JPH03146477A

JPH03146477A - セラミックス接着用組成物およびセラミックスの接着方法

Info

Publication number: JPH03146477A
Application number: JP28177989A
Authority: JP
Inventors: Tetsuaki Natsui; 夏井　徹明
Original assignee: Asahi Glass Co Ltd
Current assignee: AGC Inc
Priority date: 1989-10-31
Filing date: 1989-10-31
Publication date: 1991-06-21

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は水蒸気やＳＯｘなどの酸性物質を含む温度の高
い燃焼廃ガスや、ディーゼルエンジンの排気ガス中で使
用して安定した接着強度を示すセラミックス接着用組成
物とセラミックスの接着方法に関する。

〔従来の技術〕

セラミックスには固有の特徴として耐熱性、耐腐食性が
あり、古くから磁器や煉瓦として利用されている。近年
においては、特に省エネルギーや公害防止技術の開発に
有用な材料として構造材料用セラミックスの利用が試み
られているが、セラミックスで複雑な形状を作ることが
容易でないことから、接着剤で接合したいという強い要
求がある。

例えば特に強度を必要としない煉瓦の目地材としてセメ
ントモルタルなどが使われているが、構造材料用には不
適であり、高温における強度はもちろん、耐腐食性や耐
久性、信頼性が要求されるようになった。

この目的のために、現在種々のセラミックス用接着剤が
開発され、市販もされているが、耐腐食性、耐久性、信
頼性については今のところ検討が不十分であり開発の余
地が多く残されているのが現状である。

無機質の接着材に関しては、工業材料　第２９巻（昭和
５６年）３月号第８５〜９１頁に代表的な無機接着剤で
あるシリケート（珪酸塩）系とホスフェート（燐酸塩）
系についての解説がある。

即ち、接着剤は通常、結合材、硬化剤と骨材のほかに必
要に応じて顔料、分散安定剤を加えて構成され、結合剤
には、アルカリ金属シリケート、コロイダルシリカ、ア
ルキルシリケート、酸性金属ホスフェートなどがある。

アルカリ金属シリケートには更に珪酸ナトリウム、珪酸
カリウム、珪酸リチウムなどがあり、この系の接着剤に
あっては珪酸塩のモノマーおよびポリマーが水に溶解ま
たは分散しており、接着力はシラノール基の脱水縮合に
より発現し、接着剤の接着強度や耐水性はアルカリ金属
の種類、５ｉＯｉ／ＲｔＯのモル比などによって変化す
るとしている。また、アルカリ金属シリケートの硬化剤
としては、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化
物、水酸化マグネシウムなどの水酸化物、珪フッ化ナト
リウムなどの珪フッ化物、燐酸塩化合物、はう酸塩化合
物などが使用でき、化学的反応および物理的作用で低温
硬化、耐水性向上などの効果をもたらし、無機接着剤の
もう一つの主要成分である骨材は骨材粒子の形状、粒径
とともに接着層の耐熱性、接着強度、耐水性、熱膨張率
などに影響すると述べており、東亜合成化学工業（株）
製の無機接着剤であるアロンセラミックについてその特
性を説明している。

また特開昭５８−９８８３には、水溶性または水分散性
である珪酸リチウムやシリカゾルなどに耐熱性の骨材で
あるアルミナなどを混ぜ、必要に応じて、硬化剤を加え
た無機接着剤をガラス繊維などの無機繊維とともに用い
ることにより、厚さのある接着層を発泡などのトラブル
なく形成できることが示されている。

本発明者はディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれる
カーボンを主成分とする微粒子（パティキュレート）を
除去するパティキュレートトラップをコーディエライト
のセラミックス製フィルタを用いて実現するため、セラ
ミックス製フィルタ板の接着に種々の接着剤の利用を試
みた。しかしながら既存の無機接着剤では、初期の強度
は得られても排気ガスを長時間流すと接着層の強度が劣
化して、満足な耐腐食性あるいは耐久性を得ることがで
きなかった。

