JP2731351B2 - カップ式自動販売機の原料冷却構造 - Google Patents

カップ式自動販売機の原料冷却構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原料キャニスタに収容さ
れた原料から飲料を抽出し、これをカップに注いで飲料
を販売するカップ式自動販売機の原料冷却構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のカップ式自動販売機とし
て図7に示すものが知られている。
【0003】この自動販売機は、コーヒの販売機構とオ
レンジジュース等のシロップ飲料の販売機構とを有して
いる。このコーヒ販売機構は温水タンク1から飲料抽出
装置2に湯を供給する一方、コーヒ原料キャニスタ(以
下、キャニスタという)3から飲料抽出装置2にコーヒ
の原料(以下、コーヒ粉という)を供給するもので、こ
の飲料抽出装置2で抽出されたコーヒ液に図示しない砂
糖、クリーム等を混合してカップAに注ぐようになって
いる。
【0004】他方、シロップ飲料販売機構は、飲料用の
水を冷却する冷却水槽4と、シロップ原液を保冷する保
冷庫5とを有し、この冷却水槽4には冷却装置6を構成
する圧縮機6a、凝縮器6b、凝縮器用送風機6c、蒸
発器6dを設置する一方、この保冷庫5内にはシロップ
原液を収容したタンク7と、冷却装置6を構成する蒸発
器6e及び蒸発器用送風機6fを内蔵している。
【0005】この冷却装置6の構造を図8の冷媒回路に
基づき説明する。即ち、この冷却装置6は、その冷媒が
実線矢印に示すように、圧縮機6a→凝縮器6b→各膨
張弁6h,6i→各蒸発器6d,6e→圧縮機6aと順
次循環しており、これにより、冷却水槽4側の蒸発器6
dは冷却水槽4内の水を冷却し、他方、保冷庫5側の蒸
発器6eは保冷庫5内のシロップ原液を冷却している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、冷却水槽
4及び保冷庫5を冷却装置6にて冷却しているが、キャ
ニスタ3内に収容されたコーヒ粉についても、その原料
の劣化を防止するため、外気をキャニスタ3に送風した
り、或いは、前記冷却水槽4の冷気を同じくキャニスタ
3に送風し冷却している。
【0007】しかしながら、前者の冷却構造では、外気
温度が高いときはその冷却機能が不十分であるし、ま
た、後者の冷却構造では、その冷気に含まれる湿気によ
りキャニスタ3に結露が発生し、コーヒ粉の風味が損な
われるという問題点を有していた。
【0008】このようなことから、前記冷却装置6の構
成部品として更にキャニスタ3専用の蒸発器及び蒸発器
用送風機を設置するという構造も考えられるが、このよ
うな構造では部品点数が増大し、製造コストの上昇が避
けられない。
【0009】本発明の目的は前記従来の課題に鑑み、原
料キャニスタ内の原料の風味を損なうことなく冷却でき
る構造簡単なカップ式自動販売機の原料冷却構造を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するため、請求項1の発明は、コーヒ粉等の原料を収容
しこれを搬送する原料キャニスタと、オレンジシロップ
等のシロップ原液が収容されたタンクとを有し、冷却装
置の蒸発器で冷却された空気を送風機で該タンクに送風
しシロップ原液を冷却するカップ式自動販売機の原料冷
却構造において、断熱性の筐体を仕切板で2個の部屋に
仕切り、一方の部屋には前記タンクと前記蒸発器を、他
方の部屋には前記原料キャニスタをそれぞれ設置し、該
仕切板には該蒸発器で冷却された一方の部屋の空気が他
方の部屋に循環するよう通風穴を設けたことを特徴とす
る。
【0011】請求項2の発明は請求項1のカップ式自動
販売機の原料冷却構造において、前記原料キャニスタの
原料搬送出口側の少なくとも一部を断熱性のカバー体で
覆ったことを特徴とする。
【0012】請求項3の発明は請求項1又は請求項2の
カップ式自動販売機の原料冷却構造において、前記原料
キャニスタの原料搬送出口側を加熱するヒータを有する
ことを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1の発明によれば、冷却装置の蒸発器で
冷却された冷気が、タンク内のシロップ原液を冷却する
一方、この冷気の一部が仕切板の通風穴から他方の部屋
に循環し、この他方の部屋に設置された原料キャニスタ
の原料を冷却する。また、この冷却装置で冷却された空
