JP2729624B2 - 有機性汚泥の処理方法 - Google Patents
有機性汚泥の処理方法Info
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- JP2729624B2 JP2729624B2 JP63050386A JP5038688A JP2729624B2 JP 2729624 B2 JP2729624 B2 JP 2729624B2 JP 63050386 A JP63050386 A JP 63050386A JP 5038688 A JP5038688 A JP 5038688A JP 2729624 B2 JP2729624 B2 JP 2729624B2
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、下水・し尿汚泥、畜産関係汚泥や産業排水
を生物処理した汚泥などの有機性汚泥の処理方法に関す
る。
を生物処理した汚泥などの有機性汚泥の処理方法に関す
る。
従来、下水・し尿汚泥や産業排水を生物処理した汚泥
などの有機性汚泥の処理方法には、汚泥の安定化とメタ
ンガスの回収を目的として嫌気性消化法が多く用いられ
ており、この従来の嫌気性消化法の基本フローは、第7
図に示すように、消化タンク1内に汚泥Aが供給されて
嫌気性消化がなされた後に、沈降槽2内で消化汚泥Bと
脱離液Cと沈降分離されると共に、消化タンク1及び沈
降槽2内で発生したガスDが回収されるようになってい
る。
などの有機性汚泥の処理方法には、汚泥の安定化とメタ
ンガスの回収を目的として嫌気性消化法が多く用いられ
ており、この従来の嫌気性消化法の基本フローは、第7
図に示すように、消化タンク1内に汚泥Aが供給されて
嫌気性消化がなされた後に、沈降槽2内で消化汚泥Bと
脱離液Cと沈降分離されると共に、消化タンク1及び沈
降槽2内で発生したガスDが回収されるようになってい
る。
ところで、上記消化タンク1内での嫌気性消化の反応
は、大別して、炭水化物などの有機分が有機酸に分解し
ていく酸発酵過程である前段と、該有機酸が分解してメ
タンガスを発生するメタン発酵過程である後段とに分け
られる。そして、一般に、汚泥中にある酢酸、蟻酸など
の有機酸は勿論、メタノール、単糖類、アミノ酸、低級
脂肪酸などの比較的分子量の少ない有機分も容易に有機
酸となり、メタン発酵過程に進む。しかしながら、たん
ぱく質、セルロース、脂質、菌体など分子量が多く複雑
な構造の有機分は、多くの微生物や酵素が関与して前述
の分解し易い有機分に変化していくため、通常の嫌気性
分解では汚泥中有機分の内、分解可能な物質全てがメタ
ン発酵過程まで達するのに長い時間を要する。従って、
例えば、下水汚泥の場合、一般的には20〜30日の消化日
数であるが、前記分解しにくい有機分の分解反応が主と
して進行する6〜10日以降はガス発生量、有機分分解率
ともに大幅に減少する(“Thermal Conditioning Tests
of Activated Sludge and Anaerobic Digestion Tests
of The Filtrates"by Dr.Ing.K.H.Kalbskopf,Water Re
search,6,1972,517および発明者らの実験結果によ
り)。
は、大別して、炭水化物などの有機分が有機酸に分解し
ていく酸発酵過程である前段と、該有機酸が分解してメ
タンガスを発生するメタン発酵過程である後段とに分け
られる。そして、一般に、汚泥中にある酢酸、蟻酸など
の有機酸は勿論、メタノール、単糖類、アミノ酸、低級
脂肪酸などの比較的分子量の少ない有機分も容易に有機
酸となり、メタン発酵過程に進む。しかしながら、たん
ぱく質、セルロース、脂質、菌体など分子量が多く複雑
な構造の有機分は、多くの微生物や酵素が関与して前述
の分解し易い有機分に変化していくため、通常の嫌気性
分解では汚泥中有機分の内、分解可能な物質全てがメタ
ン発酵過程まで達するのに長い時間を要する。従って、
例えば、下水汚泥の場合、一般的には20〜30日の消化日
数であるが、前記分解しにくい有機分の分解反応が主と
して進行する6〜10日以降はガス発生量、有機分分解率
ともに大幅に減少する(“Thermal Conditioning Tests
of Activated Sludge and Anaerobic Digestion Tests