［発明の解決しようとする問題点］本発明者は耐久性と信頼性のあるセラミックス製パーテ
ィキュレートトラップを実現するために不可欠な、強度
、耐熱衝撃性、耐水蒸気性および耐酸性を有し、耐久性
と信頼性のあるセラミックス接着用組成物とセラミック
スの接着方法の開発を行った。

［発明の構成］本発明は前述の問題点を解決すべく成されたものであり
、本発明のセラミックス接着用組成物は、主として珪酸
ナトリウムと珪酸リチウムおよび酸化亜鉛の三成分から
なり、珪酸ナトリウム（Ｎａ、０・ｎＳｉＯ２）を０．
５ｗｔ％以上、珪酸リチウム（ＬｉａＯ−ｎＳｉＯｉ）
を０．５ｗｔ％以上、酸化亜鉛（ＺｎＯ）を０．５〜４
０ｗｔ％含み、珪酸ナトリウムと珪酸リチウムの合量が
６０〜９９．５ｗｔ％である結合成分２０〜５０重量部
に対してセラミックス骨材粉末を５０〜８０重量部配合
されたことを特徴とする。

本発明のセラミックス接着用組成物の好ましい態様では
、結合成分中の珪酸ナトリウムが３０ｗｔ％以上、珪酸
リチウムが８ｗｔ％以上、酸化亜鉛が３〜３０ｗｔ％で
あり、珪酸ナトリウムと珪酸リチウムの合量が７０〜９
７ｗｔ％である。

本発明のセラミックス接着用組成物の他の好ましい態様
では、セラミックス接着用組成物に、更に適当量の水ま
たは有機質の増粘剤を含む水を加え、粘度が２〜７ポイ
ズのペースト状とされている。

本発明のセラミックス接着用組成物の他の好ましい態様
では、配合する骨材の粒度が１００メツシュより細かい
ものである。

本発明のセラミックス接着用組成物の他の好ましい態様
では、セラミックス骨材粉末がコーディエライトである
。

本発明のセラミックスの接着方法は、隣りあうセラミッ
クス部材の合わせ目に、主として珪酸ナトリウムと珪酸
リチウムおよび酸化亜鉛の三成分からなり、珪酸ナトリ
ウム（ＮａｉＯ−ｎＳｉＯｉ）を０．５ｗｔ％以上、珪
酸リチウＡ　（ＬｉｉＯ−ｎＳｉＯ−を０．５ｗｔ％以
上、酸化亜鉛（ＺｎＯ）を０．５〜４０ｗｔ％含み、珪
酸ナトリウムと珪酸リチウムの合量が６０〜９９．５ｗ
ｔ％である結合成分２０〜５０重量部に対してセラミッ
クス骨材粉末を５０〜８０ｆｉ３１部配合されたセラミ
ックス接着用組成物を配置し、４００〜１２００℃で加
熱して硬化せしめることを特徴とする。

本発明のセラミックスの接着方法の好ましい態様では、
隣りあうセラミックス部材の間に薄いセラミックス板を
おいて隣り合うセラミックス部材を間接的に接着する。

本発明のセラミックスの接着方法の他の好ましい態様で
は、セラミックス骨材粉末と隣りあうセラミックス部材
及ｈｋｋ’セラミックス板がいずれもコーディエライト
賀である。

本発明のセラミックスの接着方法の他の好ましい態様で
は、隣りあうセラミックス部材が多孔質コーディエライ
トのフィルタ材である。

本発明のセラミックス接着用組成物において、結合成分
中に含まれる珪酸ナトリウムと珪酸リチウムは夫々Ｎａ
ｎｏ・ｎ５ｉＯ＝、ＬｉｘＯ−ｎＳｉＯｘの化学式で表
わされるものであり、好ましくはｎ＞２のものを使用し
、ｎが大きいほど耐水性が向上するので好ましい。これ
等珪酸ナトリウムと珪酸リチウムは結合強度を得るため
の主成分であると同時に、その双方を用いることにより
接着剤の保水性、接着層の対沸騰水性および耐酸腐食性
を向上せしめる効果がある。共存の効果を得るには結合
成分中に夫々０．５ｗｔ％以上含まれることが必要であ
る。

