JP2734147B2 - セラミックスの接着方法 - Google Patents

セラミックスの接着方法

Info

Publication number
JP2734147B2
JP2734147B2 JP1329722A JP32972289A JP2734147B2 JP 2734147 B2 JP2734147 B2 JP 2734147B2 JP 1329722 A JP1329722 A JP 1329722A JP 32972289 A JP32972289 A JP 32972289A JP 2734147 B2 JP2734147 B2 JP 2734147B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic
bonding
weight
water
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1329722A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03192176A (ja
Inventor
徹明 夏井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP1329722A priority Critical patent/JP2734147B2/ja
Publication of JPH03192176A publication Critical patent/JPH03192176A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2734147B2 publication Critical patent/JP2734147B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は水蒸気やSOXなどの酸性物質を含む温度の高
い燃焼廃ガスや、ディーゼルエンジンは排気ガス中で使
用される時安定した接着強度を示すセラミックスの接着
方法に関する。
[従来の技術] セラミックスには固有の特徴として耐熱性、耐腐食性
があり、古くから磁器や煉瓦として利用されている。近
年においては、特に省エネルギーや公害防止技術の開発
に有用な材料として構造材料用セラミックスの利用が試
みられているが、セラミックスで複雑な形状を作ること
が容易でないことから、接着剤で接合したいという強い
要求がある。
例えば特に強度を必要としない煉瓦の目地材としてセ
メントモルタルなどが使われているが、構造材料用には
不適であり、高温における強度はもちろん、耐腐食性や
耐久性、信頼性が要求されるようになった。
この目的のために、現在種々のセラミックス用接着材
が開発され、市販もされているが、耐腐食性、耐久性、
信頼性については今のところ検討が不十分であり開発の
余地が多く残されているのが現状である。
無機質の接着材に関しては、工業材料第29巻(昭和56
年)3月号第85〜91頁に代表的な無機接着剤であるシリ
ケート(珪酸塩)系とホスフェート(燐酸塩)系につい
ての解説がある。即ち、接着剤は通常、結合材、硬化剤
と骨材のほかに必要に応じて顔料、分散安定剤を加えて
構成され、結合剤には、アルカリ金属シリケート、コロ
イダルシリカ、アルキルシリケート、酸性金属ホスフェ
ートなどがある。アルカリ金属シリケートには更に珪酸
ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウムなどがあり、
この系の接着剤にあっては珪酸塩のモノマーおよびポリ
マーが水に溶解または分散しており、接着力はシラノー
ル基の脱水縮合により発現し、接着剤の接着強度や耐水
性はアルカリ金属の種類、SiO2/R2Oのモル比などによ
って変化するとしている。また、アルカリ金属シリケー
トの硬化剤としては、酸化マグネシウム、酸化亜鉛など
の金属酸化物、水酸化マグネシウムなどの水酸化物、珪
フッ化ナトリウムなどの珪フッ化物、燐酸塩化合物、ほ
う酸塩化合物などが使用でき、化学的反応および物理的
作用で低温硬化、耐水性向上などの効果をもたらし、無
機接着剤のもう一つの主要成分である骨材は骨材粒子の
形状、粒径とともに接着層の耐熱性、接着強度、耐水
性、熱膨張率などに影響すると述べており、東亜合成化
