JP2727510B2 - レート分析方法 - Google Patents

レート分析方法

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JP2727510B2 JP62245989A JP24598987A JP2727510B2 JP 2727510 B2 JP2727510 B2 JP 2727510B2 JP 62245989 A JP62245989 A JP 62245989A JP 24598987 A JP24598987 A JP 24598987A JP 2727510 B2 JP2727510 B2 JP 2727510B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、レート分析方法に関し、特に生化学、有機
化学、食品化学、化粧品化学、植物学、農芸化学、微生
物学、薬理学及び臨床化学等に多用される酵素活性、酵
素反応速度等の測定に関する。また、本発明は、液体試
料、特に血液、血漿、血清等の液体、尿等の排泄物、胃
液、膵液、胆汁、唾液等の分泌液、腹水、胸水等の穿刺
液などの検体についての自動分析方法における分析デー
タの信頼性についての判定方法に関する。 (ロ)従来の技術 例えば、生体試料中の酵素量又は基質量等は、酵素活
性を測定して求められている。この場合、多くの検体に
ついて迅速にかつ正確に分析するために、全工程の自動
化がはかられ、測定点を三以上設定し、二以上の吸光度
変化を求めるレート測定法が採用されている。 レート測定法を、例えば、シングルマルチ自動分析装
置により行う場合、キュベットロータに、その回転中心
を中心とする円周に沿って、複数個のキュベットを配置
し、これを間欠的に移動させて、各キュベットを一個宛
各分析操作領域に送り、キュベットロータの間欠駆動の
停止時に、検体分注、試薬分注、撹拌、洗浄及び乾燥等
の分析操作を夫々の分析操作領域に送られたキュベット
について行わせ、一方、キュベットの列に沿って測定装
置を移動させて、各キュベット内の反応について吸光度
を測定し、これらの分析操作をキュベットロータの間欠
駆動の停止時毎に逐次行っている。 このようにして、一個の検体について測定毎に求めら
れた複数の測定データから、目的とする当該酵素反応の
反応速度、特に反応初速度を求めて目的の分析項目の値
を求めている。 (ハ)発明が解決しようとする問題点 しかし、このようにして得られた複数の測定データか
ら成るデータ列は、例えば、酵素反応の進行と共に基質
が消費されて反応速度が低下するために、反応の直線性
が得られない部分を生じる。このような反応の非直線性
の部分を加味すると、反応の直線性が影響を受けて、正
確に反応初速度の値を得ることができない。そこで、例
えば、反応限界の吸光度を設定して測定が行われてい
る。 従来、このような反応限界の吸光度のレベル即ち反応
限界レベルとしては、第一試薬添加後における吸光度か
ら第一試薬ブランクを差引いた反応限界レベルと、反応
の終端における吸光度から第一試薬ブランクを差引いた
実効反応限界レベルと、反応の直線性の限界を定める許
容反応限界レベルが設定されているが、誤差を完全に解
消するに到っておらず、レート分析法により得られる分
析値の信頼性の上で充分ではなく、その点改良すべき問
題とされている。 本発明は、従来のレート分析法における分析値の信頼
性に係る問題点を解決することを目的としている。 (ニ)問題点を解決するための手段 本発明は、管理された測定値によって分析値が得られ
る再現性の高いレート分析法を提供することを目的とし
ている。 本発明は、従来法における信頼性即ち再現性の低下
が、専ら、測定時における撹拌のバラツキ、泡による測
光妨害或は測定装置の異常等の不測の事態に基づいて起
る点に着目してなされている。 すなわち、本発明は分析試料に、反応試薬を加えた反
応液について、複数回繰り返し測定して、反応限界レベ
ルを測定し、反応限界レベルに至る複数の測定値から反
応初速度を求めるレート分析方法において、当該分析項
目の標準吸光度変化率に対し、当該分析項目の吸光度測
定値の反応限界レベルに至る間の吸光度データ列につい
て求められた吸光度変化の回帰直線の勾配の相対的標準
偏差の値を対比して、吸光度変化の直線性を判定するこ
とを特徴とするレート分析方法にある。 本発明において、例えば分析試料が分注される複数の
キュベットは、キュベットロータにその円周方向に配列
されており、キュベットロータの間欠的回転により、各
分析作業領域、即ち、試料分注領域、第一試薬分注領
域、第一撹拌領域、第二試薬分注領域、第二撹拌領域、
反応領域、洗浄乾燥領域を逐次移動する。一方、測定装
置は、そのキュベットロータの停止時において、洗浄乾
燥領域以外の各々の作業領域に位置するキュベットの内
容物について吸光度の測定を行うように移動する。 本発明において、分析値の信頼性は、反応限界レベル
に至る間の標準吸光度変化率に対し、前記レベルに至る
間の測定値のバラツキの度合を対比させて求められる。
この測定値のバラツキの度合が上記標準吸光度変化率に
対して、所定の範囲を越えて大きいときは、当該試料の
分析項目についての分析値について、再検査、即ち当該
分析を再度行うが、或は、殊にバラツキの度合の大きい
測定値を省いて、再度分析値を算出させるかの何れかの
手段がとられる。 本発明において、前記測定値のバラツキの対比は、レ
ート分析における各測定点における測定時間と反応液の
吸光度を、横軸に時間をとり、縦軸に吸光度をとった座
標上に、プロットした場合の回帰直線について、当該分
析項目の標準回帰直線即ち標準吸光度変化率を基にする
回帰分析により行われる。この場合、前記測定値の吸光
度変化の回帰直線の勾配に関する標準偏差を求め、この
回帰直線の勾配の相対的標準偏差を上記標準回帰直線の
勾配に対比することによって求めることができる。 今、測定時間Tm、Tm+、……Tnで、有効な吸光度デ
ータ列Xm、Xm+、……Xnが測定された場合、最小二乗
法により、その回帰直線は、次の式(1) Yi=aTi+b ……(1) で与えられる。 但し、上記式(1)において、 i=m、m+1、……n、を意味し、また、上記
式(1)におけるaは最小二乗法により、次の式(2)
により与えられる。 但し、式(2)において、N=n−m+1であり、b
は次の式(3)により与えられる。 b=−a ……(3) この式(3)において、=ΣTi/Nであり、=ΣXi
/Nである。 式(2)において求められた回帰直線の勾配aは、時
間当りの吸光度変化率であり、自動分析装置を使用した
場合に、求められるレート分析における測定値Cは、次
の式(4)により与えられる。 C=K1(a−aAb) ……(4) この式(4)において、K1は標準試料測定値に対する
変換係数であり、aAbは、試薬ブランク時の吸光度変化
率である。 上記回帰直線の勾配aについての判定は、次のように
行われる。 まず、回帰直線についての標準偏差Sが求められる。 ここでSは、次の式(5)で求められる。 ここでYiは回帰直線であり、Xiは実測値である。 式(5)により、回帰直線Yiのaの勾配の標準偏差Sa
は、直線回帰分析における勾配aの推定値の分散又は拡
がりを示す次の式(6)により求められる。 また、式(6)から、回帰直線Yiの勾配aの相対的標
準偏差Caは、勾配の標準偏差を勾配の推定値(a)に対
する比率で示す式(7)により求められる。 Ca=(Sa/|a|)×100(%) ……(7) ここでCaは、分析項目毎に求められている標準吸光度
変化率Vと対比されて評価判定される。この場合、 (i)Ca≧Vの時は、定常的な吸光度変化をしておら
ず、直線性が不良であると評価判定される。 (ii)Ca<Vの時は、定常的な吸光度変化をしており、
その分析値は、信頼性があると評価判定される。 (ホ)作用 本発明は、レート分析方法において、反応限界レベル
に至る間の当該分析項目についての標準吸光度変化率に
対し、前記レベルに至る間における測定値による吸光度
変化率を比較してバラツキの度合を求めるので、そのバ
ラツキの度合が大きいときは、当該分析値を再検討する
ことができる。しかも、この場合、バラツキの要因とな
っている、例えば、標準吸光度変化率から大きく外れた
測定値を除外して、再度計算を行い、分析値の修正を行
うことができる。この修正された分析値を、前記標準吸
光度変化率と再度、対比してそのバラツキの度合を求
め、当該修正分析値についての評価を行うことができ
る。この評価の結果、修正分析値の標準吸光度変化率に
対するバラツキが、尚大きいときは、再分析が行われ
る。もとより、分析値の修正工程を経ないで直接再分析
を行うこともできる。 このように、本発明においては、レート分析値につい
て、回帰分析を行うので、分析値の再現性は頗る高いも
のである。 (ヘ)実施例 以下、添付図面を参照して、本発明の実施の態様の例
を説明するが、本発明は、以下の説明及び例示によって
何ら制限されるものではない。 第1図は、本発明の一実施例についての概略の平面図
であり、説明の便宜上簡略化されている。 第1図において、自動分析装置1には、反応ディスク
2が中央に設けられており、その外側上方にキュベット
ロータ3が設けられている。キュベットロータ3の周囲
には、検体カップ4が多数配列されている検体分注用の
サンプリングテーブル5が設けられており、これに接近
して検体分注器6が設けられている。キュベットロータ
3の間欠的回転方向下手には、多数の試薬容器7が配列
されている試薬分注用の試薬テーブル8及び試薬分注器
9が設けられている。また、キュベットロータの回転方
向のさらに下手には、反応キュベット用洗浄及び乾燥装
置10が設けられている。反応ディスク2には、光源部11
及び受光部12を備える測定部13及び恒温槽14が設けられ
ている。キュベットロータ3には、複数の反応キュベッ
ト15により反応ライン16が形成されている。 本例は、このように構成されているので、従来の場合
と同様に、反応限界レベルを設定してレート分析を行う
ことができる。 この場合、キュベットロータ3は、一定周期で一ピッ
チ宛間欠的に回転させられ、キュベットロータ3の反応
キュベット15は、反応ライン16に沿って間欠的に移動す
る。検体分注位置17に送られる反応キュベット15には、
キュベットロータ3の停止期間中に、検体分注器6によ
り検体採取位置18の検体カップ4から検体が分注され
る。検体が分注された反応キュベット15は、反応ライン
16に沿って間欠的に移動して、試薬分注位置19におい
て、試薬分注器9により試薬採取位置20にある試薬容器
7から試薬が反応キュベット15に分注される。キュベッ
トロータ3の停止期間中、反応ディスク2が回転して、
測定部13により各反応キュベットについての吸光度が測
定される。この測定後、反応キュベットは洗浄・乾燥位
置21に送られて洗浄及び乾燥されて清浄となる。反応デ
ィスクの回転による測定は、キュベットロータ3の各停
止期間中或は一定時間間隔毎の停止期間中に行われる。
洗浄・乾燥位置21の測定では、反応キュベットブランク
が測定され、試薬分注位置19の直後の位置において、反
応限界レベルが測定され、その位置から後では反応速度
が測定され、反応の終端において、実効反応限界レベル
が測定される。許容反応限界レベルは、標準試料の希釈
系列を測定することによって設定される。 このようにして、求められた反応速度の値を、当該分
析項目の標準回帰直線と比較して、そのバラツキの度合
を求める。その求められたバラツキの度合が、例えば、
近似的95%予測帯域にはいらない場合には、当該レート
分析における複数の測定値の中、上記予測帯域から著し
く外れるものを除いて修正分析値を算出する。 この得られた修正分析値を上記近似的95%予測帯域と
比較して、該修正分析値がこの帯域内にはいらないとき
には再分析を行い、分析値が上記予測帯域にはいるまで
繰り返される。 本例においては、一つの試薬分注により反応をさせて
レート分析が行われているが、第一及び第二試薬に分け
て、試薬分注を行いレート分析を行うことができる。こ
の場合、反応限界レベルは、第一試薬分注後に続いて第
二試薬を分注して反応を行い、この間、試薬分注直後に
例えば、λ1の主波長の光で吸光度を求めて、実効反応
限界レベルを設定し、引き続いて、λ1及びλ2の二波
長により測定する。続いて、反応の終端において、λ1
の波長により測定して実効反応限界レベルを設定するこ
とができる。許容反応限界レベルは、標準試料の希釈系
列を測定することによって設定される。 (ト)発明の効果 本発明は、レート分析方法において、反応限界レベル
に至る間の当該分析項目についての標準吸光度変化率に
対し、前記レベルに至る間における測定値による吸光度
変化率のバラツキの度合が大きいときは、当該分析値を
再検討するので、従来法と比較して、レート分析におけ
る有効データ区間が変化する時、反応が定常的に進行し
ていない時、測定異常のデータが存在する時でも、信頼
性の高い吸光度変化率を得ることができる点ですぐれて
いる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の一実施例についての概略の平面図で
あり、説明の便宜上簡略化されている。 図中の符号については、1は自動分析装置、2は反応デ
ィスク、3はキュベットロータ、4は検体カップ、5は
サンプリングテーブル、6は検体分注器、7は試薬容
器、8は試薬テーブル、9は試薬分注器、10は反応キュ
ベット用洗浄及び乾燥装置、11は光源部、12は受光部、
13は測定部、14は恒温槽、15は反応キュベット、16は反
応ライン、17は検体分注位置、18は検体採取位置、19は
試薬分注位置、20は試薬採取位置、21は洗浄・乾燥位置
である。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.分析試料に、反応試薬を加えた反応液について、複
    数回繰り返し測定して、反応限界レベルを測定し、反応
    限界レベルに至る複数の測定値から反応初速度を求める
    レート分析方法において、当該分析項目の標準吸光度変
    化率に対し、当該分析項目の吸光度測定値の反応限界レ
    ベルに至る間の吸光度データ列について求められた吸光
    度変化の回帰直線の勾配の相対的標準偏差の値を対比し
    て、吸光度変化の直線性を判定することを特徴とするレ
    ート分析方法。
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