気は筐体内で内気循環し除湿されるため、原料に結露を
付着させることがない。
【0014】請求項2の発明によれば、原料キャニスタ
の原料搬送出口側の少なくとも一部が断熱性のカバー体
で覆われているため、原料搬送出口側の冷却が低くおさ
えられ、原料搬送出口側での結露の発生が抑制される。
【0015】請求項3の発明によれば、原料搬送出口側
が冷却装置の冷気で冷却される場合にあっても、この原
料搬送出口側がヒータで加熱され、結露の発生が完全に
防止される。
【0016】
【実施例】図1及び図2は本発明に係るカップ式自動販
売機の原料冷却構造の第1実施例を示すもので、図1は
筐体内部の構造を示す正面断面図、図2は筐体内部の構
造を示す側面断面図である。ここで、温水タンク、冷却
水槽、飲料抽出装置、冷却装置は前述した従来例の図7
及び図8と同様であるため、その説明を省略する。ま
た、従来例と同一構成部分は同一符号をもって表す。
【0017】本実施例に係るカップ式自動販売機の特徴
点は、オレンジジュース等のシロップ原液を収容したタ
ンクと、コーヒ粉等の原料を収容しこれを搬送するキャ
ニスタとの配置、並びに、冷却装置の蒸発器で冷却され
た冷気の循環システムを改良した点にある。
【0018】即ち、本実施例に係るカップ式自動販売機
は、断熱材、例えば発泡ウレタン等で形成された筐体1
0を有している。この筐体10はその内部を仕切板11
により左右に仕切り、一方の部屋(図1に向かって右
側)12には従来例と同様の蒸発器6e及び蒸発器用送
風機6fと、2個のタンク7を設置している。また、他
方の部屋(図1に向かって左側)13にはキャニスタ3
を設置している。
【0019】この仕切板11はその下部側と上端に、そ
れぞれ第1及び第2通風穴11a,11bを形成してお
り、蒸発器用送風機6fの駆動により一方の部屋12内
の空気が第1通風穴11aを通じて他方の部屋13に流
入し、この部屋13を通って第2通風穴11bから一方
の部屋12に戻るようになっている。
【0020】このキャニスタ3は図2に示すように、コ
ーヒ粉Bを収容する原料収容箱3a、原料収容箱3aの
下部に配置されたスパイラル搬送機3b、スパイラル搬
送機3bの先端に連結された原料シュート3cを有し、
このスパイラル搬送機3bで搬送されたコーヒ粉Bを原
料シュート3cを通じて飲料抽出装置に供給するように
なっている。ここで、このキャニスタ3の原料搬送出口
側(図2の1点鎖線で示す部分)14、即ちスパイラル
搬送機3bの先端側及び原料シュート3cはコーヒ粉B
を飲料抽出装置に搬送する関係上、筐体10の外の空気
と接触している。
【0021】このように構成されたカップ式自動販売機
において、冷却装置を駆動して蒸発器6eに冷媒を循環
させ、かつ、蒸発器用送風機6fを駆動するときは、図
1の実線矢印に示すように、一方の部屋12の空気が蒸
発器6eで冷却され、この冷気が蒸発器用送風機6fで
部屋12の下方に送風されタンク7内のシロップ原液を
冷却する。この下方に送風された冷気のうち一部が第1
通風穴11aから他方の部屋13に送風され、キャニス
タ3のコーヒ粉Bを冷却する。この他方の部屋13に流
れた冷気は第2通風穴11bを通って一方の部屋12に
戻り、再度蒸発器6eで冷却される。
【0022】このように、本実施例によれば、タンク7
内のシロップ原液を保冷する蒸発器6e及び蒸発器用送
風機6fが同時にキャニスタ3内のコーヒ粉Bを冷却す
るため、コーヒ粉Bの劣化が防止される。
【0023】また、この蒸発器6eで冷却される空気が
筐体10内で内気循環し、除湿されいるため、この冷気
がキャニスタ3内に浸入する場合においても、湿気によ
るコーヒ粉Bの劣化が抑制される。
【0024】更に、タンク7とキャニスタ3とを筐体1
0内で隣接配置し、各部屋12,13に冷気を循環させ
るだけで良く、その冷却構造も非常に簡単なものとなっ
ている。
【0025】図3及び図4は本発明に係る原料冷却構造
の第2実施例を示すもので、図3は筐体内部の構造を示
す正面断面図、図4は筐体内部の構造を示す側面断面図
である。この実施例は、断熱性のカバー体20で原料搬
送出口側14の一部を覆った点に特徴を有し、その他の
点は前記第1実施例と同様の構成となっている。即ち、
原料搬送出口側14で筐体10内に位置する部分、即ち
スパイラル搬送機3bの先端側と原料シュート3cで筐
体10内の部位をカバー体20で覆っている。
【0026】前記第1実施例ではキャニスタ3のスパイ