学工業(株)製の無機接着剤であるアロンセラミックに
ついてその特性を説明している。
また特開昭58-9883には、水溶性または水分散性であ
る珪酸リチウムやシリカゾルなどに耐熱性の骨材である
アルミナなどを混ぜ、必要に応じて、硬化剤を加えた無
機接着剤をガラス繊維などの無機繊維とともに用いるこ
とにより、厚さのある接着層を発泡などのトラブルなく
形成できることが示されている。
本発明者はディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれ
るカーボンを主成分とする微粒子(パティキュレート)
を除去するパティキュレートトラップをコーディエライ
ト質のセラミックス製フィルタを用いて実現するため、
セラミックス製フィルタ板の接着に種々の接着剤の利用
を試みた。その結果、第1図に示すフィルタ板の接着に
おいて、厚さ3mmの接着部とし、3mm幅のスリットを形成
するには、従来の流れ易い無機接着剤を使用する場合、
第2図に示すような厚さ1〜2mmのセラミックススペー
サをはさみ込んで隣り合うセラミックス部材を間接的に
接着する必要があり、3mm厚さを無機接着剤のみで形成
することは不可能であることがわかった。その理由は、
従来の無機接着剤は保水性が充分ないため、無機接着剤
のセラミックス部材に対する濡れ性を改善しようとして
含水量を多くすると、無機接着剤をセラミックス部材に
塗布した際に、無機接着剤が水平方向に流れてしまい、
厚さが保持できなくなり、また含水量を少くすると、厚
さを3mmとすることができても濡れ性が低下して、セラ
ミックス部材を接着することが困難になるということで
ある。また、従来の無機接着剤をセラミックス部材に一
度塗布したのち、さらにもう一度塗布して、厚さを3mm
以上とする方法は手間と時間がかかり、また常に一定の
厚さに塗布することが難しかった。また、無機接着剤な
どのスラリーの保水性を向上させる方法として、従来よ
りメチルセルロースなどの樹脂や、粘土を加えることが
行われているが、この類の添加物を加えても、接着後に
加熱して乾燥した後の接着剤の強度が小さいため、セラ
ミックス製フィルタ板の接着には適さないものであっ
た。なお、フィルタ板の合わせ目のスリットの幅は、0.
5〜5mmの範囲内にあると、パティキュレートトラップと
して用いる時セラミックス製フィルタ上へ付着堆積した
パティキュレートをエアーで逆洗して除去することが容
易であることがわかっているが、特に、スリットの幅が
約3mm、すなわち接着剤厚さ約3mmであることがフィルタ
としてはより好ましいがこのような構成とするためには
スペーサを必要とし手間も多くかかっていた。
[発明の解決しようとする問題点] 本発明はパティキュレートトラップに用いるセラミッ
クス製フィルタ板を接着する時、スペーサを用いなくて
も接着部の厚さを3mm程度まで厚くすることができ、し
かも耐酸、耐水蒸気、耐久性と充分の強度のあるセラミ
ックスの接着方法を提供することを目的とするものであ
る。
[発明の構成] 本発明は、ケイ酸ナトリウムを主成分とするアルカリ
金属シリケートと粒径0.1μm以下の無定形シリカ粉末
から主としてなり、水分を除いた量で該アルカリ金属シ
リケートを80〜95wt%、該無定形シリカ粉末を5〜20wt
%含む結合成分10〜50重量部に対して、セラミックス骨
材が50〜90重量部配合された組成物に適当量の水を加
え、剪断速度10sec-1における粘度が103〜106ポイズの
ペースト状としたセラミックス接着用組成物を、隣りあ
うセラミックス部材の合わせ目に、該合わせ目の面間の
距離が0.5〜5mmとなるように配置し、400〜1200℃に加
熱して硬化せしめることを特徴とするセラミックスの接
着方法である。
本発明の好ましい態様では、使用するセラミックス接
着用組成物における結合成分中のアルカリ金属シリケー
トを85〜95wt%、無定形シリカ粉末を10〜15wt%とす
る。
また、本発明の他の好ましい態様では、使用する組成
物に配合する骨材の程度を100メッシュより細かいもの
とする。
また、本発明の他の好ましい態様では、隣り合うセラ
ミックス部材として多孔質のセラミックス部材を使用す
る。
ここにおいてアルカリ金属シリケートおよび無定形シ
リカ粉末の重量%は水分を除いた量で示されている。ま
