JP2730453B2 - テープカセット - Google Patents

テープカセット

Info

Publication number
JP2730453B2
JP2730453B2 JP17734293A JP17734293A JP2730453B2 JP 2730453 B2 JP2730453 B2 JP 2730453B2 JP 17734293 A JP17734293 A JP 17734293A JP 17734293 A JP17734293 A JP 17734293A JP 2730453 B2 JP2730453 B2 JP 2730453B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid
magnetic tape
tape
connecting plate
cover
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17734293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0714343A (ja
Inventor
貴夫 前川
泰文 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP17734293A priority Critical patent/JP2730453B2/ja
Publication of JPH0714343A publication Critical patent/JPH0714343A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2730453B2 publication Critical patent/JP2730453B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Packaging Of Annular Or Rod-Shaped Articles, Wearing Apparel, Cassettes, Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープを上ハーフ
部材と下ハーフ部材とから組合わせたカセット筐体内に
収納し、カセット筐体に開閉自在に設けた前蓋に連結板
を介して後蓋を懸架して、磁気テープの前面を前蓋によ
り保護し、且つ、磁気テープの裏面を連結板及び後蓋に
より保護するよう構成したテープカセットに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ビデオテープレコーダなどの磁気記録及
び/又は再生装置に用いられるテープカセットは、例え
ばテープ巾が1/2インチのVHS型テープカセットと
か、テープ巾が8mmの8mm型テープカセットが用い
られていることは周知のことである。
【0003】図17(A),(B)に示したVHS型テ
ープカセット100 は、上ハーフ部材101 と下ハーフ部材
102 により直方体形状に組み立てられたカセット筐体10
0A内に磁気テープTを巻回した一対のリール103 ,104
を収納しており、このVHS型テープカセット100 を用
いて図示しない磁気記録及び/又は再生装置により記録
及び/又は再生を行うものであり、この際、装置との互
換性を維持するため、VHS型テープカセット100 の外
形寸法形状はほぼ規格化されている。また、カセット筐
体100A内に収納した供給リール103 と巻取リール104 と
の間には磁気テープTが巻回されており、供給リール10
3 に巻回した磁気テープTが供給側のガイドポール105
を経由し、下ハーフ部材102 のテープローディング用開
口部102a〜102aに沿って張架しながら、更に、巻取
側のガイドポール107 を経由して巻取リール104 に巻取
られている。また、下ハーフ部材102 のテープローディ
ング用開口部102a〜102aは裏面前方が3分割にわか
れて肉抜き開口されており、装置のテープローディング
部材(図示せず)が入り込むことができるようになって
いる。更に、カセット筐体100Aの前方には、張架した磁
気テープTの前面(磁性面)を塵埃,手指などから保護
するよう前蓋106 がカセット筐体100Aの巾方向と対応し
て長尺に設けられている。この前蓋106 は左右側面の内
側に一体形成した一対の軸106a,106a(片側のみ図示)
を中心に開閉自在にカセット筐体の左右側面に支持され
ているものの、左側面に設けた前蓋ロック部材108 に係
止され、閉蓋されている。
【0004】そして、図17(B)に示したようにVH
S型テープカセット100 を磁気記録及び/又は再生装置
(図示せず)に挿入した時のみ、前蓋ロック部材108 が
解除されて装置側の前蓋開蓋手段により前蓋106 の軸10
6aを中心として二点鎖線に図示した位置(前蓋106 の開
蓋角度θ)まで前蓋106 が開蓋されている。その後、
前蓋106 が開蓋されると、テープローディング用開口部
102a〜102a内に挿入されたテープローディング部材
(図示せず)により磁気テープTが装置内の所定のテー
プパスに沿ってローディングされる。
【0005】また、図18(A),(B)に示した8m
m型テープカセット200 は、上記VHS型テープカセッ
ト100 とほぼ同等の構成を備え、上下のハーフ部材201
,202 により直方体形状に組み立てられたカセット筐
体内に磁気テープTを巻回した供給リール203 及び巻取
リール204 が設けられているものの、更に、下ハーフ部
材202 に開口したテープローディング用開口部202a内
で、且つ、前蓋205 の後方に磁気テープTの前面と反対
側の裏面を保護する後蓋206 が設けられている。この8
mm型テープカセット200 は特開昭59-168979 号公報に
開示されており、ここでは前蓋205 及び後蓋206 の近傍
についてのみ簡略に説明すると、前蓋205と後蓋206 と
の間に張架した磁気テープTは、両蓋205 ,206 によっ
て磁気テープTの前面及び裏面を包み込んだ状態で保護
されている。
【0006】即ち、前蓋205 は左右側面の内側に一体形
成した一対の軸205a,205aを中心に開閉自在に上下のハ
ーフ部材201 ,202 の左右側面に支持されている。ま
た、前蓋205 の中間部から一体的に一対の突片205b,20
5bが下方に垂下され、この一対の突片205b,205bに“ほ
ぼT字状”に形成された後蓋206 がこれと一体形成した
一対の軸206a,206aを介して回動自在に支持されてい
る。また、後蓋206 の左右側面の下端に一体的に突出形
成した一対のガイド用ボス部206b,206b は下ハーフ部材
202 のテープローディング用開口部202a近傍の左右に形
成した一対のガイド溝202b,202b に嵌合されている。
【0007】そして、図18(B)に示したように、8
mm型テープカセット200 を図示しない磁気記録及び/
又は再生装置に挿入した時のみ、装置側の前蓋開蓋手段
により前蓋205 の軸205aを中心として二点鎖線に図示し
た如く前蓋205 と後蓋206 とが協動して一体に開蓋され
る。ここでは前蓋205 の開蓋動作と協動して一体的に後
蓋206 が上ハーフ部材201 の上面201aの上方に至る位置
(前蓋106 の開蓋角度θ)まで開蓋されている。即
ち、後蓋206 に突出形成したガイド用ボス部206bが下ハ
ーフ部材202 に形成したガイド溝202bに沿いながら、且
つ後蓋206 の回動中心となる軸206aを中心に回動しなが
ら上方に開蓋される。この際、前蓋205 と協動する後蓋
206 が、磁気テープTを装置内に引き出すテープローデ
ィング部材に接触しない位置にまで開蓋しなければなら
ず、しかも後蓋206 の回動中心はそれぞれ片側で一体形
成した軸206aのみのため、後蓋206 の開蓋動作に自由度
がなく、どうしても前蓋205 を大きく開蓋することにな
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、磁気
テープTへの高密度,高画質な記録及び/又は再生が要
求され、更に例えばデジタル記録及び/又は再生が可能
となった現段階では、磁気テープTに塵埃などが付着し
たり、又は手の指紋などが着くと、記録及び/又は再生
の性能が著しく劣化すると考えられる。上記VHS型テ
ープカセット100 では、磁気テープTの前面と反対側の
裏面は保護されてなく、テープローディング用開口部10
2a〜102aから塵埃などが磁気テープTの裏面に付着
したり、又はテープローディング用開口部102a〜102a
から手の指紋などを付けられると、磁気テープTが供
給リール103 及び巻取リール104 に巻回した際、磁気テ
ープTの裏面が磁気テープTの前面(磁性面)と密着す
るため悪影響が生じてしまうおそれがある。勿論、テー
プローディング用開口部102a〜102aから異物を挿入
