JP2736602B2 - 刺しゅう部へのかがり穴の形成方法 - Google Patents

刺しゅう部へのかがり穴の形成方法

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JP2736602B2 JP6012192A JP1219294A JP2736602B2 JP 2736602 B2 JP2736602 B2 JP 2736602B2 JP 6012192 A JP6012192 A JP 6012192A JP 1219294 A JP1219294 A JP 1219294A JP 2736602 B2 JP2736602 B2 JP 2736602B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は布地、紙、革、可撓性プ
ラスチック等縫製可能なシート状の素材における刺しゅ
う部へのかがり穴の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に衣服に開設されるボタン掛
け用のボタンホールの成形加工は、薄手生地の場合には
ホール部の輪郭に沿って眠り穴或いは鳩目穴状にかがり
縫いを施した後に、ホール部(かがり穴)に切開される
穴のかがり部両側間に、該穴の長さ相当巾に形成された
カッタ刃(メス)を一動作で突入させて生地を切断する
製作工程の後メス加工で行われている。一方厚手生地の
場合には、ボタンホール部を予め前記カッタで穴を切開
した状態において、その穴をがかり縫いする先メス加工
で成形し製作するようにしている。
【0003】そして上記ホール部の加工は、がかり縫い
と穴あけ作業が各専用機により別工程で行われる他、が
かり縫い用の縫針と穴開けカッタ(メス)とを併有した
ボタンホール成形用の専用ミシンにより行われている。
また上記ボタンホールに様々な模様の刺しゅう部を極め
て近接させたり、該刺しゅう部分内にボタンホールを形
成することは、機械的に連続量産加工することが穴の切
開の際に刺しゅう糸を切る惧があることから実施化が困
難であり知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そのため上記従来のボ
タンホールと刺しゅう部とは機械縫いが行われる場合、
両者は大きく離間した位置に配置したデザインにされる
と共に、それぞれの専用機で別工程で加工されるので、
刺しゅう部内にボタンホールを成形加工して量産するこ
とは困難とされている。またボタンホールを刺しゅう部
デザインの一部として、実用機能を図りながら同時に装
飾性を向上させることは加工精度の面で難しく、刺しゅ
う部とボタンホールを近接させたり刺しゅう部内にボタ
ンホールを付設する量産加工が任意にできない問題があ
った。本発明は、上記従来の問題点を解消し刺しゅう部
にボタンホール等のかがり穴を形成して、実用性及び装
飾性の向上を図ると共に刺しゅう部の保護を行うことが
できる、刺しゅう部へのかがり穴の形成方法を提供しよ
うとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明による刺しゅう部へのかがり穴の形成方法は、
第1にシート状の素材Wに周囲に密度の高いジクザクな
かがり縫いを施してかがり部Kを形成する穴1hの開設
と、該穴1hの周囲近接させて刺しゅう部3を施す
しゅう縫いとをミシン5を用いて行う方法において、上
記刺しゅう縫いを前記かがり縫いの前に行うとともに刺
しゅう部3の端部が上記かがり部Kの輪郭R内に入り込
むまで刺しゅう縫いを行い、該刺しゅう縫い後に刺しゅ
う部3の端部にかがり部Kが重合するように穴1hと刺
しゅう部3の間をかがり縫いしてかがり部Kを形成する
ことにより刺しゅう部3の端部を縫製して固めることを
特徴としている。 第2に刺しゅう部3の加工と同工程に
おいてかがり縫い及び穴1hの開設を行い、刺しゅうと
かがり穴1hの成形加工を連続的に行うことを特徴とし
ている。 第3にミシン5としてヘッド6に縫製用の針7
