JP2735191B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
磁気共鳴イメージング装置Info
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- JP2735191B2 JP2735191B2 JP62182735A JP18273587A JP2735191B2 JP 2735191 B2 JP2735191 B2 JP 2735191B2 JP 62182735 A JP62182735 A JP 62182735A JP 18273587 A JP18273587 A JP 18273587A JP 2735191 B2 JP2735191 B2 JP 2735191B2
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Description
【発明の詳細な説明】
[発明の目的]
(産業上の利用分野)
本発明は、磁気共鳴(MR:magnetic resonance)現象
を利用して被検体(生体)の解剖学的情報を得る磁気共
鳴イメージング装置に関し、特に、パルスシーンスを改
良して良質の解剖学的情報を得ることができるようにし
た磁気共鳴イメージング装置に関する。 (従来の技術) 磁気共鳴現象は、静磁場中に置かれた零でないスピン
及び磁気モーメントを持つ原子核が特定の周波数の電磁
波のみを共鳴的に吸収する現象であり、γを原子核の種
類に固有の磁気回転比、また、H0を静磁場強度とする
と、この原子核は下記式に示す角周波数ω0で共鳴す
る。 ω0=γH0 以上の原理を利用して生体診断を行う方法は、上述の
共鳴吸収の後に誘起させる上記と同じ周波数の電磁波を
信号処理して例えば被検体の断層像等を得るようにして
いる。 この場合、磁気共鳴による診断情報の収集は、静磁場
中に配置した被検体の全部位を励起し且つ信号収集する
ことができるものであるが、装置構成上の制約やイメー
ジング像の臨床上の要請から、実際は特定のスライス部
位に対する励起とその信号収集を行うようにしている。 上述した特定のスライス部位に対する励起とその信号
収集を実施する方法としては、対象原子核を励起するた
めの選択励起用高周波パルスと、信号誘起部位に対する
空間情報を付与するための傾斜磁場パルスとにより行っ
ている。通常、これらをパルスシーケンスと称している
が、以下従来のパルスシーケンスの一例を第3図を参照
して説明する。 すなわち、図示しない被検体に対して第3図(c)に
示すように、スライス用傾斜磁場Gs1を印加すると共
に、第3図(a)に示すように、選択励起用90゜高周波
パルスRF1を印加する。 その後第3図(d)(e)に示すように、リード用傾
斜磁場Gr1を印加し且つ大きさが可変のエンコード用傾
斜磁場Geを印加する。 次に第3図(c)に示すように、スライス用傾斜磁場
Gs2を印加すると共に、第3図(a)に示すように、選
択励起用180゜高周波パルスRF2を印加する。そして、第
3図(d)に示すように、リード用傾斜磁場Gr2を印加
することにより、第3図(b)に示すように、第1エコ
ー信号e cho1が誘起する。 この第1エコー信号e cho1の誘起の後に第3図(c)
に示すように、スライス用傾斜磁場Gs3を印加すると共
に第3図(a)に示すように、選択励起用180゜高周波
パルスRF3を印加する。そして、第3図(d)に示すよ
うに、リード用傾斜磁場Gr3を印加することにより第3
図(b)に示すように、第2エコー信号e cho2が誘起す
る。 ここで、選択励起用90゜高周波パルスRF1の印加から
第1エコー信号e cho1の誘起までの時間を第1エコー時
間TE1と称し、第1エコー信号e cho1の誘起から第2エ
コー信号e cho2の誘起までの時間を第2エコー間隔t e2
と称しており、TE1=t e2である。ここで、スピンエコ
ー法で選択励起用90゜高周波パルスから第2エコー信号
の最大値までの時間つまり第2エコー時間TE2=TE1+t
e2であって、TE2=2×TE1である。 以上のパルスシーケンスは従来から良く知られている
スピンウォープ法であり、S/Nの良い第1エコー信号を
含む2つのエコー信号を収集するようにしている。 しかし乍、以上の方法では次のような問題点があっ
た。 第2エコー時間TE2を、第1エコー時間TE1の2倍と
している、つまりTE2=2×TE1であるので、スピン−ス
ピン緩和時間(横緩和時間)T2の差強調した画像が得ら
