JP2729977B2 - 車両検出装置及び交通量計測装置 - Google Patents

車両検出装置及び交通量計測装置

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JP2729977B2
JP2729977B2 JP5134138A JP13413893A JP2729977B2 JP 2729977 B2 JP2729977 B2 JP 2729977B2 JP 5134138 A JP5134138 A JP 5134138A JP 13413893 A JP13413893 A JP 13413893A JP 2729977 B2 JP2729977 B2 JP 2729977B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両検出装置及び交通
量計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】道路上を移動する車両を検出したり、或
いはその検出した結果に基いて交通量を測定する場合、
例えば、特開平3−6799号に示されるようにレーザ
光線やマイクロ波レーダー並びに超音波センサ等を用い
て、各種光線を移動体に向けて出射し、その反射波等を
検出することにより車両の有無を検知するようにしたも
のがある。そして、所定の時間内に通過する(検出す
る)車両の台数から交通量を測定することができる。
【0003】また、特開平2−244299号に示され
るように地中にループコイルを埋設し、そのループコイ
ルの上方を車両が通過する時に生じるループコイルのイ
ンダクタンスの変化を検出することにより、車両の通過
を検出するようにしたものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の車両検出・交通量計測装置では、以下に示す問題があ
り、いずれも十分なものではなかった。すなわち、前者
の場合には、降雨,吹雪,濃霧等があると、測定誤差が
大きくなるため、計測が天候に左右されてしまい悪天候
の時のデータを得ることができないと言う問題がある。
【0005】また、後者の場合には、ループコイルを地
中に埋設する作業が必要であるため、一旦車両の通行を
中断させた状態で道路を掘り起こし、ループコイルを設
置し、埋め戻すという作業が必要であり、一旦設置した
後はその設置位置を変更することが容易にはできず、常
に新たにループコイルを設置する必要がある。したがっ
て、係る作業が煩雑であり、結局その設置箇所は、例え
ば駐車場の出入り口通路などの特殊な場所に限られてし
まい、一般の道路における交通量計測をすることは実際
上できなかった。
【0006】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、設置場所を比較的容
易に移すことができ、しかも、天候に左右されることが
なく、通常の道路上を移動する車両を、しかもその移動
方向並びに速度も含めて検出することのできる車両検出
装置及び交通量計測装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係る車両検出装置では、道路わきに所定
間隔をおいて配置される、車両が有する固有磁気を検出
する複数の磁力検出装置と、前記車両の移動にともなう
前記複数の磁力検出装置の出力の変化の位相差を検出す
る手段と、前記検出された位相差の進み或いは遅れから
走行方向を決定する手段と、前記検出された位相差の大
きさから車両の速度を算出する手段を備える。そして、
前記磁力検出装置は、1つの車両の通過に伴い平常時の
出力よりも大きい極大値と前記平常時の出力よりも小さ
い極小値を含む1周期分の波形を出力するもので、前記
位相差を検出する手段は、前記複数の磁力検出装置から
出力される同一波形同士の位相の差を求めるように構成
した(請求項1)。また、別の解決手段としては、道路
わきに所定間隔をおいて配置され、車両が有する固有磁
気を検出し、1つの車両の通過に伴い平常時の出力より
も大きい極大値と前記平常時の出力よりも小さい極小値
を含む1周期分の波形を出力する複数の磁力検出装置
と、前記車両の移動にともなう前記複数の磁力検出装置
から出力される波形の瞬時値の差と、その出力波形の変
化の増減の状態を示す基調との関係から前記車両の走行
方向を判定する手段と、前記複数の磁力検出装置の配置