を着脱可能に挿入する複数の針棒16,16,16を備
えたミシンを使用し、上記複数の針棒16,16,16
の内の一つに素材(W)の穴切断用のカッタ17を装着
し、他の針棒16,16に針7,7を装着し、穴1hの
切断形成をカッタ17で行い、刺しゅう縫いとかがり縫
いとを他の針棒16,16に装着された針7,7で行う
ことを特徴としている。 第4に穴1hの対辺或いは対角
をかがり糸31で連結するように補助張り33を適数施
し、該補助張り33と穴1hの輪郭R との連結点33
a,33b・・・を切断しないで残しておき穴1hの輪
郭R の切断とかがり縫いによるかがり部Kの形成を行
うことを特徴としている。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明による各種のかがり穴(ホール部)1を施
した衣服2を示し、1a,1b,1eはそれぞれ文字
A,B,Cをデザイン化して刺しゅうを施した刺しゅう
部3内に眠り穴ボタン形状のホール部1を設けたボタン
ホールである。1dは後述する図7に示す手順により文
字Rを靴状のデザインとした刺しゅう部3中にボタン用
のホール部1をかがり加工した実施例であり、1eは図
8に示す手順により刺しゅう部3へハート型かがり穴の
ホール部1を形成するとともに、該ホール部1から衣服
2の裏地4を露出させて一連の装飾性を創出した実施例
を示す。
【0007】1fは衣服2に半月状に切開した穴をかが
り加工をして上記と同様に裏地4を表出させる応用例を
示している。1gは鳩目穴ボタンホールを示す。また、
上記ボタンホール1a,1b,1c,1dはかがり部K
の糸の色を例えば赤,青,黄・・とそれぞれ変えること
により、同一の衣服2中において各ボタンホールの順位
を判別可能にすると共にボタンホールをして装飾化して
いる。さらにこの色替えかがり加工は後述する本発明の
ホール部を形成可能な刺しゅう用ミシンにより、穴開け
とかがり縫いを同工程で行うことにより極めて容易に実
施可能とされるものである。
【0008】図2〜図4において既述のような刺しゅう
部分へのかがり穴の形成を可能とする装置例として、多
針型の刺しゅうミシン(縫製ミシン)5を用いる場合の
実施例について説明する。上記縫製ミシン5は周知の構
成よりなり、機体に設置されるヘッド6に上下往復動可
能に設けられた複数(通常6〜12本)の針7を備える
と共に、該針7に各対応する天秤8、第1テンション
9,第2テンション9aをそれぞれ設けこれらに各糸1
0を一連に通し張設している。
【0009】また既述ホール部1及び刺しゅう部3等が
縫製加工される布地、紙、革、可撓性プラスチック等シ
ート状の素材Wを敷設されて受ける針板11は、受台1
2に取付ネジ12aによって着脱可能に取付けられ、針
7の通穴11aが形成されている。13は上糸10に下
糸10aを通して係合させる釜であり、前記針板11の
下方で通穴11aに対向し回転可能に軸支されている。
15は針板11上に載置される素材Wの浮上がりを防止
するガイドである。
【0010】上述の縫製ミシン5において、針7は上下
に往復動を行う複数の針棒16の取付孔16a内に着脱
可能に挿入されて取付ネジ16bで固定されている。そ
して図例における複数の針棒16,16・・の内、左端
部側の針棒16の一つに(必要によりそれ以上でもよ
い)その針7を取り外した後、図4に示すカッタ17の
一つを素材Wの性状或いは加工具合により適宜選択して
取付けるようにしている。これによりカッタ17が装着
された縫製ミシン5は針7,7・・に各種所望色彩の上
糸10を張架した状態で、あらかじめコンピュータ(不
図示)にプログロム設定された所定のホール形状や刺し
ゅうパターン通りに、ホール部1を切断形成すると共に
ホール部1のかがり縫いを1つの針7で行なう。
【0011】そして他の針7で刺しゅう縫いを行い、そ
の後ホール部1の穴1hをカッタ17で切開する等任意
に縫製加工をすることができる。また縫製ミシン5には
天秤8と第2テンション9a間に糸切れ検出装置20が
設置されており、糸張り方向(図2矢印)に回動付勢す