れない、という問題がある。 2エコー以上の信号収集を行うパルスシーケンス
(TE1=t e2=…)では、臨床上で不要な画像が多く得
られてしまうので、データ量の増大,術者の処理に手間
が掛かり、問題であった。また、多くの選択励起用180
゜高周波パルスが印加されているので、後ろのエコーに
行くに従ってスライス特性が悪いものになり、臨床的に
有用な長いTE(エコー時間)の画像はS/Nに悪いものに
なってしまう、という問題があった。 TE1=t e2=…であると通常の信号観測時間Tobsは
それぞれ同じであり、ここでS/Nを上げるために、リー
ド用傾斜磁場Grを低下させると、Tobsを長くできない限
りは空間分解能の低下を招く、という問題がある。この
場合、空間分解能は1/(Tobs・Gr)に比例し、また、 に比例するものである。 (発明が解決しようとする問題点) 以上のように従来の技術においては、スピン−スピン
緩和時間(横緩和時間)T2の差強調した画像が得られな
く、また臨床上で不要な画像が多く得られてしまい、さ
らに臨床的に有用な長いエコー時間の画像はS/Nの悪い
ものになってしまうばかりか空間分解能の低下を招く、
という問題点がある。 そこで本発明は、スピン−スピン緩和時間(横緩和時
間)T2の差強調した画像を得ることができ、また臨床上
で有用な画像を得ることができ、さらに臨床的に有用な
長いエコー時間の画像のS/Nの向上を図ると共に空間分
解能の向上を実現することができる磁気共鳴イメージン
グ装置を提供することにある。 [発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明は上記問題点を解決し且つ目的を達成するため
に次のような手段を講じたことを特徴としている。すな
わち本発明は、撮影領域に静磁場を生成する静磁場発生
手段と、該撮影領域に傾斜磁場を生成する傾斜磁場発生
手段と、該撮影領域に高周波パルスを印加すると共に該
撮影領域から発生するエコー信号を受信する高周波コイ
ルと、所定のシーケンスに従って前記傾斜磁場発生手段
及び高周波コイルを駆動する制御手段とを備えることに
より被検体の磁気共鳴情報を得る磁気共鳴イメージング
装置において、前記制御手段は、被検体に対して選択励
起用90゜高周波パルスを印加し、次に選択励起用180゜
高周波パルスを印加することにより第1エコー信号を誘
起させる第1の手順と、この第1の手順の後に選択励起
用180゜高周波パルスを印加することにより第2のエコ
ー信号を誘起させる第2の手順とを実行するよう前記傾
斜磁場発生手段および高周波コイルを制御すると共に、
前記選択励起用90゜高周波パルスから前記第2エコー信
号までの時間を前記選択励起用90゜高周波パルスから前
記第1エコー信号までの時間の2倍を超えるように、且
つ前記第1の手順では第1のリード用傾斜磁場を印加し
ながら前記第1エコーを誘起させ、前記第2の手順では
前記第1のリード用傾斜磁場よりも磁場強度の低い第2
のリード用傾斜磁場を印加しながら前記第2のエコー信
号を誘起させるように前記傾斜磁場発生手段および高周
波コイルの駆動タイミングを制御するものであることを
特徴としている。 (作用) このように第2エコー時間を、第1エコー時間の2倍
をこえた時間以上に設定したことにより、第1エコー信
号はS/Nの良い形態情報を含んだものとなり、またエコ
ー時間の長い第2エコー信号で病変コントラストの大き
な臨床上有益な情報を得ることができる。 (実施例) 以下本発明にかかる磁気共鳴イメージング装置の一実
施例を図面を参照して説明する。第1図は本実施例にか
かる医用診断用の磁気共鳴イメージング装置の構成を示
す図である。 第1図に示すように、被検体を載置する可動天板1aを
有する寝台1と、静磁場コイル2,傾斜磁場を発生するた
めの傾斜磁場発生コイル3,回転高周波磁場を送信すると
共に誘起されたMR信号を検出するための送受信系である
プローブ4により本体部5を構成し、静磁場電源6、X
軸,Y軸,Z軸傾斜磁場電源7,8,9、送信器10、受信器11、
傾斜磁場電源7,8,9及び送信器10を第2図に示す本実施
例のパルスシーケンスを含む所望のパルスシーケンスに
て駆動するシーケンサ12、これらを制御すると共に検出
信号の信号処理及びその表示を行うコンピュータシステ
ム13により構成されている。 このような構成では、静磁場コイル2による静磁場中
に寝台1の天板1aを移動して被検体Pを配置すると共
に、被検体Pに対してシーケンサ12を駆動してプローブ