された時にも磁気テープを傷めてしまう。
【0009】そこで、VHS型テープカセット100 に
も、上記8mm型テープカセット200に開示された如く
の後蓋(206) 相当部材を同様な構成で設けることを考慮
した。しかし、VHS型テープカセット100 を採用した
図示しない磁気記録及び/又は再生装置は既に世の中に
広く普及されており、VHS型テープカセット100 及び
装置の互換性を考慮すると、8mm型テープカセット20
0 の構成をそのまま投入したのでは、以下のような問題
点が発生し、使用者に大変迷惑を掛けてしまうことにな
るので、後蓋(206) 相当部材をそのままの構成で採用す
ることは困難である。
【0010】.VHS型テープカセット100 に上記8
mm型テープカセット200 の構成による後蓋(206) 相当
部材をそのままに適用した場合、前蓋106 がカセット筐
体100Aの巾方向に長尺に形成されているため、後蓋(20
6) 相当部材も当然巾方向に長尺に形成する必要があ
り、樹脂材を用いて後蓋(206) 相当部材を薄板状に形成
すると、熱等による反り変形が発生し易く、磁気テープ
Tを前蓋106 と後蓋(206)相当部材との間で完全に密閉
状態に覆い隠すことができない。
【0011】.前蓋106 と協働して開閉動作する後蓋
(206) 相当部材は前蓋106 の開閉動作に対して負荷とな
り、この負荷により前蓋106 の開閉動作が不安定となっ
たり、あるいは前蓋106 が前後左右に捩じれ変形を起こ
すことで後蓋(206) 相当部材が傾くことになり、後蓋(2
06) 相当部材のガイド用ボス部がカセット筐体100A内の
ガイド溝にスムーズに摺動できなくなる。
【0012】.前蓋106 と協働して開閉動作する後蓋
(206) 相当部材は前蓋106 に対して回動軸が左右夫々1
か所だけなので自由度がなく、このため後蓋(206) 相当
部材の開閉動作をスムーズに行うことができにくい。こ
れを改善するために、後蓋(206) 相当部材を連結手段を
介して前蓋106 に懸架し、後蓋(206) 相当部材の開閉動
作に自由度を増す方法が考えられるものの、単なる連結
手段だけでは前蓋106の閉蓋時、前蓋106 と後蓋(206)
相当部材の間で磁気テープTを完全に覆い隠くすことが
できない。
【0013】そこで、後蓋を連結板を介して前蓋に連結
し、後蓋と連結板により磁気テープTの裏面側を完全に
保護すると共に、上記〜の問題点を解決できる構造
形態のテープカセットが望まれている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、第1の発明は、磁気テープを巻
回した一対のリールを上ハーフ部材と下ハーフ部材とか
ら組合わせたカセット筐体内に収納し、且つ、前記カセ
ット筐体の前面側に形成したテープローディング用開口
部の前方に沿って前記磁気テープを張架しながら該カセ
ット筐体の前面側に前蓋を開閉自在に設け、この前蓋の
閉蓋時に該前蓋により前記磁気テープの前面を保護する
と共に、前記前蓋の裏面側で前記磁気テープを挟んで該
前蓋に懸架した後蓋のガイド用ボス部を前記カセット筐
体内のガイド溝に嵌合させて該後蓋により該磁気テープ
の裏面を保護するテープカセットにおいて、前記カセッ
ト筐体のテープローディング用開口部内にあって、前記
後蓋を閉蓋方向に向かわせるガイドリブ部を前記下ハー
フ部材から前方に突出して設けてなり、前記前蓋の閉蓋
時に、前記ガイドリブ部を前記後蓋の裏面に当接させる
ことにより、前記前蓋の裏面下端部に前記後蓋の前面下
端部が当接して前記磁気テープを該前蓋と該後蓋と間に
密閉状態で保護するよう構成したことを特徴とするテー
プカセットである。
【0015】また、第2の発明は、磁気テープを巻回し
た一対のリールを上ハーフ部材と下ハーフ部材とから組
合わせたカセット筐体内に収納し、且つ、前記カセット
筐体の前面側に形成したテープローディング用開口部の
前方に沿って前記磁気テープを張架しながら該カセット
筐体の前面側に前蓋を開閉自在に設け、この前蓋の閉蓋
時に該前蓋により前記磁気テープの前面を保護すると共
に、前記前蓋の裏面側で前記磁気テープを挟んで該前蓋
に懸架した後蓋のガイド用ボス部を前記カセット筐体内
のガイド溝に嵌合させて該後蓋により該磁気テープの裏
面を保護するテープカセットにおいて、装置側の前蓋開
蓋部材が前記前蓋の左右いずれか一方の下端に接離して
該前蓋の開閉を行う際、前記カセット筐体の左右前方部
位と、前記後蓋を懸架した前記前蓋の左右部位との間に
該前蓋を閉蓋方向に付勢する第1,第2バネ部材を夫々
設け、前記前蓋開蓋部材が作用する側の前記第1バネ部
材の付勢力より該前蓋開蓋部材が作用しない側の前記第
2バネ部材の付勢力を弱く設定したことを特徴とするテ
ープカセットである。
【0016】また、第3の発明は、磁気テープを巻回し
た一対のリールを上ハーフ部材と下ハーフ部材とから組
合わせたカセット筐体内に収納し、且つ、前記カセット
筐体の前面側に形成したテープローディング用開口部の
前方に沿って前記磁気テープを張架しながら該カセット
筐体の前面側に前蓋を開閉自在に設け、この前蓋の閉蓋
時に該前蓋により前記磁気テープの前面を保護すると共
に、前記前蓋の裏面側で前記磁気テープを挟んで設けた
連結板及び後蓋により該磁気テープの裏面を保護するテ
ープカセットであって、前記前蓋の裏面上方に設けら
れ、且つ、前記前蓋の天板裏面に形成した連結板支持部
に軸孔嵌合を介して回動自在に支持され、前記前蓋の閉
蓋時に前記磁気テープの裏面上部を保護する連結板と、
前記前蓋の裏面で前記連結板の下方に設けられ、且つ、
前記前蓋の開閉動作と協働する一対のガイド用ボス部を
有して前記連結板に形成した腕部に軸孔嵌合を介して回
動自在に懸架され、前記前蓋の閉蓋時に前記磁気テープ
の裏面上部より下方を保護する後蓋と、前記下ハーフ部
材の前方部位から上方に突出した一対の突出部に形成さ
れ、前記一対のガイド用ボス部と嵌合して前記後蓋を開
閉方向に案内する一対のガイド溝と、前記前蓋を閉蓋方
向に付勢する第1付勢手段と、前記連結板を前記前蓋の
天板裏面方向に付勢することにより該連結板に懸架した
前記後蓋を開蓋方向に移動させる第2付勢手段と、前記
上ハーフ部材から前方に突出形成した第1,第2連結板
ガイド部と、前記連結板の裏面に突出形成した第1,第
2カム部とで、前記前蓋の閉蓋時に前記第2付勢手段に
よって開蓋方向に付勢された前記後蓋の開蓋を規制する
第1,第2後蓋規制手段とを具備してなり、前記第1,
第2後蓋規制手段は、前記後蓋の閉蓋途中までは一方が
作動し、それ以降は他方が作動するよう切り替わるか、
あるいは前記後蓋の閉蓋途中のある範囲に亘って両後蓋
規制手段が重複して作動するよう構成したことを特徴と
するテープカセットである。
【0017】更に、第4の発明は、磁気テープを巻回し
た一対のリールを上ハーフ部材と下ハーフ部材とから組
合わせたカセット筐体内に収納し、且つ、前記カセット
筐体の前面側に形成したテープローディング用開口部の
前方に沿って前記磁気テープを張架しながら該カセット
筐体の前面側に前蓋を開閉自在に設け、この前蓋の閉蓋
時に該前蓋により前記磁気テープの前面を保護すると共
に、前記前蓋の裏面側で前記磁気テープを挟んで設けた
連結板及び後蓋により該磁気テープの裏面を保護するテ
ープカセットであって、前記前蓋の裏面上方に設けら
れ、且つ、前記前蓋の天板裏面に形成した連結板支持部
に軸孔嵌合を介して回動自在に支持され、前記前蓋の閉
蓋時に前記磁気テープの裏面上部を保護する連結板と、
前記前蓋の裏面で前記連結板の下方に設けられ、且つ、
前記前蓋の開閉動作と協働する一対のガイド用ボス部を
有して前記連結板に形成した腕部に軸孔嵌合を介して回
動自在に懸架され、前記前蓋の閉蓋時に前記磁気テープ
の裏面上部より下方を保護する後蓋と、前記下ハーフ部
材の前方部位から上方に突出した一対の突出部に形成さ
れ、前記一対のガイド用ボス部と嵌合して前記後蓋を開
閉方向に案内する一対のガイド溝とを具備してなり、前
記連結板,前記後蓋のいずれか一方に軸孔嵌合中心線上
から変位した軸抜け防止部を凹状に形成し、且つ、他方
に略軸孔嵌合中心線上まで突出した突出部を形成してな
り、前記連結板と前記後蓋とを軸孔嵌合を介して回動自
在に支持する際、軸を孔に挿入する挿入位置から挿入完
了後に前記連結板,前記後蓋のいずれか一方を所定の位
置以上回動することにより前記突出部が凹状の軸抜け防
止部内に交差状態で進入して挿入方向とは反対の軸方向
に抜けることを防止するよう構成したことを特徴とする
テープカセットである。
【0018】
【実施例】以下に本発明に係わるテープカセットの一実
施例を図1乃至図16を参照して、<テープカセットの
構成>,<前蓋及び後蓋の開蓋動作>,<第1,第2後
蓋規制手段の動作>について項目順に詳細に説明する。
【0019】<テープカセットの構成>図1は本発明に
係わるテープカセットの全体構成を示した斜視図、図2