of The Filtrates"by Dr.Ing.K.H.Kalbskopf,Water Re
search,6,1972,517および発明者らの実験結果によ
り)。
このように分解の遅い難分解性有機分の反応を促進す
るために、特に分解率の低い余剰活性汚泥を嫌気性消化
する前に熱処理を行なうことにより、約30%の分解率の
向上とメタンガスの発生量の増大を図ることができる方
法が提案されている(「熱変性メタン発酵システムのパ
イロットプラント研究」下水道協会誌VOL.23 No.264 19
86/5参照)。そして、前記熱処理によって汚泥の有機分
が低分子化していること、有機酸が増加することなどか
ら、前述の難分解性有機分の分解が進むことは確かめら
れているが(「嫌気性消化プロセスにおける消化ガス発
生量増大対策と消化ガス発電システム」環境技術VO.14
No.3〜5 1985参照)、その分解システムの詳細について
は、現在のところ明らかにされていない。
るために、特に分解率の低い余剰活性汚泥を嫌気性消化
する前に熱処理を行なうことにより、約30%の分解率の
向上とメタンガスの発生量の増大を図ることができる方
法が提案されている(「熱変性メタン発酵システムのパ
イロットプラント研究」下水道協会誌VOL.23 No.264 19
86/5参照)。そして、前記熱処理によって汚泥の有機分
が低分子化していること、有機酸が増加することなどか
ら、前述の難分解性有機分の分解が進むことは確かめら
れているが(「嫌気性消化プロセスにおける消化ガス発
生量増大対策と消化ガス発電システム」環境技術VO.14
No.3〜5 1985参照)、その分解システムの詳細について
は、現在のところ明らかにされていない。
ところで、嫌気性消化の前に熱処理のような可溶化処
理を行なうと、汚泥中の難分解性有機分の分解も進行す
る反面、その反応が生物化学的なものではないところか
ら、微生物が分解不可能な物質も出現する(「汚泥の処
理処分に関する設計マニュアル(邦訳)」(EPA 625/1
−74006)より日本下水道事業団編集 原典Corrie,K.D.
and Wycombe, R.D.,“Use of Activated Carbon in th
e Treatment of Heat Treatment Plant Liquor")。ま
た、熱処理した場合、BOD5(生物化学的酵素要求層)と
CODcr(化学的酸素要求量)の比が原汚泥に比べて下が
る(「汚泥熱処理に関する基礎的研究」平岡正勝ら下水
道協会誌VOL.9 No.100 1972/9)ことから、微生物が分
解可能な有機分より分解不可能な有機分の増加割合が大
きいことが推定される。
理を行なうと、汚泥中の難分解性有機分の分解も進行す
る反面、その反応が生物化学的なものではないところか
ら、微生物が分解不可能な物質も出現する(「汚泥の処
理処分に関する設計マニュアル(邦訳)」(EPA 625/1
−74006)より日本下水道事業団編集 原典Corrie,K.D.
and Wycombe, R.D.,“Use of Activated Carbon in th
e Treatment of Heat Treatment Plant Liquor")。ま
た、熱処理した場合、BOD5(生物化学的酵素要求層)と
CODcr(化学的酸素要求量)の比が原汚泥に比べて下が
る(「汚泥熱処理に関する基礎的研究」平岡正勝ら下水
道協会誌VOL.9 No.100 1972/9)ことから、微生物が分
解可能な有機分より分解不可能な有機分の増加割合が大
きいことが推定される。
一方、熱処理に使用するエネルギーを減らすため、そ
の熱処理の前処理として遠心力を利用した固液分離など
の汚泥の減量化を行なう場合、特に被処理汚泥が余剰活
性汚泥の場合は、汚泥粘度が飛躍的に増大して、その結
果、攪拌効果が低下して、分解に影響を及ぼす、スカム
の発生が多くなるなどの問題が生じる。
の熱処理の前処理として遠心力を利用した固液分離など
の汚泥の減量化を行なう場合、特に被処理汚泥が余剰活
性汚泥の場合は、汚泥粘度が飛躍的に増大して、その結
果、攪拌効果が低下して、分解に影響を及ぼす、スカム
の発生が多くなるなどの問題が生じる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、嫌気性消化に際して、前述したよう
