JP2729075B2 - グラスライニング機器の局部補修方法 - Google Patents

グラスライニング機器の局部補修方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、化学工業、医薬品工業、食品工業などで使
用されるグラスライニング機器類のライニングガラス層
に生じた局部的な破損部を補修する方法に関する。
(従来の技術) 腐蝕性気液に接触する機器の素地金属の面上にガラス
質の施釉、炉中高温焼成による融着の反覆施工により厚
さ1mm程度の連続ガラス質被覆を形成したグラスライニ
ング機器は、上記技術分野での使用中に取扱を誤る等の
原因によりライニングガラス層に局部的な破損を生ずる
ことがある。破損部から素地金属の腐蝕が急速に進行す
るので、破損を早期に発見して機器をグラスライニング
施工業者に送りグラスライニングの再施工をするのが万
全であるが、その間生産ラインの過程が中断することに
なるので設置現場で施工可能な簡易な方法で一応満足で
きる局部的な補修を行い得るようにすることが望まし
い。
この目的の従来技術の局部補修方法としては、 (a) 耐蝕性のタンタル金属製のキャップ、ボルト等
を用いライニングガラス面との間隙はテフロン製パッキ
ンでシールして取りつける方法。
(b) エポキシ樹脂等の有機系の耐蝕製樹脂、接着剤
を破損部に塗布して硬化させる方法。
(c) ハステロイ等の耐蝕製金属を損傷部に溶射する
方法(特公昭58−25740号)。
(d) 低融点の鉛ガラス、バナジン塩酸ガラスの粉末
を損傷部に塗布し局部的な加熱により軟化融着させる方
法(特開昭59−102835)。
(e) 珪素アルコキシド系コーティング剤を塗布加熱
する方法(特開昭63−76887号)等がある。
(発明が解決しようとする問題点) グラスライニング機器の設置現場での局部的な補修を
可能とするには大掛かりな補修用機器を必要としないこ
と、補修施工時に損傷部近傍の正常なライニングガラス
層を損傷する恐れがないこと、損傷部の場所、形状、面
積に応じて補修できることが必要であり、満足できる補
修結果を得るには、補修材料層にはクラック、ピンポー
ル等の欠陥が発生しないこと、その耐薬品性、耐浸透性
が優れ、毒性がないこと、補修箇所との密着性が良く液
の浸透がないこと、ならびに補修機器の実際使用時の熱
サイクルに耐えられることが必要である。
この点で、従来技術のタンタル補修法(a)は、損傷
部の形状に合致させ難い場合があり、テフロン製パッキ
ンの劣化により浸透が起こる。エポキシ樹脂補修法
(b)は耐溶剤性が劣り、材料内に水蒸気拡散が起こ
る。溶射法(c)は溶射した層がポーラスになり、また
大掛かりな溶射設備を必要とする。低融点ガラス施工法
(d)は施工温度が600℃程度で近傍の正常グラスライ
ニングの部分を熱的に損傷する怖れがあり、鉛、バナジ
ウムは毒性がある。珪素アルコキシドコーテイング法
(e)は材料中の有機物や炭素成分が残存し、またエポ
キシ樹脂を併用すると補修機器使用時の熱サイクルに耐
えられない。従って従来技術の局部補修方法では満足す
べき補修結果を得ることは困難である。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、グラスライニング機器表面のライニングガ
ラス層破損部の従来技術による上記各種局部補修法の施
工上の難点ならびに施工結果の不備を是正することを目
的としてなされたものである。
上記目的達成のため、本発明では金属アルコキシドに
代表される有機金属化合物や無機塩の水溶液を出発原料
としてガラスを形成する補修剤を使用し、ライニングガ
ラス層の破損部に適用して比較的低い加熱温度で加熱処
理して反応させて無機質の補修層を形成させる。特に工
程を分け、第1工程では素地金属との密着性を向上させ
ることを目的として素地金属と反応して結合する下部補