は同テープカセットの要部となる前蓋及び後蓋並びに連
結板近傍を示した一部破断分解斜視図、図3は上ハーフ
部材の係止用凹部を説明するための側断面図、図4
(A),(B)はテープカセット内の第1,第2後蓋規
制手段及び後蓋を閉蓋方向に向かわせるガイドリブ部を
説明するための側断面図、図5(A),(B)は連結板
に後蓋を取り付ける姿勢を説明するための斜視図及び側
断面図、図6(A),(B)は連結板に後蓋を取り付け
た後の軸方向抜け防止を説明するための斜視図及び側断
面図、図7は同テープカセットの前蓋に後蓋及び連結板
を取り付けた状態を示した一部破断分解斜視図、図8は
同テープカセットの組み立て順を説明するための側断面
図であり、(A)は前蓋に後蓋及び連結板を取り付けた
状態を示し,(B)は前蓋を上ハーフ部材に取り付けた
状態を示し,(C)は前蓋を取り付けた上ハーフ部材を
下ハーフ部材に組み立てた状態を示している図、図9は
テープカセットの後蓋及び連結板を取り付けた前蓋をカ
セット筐体に組み立てた状態を示した一部破断斜視図で
ある。
【0020】図1に示した本発明に係わるテープカセッ
ト1の外装は、樹脂材などを用いて上ハーフ部材2と下
ハーフ部材3とに2分割形成され、且つ、上ハーフ部材
2の外周部と下ハーフ部材3の外周部とを突き合わせ
て、ネジなどにより結合されて直方形状のカセット筐体
1Aが組み立てられている。このカセット筐体1Aの内
部に収納した一対のリールを構成する供給リール4と巻
取リール5との間には磁気テープTが巻回されており、
供給リール4に巻回した磁気テープTは供給側のガイド
ポール6aを経由した後、下ハーフ部材3の裏面前方を
肉抜き開口したテープローディング用開口部3a〜3
の前方で張架されながら巻取側のガイドポール6b
を経由して巻取リール5に巻取られている。上記テープ
ローディング用開口部3a〜3aは、肉抜きした下
ハーフ部材3から上方の上ハーフ部材2の空間内までを
含んでおり、後述するように下ハーフ部材3の前方左右
に形成したテープガイド部3i,3jによって3分割に
わけられている。
【0021】また、下ハーフ部材3の裏面側には、前記
テープローディング用開口部3a〜3aの他に、供
給リール4及び巻取リール5を臨む孔3b,3cが穿設
され、更に、テープカセット1を磁気記録及び/又は再
生装置(図示せず)に位置決めするための位置決め孔3
d,3e及び磁気テープTのテープ端を検出する発光素
子(図示せず)が入り込むための孔3fなどが穿設され
ている。
【0022】また、カセット筐体1Aの前方に開閉自在
に設けた前蓋7は、前蓋7の左右側面7a,7bの内側
に一体形成した一対の軸7a,7bがカセット筐体
1Aの左右側面に開閉自在に支持されており、装置に挿
入する以前は前蓋7が下ハーフ部材3の左側面3gに設
けた前蓋ロック部材12により係止されて閉蓋状態とな
っている。尚、前蓋7の開蓋動作は、テープカセット1
を装置に挿入した時のみ、装置側の前蓋開蓋手段により
前蓋ロック部材12が解除されて前蓋7が開蓋できるも
のであるが詳述は省略する。
【0023】上記前蓋7の裏面側には、前蓋7の裏面に
沿って張架した磁気テープTを挟んで連結板9を介して
後蓋8が懸架され、これらの後蓋8及び連結板9は前蓋
7と協働して一体に開閉自在となっている。そして、前
蓋7の閉蓋時、磁気テープTの前面(磁性面)は前蓋7
に覆われて保護されている。また、同時に磁気テープT
の裏面上部は連結板9に覆われて保護され、且つ、磁気
テープTの裏面上部より下方のうちテープガイド部3
i,3j近傍を除いて後蓋8に覆われて保護されてい
る。従って、後蓋8及び連結板9は、下ハーフ部材3に
肉抜き開口したテープローディング用開口部3a〜3
から入り込む塵埃などが磁気テープTの裏面に付着
しないよう保護すると共に、誤って又は故意にテープロ
ーディング用開口部3a〜3aから手指,異物など
を挿入されても磁気テープTに傷がつかないよう保護し
ている。
【0024】上記概略説明した本発明に係わるテープカ
セット1は、実施例では周知のVHS型テープカセット
と互換性を維持して構成されているが、とくにVHS型
テープカセットに限定されるものでもなく、適宜な形状
のテープカセットにも適用できるものである。
【0025】ここで、テープカセット1の主要構成部材
について図2を用いて更に詳細に説明する。図2におい
て、上ハーフ部材2と下ハーフ部材3とは、テープカセ
ット1と略同一高さで形成された前蓋7の高さHに対
して、一部を除いて外周部を略半分のハーフ高さH
それぞれ別体に分割形成されている。
【0026】また、上ハーフ部材2の中間部前方には、
前縁部2a,2aが間隔を離して薄い板厚で前方に
向かって突出形成されている。これらの前縁部2a
2aの裏面には、図3にも示したように係止用凹部2
11,(2a21)が凹状に形成されており、且つ、
係止用凹部2a11,(2a21)は後述の下ハーフ部
材3の突出部3p,(3q)に上端部を開放して形成し
たガイド溝3p,(3q)と合致させている。これ
により、後述するテープカセット1を組み立てる際,と
くに、後蓋8を連結した前蓋7を上ハーフ部材2に仮組
み立てした後、仮組み立てした上ハーフ部材2を下ハー
フ部材3に組み立てる際、上ハーフ部材2の係止用凹部
2a11,2a21に後述の後蓋8の下端近傍に形成し
たガイド用ボス部8d,8dを一時的に係止させ、
且つ、上ハーフ部材2の前縁部2a,2aを下ハー
フ部材3に形成した突出部3p,3qの上端部に当接し
て、上端部を開放したガイド溝3p,3qを係止用
凹部2a11,2a21により塞ぎながらここに一時的
に係止されたガイド用ボス部8d,8dをガイド溝
3p,3qに案内している。
【0027】更に、上ハーフ部材2の左側の前縁部2a
と右側の前縁部2aとの間には、本発明の要部とな
る第1,第2連結板ガイド部2a,2aが前方に向
かって突出形成されている。図4(A),(B)及び図
9にも拡大して示した如く、左方の第1連結板ガイド部
2aは上ハーフ部材2の前方からテーパ状に突出して
前蓋7に支持された後述の連結板9の裏面に平板状に突
設した第1カム部9aが接離自在となっている一方、
右方の第2連結板ガイド部2aは上ハーフ部材2の前
方上方から面取り部2a41と連接して一段下がった段
差部2a42を突出して連結板9の裏面に三角板状に突
設した第2カム部9aが接離自在となっている。
【0028】そして、上ハーフ部材2に形成した第1連
結板ガイド部2aと、連結板9に設けた第1カム部9
とで第1後蓋規制手段を構成し、上ハーフ部材2に
形成した第2連結板ガイド部2aと、連結板9に設け
た第2カム部9aとで第2後蓋規制手段を構成し、こ
れら第1,第2後蓋規制手段(2a,9a),(2
,9a)により前蓋7の閉蓋時には連結板9を介
して後蓋8の開蓋を規制している。即ち、これら第1,
第2後蓋規制手段(2a,9a),(2a,9a
)は、軸7a,7bに嵌入して前蓋7を閉蓋方向
に付勢する第1付勢手段の第1,第2バネ部材10A,
10B(以下、ネジリバネ10A,10Bと記す)によ
って前蓋7を閉蓋した時、連結板9を前蓋7の天板7d
の裏面方向に付勢する第2付勢手段11(以下、ネジリ
バネ11と記す)によって連結板9が開蓋方向に付勢さ
れているももの、連結板9の第1,第2カム部9a
9aが上ハーフ部材2の第1,第2連結板ガイド部2
,2aに当接して連結板9の回動を規制されてい
るので、連結板9は開蓋を規制されてネジリバネ11の
付勢力に抗しながら閉蓋方向に回動している。また、同
時に連結板9に懸架された後蓋8もネジリバネ11の付
勢力によって開蓋方向に付勢されているももの、連結板
9の閉蓋状態に追従してネジリバネ11の付勢力に抗し
ながら閉蓋されている。尚、第1,第2後蓋規制手段
(2a,9a),(2a,9a)の動作タイミ
ングについては、後述する<第1,第2後蓋規制手段の
動作>の項で詳述する。
【0029】次に、下ハーフ部材3の左右側面3g,3
hの前方は前蓋7の高さHより少し低い高さHに形
成され、これらの左右側面3g,3hの後方はハーフ高
さHに形成されている。そして、上ハーフ部材2と下
ハーフ部材3とを組み合わせて前蓋7を支持する際、前
蓋7の左側の軸7aにネジリバネ10Aを嵌入し、且
つ、右側の軸7bにネジリバネ10Bを嵌入した後、
前蓋7の軸7a,7bを上ハーフ部材2の側面2
g,2hに形成した挿入孔(2g),2hに前方よ
り嵌合させて前蓋7を上ハーフ部材2に仮支持する一
方、その後上ハーフ部材2の外周部と下ハーフ部材3の
外周部とを突き合わせることにより、前蓋7がカセット
筐体1Aの前方で開閉自在となっている。この際、一般
的に装置側の前蓋開蓋手段(図示せず)は前蓋7の片側
のみ(通常前蓋7の側面7a側)に対応して設けられて
いるため、前蓋開蓋手段が作用する側のネジリバネ10
Aの付勢力に対して前蓋開蓋手段が作用しない側のネジ
リバネ10Bの付勢力の方を弱く設定し、即ち、前蓋開
蓋手段が作用する側のネジリバネ10Aの付勢力×0.
