JP2728272B2 - 片リード型電気部品挟着治具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は第10図に示すように、部品本体Ｂから同じ方
向に２本のリード線Ｃが突出しているコンデンサ等の片
リード型電気部品Ａのリード線Ｃを挟着解除する挟着治
具に関するものである。

（従来技術） 電気部品の電気特性を計測し、その良否を選別する自
動計測選別装置は従来からある。この装置には電気部品
Ａのリード線Ｃを挟着解除する電気部品挟着治具が使用
される。

従来この種の電気部品挟着治具は、第９図のようにチ
ェーンコンベヤＢに取り付けて使用するものがあった。
この挟着治具はその走行路上に設けてある突子Ｄ（第10
図）に押当片Ｅが押当すると同押当片Ｅ及び回転軸Ｆが
回転し、更に回転軸Ｆの先端に取り付けてあるカムＧが
回転して受板Ｈが外側に押され、これにより第11図のよ
うに挟着板Ｉが開き、対向する両挟着板Ｉ、Ｊ間に電子
部品Ａのリード線Ｃを差し込んでから、押当片Ｅが走行
路上の図示されていない他の突子に押当すると逆回転し
て挟着板Ｉが戻り、対向する両挟着板Ｉ、Ｊ間にリード
線Ｃが挟着固定される様にしたものである。

また、挟着された電気部品Ａの電気特性を測定するに
は、第７図に矢印方向にチェーンコンベヤＢを移動させ
て、挟着治具の測定端子Ｋを計測機器Ｌの計測電極Ｍに
摺動させながら行なうようにしてある。

（発明が解決しようとする課題） 従来の部品挟着治具は次のような問題点があった。

（１）第10図のように一つの挟着治具に一つの電気部品
Ａしか挟着できないため、多くの電気部品を計測、選別
するためには、挟着治具ＡをチェーンコンベヤＢに多数
取り付けなければならなかった。そのため測定選別装置
全体が大型化し数十ｍもの長さになる。また、挟着治具
の数が多くなるとコスト高となり、その上、個々の挟着
治具の保守・管理に手間がかかり、益々コスト高となっ
てしまう。

（２）挟着板Ｉ、Ｊによる電気部品Ａのリード線Ｃの挟
着時に、第10図のようにリード線Ｃと計測端子Ｍとの間
に挟着板Ｉ、Ｊ、接続リード線Ｎ等の部品が介在される
ため、これらの部品に摩耗、腐食、接触不良などがある
と、挟着板Ｉ、Ｊによるリード線Ｃの挟着は確実であっ
ても測定誤差が出易い。

（３）第11図のように二枚の挟着板Ｉ、Ｊがコイルバネ
Ｐにより挟着されているため、長時間の使用により同バ
ネＰのバネ力が弱まることがあり、接触圧が変化し計測
値が不安定になる。

（４）第９図のように挟着治具の測定端子Ｋを計測機器
Ｌの計測電極Ｍに摺動させながら計測するものであるた
め、測定端子Ｋが摩耗し、接触圧力が変化して計測値が
不安定になる。

また接触を確実にするためには測定端子Ｋと計測電極
Ｍとの接触を強くしなければならず、そのようにすると
測定端子Ｋの摩耗がより一層激しくなる。摩耗が激しい
と粉末が発生し、それが絶縁板Ｏ等に付着して隣り合う
挟着板Ｉ、Ｊ間で電流がリークして、アークが発生した
り、著しい場合には絶縁板Ｏが燃え出すとことさえあ
り、火災に繋る可能性もあって非常に危険であった。

（発明の目的） 本発明の目的は１つの挟着治具に多くの片リード型電
気部を挟着することができ、しかもアークや火災等が発
生する危険がなく、また精度の高い電気特性試験ができ
る片リード型電気部品挟着治具を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明の片リード型電気部品挟着治具は、第３図のレ
ール1a、1b、1c、1dの上を第４図ａ、ｂのように移動す
る回転輪2a、2b、2cが取り付けられた第１図の治具本体
３と、同治具本体３に横一列に取り付けられた二以上の
挟着具４と、各挟着具４に対応して設けられて夫々の挟
着具４を個別に開閉操作する開閉操作子５（第２図）
と、治具本体３をレール1a、1b、1c、1dの上を移動させ
る移動駆動体６（第７図、第８図）が連結される連結部
７（第１図ｂ）とが設けられ、前記挟着具４は片リード
型電気部品Ａのリード線Ｃを挟着解除する上下一対の挟
着子8a、8b（第２図）が横に二対並べられて一組として
構成され、前記各対の挟着子8a、8bのうち一方の挟着子
には電気測定器の計測電極と接触する測定端子９が電気
的に導通するように取り付けられてなることを特徴とす
るものである。

（作用） 本発明の片リード型電気部品挟着治具は、レール上を
移動可能であり、開閉操作子が前方へ押されているとき
は、挟着具が閉じて電気部品のリード線が挟着され、開
閉操作子が引き具により引かれると、挟着具が開いてリ
ード線の挟着が解除される。