4の送信コイルから励起用高周波パルス(RFパルス)及
び傾斜磁場発生コイル3から傾斜磁場を所定のパルスシ
ーケンスに従って加え、被検体PにはMR現象を生じさ、
誘起されたMR信号をプローブ4の受信コイルにより検出
し、コンピュータシステム13に取込んで画像再構成処理
等の信号処理を施すことにより、断層像等のイメージン
グ情報を得、映像表示等を行なうようにしているが、パ
ルスシーケンスとしては第2図に示すようなパルスシー
ケンスを実施するものである。 すなわち、被検体Pに対して第2図(c)に示すよう
に、スライス用傾斜磁場Gs1を印加すると共に、第2図
(a)に示すように、選択励起用90゜高周波パルスRF1
を印加する。 その後第2図(d)(e)に示すように、リード用傾
斜磁場Gr1を印加し且つ大きさが可変のエンコード用傾
斜磁場Geを印加する。 次に第2図(c)に示すように、スライス用傾斜磁場
Gs2を印加すると共に、第2図(a)に示すように、選
択励起用180゜高周波パルスRF2を印加する。そして、第
2図(d)に示すように、リード用傾斜磁場Gr2を印加
することにより、第2図(b)に示すように、第1エコ
ー信号e cho1が誘起する。 ここまでは従来の手順と同じであり、本実施例では、
第1エコー信号をS/Nの良い形態情報を含んだものと
し、選択励起用90゜高周波パルスの印加から第2エコー
信号の誘起までの第2エコー時間TE2を大きくして病変
コントラストの大きな臨床上有益な第2エコー信号を得
るようにするために、第2エコー時間TE2を、選択励起
用90゜高周波パルスの印加から第1エコー信号の誘起ま
での第1エコー時間TE1の2倍をこえた時間以上つまりT
E2>2×TE1に設定する。すなわち、上述の第1エコー
信号e cho1の誘起の後に第2図(c)に示すように、ス
ライス用傾斜磁場Gr3を印加すると共に第2図(a)に
示すように、選択励起用180゜高周波パルスRF3を印加す
る。そして、第2図(d)に示すように、従来のリード
用傾斜磁場Gr3より小さいリード用傾斜磁場Gr3′を印加
することにより第2図(b)に示すように、第2エコー
信号e cho2が誘起する。なお第2図では、第1エコー信
号の誘起から第2エコー信号の誘起までのエコー間隔を
te2′で示しており、このte2′は従来のエコー間隔te2
よりも大きく設定される。 以上の如く本実施例では、第2エコー時間TE2を、第
1エコー時間TE1の2倍をこえた時間以上にするつまり
第2エコー信号の観測時間を長くしリード用傾斜磁場を
下げるようにしたことにより次のような作用を奏する。 第2エコー信号e cho2により、スピン−スピン緩和
時間(横緩和時間)T2差の非常に強調された画像が得ら
れるので、連続した多くの選択励起用180゜高周波パル
スによって起こるスライス特性の劣化がないうちに臨床
上有用な画像を得ることができる。 T2緩和(スピン−スピン緩和:横緩和)によって第
2エコー像では画像のS/Nが下がるものであるが、印加
するリード用傾斜磁場を下げるようにしたので、S/Nを
向上することができる。これは、空間分解能は1/(Tobs
・Gr)に比例し、また、S/Nは に比例することに基づいている。 1スライスについて臨床的に有用な2画像のみを得
るようにしたので、データ量の増大は防止でき、術者の
処理は手間が掛からない。 本発明は上記実施例に限定されるものではなく本発明
の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できるもの
である。 [発明の効果] 以上のように本発明では、被検体に対して選択励起用
90゜高周波パルスを印加し、次に選択励起用180゜高周
波パルスを印加することにより第1エコー信号を誘起さ
せる第1の手順と、この第1の手順の後に選択励起用18
0゜高周波パルスを印加することにより第2のエコー信
号を誘起させる第2の手順とを実行する際に、選択励起
用90゜高周波パルスから第2エコー信号までの時間を選
択励起用90゜高周波パルスから第1エコー信号までの時
間の2倍を超えるように、且つ第1の手順では第1のリ
ード用傾斜磁場を印加しながら第1エコーを誘起させ、
第2の手順では前記第1のリード用傾斜磁場よりも磁場
強度の低い第2のリード用傾斜磁場を印加しながら前記
第2のエコー信号を誘起させるように傾斜磁場発生手段
および高周波コイルの駆動タイミングが制御されるの
で、第1エコー信号はS/Nの良い形態情報を含んだもの
となり、また選択励起用90゜高周波パルスから第2エコ
ー信号までの時間が大きくなり、病変コントラストの大
きな臨床上有益な第2エコー信号を得ることができ、よ
って本発明によれば、スピン−スピン緩和時間(横緩和
時間)T2の差強調した画像を得ることができ、また臨床
上で有用な画像を得ることができ、さらに臨床的に有用
な長いエコー時間の画像のS/Nの向上を図ると共に空間
分解能の向上を実現することができる。
を利用して被検体(生体)の解剖学的情報を得る磁気共
鳴イメージング装置に関し、特に、パルスシーンスを改
良して良質の解剖学的情報を得ることができるようにし
た磁気共鳴イメージング装置に関する。 (従来の技術) 磁気共鳴現象は、静磁場中に置かれた零でないスピン
及び磁気モーメントを持つ原子核が特定の周波数の電磁
波のみを共鳴的に吸収する現象であり、γを原子核の種
類に固有の磁気回転比、また、H0を静磁場強度とする
と、この原子核は下記式に示す角周波数ω0で共鳴す
る。 ω0=γH0 以上の原理を利用して生体診断を行う方法は、上述の
共鳴吸収の後に誘起させる上記と同じ周波数の電磁波を
信号処理して例えば被検体の断層像等を得るようにして
いる。 この場合、磁気共鳴による診断情報の収集は、静磁場
中に配置した被検体の全部位を励起し且つ信号収集する
ことができるものであるが、装置構成上の制約やイメー
ジング像の臨床上の要請から、実際は特定のスライス部
位に対する励起とその信号収集を行うようにしている。 上述した特定のスライス部位に対する励起とその信号
収集を実施する方法としては、対象原子核を励起するた
めの選択励起用高周波パルスと、信号誘起部位に対する
空間情報を付与するための傾斜磁場パルスとにより行っ
ている。通常、これらをパルスシーケンスと称している
が、以下従来のパルスシーケンスの一例を第3図を参照
して説明する。 すなわち、図示しない被検体に対して第3図(c)に
示すように、スライス用傾斜磁場Gs1を印加すると共
に、第3図(a)に示すように、選択励起用90゜高周波
パルスRF1を印加する。 その後第3図(d)(e)に示すように、リード用傾
斜磁場Gr1を印加し且つ大きさが可変のエンコード用傾
斜磁場Geを印加する。 次に第3図(c)に示すように、スライス用傾斜磁場
Gs2を印加すると共に、第3図(a)に示すように、選
択励起用180゜高周波パルスRF2を印加する。そして、第
3図(d)に示すように、リード用傾斜磁場Gr2を印加
することにより、第3図(b)に示すように、第1エコ
ー信号e cho1が誘起する。 この第1エコー信号e cho1の誘起の後に第3図(c)
に示すように、スライス用傾斜磁場Gs3を印加すると共
に第3図(a)に示すように、選択励起用180゜高周波
パルスRF3を印加する。そして、第3図(d)に示すよ
うに、リード用傾斜磁場Gr3を印加することにより第3
図(b)に示すように、第2エコー信号e cho2が誘起す
る。 ここで、選択励起用90゜高周波パルスRF1の印加から
第1エコー信号e cho1の誘起までの時間を第1エコー時
間TE1と称し、第1エコー信号e cho1の誘起から第2エ
コー信号e cho2の誘起までの時間を第2エコー間隔t e2
と称しており、TE1=t e2である。ここで、スピンエコ
ー法で選択励起用90゜高周波パルスから第2エコー信号
の最大値までの時間つまり第2エコー時間TE2=TE1+t
e2であって、TE2=2×TE1である。 以上のパルスシーケンスは従来から良く知られている
スピンウォープ法であり、S/Nの良い第1エコー信号を
含む2つのエコー信号を収集するようにしている。 しかし乍、以上の方法では次のような問題点があっ
た。 第2エコー時間TE2を、第1エコー時間TE1の2倍と
している、つまりTE2=2×TE1であるので、スピン−ス
ピン緩和時間(横緩和時間)T2の差強調した画像が得ら
れない、という問題がある。 2エコー以上の信号収集を行うパルスシーケンス
(TE1=t e2=…)では、臨床上で不要な画像が多く得
られてしまうので、データ量の増大,術者の処理に手間
が掛かり、問題であった。また、多くの選択励起用180
゜高周波パルスが印加されているので、後ろのエコーに
行くに従ってスライス特性が悪いものになり、臨床的に
有用な長いTE(エコー時間)の画像はS/Nに悪いものに
なってしまう、という問題があった。 TE1=t e2=…であると通常の信号観測時間Tobsは
それぞれ同じであり、ここでS/Nを上げるために、リー
ド用傾斜磁場Grを低下させると、Tobsを長くできない限
りは空間分解能の低下を招く、という問題がある。この
場合、空間分解能は1/(Tobs・Gr)に比例し、また、 に比例するものである。 (発明が解決しようとする問題点) 以上のように従来の技術においては、スピン−スピン
緩和時間(横緩和時間)T2の差強調した画像が得られな
く、また臨床上で不要な画像が多く得られてしまい、さ
らに臨床的に有用な長いエコー時間の画像はS/Nの悪い
ものになってしまうばかりか空間分解能の低下を招く、
という問題点がある。 そこで本発明は、スピン−スピン緩和時間(横緩和時
間)T2の差強調した画像を得ることができ、また臨床上
で有用な画像を得ることができ、さらに臨床的に有用な
長いエコー時間の画像のS/Nの向上を図ると共に空間分
解能の向上を実現することができる磁気共鳴イメージン
グ装置を提供することにある。 [発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明は上記問題点を解決し且つ目的を達成するため
に次のような手段を講じたことを特徴としている。すな
わち本発明は、撮影領域に静磁場を生成する静磁場発生
手段と、該撮影領域に傾斜磁場を生成する傾斜磁場発生
手段と、該撮影領域に高周波パルスを印加すると共に該
撮影領域から発生するエコー信号を受信する高周波コイ
ルと、所定のシーケンスに従って前記傾斜磁場発生手段
及び高周波コイルを駆動する制御手段とを備えることに
より被検体の磁気共鳴情報を得る磁気共鳴イメージング
装置において、前記制御手段は、被検体に対して選択励
起用90゜高周波パルスを印加し、次に選択励起用180゜
高周波パルスを印加することにより第1エコー信号を誘
起させる第1の手順と、この第1の手順の後に選択励起
用180゜高周波パルスを印加することにより第2のエコ
ー信号を誘起させる第2の手順とを実行するよう前記傾
斜磁場発生手段および高周波コイルを制御すると共に、
前記選択励起用90゜高周波パルスから前記第2エコー信
号までの時間を前記選択励起用90゜高周波パルスから前
記第1エコー信号までの時間の2倍を超えるように、且
つ前記第1の手順では第1のリード用傾斜磁場を印加し
ながら前記第1エコーを誘起させ、前記第2の手順では
前記第1のリード用傾斜磁場よりも磁場強度の低い第2
のリード用傾斜磁場を印加しながら前記第2のエコー信
号を誘起させるように前記傾斜磁場発生手段および高周
波コイルの駆動タイミングを制御するものであることを
特徴としている。 (作用) このように第2エコー時間を、第1エコー時間の2倍
をこえた時間以上に設定したことにより、第1エコー信
号はS/Nの良い形態情報を含んだものとなり、またエコ
ー時間の長い第2エコー信号で病変コントラストの大き
な臨床上有益な情報を得ることができる。 (実施例) 以下本発明にかかる磁気共鳴イメージング装置の一実
施例を図面を参照して説明する。第1図は本実施例にか
かる医用診断用の磁気共鳴イメージング装置の構成を示
す図である。 第1図に示すように、被検体を載置する可動天板1aを
有する寝台1と、静磁場コイル2,傾斜磁場を発生するた
めの傾斜磁場発生コイル3,回転高周波磁場を送信すると
共に誘起されたMR信号を検出するための送受信系である
プローブ4により本体部5を構成し、静磁場電源6、X
軸,Y軸,Z軸傾斜磁場電源7,8,9、送信器10、受信器11、
傾斜磁場電源7,8,9及び送信器10を第2図に示す本実施
例のパルスシーケンスを含む所望のパルスシーケンスに
て駆動するシーケンサ12、これらを制御すると共に検出
信号の信号処理及びその表示を行うコンピュータシステ
ム13により構成されている。 このような構成では、静磁場コイル2による静磁場中
に寝台1の天板1aを移動して被検体Pを配置すると共
に、被検体Pに対してシーケンサ12を駆動してプローブ
4の送信コイルから励起用高周波パルス(RFパルス)及
び傾斜磁場発生コイル3から傾斜磁場を所定のパルスシ
ーケンスに従って加え、被検体PにはMR現象を生じさ、
誘起されたMR信号をプローブ4の受信コイルにより検出
し、コンピュータシステム13に取込んで画像再構成処理
等の信号処理を施すことにより、断層像等のイメージン
グ情報を得、映像表示等を行なうようにしているが、パ
ルスシーケンスとしては第2図に示すようなパルスシー
ケンスを実施するものである。 すなわち、被検体Pに対して第2図(c)に示すよう
に、スライス用傾斜磁場Gs1を印加すると共に、第2図
(a)に示すように、選択励起用90゜高周波パルスRF1
を印加する。 その後第2図(d)(e)に示すように、リード用傾
斜磁場Gr1を印加し且つ大きさが可変のエンコード用傾
斜磁場Geを印加する。 次に第2図(c)に示すように、スライス用傾斜磁場
Gs2を印加すると共に、第2図(a)に示すように、選
択励起用180゜高周波パルスRF2を印加する。そして、第
2図(d)に示すように、リード用傾斜磁場Gr2を印加
することにより、第2図(b)に示すように、第1エコ
ー信号e cho1が誘起する。 ここまでは従来の手順と同じであり、本実施例では、
第1エコー信号をS/Nの良い形態情報を含んだものと
し、選択励起用90゜高周波パルスの印加から第2エコー
信号の誘起までの第2エコー時間TE2を大きくして病変
コントラストの大きな臨床上有益な第2エコー信号を得
るようにするために、第2エコー時間TE2を、選択励起
用90゜高周波パルスの印加から第1エコー信号の誘起ま
での第1エコー時間TE1の2倍をこえた時間以上つまりT
E2>2×TE1に設定する。すなわち、上述の第1エコー
信号e cho1の誘起の後に第2図(c)に示すように、ス
ライス用傾斜磁場Gr3を印加すると共に第2図(a)に
示すように、選択励起用180゜高周波パルスRF3を印加す
る。そして、第2図(d)に示すように、従来のリード
用傾斜磁場Gr3より小さいリード用傾斜磁場Gr3′を印加
することにより第2図(b)に示すように、第2エコー
信号e cho2が誘起する。なお第2図では、第1エコー信
号の誘起から第2エコー信号の誘起までのエコー間隔を
te2′で示しており、このte2′は従来のエコー間隔te2
よりも大きく設定される。 以上の如く本実施例では、第2エコー時間TE2を、第
1エコー時間TE1の2倍をこえた時間以上にするつまり
第2エコー信号の観測時間を長くしリード用傾斜磁場を
下げるようにしたことにより次のような作用を奏する。 第2エコー信号e cho2により、スピン−スピン緩和
時間(横緩和時間)T2差の非常に強調された画像が得ら
れるので、連続した多くの選択励起用180゜高周波パル
スによって起こるスライス特性の劣化がないうちに臨床
上有用な画像を得ることができる。 T2緩和(スピン−スピン緩和:横緩和)によって第
2エコー像では画像のS/Nが下がるものであるが、印加
するリード用傾斜磁場を下げるようにしたので、S/Nを
向上することができる。これは、空間分解能は1/(Tobs
・Gr)に比例し、また、S/Nは に比例することに基づいている。 1スライスについて臨床的に有用な2画像のみを得
るようにしたので、データ量の増大は防止でき、術者の
処理は手間が掛からない。 本発明は上記実施例に限定されるものではなく本発明
の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できるもの
である。 [発明の効果] 以上のように本発明では、被検体に対して選択励起用
90゜高周波パルスを印加し、次に選択励起用180゜高周
波パルスを印加することにより第1エコー信号を誘起さ
せる第1の手順と、この第1の手順の後に選択励起用18
0゜高周波パルスを印加することにより第2のエコー信
号を誘起させる第2の手順とを実行する際に、選択励起
用90゜高周波パルスから第2エコー信号までの時間を選
択励起用90゜高周波パルスから第1エコー信号までの時
間の2倍を超えるように、且つ第1の手順では第1のリ
ード用傾斜磁場を印加しながら第1エコーを誘起させ、
第2の手順では前記第1のリード用傾斜磁場よりも磁場
強度の低い第2のリード用傾斜磁場を印加しながら前記
第2のエコー信号を誘起させるように傾斜磁場発生手段
および高周波コイルの駆動タイミングが制御されるの
で、第1エコー信号はS/Nの良い形態情報を含んだもの
となり、また選択励起用90゜高周波パルスから第2エコ
ー信号までの時間が大きくなり、病変コントラストの大
きな臨床上有益な第2エコー信号を得ることができ、よ
って本発明によれば、スピン−スピン緩和時間(横緩和
時間)T2の差強調した画像を得ることができ、また臨床
上で有用な画像を得ることができ、さらに臨床的に有用
な長いエコー時間の画像のS/Nの向上を図ると共に空間
分解能の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る一実施例としての磁気共鳴イメー
ジング装置の構成図、第2図は同実施例を示すパルスシ