た、結合成分とセラミックス骨材粉末を合わせた量は概
略100重量部になるものとして示されているが、硬化剤
を加える場合にはその分が更にプラスされた量となる。
本発明に用いるセラミックス接着用組成物において、
粒径0.1μm以下の無定形シリカ粉末としては、具体的
には、例えば日本アエロジル社からアエロジルという商
品名で販売されているフュームドシリカが使用できる。
フュームドシリカは、セラミックス誌の第20巻(昭和60
年)4月号第280〜285頁に記載されているように、アモ
ルファスシリカのうち、シリカ微粒子と呼ばれる一群を
構成するものであり、その中でも特に乾式法で製造され
るものがフュームドシリカと呼ばれている。フュームド
シリカのうち、アエロジルは四塩化珪素の酸水素炎中で
の加水分解によって製造され、0.006〜0.041μmの粒径
を有するいくつかの品種が市販されている。またエルケ
ム社は金属溶融過程での副産物であるフュームドシリカ
を販売しているが、粒径が0.1μm以上であり、理由は
今のところよく分っていないが本発明の目的には適さな
いものである。フュームドシリカのうち、アルカリ金属
シリケート水溶液と混ぜるとゲル化しチキソトロピー性
を示すものは、粒径が0.1μm以下のものである。湿式
法により製造される無定形のシリカ粉末であるホワイト
カーボンは通常粒径が約5μmであり、アルカリ金属シ
リケート水溶液と混合してもゲル化を起こさない。アル
カリ金属シリケートと無定形シリカ粉末はいずれもシラ
ノール基 を有しているが、0.1μmの粒径の無定形シリカ粉末を
アルカリ金属シリケート水溶液と混合し、核磁気共鳴吸
収法で調べてみるとOH基が1〜3個結合したSi原子が減
少し、全くOH基が結合しないSi原子が増加していること
が認められているため、無定形シリカ粉末の一部分はア
ルカリ金属シリケート水溶液中でアルカリ金属シリケー
トと反応し結合していると考えられる。また、シラノー
ル基は水素結合によって相互に結びつきゲル化する性質
をもち、この水素結合はわずかな力を加えたり、解除し
たりすることによって結合が生じたり、結合が切れたり
するので、無定形シリカ粉末の微粒子が加えられた混合
物はチキソトロピー性を有していると考えられる。接着
剤組成物にチキソトロピー性があると、接着剤組成物を
押出成形等の方法によりシート状に成形することが可能
となり、押出成形後も接着剤組成物は良好な柔軟性と濡
れ性を保持する。一方、微細な無定形シリカ粉末を添加
しない接着剤組成物は、水分のみにより流動性を付与さ
れているため、セラミックス部材に対する濡れ性を改善
しようとして含水量を多くすると、接着剤組成物をセラ
ミックス部材に塗布した際に、接着剤組成物が水平方向
に広がって流れてしまい、厚さが薄くなってしまう。ま
た逆に含水量を少くすると、厚さを例えば3mm以上とす
ることができるが、濡れ性が低下して、セラミックス部
材を接着することが困難となる。
[実施例] アルカリ金属シリケートと粒径0.1μm以下の無定形
シリカ粉末との最適混合比を決定するために、結晶水の
形で25wt%の水分を保有している珪酸ナトリウム粉末
(Na2O・nSiO2)53重量部(水分を除くと42.75重量部と
なる)にイオン交換水47重量部を加えた珪酸ナトリウム
水溶液150grに粒径0.1μm以下の無定形シリカ粉末とし
て日本アエロジル社製のアエロジル200(粒径0.012μ
m)を2,4,6,8,10gr加えて混合した。この混合された懸
濁溶液の見掛粘度に及ぼすアエロジル200の添加量の影
響を示したのが第3図である。見掛粘度はリオン社製の
ビスコスターVT04を用いて、測定した。但し、簡易型の
粘度計であるため測定における剪断速度は30poise以下
では46sec-1、30〜100poiseでは13sec-1、100poise以上
では4sec-1である。第3図に示されているようにアエ
ロジル200を4gr以上加える時顕著な増粘効果が得られる
ことがわかった。上記の珪酸ナトリウム水溶液は水を5
7.25%含みpHが約13である。この水溶液には30wt%まで
のアエロジル200を加えても完全にぺースト化できた。
次に、上記の珪酸ナトリウム水溶液とアエロジル200と
を混合した懸濁溶液39重量部(水分を除いた量)に対し
てコーディエライト粉末(100メッシュ以下)を61重量