修層を形成させる。そして第2工程ではその上に耐蝕性
が優れかつ接続する正常なライニングガラス層との膨張
係数の適合を得ることを目的として、充填剤を混合した
補修剤を使用し、適用、低温加熱処理により上部補修を
形成する。第2工程中に固化する液状含浸補修剤を含浸
させて発生クラック等の細隙の充填処理を加えることが
できる。
これら手段を総合して、本発明のグラスライニング機
器の局部補修方法は、構成としてはグラスライニング機
器のライニングガラス層に生じた局部的な破損部を無機
質材料で補修するため、有機金属化合物および無機塩の
水溶液を出発材料としてガラスを形成する補修剤を使用
し、第1工程として破損部の露出した機器素地金属に密
着する補修層を形成し、第2工程としてその上に、耐熱
性、耐薬品性を有する補修層を重層形成するようにする
とともに、各補修層の補修剤をライニングガラスの転移
点以下の温度に加熱して反応固化させるようにしたこと
を特徴とする。
以下、解決手段としての本発明方法を、添付図を参照
し、概ね工程順序に従い、例示を援用して詳細に説明す
ることによりその要旨をさらに具体的に明確にする。第
1図は本発明によって形成される補修部を模式的に示
し、第2図はライニングガラスと素地金属の熱膨張曲線
比較図の1例を示すが、本発明はこれら例示により限定
されるものではない。
本発明では第1図に示すように、グラスライニング機
器の素地金属(1)上に被覆したライニングガラス層
(2)の破損部に対し、素地金属と密着性の向上を目的
とした下部補修層(3)を第1工程で形成し、その上に
耐蝕性の向上を目的とした上部補修層(4)を第2工程
で形成して破損部をうめて補修する。そのため補修層
は、金属アルコキシドに代表される有機金属化合物また
は無機塩の水溶液を出発原料とし、ゾル−ゲル法によ
り、液体状態で化学反応により所望の化学結合をつく
り、ゾル状態からゲル状態を経て、加熱処理により脱水
縮合して所望の酸化物のガラスを合成して形成する。
〔第1工程〕 1−1前処理 ライニングガラス層の破損部の鉄錆や他の付着物を研
磨紙等で研磨し、研磨粉や油分をエタノールで洗浄除去
し乾燥し、清浄素地金属面を露出させ、連続する近傍の
ライニングガラス面も清浄にする。
1−2補修剤(A) 燐酸水溶液中へ金属アルコキシドに代表される有機金
属化合物およびアルカリ燐酸塩を入れ、120℃で加熱撹
拌しつつ蒸留する。アルコール類に代表される有機化合
物をすべて蒸留すると、粘性のある透明な燐酸ガラス原
料水溶液の補修剤(A)が得られる。
1−3適用 補修剤(A)をはけ等により破損部に塗布する。
1−4加熱処理 これを電熱器等を用いてライニングガラスの転移点以
下の低い加熱温度で加熱処理すると、さらに水分が蒸発
し、最終的にガラス化した下部補修層(3)が形成され
る。このガラス層と素地金属の鉄との界面には燐酸鉄の
化学反応層が同時に形成される。
第2図は横軸に温度、縦軸に伸び率をとって、素地金
属鉄(s)の熱膨張曲線とライニングガラス(g)の熱
膨張曲線との関係を示し、両者間の熱膨張差によりライ
ニングガラス層には常温では圧縮応力が残存して複合強
化されているが、加熱により圧縮応力が減少しこの例で
は350℃の転移点を超えると引張応力が働く。本発明で
は燐酸鉄の結合層により下部補修層と素地金属鉄との結
合が強化されるので、熱膨張差により補修層にクラック
等が入ったりしないよう、加熱処理の温度は転移点以下
であるようにする。
下層補修層ガラスのアルカリ金属酸化物含有量は30モ
ル%以上とする。
〔第2工程〕 1−2補修剤(B) シリコンアルコキシド、エタノール、水および酸の溶
液を40℃で加熱撹拌しつつ還流することにより、シリコ
ンアルコキシドを部分加水分解させる。この溶液を、ゲ
ル化する前にガラスまたはセラミックス充填材と混合
し、補修材(B)とする。
充填材は上部補修層の耐蝕性を向上させるとともに、