5≧前蓋開蓋手段が作用しない側のネジリバネ10Bの
付勢力と設定している。尚、上記設定条件は前蓋開蓋手
段による負荷抵抗,前蓋7の剛性などを考慮して設定さ
れている。
【0030】従って、前蓋7の開閉動作時、後蓋8及び
第1,第2後蓋規制手段(2a,9a),(2
,9a)などによる負荷がかかっても、前蓋7を
閉蓋方向に付勢するネジリバネ10A,10Bを上記の
ように設定したたため、前蓋7が前後左右に捩じれ変形
を起こすことなく開閉でき、これに伴い後蓋8も捩じれ
変形を生じなくなり、後述するように後蓋8の下端近傍
に形成したガイド用ボス部8d,8dが傾くことな
く下ハーフ部材3に形成したガイド溝3p,3q
摺動できる。
【0031】更に、下ハーフ部材3の前方左右には、テ
ープガイド部3i,3jが設けられている。これらのテ
ープガイド部3i,3jは、カセット筐体1Aの肉抜き
形成したテープローディング用開口部3a〜3a
にあって下ハーフ部材3から左右2か所前方に突出し、
且つ、突出した先端から上方に向かって夫々垂設されて
いる。そして、テープガイド部3i,3jによってテー
プローディング用開口部3a〜3aの前方に張架し
た磁気テープTの裏面を案内している。また、テープガ
イド部3i,3jの高さは、ハーフ高さHより少し高
く平板状に垂設され、且つ、磁気テープTの裏面より約
1mm程度奥方に垂設されている。これらにより、テー
プローディング用開口部3a〜3aはテープガイド
部3i,3jによって3分割されており、即ち、略中央
のテープローディング用開口部3aの両側前方にテー
プガイド部3i,3jが形成されたことになる。更に、
テープガイド部3i,3jの下端には、磁気テープTの
下端を案内して磁気テープTが下方に下らないよう規制
するためのテープ下端規制部3i,3jが極僅か前
方に向かって突出形成されている。
【0032】従って、磁気テープTの裏面を案内するた
めのテープガイド部3i,3jをテープローディング用
開口部3a〜3a内にあって下ハーフ部材3から前
方に突出して2か所垂設したので、磁気テープTがカセ
ット筐体1A内でたるむことなく、テープローディング
用開口部3a〜3aの前方に張架した磁気テープT
を所定のテープパスに沿って良好に維持できると共に、
所定のテープパスを長く形成した場合のテープカセット
1にも十分に対応できる。また、例えばテープカセット
1を持ち歩いた時の振動などで磁気テープTがカセット
筐体1A内でたるんでも、2か所のテープガイド部3
i,3jを介して磁気テープTの裏面が静電気などによ
り後蓋8及び連結板9に密着することを防止しているた
め、テープカセット1の装置への装着時に磁気テープT
を良好に装置内にテープローディングすることができ
る。更に、磁気テープTがカセット筐体1A内でたるん
でも、テープガイド部3i,3jに形成したテープ下端
規制部3i,3jによって磁気テープTがカセット
筐体1A外に脱落することを防止できる。
【0033】また、下ハーフ部材3のテープローディン
グ用開口部3a〜3a内にあって、テープガイド部
3jの右方には、本発明の要部となるガイドリブ部3k
が下ハーフ部材3から前方に突出形成されており、この
ガイドリブ部3kは下ハーフ部材3の高さ方向中間部か
ら下方に向かって後蓋8を閉蓋方向に向かわせるような
下向きのテーパ状に形成されている。また、ガイドリブ
部3kは、図4(A),(B)にも示したように、前蓋
7の閉蓋時に、後蓋8の裏面にガイドリブ部3kを当接
させることにより、ガイドリブ部3kに押されて後蓋8
の前面下端部8bが前蓋7の裏面下端部7cに当接
して、磁気テープTを前蓋7と後蓋8と間に密閉状態で
保護している。これにより、樹脂材を用いて巾方向に長
尺に形成した後蓋8に熱等による反り変形が仮に生じて
も、磁気テープTを前蓋7と後蓋8と間に密閉状態で確
実に保護することができる。尚、実施例のガイドリブ部
3kは、後蓋8に形成したガイド用ボス部8d,8d
を案内するガイド溝3p,3qからできるだけ離
れたテープローディング用開口部3a内に効率良く1
か所設けたが、これに限ることなくテープローディング
に支障なくテープローディング用開口部3a〜3a
内の適宜の位置に形成しても良い。
【0034】また、テープガイド部3i,3jよりリー
ル方向(奥方)に後述の後蓋8の進退を許容する凹部3
m,3nがテープガイド部3i,3jと連接して形成さ
れている。
【0035】更に、下ハーフ部材3の凹部3m,3nよ
りリール方向(奥方)に一対の突出部3p,3qが凹部
3m,3nと連接して上方に突出形成されている。ま
た、一対の突出部3p,3qの高さは前蓋7の高さH
より少し低い高さHに形成されている。これら一対の
突出部3p,3qには、後蓋8の下端近傍に形成した一
対のガイド用ボス部8d,8dの開閉を案内するた
めの一対のガイド溝3p,3qが左右間隔を離して
互いに対向して“略長靴状”に形成されている。この
際、ガイド溝3p,3qは、後蓋8の閉蓋方向に対
して下端部が閉じられており、一方、後蓋8の開蓋方向
に対して上端部が開放されている。
【0036】このように、後蓋8の組み立て時、ガイド
溝3p,3qの上端部が開放されているため、後蓋
8のガイド用ボス部8d,8dをガイド溝3p
3qに挿入し易くなり、且つ、挿入後はガイド溝3p
,3qの上端部が上ハーフ部材2の前縁部2a
2aにより塞がれるので後蓋8を安心して十分開蓋で
きるようになっている。更に、後蓋8に形成したガイド
用ボス部8d,8dを案内するガイド溝3p,3
を下ハーフ部材3の略中央のテープローディング用
開口部3aの両側奥方に形成したため、装置側のテー
プローディング部材に何らの影響なく、後蓋8及び連結
板9が前蓋7と略平行に維持されながら開閉できる。
【0037】また、下ハーフ部材3の前面側底面には、
ガイドポール6a,6b(図1)を取り付けるための孔
3r,3sが穿設され、これらの孔3r,3sにガイド
ポール6a,6b(図1)を取り付けると、磁気テープ
Tがガイドポール6a,6b間に二点鎖線に図示したテ
ープパスで張架されている。
【0038】次に、前蓋7の左右側面7a,7b間は、
前板7cと天板7dとがほぼ直角に連接されて“逆L字
状”に形成されており、更に、前板7cの裏面下方には
前述した裏面下端部7cが三角状に極く僅か奥方に向
かって突出形成されている。また、前蓋7の裏面側で、
且つ、前蓋7の天板7dの裏面には、連結板支持部7d
,7dが左右間隔を離して2か所垂下されている。
これら2か所の連結板支持部7d,7dには、後蓋
8を前蓋7に連結するための連結板9を回動自在に支持
する孔7d11,7d21が水平に穿設されている。
【0039】次に、本発明の要部となる上記連結板9は
前蓋7の裏面上方に設けられ、前蓋7の裏面に沿って張
架した磁気テープTを挟んで磁気テープTの裏面上部を
覆いながら保護する機能を備えている。上記連結板9
は、樹脂材を用いて巾方向が後述する後蓋8と略同等に
長尺な薄板状に形成され、高さ方向は前蓋7の裏面と対
向する前面9b側が“略逆く字状”に形成されている。
【0040】また、連結板9の裏面上部には、先に説明
した第1,第2カム部9a,9aが突出形成されて
おり、且つ、連結板9の中央部近傍の肉抜き部,及びこ
の肉抜き部と間隔を離した右側端には、軸9c,9c
が右方に向かって水平に一体的に突出形成されてい
る。そして、左側の軸9cにはネジリバネ11が嵌め
られて前蓋7の連結板支持部7dの孔7d11に嵌合
支持され、且つ、右側の軸9cは前蓋7の連結板支持
部7dの孔7d21に嵌合支持されるので、連結板9
は前蓋7の裏面に沿って略平行に回動自在に支持でき
る。この際、ネジリバネ11の一端は前蓋7の連結板支
持部7dに掛止され、他端は連結板9の裏面に掛止さ
れており、このネジリバネ11の付勢力は前述したよう
に連結板9を前蓋7の天板7dの裏面方向に回動するよ
う付勢し、且つ、連結板9に懸架した後蓋8を開蓋方向
に付勢している。尚、連結板9の中央部近傍の肉抜き部
は、上部後方に向かって“コ字線状”の補強枠が形成さ
れている。
【0041】また、連結板9の下部側で左側の凹状切り
欠き部,及びこの切り欠き部と間隔を離した下部右側端
には、腕部9d,9dが斜め下方でしかも前蓋7の
裏面側に向かって2か所左右に突出している。これら2
か所の腕部9d,9dには、後述の後蓋8の上部か
ら“逆L字状”に水平に突出形成した軸8a,8a
を回動自在に支持する孔9d11,9d21が水平に穿
設されている。
【0042】次に、本発明の要部となる後蓋8は前蓋7
の裏面で連結板9の下方に設けられ、前蓋7の裏面に沿
って張架した磁気テープTの裏面上部より下方を覆いな
がら保護する機能を備えている。この際、磁気テープT
の裏面上部より下方でテープガイド部3i,3j近傍は
テープガイド部3i,3jで覆われている。上記後蓋8
は、樹脂材を用いて巾方向が下ハーフ部材3のテープロ
ーディング用開口部3a〜3a間内に入り込んでテ