部を加えて混練したぺースト状の接着用組成物の見掛粘
度を押出粘度計を用いて測定したところ、標準的な押出
成形に利用されている剪断速度10sec-1では、アエロジ
ル200の結合成分中(但し水分を除いて)の割合が5wt%
以下では粘度が103ポイズ以下となって接着剤の保形性
がなく、20wt%以上では106ポイズを超えるため押出成
形が困難となった。以上の事実から結合成分中のアエロ
ジル200と珪酸ナトリウムとの適当な混合比は、無定形
シリカ粉末であるアエロジル200が5〜20wt%とされ
た。
次に、接着用組成物を用いてセラミックスを接着する
場合の加熱条件を決めるために以下の検討を行った。珪
酸ナトリウム粉末(Na2O・nSiO2,25%の結晶水含む)53
重量部(水分を除くと42.75重量部となる)に、47重量
部のイオン交換水を加えて珪酸ナトリウム水溶液を作製
し、この珪酸ナトリウム水溶液93重量部に対して、7重
量部のアエロジル200および160重量部のコーディエライ
ト粉末(水を除いた結合成分21.6重量部に対して骨材7
8.4重量部に相当)を加えて混練しぺースト状とした接
着用組成物によって30×15×10mmのコーディエライト質
のセラミックス片を接着して約60×15×10mmの曲げ試験
片を作製した。この曲げ試験片を夫々400〜1200℃の各
温度に1.5時間保持して加熱硬化させた場合、試験片の
接合部の4点曲げ強度は、全ての試験片で150kgf/cm2
上(即ち接合部以外の箇所で折損した)であった。更に
試験片を100℃、pH1(0.1N)のH2SO4溶液に3時間浸漬
した後の4点曲げ強度の測定結果を第4図に示した。ま
た、試験片を100℃の水に3時間浸漬した後の4点曲げ
強度を測定し、その結果を第5図に示した。測定結果か
ら、800℃で1.5時間加熱硬化させると耐酸性が最も良好
になることが判明した。また、各温度で3時間以上保持
して加熱硬化させると100℃、pH1のH2SO4溶液に3時間
浸漬した後の4点曲げ強度、および100℃の水に3時間
浸漬した後の4点曲げ強度はいずれも1.5時間加熱硬化
した場合よりも低下し、1.5時間程度の加熱硬化時間が
好ましいことがわかった。なお、100℃、pH1のH2SO4と1
00℃の水への浸漬の条件は、パティキュレートトラップ
によりディーゼルエンジンの排気ガス中のパティキュレ
ートを除去する際、特にエンジンがアイドリング状態に
ある場合を想定して設定した条件である。 粒径0.1μ
m以下の無定形シリカ粉末としてアエロジル200の代わ
りにアエロジルCOK 84を使用した場合、セラミックス接
着用組成物の性能には変化は無かった。アエロジルCOK
84はシリカの他にアルミナを20wt%含むフュームドシリ
カである。また、日本アエロジル社のフュームドシリカ
の他の品種の中に、シラノール基を疎水化した品種があ
るが、このフュームドシリカをアエロジル200の代わり
に使用しても、セラミックス接着用組成物の性能には変
化がなかった。
セラミックス接着用組成物の結合成分中のアルカリ金
属シリケートとしては珪酸ナトリウムを使用するのが最
も好ましいが、アルカリ金属シリケートの50wt%未満を
珪酸リチウムおよび/または珪酸カリウムで置換しても
ほぼ同程度の接着強度を得ることができる。しかし、珪
酸ナトリウムを50重量%以上置換すると、接着強度が顕
著に低下する。
珪酸ナトリウムには、SiO2/Na2Oモル比の異る種々の
品種があるが、粒径0.1μm以下の無定形シリカ粉末を
添加せず、低モル比の珪酸ナトリウムを高モル比の珪酸
ナトリウムに代えるだけでは、セラミックス接着用組成
物は増粘せず、チキソトロピー性も得られなかった。
本発明に用いるセラミックス接着用組成物の結合成分
中に酸化亜鉛、珪フッ化ナトリウム等の硬化剤を外がけ
で16wt%以下添加すると接着強度は若干低下するが実質
上充分な性能のセラミックス接着用組成物が得られる。
結合成分の10〜50重量部に対してセラミックス骨材粉
末を50〜90重量部加える理由は、結合成分が多過ぎると
接着剤の乾燥に伴って生じる収縮が大きくなり接着層中
に亀裂を生じたり、加熱して乾燥する場合には水分の蒸
発によるふくれを生じるため、結果的に強度の低下をも
たらすからである。特に接着層をやや厚くするような場
合にこの傾向が強くなる。またセラミックス骨材粉末の