その熱膨張係数値を正常なライニングガラス層と同程度
にすることを目的として混合する。材質は各種を使用可
能であるが、グラスライニング機器の腐蝕環境に対応す
る最適の材質を選定する。またその形状、大きさも各種
可能で、例えばアルミナ、チタニアなどの一般窯業粉
末、単結晶や多結晶の無機質繊維材料、球状や薄片状な
どの特殊形状粉末、多孔質材料の粉末、および金属アル
コキシドに代表される有機金属化合物、無機塩などの原
料を液相または気相合成して得られる特殊無機質粉末、
さらに上記の混合物を選定可能である。また補修部の導
電性、磁性、耐付着性面、色度などの機能を望む場合、
その機能性粉末の選定も可能であるが、その他の場合、
一般に安価で入手容易な粉末を選定する。
2−2適用 補修材(B)を破損部に形成した前記下部補修層の上
にはけ等で塗布する。10分間風乾する。
2−3加熱処理 これを電熱器等を用いて前記と同様ライニングガラス
の転移点以下の温度で加熱処理し上部補修層(4)を形
成する。
2−4含浸補修材(C) 上部補修層にエタノールの揮散などにより空隙部分が
生ずることがあるため付加的にこれを充填することを目
的として、シリコンアルコキシド、エタノール、水およ
び酸の溶液を補修材(B)と同様の方法で調製して含浸
補修材(C)とする。補修材(C)は含浸性を良くする
ため、シリコンアルコキシドに対する水のモル比が少な
くとも4以上であるようにする。
2−5適用および加熱処理 上部補修層に含浸補修剤(C)をはけ等で塗布して含
浸させ、2−3と同様にして加熱処理する。
2−6反覆操作 上記2−5の含浸加熱処理操作を数回例えば5回繰り
返し上部補修層(4)を形成し、補修を完成する。
なお、補修層の厚みが大きくなる場合には、補修層中
の空隙を少なくするため上部補修層(4)の形成を複数
回に分けて上記2−1〜6工程を反復施工して上部補修
層(4)を正常なライニングガラスの表面に達する厚さ
に重層形成するようにしてもよい。
(作 用) 本発明方法によると次の諸作用が達成される。
第1工程では下部補修層と鉄素地との界面に燐酸鉄の
化学反応層が形成されて結合されるため、従来技術のシ
ール、機械的接合、粘着力に依存する補修に較べて密着
性の良い補修が可能となる。
第2工程では、シリコンアルコキシド、エタノール、
水、酸の溶液だけで補修すると原料が反応時に急激に収
縮し、塗膜にクラックが生じるため強度の高いシリカ厚
膜の形成が困難であるが、本発明では耐蝕性を向上させ
熱膨張係数を適合させる充填剤を複合化することによ
り、充填剤粒子の僅かの間隙をシリコンアルコキシドが
充填してシリカを形成して固化する状態となるため、ま
たそれでも生ずる空隙に含浸補修剤(C)を含浸させ固
化させるため、クラックやピンホールのな腐蝕性流体の
浸透のない強度が高い補修層を常温でも形成でき、また
この補修ガラス層は正常なライニングガラス層と熱膨張
係数が適合しているため、グラスライニング機器使用時
における耐熱サイクル性、耐熱衝撃性が優れている。
充填材間隙を充填して固化する有機金属化合物として
珪酸系のものを使用するが、シリコンアルコキシドの場
合、限界温度の350℃まで加熱処理することにより結合
力を強化できる。同じく珪素系のシリコンエトキシドも
安価で入手容易なため有利に使用でき、この場合は150
℃で有機物が20%以上残留するので加熱処理温度を250
℃以上とする。
また補修施工の用具としては、基本的にはビーカ、は
けまたは絵筆、研磨紙、それと温度調節計を設備した簡
易、小形の加熱装置、例えばドライヤー、ニクロム線
型、赤外線型、遠赤外線型ヒータだけで足り、施工個所
の制約を殆ど受けずに実施できるので、グラスライニン
グ機器の設置現場で容易かつ安全に健全な補修を行うこ
とができる。
(実施例) (I)剥離性テストのための実施例I 本発明方法を次の条件で実施した。
