JP2730394B2 - コネクチングロッドの曲がり矯正方法 - Google Patents

コネクチングロッドの曲がり矯正方法

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JP2730394B2 JP10973692A JP10973692A JP2730394B2 JP 2730394 B2 JP2730394 B2 JP 2730394B2 JP 10973692 A JP10973692 A JP 10973692A JP 10973692 A JP10973692 A JP 10973692A JP 2730394 B2 JP2730394 B2 JP 2730394B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコネクチングロッドの曲
がり矯正方法に関し、更に詳しくは、コネクチングロッ
ドを熱間鍛造して製造したときに発生することがある連
桿部における曲がりの矯正時に、そのコネクチングロッ
ドの強度低下を招くことなく前記曲がりを矯正する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンのピストンとクランクシ
ャフトに連結されるコンロッドは従来から次のようにし
て製造されている。すなわち、まず所定鋼種の鋼材に熱
間鍛造を施して、所定の寸法形状をしたコネクチングロ
ッドにする。このコネクチングロッドAは、図1の平面
図および図2の側面図で示すように、ピストンピンを嵌
挿する孔1aが形成されている小端部1と、クランクシ
ャフトの軸受けとして作用する大端部2と、小端部1と
大端部2をつなぐ連桿部3で構成されている。
【0003】そして連桿部3において、その小端部1と
接続する部分4および大端部2と接続する部分5は、図
1の平面図で示したように、その側縁が曲線形状をなし
て形成され、これらの部分4と部分5とを結ぶ部分6の
側縁は直線形状になっており、また、上記した連桿部3
のストレート部分6の断面は、図1の III−III 線に沿
う断面図である図3で示したように、両側に位置するエ
ッジ6a,6bの厚みtが中央部6cの厚みよりも厚い
H型形状をなしている。
【0004】鍛造が終了した上記形状のコネクチングロ
ッドAには、次に、例えばショットピーニングを施して
表面の清浄化を図り、同時に表面硬度を高めたのち所定
の切削加工を行ない、所定の寸法精度に仕上げ、次の組
立工程に移送する。ところで、上記した熱間鍛造終了後
にコネクチングロッドAを離型するとき、コネクチング
ロッドAはいまだ高温であるため変形して、得られたコ
ネクチングロッドAの連桿部3が、図1の平面図におい
てその長手方向で僅かに曲がった形状になることがあ
る。このような形状のコネクチングロッドでは、小端部
1の中心q1 と大端部2の中心q2 とが同一線上に乗っ
ていないので、次工程におけるエンジンの組立て時には
極めて不都合であり、不良品となる。
【0005】このような不都合を解消するために、ショ
ットピーニングが終了したコネクチングロッドの連桿部
に対し、次のようにして鍛造曲がりを矯正することが一
般に行なわれている。すなわち、図2と図3で示したよ
うに、連桿部3のうち、ストレート部分6の上下方向か
ら一対のプレスダイ7a,7bを用いて冷間プレスを行
なう。
【0006】このことによって、ストレート部分6のう
ち、上記プレスダイ7a,7bでプレスされた個所8,
8のエッジ6a,6bは、図3で示したように、厚みt
から厚みt’へと厚みを減ずると同時に前記した連桿部
3の鍛造曲がりは矯正される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この様に、鍛造時にコ
ネクチングロッドAに発生した鍛造曲がりは、その連桿
部3のストレート部分6に冷間プレスを行なうことによ
って矯正することができる。しかしながら、この矯正方
法には次のような問題がある。すなわち、連桿部3のス
トレート部分6に上記した冷間プレスを行なうと、その
部分の鋼材の疲労強度が低下するという傾向が発現し、
高温強度が要求されるコンロッドにとっては非常に不都
合な問題が発生することである。
【0008】とくに、ストレート部分6のうち、冷間プ
レスを行なわない部分の境界部近辺8a,8bで上記し
た疲労強度の低下が起こりやすくなる。これらの傾向