るように軸支された回転調子皿21にフック状の張りア
ーム22を設け、該回転調子皿21に巻きつけた上糸1
0を張りアーム22に引掛けて張るようにしている。
【0012】そして縫製作業中において上糸10が切れ
たとき、前記張りアーム22はその糸張り力が解かれて
上方に回動することにより、運転停止用の接点23に接
当して縫製ミシン5の運転を停止する安全装置としてい
る。また実施例ではこの糸切れ検出装置20の内、カッ
タ17を取付けた針棒16に対応する回転調子皿21に
は糸を巻きつけることなく、検出解除用の係止具として
別途用意した係止糸24を張りアーム22に引掛けて、
該張りアーム22を下方に引きながら糸ガイド6aに結
び固定することにより前記張りアーム22と接点23と
を離間させて、縫製ミシン5の既設の構成を具合よく活
用して再復帰可能に簡単な操作で的確な運転状態に維持
するようにしている。
【0013】次に図4においてカッタ17の各種実施例
について説明する。同図(A),(B),(C),
(G)はカッタ軸17aの下端に形成した刃先17bを
ナイフ状に形成したものを示し、同図(C)及び(G)
はその切断時に刃先17bに形成した複数の先鋭部17
cで、素材Wを点状に押接係止した状態から切断するこ
とができるようにしたので、特に薄い布とか繊維の粗い
織り方からなる布等の切断を刃先17b巾内に接当する
縦横に織りなされた繊維を刃先17bから逃すことなく
的確に遂行することができる特徴がある。また同図
(D)のカッタ17は縦横十字状の刃先17bを形成し
て、縦方向及び横方向の繊維を的確に切断するようにし
ている。
【0014】同図(E),(F)はカッタ軸17aの下
端面に凹状部17dを設け、その全周を刃先17bとし
た打抜きポンチ状のカッタ17を示す。これらのカッタ
17の場合には図(F)に示すように打抜き用の雌型1
1bを用いて切断する。即ちその一例として図3(B)
に示す針板11には、通穴11a部分に打抜き用の雌型
11bを装着して、両者間に供給される素材Wに丸孔を
重ねた状態に連続的に打ち抜き適確に切断することがで
きる。
【0015】上述した各カッタ17の刃先17bの径は
針7の軸径が通常1.62ミリ程度であるだめこれと同
径にしているが、これより大径にしてもよくこの場合に
はミシン縫いされる際、針7の通穴11aに対し支障の
生じない大きさにすることが望まれる。また上記通穴1
1aの下方には、素材Wの切断時の塵屑や打ち抜き時に
生ずる切り屑を除去するエア吐出装置(ノズル)18或
いは吸収装置(吸入管)19等を設置して、切り屑の発
生による釜13等への支障を防止すると共に連続的な切
断を良好に行うようにしている。
【0016】以上のように構成した縫製ミシン5でボタ
ン用のホール部1を成形加工する態様について説明す
る。先ず、図5においてホール部1を後メス加工で成形
する縫製手順の一実施例について述べる。この場合には
先ず同図(A)に示すように、ボタン(不図示)が挿入
係止される穴1hの穿設予定部分の周囲の輪郭R1と、
かがり縫いが施されるかがり部Kの輪郭Rとの間で補強
糸30を備えた針7で補強縫いを行なう。そして同図
(B)に示すようにかがり糸31を備えた針7によっ
て、輪郭R,R1に沿って補強糸30を横断しながらジ
グザグにかがり縫いを行ってかがり部Kを形成する。
【0017】次に同図(C)に示すようにカッタ17を
上記かがり部K内の間隙部に連続的に繰り返し昇降さ
せ、素材Wを切断し或いは打ち抜いて直線上の穴1hを
穿設する。このときカッタ17の打ち込みピッチはカッ
タ17の刃巾よりやや小さくなるように素材Wを移動さ
せることで行う。尚、素材Wは周知の刺しゅうミシンに
用いられている素材Wの取付枠(不図示)を縦横に移動
することで行われている。また図中において太実線は現
工程線分を表し細実線は既工程線分を表す。また黒点P
部分は針7の打ち込み点を模式的に示している。
【0018】次に図6においてホール部1を先メス加工
で形成する縫製手順の実施例について述べる。同図
