JP2733023B2 - スカベンジャー受容体のリガンド取り込みを阻害するペプチド化合物 - Google Patents
スカベンジャー受容体のリガンド取り込みを阻害するペプチド化合物Info
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- JP2733023B2 JP2733023B2 JP22323894A JP22323894A JP2733023B2 JP 2733023 B2 JP2733023 B2 JP 2733023B2 JP 22323894 A JP22323894 A JP 22323894A JP 22323894 A JP22323894 A JP 22323894A JP 2733023 B2 JP2733023 B2 JP 2733023B2
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- Japan
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- peptide
- apo
- receptor
- leu
- amino acid
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Description
【0001】本発明は、マクロファージスカベンジャー
受容体による、修飾された低密度リポ蛋白質(修飾LD
L)の取り込みを阻害するペプチドに関する。かかるペ
プチドは、動脈硬化発症の抑制に有用である。
受容体による、修飾された低密度リポ蛋白質(修飾LD
L)の取り込みを阻害するペプチドに関する。かかるペ
プチドは、動脈硬化発症の抑制に有用である。
【0002】動脈硬化の発症は、血液中のコレステロー
ル値と正の相関関係があるため、この値を下げるための
薬物の開発が盛んに行われて来た。その主なものは、コ
レステロールの生体内合成を阻害する薬物(例えばコン
パクチン、メバロチン)および腸管からのコレステロー
ルの吸収を阻害する薬物(例えばコレスチラミン、コレ
スチポール)などである。この他に、血中の低密度リポ
蛋白質(LDL)値は下げないが、LDLの酸化を抑制
することで動脈硬化を防止する薬物(例えばプロブコー
ル)も既に実用化されている。
ル値と正の相関関係があるため、この値を下げるための
薬物の開発が盛んに行われて来た。その主なものは、コ
レステロールの生体内合成を阻害する薬物(例えばコン
パクチン、メバロチン)および腸管からのコレステロー
ルの吸収を阻害する薬物(例えばコレスチラミン、コレ
スチポール)などである。この他に、血中の低密度リポ
蛋白質(LDL)値は下げないが、LDLの酸化を抑制
することで動脈硬化を防止する薬物(例えばプロブコー
ル)も既に実用化されている。
【0003】一方、動脈硬化の初期病変では、アセチル
化低密度リポ蛋白質(AcLDL)などの修飾LDLを
取り込んで泡沫化をおこしたマクロファージがみられる
ことにより、マクロファージ内でのコレステロールの蓄
積を防止する薬物の開発が試みられており、アシルCo
Aコレステロールアシルトランスフェラーゼを阻害する
薬物が有用であると考えられている(Brown,
M.S.ら、Ann.Rev. Biochem. 5
2, 223−261 (1983))。しかしなが
ら、マクロファージの修飾LDL取り込み自体を抑制す
る薬物は全く知られていない。
化低密度リポ蛋白質(AcLDL)などの修飾LDLを
取り込んで泡沫化をおこしたマクロファージがみられる
ことにより、マクロファージ内でのコレステロールの蓄
積を防止する薬物の開発が試みられており、アシルCo
Aコレステロールアシルトランスフェラーゼを阻害する
薬物が有用であると考えられている(Brown,
M.S.ら、Ann.Rev. Biochem. 5
2, 223−261 (1983))。しかしなが
ら、マクロファージの修飾LDL取り込み自体を抑制す
る薬物は全く知られていない。
【0004】マクロファージの細胞表面には、マクロフ
ァージスカベンジャー受容体が存在する。この受容体
は、マクロファージ系細胞に特異的に発現される分子量
約70Kの膜蛋白質で、3量体を形成することによりそ
の機能を発揮し、受容体依存エンドサイト−シスと呼ば
れる現象(Goldstein, J.L.ら、An
n. Rev. Cell Biology, 1,
1−39 (1985))により、AcLDLの様な修
飾LDLを細胞内に取り込む。この修飾LDLの過剰の