ープローディング用開口部3a〜3aを覆う長尺な
薄板状に形成されており、高さ方向は前蓋7の裏面と対
向する前面8b側が“略逆く字状”に形成されている。
【0043】また、後蓋8の上部両側近傍には、軸8a
,8aが“逆L字状”に水平に突出形成されてお
り、これらの軸8a,8aを連結板9の腕部9
,9dに形成した孔9d11,9d21に嵌合さ
せると、後蓋8は前蓋7の裏面に沿って平行で、且つ、
連結板9に懸架されながら回動自在に支持される。
【0044】また、後蓋8の下部左右の中間部には切り
欠き部8c,8cが間隔を離して形成されており、
これらの切り欠き部8c,8c内にガイド用ボス部
8d ,8dが水平に、且つ、夫々左右に向かって対
称に一体的に突出形成されている。これらのガイド用ボ
ス部8d,8dは、先に説明した下ハーフ部材3の
突出部3p,3qに形成したガイド溝3p,3q
嵌合される。この際、後蓋8の切り欠き部8c,8c
の一部分は、先に説明した下ハーフ部材3の凹部3
m,3n内に進退自在になっていると共に、前蓋7の閉
蓋時には切り欠き部8c,8cを除いた前面下端部
8bが下ハーフ部材3のテープローディング用開口部
3a〜3a内の前方に入り込んで、前蓋7の裏面下
端部7cに当接して、磁気テープTの下端を包み込ん
だ状態で保護するようになっている。
【0045】更に、連結板9の下部側で左側の凹状切り
欠き部の右側壁には、後蓋8の軸8aが挿入方向とは
反対側の軸方向に抜けることを防止し、且つ、本発明の
要部となる軸抜け防止部9eが凹状に形成されており、
この凹状の軸抜け防止部9eに対応して後蓋8の軸8a
の反対側には突出した突出部8aが形成されてい
る。この際、図5(A),(B)に示した如く、連結板
9の軸抜け防止部9eは回動支点(軸8a,孔9d
11)の中心線上から斜めに変位して凹状に形成される
一方、後蓋8の突出部8aは回動支点(軸8a,孔
9d11)の略中心線上まで突出形成されているので、
図示した姿勢から後蓋8の軸8aを連結板9の孔9d
11に容易に挿入できる。更に、図6(A),(B)に
示した如く、後蓋8を連結板9に取り付けた後には挿入
位置から回動支点(軸8a,孔9d11)を中心に連
結板9を後蓋8に対して回動させ、即ち、後蓋8の突出
部8aが連結板9の凹状の軸抜け防止部9e内に交差
状態で進入できる所定の位置以上まで回動させると、カ
セット筐体1A内に取り付けられた状態となる。この状
態では、後蓋8の軸8aは連結板9の腕部9dに当
接して挿入方向への移動が規制される一方、後蓋8の突
出部8aが連結板9の凹状の軸抜け防止部9eに当接
して挿入方向とは反対側の軸方向への移動が規制され
る。これにより、後蓋8は連結板9に対して軸方向に抜
けることなく連結板9に確実に回動自在に支持される。
尚、後蓋8,連結板9のいずれか一方に軸孔嵌合中心線
上から変位した軸抜け防止部(9e相当)を凹状に形成
し、且つ、他方に略軸孔嵌合中心線上まで突出した突出
部(8a相当)を形成すれば良いものであり、この際
軸孔嵌合関係を反転しても勿論支障はない。
【0046】そして、後蓋8を連結板9を介して前蓋7
に連結した際、前蓋7と連結板9と間の回動軸(9
,9c),連結板9と後蓋8と間の回動軸(8a
,8a)とからなる2つの回動軸を左右に夫々備え
るため、後蓋8はリンク機構における2自由度を得るこ
とになり、前蓋7と協働する後蓋8及び連結板9の開閉
動作が前蓋7と略平行に無理なくスムーズにできるよう
になっている。
【0047】次に、上記主要構成部材によりテープカセ
ット1を組み立てる順について図6〜図9を用いて説明
する。尚、図8(A)〜(C)に示したテープカセット
1の各構成部材の符号は、カセット筐体1Aの中央より
左側部所の符号を示し、左側部所と略対称の右側部所の
説明を省略する。
【0048】まず、図6(A),(B)に示した如く、
連結板9に後蓋8を予め回動自在に組み立てておく。そ
の後、図8(A)にに示した如く、前蓋7の軸7a
ネジリバネ10Aを嵌め、且つ、連結板9の軸9c
ネジリバネ11を嵌めて、軸9cを前蓋7の連結板支
持部7dに回動自在に支持することにより後蓋8を連
結板9を介して前蓋7に連結する。
【0049】次に、図8(B)に示したように後蓋8を
連結した前蓋7を上ハーフ部材2に仮組み立てする。こ
こでは、上ハーフ部材2の挿入孔2gに前蓋7の軸7
を前方より挿入して、前蓋7を軸7aを中心とし
てネジリバネ10Aに抗しながら上方まで開蓋して手な
どにより保持する。この動作に伴って、後蓋8も上方に
移動するので、後蓋8のガイド用ボス部8dを上ハー
フ部材2の前縁部2aの裏面に形成した係止用凹部2
11に入り込ませて、手などによりガイド用ボス部8
を係止用凹部2a11に一時的に係止させて前蓋7
を上ハーフ部材2に仮組み立てする。
【0050】次に、図8(C)に示したように、後蓋8
のガイド用ボス部8dを上ハーフ部材2の係止用凹部
2a11に係止させたまま、上ハーフ部材2を上方から
下ハーフ部材3に組み立てる。この際、下ハーフ部材3
には予め磁気テープTが収納されているものの、開蓋し
た状態で上方に位置した前蓋7及び後蓋8に磁気テープ
Tが接することがないので、テープカセット1を安心し
て確実に組み立てることができる。
【0051】ここで、ハーフ部材2の前縁部2aは下
ハーフ部材3に形成した突出部3pの上端部に当接し、
且つ、前縁部2aの係止用凹部2a11が突出部3p
に形成したガイド溝3pの上端部に合致している。従
って、上ハーフ部材2の前縁部2aに形成した係止用
凹部2a11により上端部を開放した下ハーフ部材3の
ガイド溝3pを塞ぎながら一時的に係止されたガイド
用ボス部8dをガイド溝3pに案内しているので、
テープカセット1の組み立て作業を確実且つ迅速に行う
ことができると共に、前蓋7の開蓋時に後蓋8のガイド
用ボス部8dがガイド溝3pから上方に抜け出るこ
となく、前蓋7及び後蓋8を安心して十分開蓋すること
ができ、テープカセット1の信頼性及び品質の向上に寄
与できる。
【0052】その後、図9に示したように、図8(C)
の状態から手を放してガイド用ボス部8dの係止用凹
部2a11への係止を解除すると、ネジリバネ10Aの
付勢力により前蓋7が降下して閉蓋されると共に、前蓋
7と協働して後蓋8のガイド用ボス部8d,8d
ガイド溝3p,3qに沿って下降するので、テープ
カセット1が組み立て完了状態に至る。この組み立て完
了状態では、閉蓋した前蓋7の裏面側で磁気テープTは
供給側のガイドポール6aを経由して、下ハーフ部材3
に形成したテープガイド部3i,3jの前方に沿いなが
ら巻取側のガイドポール6bに張架されている。そし
て、前蓋7の閉蓋時には磁気テープTの前面が前蓋7に
覆われて保護され、磁気テープTの裏面上部は連結板9
に覆われて保護され、且つ、磁気テープTの裏面上部よ
り下方を後蓋8に覆われて保護されている。この際、磁
気テープTの裏面上部より下方でテープガイド部3i,
3j近傍はテープガイド部3i,3jで覆われている。
【0053】また、前蓋7に支持された連結板9の裏面
に設けた第1,第2カム部9a,9aは、上ハーフ
部材2の前方に突出形成した第1,第2連結板ガイド部
2a,2aに当接しているので連結板9の回動を規
制されているため、連結板9はネジリバネ11の付勢力
に抗しながら閉蓋状態に保持されている。更に、連結板
9に懸架された後蓋8のガイド用ボス部8d,8d
は、下ハーフ部材3の突出部3p,3qに形成したガイ
ド溝3p,3qの下端部に至っており、且つ、後蓋
8は連結板9の閉蓋状態に追従することにより閉蓋状態
を保っていると共に、後蓋8の裏面に下ハーフ部材3の
ガイドリブ3kが当接することにより磁気テープTが前
蓋7と後蓋8との間に密閉状態で保護されている。そし
て、後蓋8及び連結板9は夫々の連結状態により前蓋7
に対して巾方向左右の移動を規制されている。
【0054】<前蓋及び後蓋の開蓋動作>ここで、上記
構成による本発明に係わるテープカセットにおける前蓋
及び後蓋の開蓋動作について図9及び図10(A)〜
(C)を用いて説明する。
【0055】図10は前蓋及び後蓋の開蓋動作を説明す
るための縦断面図であり、(A)は前蓋及び後蓋並びに
連結板の閉蓋状態を示し、(B)は前蓋及び後蓋並びに
連結板の開蓋途中状態を示し、(C)は前蓋が開蓋して
後蓋のガイド用ボス部がガイド溝の上端部近傍に至った
開蓋状態を示している。尚、図10(A)〜(C)に示
したテープカセット1の各構成部材の符号は、カセット
筐体1Aの中央より左側部所の符号を示し、左側部所と
略対称の右側部所の説明を省略する。
【0056】図10(A)に示した状態では、図9を用
いて先に説明したテープカセット1の前蓋7が閉蓋した
状態と同一状態であり、前蓋7の裏面に沿って磁気テー
プTが張架している。また、前蓋7の裏面側で連結板9
が連結板支持部7dに軸9cを介して回動支持さ
れ、この連結板9の下方の腕部9dに後蓋8が軸8a
を介して懸架され、前蓋7がネジリバネ10Aによっ