(A)で前述図5(A)と同様に補強縫いが行われた素
材Wは、同図(B)においてかがり縫いを行う前工程に
おいて、カッタ17により穴1hが穿設形成される。そ
して同図(C)に示すように開設された穴1hの内周と
輪郭R間をジグザグにかがり縫いを行ってかがり部Kを
構成し、完成されたホール部1が形成される。
【0019】また長さの長い穴1hを有するホール部1
を形成する場合には、長い穴の全長を先に穿設してしま
うと、該穴は拡開したり歪むことにより適正な位置にか
がり縫いができず仕上がり精度を悪くする問題がある。
そこでこの様な場合には同図(D)〜(G)に示す縫製
方法により前記同図(B),(C)工程を所定区画に繰
り返しながら縫製加工を行うことにより、精度の良いホ
ール部1の加工を能率良く正確に遂行できる特徴があ
る。即ち、同図(D)において前段区画のホール部1を
形成した後、次位区画の穴1hの穿設をカッタ17の上
下往復動で行った後に、該穴1hを再び同図(C)と同
様にかがり縫いを行ってかがり部Kを形成し、さらに次
の穴1hの穿設及びかがり縫いを同図(F)〜(G)の
ように繰り返して行い、長大なホール部1の穴あけ及び
かがり縫いを精度良く良好に行うことができる。
【0020】上述したホール部1は複数の針7を有する
刺しゅう機の如き縫製ミシン5において、その針棒16
部分に装着される針7の軸部と、取付部を共通に形成し
たカッタ17を着脱可能に装着することによって、同一
の縫製機5において素材Wの穴あけとかがり縫いを一挙
に行うことができて、素材Wを工程毎に改めて針板11
上に敷設セットし直すことなく、初回の敷設セット状態
のまま連続して一連のホール部1の成形加工を可能にす
ることができる。尚、本実施例によれば縫製ミシン5の
プログラムを変更するだけで素材Wの先メス及び後メス
加工並びに穴1hの形状や大きさを任意に簡単な操作で
設定できる。
【0021】上記ホール部1の加工は素材Wに対して刺
しゅう部3を施す前に任意に行うことができるが、刺し
ゅう部3を有する場合にはホール部1と刺しゅう部3を
極めて近接させたり、刺しゅう部3内にホール部1を形
成して、ホール部1を刺しゅう部3のデザイン模様の一
部或いは全体として表現させて、ボタンホール等の実用
的機能を併有する他、新規な装飾的作用効果を創出可能
にすることができるものである。
【0022】以下にこの実施例として示す図7,8につ
いて説明する。図7は文字Rを形どった靴形状の輪郭線
内に刺しゅう部3を施すと共に、その内部にボタン用の
ホール部1を形成する加工手順の一例を示す。これによ
れば縫製ミシン5の受台12に敷設セットされ針板11
上に供給される素材Wは、同図(A)において外側刺し
ゅう部3aの刺しゅうが行われた後、同図(B)に示す
ように穴1hに近隣する刺しゅう部3の一端を、かがり
部の輪郭R内に入り込む位置まで刺しゅうを行う。そし
て同図(C)において、補強糸30により既述と同様な
補強縫いを穴1h周りに行った後、同図(D)に示すよ
うにかがり縫いに先立って、カッタ17の上下往復動に
より直線上の眠り穴ボタンホールとなる穴1hを所定の
長さまで切断する。このとき穴1hは刺しゅう部3に対
し位置ずれを生ずることなく正確に穴あけを遂行され
る。
【0023】この後同図(E)に示すように、穴1hの
内周と刺しゅうされた輪郭Rとの間をジグザグにかがり
縫いを行ってかがり部Kを形成する。従って、かがり部
Kは一連の刺しゅう作業工程中において前記輪郭R内に
刺しゅうを行った後、かがり部Kにラップ(重合)させ
た刺しゅう部3上から、かがり糸31用の針7を打ち込
んで密度の高いジグザグなかがり縫いを行って、この部
を固めるようにされるので、穴1hの近くで刺しゅう部
3の端が強固に縫製されることとなる。それ故、繰り返
して行われるボタンの係脱によってかがり部並びに刺し
ゅう部3がほつれたり糸切れを生ずることなく、長期間
にわたり品質を維持して良好に使用することができる。
【0024】尚、この場合にも穴1hは素材或いは加工
手順の状況や都合により、先メス及び後メス加工を適宜