取り込みは、マクロファージ中にコレステロールを蓄積
させる結果となり、動脈硬化症の発症へと発展してい
く。
ァージスカベンジャー受容体が存在する。この受容体
は、マクロファージ系細胞に特異的に発現される分子量
約70Kの膜蛋白質で、3量体を形成することによりそ
の機能を発揮し、受容体依存エンドサイト−シスと呼ば
れる現象(Goldstein, J.L.ら、An
n. Rev. Cell Biology, 1,
1−39 (1985))により、AcLDLの様な修
飾LDLを細胞内に取り込む。この修飾LDLの過剰の
取り込みは、マクロファージ中にコレステロールを蓄積
させる結果となり、動脈硬化症の発症へと発展してい
く。
【0005】本発明者らは、ある特性を有するペプチド
群が、マクロファージスカベンジャー受容体による修飾
LDLの取り込みを阻害する事実を見い出し、本発明を
完成するに至ったものである。
群が、マクロファージスカベンジャー受容体による修飾
LDLの取り込みを阻害する事実を見い出し、本発明を
完成するに至ったものである。
【0006】以下、本発明をより詳細に説明する。本発
明者らは、マクロファージスカベンジャー受容体による
修飾LDLの取り込みを阻害するには、この受容体のリ
ガンド結合領域に結合して修飾LDLの受容体への結合
を阻止する薬物を開発するのが望ましいと考え、受容体
のリガンド結合領域のアミノ酸配列(Doi, T.,
ら、 J. Biol. Chem. 268, 21
26−2133, (1993))および立体構造を検
討し、受容体と相互作用が可能なアミノ酸配列は、以下
の条件を満たしていることが必要であると考えた。即
ち、受容体と相互作用し得るペプチドのアミノ酸配列
は: 1)LDL分子表面あるいはその近傍にある、全体とし
て親水性に富むアミノ酸配列であること、 2)受容体上のリジンクラスター(リジン残基の集ま
り)と静電的相互作用をおこすため、負電荷を有するア
スパラギン酸あるいはグルタミン酸に富んだ配列である
こと、 3)アセチル化及び酸化効果によって、より強い静電的
相互作用による結合および認識をおこすため、リジン残
基が存在する配列であること、 4)コラーゲン状の構造を有する受容体に相互作用する
コイル状の形状を持つため、5残基程度に一つのプロリ
ンが位置する繰り返し配列があること、および 5)より具体的には、[−(疎水性残基)−(親水性残
基)−(疎水性残基)−(Pro)−(親水性残基)
−]nの繰り返し配列があること、である。
明者らは、マクロファージスカベンジャー受容体による
修飾LDLの取り込みを阻害するには、この受容体のリ
ガンド結合領域に結合して修飾LDLの受容体への結合
を阻止する薬物を開発するのが望ましいと考え、受容体
のリガンド結合領域のアミノ酸配列(Doi, T.,
ら、 J. Biol. Chem. 268, 21
26−2133, (1993))および立体構造を検
討し、受容体と相互作用が可能なアミノ酸配列は、以下
の条件を満たしていることが必要であると考えた。即
ち、受容体と相互作用し得るペプチドのアミノ酸配列
は: 1)LDL分子表面あるいはその近傍にある、全体とし
て親水性に富むアミノ酸配列であること、 2)受容体上のリジンクラスター(リジン残基の集ま
り)と静電的相互作用をおこすため、負電荷を有するア
スパラギン酸あるいはグルタミン酸に富んだ配列である
こと、 3)アセチル化及び酸化効果によって、より強い静電的
相互作用による結合および認識をおこすため、リジン残
基が存在する配列であること、 4)コラーゲン状の構造を有する受容体に相互作用する
コイル状の形状を持つため、5残基程度に一つのプロリ
ンが位置する繰り返し配列があること、および 5)より具体的には、[−(疎水性残基)−(親水性残
基)−(疎水性残基)−(Pro)−(親水性残基)
−]nの繰り返し配列があること、である。
【0007】アポリポタンパク質がスカベンジャー受容
体に結合することから、以上の条件を満たすアミノ酸配
列を有するペプチドおよびそのアセチル誘導体を、アポ
リポ蛋白質の配列を参考にして製造し、それらのリガン
ド取り込み阻害活性をデグラデーションアッセイを行う
ことにより確かめた。このアッセイは、125Iで標識さ
れたアセチル化LDL等のリガンドを用い、これの受容
体を介した細胞への取り込みを調べるアッセイであり、
取り込まれたリガンドは細胞内で分解を受け、125Iチ
ロシンとして細胞外に分泌されるが、このカウントを測
定するものである(Goldstein, J.L.