（実施例） 第１図、第２図は本発明の挟着治具の一実施例であ
る。これらの図において３は治具本体であり、これには
環状レール1a〜1dの上を移動する回転輪2a、2b、2cが取
り付けられている。このうち回転輪2aは第１図ｄに明示
されているように、治具本体３の底面の長手方向両端
に、下方に突出するよう４個取り付けられている。

回転輪2bは第１図ｄに明示されているように、治具本
体３の長手方向両側面に、長手方向外側に突出するよう
４個取り付けられており、しかもその取り付け向きが回
転輪2aと90度ずれている。

回転輪2cは第１図ｄに明示されているように、治具本
体３の底面に長手方向に適宜間隔で６個取り付けられて
おり、しかもその突出方向及び取り付け向きが回転輪2b
と90度ずれている。そしてこれら回転輪2a、2b、2cは第
４図ａ、ｂのように、レール1a、1b、1c、1dに接触する
ようにしてある。

ちなみにレール1a、1b,1c,1dは方形の環状に配置され
ており、これらのレールはレール間の間隔が異なるだけ
であり、その断面形状はいずれも第４図のようにＬ字状
になっている。この実施例では設置スペースを小さくす
るためにレール1a、1b,1c,1dを方形に配置して環状にし
てあるが、その配置形状は用途に応じて例えば円状や多
角形にしてもよい。

第１図の４は挟着具であり、これは片リード型電気部
品Ａのリード線Ｃを第１図ｅのように挟着するものであ
り、第２図のように上方基板30と下方基板31の夫々の前
方に挟着子8a、8bが横に２つずつ並べて取り付けられ、
対向する上下一対の挟着子8a、8bによりリード線Ｃを挟
着出来るようにしてある。

前記上方基板30と下方基板31は上方軸32、下方軸33に
より治具本体３に回転自在に取り付けられており、この
両基板30、31間にスプリング34を設けて両基板30、31が
相互に接近する方向に引かれるようにしてある。

この上方基板30と下方基板31の夫々の後方部には操作
片35、36が対向するよう取り付けられている。

第２図の５は開閉操作子であり、これは前記挟着子8
a、8bを開閉操作するものであり、第２図のものは操作
軸37の先端に回転自在に取り付けられている。

この開閉操作子５は、操作軸37の後端に取り付けられ
ている円形の操作板38が図示されていない押し具により
第２図ａの矢印方向（前方）に押されると、対向する操
作片35、36間に押し込まれる。これにより両操作片35、
36が外側に押し広げられ、対向する挟着子8a、8bが相互
に接触する。

逆に、第２図の操作板38が第５図の引き具10により同
図の仮想線のように後方に引かれると、第２図ｂの様に
開閉操作子５が操作片35、36間から引き抜かれ、上方基
板30と後方基板31とがスプリング34により相互に接近す
るように引かれる。これにより挟着子8a、8bが第２図の
上方軸32、下方軸33を回転軸として第５図に仮想線で示
すように外側に開くようにしてある。尚、引き具10は電
気測定器からの情報に基づいても動作するようにしてあ
り、測定の結果不良品であることが判明した電気部品Ａ
を挟着している挟着具４の操作板38を後方に引き、挟着
子8a、8bによる挟着を解除して、当該不良品を図５に示
すように挟着治具から離脱させる。

第１図、第２図の40は上方基板30、下方基板31に操作
片35を取り付けるためのビスであり、９は上方の挟着子
8aに電気的に導通するように上方基板30に取り付けられ
た測定端子である。

第１図ｂの７は連結部であり、これは第７図、第８図
のようにピストンロッド６が嵌入出来る穴である。

第７図の11は横移動体であり、これは図示されていな
いモータ等により所定ピッチずつ横移動される様にして
ある。

本発明の挟着治具は、例えば次のようにして使用す
る。自動的に或は手動により、第４図ａの様に挟着治具
の回転輪2cを第３図のレール1a又は1cの上にのせ、他の
回転輪2aをレール1a又は1cの内側面に接触させる。

この状態で第７図、第８図のように横移動体11に取り
付けられたソレノイド12のピストンロッド（連結具）６
を、第１図ｂのように治具本体３に設けられた嵌合穴
（連結部）７に第７図、第８図のように嵌入し、横移動
体11をサーボモータ（図示せず）により位置検出を行な
いながら所定ピッチずつ間欠移動する。所定位置まで移
動したら前記ピストンロッド６を前記嵌合穴７から引き
抜き、当社の位置に戻り、再び前記動作を繰り返えす。
これにより挟着治具がレール1a、1cの上を順次移動され
る。

レール1a又は1c上を移動してきた挟着治具を自動的に
或は手動により第３図のレール1b又は1dの上に移動さ
せ、第４図ｂの様に同治具の回転輪2bをレール1b又は1d
の上にのせ、他の回転輪2aをレール1b又は1dの内側面に
接触させる。この状態で同挟着治具を図示されていない
移動駆動体により所定ピッチずつ間欠的に移動させる。

以上の繰り返しにより、前記挟着治具は方形環状のレ
ール1a、1b、1c、1dの順に循環して移動される。

その間に、従来と同様にレール上のセット位置におい
て挟着具４により、片リード型電気部品Ａのリード線Ｃ
を挟着して挟着治具に片リード型電気部品Ａをセット
し、その状態で測定位置に挟着治具を移動させ、同測定
位置で挟着治具の挟着具４に挟着セットされている電気
部品Ａの電気特性を測定し、良品と不良品に、或は不良
の種類別に選別する。

電気部品（例えばコンデンサ）の電気測定は例えば次
の様にして行なわれる。

コンデンサの電気特性のうち、測定に高電圧、大電流
を必要としない、容量、tanδなどの特性を測定するに
は、間欠移動する挟着治具の挟着具４に第６図のように
挟着されている電気部品Ａのリード線Ｃを、同挟着治具
の停止時に第６図のように電気測定器の測定挟着具21に
より挟着して行なう。

コンデンサの電気特性のうち、測定に高電圧、大電流
を必要とする耐電圧特性等を測定するには、電気部品Ａ
のリード線Ｃを第６図のように挟着している挟着治具の
停止時に、同治具の測定端子９（第１図ｂ）に電気測定
器の計測電極を上から押しつけて行なう。

（発明の効果） 本発明の電気部品挟着治具は次のような効果がある。

（１）１つの挟着治具に電気部品Ａのリード線Ｃを挟着
解除可能な挟着具４が複数取り付けられているので、１
つの挟着治具で挟着具４の数だけ電気部品を挟着するこ
とができ、作業性がよい。

（２）１つの挟着治具の各挟着具４が、第10図の従来の
挟着治具一台に相当するので、測定選別装置が著しく小
型化される。

（３）一台の挟着治具に挟着された多数の電気部品Ａの
電気特性を同時測定可能な電気測定器を使用すれば、同
時に多数の電気部品Ａの電気特性を測定できるので、測
定能率が著しく向上する。

（４）レール1a〜1dの上に挟着治具を多数搭載できるの
で、測定選別装置全体が非常にコンパクトになる。

（５）挟着治具をレール1a〜1dの上にビス止めせずに単
にのせるだけであるため、挟着治具３が故障した場合、
それだけを他の挟着治具と容易に交換することができ
る。

（６）挟着治具の挟着部４により電気部品Ａのリード線
Ｃを第６図のように挟着するものであるため、挟着され
ているリード線Ｃを同図のように電気測定器の計測電極
21により挟着して計測を行なうことができる。このため
リード線Ｃと計測電極21との間には他の部品が全く介在
せず、その分だけ摩耗、腐食、接触不良等が生ずること
がなく、計測の信頼性が向上する。

（７）測定端子９には高電圧、大容量の電流を必要とす
る場合しか電気測定器の計測電極が接触せず、しかも挟
着治具の停止時にしか接触しないため、測定端子９が殆
ど摩耗せず、摩耗による粉末も殆ど発生しない。従って
粉末を介しての電流のリークや、プラスチック製絶縁材
などの燃焼等がないため計測の信頼性が向上し、火炎発
生などの危険もなく、作業環境も良くなる。

（８）挟着具４の挟着力が回転操作子５により強制的に
発生せしめられるので、長期間の使用によって挟着力が
劣化することがなく、従って挟着が常に確実で、精度の
高い測定が可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明における電気部品挟着治具の一例であ
り、同図ａは背面図、同図ｂは平面図、同図ｃは正面
図、同図ｄは底面図、同図ｅは側面図、第２図は第１図
における挟着具の一例であり、同図ａは挟着子が閉じた
状態の斜視図、同図ｂは挟着子が開いた状態の斜視図、
第３図は本発明の挟着治具が走行するレールの平面説明
図、第４図ａ、ｂは同挟着治具の回転輪とレールとの関
係を示す説明図、第５図は同挟着治具による電子部品挟
着解除の説明図、第６図は同挟着治具による電子部品挟
着時の説明図、第７図は同挟着治具の移動説明用正面
図、第８図は同挟着治具の移動説明用側面図、第９図〜
第11図は従来の電気部品挟着治具の説明図である。 1a、1b、1c、1dはレール 2a、2b、2cは回転輪 ３は治具本体 ４は挟着具 ５は開閉操作子 ６は移動駆動体 ７は連結部 8a、8bは挟着子 ９は測定端子 Ａは電気部品 Ｃは電気部品のリード線

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】レール上を移動可能な治具本体と、同治具
   本体に横一列に取り付けられた二以上の挟着具と、各挟
   着具に対応して設けられて夫々の挟着具を個別に開閉操
   作する開閉操作子と、治具本体をレール上を移動させる
   移動駆動体が連結される連結部とが設けられ、前記挟着
   具は片リード型電気部品のリード線を挟着解除する上下
   一対の挟着子が横に二対並べられて一組として構成さ
   れ、前記各対の挟着子のうち一方の挟着子には電気測定
   器の計測電極と接触する測定端子が取り付けられてなる
   ことを特徴とする片リード型電気部品挟着治具。