な微生物が分解不可能な物質を産出したり、その処理過
程でスカムの発生が生じたりするなどの、二次的な不都
合性の出現を防止あるいは最小限に抑えることができ、
かつ[−]有機分分解率やガス発生量が増加するような
有機性汚泥の処理方法を提供することにある。
的とするところは、嫌気性消化に際して、前述したよう
な微生物が分解不可能な物質を産出したり、その処理過
程でスカムの発生が生じたりするなどの、二次的な不都
合性の出現を防止あるいは最小限に抑えることができ、
かつ[−]有機分分解率やガス発生量が増加するような
有機性汚泥の処理方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、汚泥を6〜10
日間嫌気性消化させて易分解性有機分の反応をほぼ終了
させる第1の嫌気性処理工程と、この第1の嫌気性処理
工程において嫌気性消化された汚泥を100〜180℃にて可
溶化処理する可溶化処理工程と、この可溶化処理工程で
可溶化処理された汚泥をさらに6〜10日間嫌気性消化さ
せる第2の嫌気性処理工程とからなるものである。
日間嫌気性消化させて易分解性有機分の反応をほぼ終了
させる第1の嫌気性処理工程と、この第1の嫌気性処理
工程において嫌気性消化された汚泥を100〜180℃にて可
溶化処理する可溶化処理工程と、この可溶化処理工程で
可溶化処理された汚泥をさらに6〜10日間嫌気性消化さ
せる第2の嫌気性処理工程とからなるものである。
前記第1の嫌気性処理工程で処理された汚泥は、固液
分離して減量化した後に可溶化処理工程に導入するのが
好ましい。
分離して減量化した後に可溶化処理工程に導入するのが
好ましい。
つまり、本発明は、第4図に示すように、まず、一次
タンク10内に供給汚泥Aを投入して6〜10日間嫌気性消
化を行ない、易分解性有機分の反応をほぼ終了させた後
に、可溶化槽11内に導入して可溶化処理を行ない、さら
に、二次タンク12に供給して嫌気性消化を行ない、次い
で、沈降槽13内において消化汚泥Bと脱離液Cとに沈降
分離する。この場合、第5図に示すように、一次タンク
10と可溶化槽11との間に固液分離機14を設けてもよい。
タンク10内に供給汚泥Aを投入して6〜10日間嫌気性消
化を行ない、易分解性有機分の反応をほぼ終了させた後
に、可溶化槽11内に導入して可溶化処理を行ない、さら
に、二次タンク12に供給して嫌気性消化を行ない、次い
で、沈降槽13内において消化汚泥Bと脱離液Cとに沈降
分離する。この場合、第5図に示すように、一次タンク
10と可溶化槽11との間に固液分離機14を設けてもよい。
さらに、本発明は、第6図に示すように、消化タンク
15に供給汚泥Aを投入して嫌気性消化を行なった後に、
沈降槽13内に導入して消化汚泥Bと脱離液Cとに沈降分
離し、さらに、この消化汚泥Bを可溶化槽11内に供給し
て可溶化処理を行ない、次いで、この可溶化処理された
汚泥を前記消化タンク15内に戻す操作を行なう。
15に供給汚泥Aを投入して嫌気性消化を行なった後に、
沈降槽13内に導入して消化汚泥Bと脱離液Cとに沈降分
離し、さらに、この消化汚泥Bを可溶化槽11内に供給し
て可溶化処理を行ない、次いで、この可溶化処理された
汚泥を前記消化タンク15内に戻す操作を行なう。
ここで、上記可溶化処理とは、熱処理あるいはこれと
酸またはアルカリ処理、微細化処理などの操作を合わせ
たものを言う。
酸またはアルカリ処理、微細化処理などの操作を合わせ
たものを言う。
本発明は、生物化学的に容易に分解できる、即ち、短
期間にメタン化する有機分については、可能なかぎり、
微生物によって分解させ、長時間をかけないとメタン化
しない有機分などその残分については熱処理などの可溶
化処理を行なうことにより、微生物が分解しにくい物質
のみを低分子化して、第2の嫌気性処理工程について、
効率的な有機物の分解とガス回収の増加を意図するもの
である。
期間にメタン化する有機分については、可能なかぎり、
微生物によって分解させ、長時間をかけないとメタン化
しない有機分などその残分については熱処理などの可溶
化処理を行なうことにより、微生物が分解しにくい物質
のみを低分子化して、第2の嫌気性処理工程について、
効率的な有機物の分解とガス回収の増加を意図するもの
である。
また、本発明によれば、一次消化後の汚泥は粘度が低
下するため固液分離し易く、かつ、一次消化タンクがク
ッションタンクの役割をすることから、性状も安定する