ラル搬出機3b及び原料シュート3cが冷却され、この
冷却作用により筐体10外の空気の湿気が原料シュート
3cに付着し、原料シュート3cに結露するおそれがあ
る。これに対して、この第2実施例ではその冷気と接触
する原料搬送出口側14が断熱性のカバー体20で覆わ
れているため、原料搬送出口側14が冷却されることが
なく、原料シュート3cに結露が発生しない。
【0027】図5は本発明に係る原料冷却構造の第3実
施例を示すもので、筐体内部の構造を側面断面図で表し
ている。この第3実施例では結露が最も発生しやすい原
料シュート3cにヒータ30を設置したことを特徴と
し、その他の点は前記第1実施例と同様である。
【0028】この実施例によれば、原料シュート3cが
ヒータ30で加熱されるため、原料シュート3cの冷気
による冷却がこのヒータ30の加熱で相殺され、結露の
発生を未然に防止している。
【0029】図6は本発明に係る原料冷却構造の第4実
施例を示すもので、筐体内部の構造を側面断面図で表し
ている。この第4実施例では、前記第2実施例のカバー
体20及び前記第3実施例のヒータ30の両者を前記第
1実施例の原料冷却構造に付加したことを特徴とするも
ので、その他の点は前記第1実施例と同様に構成されて
いる。
【0030】この実施例によれば、カバー体20による
断熱と、ヒータ30による加熱により、原料搬送出口側
14での結露の発生が完全に防止されている。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、筐体内の空気が冷却及び除湿され、この低温低
湿の空気がシロップ原液はもとより、原料キャニスタの
原料をも冷却するため、原料キャニスタ内の原料の風味
を長期に亘って保持できる。
【0032】請求項2の発明によれば、原料搬送出口側
がカバー体により断熱されるため、原料搬送出口側での
結露の発生が抑制され、原料の風味を低下が更に抑制さ
れる。
【0033】請求項3の発明によれば、原料搬送出口側
が冷却される場合にあっても、ヒータが原料搬送出口側
を加熱するため、原料搬送出口側での結露の発生が完全
に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る筐体内部の構造を示す正面断
面図
【図2】第1実施例に係る筐体内部の構造を示す側面断
面図
【図3】第2実施例に係る筐体内部の構造を示す正面断
面図
【図4】第2実施例に係る筐体内部の構造を示す側面断
面図
【図5】第3実施例に係る筐体内部の構造を示す側面断
面図
【図6】第4実施例に係る筐体内部の構造を示す側面断
面図
【図7】従来のカップ式自動販売機の原料冷却構造を示
す構成図
【図8】冷却装置の冷媒回路図
【符号の説明】
3…コーヒ原料キャニスタ、6…冷却装置、6e…蒸発
器、6f…蒸発器用送風機、7…タンク、10…筐体、
11…仕切板、11a…第1通風穴、11b…第2通風
穴、12,13…部屋、14…原料搬送出口側、20…
カバー体、30…ヒータ、B…コーヒ粉。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーヒ粉等の原料を収容しこれを搬送す
    る原料キャニスタと、オレンジシロップ等のシロップ原
    液が収容されたタンクとを有し、冷却装置の蒸発器で冷
    却された空気を送風機で該タンクに送風しシロップ原液
    を冷却するカップ式自動販売機の原料冷却構造におい
    て、 断熱性の筐体を仕切板で2個の部屋に仕切り、一方の部
    屋には前記タンクと前記蒸発器を、他方の部屋には前記
    原料キャニスタをそれぞれ設置し、該仕切板には該蒸発
    器で冷却された一方の部屋の空気が他方の部屋に循環す
    るよう通風穴を設けたことを特徴とするカップ式自動販
    売機の原料冷却構造。
  2. 【請求項2】 前記原料キャニスタの原料搬送出口側の
    少なくとも一部を断熱性のカバー体で覆ったことを特徴
    とする請求項1記載のカップ式自動販売機の原料冷却構
    造。
  3. 【請求項3】 前記原料キャニスタの原料搬送出口側を
    加熱するヒータを有することを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載のカップ式自動販売機の原料冷却構造。
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