選択して行うことができる。また図例ではボタンホール
を眠り穴としたが鳩目穴にしてもよい。また上記した輪
郭Rと刺しゅう部3とのラップ部分は刺しゅうの模様に
よって、ホール部1のかがり部Kにその一部のみをラッ
プさせて縫製することも任意に行われるものである。さ
らに同図(F)はホール部1の上下端部の外周円に刺し
ゅう部3bを施した状態を示し、これにより所期のホー
ル部1付きの刺しゅう模様の全体デザインを完成してい
る。
【0025】次に図8において、ホール部1を大きく開
設した任意形状のデザインとする一例として、ハート型
に縫製する例について説明する。同図(A)は上記ホー
ル部1を刺しゅう部3内に施した衣服2を示し、該ホー
ル部1は同図(B)〜(G)に示す工程で形成される。
同図(B)はハート形のホール部1の輪郭R,R1間を
補強糸30でかがり縫いを行う状態を示す。そして同図
(C)において穴1hの対辺或いは対角をかかり糸31
で連結するように補助張り33を適数施すことにより、
後工程で穴1hが切開される際にその形くずれを生じさ
せないようにしている。
【0026】次に同図(D)に示すように、カッタ17
により穴1hを輪郭R1に沿って切断する。このとき補
助張り33と輪郭R1との連結点33a,33a・・は
切断しないで残しておき、ホール部1の全周のかがり縫
いを完了した後にハサミ又はナイフ等の刃物で手切りを
行うようにする。そして同図(E)において、輪郭Rと
切開された輪郭R1間をかがり縫いした後、同図(F)
で前記補助張り33の各連結点33aを手切り又はカッ
タ17で切断して切り離すことにより、ホール部1は径
大で任意形状の同図(G)に示すように完成される。
【0027】上記ホール部1の成形においては、同図
(D)に示す工程でカッタ17による穴1hの切断を行
う先メス加工の事例について説明したが、後メス加工で
行う場合には同図(F)のかがり縫い後に穴1hの全周
を一挙に切断するようにしてもよい。尚、上記ホール部
1が形成された表地の素材Wに裏地4を重ねて、該ホー
ル部1から裏地4を露出させることにより本願のホール
部に合わせて装飾を格段に効果的なものとすることがで
きる。このとき穴1hあけを完了した同図(E)におい
て表地を裏地に重ねて共にかがり縫いを行うことにより
簡単に完成することができる。また裏地4部分にボタン
ホール等のホール部1を既述と同様に形成してもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明は上記の手段により以下の技術的
効果を奏することができる。ボタン穴等に近接した刺し
ゅう部或いは刺しゅう部内に形成された穴のかがり縫い
時に、該刺しゅう部の端部が共に縫製されて固められる
ので、刺しゅう部を保護した状態で刺しゅう部にかがり
穴を形成することを可能とすると共に、該かがり穴を刺
しゅう部の装飾模様として新規な刺しゅうデザインを構
成することができる。また、上記かがり穴は衣服及びバ
ッグ類等のボタン或いは紐等の係合用の穴とすることに
より、実用性と装飾性を兼ねた優れたデザインにするこ
とができる特徴がある。また、かがり穴には裏地を設け
てその穴から裏地を露出させることにより刺しゅう部、
及びかがり穴、並びに裏地を一体的に組み合わせたデザ
インに形成することができて、新規な装飾を任意に創出
できる利点がある。
【0029】尚、上記刺しゅう部及びかがり穴の縫製加
工において複数の縫い針を有した刺しゅう機等の縫製ミ
シンを用いる場合には、その針の一部を前記かがり穴切
断用のカッタに付け替えることにより、刺しゅう部の加
工と同工程において布等の素材を縫製ミシンに組み替え
て行うことなく、かがり穴の成形加工を連続的に能率よ
く行うことができる利点がある。そして、かがり穴のか
がり糸を各種所望な色に変えて行うかがり縫いを簡単且
つ能率的に遂行できると共に、刺しゅう部とかがり縫い
とに位置ずれを生ずることなく精度のよい量産加工が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製作される衣服の実施例を示す正