第1工程においては、素地金属の鉄より少し小さい熱
膨張係数(100〜130×10-7/℃)を有するように成分調
整された21Na2O−12Al2O3−67P2O5(モル%)ガラスを
得るために必要な量の燐酸ソーダ、アルミニウムトリイ
ソプロポキシド、85%燐酸および適当量の水を120℃で
加熱撹拌しつつ蒸留する。イソプロパノールと水が充分
蒸留除去されると、粘性のある透明な燐酸ガラス水溶液
(補修剤A)が得られる。
SS41鉄素地に、JIS R 4201に該当するグラスライニン
グを施工した寸法2.5×100×100mmのテストピースを製
作したのち、その中央部のライニングガラス層をグライ
ンダーで除去し、径40mmの破損部を模擬的に作製した。
この鉄素地の露出した破損部をエタノールで脱脂した
のち乾布で拭き取った。
鉄素地のところに上記補修剤Aを絵筆で塗布した。
遠赤外線ヒータを用いて350℃で10分間加熱処理し
た。この加熱処理により補修剤Aの水分がさらに蒸発
し、透明なガラス下部補修層(3)が形成され、同時に
黒色の燐酸鉄層が界面に形成された。
第2工程においては、エタノール20モル、シリコンテ
トラエトキシド10モル、水5モル、85%燐酸1モルの組
成の溶液を大気中40℃で2時間加熱撹拌したのち常温に
冷却した。この操作により得られる溶液はシリコンエト
キシドが部分的に加水分解反応し、密封保管すれば約1
ケ月間ゲル化現象を生じないことを確認した。熱膨張係
数値が130〜150×10-7/℃になるよう成分調整したソー
ダ・カルシア・アルミノシリケートガラスの粉末の充填
材と上記溶液とを重量比1:1で混合した溶液(補修剤
B)を作製した。
第1工程を終えたテストピースに、上記補修剤Bを絵
筆で塗布した。
10分間常温で乾燥したのち、遠赤外線ヒータを使い35
0℃で10間加熱処理した。
次にエタノール50モル、シリコンテトラエトキシド10
モル、水50モル、85%燐酸5モルの組成の溶液を大気中
25℃で2時間撹拌した溶液(補修剤C)を作成した。
前記補修剤Bの補修層に補修剤Cを含浸し、補修剤B
と同様に加熱処理した。この工程を5回繰り返した。
なお別に上記の一連の操作によって棒状複合体をあら
かじめ製作しその熱膨張係数が100〜130×10-7/℃にな
るように補修剤Bの充填材の成分調整を行った。
実施例Iの補修方法を実施したテストピースにつき、
JIS R4201に準じた評価試験装置を用いて、沸騰水で5
時間、常温に冷却して5時間の熱サイクルを繰り返して
剥離性テストを行った。
6ケ月後、特に補修ガラス層部の剥離および補修ガラ
ス層内のクラックは観察されなかった。
(II)浸透性テストのための実施例II 実施例Iと同様にして本発明方法を実施しテストピー
スを作成した。
実施例Iの剥離性テストの水の代わりに0.1規定塩酸
を用い他の条件は同一にして浸透性テストを行った。
6ケ月経過後に酸溶液および補修箇所は、褐色に変色
せず、塩酸溶液の浸透による鉄素地の腐蝕はないと判断
された。
(III)耐水性テストのための実施例III 寸法2×100φmmSUS304ステンレス鋼板素地金属に対
し実施例Iと同様にして本発明方法を実施しテストピー
スを作製した。
1週間のテストにおいて腐蝕厚みは1mm/1年以下の値
となった。
(IV)鉄素地との密着性テストのための実施例IV 寸法6×80×80mmのSS41鋼板を素地金属とし実施例1
と同様にして本発明方法を実施しテストピークを作成し
た。
JIS R 4201に準じて密着性試験を行った。すなわち、
径が36.51φmmの鋼球(質量200gr)を45cmの高さから垂
直に自然に落下させ、被覆の剥離の状態を調べた。その
結果、本発明方法による補修箇所には鉄素地に到るクラ
ックは観察されなかった。
比較のために、実施例Iの第1工程を省略し第2工程
のみを施工して比較テストピースを作成した。上記と同
様にして密着テストを行った結果、30%の確率で鉄素地