間隔と、両磁力検出装置での検出タイミングのずれから
前記車両の速度を算出する手段を備え、かつ、前記複数
の磁力検出装置を設置する所定の間隔は、各磁力検出装
置から出力される波形がほぼオーバーラップするような
距離に設定されるように構成してもよい(請求項2)。
【0008】また、本発明に係る交通量計測装置では、
上記構成の車両検出装置の出力を記憶する手段と、計時
手段とを備え、その計時手段によって計測される所定の
時間内における前記車両検出装置からの出力を前記記憶
する手段に格納するようにした。
【0009】
【作用】車両はそれぞれ固有磁界を有しており、その車
両が移動すると、磁力検出装置に近付いてきて、その後
遠ざかることになるため、その移動にともない磁力検出
装置で検出される磁力が変化する。そして、必ず1台の
車両が通過すると極大値と極小値とのペアが生じる。し
たがって、係るペアを検出することにより車両の通過が
検出される。
【0010】そして、所定の間隔をおいて配置された複
数の磁力検出装置では、車両の進行にともない、一方の
磁力検出装置の出力に対し他方の磁力検出装置は一定時
間遅れて検出することになり、両者の出力波形には所定
の位相差が生じる。
【0011】そこでその位相差を検出し、位相が進んで
いる方の磁力検出装置側から他方に向かって車両が移動
していることがわかる。また、速度が速いほど位相差は
小さい。よって、その大きさに基づいて速度も検出する
ことができる。
【0012】また、計時手段からの信号に基づいて上記
車両検出装置を作動させ、その検出結果を記憶する手段
に格納することにより、一定時間内に通過した車両の
数、すなわち、交通量が計測される。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る車両検出装置及び交通量
計測装置の好適な実施例を添付図面を参照にして詳述す
るが、その具体的な実施例を説明する前に、本発明が創
作されるに至る過程並びに、基となる原理について説明
する。
【0014】まず、図1,図2に示すように、移動体で
ある車両1は、鉄等の金属で形成されているため、地球
上に存在する種々の磁場により磁化されている。そして
その磁化の方向は、車両1の駐・停車位置や移動経路等
により各種方向に向いており、その大きさは、鉄等の金
属の量、すなわち、車両1の大きさに応じている。そし
て、その磁化は、磁気双極子であるダイポール2と考え
ることができ、車両1の中心Oとダイポール2の中心と
が一致するとともに、上記磁化の方向にダイポール2が
向いていることになる。
【0015】そして、その車両1から発生する固有磁界
3は、1次近似では車両1の中心Oを中心としてのダイ
ポール2の軸の方向に一様に発生している球面の磁場で
あらわされる。なお、図2中固有磁界3は、便宜上ダイ
ポール2の片側のみに示したが、そのダイポール2を中
心として線対象となるように反対側にも固有磁界が生じ
ている。また、本明細書において便宜上、ダイポール2
の中心Oを通り、N極,S極に垂直な面をダイポール赤
道面4と呼び、そのダイポール赤道面4の周縁をダイポ
ール赤道5とする。そして、車両1の中心Oから所定方
向に所定距離だけ離れた地点Pに着目すると、中心Oか
ら地点Pまでの距離をrとし、中心Oと地点Pを結ぶ線
と、前記ダイポール赤道面4との成す角φを、ダイポー
ル緯度とする。なお、この地点Pに、後述する本発明に
係る車両検出装置を構成する磁力検出計7が設置され
る。
【0016】上記のように定義すると、地点Pにおける
磁力線は、 r=b・cos 2 φ (1) なる関係式であらわされる。ここでbは中心Oから磁力
線3がダイポール赤道面4を切るまでの距離である。
【0017】また、地点Pにおけるダイポール2の磁気
ポテンシャルVは、次式であらわされる。
【0018】
【数1】 そして、磁場の反径方向の成分Z(地点Pから中心Oへ
向けた磁場成分)は、ダイポールの中心方向を正とすれ
ば、
【0019】
【数2】 で与えられる。また、地点Pでの接線方向の成分Hは、
地点Pを通る子午線6上(接線方向)にあり、N極の方
向に向いており、次式で与えられる。
【0020】
【数3】 そして、上記2つの磁場成分を合成した全磁力Fは、 F=(H2 +Z2 1/2 (5) となり、この全磁力Fの上記磁場成分Zに対する傾きI
Xは、 tan IX=Z/H=2tan φ (6) で与えられる。
【0021】次に、移動中の車両1から発生する地点P