ので、汚泥の減量化が容易に実現でき、エネルギーの効
率的使用も併せて期待することができる。
下するため固液分離し易く、かつ、一次消化タンクがク
ッションタンクの役割をすることから、性状も安定する
ので、汚泥の減量化が容易に実現でき、エネルギーの効
率的使用も併せて期待することができる。
以下、第1図を参照して詳説する。まず、一般的に下
水汚泥を嫌気性消化すると、20日の消化日数で有機分分
解率は約40%である。しかし、分解した有機分の約70%
は6〜10日の消化日数で分解している。従って、消化日
数の後半分は非常に効率の悪い反応を進めていることと
なる(第1図の破線参照)。また、余剰活性汚泥を全量
熱処理した後に嫌気性消化した場合は、第1図の一点鎖
線に示すように、同一の消化日数で有機分分解率が約30
%向上するが、分解パターンは同様に当初大きく6〜10
以降は効率が低下する。
水汚泥を嫌気性消化すると、20日の消化日数で有機分分
解率は約40%である。しかし、分解した有機分の約70%
は6〜10日の消化日数で分解している。従って、消化日
数の後半分は非常に効率の悪い反応を進めていることと
なる(第1図の破線参照)。また、余剰活性汚泥を全量
熱処理した後に嫌気性消化した場合は、第1図の一点鎖
線に示すように、同一の消化日数で有機分分解率が約30
%向上するが、分解パターンは同様に当初大きく6〜10
以降は効率が低下する。
これに対して、本発明にかかる方法では、効率が大幅
に低下する日数つまり回分実験において1日当たりのガ
ス発生量や有機分分解率が激減するような日数(6〜10
日)を経過した汚泥を、易分解性有機分の反応がほぼ終
了したとみなし、これに熱処理などの可溶化処理を行な
う。そして、固形物中の難分解性有機分の分解を進め
て、さらに嫌気性消化を行なう(6〜10日)。この実験
の結果からは、前段の処理によって約35%、後段の処理
によって残りの有機分の約25%が分解する。
に低下する日数つまり回分実験において1日当たりのガ
ス発生量や有機分分解率が激減するような日数(6〜10
日)を経過した汚泥を、易分解性有機分の反応がほぼ終
了したとみなし、これに熱処理などの可溶化処理を行な
う。そして、固形物中の難分解性有機分の分解を進め
て、さらに嫌気性消化を行なう(6〜10日)。この実験
の結果からは、前段の処理によって約35%、後段の処理
によって残りの有機分の約25%が分解する。
従って、本発明にかかる方法では、第1図の実線に示
すように推移し、全量熱処理した後に嫌気性消化を行な
った場合に比べて、同一の有機分分解率では、消化日数
が約20%短縮され、また、同一の消化日数では、有機分
分解率も約20%向上する。
すように推移し、全量熱処理した後に嫌気性消化を行な
った場合に比べて、同一の有機分分解率では、消化日数
が約20%短縮され、また、同一の消化日数では、有機分
分解率も約20%向上する。
さらに、本発明では、一次消化していることにより、
汚泥中の無機分が多くなること、遠心力などを利用した
固液分離の際、一般的な投入汚泥に比べ粘度が低いこと
などによって、分離性、操作性が向上する。その結果、
熱処理に消費するエネルギーを少なくすることを目的と
して、遠心力などを利用した固液分離が有効である。
汚泥中の無機分が多くなること、遠心力などを利用した
固液分離の際、一般的な投入汚泥に比べ粘度が低いこと
などによって、分離性、操作性が向上する。その結果、
熱処理に消費するエネルギーを少なくすることを目的と
して、遠心力などを利用した固液分離が有効である。
また、第6図に示すように、消化タンク15にて6〜10
日間消化された汚泥を沈降分離し、沈殿した汚泥を可溶
化槽11にて可溶化処理した後、供給汚泥Aとともに再び
消化することにより、可溶化する汚泥の容量が減少する
と共に、供給汚泥Aの種付けも兼ね、かつ供給汚泥Aに
比べて可溶化汚泥の温度が高いために、供給汚泥Aの予
備昇温の役割を果す。
日間消化された汚泥を沈降分離し、沈殿した汚泥を可溶
化槽11にて可溶化処理した後、供給汚泥Aとともに再び
消化することにより、可溶化する汚泥の容量が減少する
と共に、供給汚泥Aの種付けも兼ね、かつ供給汚泥Aに
比べて可溶化汚泥の温度が高いために、供給汚泥Aの予
備昇温の役割を果す。
一般の下水処理場の嫌気性消化汚泥を約1週間37℃に
て養成し、ガス発生の殆どなくなったものを無処理の原