最大添加量を90重量部としたのは、セラミックス骨材粉
末が90重量部より多いと接着層を形成した時に骨材の間
に気孔が多く残り、結果として接着強度の低下をもたら
すためである。またセラミックス骨材粉末の粒度は100
メッシュより細かいものを用いることにより強度はより
向上し、100メッシュの篩を通した粉末と325メッシュの
篩を通した粉末を混ぜて用いることにより更に強度が向
上する。またセラミックス骨材粉末の利用は接着するセ
ラミックス部材との間の熱膨張率を合わせるのに都合が
良く、熱膨張率を合わせることにより接着体が温度変化
を受けても熱応力の発生によるセラミックス部材間の接
着強度の低下を回避できる。また少々熱膨張率に差のあ
るセラミックス部材間の接着に用いる場合には接着層の
熱膨張率を両者の中間に調整することにより、温度変化
に対して安定した接着強度を獲得でき更に好ましい。な
お、本発明に用いるセラミックス接着用組成物に配合す
る原料中に多少の不純物が含まれていても、接着層の特
性に影響しない量であれば特に問題はなく、原料によっ
ては水ガラスなど水分を含む状態の原料を用いるのは組
成物の分散状態を良くする上で好ましい。
本発明に用いるセラミックス接着組成物は、特に高温
で使用するセラミックスの接着に適したものであり、骨
材にコーディエライトを用いることにより、熱膨張率が
小さく耐熱衝撃性の良いコーディエライトセラミックス
の接着用に適したものとなる。
本発明のセラミックスの接着方法では保水性と同時に
濡れ性の良いセラミックス接着用組成物を用いるので多
孔質のセラミックスの接着にも使用でき、かつ厚さのあ
る接着層が容易に形成できる。また硬化剤を使用しなく
ても耐酸腐食性、耐水性、耐熱性のいずれについてもす
ぐれたセラミックスの接着層が形成できる。
以下実施例により本発明を更に具体的に例示する。
第1表と第2表に示すセラミックス接着用組成物を調
製した。ここにおいてコーディエライト(2MgO・2Al2O3
・5SiO2)骨材およびアルミナ(α−Al2O3)骨材はいず
れも100メッシュの篩を通したものを用い、珪酸ナトリ
ウム2号はNa2O・nSiO2(n=2.35〜2.65)の含有量が3
5〜45wt%の水溶液である水ガラスを使用し、珪酸カリ
ウムはK2O・nSiO2(n≒2)の含有量が40wt%の水溶液
を使用し、珪酸リチウムはLi2O・nSiO2(n≒4.5)の含
有量が22wt%の水溶液を使用した。また硬化剤として用
いた酸化亜鉛(ZnO)、珪フッ化ナトリウム(Na2SiF6
は何れも試薬として市販されている微粉末状のものを用
いた。使用したアエロジル200はフュームドシリカの一
般的な品種であり、アエロジルR974は、フュームドシリ
カをメチル基で疎水化した品種であり、アエロジルCOK8
4は100重量部中に、アルミナを約20重量部含むフューム
ドシリカである。なお、第1表と第2表における結合成
分の配合量は、水分を除いた量で、結合成分とセラミッ
クス骨材との合量を100重量部としてある。
第2表には比較例であるセラミックス接着用組成物が
示してある。比較例の結合成分中に用いた、有機系増粘
剤のメチルセルロースは、信越化学社製のハイメトロー
ズ65SH4000であり、CMCすなわち、カルボキシルメチル
セルロースナトリウム塩(繊維素グルコール酸ナトリウ
ム)は、山陽国策パルプ社製のサンローズAPP84Gであ
り、デンプンは試薬として市販されている微粉末状のも
のである。比較例の結合成分中に用いた無機系増粘剤の
シリカゾルは、触媒化成社製カタロイド−S-30Hであ
り、ホワイトカーボンは、シオノギ製薬社製カープレッ
クス♯80であり、ベントナイトは試薬として市販されて
いる微粉末状のものである。また珪酸ナトリウム3号は
Na2O・nSiO2(n=3〜3.3)を37〜40wt%含む水溶液か
らなる水ガラスであり、珪酸ナトリウム4号はNa2O・nS
iO2(n=3.7〜3.9)を29〜32wt%含む水溶液からなる
水ガラスである。第2表の接着用組成物中のOでは、メ
チルセルロースに水を加えて混合してから、珪酸ナトリ
ウム水溶液およびコーディエライトと混合したが、メチ
ルセルロースと珪酸ナトリウムとが反応して、沈澱を生
じた。また、PでもCMCに水を加えて混合してから、珪
酸ナトリウム水溶液およびコーディエライトと混合した