に到るクラックが発生した。
(V)実缶体テストのための実施例V JIS R 4201示された容量約100tのグラスライニン
グ製開放型タンクを試作し、タンク内面のライニングガ
ラス層を約100cm2の面積にわたり研磨除去して広い面積
の模擬破損部を作成し、これに本発明方法による補修を
実施例1と同様にして実施した。
補修箇所周辺の正常なライニングガラス層部にクラッ
ク等は発生しなかった。
(VI)実缶体用実施例VI(補修困難な箇所の補修例) 実施例Vのタンクのフランジ部の曲率半径6Rmmの凸ア
ール部に対する本発明方法による補修を実施例Vと同様
にして実施した。補修箇所周辺の正常なライニングガラ
ス層部にクラック等は発生しなかった。
またその補修箇所に、実施例IVと同様の鉄素地との密
着テストを行った結果、補修部のクラックは認められな
かった。
(発明の効果) 以上のように、本発明方法によると、化学的、熱的に
苛酷な環境条件に対して使用されるグラスライニング機
器のライニングガラス層に生じた局部的な破損箇所に対
し、健全な補修を安価に容易に実施することができる。
特に補修用材料に要求される条件、耐薬品性、耐浸透
性、密着性、耐熱サイクル性が優れているため、補修箇
所の健全性が機器の長い使用期間にわたって維持され
る。また化学的および熱的な機能はもとより電磁気的、
光学的、機械的な機能を付与することも充填材の材料で
選定により比較的容易にできるので適用範囲が広い。ま
たグラスライニング機器の設置の現場で比較的簡単な用
具を用いて補修を経済的に実施できる。また補修箇所の
形態による適用上の制約も殆ど受けない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法によるライニングガラス層の補修部
を模型的に示す局部の縦断側面図、第2図は鉄素地とラ
イニングガラス層との横軸の温度に対する縦軸の材料伸
び率の関係の1例を示す熱膨張曲線図である。 (1)……素地金属、(2)……ライニングガラス層、 (3)……下部補修層、(4)……上部補修層。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グラスライニング機器のライニングガラス
    層に生じた局部的な破損部を無機質材料で補修するた
    め、有機金属化合物および無機塩の水溶液を出発原料と
    してガラスを形成する補修剤を使用し、第1工程として
    破損部の露出した機器素地金属に密着する補修層を形成
    し、第2工程としてその上に耐熱性、耐薬品性を有する
    補修層を重積形成するようにするとともに、各補修層の
    補修剤をライニングガラスの転移点以下の温度に加熱し
    て反応固化させるようにしたことを特徴とするグラスラ
    イニング機器の局部補修方法。
  2. 【請求項2】第1工程において、素地金属と化学的に反
    応する燐酸塩系ガラスの補修剤を使用する特許請求の範
    囲第1項記載のグラスライニング機器の局部補修方法。
  3. 【請求項3】第2工程として、無機質充填材を混合した
    珪酸塩系ガラスの補修剤を用いる特許請求の範囲第1項
    および第2項の何れか1に記載のグラスライニング機器
    の局部補修方法。
  4. 【請求項4】第2工程の補修層に固化する液状含浸補修
    剤を含浸させて固化させる特許請求の範囲第1項、第3
    項の何れか1に記載のグラスライニング機器の局部補修
    方法。
  5. 【請求項5】固化する液状含浸補修剤としてシリコンエ
    トキシドを使用し、含浸後に250℃以上に加熱処理して
    固化させる特許請求の範囲第4項記載のグラスライニン
    グ機器の局部補修方法。
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