て閉蓋方向に付勢されている。更に、後蓋8の下端近傍
に形成したガイド用ボス部8dが下ハーフ部材3の突
出部3pに形成したガイド溝3pに嵌合しながら閉鎖
された下端部に達している。また、前蓋7の裏面下端部
7cに後蓋8の前面下端部8bが当接して、磁気テ
ープTの下端を密閉状態に包み込み、テープローディン
グ用開口部3a〜3a(図9)から塵埃,手の指紋
などが磁気テープTに付着されないようになっている。
そして、磁気テープTの前面が前蓋7に覆われて保護さ
れ、磁気テープTの裏面上部を連結板9に覆われて保護
され、且つ、裏面上部より下方を後蓋8に覆われて保護
されている。従って、前蓋7の閉蓋時、即ち、磁気記録
及び/又は再生装置(図示せず)に挿入される以前で
は、前蓋7,後蓋8,連結板9により磁気テープTが完
全に保護されている。また、前蓋7に支持された連結板
9の裏面に設けた第1カム部9a(第2カム部9
)は、上ハーフ部材2の前方に突出形成した第1連
結板ガイド部2a(第2連結板ガイド部2a)に当
接しているので連結板9の回動を規制されており、ネジ
リバネ11の付勢力に抗しながら後蓋8及び連結板9が
閉蓋状態を保っている。
【0057】次に、図10(B)に示した如く、テープ
カセット1が磁気記録及び/又は再生装置(図示せず)
に挿入されると、前蓋7が軸7aを中心として図示時
計方向(矢印方向)に開蓋される。ここで、前蓋7がネ
ジリバネ10Aの付勢力に抗しながら開蓋されていくに
伴い、前蓋7の裏面側に支持した連結板9の第1カム部
9a(第2カム部9a)はネジリバネ11の付勢力
により上ハーフ部材2の第1連結板ガイド部2a(第
2連結板ガイド部2a)に当接しながら連結板9が上
動し、且つ、これにより連結板9に懸架された後蓋8が
軸8aを中心に回動しながら上方に持ち上げられるの
で、後蓋8に形成したガイド用ボス部8dがガイド溝
3pに沿って上方に移動する。従って、前蓋7の開蓋
動作と協働して、前蓋7に連結板9を介して懸架された
後蓋8も開蓋されるが、後蓋8の開蓋動作時には2つの
回動軸(8a,9c)よって後蓋8及び連結板9が
前蓋7に平行に無理なくスムーズに開蓋でき、後蓋8は
リンク機構における2自由度を得ることになる。また、
前蓋7及び後蓋8が開蓋する時には、前蓋7の裏面下端
部7cは磁気テープTの前面から遠ざかるよう開蓋さ
れ、一方、後蓋8の前面下端部8bはガイド用ボス部
8dがガイド溝3pに案内されているため、磁気テ
ープTの裏面に接することなく開蓋される。
【0058】次に、図10(C)に示した如く、前蓋7
が軸7aを中心として図10(B)より更に時計方向
(矢印方向)に開蓋されると、前蓋7と協働する後蓋8
のガイド用ボス部8dがガイド溝3pの上端部に達
し、且つ、ガイド溝3pの上端部を塞いでいる上ハー
フ部材2の前縁部2aの裏面に形成した係止用凹部2
11に後蓋8のガイド用ボス部8dが当接するの
で、前蓋7と協働してきた後蓋8はこれ以上開蓋できな
い位置に保たれる。この際、後蓋8に形成したガイド用
ボス部8dが上ハーフ部材2の前縁部2aによって
ガイド溝3pから上方に抜け出ることがないので、前
蓋7及び後蓋8を安心して十分開蓋することができ、テ
ープカセット1の信頼性及び品質の向上に寄与できる。
【0059】尚、前蓋7及び後蓋8並びに連結板9の閉
蓋動作は上記と逆の動作により成されるものであり、図
10(C),(B),の順をへて図10(A)に戻る。
【0060】<第1,第2後蓋規制手段の動作>図11
(A),(B)乃至図16(A),(B)は第1,第2
後蓋規制手段の動作を説明するための側面図である。
尚、図11(A)乃至図16(A)は後蓋8の閉蓋順に
第1後蓋規制手段が作動する状態を示し、これと対応し
て図11(B)乃至図16(B)は後蓋8の閉蓋順に第
2後蓋規制手段が作動する状態を示している。また、こ
こでもテープカセット1の各構成部材の符号は、カセッ
ト筐体1Aの中央より左側部所の符号を示し、左側部所
と略対称の右側部所の説明を省略する。
【0061】まず、図11(A),(B)において、前
蓋7はネジリバネ10Aに抗しながら完全に開蓋してお
り、この前蓋7にネジリバネ11により開蓋方向に付勢
された連結板9を介して懸架された後蓋8のガイド用ボ
ス部8dが下ハーフ部材3のガイド溝3pの上端に
至っている。更に、前述したように上ハーフ部材2の前
方からテーパ状に突出した第1連結板ガイド部2a
と、連結板9の裏面に平板状に突設した第1カム部9
とで第1後蓋規制手段を構成し、上ハーフ部材2の
前方上方から面取り部2a41と連接して一段下がった
段差部2a42を突出した第2連結板ガイド部2a
と、連結板9の裏面に三角板状に突設した第2カム部
9aとで第2後蓋規制手段を構成している。ここで、
前蓋7をネジリバネ10Aの付勢力により軸7aを中
心に図示時計方向の閉蓋方向に回動させると、図12
(A),(B)に示した如く、後蓋8のガイド用ボス部
8dが下ハーフ部材3のガイド溝3pに沿って下降
するに伴い、連結板9の第1カム部9aが上ハーフ部
材2の第1連結板ガイド部2aに当接し始めるので、
第1カム部9aには後蓋8を閉蓋方向に向かわせるモ
ーメントが作用する。この際のモーメントは第1カム部
9aと第1連結板ガイド部2aとの力の作用点,後
蓋8及び連結板9の回動支点(軸8a,孔9d11
により生じるものである。一方、連結板9の第2カム部
9aは第2連結板ガイド部2aの面取り部2a41
に当接し始めるものの、ここでの第2カム部9aには
後蓋8を閉蓋方向に向かわせるモーメントが作用してい
ない。
【0062】更に、図13(A),(B)に示した如く
前蓋7を閉蓋して行く。ここでは第1カム部9aが第
1連結板ガイド部2aに当接しながら下方に移動する
一方、第2カム部9aが第2連結板ガイド部2a
下方の段差部2a42に当接し始める。ここで、第1カ
ム部9aと第1連結板ガイド部2aとの力の作用点
は、後蓋8及び連結板9の回動支点(軸8a,孔9d
11)に接近してしまい、このため後蓋8を閉蓋方向へ
向かわせるモーメントが小さくなり、後蓋8の動きが鈍
くなる。一方、ここでの第2カム部9aにはまだ後蓋
8を閉蓋方向に向かわせるモーメントが作用していな
い。
【0063】更に、図14(A),(B)に示した如く
前蓋7を閉蓋して行く。ここでも第1カム部9aと第
1連結板ガイド部2aとの力の作用点は、後蓋8及び
連結板9の回動支点(軸8a,孔9d11)に接近し
ている。一方、第2カム部9aは段差部2a42の先
端に当接するので、第2カム部9aと第2連結板ガイ
ド部2aとの力の作用点は、後蓋8及び連結板9の回
動支点(軸8a,孔9d11)に対して距離が適度に
確保され、これにより後蓋8を閉蓋方向に向かわせるモ
ーメントが十分発生する。従って、ここでは第1後蓋規
制手段(2a,9a)と第2後蓋規制手段(2
,9a)とが同時に作動し、後蓋8を閉蓋方向に
向かわせている。
【0064】その後、図15(A),(B)を経て図1
6(A),(B)に示した如く、前蓋7と協働して後蓋
8が完全に閉蓋される。ここでは、連結板9の第1カム
部9aが第1連結板ガイド部2aの前縁に当接する
一方、連結板9の第2カム部9aが第2連結板ガイド
部2aの段差部2a42の前縁に当接するので、ネジ
リバネ11によって開蓋方向に付勢された連結板9に回
動支持した後蓋8は開蓋を規制されて閉蓋状態を保つこ
とができる。
【0065】以上の如く、前蓋7と協働して開閉動作す
る後蓋8の閉蓋時に、第1後蓋規制手段(2a,9a
)と第2後蓋規制手段(2a,9a)とを閉蓋の
途中までは一方の後蓋規制手段が作用し、それ以降は他
方の後蓋規制手段が作動するよう切り替えたり、あるい
は後蓋8の閉蓋中のある範囲に亘って両後蓋規制手段が
重複して同時に作動するようしたため、後蓋8を閉蓋方
向に向かわせるモーメントが各後蓋規制手段により確実
に発生し、後蓋8を確実に閉蓋できると共に、閉蓋完了
後には開蓋方向に付勢された後蓋8の開蓋を確実に阻止
することができ、且つ、連結板9の規制を安定化させる
効果も得られる。
【0066】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係わるテープカセ
ットによると、請求項1記載においては、上ハーフ部材
と下ハーフ部材とから組合わせたカセット筐体の前方に
張架し磁気テープの前面を前蓋により保護し、磁気テー
プの裏面を後蓋により保護する際、カセット筐体のテー
プローディング用開口部内にあって、後蓋を閉蓋方向に
向かわせるガイドリブ部を下ハーフ部材から前方に突出
して設けたので、前蓋の閉蓋時に、ガイドリブ部が後蓋
の裏面に当接することにより、前蓋の裏面下端部に後蓋
の前面下端部が当接して磁気テープを前蓋と後蓋と間に
密閉状態で確実に保護でき、即ち、磁気テープTを塵
埃,手の指紋などの付着から完全保護でき、更にテープ
ローディング用開口部から異物などを挿入されても磁気
テープを完全に保護できる。
