JP2730710B2 - 管絞り圧延機による圧延長さ制御方法 - Google Patents

管絞り圧延機による圧延長さ制御方法

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JP2730710B2
JP2730710B2 JP4256794A JP25679492A JP2730710B2 JP 2730710 B2 JP2730710 B2 JP 2730710B2 JP 4256794 A JP4256794 A JP 4256794A JP 25679492 A JP25679492 A JP 25679492A JP 2730710 B2 JP2730710 B2 JP 2730710B2
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倫明 岩永
範雄 紺屋
健 島本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、管絞り圧延機による圧
延長さ制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】管絞り圧延機(ストレッチレデューサ)
において圧延後の管の長さを所定値になるように制御す
る方法として、従来、たとえば特公昭51− 43469号公報
または特開昭60− 21114号公報に開示されているような
方法がある。すなわち、いずれの方法においても、各
スタンドのロール回転数とその配分を決定づける制御量
(以下、テーパ量と称する)との関係を求め、このテ
ーパ量と管の伸び率との関係を予め実験的に求める、
圧延後の管の長さが所定の長さになるように、前記の
テーパ量と各スタンドのロール回転数との関係および前
記のテーパ量と管の伸び率との関係により、各スタン
ドのロール回転数を調整しようとするものである。
【0003】また、特開昭62−248505号公報では、上記
したにおけるテーパ量と各スタンドのロール回転数と
の関係を求める際に、各スタンドのマスフローバランス
を崩さないように各スタンド回転数の修正値をそれぞれ
求めて回転数を調整するようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た前者の特公昭51− 43469号あるいは特開昭60− 21114
号の方法はいずれも、テーパ量という圧延特性には直接
関係しない独立した中間パラメータを用いるため、管
の伸び率とテーパ量との関係が種々変化し、それによっ
て圧延管の長さが変動すること、先進率は基準回転数
時のものと変化しないとしているため、実機において計
算通りの肉厚変化量が得られないこと、最終スタンド
回転数補正率とNo.1スタンド回転数補正率との差であ
る単位制御量当たりの伸ばし長さの偏差変化量(制御ゲ
イン)と相関のあるパラメータが不明であること、など
の問題が潜在しているのである。また、後者の特開昭62
−248505号の方法の場合は、各スタンドの先進率を一定
にしているため、計算通りの伸ばし長さの変化が得られ
ないという問題がある。
【0005】本発明は、上記のような従来技術の有する
課題を解決した管絞り圧延機による圧延長さ制御方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のロール
スタンドからなる管絞り圧延機を用いて管を絞り圧延す
る際の圧延長さ制御方法であって、あらかじめ各スタン
ドにおける最大ストレッチ係数と設定ストレッチ係数か
らパラメータKZ を求め、このパラメータKZを用いて
各スタンドの単位制御量当たりの伸ばし長さの偏差変化
量である制御ゲインΦを求める工程と、シェルの伸ばし
長さ偏差およびチューブの伸ばし長さ偏差を測定して、
これら伸ばし長さ偏差と前記制御ゲインΦの関係式から
各スタンドに設定すべきテーパ量TPを演算する工程
と、求められたテーパ量TPを用いて各スタンドのロー
ル回転数パターンHを求める工程と、得られた各スタン
ドのロール回転数パターンHを用いて、各スタンドのロ
ール回転数パターンを自動制御する工程と、からなるこ
とを特徴とする管絞り圧延機による圧延長さ制御方法で
ある。
【0007】
【作 用】本発明者らは、上記の課題について鋭意研究
・実験を行った結果、最終スタンド回転数補正率とNo.
1スタンド回転数補正率との差である単位制御量当たり
の伸ばし長さの偏差変化量を最大ストレッチ係数に対す
る設定ストレッチ係数の割合のパラメータの関数で与え
るようにすれば、相関を有することを見出し、本発明を
完成させるに至った。
【0008】すなわち、図3は、各スタンドにおける最
大ストレッチ係数Zmax と設定ストレッチ係数Zの配分
を例示した特性図であり、この設定ストレッチ係数Z
は、下記(1) 式で関係付けることができる。 Z=KZ ・Zmax ─────(1) したがって、この(1) 式からパラメータKZ は下記(2)
式で表される。
【0009】 KZ =Z/Zmax ─────(2) 一方、このパラメータKZ を用いて、単位制御量当たり
の伸ばし長さの偏差変化量すなわち制御ゲインΦとの関
係を調査したところ、図4に示すようなよい相関関係を
得ることができた。この調査結果から、制御ゲインΦは
下記(3) に示すパラメータKZ の関数として表すことが
でき、具体的にはたとえば(3a)に近似することができ
る。
【0010】 Φ=f(KZ ) ─────(3) =b−a・KZ ─────(3a) ここで、a,bは係数である。ところで、この制御ゲイ
ンΦは、図5に示すように、テーパ量(%)TPと伸ば
し長さ変化量(%)の関係特性の勾配そのものである。
すなわち、テーパ量1%当たりの伸ばし長さ変化量
(%)が制御ゲインΦである。
【0011】ストレッチレデューサ入側でのシェル(圧
延素管)の伸ばし長さ偏差をΔsとし、ストレッチレデ
ューサ出側でのチューブ(圧延仕上管)の伸ばし長さ偏
差をΔtとすると、設定すべきテーパ量TPは下記(4)
式によって演算される。 TP=(Δs−Δt)/Φ ─────(4) ここで求められたテーパ量TPを用いて、各スタンドの