ら、 Methods Enzymol.98, 24
1−260 (1983))。その結果、以下のアミノ
酸配列を有する2種のペプチド(APO−1およびAP
O−2)のアセチル誘導体(AcAPO−1およびAc
APO−2)が、スカベンジャー受容体のリガンド結合
を阻害することを見い出した。 APO-1: Pro Asp Phe Ile Val Pro Leu Thr Asp Leu Arg Ile Pro Ser Val Gln Ile Asn Phe Lys Asp Leu Lys Asn Ile Lys Ile Pro Ser Arg Phe Ser Thr Pro Glu Phe APO-2: Ser Asp Val Arg Val Pro Ser Tyr Thr Leu Ile Leu Pro Ser Leu Glu Leu Pro Val Leu His Val Pro Arg Asn Leu Lys Leu Ser Leu Pro His Phe Lys Glu Leu
体に結合することから、以上の条件を満たすアミノ酸配
列を有するペプチドおよびそのアセチル誘導体を、アポ
リポ蛋白質の配列を参考にして製造し、それらのリガン
ド取り込み阻害活性をデグラデーションアッセイを行う
ことにより確かめた。このアッセイは、125Iで標識さ
れたアセチル化LDL等のリガンドを用い、これの受容
体を介した細胞への取り込みを調べるアッセイであり、
取り込まれたリガンドは細胞内で分解を受け、125Iチ
ロシンとして細胞外に分泌されるが、このカウントを測
定するものである(Goldstein, J.L.
ら、 Methods Enzymol.98, 24
1−260 (1983))。その結果、以下のアミノ
酸配列を有する2種のペプチド(APO−1およびAP
O−2)のアセチル誘導体(AcAPO−1およびAc
APO−2)が、スカベンジャー受容体のリガンド結合
を阻害することを見い出した。 APO-1: Pro Asp Phe Ile Val Pro Leu Thr Asp Leu Arg Ile Pro Ser Val Gln Ile Asn Phe Lys Asp Leu Lys Asn Ile Lys Ile Pro Ser Arg Phe Ser Thr Pro Glu Phe APO-2: Ser Asp Val Arg Val Pro Ser Tyr Thr Leu Ile Leu Pro Ser Leu Glu Leu Pro Val Leu His Val Pro Arg Asn Leu Lys Leu Ser Leu Pro His Phe Lys Glu Leu
【0008】以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0009】実施例1 1)ペプチド合成 ペプチドの合成は、アプライド・バイオシステムズ製ペ
プチド自動合成機モデル430Aを用いて、使用説明書
に従いFmoc法で行った。樹脂0.25mmol、保
護アミノ酸1mmolを用い縮合を行った。合成終了
後、ペプチドの結合している樹脂を合成機よりはずし、
この樹脂30mgを反応容器に移した。ここにトリフル
オロ酢酸混液(APO−1の場合:95%トリフルオロ
酢酸と5%チオアニソール、APO−2の場合:93%
トリフルオロ酢酸と7%のエタンジチオール:アニソー
ル:エチルメチルスルフィド=1:3:3混合物)を
0.3ml加えて90分間放置し、樹脂からペプチドを
切り離した。反応容器にエーテル1.2mlを加えて遠
心した後、上清を除き、さらにエーテルを加えて遠心す
る操作を3回繰り返した。沈澱した樹脂とペプチドを乾
燥させた後、ペプチドのみを30%酢酸水溶液に溶解し
た。これを、C−18逆相カラムクロマトグラフィーに
かけ、目的のペプチドの精製を行った。溶出には、0.