【0067】また、請求項2記載においては、カセット
筐体の左右前方部位と、後蓋を懸架した前蓋の左右部位
との間に前蓋を閉蓋方向に付勢する第1,第2バネ部材
を夫々設け、装置側の前蓋開蓋部材が作用する側の第1
バネ部材の付勢力より前蓋開蓋部材が作用しない側の第
2バネ部材の付勢力を弱く設定したため、前蓋及び後蓋
の開閉動作時に負荷がかかっても前蓋が前後左右に捩じ
れ変形を起こすことなく開閉でき、且つ、これに伴い後
蓋も捩じれ変形を生じなくなり、後蓋のガイド用ボス部
が傾くことなくカセット筐体内のガイド溝に摺動でき
る。
【0068】また、請求項3記載においては、テープカ
セットを磁気記録及び/又は再生装置に挿入する以前で
は、カセット筐体の前方に開閉自在に設けた前蓋の裏面
に沿って磁気テープを張架しながら磁気テープの前面を
前蓋により保護できると共に、磁気テープの裏面上部を
連結板により保護でき、且つ、磁気テープの裏面上部よ
り下方を後蓋により保護できるので、磁気テープTを塵
埃,手の指紋などの付着から完全保護でき、更にテープ
ローディング用開口部から異物などを挿入されても磁気
テープを完全に保護できる。また、前蓋と協働して開閉
動作する後蓋の閉蓋時に、第1後蓋規制手段と第2後蓋
規制手段とを閉蓋の途中までは一方の後蓋規制手段が作
用し、それ以降は他方の後蓋規制手段が作動するよう切
り替えたり、あるいは閉蓋中のある範囲に亘って両後蓋
規制手段が重複して同時に作動するようにしたため、後
蓋8を閉蓋方向に向かわせるモーメントが各後蓋規制手
段により確実に発生し、後蓋を確実に閉蓋できると共
に、閉蓋完了後には開蓋方向に付勢された後蓋の開蓋を
確実に阻止することができ、且つ、連結板の規制を安定
化させる効果も得られる。更に、テープカセットを磁気
記録及び/又は再生装置に挿入した際には、後蓋を連結
板を介して前蓋に懸架したため、従来の8mm型テープカ
セットのように前蓋に後蓋を直接懸架した場合より、前
蓋と協働する後蓋及び連結板の開閉動作に自由度が生
じ、即ち、前蓋と連結板と間の回動軸,連結板と後蓋と
間の回動軸とからなる2つの回動軸を備えるため、後蓋
はリンク機構における2自由度を得ることになり、前蓋
と協働する後蓋及び連結板の開閉動作が前蓋と略平行に
無理なくスムーズにできる。
【0069】更に、請求項4記載においては、上記と略
同様に前蓋と協働する後蓋及び連結板の開閉動作が前蓋
と略平行に無理なくスムーズにでき、且つ、閉蓋時に前
蓋,後蓋,連結板の3者により磁気テープを確実に保護
できると共に、とくに、連結板と後蓋とを軸孔嵌合を介
して回動自在に支持する際、連結板,後蓋のいずれか一
方に軸孔嵌合中心線上から変位した軸抜け防止部を凹状
に形成し、且つ、他方に略軸孔嵌合中心線上まで突出し
た突出部を形成したため、軸を孔に挿入する位置では容
易に挿入でき、且つ、挿入位置から所定の位置まで回動
してカセット筐体1A内に取り付けた状態では突出部が
凹状の軸抜け防止部内に交差状態で進入するので、連結
板と後蓋との間では挿入方向及び挿入方向とは反対側の
軸方向に抜けなくなり、両部材を確実に回動自在に支持
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるテープカセットの全体構成を示
した斜視図である。
【図2】本発明に係わるテープカセットの要部となる前
蓋及び後蓋並びに連結板近傍を示した一部破断分解斜視
図である。
【図3】上ハーフ部材の係止用凹部を説明するための側
断面図である。
【図4】(A),(B)はテープカセット内の第1,第
2後蓋規制手段及び後蓋を閉蓋方向に向かわせるガイド
リブ部を説明するための側断面図である。
【図5】(A),(B)は連結板に後蓋を取り付ける姿
勢を説明するための斜視図及び側断面図である。
【図6】(A),(B)は連結板に後蓋を取り付けた後
の軸方向抜け防止を説明するための斜視図及び側断面図
である。
【図7】本発明に係わるテープカセットの前蓋に後蓋及
び連結板を取り付けた状態を示した一部破断分解斜視図
である。
【図8】本発明に係わるテープカセットの組み立て順を
説明するための側断面図であり、(A)は前蓋に後蓋及
び連結板を取り付けた状態を示し,(B)は前蓋を上ハ
ーフ部材に取り付けた状態を示し,(C)は前蓋を取り
付けた上ハーフ部材を下ハーフ部材に組み立てた状態を
示している図である。
【図9】本発明に係わるテープカセットの後蓋及び連結
板を取り付けた前蓋をカセット筐体に組み立てた状態を
示した一部破断斜視図である。
【図10】前蓋及び後蓋の開蓋動作を説明するための縦
断面図である。
【図11】(A),(B)は第1,第2後蓋規制手段の
動作を説明するための図である。
【図12】(A),(B)は第1,第2後蓋規制手段の
動作を説明するための図である。
【図13】(A),(B)は第1,第2後蓋規制手段の
動作を説明するための図である。
【図14】(A),(B)は第1,第2後蓋規制手段の
動作を説明するための図である。
【図15】(A),(B)は第1,第2後蓋規制手段の
動作を説明するための図である。
【図16】(A),(B)は第1,第2後蓋規制手段の
動作を説明するための図である。
【図17】(A),(B)は従来のVHS型テープカセ
ットの構成及び開蓋動作を説明するための図である。
【図18】(A),(B)は従来の8mm型テープカセ
ットの構成及び開蓋動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1…テープカセット、1A…カセット筐体、2…上ハー
フ部材、2a…第1連結板ガイド部、2a…第2連
結板ガイド部、3…下ハーフ部材、3a〜3a…テ
ープローディング用開口部、3i,3j…テープガイド
部、3i,3j…テープ下端規制部、3m,3n…
凹部、3p,3q…突出部,3p,3q…ガイド
溝、3k…ガイドリブ部、4…供給リール、5…巻取リ
ール、7…前蓋、7d…天板、7c…裏面下端部、7
,7d…連結板支持部、8…後蓋、8a,8a
…軸、8a…突出部8a、8b…前面下端部、
8d,8d…ガイド用ボス部、9…連結板、9a
…第1カム部、9a…第2カム部、9c,9c
…軸、9d,9d…腕部、9e…軸抜け防止部、1
0A…第1バネ部材、10B…第2バネ部材、10A,
10B…第1付勢手段(ネジリバネ)、11…第2付勢
手段(ネジリバネ)、2a,9a…第1後蓋規制手
段、2a,9a…第1後蓋規制手段、T…磁気テー
プ。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気テープを巻回した一対のリールを上ハ
    ーフ部材と下ハーフ部材とから組合わせたカセット筐体
    内に収納し、且つ、前記カセット筐体の前面側に形成し
    たテープローディング用開口部の前方に沿って前記磁気
    テープを張架しながら該カセット筐体の前面側に前蓋を
    開閉自在に設け、この前蓋の閉蓋時に該前蓋により前記
    磁気テープの前面を保護すると共に、前記前蓋の裏面側
    で前記磁気テープを挟んで該前蓋に懸架した後蓋のガイ
    ド用ボス部を前記カセット筐体内のガイド溝に嵌合させ
    て該後蓋により該磁気テープの裏面を保護するテープカ
    セットにおいて、 前記カセット筐体のテープローディング用開口部内にあ
    って、前記後蓋を閉蓋方向に向かわせるガイドリブ部を
    前記下ハーフ部材から前方に突出して設けてなり、 前記前蓋の閉蓋時に、前記ガイドリブ部を前記後蓋の裏
    面に当接させることにより、前記前蓋の裏面下端部に前
    記後蓋の前面下端部が当接して前記磁気テープを該前蓋
    と該後蓋と間に密閉状態で保護するよう構成したことを
    特徴とするテープカセット。
  2. 【請求項2】磁気テープを巻回した一対のリールを上ハ
    ーフ部材と下ハーフ部材とから組合わせたカセット筐体
    内に収納し、且つ、前記カセット筐体の前面側に形成し
    たテープローディング用開口部の前方に沿って前記磁気
    テープを張架しながら該カセット筐体の前面側に前蓋を
    開閉自在に設け、この前蓋の閉蓋時に該前蓋により前記
    磁気テープの前面を保護すると共に、前記前蓋の裏面側
    で前記磁気テープを挟んで該前蓋に懸架した後蓋のガイ
    ド用ボス部を前記カセット筐体内のガイド溝に嵌合させ
    て該後蓋により該磁気テープの裏面を保護するテープカ
    セットにおいて、 装置側の前蓋開蓋部材が前記前蓋の左右いずれか一方の
    下端に接離して該前蓋の開閉を行う際、前記カセット筐
    体の左右前方部位と、前記後蓋を懸架した前記前蓋の左
    右部位との間に該前蓋を閉蓋方向に付勢する第1,第2
    バネ部材を夫々設け、前記前蓋開蓋部材が作用する側の
    前記第1バネ部材の付勢力より該前蓋開蓋部材が作用し
    ない側の前記第2バネ部材の付勢力を弱く設定したこと
    を特徴とするテープカセット。