また、更に珪酸ナトリウムを３０ｗｔ％以上、珪１１Ｊ
チウムを８ｗｔ％以上配合することによりこれ等の特性
を更に向上せしめることができて好ましい。

また、硬化剤として種々ある中で、酸化亜鉛は接着剤の
保水性、接着層の耐沸騰水性および耐酸腐食性の向上に
効果があるため選ばれたものであり、硬化剤としての効
果の他、上記各種の特性向上を得るためには０．５ｗｔ
％以上添加することが必要である。また、酸化亜鉛の添
加量の上限を４０ｗｔ％としたのは、これより多く加え
ると接着強度の低下傾向を示すためである。

また、これ等の特性を向上せしめるのに、更に好ましい
酸化亜鉛の配合割合は３〜３０ｗｔ％である。

結合成分を２０〜５０重量部とし、これにセラミックス
骨材粉末を５０〜８０重量部加える理由は、結合成分が
多過ぎると接着剤の乾燥硬化に伴う収縮が大きくなり接
着層中に欠陥を生じ、結果的に強度の低下をもたらすた
めであり、特に接着層がやや厚くなるような場合にこの
傾向が強い、保水性があることは、接着剤をセラミック
ス部材に塗布後の可使時間が長くなることと、気孔率の
大きいセラミックス部材の接着にも使用し易くなるとい
う意味がある。

また、セラミックス骨材粉末の最大添加量を８０重量部
としたのは、セラミックス骨材粉末が８０重量部より多
いと、接着層を形成した時に骨材の間に気孔が生じ、結
果として接着強度の低下をもたらすためである。またセ
ラミックス骨材粉末の粒度は１００メツシュより細かく
することにより強度が向上し、特にコーディエライトセ
ラミックスの接着の際にはコーディエライトの骨材粉末
を用い、かつ１００メツシュの篩を通した粉末と　３２
５メツシュより細かい粉末を混ぜて用いることにより更
に強度が向上する。

セラミックス骨材粉末の利用は接着するセラミックス部
材との間の熱膨張率を合わせるのに都合が良く、熱膨張
率を合わせることにより温度変化を受けてもセラミック
ス部材間の接着強度が低下しないようにできる。

また、少々熱膨張率に差のあるセラミックス部材間の接
着に用いる場合には、接着層の熱膨張率を両者の中間に
調整することにより温度変化に対して安定した接着強度
を確保でき、更に好ましい。

尚、本発明のセラミックス接着用組成物に配合する原料
中に多少の不純物が含まれていても、接着層の特性に影
響しないので、特に問題はなく、原料によっては水ガラ
スなど水分を含む状態の原料を用いることは組成物の分
散状態を良くする上で好ましい。

本卑明のセラミックス接着用組成物は、ペースト袂のも
のとして使うと塗布するのに便利であり、このため水又
は有機質の増粘剤を含む水を加えて、２〜７ポイズに調
整するのが好ましい。

この場合粘度が小さいとたれ落ち易くなり、粘度が大き
過ぎると塗布時に延びが悪く、小さい隙間へ侵入しにく
くなり、接着強度低下の原因となる。

本発明のセラミックス接着用組成物は、特に高温で接着
体を使用するのに適したものであり、熱膨張率が小さく
耐熱衝撃性の良いコーディエライトセラミックスの接着
用に特に適している。この場合にはセラミックス骨材粉
末として、接着層の熱膨張率を被接着物と合わせるため
、コーディエライト粉末を用いることが好ましい。

本発明のセラミックスの接着方法においては、硬化剤が
配合されているので、ペースト状のものを乾燥すること
で成る程度の接着強度を得ることが出来るが、接着強度
、耐水性、耐腐食性などを向上させるため、ペーストを
用いた場合には乾燥させた後に、４００℃以上で加熱し
て硬化せしめる必要がある。加熱温度は一般に高温にし
た方が耐腐食性等の特性が良くなるが、余り高温で加熱
すると結合成分とセラミックス骨材成分との間の反応が
起き、結晶状態に変化が生じたりして接着強度が低下す
るので最高１２００℃とするのが良い。

また隣りあうセラミックス部材間に薄いセラミックス板
をはさむように配置することにょリ、セラミックス部材
間に薄い隙間を形成することができる他、熱膨張率に少
々差のあるセラミック部材を接着する場合には、薄いセ
ラミックス板の熱膨弓長率を両者の中間の熱膨張率を有
するものとすることにより、温度変化に対して安定な接
着強度が得られるので好ましい。

本発明のセラミックスの接着方法では、保水性のあるセ
ラミックス接着用組成物を用いるので、多孔質のセラミ
ックの接着にも使用し易いものである。

［実施例］以下実施例により本発明のセラミック接着用組成物およ
びセラミックスの接着方法を更に具体的に例示する。

第１表に示すセラミックス接着用組成物を調整した。こ
こにおいてコーディエライト（２ＭｇＯ・２ＡＬｚＯｓ
・５ＳＬ（ｈ）骨材およびアルミナ（α−Ａｌｉａｓ　
）骨材はいずれも　１００メツシュの篩を通したものを
用い、珪酸ナトリウムは３０〜６０ｗｔ％の水溶液であ
る水硝子（Ｎａ＊０・ｎ５ｉＯ＊、　ｎ＝２．３５〜２
．６５）を使用し、珪酸リチウムは２２ｗｔ％の水溶液
（ＬｉｘＯ−ｎｓｉＯ＊、　ｎ４４．５　）を使用した
。

また硬化剤として用いた酸化亜鉛（ＺｎＯ）　、珪フッ
化ナトリウム（Ｎａ＊５ｉＦｓ）、酸化マグネシウム（
Ｍｇ０）　、珪酸カリウム（ＫｓＯ−ｎＳｉＯ２）は何
れも試薬として市販されている微粉末状のものを用いた
。

第１表において、Ａ−Ｈは本発明の実施例であり、工〜
Ｐは比較例である。

これ等の組成物に更に水を加え、粘度を剪断速度ｆ　４
４６　（ｓｅｃ−’）において４〜６　Ｐｏ１ｓｅにな
るよう調整したペーストとした。

第２表にはこのセラミックス接着用組成物を用い、コー
ディエライト質セラミックス（見掛気孔率約４０％のも
の）とアルミナ質セラミックス（見掛気孔率約４０％の
もの）を被接着体として接着試験を行なった結果を示す
、但し被接着体の寸法は３０Ｘ　１５Ｘ　１０ｍｍであ
り、１５Ｘ　１０ｍｍの面に接着剤ペーストを塗布し、
６００℃で１．５時間加熱して硬化せしめたものについ
て夫々そのままのもの、５００℃に加熱した状態から室
温の水中に急冷却したもの、ｐＨ１（０，ＩＮ）で１０
０℃のＨ，ＳＯ，中に３時間浸漬したものおよび沸騰水
中に３時間浸漬したものについて４点曲げ強度の測定を
行った。夫々の曲げ強度の値は各１０個の曲げ強度の平
均値である。

第１表のＡのセラミックス接着用組成物を用い、被接着
体として２個のフィルタ用多孔質コーディエライトセラ
ミックス（気孔率約４０％、平均気孔径的１５μ）の３
０Ｘ　１５Ｘ　１０ｍｍのサンプルの１５Ｘ　１０ｍｍ
の面に接着剤ペーストを塗布し、この間に１．５Ｘ　１
５Ｘ　１０ｍｍの薄いコーディエライトセラミックス板
（見掛は気孔率約４０％）をはさんで乾燥後３００℃と
６００℃で１．５時間加熱して硬化せしめた。

この接着試料について前記と同様の処理と４点曲げ強度
試験を行い、第２表のＡ、Ａ”で示したような曲げ強度
測定値を得た。

またＡ″の条件で第１図に示す多孔質コーディエライト
製フィルタエレメント（２１０Ｘ１２０Ｘ８）の接着を
行い、パティキュレートトラップのフィルタを作成した
。フィルタの概略寸法は２１０Ｘ　２４０　Ｘ　５４０
ｍｍのもので、これをディーゼルエンジン排気ガスのパ
ティキュレートの除去に供試した所、市販の接着剤では
部分的剥離の問題が生じたのに対し、現在までの合計試
験時間１０００時間後において、問題のない試運転が続
いており、耐久性と信頼性の向上が認められた。

［発明の効果］本発明のセラミックス接着用組成物は、セラミックス用
接着剤として用いる時、充分な接着強度を示すことは勿
論、耐沸騰性、耐酸腐食性、耐久性等において従来の接
着剤より優れた性能を示すものであり、特に酸化物系の
セラミックス構造材料の接着用に用いフィルタ装置など
、システム全体の耐久性と信頼性の向上に寄与するので
その工業上の利用価値は多大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のセラミックス接着用組成物とセラミッ
クスの接着方法を応用して試作したパティキュレートト
ラップ用のコーディエライト質セラミックスフィルタの
傾斜図であり、図において１はフィルタ、２は板状フィ
ルタエレメント、３は薄いコーディエライト板をはさん
で接着された接着層である。また、Ａはパティキュレー
トを含むエンジン排気ガスの入口、Ｂは清浄化された排
気ガスの出口である。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）主として珪酸ナトリウムと珪酸リチウムおよび酸
化亜鉛の三成分からなり、珪酸ナトリウム（Ｎａ＿２Ｏ
・ｎＳｉＯ＿２）を０．５ｗｔ％以上、珪酸リチウム（
Ｌｉ＿２Ｏ・ｎＳｉＯ＿２）を０．５ｗｔ％以上、酸化
亜鉛（ＺｎＯ）を０．５〜４０ｗｔ％含み、珪酸ナトリ
ウムと珪酸リチウムの合量が６０〜９９．５ｗｔ％であ
る結合成分２０〜５０重量部に対してセラミックス骨材
粉末を５０〜８０重量部配合されたことを特徴とするセ
ラミックス接着用組成物。
（２）請求項１において、結合成分中の珪酸ナトリウム
が３０ｗｔ％以上、珪酸リチウムが８ｗｔ％以上、酸化
亜鉛が３〜３０ｗｔ％であり、珪酸ナトリウムと珪酸リ
チウムの合量が７０〜９７ｗｔ％であるセラミックス接
着用組成物。
（３）請求項１または２において、セラミックス接着用
組成物に、更に適当量の水または有機質の増粘剤を含む
水を加え、粘度が２〜７ポイズのペースト状とされたセ
ラミックス接着用組成物。
（４）請求項１〜３のいずれか一つにおいて、配合する
骨材の粒度が１００メッシュより細かいものであるセラ
ミックス接着用組成物。
（５）請求項１〜４のいずれか一つにおいて、セラミッ
クス骨材粉末がコーディエライトであるセラミックス接
着用組成物。
（６）隣りあうセラミックス部材の合わせ目に、主とし
て珪酸ナトリウムと珪酸リチウムおよび酸化亜鉛の三成
分からなり、珪酸ナトリウム（Ｎａ＿２Ｏ・ｎＳｉＯ＿
２）を０．５ｗｔ％以上、珪酸リチウム（Ｌｉ＿２Ｏ・
ｎＳｉＯ＿２）を０．５ｗｔ％以上、酸化亜鉛を０．５
〜３０ｗｔ％含み、珪酸ナトリウムと珪酸リチウムの合
量が６０〜９９．５ｗｔ％である結合成分２０〜５０重
量部に対してセラミックス骨材粉末を５０〜８０重量部
配合されたセラミックス接着用組成物を配置し、４００
〜１２００℃で加熱して硬化せしめることを特徴とする
セラミックスの接着方法。
（７）請求項６において、隣りあうセラミックス部材の
間に薄いセラミックス板をおいて、隣り合うセラミック
ス部材を間接的に接着するセラミックスの接着方法。
（８）請求項７において、セラミックス骨材粉末、隣り
あうセラミックス部材及び薄いセラミックス板がいずれ
もコーディエライト質であるセラミックスの接着方法。
（９）請求項８において、隣りあうセラミックス部材が
多孔質コーディエライトのフィルタ材であるセラミック
スの接着方法。