1%トリフルオロ酢酸水溶液にアセトニトリルを加えた
溶媒を用いた。精製したペプチドは、アミノ酸組成分
析、質量分析を行い、そのペプチドが目的のペプチドで
あることを確認した。この様にしてペプチドAPO−1
およびAPO−2を合成した。得られたペプチドの質量
分析およびアミノ酸分析の結果を以下に示す(尚、アミ
ノ酸分析に於けるアミノ酸は一文字表示で表した)。 APO-1: 質量分析 4185.0 アミノ酸分析: D 5.8 (5); T 1.9 (2); S 1.9 (3); E
2.3 (2); V 2.1 (2);I 4.4 (5); L 3.2 (3); F 4.0
(4); K 2.9 (3); R 1.6 (2);P 5.4 (5) (平均回収率98
%) APO-2: 質量分析 4121.0 アミノ酸分析: D 2.4 (2); T 0.9 (1); S 3.1 (4); E
2.3 (2); V 3.9 (4);I 0.8 (1); L 8.9 (9); Y 0.9
(1); F 1.0 (1); H 1.7 (2);K 2.3 (2); R 1.5 (2); P
5.5 (5) (平均回収率99%)
プチド自動合成機モデル430Aを用いて、使用説明書
に従いFmoc法で行った。樹脂0.25mmol、保
護アミノ酸1mmolを用い縮合を行った。合成終了
後、ペプチドの結合している樹脂を合成機よりはずし、
この樹脂30mgを反応容器に移した。ここにトリフル
オロ酢酸混液(APO−1の場合:95%トリフルオロ
酢酸と5%チオアニソール、APO−2の場合:93%
トリフルオロ酢酸と7%のエタンジチオール:アニソー
ル:エチルメチルスルフィド=1:3:3混合物)を
0.3ml加えて90分間放置し、樹脂からペプチドを
切り離した。反応容器にエーテル1.2mlを加えて遠
心した後、上清を除き、さらにエーテルを加えて遠心す
る操作を3回繰り返した。沈澱した樹脂とペプチドを乾
燥させた後、ペプチドのみを30%酢酸水溶液に溶解し
た。これを、C−18逆相カラムクロマトグラフィーに
かけ、目的のペプチドの精製を行った。溶出には、0.
1%トリフルオロ酢酸水溶液にアセトニトリルを加えた
溶媒を用いた。精製したペプチドは、アミノ酸組成分
析、質量分析を行い、そのペプチドが目的のペプチドで
あることを確認した。この様にしてペプチドAPO−1
およびAPO−2を合成した。得られたペプチドの質量
分析およびアミノ酸分析の結果を以下に示す(尚、アミ
ノ酸分析に於けるアミノ酸は一文字表示で表した)。 APO-1: 質量分析 4185.0 アミノ酸分析: D 5.8 (5); T 1.9 (2); S 1.9 (3); E
2.3 (2); V 2.1 (2);I 4.4 (5); L 3.2 (3); F 4.0
(4); K 2.9 (3); R 1.6 (2);P 5.4 (5) (平均回収率98
%) APO-2: 質量分析 4121.0 アミノ酸分析: D 2.4 (2); T 0.9 (1); S 3.1 (4); E
2.3 (2); V 3.9 (4);I 0.8 (1); L 8.9 (9); Y 0.9
(1); F 1.0 (1); H 1.7 (2);K 2.3 (2); R 1.5 (2); P
5.5 (5) (平均回収率99%)
【0010】2)アセチル化 APO−1およびAPO−2のアセチル化は、次のよう
にして行った。乾燥したペプチドに、0.5mlの飽和
酢酸ナトリウム水溶液と0.5mlの水を加えてペプチ
ドを溶解した後、0℃に冷却した。氷上で撹拌しなが
ら、ここに無水酢酸1μlを10分間隔で5回加えた。
さらに30分間冷却撹拌を続け、反応を完結させた。こ
の様にしてAcAPO−1およびAcAPO−2を得
た。いずれのペプチドに於いても、リジン残基の側鎖の
アミノ基がアセチル化されたことは、アミノ基の定性反
応を行い、アセチル化後に定性反応がマイナスになるこ
とにより確認した。
にして行った。乾燥したペプチドに、0.5mlの飽和
酢酸ナトリウム水溶液と0.5mlの水を加えてペプチ
ドを溶解した後、0℃に冷却した。氷上で撹拌しなが
ら、ここに無水酢酸1μlを10分間隔で5回加えた。
さらに30分間冷却撹拌を続け、反応を完結させた。こ
の様にしてAcAPO−1およびAcAPO−2を得
た。いずれのペプチドに於いても、リジン残基の側鎖の
アミノ基がアセチル化されたことは、アミノ基の定性反
応を行い、アセチル化後に定性反応がマイナスになるこ
とにより確認した。
【0011】実施例2 合成ペプチドの、スカベンジャー受容体によるAcLD
Lの取り込み阻害活性1)スカベンジャー受容体発現細
胞の調整 プラスミドpcDNA1(フナコシIVー4902ー0
1)(フナコシ(株)より入手可能)に、ウシ由来のス
カベンジャー受容体のcDNAを組み込んだプラスミド
pXSR7(作成法はThe Journal of
Biological Chemistry Vol.
268 No.3 p.p.2126−2133,19
93に記載されている)をサル由来の細胞、COS細胞
(大日本製薬(株)より入手可能)にDEAEデキスト
ラン法を用いて導入した(Sussman,D.J.
ら、Mol.Cell.Biol.4 1641−16
43,1984)(細胞数1×105あたり1μgのプ
ラスミドを使用)。導入後、2日又は3日目にこの細胞
をデグラデーションアッセイに用いた。
Lの取り込み阻害活性1)スカベンジャー受容体発現細
胞の調整 プラスミドpcDNA1(フナコシIVー4902ー0
1)(フナコシ(株)より入手可能)に、ウシ由来のス
カベンジャー受容体のcDNAを組み込んだプラスミド
pXSR7(作成法はThe Journal of
Biological Chemistry Vol.
268 No.3 p.p.2126−2133,19
93に記載されている)をサル由来の細胞、COS細胞
(大日本製薬(株)より入手可能)にDEAEデキスト
ラン法を用いて導入した(Sussman,D.J.
ら、Mol.Cell.Biol.4 1641−16
43,1984)(細胞数1×105あたり1μgのプ
ラスミドを使用)。導入後、2日又は3日目にこの細胞
をデグラデーションアッセイに用いた。
【0012】2)デグラデーションアッセイ 基本的にゴールドシュタインらの論文(Goldste
in,J.L.ら、Methods in Enzym
ology,98 241−260,1983)に述べ
られている方法に準じて行った。上記のスカベンジャー
受容体遺伝子を含むプラスミドをCOS細胞に導入し、
6穴プレートにまき、2日又は3日経過したCOS細胞
をアッセイに用いた。細胞の培地を除き、ここにまず、
合成した試料ペプチドをモル比で125Iで標識された低
密度リポ蛋白質の200倍量含むよう加えた培地1ml
を加え、次に125Iで標識された低密度リポ蛋白質を加
えた。5%CO2下、37℃で5時間インキュベートし
た後、20%トリクロロ酢酸1mlの入ったガラスチュ
ーブに培養液を移し混和した。4℃で30分間放置した
後、2500rpmで10分間遠心した。上清1.4m
lに40%KI溶液を14μl加え、混和しながらここ
に30%過酸化水素水を56μl加えた。5分間放置し
た後、クロロホルム1.5mlを加えて混和し、200
0rpmで3分間遠心した。上清1mlをとり、その放
射能を測定した。各プレートの細胞を0.1N水酸化ナ
トリウムで回収し、これらの蛋白質量をLowry法に
より測定した。
in,J.L.ら、Methods in Enzym
ology,98 241−260,1983)に述べ
られている方法に準じて行った。上記のスカベンジャー
受容体遺伝子を含むプラスミドをCOS細胞に導入し、
6穴プレートにまき、2日又は3日経過したCOS細胞
をアッセイに用いた。細胞の培地を除き、ここにまず、
合成した試料ペプチドをモル比で125Iで標識された低
密度リポ蛋白質の200倍量含むよう加えた培地1ml
を加え、次に125Iで標識された低密度リポ蛋白質を加
えた。5%CO2下、37℃で5時間インキュベートし
た後、20%トリクロロ酢酸1mlの入ったガラスチュ
ーブに培養液を移し混和した。4℃で30分間放置した
後、2500rpmで10分間遠心した。上清1.4m
lに40%KI溶液を14μl加え、混和しながらここ
に30%過酸化水素水を56μl加えた。5分間放置し
た後、クロロホルム1.5mlを加えて混和し、200
0rpmで3分間遠心した。上清1mlをとり、その放
射能を測定した。各プレートの細胞を0.1N水酸化ナ
トリウムで回収し、これらの蛋白質量をLowry法に
より測定した。
【0013】図1および2に示すように、APO−1お
よびAPO−2をアセチル化したAcAPO−1および
AcAPO−2についてスカベンジャー受容体によるA
cLDLの取り込みを約50%抑えることができた。こ
れらの結果は、APO−1およびAPO−2が受容体と
の結合に関与するアミノ酸配列である可能性が強いこと
を示唆している。これらAPO−1およびAPO−2が
アセチル化を受けることにより阻害活性を示したこと
は、この配列がスカベンジャー受容体のコラーゲン様ド