  3. 【請求項3】磁気テープを巻回した一対のリールを上ハ
    ーフ部材と下ハーフ部材とから組合わせたカセット筐体
    内に収納し、且つ、前記カセット筐体の前面側に形成し
    たテープローディング用開口部の前方に沿って前記磁気
    テープを張架しながら該カセット筐体の前面側に前蓋を
    開閉自在に設け、この前蓋の閉蓋時に該前蓋により前記
    磁気テープの前面を保護すると共に、前記前蓋の裏面側
    で前記磁気テープを挟んで設けた連結板及び後蓋により
    該磁気テープの裏面を保護するテープカセットであっ
    て、 前記前蓋の裏面上方に設けられ、且つ、前記前蓋の天板
    裏面に形成した連結板支持部に軸孔嵌合を介して回動自
    在に支持され、前記前蓋の閉蓋時に前記磁気テープの裏
    面上部を保護する連結板と、 前記前蓋の裏面で前記連結板の下方に設けられ、且つ、
    前記前蓋の開閉動作と協働する一対のガイド用ボス部を
    有して前記連結板に形成した腕部に軸孔嵌合を介して回
    動自在に懸架され、前記前蓋の閉蓋時に前記磁気テープ
    の裏面上部より下方を保護する後蓋と、 前記下ハーフ部材の前方部位から上方に突出した一対の
    突出部に形成され、前記一対のガイド用ボス部と嵌合し
    て前記後蓋を開閉方向に案内する一対のガイド溝と、 前記前蓋を閉蓋方向に付勢する第1付勢手段と、 前記連結板を前記前蓋の天板裏面方向に付勢することに
    より該連結板に懸架した前記後蓋を開蓋方向に移動させ
    る第2付勢手段と、 前記上ハーフ部材から前方に突出形成した第1,第2連
    結板ガイド部と、前記連結板の裏面に突出形成した第
    1,第2カム部とで、前記前蓋の閉蓋時に前記第2付勢
    手段によって開蓋方向に付勢された前記後蓋の開蓋を規
    制する第1,第2後蓋規制手段とを具備してなり、 前記第1,第2後蓋規制手段は、前記後蓋の閉蓋途中ま
    では一方が作動し、それ以降は他方が作動するよう切り
    替わるか、あるいは前記後蓋の閉蓋途中のある範囲に亘
    って両後蓋規制手段が重複して作動するよう構成したこ
    とを特徴とするテープカセット。
  4. 【請求項4】磁気テープを巻回した一対のリールを上ハ
    ーフ部材と下ハーフ部材とから組合わせたカセット筐体
    内に収納し、且つ、前記カセット筐体の前面側に形成し
    たテープローディング用開口部の前方に沿って前記磁気
    テープを張架しながら該カセット筐体の前面側に前蓋を
    開閉自在に設け、この前蓋の閉蓋時に該前蓋により前記
    磁気テープの前面を保護すると共に、前記前蓋の裏面側
    で前記磁気テープを挟んで設けた連結板及び後蓋により
    該磁気テープの裏面を保護するテープカセットであっ
    て、 前記前蓋の裏面上方に設けられ、且つ、前記前蓋の天板
    裏面に形成した連結板支持部に軸孔嵌合を介して回動自
    在に支持され、前記前蓋の閉蓋時に前記磁気テープの裏
    面上部を保護する連結板と、 前記前蓋の裏面で前記連結板の下方に設けられ、且つ、
    前記前蓋の開閉動作と協働する一対のガイド用ボス部を
    有して前記連結板に形成した腕部に軸孔嵌合を介して回
    動自在に懸架され、前記前蓋の閉蓋時に前記磁気テープ
    の裏面上部より下方を保護する後蓋と、 前記下ハーフ部材の前方部位から上方に突出した一対の
    突出部に形成され、前記一対のガイド用ボス部と嵌合し
    て前記後蓋を開閉方向に案内する一対のガイド溝とを具
    備してなり、 前記連結板,前記後蓋のいずれか一方に軸孔嵌合中心線
    上から変位した軸抜け防止部を凹状に形成し、且つ、他
    方に略軸孔嵌合中心線上まで突出した突出部を形成して
    なり、 前記連結板と前記後蓋とを軸孔嵌合を介して回動自在に
    支持する際、軸を孔に挿入する挿入位置から挿入完了後
    に前記連結板,前記後蓋のいずれか一方を所定の位置以
    上回動することにより前記突出部が凹状の軸抜け防止部
    内に交差状態で進入して挿入方向とは反対の軸方向に抜
    けることを防止するよう構成したことを特徴とするテー
    プカセット。
JP17734293A 1993-06-24 1993-06-24 テープカセット Expired - Fee Related JP2730453B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17734293A JP2730453B2 (ja) 1993-06-24 1993-06-24 テープカセット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17734293A JP2730453B2 (ja) 1993-06-24 1993-06-24 テープカセット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0714343A JPH0714343A (ja) 1995-01-17
JP2730453B2 true JP2730453B2 (ja) 1998-03-25

Family

ID=16029294

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17734293A Expired - Fee Related JP2730453B2 (ja) 1993-06-24 1993-06-24 テープカセット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2730453B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000123541A (ja) * 1998-10-15 2000-04-28 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気テープカートリッジ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0714343A (ja) 1995-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100306182B1 (ko) 테이프카세트
JP2730453B2 (ja) テープカセット
US5453896A (en) Tape cassette with coordinated front and rear lids and a front rim member for protection of the tape and a rotatable lever connecting the lids
JP2730449B2 (ja) テープカセット
KR960005417B1 (ko) 테이프 카세트
JP2730448B2 (ja) テープカセット
JP2730442B2 (ja) テープカセット
JP2778413B2 (ja) テープカセット
JP2778400B2 (ja) テープカセット
US5543991A (en) Tape cassette having a rear cover composed of two pieces of plates rotatably connected to each other
JP2584979Y2 (ja) テープカセット
EP0611139B1 (en) Tape Cassette
JP2626411B2 (ja) テープカセット
JP3387192B2 (ja) テープカセット
JP2626402B2 (ja) テープカセット
JPH08198293A (ja) 蓋のロック装置
US4658981A (en) Recording tape cartridge
JP2570539B2 (ja) テープカセット
KR0136707B1 (ko) 테이프 카세트(Tape cassette)
JP3057526B2 (ja) テープレコーダ
JPH03235279A (ja) テープカセット
JPH10283754A (ja) テープカートリッジ
JPS60145555A (ja) カセツト装填/イジエクト機構
JPH04206082A (ja) テープカセット
JPH0887862A (ja) テープカセット

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071219

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081219

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091219

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees