JP2727260B2 - 光波長変換装置 - Google Patents
光波長変換装置Info
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- JP2727260B2 JP2727260B2 JP3086617A JP8661791A JP2727260B2 JP 2727260 B2 JP2727260 B2 JP 2727260B2 JP 3086617 A JP3086617 A JP 3086617A JP 8661791 A JP8661791 A JP 8661791A JP 2727260 B2 JP2727260 B2 JP 2727260B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基本波を第2高調波に
変換する光波長変換装置、特に詳細には、基本波と第2
高調波との間でタイプIIの位相整合が取られる非線形光
学材料の結晶を用いた光波長変換装置に関するものであ
る。
変換する光波長変換装置、特に詳細には、基本波と第2
高調波との間でタイプIIの位相整合が取られる非線形光
学材料の結晶を用いた光波長変換装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば特開昭62-189783 号公報に示され
るように、ネオジウム等の希土類がドーピングされた固
体レーザーロッドを半導体レーザー(レーザーダイオー
ド)によってポンピングするレーザーダイオードポンピ
ング固体レーザーが公知となっている。この種のレーザ
ーダイオードポンピング固体レーザーにおいては、より
短波長のレーザー光を得るために、その共振器内に非線
形光学材料のバルク単結晶を配設して、固体レーザー発
振ビームを第2高調波に波長変換することも行なわれて
いる。
るように、ネオジウム等の希土類がドーピングされた固
体レーザーロッドを半導体レーザー(レーザーダイオー
ド)によってポンピングするレーザーダイオードポンピ
ング固体レーザーが公知となっている。この種のレーザ
ーダイオードポンピング固体レーザーにおいては、より
短波長のレーザー光を得るために、その共振器内に非線
形光学材料のバルク単結晶を配設して、固体レーザー発
振ビームを第2高調波に波長変換することも行なわれて
いる。
【0003】ところで上記非線形光学材料の結晶として
は、例えばKTPのような2軸性結晶が用いられること
も多い。J.Appl .Phys .Vol.55,p65(1984)
にはYaoらによって、2軸性結晶であるKTPの位相整
合方法に関する内容が詳細に記述されている。以下、こ
こに記述されている2軸性結晶における位相整合方法に
関して説明する。図4に示すようにθを光の進行方向と
結晶の光学軸Zとのなす角度とし、φを光学軸X、Yを
含む面においてX軸からの光の進行方向の角度とする。
ここで、任意の角度で入射したときの基本波および第2
高調波に対する結晶の屈折率を各々
は、例えばKTPのような2軸性結晶が用いられること
も多い。J.Appl .Phys .Vol.55,p65(1984)
にはYaoらによって、2軸性結晶であるKTPの位相整
合方法に関する内容が詳細に記述されている。以下、こ
こに記述されている2軸性結晶における位相整合方法に
関して説明する。図4に示すようにθを光の進行方向と
結晶の光学軸Zとのなす角度とし、φを光学軸X、Yを
含む面においてX軸からの光の進行方向の角度とする。
ここで、任意の角度で入射したときの基本波および第2
高調波に対する結晶の屈折率を各々
【0004】
【数1】
【0005】とし、基本波および第2高調波の光学軸
X、Y、Z各方向の偏光成分に対する結晶の屈折率をそ
れぞれ、
X、Y、Z各方向の偏光成分に対する結晶の屈折率をそ
れぞれ、
【0006】
【数2】
【0007】とする。次に、 kX =sin θ・cos φ kY =sin θ・sin φ kZ =cos θ としたとき、
【0008】
【数3】
【0009】
【数4】
【0010】上記(数3)および(数4)の解が位相整
合条件となる。
合条件となる。
【0011】
【数5】
【0012】とおいたとき(数3)および(数4)式の
解は、
解は、
【0013】
【数6】
【0014】
【数7】
【0015】(複号はi=1のとき+、i=2のとき
−)となる。
−)となる。
【0016】ここで、
【0017】
【数8】
【0018】なる条件が満足されるとき、基本波と第2
高調波との間で位相整合が取られ、これはタイプIの位
相整合と称されている。また、
高調波との間で位相整合が取られ、これはタイプIの位
相整合と称されている。また、
【0019】
【数9】
【0020】なる条件が満たされるときにも、基本波と
第2高調波との間で位相整合が取られ、これは一般にタ
イプIIの位相整合と称されている。
第2高調波との間で位相整合が取られ、これは一般にタ
イプIIの位相整合と称されている。
【0021】ところで、上記のような2軸性結晶を用い
てタイプIIの位相整合を取る場合、結晶に入射させる基
本波が該結晶に関して2つの屈折率を感じるようにな
る。例えば結晶の非線形光学定数d24を利用する場合、
すなわち図5に示すように結晶10の光学軸YからZ軸側
に45°傾いた方向に直線偏光した(つまりY軸方向の直
線偏光成分とZ軸方向の直線偏光成分とを有する)基本
波11を入射させて、Y軸方向に直線偏光した第2高調波
12を取り出す場合、基本波11は屈折率
てタイプIIの位相整合を取る場合、結晶に入射させる基
本波が該結晶に関して2つの屈折率を感じるようにな
る。例えば結晶の非線形光学定数d24を利用する場合、
すなわち図5に示すように結晶10の光学軸YからZ軸側
に45°傾いた方向に直線偏光した(つまりY軸方向の直
線偏光成分とZ軸方向の直線偏光成分とを有する)基本
波11を入射させて、Y軸方向に直線偏光した第2高調波
12を取り出す場合、基本波11は屈折率
【0022】
【数10】
【0023】つまりZ軸方向の偏光成分が感じる屈折率
と、屈折率
と、屈折率
【0024】
【数11】
【0025】つまり光の進行方向とZ軸に直角なY’方
向の偏光成分が感じる屈折率の双方を感じる。
向の偏光成分が感じる屈折率の双方を感じる。
【0026】なお図5のように結晶10がカットされてい
る場合、厳密に言えば、基本波11はY’方向(Y軸から
X軸側に傾いた方向)およびZ軸方向に直線偏光した状
態で入射され、第2高調波12はY’方向に偏光した状態
で取り出されることになるが、実用上は上記のように考
えて差支えない。
る場合、厳密に言えば、基本波11はY’方向(Y軸から
X軸側に傾いた方向)およびZ軸方向に直線偏光した状
態で入射され、第2高調波12はY’方向に偏光した状態
で取り出されることになるが、実用上は上記のように考
えて差支えない。
【0027】上述のように、基本波が2つの屈折率を感
じると、それぞれの屈折率に対する偏光成分の間に下記
の位相差Δが生じる。
じると、それぞれの屈折率に対する偏光成分の間に下記
の位相差Δが生じる。
【0028】
【数12】
【0029】この位相差Δが生じると、基本波の直線偏
光方向が位相差Δの値に応じて変化する。こうして基本
波の直線偏光方向が変化すると、非線形光学材料結晶の
光学軸に対する基本波偏光方向の角度が、最大波長変換
効率を得る所定角度からずれてしまい、第2高調波の出
力が低下することになる。このようにして生じる第2高
調波の出力変動は周期性を有するものであり、これに
は、上記の式の各パラメータの温度依存性に由来して図
6のように現われる温度依存性のものと、図7のように
現われる結晶長依存性のものとがある。
光方向が位相差Δの値に応じて変化する。こうして基本
波の直線偏光方向が変化すると、非線形光学材料結晶の
光学軸に対する基本波偏光方向の角度が、最大波長変換
効率を得る所定角度からずれてしまい、第2高調波の出
力が低下することになる。このようにして生じる第2高
調波の出力変動は周期性を有するものであり、これに
は、上記の式の各パラメータの温度依存性に由来して図
6のように現われる温度依存性のものと、図7のように
現われる結晶長依存性のものとがある。
【0030】そこで、最大の第2高調波出力を得るため
には、結晶温度を最適に制御したり、あるいは結晶長を
最適に調整する必要がある。例えば米国特許第4,913,53
3 号明細書には、前者の手法を採る光波長変換装置の一
例が示されており、一方特開平1-152781号公報、同1-15
2782号公報には、後者の手法を採る光波長変換装置の一
例が示されている。特に上記特開平1-152781号公報に
は、非線形光学材料の結晶として、そこにおける基本波
光路と交わる方向に沿って厚さが次第に変化するものを
用いる一方、この結晶を上記方向に移動させて結晶長を
変化させるようにした構造が示されている。
には、結晶温度を最適に制御したり、あるいは結晶長を
最適に調整する必要がある。例えば米国特許第4,913,53
3 号明細書には、前者の手法を採る光波長変換装置の一
例が示されており、一方特開平1-152781号公報、同1-15
2782号公報には、後者の手法を採る光波長変換装置の一
例が示されている。特に上記特開平1-152781号公報に
は、非線形光学材料の結晶として、そこにおける基本波
光路と交わる方向に沿って厚さが次第に変化するものを
用いる一方、この結晶を上記方向に移動させて結晶長を
変化させるようにした構造が示されている。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】しかし、結晶長を任意
に設定しておいて、結晶温度の制御によって最大の第2
高調波出力を得ようとすると、大きな温度調節ストロー
クが求められるために温調電源やヒートシンクが大型化
し、光波長変換装置の大型化やコストアップを招く。
に設定しておいて、結晶温度の制御によって最大の第2
高調波出力を得ようとすると、大きな温度調節ストロー
クが求められるために温調電源やヒートシンクが大型化
し、光波長変換装置の大型化やコストアップを招く。
【0032】一方、結晶温度が一定となるように温度調
節をし、個々の結晶の長さをその温度に対して最適な値
に調整して対応する場合は、結晶長の許容誤差が極めて
小さいため、現実には、最大の第2高調波出力を得るの
は非常に困難となっている。そして、たとえそのような
ことが可能でも、この場合には、結晶長の厳密な測定お
よび調整の作業が必要となるから、光波長変換装置が大
幅にコストアップしてしまう。
節をし、個々の結晶の長さをその温度に対して最適な値
に調整して対応する場合は、結晶長の許容誤差が極めて
小さいため、現実には、最大の第2高調波出力を得るの
は非常に困難となっている。そして、たとえそのような
ことが可能でも、この場合には、結晶長の厳密な測定お
よび調整の作業が必要となるから、光波長変換装置が大
幅にコストアップしてしまう。
【0033】また上記特開平1-152781号公報に示される
構造においては、非線形光学材料結晶の移動量を比較的
大きく取る必要があるので、基本波の直線偏光方向を調
整すると共振器モードの位置がずれることもある。
構造においては、非線形光学材料結晶の移動量を比較的
大きく取る必要があるので、基本波の直線偏光方向を調
整すると共振器モードの位置がずれることもある。
【0034】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たものであり、基本波と第2高調波との間でタイプIIの
位相整合が取られる非線形光学材料の結晶を用いて、高
出力の第2高調波を得ることができ、共振器モードの位
置がずれることがなく、しかも小型かつ安価に形成可能
な光波長変換装置を提供することを目的とするものであ
る。
たものであり、基本波と第2高調波との間でタイプIIの
位相整合が取られる非線形光学材料の結晶を用いて、高
出力の第2高調波を得ることができ、共振器モードの位
置がずれることがなく、しかも小型かつ安価に形成可能
な光波長変換装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明による光波長変換
装置は、前述したレーザーダイオードポンピング固体レ
ーザーのように、固体レーザー媒質をポンピングして得
られた基本波としてのレーザービームを非線形光学材料
の結晶に入射させ、この基本波とタイプIIの位相整合を
取って第2高調波を出射させる光波長変換装置におい
て、固体レーザー媒質として、複屈折性を持ち、かつそ
こにおける基本波光路と交わる方向に沿って厚さが次第
に変化するものが用いられる一方、この固体レーザー媒
質をポンピング源に対して、上記の方向に沿って相対移
動させる手段が設けられたことを特徴とするものであ
る。
装置は、前述したレーザーダイオードポンピング固体レ
ーザーのように、固体レーザー媒質をポンピングして得
られた基本波としてのレーザービームを非線形光学材料
の結晶に入射させ、この基本波とタイプIIの位相整合を
取って第2高調波を出射させる光波長変換装置におい
て、固体レーザー媒質として、複屈折性を持ち、かつそ
こにおける基本波光路と交わる方向に沿って厚さが次第
に変化するものが用いられる一方、この固体レーザー媒
質をポンピング源に対して、上記の方向に沿って相対移
動させる手段が設けられたことを特徴とするものであ
る。
【0036】
【作用および発明の効果】上記のように複屈折性を持つ
固体レーザー媒質を用いると、前記(数12)式で示し
た非線形光学材料の結晶内で生じる位相差Δと同様に、
レーザー媒質内で位相差Δ’が生じる。このとき、上記
の形状とされた固体レーザー媒質をポンピング源に対し
て上記方向に移動させると、この固体レーザー媒質の有
効光路長が変化し、位相差Δ’が変化するので、それに
応じて基本波の偏光方向も変化する。そこで、この移動