が、Pの場合は沈澱は生じなかった。Sでは、シリカゾ
ルを添加しても増粘効果は認められなかった。Tではホ
ワイトカーボンは、珪酸ナトリウム水溶液中に懸濁しな
かった。従って第2表の接着剤組成物の中で、押出成形
により、3mm×10mmの断面のテープ状に成形できたもの
は、P,Q,R,X,Yであった。S,T,U,V,Z,αは、テープ状と
なって押出用金型から出たとたんに形が崩れ、Wは、粘
度が高すぎて押出することができなかった。また第1表
の接着用組成物では全て上記のテープ状に成形できた。
第1表の接着用組成物の見掛粘度を押出粘度計で測定し
たところ、剪断速度10sec-1において、Mが最高の106po
ise、HとLが最低の103poiseであった。
第3表には得られた上記形状のテープ状接着用組成物
の成形体を15mmの長さに切断してテープ状の接着剤と
し、コーディエライト質セラミックス(見掛気孔率約40
%のもの)とアルミナ質セラミックス(見掛気孔率約40
%のもの)を被接着体として接着試験を行なった結果を
示す。試験に供した被接着体の寸法は30×15×10mmであ
り、15×10mmの面に15×10×3mmのテープ状成形体をは
さみ、接着面に約1kgの荷重を乗せた状態で1.5時間800
℃に加熱して硬化せしめたものについて夫々そのままの
もの、500℃に加熱した状態から室温の水中に急冷却し
たもの、100℃ pH 1(0.1N)のH2SO4中に3時間浸漬し
たものおよび100℃の沸騰水中に3時間浸漬したものに
ついて夫々4点曲げ強度の測定を行った。夫々の曲げ強
度の値は夫々いずれも10個の測定値の平均値である。ま
たAについては、1.5時間800℃に加熱して硬化せしめた
後、500℃,600℃,700℃の温度下で4点曲げ試験を行な
いその結果を第4表に示した。夫々の曲げ強度の値は夫
々いずれも10個の測定値の平均値である。
Aのセラミックス接着用組成物を用いた接着試験を加
熱硬化の条件として、200℃で1.5時間、600℃で1.5時
間、800℃で1.5時間の3条件で行ったものについて、接
着部分の切断面を光学顕微鏡および電子顕微鏡で観察し
たところ、1.5時間200℃で加熱硬化したものでは、コー
ディエライト粒の粒間にガラスの様な表面を示す組織が
観察され、1.5時間600℃で加熱硬化したものでは、コー
ディエライト粒の粒間の組織中にファイバー状の組織が
観察され、1.5時間800℃で加熱硬化したものでは、この
ファイバー状の組織がコーディエライト粒と融合して、
コーディエライト粒と粒間の組織との境界の区別がつか
なくなっていた。
またAの組成物で第1図に示す形状の多孔質のオーデ
ィエライト質フィルタ板(210×120×8mm)の接着を行
い、パティキュレートトラップ用のフィルタを作成し
た。このフィルタの概略寸法は210×240×540mmであ
り、これをディーゼルエンジンの排気ガスのパティキュ
レートの除去に供試した所、合計試験時間1000時間後に
おいても問題なく使用されており、本発明のセラミック
スの接着方法が耐久性と信頼性が十分なレベルにあるこ
とが実証された。
[発明の効果] 本発明のセラミックス接着方法は、フィルタ中に堆積
するパティキュレートの除去、即ちフィルタの再生が容
易である合わせ目の隙間が約3mmのパティキュレートト
ラップフィルタの接着にセラミックススペーサの使用を
必要とせず性能的にも好適である。セラミックスのスペ
ーサの使用を省略できるためコストダウンを図ることが
できる他、表面に若干の凹凸のあるセラミックスの接着
も問題なく可能となり、更に単純な動作をするロボット
による無人作業化も容易である。また、必要にして十分
な接着強度を有することは勿論、耐水性、耐酸腐食性、
耐熱性等においても従来の接着剤に優るとも劣らない性
能を有しており、特に酸化物系のセラミックス構造用材
料の接着に好適なものであり、この接着用組成物を接着
に用いることによりフィルタ装置は勿論、その他のシス
テム全体の耐久性と信頼性の向上に寄与するのでその工
業上の利用価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のセラミックスの接着方法を応用して試
作したパティキュレートトラップ用のコーディエライト
質セラミックスフィルタの斜視図であり、図において1
はフィルタ板、2はフィルタ板の合せ目に形成された接