における固有磁界3の影響について考える。ここで、ま
ず図2に示すように、便宜上XY座標を規定する。すな
わち、車両1の進行方向をY軸とし、進行方向前方が負
で後方が正とする。また、車両1の進行方向に直交する
方向をX軸とし、その進行方向に向かって右手が負で、
左手が正とする。そして、両軸の交点は、車両1の中心
Oとなる。すなわち、このXY座標軸は、車両1の移動
にともない逐次変動する。
【0022】また、上記X軸からダイポール赤道面4と
の成す角をバイアス角Bとおき、ダイポール緯度φとバ
イアス角Bの和、すなわちX軸と車両1の中心Oから地
点Pを結ぶ線のなす角をθとおくと、XY座標上におけ
る上記地点Pの座標(x,y)は、下記式によりもとめ
られる。
【0023】x=r・cos (φ+B)=r・cos θ y=r・sin (φ+B)=r・sin θ (7) 次に、上記地点Pに磁力検出計7をおいた場合の、その
磁力検出計7の出力について考える。今、磁力検出計7
は、矢印N′方向の磁力を受けた時に最大出力となり、
N′と逆方向の時に最小出力(負の最大)となり、N′
と直交方向の磁力を受けた時に出力0となるように設定
されている。
【0024】したがって、仮にバイアス角Bが所定の角
度で磁化されている車両1が、Y軸上を一定速度で無限
遠点から近付いてきて、さらに無限遠点に向かって遠ざ
かって行くように移動した場合の上記磁力検出計7の出
力波形は、図3(A)〜(H)に示すようになる。これ
は、式(5)から、全磁力Fのx成分が
【0025】
【数4】 Fx =F・cos (IX+φ+B)=F・cos (IX+θ) (8) で与えられることから明らかである。ここでIXは、式
(6)より、 IX=tan -1(2tan φ) (9) で与えられる。
【0026】そして、図から明らかなように、車両が1
台通過すると、極大値M1と極小値M2のペアがあらわ
れるため、そのペアを検出することにより車両を検出す
ることが可能となる。そして、上述したごとく大型の車
両ほど、その車両が有する固有磁界が大きいため、極大
値M1と極小値M2の差が大きくなる。したがって、そ
の差の大小を検出することによって、検出した車両の種
別、大型車か小型車かなどを判別することができる。
【0027】この様に、1つの磁力検出計7の出力を測
定することにより、磁力検出計7の前を通過する車両を
検出でき、しかも、タイマ等を設け、そのタイマからの
時刻信号に基づいて、一定期間上記車両の検出を行うと
ともに、その期間内に検出された車両データ(例えば大
型車の台数と、その大型車と小型車を合せた台数等)を
メモリに格納することにより、交通量計測を行うことが
できる。
【0028】しかし、係る構成では、車両の磁化方向が
一定でないため、その車両の走行方向までを検出するこ
とはできない。そこで本発明に係る車両検出装置では、
上記の原理を元にして、車両の走行方向も自動的に検出
でき、さらに、その走行速度も測定できるようにしたも
ので、上記構成の磁力検出計を2個設けた。そして、車
両の走行にともない変化する両磁力検出計の出力を波形
としてとらえる。すると、その2つの波形には、必ず所
定の位相差を生じるため、本発明では係る位相差から車
両の走行方向と速度を求めるようになっている。
【0029】そして、その一例として示すと、図4のよ
うに、第1,第2磁力検出計7a,7bを、測定対象の
車両1a,1bが通過する道路の側縁に平行に、一定の
距離L[m]をおいて配置する。これら両磁力検出計7
a,7bは、検出した磁力(車両1a,1b…から受け
る固有磁界)の大きさを電圧に変換して出力するもの
で、車両の移動にともない変化する磁力を逐次検出しす
るとともに出力するもので、図2に示す磁力検出計7に
相当し、そして、それら両磁力検出計7a,7bの出力
を、測定装置本体8に入力する。
【0030】この測定装置本体8は、図5に示すよう
に、各磁力検出計7a,7bの出力を第1,第2の位相
検波器9a,9bに接続し、そこにおいて各磁力検出計
7a,7bの出力波形の位相を求める。そして、その位
相検波器9a,9bの出力を位相比較器10に送り、そ
こにおいて両位相の差を求め、その結果を、次段の方向
判定部11並びに速度算出部12に送り、それぞれ車両
の進行方向並びにその車速を算出するようにしている。
【0031】すなわち、車両の移動にともない、両磁力
検出計7a,7bからは、一方が一定の時間だけ送れて