ロール回転数パターンHを下記(5) 式で求める。
【0012】 H=f(TP) ─────(5) 得られた各スタンドのロール回転数パターンHを用い
て、各スタンドのロール回転数パターンを自動的に制御
する。このようにして、各ロット毎に学習制御を行うこ
とにより、管の伸ばし長さを所定寸法に迅速に収束する
ことが可能となる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明の実施例について、図面を参
照して詳しく説明する。図1は、本発明の制御方法の実
施例を示す制御系統図である。図において、1は圧延素
材であるホローブルーム、2はマンドレルミル、3はマ
ンドレルミル2で圧延されたシェルである。4はシェル
3の長さを計る測長計、5はストレッチレデューサ、6
はストレッチレデューサ5によって圧延されたチュー
ブ、7は該チューブ6の長さを計る測長計、8はストレ
ッチレデューサ5の各スタンドのロール回転数を制御す
る長さ演算制御装置であり、測長計4,7からの測定信
号LSM,LTMが入力されるとともに、シェル3の目標伸
ばし長さLSS、チューブ6の目標伸ばし長さLTSおよび
各スタンドにおける最大ストレッチ係数Zmax と設定ス
トレッチ係数Zがそれぞれ設定される。ここで、設定さ
れるシェル3の目標伸ばし長さLSSの値はホローブルー
ム1の命令重量に応じてあらかじめ決められたものであ
り、またチューブ6の目標伸ばし長さLTSの値も同様に
ホローブルーム1の命令重量に応じてあらかじめ決めら
れるものである。
【0014】このように構成された長さ演算制御装置7
の制御手順について、以下に説明する。 前出(2) 式を用いて、各スタンドにおける最大スト
レッチ係数Zmax と設定ストレッチ係数Zからパラメー
タKZ を求める。 前出(3) 式を用いて制御ゲインΦを求める。 測長計4によって今回圧延すべきシェル3の伸ばし
長さの測定信号LSMとその目標伸ばし長さLSSとからシ
ェル3の伸ばし長さ偏差Δsを演算し、一方測長計7に
よって測定された前パスで圧延されたチューブ6の伸ば
し長さの測定信号LTMとその目標伸ばし長さLTSとから
チューブ6の伸ばし長さ偏差Δtを演算する。 これらの伸ばし長さ偏差Δs,Δtの算出には、常套的
に用いられる下記(6)式および(7) 式の演算式によって
なされる。 Δs={(LSM−LSS)/LSS}× 100(%) ─────(6) Δt={(LTM−LTS)/LTS}× 100(%) ─────(7) 求められたシェル3の伸ばし長さ偏差Δsとチュー
ブ6の伸ばし長さ偏差Δtとを用いて、前出(4) 式によ
って各スタンドに設定すべきテーパ量TPを演算する。 求められたテーパ量TPを用いて(5) 式で各スタン
ドのロール回転数パターンHを求める。 得られた各スタンドのロール回転数パターンHを用
いて、各スタンドのロール回転数パターンを自動制御す
る。
【0015】本発明法を用いて、外径;158 mmφ×肉
厚;4.5 mmtで目標伸ばし長さ22600mmLのシェル3を1
0本、ストレッチレデューサ5で外径;60.5mmφ×肉
厚;3.9mmtで目標伸ばし長さ;65000mm Lのチューブ
6に圧延した。その際に、パラメータKZ ;0.65、制御
ゲインΦ;0.93と設定した。そのときの長さ不良率(目
標長さに対して±2.5 %を超えた本数の割合)を図2
(a) に示した。なお、比較のために、従来法を用いて同
じ条件で圧延したときの結果を図2(b) に示した。
【0016】これらの図から明らかなように、セットア
ップ直後1本目については両者間にはほとんど差がない
のに対し、セットアップ後2本目以降については、従来
法に比し本発明法が約2/5程度とよい歩留りを示して
おり、より速く所定の管長さに収束させることがわか
る。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、パ
ラメータKZ を用いて単位制御量当たりの伸ばし長さの
偏差変化量である制御ゲインΦを決めて、テーパ量TP
を決定し、各スタンドのロール回転数パターンを制御す
るようにしたので、より速く所定の管長さに収束させる
ことでき、これによって製品の歩留りを大いに向上する
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御方法の実施例を示す制御系統図で
ある。
【図2】(a) ,(b) は長さ不良率の推移を示す特性図で
ある。
【図3】各スタンドにおける設定および最大ストレッチ
係数の特性図である。
【図4】パラメータKZ と制御ゲインΦとの特性図であ
る。
【図5】テーパ量TPと伸ばし長さ変化量の関係図であ
る。
【符号の説明】
1 ホローブルーム 2 マンドレルミル 3 シェル(圧延素管) 4,7 測長計 5 ストレッチレデューサ(絞り圧延機) 6 チューブ(圧延仕上管) 8 長さ演算制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のロールスタンドからなる管絞り圧
    延機を用いて管を絞り圧延する際の圧延長さ制御方法で
    あって、あらかじめ各スタンドにおける最大ストレッチ
    係数と設定ストレッチ係数からパラメータKZ を求め、
    このパラメータKZ を用いて各スタンドの単位制御量当
    たりの伸ばし長さの偏差変化量である制御ゲインΦを求
    める工程と、シェルの伸ばし長さ偏差およびチューブの
    伸ばし長さ偏差を測定して、これら伸ばし長さ偏差と前
    記制御ゲインΦの関係式から各スタンドに設定すべきテ
    ーパ量TPを演算する工程と、求められたテーパ量TP
    を用いて各スタンドのロール回転数パターンHを求める
    工程と、得られた各スタンドのロール回転数パターンH
    を用いて、各スタンドのロール回転数パターンを自動制
    御する工程と、からなることを特徴とする管絞り圧延機
    による圧延長さ制御方法。
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