汚泥とした。この汚泥を150℃,30分で熱処理したもの
(H−1)と無処理のもの(N−1)をそれぞれ基質と
して約1ケ月馴致した後、半連続消化実験を行った。そ
の結果、第3図に示すように、一旦ガス発生が殆どなく
なった汚泥が熱処理によって、再度、大幅なガスの発生
がみられた。また、表1に示すように有機分分解率も著
しく向上した。この表において、VTSは、蒸発残留物を
強熱したときに揮散する物質の場合をいい、主に有機物
質の量を示しており、ここでは有機物質の量の指標とし
て用いている。
て養成し、ガス発生の殆どなくなったものを無処理の原
汚泥とした。この汚泥を150℃,30分で熱処理したもの
(H−1)と無処理のもの(N−1)をそれぞれ基質と
して約1ケ月馴致した後、半連続消化実験を行った。そ
の結果、第3図に示すように、一旦ガス発生が殆どなく
なった汚泥が熱処理によって、再度、大幅なガスの発生
がみられた。また、表1に示すように有機分分解率も著
しく向上した。この表において、VTSは、蒸発残留物を
強熱したときに揮散する物質の場合をいい、主に有機物
質の量を示しており、ここでは有機物質の量の指標とし
て用いている。
また、第2図には、従来の消化法、熱処理後消化する
方法、及び本発明にかかる方法を比較した実験結果を示
している。この結果からも、本発明にかかる方法によれ
ば、有機分分解率が従来の方法に比べて優れていること
がわかる。
方法、及び本発明にかかる方法を比較した実験結果を示
している。この結果からも、本発明にかかる方法によれ
ば、有機分分解率が従来の方法に比べて優れていること
がわかる。
以上説明したように、本発明は、短期間にメタン化す
る有機分については、可能なかぎり、微生物によって分
解させ、長時間をかけないとメタン化しない有機分など
その残分については熱処理などの可溶化処理を行うこと
により、微生物が分解しにくい物質のみを低分子化し
て、第2の嫌気性処理工程において、効率的な有機物の
分解とガス回収の増加を図ることができる。
る有機分については、可能なかぎり、微生物によって分
解させ、長時間をかけないとメタン化しない有機分など
その残分については熱処理などの可溶化処理を行うこと
により、微生物が分解しにくい物質のみを低分子化し
て、第2の嫌気性処理工程において、効率的な有機物の
分解とガス回収の増加を図ることができる。
また、本発明によれば、一次消化後の汚泥は粘度が低
下するため、固液分離し易く、かつ一次消化タンクがク
ッションタンクの役割をすることから、性状も安定する
ので、汚泥の減量化を容易に実現できる。従って、消化
日数の短縮と固液分離による汚泥の減量化とが相俟っ
て、装置容量が小さくなり、設備の敷地面積も少なくて
済む。また、有機分分解率の向上はガス発生量の増加に
つながるが、本発明では、嫌気性消化の前に全量熱処理
する場合と同一消化日数では有機分分解率で上回り、固
液分離による汚泥の減量化の効果によって消費エネルギ
ーが少なくできることから、総合的にみるとエネルギー
の回収率が向上する。
下するため、固液分離し易く、かつ一次消化タンクがク
ッションタンクの役割をすることから、性状も安定する
ので、汚泥の減量化を容易に実現できる。従って、消化
日数の短縮と固液分離による汚泥の減量化とが相俟っ
て、装置容量が小さくなり、設備の敷地面積も少なくて
済む。また、有機分分解率の向上はガス発生量の増加に
つながるが、本発明では、嫌気性消化の前に全量熱処理
する場合と同一消化日数では有機分分解率で上回り、固
液分離による汚泥の減量化の効果によって消費エネルギ
ーが少なくできることから、総合的にみるとエネルギー
の回収率が向上する。
さらに、消化タンクにて嫌気性消化された汚泥を沈降
槽によって沈降分離し、沈殿した汚泥を可溶化槽にて可
溶化処理した後に、消化タンクに再び戻すことにより、
可溶化処理する汚泥の容量が減少すると共に、供給汚泥
の種付けも兼ね、かつ供給汚泥の予備昇温の役割を果す
ことができる。
槽によって沈降分離し、沈殿した汚泥を可溶化槽にて可
溶化処理した後に、消化タンクに再び戻すことにより、
可溶化処理する汚泥の容量が減少すると共に、供給汚泥
の種付けも兼ね、かつ供給汚泥の予備昇温の役割を果す
ことができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明における消化日数と有機分分解率の関係
を概念的に示した説明図、第2図は本発明にかかる方法