同一波形を出力することになる。したがって、方向判定
部11では、その位相差からどちらの磁力検出計の出力
波形が進んでいるかを検出し、かかる位相の進んでいる
波形を出力した磁力検出計側から他方の磁力検出計に向
かって車両が走行していると判断できる。そして、係る
波形の検出は、位相比較器10において位相差を求める
際に、常に一方の位相検波器の出力を基準とし、減算す
るようにしておけば、その出力の正負を検知することに
より簡単に対応できる。
【0032】また、速度算出部12では、位相差Cは、
下記式に示すように、速度V[km/h]と両磁力検出
計7a,7bの離反距離L[m]の関数で示すことがで
きるため、下記式にL(固定)並びに算出した位相差C
を代入してVについて解くことにより車速を求めるよう
になっている。
【0033】 C=((60*60)/(1000*V))*L =3.6*L/V [sec] (10) なお、ここで測定可能な車速の精度について考える。ま
ず、第1,第2の磁力検出計7a,7bの間隔Lが1
[m]とし、車両の速度Vが90[km/h]の場合の
位相差C90は、 C90=0.040[sec] (11) となり、同様に、車両の速度Vが100[km/h]の
場合の位相差C100 は、 C100 =0.036[sec] (12) となる。
【0034】したがって、上記両式(11),(12)
から、距離Lが1[m]の状態で速度Vを1[km/
h]の精度で測定したい場合には、「(0.040−
0.036)/10」より、0.0004[sec]の
精度で位相差を検出できるようになっていればよい。な
お、距離を大きくするほど検出する位相差の精度が低く
ても所望の速度差を検出できるようになり、要求並びに
設置箇所の環境等に応じて適宜設定する。
【0035】そして、各部11,12で求めた結果(車
両データ)を、計時手段たるタイマ13から出力される
時刻と共に記憶部14に格納し、必要に応じてプリンタ
ー,CRT,メモリ,ディスク等の出力装置15に出力
するようになっている。すなわち、この様にタイマ13
の出力を用いて時刻と共に車両データを記憶部14に格
納し、その後出力するように構成することにより本発明
に係る交通量計測装置が構成され、また、図5に示す構
成から、タイマ13,記憶部14等を除くことにより単
に車両の検出を行う本発明に係る車両検出装置が構成さ
れる。
【0036】なお、上記した位相差を求める際に、以下
に示すようにソフトで対応することもできる。すなわ
ち、まず第1の磁力検出計7aから出力される時系列デ
ータをxiとし、第2の磁力検出計7bから出力される
時系列データをyiとすると、両データの母集団は、そ
れぞれ、 x0 ,x1 ,…xi ,…xn,… y0 ,y1 ,…yi ,…yn,… で表すことができる。ここで、 Zi =xi −yi±c として、cを例えば±100サンプリングタイムで変換
させ、その時のZi の平均値((ΣZi )/n)の絶対
値が最も小さくなるようなcを求める。そしてそのよう
にして算出されたcが位相差となる。
【0037】図6は、上記した位相差の概念を取り入
れ、より簡単な構成で車両の走行方向並びに車速を求め
るようにした本発明の第2実施例を示している。この例
でも、2つの磁力検出計7a,7bを用いる点では、上
記した第1実施例と同様であり、本例では具体的な測定
装置本体8′の構成が異なる。
【0038】すなわち、両磁力検出計7a,7bの出力
を8bitのA/D変換器20a,20bを介して、次
段の比較部21,基調判定部22並びに極大・極小検出
部23にそれぞれ送るようになっている。なお、磁力検
出計7a.7bの出力は例えば0〜5Vの範囲となって
おり、交通量があまり多くない時に、高感度の磁力検出
計7a,7bの出力が中間の2.5V付近になるように
調整されているものとする。
【0039】比較部21では、両磁力検出計7a,7b
の出力の差を取るもので、具体的には第1の磁力検出計
7aの出力から第2の磁力検出計7bの出力を減算する
ようになっている。そして、その算出結果(出力差)を
次段の第1メモリ24にタイマ13から得られる時刻デ
ータとともに格納するようにしている。これにより、係
る時刻データに基づいて出力差データを時系列データと
してとらえることができ、例えば上記した図4に示すよ
うに同一方向(B=0°)に磁化された2つの車両1
a,1bが、それぞれ反対方向に移動するとすると、両
