JP2727546B2 - 電気光学装置の駆動方法 - Google Patents
電気光学装置の駆動方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、表示装置、透過光量制御装置等として用い
ることのできる電気光学装置の駆動方法に関する。 [従来の技術] 従来、電気光学装置として種々のものが開発されてい
る。これらの中でも、液晶を用いた電気光学装置は比較
的構成が簡単で、小型、軽量、低消費電力等の特徴によ
り、表示装置、光シャッター等の用途に広く用いられて
いる。 液晶電気光学装置の製造上、大容量化/大面積化時に
は単純マトリクスを用いたものがアクティブマトリクス
を用いたものより有利であるが、従来の単純マトリクス
を用いた液晶電気光学装置においては、電気光学装置の
制限から大容量のものを作製することが困難である。例
えば、ツイストネマチックモードを用いたものでは1/20
0デューティ程度、よりツイスト角を大きくして高性能
にしたSTN/SBEモードでも1/400デューティ程度とする
と、表示品位あるいは応答速度が悪化して実用上使用に
耐えないという問題点があった。 そこで、液晶とその配向制御によって記憶を持たせる
(印加電圧によるヒステリシス特性を利用するものJ.Ap
pl.Phys.,59,3087,'86など)方法が考えられた。これ
は、液晶材料によっては90度を超える高ツイスト状態で
印加電圧と透過率がヒステリシス現象を起こすことを利
用しており、選択的に書き込んだ情報を、ヒステリシス
ループ内となるような保持電圧を印加することによって
保持しようとするものである。以下、本発明では、この
方式のことをHTN方式と略記する。 このHTN方式を用いた電気光学装置においては、電気
光学特性にヒステリシス特性が発現するには種々の条件
を満たすことが必要である。すなわち、電気光学装置を
構成する液晶パネルにおけるツイスト角、セル厚、プレ
チルト角、液晶組成物の自発ピッチ、弾性定数、配向膜
と液晶分子の相互作用の状況等によってヒステリシス特
性の発現状況が異なってくる。一般には、プレチルト角
が大、ツイスト角が大、界面規制力が大、弾性定数の比
K33/K11、K33/K22が共に大、Δε/ε⊥が小、液晶セ
ルのピッチPcと液晶組成物の自発ピッチPsのずれΔP
(=Pc/Ps−1)が小の方向にある等の方がヒステリシ
ス特性が発現し易いという傾向にある。 [発明が解決しようとする問題点] しかし、界面規制力、弾性定数等、他の条件にも左右
されるが、例えば、極端にΔPを小さくする、言い替え
ればカイラルドーパントの量を減らしたり、セル厚を厚
くしたりすると、液晶組成物側のツイスト力が入れ物と
してのセル側で規制するツイスト角に達しなくなり、い
わゆるローツイストドメインが発生するようになって電
気光学装置としては使えなくなる。 このローツイストドメインが発生する領域と、通常の
ヒステリシス特性が発現する領域の間は不安定領域とな
り、異常なヒステリシス現象を示すことがある(以下、
異常ヒステリシスと呼ぶ)。通常、ヒステリシス特性を
有する液晶パネルの電気光学特性を測定する場合には、
駆動電圧の掃引スピードをできる限り小さくする。しか
し、ヒステリシス特性は、測定する際の駆動電圧の掃引
スピードによって影響を受けることが多い。HTN方式の
液晶パネルの場合にも、通常のヒステリシス特性を示す
領域では、掃引スピードを非常に遅くすると、駆動電圧
上昇過程では第2図a、駆動電圧下降過程では第2図b
に示すような特性を示すが、掃引スピードを速くする
と、駆動電圧上昇過程では第2図c、駆動電圧下降過程
では第2図dで示すように、ヒステリシス特性の幅が異
なるような特性を示す。しかし、上記の異常ヒステリシ
ス領域では、この傾向がさらに助長され、駆動電圧の掃
引スピードが充分に遅ければ第2図a、bで示されるよ
うな通常のヒステリシス特性を示すが、駆動電圧の掃引
スピードが速い場合には、駆動電圧上昇過程では第2図
cとほぼ同じ特性を示すが、駆動電圧下降過程では第2
図eに示すような特性を示し、ON状態から電圧をゼロに
して消去しようとしても、表示が消えるまでには非常に
長い時間を必要とする。 従来のHTN方式での駆動波形の概念は第3図に示すよ
うに、前の表示状態を保持している保持期間th1、ゼロ
ボルトを印加して前の表示状態を消去する消去期間te、
新しい表示状態を書き込む書き込み期間tw、さらにヒス
テリシスループ内となる保持電圧Vhを印加して表示状態
を保持する保持期間th2とからなる。従って、保持電圧V
hのON状態から、ゼロボルトを印加して消去しようとす
る場合は、前述の掃引スピードが速い場合に相当し、異
常ヒステリシス特性を示す液晶パネルでは消去時間が非
常に長くなってしまい、電気光学装置として使用するに
は非常に問題があった。 そこで本発明では、ΔPの許容範囲を広げ、液晶パネ
ルの製造を容易にすることが可能なHTN方式を用いた電
気光学装置の駆動方法を提供することを目的としてい
る。 [問題点を解決するための手段] 本発明の電気光学装置の駆動方法は、一対の基板間
に、双安定性を有し90度を越えるねじれ状態を有する液
晶を挟持してなる電気光学装置を駆動する電気光学装置
の駆動方法において、ON状態もしくはOFF状態からなる
表示状態を選択する選択パルスを印加するための書き込
み期間と、前記表示状態を保持するための保持期間と、
前記表示状態を消去するための消去期間とからなり、 前記書き込み期間では極性反転した選択パルスが印加
されてなり、前記消去期間では極性反転した消去パルス
が印加されてなることを特徴とする。 また、前記消去パルスは前記消去期間の最初に印加さ
れてなることを特徴とする。 〔実施例〕 以下、実施例に基づき本発明の詳細を説明する。 (実施例1) 電気光学装置として、750×1120画素のHTN方式の液晶
パネルを試作した。配向処理としてはSiOの斜方蒸着に
よって液晶分子のプレチルト角を25度、上下基板間の液
晶のツイスト角を270度とし液晶を注入して液晶パネル
とした。 このパネルにメルク社製のZLI−3187にカイラルドー
パントとしてBDH社のCB−15を添加したものを封入し
て、液晶パネルとした。 界面規制力などセル製造の各条件によってヒステリシ
ス特性の発現状況は異なるが、発明者らの実験では、例
えば4.4μmのセル厚の液晶パネルに、メルク社のZLI−
3187にカイラルドーパントとしてBDH社のCB−15を2.43
〜2.17wt%添加した液晶を注入し、ΔPの値を−0.05〜
−0.15としたものについては通常のヒステリシス特性が
得られた。また、CB−15の添加量を2.05wt%以下とし、
ΔPを−0.2よりも小さくするとローツイストドメイン
が発生することが多くなった。ΔPの値が−0.15〜−0.
2の領域ではローツイストドメインは発生しないが、液
晶パネルの製造条件によっては異常ヒステリシスを示し
たり、示さなかったりした。 これらの液晶パネルで、例えばΔPを−0.1とした通
常のヒステリシス特性を示す液晶パネルでは、30℃にお
いて、第3図に示した従来のHTN方式のゼロボルト印加
の消去法では13msecで消去が可能であった、一方、ΔP
を−0.2とした異常ヒステリシスを示す液晶パネルで
は、従来のHTN方式の消去波形では速くても数百msec、
遅い場合には数秒の単位の消去時間が必要であったに対
し、第1図(a)あるいは(b)に示すように、消去期
間の先頭に保持電圧よりも高い電圧消去用高パルスを印
加し、それに引続きゼロボルトを印加する消去波形とす
ることで消去時間を非常に短かくすることができた。消
去用高パルス印加時間tsを5〜0.2msecとしたときの、
消去用高パルス電圧Ve対する消去時間τe(msec)の値
を第1表に示す。 現時点ではその機構まで確定できる段階ではないが、
ON状態、すなわち、書き込みによって液晶分子が立って
いる状態は準安定状態であり、ここからOFF状態、すな
わち、液晶分子が水平配向している状態になるために
は、何等かのポテンシャルの壁を乗り越えなければなら
ないが、消去パルスを印加することがそのエネルギーを
外部から与えることにより、自然緩和による消去よりも
速くなるのではないかと考えている。 第1表から、消去用高パルスは高電圧で印加時間が短
かい方がよいことが判る。 以上、現象の原理については推測の域を出ないが、本
発明によれば消去時間を短くすることが可能なことは事
実である。 (実施例2) 電気光学素子として、400×640画素のHTN方式のパネ
ルを試作した。配向処理は実施例1と同様に、SiO斜方
蒸着とし、プレチルト角25度、ツイスト角270度、セル
厚6.0μmとし、メルク社のZLI−1132にカイラルドーパ
ントとしてBDH社のCB−15を添加した液晶を封入した。 この液晶パネルにおいては、CB−15の添加量が1.90〜
1.11wt%、ΔPの値にして0.3〜−0.2の領域では正常な
ヒステリシス特性が得られ、CB−15の添加量が1.07〜1.
02wt%で、ΔPが−0.25〜−0.3の領域では以上ヒステ
リシスが発生する。また、CB−15の添加量を1.02wt%以
下にし、ΔPが−0.3以下になるとローツイストドメイ
ンの発生する領域になる。ΔPが−0.2〜−0.25の領域
は不安定で以上ヒステリシスを示したり、示さなかった
りする。 ΔPが−0.3の以上ヒステリシスを示す液晶パネルを
用いて、実施例1と同様に消去時間を測定したところ、
25℃において、消去パルス電圧Ve=20V、消去パルス印
加時間te=0.5msecの条件で、第3図に示す従来のHTN方
式の消去波形では約5secであったのに対し、第1図
(a)および(b)の本発明の消去波形では40msecで消
去が可能であった。 以上、実施例を述べたが、本発明は上記実施例にのみ
限定されるものではなく、消去期間中にゼロボルト以外
の電圧を印加するもの全てに適用でき、その電圧、パル
ス幅などの条件に何等制限を与えるものではないことは
いうまでもない。 [発明の効果] 以上のような駆動方法を用いることにより、液晶に印
加される電圧の極性のかたよりをなくすことができ、ま
た、短時間で表示状態を消去することが可能となる。
ることのできる電気光学装置の駆動方法に関する。 [従来の技術] 従来、電気光学装置として種々のものが開発されてい
る。これらの中でも、液晶を用いた電気光学装置は比較
的構成が簡単で、小型、軽量、低消費電力等の特徴によ
り、表示装置、光シャッター等の用途に広く用いられて
いる。 液晶電気光学装置の製造上、大容量化/大面積化時に
は単純マトリクスを用いたものがアクティブマトリクス
を用いたものより有利であるが、従来の単純マトリクス
を用いた液晶電気光学装置においては、電気光学装置の
制限から大容量のものを作製することが困難である。例
えば、ツイストネマチックモードを用いたものでは1/20
0デューティ程度、よりツイスト角を大きくして高性能
にしたSTN/SBEモードでも1/400デューティ程度とする
と、表示品位あるいは応答速度が悪化して実用上使用に
耐えないという問題点があった。 そこで、液晶とその配向制御によって記憶を持たせる
(印加電圧によるヒステリシス特性を利用するものJ.Ap
pl.Phys.,59,3087,'86など)方法が考えられた。これ
は、液晶材料によっては90度を超える高ツイスト状態で
印加電圧と透過率がヒステリシス現象を起こすことを利
用しており、選択的に書き込んだ情報を、ヒステリシス
ループ内となるような保持電圧を印加することによって
保持しようとするものである。以下、本発明では、この
方式のことをHTN方式と略記する。 このHTN方式を用いた電気光学装置においては、電気
光学特性にヒステリシス特性が発現するには種々の条件
を満たすことが必要である。すなわち、電気光学装置を
構成する液晶パネルにおけるツイスト角、セル厚、プレ
チルト角、液晶組成物の自発ピッチ、弾性定数、配向膜
と液晶分子の相互作用の状況等によってヒステリシス特
性の発現状況が異なってくる。一般には、プレチルト角
が大、ツイスト角が大、界面規制力が大、弾性定数の比
K33/K11、K33/K22が共に大、Δε/ε⊥が小、液晶セ
ルのピッチPcと液晶組成物の自発ピッチPsのずれΔP
(=Pc/Ps−1)が小の方向にある等の方がヒステリシ
ス特性が発現し易いという傾向にある。 [発明が解決しようとする問題点] しかし、界面規制力、弾性定数等、他の条件にも左右
されるが、例えば、極端にΔPを小さくする、言い替え
ればカイラルドーパントの量を減らしたり、セル厚を厚
くしたりすると、液晶組成物側のツイスト力が入れ物と
してのセル側で規制するツイスト角に達しなくなり、い
わゆるローツイストドメインが発生するようになって電
気光学装置としては使えなくなる。 このローツイストドメインが発生する領域と、通常の
ヒステリシス特性が発現する領域の間は不安定領域とな
り、異常なヒステリシス現象を示すことがある(以下、
異常ヒステリシスと呼ぶ)。通常、ヒステリシス特性を
有する液晶パネルの電気光学特性を測定する場合には、
駆動電圧の掃引スピードをできる限り小さくする。しか
し、ヒステリシス特性は、測定する際の駆動電圧の掃引
スピードによって影響を受けることが多い。HTN方式の
液晶パネルの場合にも、通常のヒステリシス特性を示す
領域では、掃引スピードを非常に遅くすると、駆動電圧
上昇過程では第2図a、駆動電圧下降過程では第2図b
に示すような特性を示すが、掃引スピードを速くする
と、駆動電圧上昇過程では第2図c、駆動電圧下降過程
では第2図dで示すように、ヒステリシス特性の幅が異
なるような特性を示す。しかし、上記の異常ヒステリシ
ス領域では、この傾向がさらに助長され、駆動電圧の掃
引スピードが充分に遅ければ第2図a、bで示されるよ
うな通常のヒステリシス特性を示すが、駆動電圧の掃引
スピードが速い場合には、駆動電圧上昇過程では第2図
cとほぼ同じ特性を示すが、駆動電圧下降過程では第2
図eに示すような特性を示し、ON状態から電圧をゼロに
して消去しようとしても、表示が消えるまでには非常に
長い時間を必要とする。 従来のHTN方式での駆動波形の概念は第3図に示すよ
うに、前の表示状態を保持している保持期間th1、ゼロ
ボルトを印加して前の表示状態を消去する消去期間te、
新しい表示状態を書き込む書き込み期間tw、さらにヒス
テリシスループ内となる保持電圧Vhを印加して表示状態
を保持する保持期間th2とからなる。従って、保持電圧V
hのON状態から、ゼロボルトを印加して消去しようとす
る場合は、前述の掃引スピードが速い場合に相当し、異
常ヒステリシス特性を示す液晶パネルでは消去時間が非
常に長くなってしまい、電気光学装置として使用するに
は非常に問題があった。 そこで本発明では、ΔPの許容範囲を広げ、液晶パネ
ルの製造を容易にすることが可能なHTN方式を用いた電
気光学装置の駆動方法を提供することを目的としてい
る。 [問題点を解決するための手段] 本発明の電気光学装置の駆動方法は、一対の基板間
に、双安定性を有し90度を越えるねじれ状態を有する液
晶を挟持してなる電気光学装置を駆動する電気光学装置
の駆動方法において、ON状態もしくはOFF状態からなる
表示状態を選択する選択パルスを印加するための書き込
み期間と、前記表示状態を保持するための保持期間と、
前記表示状態を消去するための消去期間とからなり、 前記書き込み期間では極性反転した選択パルスが印加
されてなり、前記消去期間では極性反転した消去パルス
が印加されてなることを特徴とする。 また、前記消去パルスは前記消去期間の最初に印加さ
れてなることを特徴とする。 〔実施例〕 以下、実施例に基づき本発明の詳細を説明する。 (実施例1) 電気光学装置として、750×1120画素のHTN方式の液晶
パネルを試作した。配向処理としてはSiOの斜方蒸着に
よって液晶分子のプレチルト角を25度、上下基板間の液
晶のツイスト角を270度とし液晶を注入して液晶パネル
とした。 このパネルにメルク社製のZLI−3187にカイラルドー
パントとしてBDH社のCB−15を添加したものを封入し
て、液晶パネルとした。 界面規制力などセル製造の各条件によってヒステリシ
ス特性の発現状況は異なるが、発明者らの実験では、例
えば4.4μmのセル厚の液晶パネルに、メルク社のZLI−
3187にカイラルドーパントとしてBDH社のCB−15を2.43
〜2.17wt%添加した液晶を注入し、ΔPの値を−0.05〜
−0.15としたものについては通常のヒステリシス特性が
得られた。また、CB−15の添加量を2.05wt%以下とし、
ΔPを−0.2よりも小さくするとローツイストドメイン
が発生することが多くなった。ΔPの値が−0.15〜−0.
2の領域ではローツイストドメインは発生しないが、液
晶パネルの製造条件によっては異常ヒステリシスを示し
たり、示さなかったりした。 これらの液晶パネルで、例えばΔPを−0.1とした通
常のヒステリシス特性を示す液晶パネルでは、30℃にお
いて、第3図に示した従来のHTN方式のゼロボルト印加
の消去法では13msecで消去が可能であった、一方、ΔP
を−0.2とした異常ヒステリシスを示す液晶パネルで
は、従来のHTN方式の消去波形では速くても数百msec、
遅い場合には数秒の単位の消去時間が必要であったに対
し、第1図(a)あるいは(b)に示すように、消去期
間の先頭に保持電圧よりも高い電圧消去用高パルスを印
加し、それに引続きゼロボルトを印加する消去波形とす
ることで消去時間を非常に短かくすることができた。消
去用高パルス印加時間tsを5〜0.2msecとしたときの、
消去用高パルス電圧Ve対する消去時間τe(msec)の値
を第1表に示す。 現時点ではその機構まで確定できる段階ではないが、
ON状態、すなわち、書き込みによって液晶分子が立って
いる状態は準安定状態であり、ここからOFF状態、すな
わち、液晶分子が水平配向している状態になるために
は、何等かのポテンシャルの壁を乗り越えなければなら
ないが、消去パルスを印加することがそのエネルギーを
外部から与えることにより、自然緩和による消去よりも
速くなるのではないかと考えている。 第1表から、消去用高パルスは高電圧で印加時間が短
かい方がよいことが判る。 以上、現象の原理については推測の域を出ないが、本
発明によれば消去時間を短くすることが可能なことは事
実である。 (実施例2) 電気光学素子として、400×640画素のHTN方式のパネ
ルを試作した。配向処理は実施例1と同様に、SiO斜方
蒸着とし、プレチルト角25度、ツイスト角270度、セル
厚6.0μmとし、メルク社のZLI−1132にカイラルドーパ
ントとしてBDH社のCB−15を添加した液晶を封入した。 この液晶パネルにおいては、CB−15の添加量が1.90〜
1.11wt%、ΔPの値にして0.3〜−0.2の領域では正常な
ヒステリシス特性が得られ、CB−15の添加量が1.07〜1.
02wt%で、ΔPが−0.25〜−0.3の領域では以上ヒステ
リシスが発生する。また、CB−15の添加量を1.02wt%以
下にし、ΔPが−0.3以下になるとローツイストドメイ
ンの発生する領域になる。ΔPが−0.2〜−0.25の領域
は不安定で以上ヒステリシスを示したり、示さなかった
りする。 ΔPが−0.3の以上ヒステリシスを示す液晶パネルを
用いて、実施例1と同様に消去時間を測定したところ、
25℃において、消去パルス電圧Ve=20V、消去パルス印
加時間te=0.5msecの条件で、第3図に示す従来のHTN方
式の消去波形では約5secであったのに対し、第1図
(a)および(b)の本発明の消去波形では40msecで消
去が可能であった。 以上、実施例を述べたが、本発明は上記実施例にのみ
限定されるものではなく、消去期間中にゼロボルト以外
の電圧を印加するもの全てに適用でき、その電圧、パル
ス幅などの条件に何等制限を与えるものではないことは
いうまでもない。 [発明の効果] 以上のような駆動方法を用いることにより、液晶に印
加される電圧の極性のかたよりをなくすことができ、ま
た、短時間で表示状態を消去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の駆動波形の概念を示す図である。
第2図は、ヒステリシス特性を有する電気光学装置の電
気光学特性を説明する図である。 第3図は、従来にHTN方式の駆動波形の概念をを示す図
である。
気光学特性を説明する図である。 第3図は、従来にHTN方式の駆動波形の概念をを示す図
である。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.一対の基板間に、双安定性を有し90度を越えるねじ
れ状態を有する液晶を挟持してなる電気光学装置を駆動
する電気光学装置の駆動方法において、 ON状態もしくはOFF状態からなる表示状態を選択する選
択パルスを印加するための書き込み期間と、 前記表示状態を保持するための保持期間と、 前記表示状態を消去するための消去期間とからなり、 前記書き込み期間では極性反転した選択パルスが印加さ
れてなり、 前記消去期間では極性反転した消去パルスが印加されて
なることを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 2.前記消去パルスは前記消去期間の最初に印加されて
なることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の電気
光学装置の駆動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62256912A JP2727546B2 (ja) | 1987-10-12 | 1987-10-12 | 電気光学装置の駆動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62256912A JP2727546B2 (ja) | 1987-10-12 | 1987-10-12 | 電気光学装置の駆動方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0199031A JPH0199031A (ja) | 1989-04-17 |
JP2727546B2 true JP2727546B2 (ja) | 1998-03-11 |
Family
ID=17299108
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62256912A Expired - Fee Related JP2727546B2 (ja) | 1987-10-12 | 1987-10-12 | 電気光学装置の駆動方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2727546B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0552568B1 (en) * | 1991-12-27 | 1997-07-16 | Bridgestone Corporation | A process and an apparatus for controlling vibration damping force in a vibration damping device |
JP2755124B2 (ja) * | 1993-09-30 | 1998-05-20 | 日本電気株式会社 | 携帯無線機 |
JP4903367B2 (ja) * | 2004-03-29 | 2012-03-28 | セイコーエプソン株式会社 | 電気泳動表示装置、その駆動方法及び記憶性表示装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2586051B2 (ja) * | 1987-08-17 | 1997-02-26 | セイコーエプソン株式会社 | 電気光学素子の駆動方法 |
-
1987
- 1987-10-12 JP JP62256912A patent/JP2727546B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0199031A (ja) | 1989-04-17 |
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