と従来の消化法、熱処理後消化する方法を比較した説明
図、第3図は無処理消化汚泥と熱処理消化汚泥の累積発
生ガス量を示す特性図、第4図は本発明の基本フローの
一例を示す説明図、第5図は第4図の改良フローの一例
を示す説明図、第6図は第4図の変形フローの一例を示
す説明図、第7図は従来の嫌気性消化法の基本フローを
示す説明図である。 10…一次タンク、11…可溶化槽、12…二次タンク、13…
沈降槽、14…固液分離機、15…消化タンク、A…供給汚
泥、B…消化汚泥、C…脱離液、D…ガス。
を概念的に示した説明図、第2図は本発明にかかる方法
と従来の消化法、熱処理後消化する方法を比較した説明
図、第3図は無処理消化汚泥と熱処理消化汚泥の累積発
生ガス量を示す特性図、第4図は本発明の基本フローの
一例を示す説明図、第5図は第4図の改良フローの一例
を示す説明図、第6図は第4図の変形フローの一例を示
す説明図、第7図は従来の嫌気性消化法の基本フローを
示す説明図である。 10…一次タンク、11…可溶化槽、12…二次タンク、13…
沈降槽、14…固液分離機、15…消化タンク、A…供給汚
泥、B…消化汚泥、C…脱離液、D…ガス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱口 利男 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機 械株式会社内 (72)発明者 宮野 啓一郎 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機 械株式会社内 (72)発明者 中林 昭 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機 械株式会社内 (72)発明者 角田 明彦 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機 械株式会社内 (72)発明者 飯塚 正博 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機 械株式会社内 (72)発明者 遠藤 久 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機 械株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−143894(JP,A)
Claims (5)
- 【請求項1】有機性汚泥を嫌気性消化する有機性汚泥の
処理方法であって、前記汚泥を6〜10日間嫌気性消化さ
せて易分解性有機分の反応をほぼ終了させる第1の嫌気
性処理工程と、この第1の嫌気性処理工程において嫌気
性消化された汚泥を100〜180℃にて可溶化処理する可溶
化処理工程と、この可溶化処理工程で可溶化処理された
汚泥をさらに6〜10日間嫌気性消化させる第2の嫌気性
処理工程とからなる有機性汚泥の処理方法。 - 【請求項2】前記第1の嫌気性処理工程において嫌気性
消化された汚泥を固液分離することを特徴とする請求項
1記載の有機性汚泥の処理方法。 - 【請求項3】有機性汚泥を嫌気性消化する有機性汚泥の
処理方法であって、一次タンクに供給汚泥を投入して6
〜10日間嫌気性消化を行ない、易分解性有機分の反応を
ほぼ終了させた後に、可溶化槽内に導入して可溶化処理
を行ない、さらに、二次タンクに供給して嫌気性消化を
行ない、次いで、沈降槽内において消化汚泥と脱離液と
に沈降分離することを特徴とする有機性汚泥の処理方
法。 - 【請求項4】前記一次タンクにて嫌気性消化された汚泥
を固液分離機によって濃縮し減量化した後に前記可溶化
槽内に導入することを特徴とする請求項3記載の有機性
汚泥の処理方法。 - 【請求項5】有機性汚泥を嫌気性消化する有機性汚泥の
処理方法であって、消化タンクに供給汚泥を投入して嫌
気性消化を行なった後に、沈降槽内に導入して消化汚泥
と脱離液とに沈降分離し、さらに、この消化汚泥を可溶
化槽内に供給して可溶化処理を行ない、次いで、この可
溶化処理された汚泥を前記消化タンク内に戻すことを特
徴とする有機性汚泥の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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