磁力検出計7a,7bの出力は、図7(A),(B)に
示すように変化し(図中実線が第1の磁力検出計7aの
出力で、同破線が第2の磁力検出計7bの出力)、その
差(比較部21で求められ、第1のメモリ24に格納さ
れたデータ)は、同図(C),(D)に示すようにな
る。
【0040】また、基調判定部22は、第1,第2の磁
力検出計7a,7bの少なくとも一方の出力が、増加基
調にあるのか、減少基調にあるのかを判定するもので、
具体的には、直前の出力値(前回サンプリングにより抽
出した出力値)を記憶しておき、その値と現在の出力値
を比較し、現在の出力値の方が大きければ増加基調と判
定し、小さければ減少基調と判定する。そして、その判
定結果をタイマ13から得られる時刻データとともに第
2のメモリ25に格納する。
【0041】さらに、極大・極小検出部23では、各磁
力検出計7a,7bの出力波形(経時的に変化する一連
のデータ群)の極大値と極小値を検出するもので、その
大きさと、その時の時刻を対にして第3のメモリ26に
格納する。なお、本例では出力値を8bitで表現して
いるため、極大値附近、並びに極小値附近では、時間の
経過に対する変化が小さく、場合によっては、一定期間
同一の数値が現れることがある。係る場合には、上記時
刻としては、かかる一定期間の中間値をとるようにして
いる。
【0042】そして、第1メモリ24と第2メモリ25
のデータを方向判定部27が読み出し、各メモリ24,
25に格納された出力差並びに基調データに基づいて、
車両の走行方向を判定するようになっている。すなわ
ち、図7(C),(D)から明らかなように、仮に同一
方向に磁化されている場合には、係る出力の差の正負の
変化の履歴を見ることにより方向がわかる。しかし、仮
に図4の例で図中右側に向かって走行する車両1bの磁
化の方向が、図示のものと逆向き(B=180°)とす
ると、同一速度で同一方向に走行した時の両磁力検出計
7a,7bの出力及び両出力の差はそれぞれ図7
(E),(F)に示すようになる。そして、この図7
(F)の正負の変化の履歴は、上記した左方向に移動す
る車両1aの履歴(図7(C)参照)と同一となる。す
なわち、逆方向に走行する車両の変化が同一となり、比
較部21の出力だけでは、方向の判定ができない。
【0043】ところで、上記車両1aの出力の基調は図
7(A)から明らかなように、検出開始当初は、各磁力
検出器7a,7bの出力は減少基調となり、その後増加
基調となるのに対して、図7(E)のものでは、それと
は逆に当初は増加基調でその後減少基調となる。すなわ
ち、出力差の履歴が同じものであっても、その進行方向
により基調の変化が異なる。
【0044】そして、このことは、磁化の方向を0°〜
315°まで45°間隔で変えた時の出力差その時の基
調の変化を示す図8(進行方向が右),図9(進行方向
が左)から、すべの事象について同様となることがわか
る。
【0045】なお、ここで基調の変化は、出力差の正負
が入れ代わる時を基準に行っている。しかも、開始当初
は遅れて検出される磁力検出計の出力についての基調を
用い、正負が入れ代わったなら、先行する他方の磁力検
出計の出力についての基調を用いる。その後一定期間経
過後再度使用する磁力検出計を切り替え、さらに出力差
の正負が入れ代わるタイミングで使用する磁力検出計の
出力を変えるようにしている。
【0046】したがって、増加基調(減少基調)の時に
出力差が正(負)の場合には、図4中で車両が左方向に
移動していると判定でき、逆に減少基調(増加基調)の
時に出力差が正(負)の場合には、右方向に移動してい
ると判定する。そして、この具体的な判定は、検出開始
当初、或いは、検出誤差などをなくすためには、一度出
力差の正負が入れ代わった後の一定期間における、出力
差の正負と、基調の増減が一致しているか否かにより方
向の判定を行う。
【0047】また、第3メモリ26に格納されたデータ
は速度算出部28に送られるが、ここでは第1(7a)
と第2(7b)の位相差例えば、第1の磁力検出計7a
に基づく極大値と極小値の現れた時刻データの中間の時
刻t1を求め、同様に第2の磁力検出計7bに基づく極
大値と極小値の現れた時刻データの中間の時刻t2を求
める。そして、両者の時刻の差T=t1−t2を算出す
る。係る時間差Tが、両磁力検出計7a,7b間の距離
L[m]だけ進むに要した時間であるため、両者から速
度Vを求める。そして、そのようにして求めた方向と速