は、コネクチングロッドに用いる鋼種が高硬度になれば
なるほど顕著になってくる。一方、最近では、コンロッ
ドを軽量化するために、コンロッド用の材料として、S
48CやSCM440のような鋼種で、その焼入れ温
度,焼戻し温度を適宜に選定することにより、ブリネル
硬さ(HB)が300〜350である高硬度の材料が使
用されている。
【0009】上記材料は、たしかに高硬度,高強度であ
るため、所定強度のコンロッドを製造する場合の使用量
を減ずることができ、エンジンの軽量化にとって有用で
あるが、しかし、HB300〜350と高硬度であるた
め、上記した鍛造曲がりの矯正時に、その疲労強度が大
幅に低下してしまうという問題が避けられない。本発明
は、S48CやSCM440のような高硬度の鋼種でコ
ネクチングロッドを製造する場合における上記した問題
を解決し、冷間プレス時の疲労強度の大幅な低下を招く
ことなく、鍛造曲がりを矯正することができるコネクチ
ングロッドの曲がり矯正方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、冷間プレス
されたストレート部分の疲労強度はエッジの厚みの減少
量(t−t’)が増加するにつれて直線的に減少してい
くこと、また、熱間鍛造後のショットピーニングにより
コネクチングロッドの表面では、冷間プレス時に圧縮残
留応力から引張残留応力が発生し、しかもその引張残留
応力は前記厚み減少量(t−t’)が増加するほど増大
する。とくに、プレス境界部近辺では顕著に増大すると
いう事実を見出した。
【0011】そして、冷間プレスしたストレート部分、
とくにそのプレス境界部近辺を冷間プレスされていない
部分、例えば図1,図2における部分4,5の個所の疲
労強度とほぼ同等の疲労強度にしてコネクチングロッド
の強度を確保した状態で鍛造曲がりを矯正するために
は、上記厚み減少量(t−t’)を、鋼種やコネクチン
グロッドの形状に応じてある所定値以下にすることが必
要であるとの知見を得、本発明方法を開発するに到っ
た。
【0012】すなわち、本発明のコネクチングロッドの
曲がり矯正方法は、HB300〜350の鋼種から成る
コネクチングロッドの連桿部に発生している鍛造時の曲
がりを矯正するために行なう前記連桿部への冷間プレス
において、前記冷間プレスによる前記連桿部の厚み減少
量を監視し、その厚み減少量を所定値以下に制限するこ
とを特徴とするコネクチングロッドの曲がり矯正方法が
提供される。
【0013】本発明方法は、HBが300〜350の高
硬度の鋼種、例えばS48CやSCM440のような鋼
種で製造されるコネクチングロッドの鍛造曲がり矯正に
適用して有効である。しかし、従来からのコンロッド材
として使用されているHB223〜275の鋼種に対し
ても適用することができる。冷間プレスは、連桿部にお
ける厚み減少量を監視しながら行なわれる。その厚み減
少量が所定値より大きくなるような冷間プレスを連桿部
のストレート部分に行なうと、プレス個所、とりわけ、
プレス境界部近辺の疲労強度が冷間プレスを行なってい
ない部分の疲労強度よりも低下することになり、不都合
である。
【0014】
【実施例】鉛0.15重量%を含有するS48Cから成
り、HB300の鋼材を熱間鍛造して、小端部と大端部
の中心間距離が125.5mm、連桿部の厚みが12mmで、
僅かに曲がりのあるコネクチングロッドを得た。このコ
ネクチングロッドにショットピーニングを行なったの
ち、その連桿部のストレート部分に冷間プレスを施して
上記曲がりを矯正した。そのとき、そのプレス個所の厚
み減少量を変化させ、それぞれの個所における疲労限荷
重を測定した。また、冷間プレスを行なわず、プレス境
界部近辺に位置するオイルジェット穴を形成すべき2個
所の疲労限荷重も測定した。
【0015】その結果を図4に示した。図中、○印はプ
レス個所の疲労限荷重、●印は冷間プレスを行なわなか
った個所であるオイルジェット穴付近の疲労限荷重であ
る。図4から明らかなように、プレス個所では厚み減少
量が増加するにつれて、すなわちプレス荷重が増大する
につれて、その個所の疲労強度が直線的に低下してい
る。そして、コネクチングロッドの疲労強度を規定する
オイルジェット穴付近の疲労強度を確保するためには、
プレス時の厚み減少量を0.2mm以下に、すなわち、厚み
減少率がストレート部分の厚み(12μm)に対し約1.
67%以下となるように設定すべきことが判る。
【0016】次に、冷間プレスした上記ストレート部分
において、その長手方向の中央部(a個所)、プレス境
界部近辺(b個所)、およびそのプレス境界部近辺に近
接しているが冷間プレスが施されていない個所(c個
所)の3個所の残留応力を、両エッジに関して測定し
た。その結果を厚み減少量との関係で図5に示した。図
中、破線はa個所を表し、一点鎖線はb個所を表し、そ
して実線はc個所を表す。
【0017】図5から明らかなように、プレス境界部近
辺においては、プレスされた個所(b個所)では厚み減
少量が増加しても引張残留応力は発生せずに圧縮残留応
力が維持されているが、しかしプレスされていない個所
(c個所)では、厚み減少量が0.2mm超える(厚み減少
率が1.67%を超える)と応力は圧縮残留応力から引張
残留応力に転換する。したがって、厚み減少量が0.2mm
を超えるとプレス境界部近辺におけるプレスと非プレス
の境界部それ事態の位置では応力は劇的に変化してい
く。
【0018】そして、前記したオイルジェット穴近辺に
おける疲労限界応力を測定したところ、一方のエッジに
おいては、約20kgf/mm2,他のエッジにおいては約18
kgf/mm2 であった。したがって、このオイルジェット穴
近辺の疲労強度に対応させると、図5からも、図4の場
合と同じように、冷間プレスによるストレート部分の厚
み減少量は0.2mm以下(厚み減少率として0.15%以
下)にすることが必要になる。
【0019】なお、HB300のSCM440の鋼種で
同様の試験を行なったところ、上記したS48Cの場合
と同様の結果が得られた。
【0020】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明方
法によれば、高硬度の鋼種を用いて鍛造されたコネクチ
ングロッドの疲労強度を低下させることなく、鍛造時に
発生した曲がりを矯正することができる。したがって、
高硬度,高強度の鋼種を用いて曲がりのないコネクチン
グロッドを製造することがてきるので、所定強度が確保
され、かつ軽量なコンロッドを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱間鍛造したコネクチングロッドの平面図であ
る。
【図2】熱間鍛造したコネクチングロッドとその連桿部
に冷間プレスを行なう状態を示す側面図である。
【図3】図1の III−III 線に沿う連桿部の断面とその
エッジに冷間プレスを行なう状態を示す断面図である。
【図4】冷間プレスによる厚み減少量と疲労限荷重との
関係を示すグラフである。
【図5】冷間プレスによる厚み減少量と残留応力との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
A コネクチングロッド 1 小端部 1a ピストンピンを嵌挿する孔 2 大端部 3 連桿部 4,5 曲線の接続部 6 ストレート部 6a,6b ストレート部のエッジ 7a,7b プレスダイ 8 冷間プレスした個所 8a,8b プレス境界部近辺 t 冷間プレス前のエッジ6a,6bの厚み t’ 冷間プレス後のエッジ6a,6bの厚み

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブリネル硬さ300〜350の鋼種から
    成るコネクチングロッドの連桿部に発生している鍛造時
    の曲がりを矯正するために行なう前記連桿部への冷間プ
    レスにおいて、前記冷間プレスによる前記連桿部の厚み
    減少量を監視し、その厚み減少量を所定値以下に制限す
    ることを特徴とするコネクチングロッドの曲がり矯正方
    法。
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