中に移行するので、図1
における沈殿分離機構10での固液分離の前段階で上記
の揮発操作を行うことは、分離工程全体への14Cや129
Iの拡散を防止する効果もある。なお、炭酸イオンはA
m以外の遷移元素に対しても図2に示すのと同様に作用
するので、アルカリ金属やアルカリ土類金属を除くほと
んどの放射性核種に対して本実施例は効果的である。
【0013】以上、本実施例によれば長期管理の必要な
放射性廃液あるいは放射性廃棄物の体積を低減すること
ができる。また、放射性廃液中の核種濃度を高効率でか
つ大幅に低減できるので、多量の放射性廃液の管理期間
を大幅に短縮でき、短時間で無害化できる効果がある。
本実施例では揮発操作と共沈操作を同じ容器内で実施し
ているので、核種分離方法の簡略化及び分離プラントの
小型化を図ることができる。
【0014】上記実施例においては、揮発性ガスを揮発
させるために再処理廃液のpHを調整するようにした
が、pH調整と同時に加温やガス(例えば空気)導入を
実施すると、より効果的に揮発させることができる効果
がある。また、沈殿を沈殿分離機構10から除去するた
めに洗浄液で逆洗するようにしたが、機械的に除去する
ことにより、沈殿中の水分量を低減し、あるいは沈殿か
らの水分除去を省略できる。
【0015】実施例2 次に本発明の第2の実施例を原子力発電所において発生
する放射性廃液に適用した場合について図4により説明
する。
【0016】本実施例では揮発促進手段として溶液中に
ガスを導入している。また、固液分離手段としてイオン
交換クロマトグラフィを用いている。原子力発電所廃液
の供給槽17から供給された137 Cs,90Sr,14C,
129 I,60Co等の放射性核種を含む原子力発電所廃液
15は、発電所廃液処理槽16の中においてガス供給ボ
ンベ18からガス導入管19に供給されたガスにより撹
拌され、揮発性の溶存成分が揮発する。元々の発電所廃
液のpHが高い場合は、上記ガスとしてはNOX のよう
な酸性のガスが適している。元々の廃液のpHが高くな
い場合には上記ガスとして空気を用いてもよい。上記操
作により、廃液中に存在する14C及び129 I等の放射性
核種は炭酸ガス及びヨウ素分子等の揮発性形態で廃液中
から揮発する。この際、廃液中へのガス導入管19をガ
スが効率的に廃液中へ拡散するような形状にすることに
より揮発性核種の揮発は促進される。揮発操作で揮発し
たヨウ素分子や炭酸ガス等の放射性ガスは揮発ガス処理
装置20において除去され、放射性核種の建屋内への飛
散及び環境への放出を防止する。たとえば、ヨウ素の除
去には銀アルミナ等の銀系吸着材が有効である。発電所
廃液処理槽16及び揮発ガス処理装置20は、放射性ガ
スの飛散を防止するため、密閉構造となっている。発電
所廃液処理槽16の密閉構造は大気中の炭酸ガスの溶解
を防止するためにも有効である。また、一旦発電所廃液
から除去された揮発性核種の廃液への再溶解を防止する
ため、揮発操作後、揮発ガス処理装置20は発電所廃液
処理槽16に対して弁20’によって区画される。
【0017】揮発性核種を除去した後の槽16中の発電
所廃液は、イオン交換カラム21へ供給される。イオン
交換カラム21に用いるイオン交換体としては、たとえ
ば、Csに対してはリンモリブデン酸アンモニウム、フ
ェロシアン酸コバルトカリウム、フェロシアン化銅添着
ゼオライト等のイオン交換体、また、SrやCoに対し
てはチタン酸ナトリウム、リン酸チタン等のイオン交換
体がそれぞれ有効である。また、イオン交換樹脂等も有
効である。これらのイオン交換体は必ずしも同一カラム
に充填する必要はないが、処理条件さえあまり違わなけ
ればイオン交換クロマトグラフィ操作を簡略化するため
には同一カラムに充填することが望ましい。この際、一
部のイオン交換挙動を妨害する炭酸イオン等のイオンは
前記の揮発操作で既に廃液中から除去されているので、
放射性核種は高効率でイオン交換除去される。
【0018】イオン交換カラム21を通過した発電所廃
液は放射性核種をほとんど含まず、処理済廃液貯槽23
に一時貯蔵される。カラム21中のイオン交換体は放射
性核種の除去性能が低下するまで廃液を処理できる。放
射性核種の除去性能が低下した場合は、フランジ22に
よってカラムごと装置から取外し、イオン交換体を新し
いものと交換して再度装着する。イオン交換体の交換時
期はイオン交換カラム21からの溶出液中の放射性核種
濃度を測定して判断する。廃イオン交換体は比較的レベ
ルの高い放射性廃棄物として取り扱うか、あるいは、廃
イオン交換体の再生が可能であるならば廃イオン交換体
中に再生用の溶液を流して再生させて再使用する。流出
した再生溶液中には高濃度の放射性核種が含まれている
が、体積が元々の廃液に比べて大幅に減容されているの
で貯蔵、管理等の取扱は容易となる。
【0019】以上の様にして、最終的に発電所廃液は、
放射性核種濃度が大幅に低減した処理済廃液と、廃液中
の大部分の放射性核種を取り込んだイオン交換体あるい
はイオン交換体の再生廃液とに分離される。処理済廃液
の体積は当初の体積と比べてあまり変化していないが、
処理済廃液中の放射性核種濃度は当初の1%以下とな
る。また、イオン交換体中あるいはイオン交換体の再生
溶液中の核種濃度は当初の1000倍以上となるが、体
積は廃液体積の1/50以下となる。
【0020】以上、本実施例によれば発電所廃液中の放
射性核種を高効率で廃液中から分離除去できる。また、
長期管理の必要な放射性廃液あるいは放射性廃棄物の体
積を低減することができる。さらに、放射性廃液中の放
射性核種濃度を高効率でかつ大幅に低減できるので、多
量の放射性廃液の管理期間を大幅に短縮でき、短時間で
無害化できる効果がある。本実施例ではイオン交換をク
ロマトグラフィで実施しているので、装置を小型化する
こと及び2次廃棄物発生量を低減することができる。
【0021】上記実施例においては揮発性ガスを揮発さ
せるために発電所廃液中にガスを導入したが、ガス導入
とともにpH調整や加温を組み合わせることにより効果
的に揮発させることができる。
【0022】実施例3 本発明の第3の実施例として、一般的な産業廃液から酸
化還元により炭酸ガスや他の揮発性元素を揮発させ、そ
の後、有用元素あるいは有害元素をイオン交換法で回収
する方法について図5により説明する。
【0023】産業廃液供給槽26から供給されたRu,
Pd,Pt,Au等あるいはCr,Cd等の有用元素あ
るいは有害元素を含む産業廃液24は、産業廃液処理槽
25の中において、酸化還元剤供給槽27から供給され
た酸化還元剤(酸化剤としては例えばCe,還元剤とし
ては例えばRu,Pdなど)により、廃液中に共存する
陰イオンを揮発させる。例えば、硝酸イオンは亜硝酸イ
オンに還元すれば揮発しやすくなり、さらに一酸化窒素
に還元すればさらに揮発しやすくなる。炭酸イオンを揮
発性の炭酸ガスとして除去するには酸性の酸化還元剤の
添加が有効である。この際、廃液撹拌器8と撹拌器用動
力源7とからなる廃液撹拌機構は廃液中の溶存物質の酸
化還元反応と揮発性物質の揮発を促進する役目を果た
す。揮発操作で揮発したNOX 、炭酸ガス等の物質はガ
ス放出口29から大気中に放出される。一旦廃液から除
去された揮発性物質の廃液への再溶解を防止するため、
揮発操作後、ガス放出口29は弁29’で閉じた状態と
する。
【0024】揮発性物質を除去した後の槽25内の産業
廃液中にはイオン交換体供給槽28から有用物質あるい
は有害物質用のイオン交換体が供給される。たとえば、
イオン交換体としては実施例2に記載したようなものが
有効である。これらのイオン交換体は必ずしも同時に産
業廃液中に添加する必要はないが、処理条件さえあまり
違わなければ、イオン交換操作を簡略化するため一度に
添加することが望ましい。この際、一部のイオン交換操
作を妨害する炭酸イオン等のイオンは前記の揮発操作で
既に廃液中から除去されているので、有用物質あるいは
有害物質のイオン交換体へのイオン交換は高効率で行わ
れる。撹拌機構は、この場合、有用物質あるいは有害物
質のイオン交換を促進する役目を果たす。
【0025】有用物質あるいは有害物質を吸着したイオ
ン交換体と有用物質あるいは有害物質を除去された廃液
とは、共にスラリー移送ポンプ9により産業廃液処理槽
25からイオン交換体分離機構30へ移送される。イオ
ン交換体を廃液から分離するためには、燒結金属フィル
ターや中空糸膜等のろ過機構をイオン交換体分離機構3
0に用いるのが有効である。イオン交換体分離機構30
により廃液はイオン交換体から分離されて処理済廃液受
槽11に漸次移される。また、有用物質あるいは有害物
質を含むイオン交換体は、イオン交換体分離機構30中
のフィルター上に蓄積して残る。このイオン交換体は、
イオン交換体洗浄液貯槽31から洗浄液移送ポンプ13
を用いて逆方向に洗浄液を送ることにより、イオン交換
体分離機構30からイオン交換体受槽32に移送され
る。洗浄液としては一般的に水が用いられる。
【0026】上記のようにして、最終的に産業廃液は、
有用物質あるいは有害物質の濃度が大幅に低減した処理
済廃液と、廃液中の大部分の有用物質あるいは有害物質
を取り込んだイオン交換体とに分離される。処理済廃液
の体積は当初の体積と比べてあまり変化していないが、
該処理済廃液中の有用物質あるいは有害物質の濃度は当
初の1%以下となる。また、イオン交換体中の該物質の
濃度は当初の1000倍以上となるが、体積は廃液体積
の1/10以下となる。
【0027】以上、本実施例によれば、産業廃液中の有
害物質を高効率で廃液中から分離除去でき、産業廃液を
外部(海洋や河川等)に放出できるようになる。また、
保管管理の必要な産業廃液あるいは産業廃棄物の体積を
大幅に低減することができる。有用物質回収について
は、産業廃液中の有用物質を高効率で回収できる効果が
ある。
【0028】本発明の一般的な操作手順を、一般的な放
射性廃液を対象にした場合について、図6により説明す
る。放射性廃液に対してpH調整、加温、撹拌、酸化還
元の中から選ばれる少なくとも一つの方法を用いて廃液
中の揮発性成分を揮発させる。揮発した成分が放射性で
ある場合には吸着等により放射性成分を固定化する。次
に共沈、イオン交換、吸着、溶媒抽出の中から選ばれる
少なくとも一つの方法を用いて廃液中の核種を廃液から
除去する。
【0029】以上、本実施例によれば比較的簡単な操作
手順により廃液中の放射性核種を高効率で分離除去で
き、廃液の管理期間を大幅に短縮できる。また、長期管
理の必要な廃棄物量を大幅に低減できる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、放射性溶液中の放射性
核種を高効率で分離除去できる。また、このことにより
多量の放射性廃棄物の管理期間を大幅に短縮できあるい
は短時間で無害化でき、長期管理の必要な放射性廃棄物
の量を大幅に低減できる効果がある。また、産業廃液中
の有用物質を高効率で回収でき、有害物質を高効率で除
去できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を使用済核燃料再処理廃液に適用した場
合の一実施例を示す図
【図2】本発明の効果を説明するための図
【図3】本発明の効果を説明するための図
【図4】本発明を原子力発電所廃液に適用した場合の一
実施例を示す図
【図5】本発明を産業廃液に適用した場合の一実施例を
示す図
【図6】本発明による一般放射性廃液からの放射性核種
の分離方法の原理的説明図
【符号の説明】
1…再処理廃液 2…再処理廃液処理
槽 3…再処理廃液供給槽 4…pH調整済供給
槽 5…共沈済供給槽 6…揮発ガス処理装
置 7…撹拌器用動力源 8…廃液撹拌器 9…スラリー移送ポンプ 10…沈殿分離機構 11…処理済廃液受槽 12…沈殿洗浄液貯
槽 13…洗浄液移送ポンプ 14…沈殿受槽 15…原子力発電所廃液 16…原子力発電所
廃液処理槽 17…原子力発電所廃液の供給槽 18…ガス供給ボン
ベ 19…ガス導入管 20…揮発ガス処理
装置 21…イオン交換カラム 22…フランジ 23…処理済廃液貯槽 24…産業廃液 25…産業廃液処理槽 26…産業廃液供給
槽 27…酸化還元剤供給槽 28…イオン交換体
供給槽 29…ガス放出口 30…イオン交換体
分離機構 31…イオン交換体洗浄液貯槽 32…イオン交換体
受槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 9/00 502 C02F 9/00 502A 502D 502E 502H 502J 502P 502R 504 504B 504E G21F 9/06 G21F 9/06 G 581 581J (72)発明者 馬場 務 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 笹平 朗 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 中村友隆 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−191800(JP,A) 特開 昭64−53199(JP,A) 特公 昭61−52753(JP,B2)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用済核燃料の再処理工場もしくは原子
    力発電所において発生する不揮発性核種及び同じく炭酸
    ガスやヨウ素分子等の揮発性形態を取り得る 14 C, 129
    I等の揮発性核種を含む放射性廃液から、前記揮発性
    放射性核種を揮発させて除去する揮発操作を行った後
    に、前記放射性廃液中の前記不揮発性の放射性核種を共
    沈、イオン交換、吸着または溶媒抽出により分離するこ
    とを特徴とする放射性廃液中の放射性核種の分離方法。
  2. 【請求項2】 前記揮発操作が、前記放射性廃液のpH
    調整、前記放射性廃液へのガス導入、前記放射性廃液中
    の揮発対象核種の酸化還元の一つ以上を行うことからな
    る請求項1記載の放射性廃液中の放射性核種の分離方
    法。
  3. 【請求項3】 前記揮発操作が、更に、加温もしくは撹
    拌またはその両方を含む請求項2記載の放射性廃液中の
    放射性核種の分離方法。
  4. 【請求項4】 不揮発性有用元素もしくは有害元素を含
    む産業廃液から、該廃液中に共存する硝酸イオン、亜硝
    酸イオン、炭酸イオン等の陰イオンを酸化還元剤により
    還元することで、揮発させて除去する揮発操作を行った
    後に、前記産業廃液中の前記有用もしくは有害元素をイ
    オン交換もしくは吸着により分離することを特徴とする
    産業廃液中の有用もしくは有害元素の分離方法。
  5. 【請求項5】 前記揮発操作が、前記産業廃液のpH調
    整、前記産業廃液へのガス導入、前記産業廃液中の揮発
    対象成分の酸化還元の一つ以上を行うことからなる請求
    項4記載の産業廃液中の有用もしくは有害元素の分離方
    法。
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