度Vを上記第1実施例と同様に時刻データとともに記憶
部14に格納する。
【0048】さらに本例では、第3メモリ26に格納さ
れた極大・極小データを車両検出・判定部29に送り、
ここにおいて、磁力検出計の前を通過したのが、車両で
あるか否か、並びに車両であるならばそれが大型車か小
型車かを判定するようにしている。すなわち、1台の車
両が通過すると、必ず対となる極大値と極小値とが生じ
る(発生する順序は不問)ため、ペアとなる極大値と極
小値があるか否かを判定し、ペアが検出された場合に
は、車両が1台通過したと判断するようになっている。
但し、検出されたペアの中には固有磁界以外の外部磁界
の変動やノイズなどにより、或いは自転車などの検出対
象外でありながら小さな固有磁界を有するものの移動に
ともない、極大値と極小値とのペアが含まれることが有
り得る。これは、検出精度を上げるために、磁力検出計
7a,7bの精度を高くするほど、車両1の通過以外の
理由による極大値と極小値のペアの発生する可能性が高
くなる。しかし、それらの不要なペアは、いずれもその
磁力が小さく、ペアとなる極大値と極小値との差も小さ
くなる。そこで、本例では、その差がある一定以上のペ
アがあった時に車両が通過したと判定するようにしてい
る。
【0049】変化が広範囲にわたる地球磁気の変化や気
候的な温度変化等の影響は両方の磁力計の変化が同じこ
とからソフトウエア的にキャンセルできることは言うま
でもない。
【0050】また、この車両検出・判定部29では、上
記極大値と極小値との差の大小に基いて検出した車両の
種別、例えば、大型車か小型車かを判定できるようにな
っている。つまり、この車両検出・判定部29では、入
力された極大値と極小値の差を求め、その算出結果が一
定値以上であれば、車両と判断し、さらに他の所定値以
上の場合には、大型車と判断する(所定値以下の場合に
は小型車と判断する)ようになっている。
【0051】但し、たとえ同一の車両であっても走行車
線が異なると磁力検出形7a,7bまでの距離が異なる
ため検出出力が異なるので(図4の例では、右に向かっ
て走行する車両を検知した出力の方が小さい)、上記車
両の有無並びに車種の区別を行うに際し走行車線により
プログラム・ソフトウエア等により重み付けを行い、み
かけの増幅率を変えるようになっている。そして、いず
れの車線を走っているかは、例えば方向判定部27の出
力から得るようにすればよい。なお、係る極大・極小検
出部23並びにその検出結果に基づき作動する車両検出
・判定部29は、上記した第1実施例に適用してもよい
のはもちろんである。
【0052】そして、その判定結果を記憶部14に格納
する。なお、この車両検出判定部29による判定の結
果、車両でないと判断されたなら、上記方向判定部2
7,速度算出部28で求めた車両データを記憶部14に
登録しない、或いは削除することである。なお、上記し
た第1実施例と同様に、記憶部14に格納された車両デ
ータは、必要に応じて出力装置15に出力できるように
なっている。
【0053】そして、本例では、車両データを格納する
に際し、タイマ13から得られる時刻データも対にして
記憶部に格納しているため、本発明に係る交通量測定装
置を形成することができる。また、上記第1実施例と同
様に時刻データと共に車両データを記憶部に格納する機
能を除くことにより単に車両の検出を行う本発明に係る
車両検出装置が構成される。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る車両検出装
置及び交通量計測装置では、車両の有する固有磁界が、
車両の移動にともない変化するため、その極大値と極小
値を検出することにより、車両を検出することが可能と
なり、その検出に際しては、地上に設置した磁力検出手
段と、その検出手段からの出力信号に対して所定の処理
をする装置があれば良いため、従来のようにループコイ
ルを地中に埋設する必要がなく、例えば、測定する道路
の脇等に本装置を設置するだけで良い。したがって、移
動が簡単で、所望の位置に移動し設置することができ
る。しかも、磁力を検出媒体としているため、降雨,吹
雪き,濃霧等であったとしても、測定が可能で天候に左
右されない。さらに、磁力の変化を検出媒体としている
ため、地磁気等の固有磁界以外の外部磁界の影響を受け
ることがなく、正確に測定することが可能となる。
【0055】さらに、本発明では、係る車両が有する固
有磁気を検出する磁力検出装置を道路わきに所定間隔を
おいて複数配置したため、同一の車両についての各磁力
検出装置の出力は、所定の位相差を生じる。したがっ
て、かかる位相差を検出すると共に、所定の演算処理を
行うことにより、車両の移動方向並びにその速度を検出
することができる。
【0056】さらには、計時手段を用いて一定時間上記
の車両検出作業を行うとともに、検出した車両の数等を
記憶手段に格納することにより、交通量の計測を簡単に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動作原理を説明するための図である。
【図2】本発明の動作原理を説明するための図である。
【図3】車両の移動にともなう磁力の変化を示す図で、
(A)〜(H)は車両の磁化方向をパラメータとした上
記変化の差を示すグラフである。
【図4】本発明に係る車両検出装置並びに交通量計測装
置の好適な一実施例を示す外観図である。
【図5】本発明に係る車両検出装置並びに交通量計測装
置の第1実施例を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る車両検出装置並びに交通量計測装
置の第2実施例を示すブロック図である。
【図7】本実施例の作用を説明する図である。
【図8】本実施例の作用を説明する図である。
【図9】本実施例の作用を説明する図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 車両 7,7a,7b 磁力検出計 9a,9b 位相検波器 10 位相比較器 11,27 方向判定部 12,28 速度算出部 13 タイマ 14 記憶部 21 比較部 22 基調判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−600(JP,A) 特開 平4−153899(JP,A) 特開 昭49−122994(JP,A) 特開 昭55−23482(JP,A) 実開 平4−82797(JP,U) 実開 平4−93400(JP,U) 特公 昭62−39882(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路わきに所定間隔をおいて配置され
    る、車両が有する固有磁気を検出する複数の磁力検出装
    置と、 前記車両の移動にともなう前記複数の磁力検出装置の出
    力の変化の位相差を検出する手段と、 前記検出された位相差の進み或いは遅れから走行方向を
    決定する手段と、 前記検出された位相差の大きさから車両の速度を算出す
    る手段を備え、 前記磁力検出装置は、1つの車両の通過に伴い平常時の
    出力よりも大きい極大値と前記平常時の出力よりも小さ
    い極小値を含む1周期分の波形を出力するもので、 前記位相差を検出する手段は、前記複数の磁力検出装置
    から出力される同一波形同士の位相の差を求めるもので
    あることを特徴とする車両検出装置。
  2. 【請求項2】 道路わきに所定間隔をおいて配置され、
    車両が有する固有磁気を検出し、1つの車両の通過に伴
    い平常時の出力よりも大きい極大値と前記平常時の出力
    よりも小さい極小値を含む1周期分の波形を出力する複
    数の磁力検出装置と、 前記車両の移動にともなう前記複数の磁力検出装置から
    出力される波形の瞬時値の差と、その出力波形の変化の
    増減の状態を示す基調との関係から前記車両の走行方向
    を判定する手段と、 前記複数の磁力検出装置の配置間隔と、両磁力検出装置
    での検出タイミングのずれから前記車両の速度を算出す
    る手段を備え、 かつ、前記複数の磁力検出装置を設置する所定の間隔
    は、各磁力検出装置から出力される波形がほぼオーバー
    ラップするような距離に設定されていることを特徴とす
    る車両検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の車両検出装置
    と、その車両検出装置の出力を記憶する手段と、計時手
    段とを備え、その計時手段によって計測される所定の時
    間内における前記車両検出装置からの出力を前記記憶す
    る手段に格納するようにした交通量計測装置。
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