ーケンスを示す図、第3図は従来例のパルスシーケンス
を示す図である。 1……寝台、2……静磁場コイル、3……傾斜磁場発生
コイル、4……プローブ、5……本体部、6……静磁場
電源、7,8,9……傾斜磁場電源、10……送信器、11……
受信器、12……シーケンサ、13……コンピュータシステ
ム。
ジング装置の構成図、第2図は同実施例を示すパルスシ
ーケンスを示す図、第3図は従来例のパルスシーケンス
を示す図である。 1……寝台、2……静磁場コイル、3……傾斜磁場発生
コイル、4……プローブ、5……本体部、6……静磁場
電源、7,8,9……傾斜磁場電源、10……送信器、11……
受信器、12……シーケンサ、13……コンピュータシステ
ム。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.撮影領域に静磁場を生成する静磁場発生手段と、 該撮影領域に傾斜磁場を生成する傾斜磁場発生手段と、 該撮影領域に高周波パルスを印加すると共に該撮影領域
から発生するエコー信号を受信する高周波コイルと、 所定のシーケンスに従って前記傾斜磁場発生手段及び高
周波コイルを駆動する制御手段と を備えることにより被検体の磁気共鳴情報を得る磁気共
鳴イメージング装置において、 前記制御手段は、前記被検体に対して選択励起用90゜高
周波パルスを印加し、次に選択励起用180゜高周波パル
スを印加することにより第1エコー信号を誘起させる第
1の手順と、この第1の手順の後に選択励起用180゜高
周波パルスを印加することにより第2のエコー信号を誘
起させる第2の手順とを実行するよう前記傾斜磁場発生
手段および高周波コイルを制御すると共に、前記選択励
起用90゜高周波パルスから前記第2エコー信号までの時
間を前記選択励起用90゜高周波パルスから前記第1エコ
ー信号までの時間の2倍を超えるように、且つ前記第1
の手順では第1のリード用傾斜磁場を印加しながら前記
第1エコーを誘起させ、前記第2の手順では前記第1の
リード用傾斜磁場よりも磁場強度の低い第2のリード用
傾斜磁場を印加しながら前記第2のエコー信号を誘起さ
せるように前記傾斜磁場発生手段および高周波コイルの
駆動タイミングを制御するものであることを特徴とする
磁気共鳴イメージング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62182735A JP2735191B2 (ja) | 1987-07-22 | 1987-07-22 | 磁気共鳴イメージング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62182735A JP2735191B2 (ja) | 1987-07-22 | 1987-07-22 | 磁気共鳴イメージング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6427541A JPS6427541A (en) | 1989-01-30 |
JP2735191B2 true JP2735191B2 (ja) | 1998-04-02 |
Family
ID=16123522
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62182735A Expired - Lifetime JP2735191B2 (ja) | 1987-07-22 | 1987-07-22 | 磁気共鳴イメージング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2735191B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4695800A (en) * | 1985-06-06 | 1987-09-22 | Technicare Corporation | Non harmonic NMR spin echo imaging |
-
1987
- 1987-07-22 JP JP62182735A patent/JP2735191B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6427541A (en) | 1989-01-30 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
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