の量を適当に調節すれば、非線形光学材料結晶に対する
基本波の偏光方向を、最大の波長変換効率が得られるよ
うに設定することができ、高強度の波長変換された短波
長レーザービームを得ることが可能となる。
固体レーザー媒質を用いると、前記(数12)式で示し
た非線形光学材料の結晶内で生じる位相差Δと同様に、
レーザー媒質内で位相差Δ’が生じる。このとき、上記
の形状とされた固体レーザー媒質をポンピング源に対し
て上記方向に移動させると、この固体レーザー媒質の有
効光路長が変化し、位相差Δ’が変化するので、それに
応じて基本波の偏光方向も変化する。そこで、この移動
の量を適当に調節すれば、非線形光学材料結晶に対する
基本波の偏光方向を、最大の波長変換効率が得られるよ
うに設定することができ、高強度の波長変換された短波
長レーザービームを得ることが可能となる。
【0037】また固体レーザー媒質は非線形光学材料結
晶と比較すると、一般に複屈折性がより大であるから、
上記厚さの変化の程度(つまり端面の傾斜角度)がより
小さくても、また上記移動の量が比較的小さくても、位
相差Δ’を十分に変化させることができる。したがって
本発明装置においては、共振器モードの位置がずれない
程度の少ない調整量で、基本波の偏光方向を最適に設定
することができる。
晶と比較すると、一般に複屈折性がより大であるから、
上記厚さの変化の程度(つまり端面の傾斜角度)がより
小さくても、また上記移動の量が比較的小さくても、位
相差Δ’を十分に変化させることができる。したがって
本発明装置においては、共振器モードの位置がずれない
程度の少ない調整量で、基本波の偏光方向を最適に設定
することができる。
【0038】そして上記構成の本発明装置は、大型かつ
高精度の温度調節手段は不要で、結晶長の厳密な測定や
調整も不要であるから、小型、安価に形成可能となる。
高精度の温度調節手段は不要で、結晶長の厳密な測定や
調整も不要であるから、小型、安価に形成可能となる。
【0039】また本発明装置においては、上記移動の量
を調節して固体レーザー媒質の適当な厚さの所で発振さ
せ、共振器内の複屈折量を調整することにより、基本波
がマルチモード発振している場合であっても、モード競
合ノイズの発生を抑えることができる。
を調節して固体レーザー媒質の適当な厚さの所で発振さ
せ、共振器内の複屈折量を調整することにより、基本波
がマルチモード発振している場合であっても、モード競
合ノイズの発生を抑えることができる。
【0040】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を
詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施例による光
波長変換装置を示すものである。この光波長変換装置を
有するレーザーダイオードポンピング固体レーザーは、
ポンピング光としてのレーザービーム13を発する半導体
レーザー(フェーズドアレイレーザー)14と、発散光で
ある上記レーザービーム13を平行光化するコリメーター
レンズ15aと、このレンズ15aを通過したレーザービー
ム13を集束させる集光レンズ15bと、ネオジウム(N
d)がドーピングされた固体レーザーロッドであるYV
O4 ロッド(以下、Nd:YVO4 ロッドと称する)16
と、このNd:YVO4 ロッド16の前方側(図中右方
側)に配された共振器ミラー17と、この共振器ミラー17
とNd:YVO4 ロッド16との間に配されたKTP結晶
10とからなる。以上述べた各要素は、共通の筐体(図示
せず)にマウントされて一体化されている。なおフェー
ズドアレイレーザー14は、図示しないペルチェ素子と温
調回路により、所定温度に温調される。
詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施例による光
波長変換装置を示すものである。この光波長変換装置を
有するレーザーダイオードポンピング固体レーザーは、
ポンピング光としてのレーザービーム13を発する半導体
レーザー(フェーズドアレイレーザー)14と、発散光で
ある上記レーザービーム13を平行光化するコリメーター
レンズ15aと、このレンズ15aを通過したレーザービー
ム13を集束させる集光レンズ15bと、ネオジウム(N
d)がドーピングされた固体レーザーロッドであるYV
O4 ロッド(以下、Nd:YVO4 ロッドと称する)16
と、このNd:YVO4 ロッド16の前方側(図中右方
側)に配された共振器ミラー17と、この共振器ミラー17
とNd:YVO4 ロッド16との間に配されたKTP結晶
10とからなる。以上述べた各要素は、共通の筐体(図示
せず)にマウントされて一体化されている。なおフェー
ズドアレイレーザー14は、図示しないペルチェ素子と温
調回路により、所定温度に温調される。
【0041】このフェーズドアレイレーザー14として
は、波長λ1 =809 nmのレーザービーム13を発するも
のが用いられている。一方Nd:YVO4 ロッド16は、
上記レーザービーム13によってネオジウム原子が励起さ
れることにより、波長λ2 =1064nmのレーザービーム
11を発する。
は、波長λ1 =809 nmのレーザービーム13を発するも
のが用いられている。一方Nd:YVO4 ロッド16は、
上記レーザービーム13によってネオジウム原子が励起さ
れることにより、波長λ2 =1064nmのレーザービーム
11を発する。
【0042】Nd:YVO4 ロッド16の光入射側端面16
aには、波長1064nmのレーザービーム11は良好に反射
させ(反射率99.9%以上)、波長809 nmのポンピング
用レーザービーム13は良好に透過させる(透過率99%以
上)コーティング18が施されている。またNd:YVO
4 ロッド16の光出射側端面16bには、波長1064nmのレ
ーザービーム11を良好に透過させる(透過率99.9%以
上)無反射コーティング9が施されている。一方共振器
ミラー17のKTP結晶10側の面17aは球面の一部をなす
形状とされ、その表面には、波長1064nmのレーザービ
ーム11および波長809 nmのレーザービーム13は良好に
反射させ、そして後述する波長532 nmの第2高調波12
は良好に透過させるコーティング19が施されている。し
たがって波長1064nmのレーザービーム11は、上記の面
16a、17a間に閉じ込められて、レーザー発振を引き起
こす。なお特に図示はしないが、KTP結晶10のNd:
YVO4 ロッド16側の端面にも、上記無反射コーティン
グ9と同様のコーティングが施されている。
aには、波長1064nmのレーザービーム11は良好に反射
させ(反射率99.9%以上)、波長809 nmのポンピング
用レーザービーム13は良好に透過させる(透過率99%以
上)コーティング18が施されている。またNd:YVO
4 ロッド16の光出射側端面16bには、波長1064nmのレ
ーザービーム11を良好に透過させる(透過率99.9%以
上)無反射コーティング9が施されている。一方共振器
ミラー17のKTP結晶10側の面17aは球面の一部をなす
形状とされ、その表面には、波長1064nmのレーザービ
ーム11および波長809 nmのレーザービーム13は良好に
反射させ、そして後述する波長532 nmの第2高調波12
は良好に透過させるコーティング19が施されている。し
たがって波長1064nmのレーザービーム11は、上記の面
16a、17a間に閉じ込められて、レーザー発振を引き起
こす。なお特に図示はしないが、KTP結晶10のNd:
YVO4 ロッド16側の端面にも、上記無反射コーティン
グ9と同様のコーティングが施されている。
【0043】このレーザービーム11は非線形光学材料で
あるKTP結晶10に入射して、波長が1/2すなわち53
2 nmの第2高調波12に波長変換される。共振器ミラー
17の面17aには前述した通りのコーティング19が施され
ているので、この共振器ミラー17からは、ほぼ第2高調
波12のみが取り出される。
あるKTP結晶10に入射して、波長が1/2すなわち53
2 nmの第2高調波12に波長変換される。共振器ミラー
17の面17aには前述した通りのコーティング19が施され
ているので、この共振器ミラー17からは、ほぼ第2高調
波12のみが取り出される。
【0044】複屈折性を持つNd:YVO4 ロッド16
は、そこにおけるレーザービーム11の光路と交わる方向
(図中上下方向)に沿って厚さが次第に変化するくさび
状に形成されている。またそれを保持した保持部材21に
は、図中上下方向に延びる複数のガイドロッド22が挿通
されている。これらのガイドロッド22の下端部は固定台
23に固定されており、保持部材21はガイドロッド22に沿
って上下方向に移動自在となっている。そして固定台23
には精密ねじ24が回転自在に保持され、この精密ねじ24
の先端部は上記保持部材21に螺合されている。したがっ
て精密ねじ24が回転されると、保持部材21が上下方向に
螺進退し、Nd:YVO4 ロッド16が上下移動する。
は、そこにおけるレーザービーム11の光路と交わる方向
(図中上下方向)に沿って厚さが次第に変化するくさび
状に形成されている。またそれを保持した保持部材21に
は、図中上下方向に延びる複数のガイドロッド22が挿通
されている。これらのガイドロッド22の下端部は固定台
23に固定されており、保持部材21はガイドロッド22に沿
って上下方向に移動自在となっている。そして固定台23
には精密ねじ24が回転自在に保持され、この精密ねじ24
の先端部は上記保持部材21に螺合されている。したがっ
て精密ねじ24が回転されると、保持部材21が上下方向に
螺進退し、Nd:YVO4 ロッド16が上下移動する。
【0045】図2に詳しく示すように、2軸性結晶であ
るKTP結晶10は、YZ面をZ軸周りに24°回転させた
面でカットされている。この構成においては、矢印Pで
示すレーザービーム11の直線偏光方向とZ軸とが45°の
角度をなす場合に、大きな非線形光学定数d24が利用さ
れた上で、基本波としてのレーザービーム11と第2高調
波12との間で良好にタイプIIの位相整合が取られ、最大
強度の第2高調波12が得られる。
るKTP結晶10は、YZ面をZ軸周りに24°回転させた
面でカットされている。この構成においては、矢印Pで
示すレーザービーム11の直線偏光方向とZ軸とが45°の
角度をなす場合に、大きな非線形光学定数d24が利用さ
れた上で、基本波としてのレーザービーム11と第2高調
波12との間で良好にタイプIIの位相整合が取られ、最大
強度の第2高調波12が得られる。
【0046】しかし、KTP結晶10によりレーザービー
ム11に前述のような位相差Δが生じると、その値に応じ
てレーザービーム11の直線偏光方向が変化してしまうの
で、上記45°の角度を実現できないことも起こり得る。
そこで、前述した精密ねじ24を右回りあるいは左回りに
回転させて、Nd:YVO4 ロッド16を上下方向に微小
量ずつ移動させると、該ロッド16におけるレーザービー
ム11の光路長が変化して、前記位相差Δ’が変化するの
で、その直線偏光方向が変化する。このようにしてレー
ザービーム11の直線偏光方向を微調整すれば、この直線
偏光方向がZ軸に対して45°をなす状態が得られ、その
ときに最大強度の第2高調波12を得ることができる。
ム11に前述のような位相差Δが生じると、その値に応じ
てレーザービーム11の直線偏光方向が変化してしまうの
で、上記45°の角度を実現できないことも起こり得る。
そこで、前述した精密ねじ24を右回りあるいは左回りに
回転させて、Nd:YVO4 ロッド16を上下方向に微小
量ずつ移動させると、該ロッド16におけるレーザービー
ム11の光路長が変化して、前記位相差Δ’が変化するの
で、その直線偏光方向が変化する。このようにしてレー
ザービーム11の直線偏光方向を微調整すれば、この直線
偏光方向がZ軸に対して45°をなす状態が得られ、その
ときに最大強度の第2高調波12を得ることができる。
【0047】なおNd:YVO4 の複屈折量はne −n
o =0.2079であり、KTPの複屈折量nZ −nY =0.08
53と比べると著しく大きい。したがって、KTP結晶10
の端面を斜めに形成しておいてそれを移動させる場合に
比べれば、Nd:YVO4 ロッド16の端面16bの傾斜は
比較的緩やかでよく、またその移動量も比較的少なくて
済む。したがって本装置においては、共振器モードの位
置がずれない程度の少ない調整量で、レーザービーム11
の偏光方向を最適に設定することができる。
o =0.2079であり、KTPの複屈折量nZ −nY =0.08
53と比べると著しく大きい。したがって、KTP結晶10
の端面を斜めに形成しておいてそれを移動させる場合に
比べれば、Nd:YVO4 ロッド16の端面16bの傾斜は
比較的緩やかでよく、またその移動量も比較的少なくて
済む。したがって本装置においては、共振器モードの位
置がずれない程度の少ない調整量で、レーザービーム11
の偏光方向を最適に設定することができる。
【0048】次に図3を参照して、本発明の第2実施例
について説明する。なおこの図3において、図1中のも
のと同等の要素については同番号を付し、それらについ
ての重複した説明は省略する(以下、同様)。
について説明する。なおこの図3において、図1中のも
のと同等の要素については同番号を付し、それらについ
ての重複した説明は省略する(以下、同様)。
【0049】この第2実施例においては、フェーズドア
レイレーザー14がNd:YVO4 ロッド16に近接して配
置され、そこから発せられたレーザービーム13が直接こ
のロッド16に入射する。またKTP結晶10の前方側の端
面10bに、図1の装置のものと同様のコーティング19が
施され、このKTP結晶10とNd:YVO4 ロッド16と
によって共振器が構成されている。KTP結晶10の光入
射側端面10aは斜めにカットされ、この端面10aに、く
さび状のNd:YVO4 ロッド16が接合されている。そ
してKTP結晶10は、図1の装置のものと同様の保持部
材21に取り付けられ、精密ねじ24を回転操作することに
より、Nd:YVO4 ロッド16とともに図中上下方向に
移動し得る。この構成においても、Nd:YVO4ロッ
ド16を上下移動させることにより、その直線偏光方向を
調節することができる。
レイレーザー14がNd:YVO4 ロッド16に近接して配
置され、そこから発せられたレーザービーム13が直接こ
のロッド16に入射する。またKTP結晶10の前方側の端
面10bに、図1の装置のものと同様のコーティング19が
施され、このKTP結晶10とNd:YVO4 ロッド16と
によって共振器が構成されている。KTP結晶10の光入
射側端面10aは斜めにカットされ、この端面10aに、く
さび状のNd:YVO4 ロッド16が接合されている。そ
してKTP結晶10は、図1の装置のものと同様の保持部
材21に取り付けられ、精密ねじ24を回転操作することに
より、Nd:YVO4 ロッド16とともに図中上下方向に
移動し得る。この構成においても、Nd:YVO4ロッ
ド16を上下移動させることにより、その直線偏光方向を
調節することができる。
【0050】次に図8を参照して、本発明の第3実施例
について説明する。この第3実施例の装置は、図1の装
置と比べると、第2高調波出力側の共振器構造が異なる
ものである。すなわちこの装置においては、KTP結晶
10の前方側の端面10bが球面の一部をなす形状とされ、
その表面に、図1の装置のものと同様のコーティング19
が施されている。本実施例の装置は、図1の装置と比べ
ると、部品点数を1つ減らせるので、小型軽量化および
低コスト化を実現する上で有利である。
について説明する。この第3実施例の装置は、図1の装
置と比べると、第2高調波出力側の共振器構造が異なる
ものである。すなわちこの装置においては、KTP結晶
10の前方側の端面10bが球面の一部をなす形状とされ、
その表面に、図1の装置のものと同様のコーティング19
が施されている。本実施例の装置は、図1の装置と比べ
ると、部品点数を1つ減らせるので、小型軽量化および
低コスト化を実現する上で有利である。
【0051】なお以上説明した2つの実施例において
は、ポンピング源であるフェーズドアレイレーザー14を
固定しておいて、Nd:YVO4 ロッド16を移動させる
ようにしているが、その反対にNd:YVO4ロッド16
を固定しておいて、フェーズドアレイレーザー14を(図
1および図8の装置においてはそれとともにレンズ15
a、15bも)移動させるようにしてもよい。
は、ポンピング源であるフェーズドアレイレーザー14を
固定しておいて、Nd:YVO4 ロッド16を移動させる
ようにしているが、その反対にNd:YVO4ロッド16
を固定しておいて、フェーズドアレイレーザー14を(図
1および図8の装置においてはそれとともにレンズ15
a、15bも)移動させるようにしてもよい。
【0052】また本発明において用いられる固体レーザ
ー媒質は、以上説明した実施例におけるNd:YVO4
に限られるものではなく、その他の公知のもの(例え
ば、LNP、NAB、NPP等の直接化合物レーザー結
晶など)が用いられてもよい。
ー媒質は、以上説明した実施例におけるNd:YVO4
に限られるものではなく、その他の公知のもの(例え
ば、LNP、NAB、NPP等の直接化合物レーザー結
晶など)が用いられてもよい。
【図1】本発明の第1実施例装置の側面図
【図2】上記第1実施例装置の要部を示す概略斜視図
【図3】本発明の第2実施例装置の側面図
【図4】本発明に関連する結晶内部での基本波進行方向
と光学軸Zとがなす角度θ、および基本波進行方向と光
学軸Xとがなす角度φを説明する概略図
と光学軸Zとがなす角度θ、および基本波進行方向と光
学軸Xとがなす角度φを説明する概略図
【図5】非線形光学材料の光学軸と基本波の直線偏光方
向との関係を説明するための概略図
向との関係を説明するための概略図
【図6】第2高調波出力の温度変化に依存する周期的変
動を示すグラフ
動を示すグラフ
【図7】第2高調波出力の結晶長に依存する周期的変動
を示すグラフ
を示すグラフ
【図8】本発明の第3実施例装置の側面図
9、18、19 コーティング 10 KTP結晶 11 レーザービーム(基本波) 12 第2高調波 13 レーザービーム(ポンピング光) 14 フェーズドアレイレーザー 16 Nd:YVO4 ロッド 17 共振器ミラー 21 保持部材 22 ガイドロッド 23 固定部材 24 精密ねじ
Claims (1)
- 【請求項1】 固体レーザー媒質をポンピングして得ら
れた基本波としてのレーザービームを非線形光学材料の
結晶に入射させ、この基本波とタイプIIの位相整合を取
って第2高調波を出射させる光波長変換装置において、 前記固体レーザー媒質として、複屈折性を持ち、かつそ
こにおける基本波光路と交わる方向に沿って厚さが次第
に変化するものが用いられる一方、 この固体レーザー媒質をポンピング源に対して、前記方
向に沿って相対移動させる手段が設けられたことを特徴
とする光波長変換装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3086617A JP2727260B2 (ja) | 1991-04-18 | 1991-04-18 | 光波長変換装置 |
US07/843,719 US5315433A (en) | 1991-02-28 | 1992-02-28 | Optical wavelength converting apparatus |
US08/208,139 US5432807A (en) | 1991-02-28 | 1994-03-09 | Optical wavelength converting apparatus |
US08/417,673 US5588014A (en) | 1991-02-28 | 1995-04-06 | Optical wavelength converting apparatus |
US08/665,916 US5652757A (en) | 1991-02-28 | 1996-06-19 | Optical wavelength converting apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3086617A JP2727260B2 (ja) | 1991-04-18 | 1991-04-18 | 光波長変換装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04320078A JPH04320078A (ja) | 1992-11-10 |
JP2727260B2 true JP2727260B2 (ja) | 1998-03-11 |
Family
ID=13891988
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3086617A Expired - Fee Related JP2727260B2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-04-18 | 光波長変換装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2727260B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006147987A (ja) * | 2004-11-24 | 2006-06-08 | Keyence Corp | レーザー発振器 |
JP5018685B2 (ja) * | 2008-08-07 | 2012-09-05 | 株式会社島津製作所 | 光学素子および光学素子の製造方法 |
WO2011132414A1 (ja) * | 2010-04-23 | 2011-10-27 | パナソニック株式会社 | 波長変換レーザ光源及び画像表示装置 |
CN106949861B (zh) * | 2017-04-24 | 2019-01-22 | 中北大学 | 一种非线性超声在线监测金属材料应变变化的方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3082865B2 (ja) * | 1991-04-09 | 2000-08-28 | ソニー株式会社 | レーザ光発生装置 |
-
1991
- 1991-04-18 JP JP3086617A patent/JP2727260B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04320078A (ja) | 1992-11-10 |
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Legal Events
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