着層である。またAはパティキュレートを含むディーゼ
ルエンジンの排気ガスの入口、Bは清浄化された排気ガ
スの出口である。 第2図はフィルタ板の間にセラミックススペーサをはさ
んで接着することにより試作した従来のパティキュレー
トトラップ用のコーディエライト質セラミックスフィル
タの斜視図であり、図において3は薄いコーディエライ
ト板からなるセラミックススペーサである。 第3図は、結晶水の形で25wt%の水分を有する珪酸ナト
リウム粉末(Na2O・nSiO2)53重量部(水分を除くと42.
75重量部となる)にイオン交換水47重量部を加えて混練
して作製した珪酸ナトリウム水溶液150grに粒径0.1μm
以下の無定形シリカ粉末である日本アエロジル社製のア
エロジル200を夫々2g,4g,6g,8gおよび10g加えて混練し
た懸濁溶液の見掛粘度をリオン社製の簡易型粘度計であ
るビスコテスターVT-04を用いて測定した結果である。 第4図は第1表の接着用組成物Aを用いてコーディエラ
イト質の試験片を接着し、種々の温度で加熱硬化させ、
さらに沸騰水に3時間浸漬させた後の接着強度を4点曲
げで測定した結果を示しており、黒丸1点が夫々1個の
試料の強度を示す。 第5図は第1表の接着用組成物Aを用いてコーディエラ
イト質の試験片を接着し、種々の温度で加熱硬化させ、
さらに100℃、pH1のH2SO4溶液に3時間浸漬した後の試
験片の接着強度を4点曲げで測定した結果を示してお
り、黒丸1点が夫々1個の試料の強度を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケイ酸ナトリウムを主成分とするアルカリ
    金属シリケートと粒径0.1μm以下の無定形シリカ粉末
    から主としてなり、水分を除いた量で該アルカリ金属シ
    リケートを80〜95wt%、該無定形シリカ粉末を5〜20wt
    %含む結合成分10〜50重量部に対して、セラミックス骨
    材が50〜90重量部配合された組成物に適当量の水を加
    え、剪断速度10sec-1における粘度が103〜106ポイズの
    ペースト状としたセラミックス接着用組成物を、隣りあ
    うセラミックス部材の合わせ目に、該合わせ目の面間の
    距離が0.5〜5mmとなるように配置し、400〜1200℃に加
    熱して硬化せしめることを特徴とするセラミックスの接
    着方法。
JP1329722A 1989-12-21 1989-12-21 セラミックスの接着方法 Expired - Fee Related JP2734147B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1329722A JP2734147B2 (ja) 1989-12-21 1989-12-21 セラミックスの接着方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1329722A JP2734147B2 (ja) 1989-12-21 1989-12-21 セラミックスの接着方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03192176A JPH03192176A (ja) 1991-08-22
JP2734147B2 true JP2734147B2 (ja) 1998-03-30

Family

ID=18224539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1329722A Expired - Fee Related JP2734147B2 (ja) 1989-12-21 1989-12-21 セラミックスの接着方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2734147B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5506179A (en) * 1993-09-20 1996-04-09 Asahi Glass Company Ltd. Ceramics binder mixture and binding method