面図。
【図2】縫製ミシンの要部を示す正面図。
【図3】(A)は図2の一部を破断して示す側面図。
(B)は同図(A)のカッタの取付け状態及び作用を示
す拡大断面図。
【図4】(A)〜(G)はカッタの各実施例を示す正面
及び側面図。
【図5】かがり穴の成形方法の実施例を示し、(A)は
補強縫いを示す平面図。(B)はかがり縫いを示す平面
図。(C)は穴あけ工程を示す平面図。
【図6】かがり穴の成形方法の別の実施例を示し、
(A)は補強縫いを示す平面図。(B)は穴あけ工程を
示す平面図。(C)はかがり縫いを示す平面図。(D)
は穴あけ工程を示す平面図。(E)はかがり縫いを示す
平面図。(F)は穴あけ工程を示す平面図。(G)はか
がり縫いを示す平面図。
【図7】刺しゅう部におけるかがり穴の成形方法の実施
例を示し、(A)は外側刺しゅう部の縫製状態を示す平
面図。(B)は刺しゅう部を示す平面図。(C)は補強
縫いを示す平面図。(D)は穴あけ工程を示す平面図。
(E)はかがり縫いを示す平面図。(F)は上記の完成
状態を示す平面図。
【図8】かがり穴の成形方法の別の実施例を示し、
(A)はかがり穴が形成された衣服を示す平面図。
(B)はかがり穴の補強縫い工程を示す平面図。(C)
は補助張り縫いを示す平面図。(D)は穴あけ工程を示
す平面図。(E)はかがり縫いを示す平面図。(F)は
穴あけ切断工程を示す平面図。(G)は上記かがり穴の
完成状態を示す平面図。
【符号の説明】
1 ホール部(かがり穴) 1h 穴 3 刺しゅう部 4 裏地 7 針(縫針) 10 上糸 17 カッタ K かがり部 W 素材

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の素材(W)に周囲に密度の高
    いジクザクなかがり縫いを施してかがり部(K)を形成
    する穴(1h)の開設と、該穴(1h)の周囲近接さ
    せて刺しゅう部(3)を施す刺しゅう縫いとをミシン
    (5)を用いて行う方法において、上記刺しゅう縫いを
    前記かがり縫いの前に行うとともに刺しゅう部(3)の
    端部が上記かがり部(K)の輪郭(R)内に入り込むま
    で刺しゅう縫いを行い、該刺しゅう縫い後に刺しゅう部
    (3)の端部にかがり部(K)が重合するように穴(1
    h)と刺しゅう部(3)の間をかがり縫いしてかがり部
    (K)を形成することにより刺しゅう部(3)の端部を
    縫製して固める刺しゅう部へのかがり穴の形成方法。
  2. 【請求項2】 刺しゅう部(3)の加工と同工程におい
    てかがり縫い及び穴(1h)の開設を行い、刺しゅうと
    かがり穴(1h)の成形加工を連続的に行う請求項1の
    刺しゅう部へのかがり穴の形成方法
  3. 【請求項3】 ミシン(5)としてヘッド(6)に縫製
    用の針(7)を着脱可能に挿入する複数の針棒(1
    6),(16),(16)を備えたミシンを使用し、上
    記複数の針棒(16),(16),(16)の内の一つ
    に素材(W)の穴切断用のカッタ(17)を装着し、他
    の針棒(16),(16)に針(7),(7)を装着
    し、穴(1h)の切断形成をカッタ(17)で行い、刺
    しゅう縫いとかがり縫いとを他の針棒(16),(1
    6)に装着された針(7),(7)で行う請求項2の
    しゅう部へのかがり穴の形成方法
  4. 【請求項4】 穴(1h)の対辺或いは対角をかがり糸
    (31)で連結するように補助張り(33)を適数施
    し、該補助張り(33)と穴(1h)の輪郭(R )と
    の連結点(33a,33b・・・)を切断しないで残し
    ておき穴(1h)の輪郭(R )の切断とかがり縫いに
    よるかがり部(K)の形成を行う請求項1又は2又は3
    の刺しゅう部へのかがり穴への形成方法。
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