メインと直接相互作用することを意味している。
よびAPO−2をアセチル化したAcAPO−1および
AcAPO−2についてスカベンジャー受容体によるA
cLDLの取り込みを約50%抑えることができた。こ
れらの結果は、APO−1およびAPO−2が受容体と
の結合に関与するアミノ酸配列である可能性が強いこと
を示唆している。これらAPO−1およびAPO−2が
アセチル化を受けることにより阻害活性を示したこと
は、この配列がスカベンジャー受容体のコラーゲン様ド
メインと直接相互作用することを意味している。
【0014】
【0015】配列番号:1 配列の長さ:36 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:Pro Asp Phe Ile Val Pro Leu Thr
Asp Leu Arg Ile Pro Ser Val Gln Ile Asn Phe Lys Asp Leu Lys Asn Ile Lys Ile Pro Ser Arg Phe Ser Thr Pro Glu Phe
Asp Leu Arg Ile Pro Ser Val Gln Ile Asn Phe Lys Asp Leu Lys Asn Ile Lys Ile Pro Ser Arg Phe Ser Thr Pro Glu Phe
【0016】配列番号:2 配列の長さ:36 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:Ser Asp Val Arg Val Pro Ser Tyr Thr Leu Ile Leu Pro Ser Leu Glu Leu Pro Val Leu His Val Pro Arg Asn Leu Lys Leu Ser Leu Pro His Phe Lys Glu Leu
【図1】 合成ペプチドの、スカベンジャー受容体のリ
ガンド結合阻害活性を示すグラフ。
ガンド結合阻害活性を示すグラフ。
【図2】 アセチル化合成ペプチドの、スカベンジャー
受容体のリガンド結合阻害活性を示すグラフ。
受容体のリガンド結合阻害活性を示すグラフ。
Claims (1)
- 【請求項1】 配列表の配列番号1または2に記載され
たアミノ酸配列で示されるペプチドのアセチル誘導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22323894A JP2733023B2 (ja) | 1994-09-19 | 1994-09-19 | スカベンジャー受容体のリガンド取り込みを阻害するペプチド化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22323894A JP2733023B2 (ja) | 1994-09-19 | 1994-09-19 | スカベンジャー受容体のリガンド取り込みを阻害するペプチド化合物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0892293A JPH0892293A (ja) | 1996-04-09 |
JP2733023B2 true JP2733023B2 (ja) | 1998-03-30 |
Family
ID=16794970
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22323894A Expired - Lifetime JP2733023B2 (ja) | 1994-09-19 | 1994-09-19 | スカベンジャー受容体のリガンド取り込みを阻害するペプチド化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2733023B2 (ja) |
-
1994
- 1994-09-19 JP JP22323894A patent/JP2733023B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0892293A (ja) | 1996-04-09 |
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