JP4532063B2 (ja) * 2002-10-09 2010-08-25 日本碍子株式会社 ハニカム構造体
KR100563366B1 (ko) * 2003-02-20 2006-03-22 삼성코닝 주식회사 무기 접착제 조성물
US20050103232A1 (en) 2003-11-19 2005-05-19 Gadkaree Kishor P. Composition and method for making ceramic filters
WO2007111056A1 (ja) * 2006-03-28 2007-10-04 Ngk Insulators, Ltd. ハニカム構造体及びその製造方法
KR101670173B1 (ko) * 2015-04-14 2016-10-28 한양대학교 산학협력단 메탈 케이스를 이용한 무선 헤드셋 안테나

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS589883A (ja) * 1981-07-07 1983-01-20 東亞合成株式会社 無機接着剤の厚膜硬化方法
EP0295834A1 (en) * 1987-06-16 1988-12-21 Minnesota Mining And Manufacturing Company High temperature resistant inorganic composition
JP2676784B2 (ja) * 1988-05-20 1997-11-17 日産化学工業株式会社 結合剤

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03192176A (ja) 1991-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7745363B2 (en) Geopolymer composites and structures formed therefrom
JP5683452B2 (ja) 耐熱衝撃性セラミックハニカム構造を作製するための改善されたセメントおよびその作製方法
CN100453511C (zh) 蜂窝结构体及密封材料
US20060083935A1 (en) Ceramic composition with silsesquioxane polymer
EP2448674B1 (en) Cement containing multi-modal fibers for making thermal shock resistant ceramic honeycomb structures
CN102811789A (zh) 包括封堵用材料的过滤结构
JP2734147B2 (ja) セラミックスの接着方法
JP2002121085A (ja) コージェライトハニカム構造体及びその製造方法
KR20120095960A (ko) 내열충격성 세라믹 허니컴 구조물 제조를 위한 개선된 시멘트 및 이의 제조방법
CN102471173B (zh) 用于制备胶接的和表皮化的针状莫来石蜂窝结构体的方法
CN113501707B (zh) 废气处理用耐高温陶瓷纤维滤管
JP3238385B2 (ja) ライニング材
JP3953151B2 (ja) セラミックス接着用組成物および接着方法
CN117645494B (zh) 一种拼接泥、拼接型硅结合碳化硅质蜂窝陶瓷及其制备方法与应用
JPH03146477A (ja) セラミックス接着用組成物およびセラミックスの接着方法
JPH03193336A (ja) 耐熱性ハニカム構造体
JP2928126B2 (ja) 繊維質成形体およびそのコーティング方法
JP2715300B2 (ja) セラミックファイバー系断熱性耐火組成物
SU1689348A1 (ru) Способ изготовлени безобжиговых динасокварцитовых изделий
JPH1192215A (ja) コーディエライト質セラミックス焼結体、そのための組成物および製造方法
SU1268537A1 (ru) Композици дл изготовлени кислотостойкого покрыти

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees