JP2727099B2 - プラスチックポリゴンミラー - Google Patents

プラスチックポリゴンミラー

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JP2727099B2 JP3018489A JP3018489A JP2727099B2 JP 2727099 B2 JP2727099 B2 JP 2727099B2 JP 3018489 A JP3018489 A JP 3018489A JP 3018489 A JP3018489 A JP 3018489A JP 2727099 B2 JP2727099 B2 JP 2727099B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、プラスチックポリゴンミラーに関するも
のである。
[従来の技術] 従来、例えばレーザービームプリンター、バーコード
リーダー等の走査式光学装置には、ビームを走査させる
偏向器としてポリゴンミラーが用いられている。このポ
リゴンミラーは、ガラス或はアルミニウム合金を素材と
して所定の多角柱形状に形成し、鏡面となる側面を所定
の精度に研磨した後、銀或はアルミニウムのメッキを施
すことにより製作されている。
しかし、多角柱の側面を必要な精度に加工することは
困難であるために長い加工時間を要し、しかもその加工
を個々の製品についてそれぞれ行わなければならないた
めに量産性が悪く、製造コストが高いという問題があっ
た。
そこで近時、金型を用いて射出成形により一体に成形
できるプラスチック製のポリゴンミラーが提案されてい
る。プラスチック製のポリゴンミラーでは、金型さえ製
作すれば個々の製品についての精度の高い加工が不必要
となり、量産性が向上する。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来のプラスチックポリゴンミラーに
あっては以下の問題点がある。
第一に、反射面を高い精度で形成することが困難であ
る。
第二に、ポリゴンミラーを一つの型で成形しようとす
ると、各反射面毎の加工精度のバラツキが生じる。
このバラツキは、型自体の加工精度が各面間で異なる
のに加え、型の形状による各反射面の成形条件の相違に
より発生する。つまり、第15図に示すように、6個の反
射面を有するポリゴンミラーPを二つの型I,IIを組み合
わせて3面毎に形成する場合、中央のa面は逃げがない
両端のb面は逃げがあることから成形条件の違いとな
り、a面とb面との間にバラツキが生ずることとなる。
ところで、a,b各面間の加工精度の相違は、型自体の
加工精度の向上により対応が可能であるが、型の形状に
よる成形条件の相違は原理的に解消不可能である。この
場合、成形後のa面がb面と同様な形状となるように、
予めa面の型をb面の型と異なった形状に加工すること
も考えられるが容易ではない。
このように、各反射面が異なった面形状を有する場
合、次のような不都合が発生する。
例えば、ポリゴンミラーが用いられるレーザービーム
プリンターは、レーザーダイオードとコリメータレンズ
からなる光源を有し、光源からの光束をポリゴンミラー
で反射・偏向させf−θレンズにより収束させる。収束
された光束は結像面上にスポットを結び、ポリゴンミラ
ーの回転に伴って走査される。
先ず、面全体の変形により平面と曲面とが並存した場
合、曲面のレンズの作用が各反射面毎のピント移動をも
たらしピントズレが生ずる。しかしながら、ポリゴン面
が曲面であっても全ての面が一定の曲率であればコリメ
ータのピント調整が可能であるため問題は生じない。
次に、部分的な変形により反射面が波打つような面の
だれが生じた場合、正常な反射面にあってはポリゴンで
の走査が等間隔で規則的なピントを結ぶのに対してピン
ト移動を生じさせる。更に、各反射面に異なっただれが
あった場合、ピント移動に加えてその移動間隔も不規則
となる。しかしながら、面にだれがあっても各反射面で
等しいときは、歪曲は生ずるが目立たないため製品とし
ての許容幅が拡大することとなる。
この発明は、上述した各問題点に鑑みてされたもので
あり、製造上有利なプラスチック製のポリゴンミラーに
あって、反射面精度を高めると共に各反射面毎の加工精
度のバラツキを生じさせないことを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明は上記の目的を達成させるため、複数の反射
面により外周面が形成されるプラスチックポリゴンミラ
ーにおいて、反射面を、1面毎又は2面以上毎に各々独
立したブロックにより形成したものである。
また、ブロックに、結合部と結合部に対応する被結合
部を形成してもよい。
更に、1の反射面を有する複数個のブロックと、ブロ
ックを円筒状に配列させて保持する配置盤及び蓋体とを
有し、配置盤にブロックを蓋体側へ付勢する弾発部材を
設け、蓋体に反射面の反射角度を配置盤の回転方向と垂
直な方向へ変化させる調整機構を設けたものである。
[作用] 上記のような構成としたプラスチックポリゴンミラー
により、ポリゴンミラーからの走査光束は、ピント移動
を生じさせることなく等間隔で規則的なピントを結ぶこ
とが可能となる。
[実施例] 以下、本発明を図面に基づいて説明する。
第1図、第2図は、本発明における第1実施例を示し
たものである。
第1図に示すプラスチックポリゴンミラー1は、外周
面に6面の反射面2を有し、中央に円形の開口3を有す
る回転多面体から形成されている。この6面の反射面2
は、二面毎に各々独立した同型のブロック4を3個組み
合わせて構成されている。ブロック4は、二つの反射面
2,2と二つの接合面5,5を有する菱形に形成されており、
両反射面2,2の交角及び両接合面5,5の交角は共に120度
の角度をなし、反射面2と接合面5との交角は60度の角
度をなしている。また、両接合部5,5の交角部分は円弧
状の凹所6とされている。そして、同型の各ブロック4
はそれぞれの接合面5同士が接合されている。
このブロック4は、例えば、型を用いた射出成形によ
り形成される。
型は、第2図に示すように、反射面2側を形成する型
Aと、接合面5側を形成する型Bの二つからなる。型B
の中央部には、両接合面5,5の交角部分に形成された凹
所6に対応する円弧状突起が形成されており、この型A
と型Bの二つを向き合わせてブロック4の型を形成す
る。このとき、隣接する反射面2,2は一端2a,2a側が互い
に接した状態で形成されることから、接した部分は逃げ
がないが他端2b,2b側は逃げがあるという、同一成形条
件で反射面2,2が形成されることとなる。
次に、第3図、第4図に第2実施例を示す。
第2実施例は、第1実施例におけるブロックに、結合
部とこの結合部に対応する被結合部を形成すると共に、
プラスチックポリゴンミラー中央の開口の形状が六角形
となるようにしたものである。
第3図に示すように、同型の各ブロック7の接合面8
同士は、凸状の結合部9が凹状の被結合部10に嵌合する
ことにより結合されている。結合部9は、一方の接合面
8からブロック7の短軸方向と平行な方向に垂直に突出
して形成されている。被結合部10は、結合部9が形成さ
れた接合面8と平行な凹所とされ、他方の接合面8に形
成されている。また、六角形の開口3′を形成する両接
合面8,8が交わる部分は、両反射面2,2にそれぞれ平行な
両開口面11,11を有するV字状の凹所とされている。
このブロック7を形成する型は、第4図に示すよう
に、反射面2側を形成する型Aと、凹所側を形成する型
C1及び型C2の三つの型からなる。型C1の斜面略中央部に
は、凸状の結合部9に対応する凹部12が、また、型C2
斜面略中央部には、凹状の被結合部10に対応する凸部13
がそれぞれ形成されている。
このように、ブロック7と型A,型C1,型C2は結合部9
及び被結合部10が形成された方向に沿って移動させるこ
とにより、容易に型抜きすることができる。
次に、第5図、第6図に第3実施例を示す。
第3実施例は、第2実施例におけるブロックを短軸に
より二分すると共に結合部とこの結合部に対応する被結
合部を形成し、1面のみの反射面を有するブロックとし
たものである。
第5図に示すプラスチックポリゴンミラー1は、1面
の反射面を有する同型のブロック14が6個配置されて構
成されている。ブロック14は、反射面2とこの反射面2
の両側の両接合面8,8及び反射面2の反対側の開口面11
とを有し、反射面2と開口面11が平行である台形状に形
成されている。同型の各ブロック14の接合面8同士は、
凸状の結合部9が凹状の被結合部10に嵌合することによ
り結合されている。
このブロック14を形成する型は、第6図に示すよう
に、結合部9を有する一方の接合面8側を形成する型D
と、この接合面8以外の三面である反射面2,他方の接合
面8,開口面11を形成する型Eの二つからなる。型Dには
凸状の結合部9に対応する凹部12が形成されており、型
Eの底面略中央部には、凹状の被結合部10に対応する凸
部13が形成されている。
このように、各反射面2は、一端は逃げがあるが他端
は逃げがないという同一成形条件で形成されることとな
る。
また、被結合部10は、接合面8に反射面2と平行とな
る角度を有する凹所として形成されているため、ブロッ
ク14を抜き出すときの妨げとはならない。
次に、第7図〜第10図に第4実施例を示す。
第7図に示すプラスチックポリゴンミラー1は、一つ
の反射面2を有する略三角形状の同型のブロック15が6
個、六角形平面盤状の配置盤16に配置されると共に蓋体
17により保持されており、外周面に6面の反射面2を形
成している。配置盤16は、第8図に示すように中央に円
形の開口18が形成されており、各ブロック15を上方に保
持する弾発部材としてのバネ19、及び配置盤16回転時に
各ブロック15を所定位置に保持する保持部20を有してい
る。保持部20は、配置盤16の回転方向(矢印に示す)側
が開放されると共に交角が鋭角の略L字状に形成されて
いる。配設されたブロック15は、第7図に示すように調
整機構としてのビス21により保持されている。そして、
第9図に示す中央に配置盤16と同様の開口18′を有する
蓋体17には、ビス穴22が各ブロック15に対応する位置に
6個設けられており、このビス穴22にねじ込まれたビス
21が上下に移動するにより反射面2の角度調整が可能と
なる。つまり、ブロック15の前端部(反射面側)近傍下
方に位置するバネ19により、ブロック15は常に上方へと
付勢されており、ビス21の上下方向への移動によりブロ
ック15がその前端部を上下に移動させることが可能とな
る。従って、反射面2の反射角度をプラスチックポリゴ
ンミラー1の回転方向と垂直な方向に変化させることが
できる。
このブロック15を形成する型は、第10図に示すよう
に、反射面2を形成する型Fと、この反射面2以外の三
面である両接合面8,8,開口面11を形成する円弧状底面を
有する型Gの二つから構成されている。
このように、各反射面2は、両端共に逃げがるという
同一成形条件で形成されることとなる。
なお、第1〜第3実施例においは平板状のポリゴンミ
ラーについて述べたが、カサ型ポリゴンミラーにおいて
も各実施例の適応が可能である。
第11図に示すようにカサ型ポリゴンミラー23は、反射
面24が回転軸25に対して45°の角度を有して形成されて
いるため、上方に配置されたレーザー光源26からの光束
は反射面に対して45°の角度を有して入射することにな
り、走査線の湾曲は生じない。従って、走査光学系に有
効である。
このカサ型ポリゴンミラー23は、一例として、第12図
に示すような二面の反射面24,24を有する同型のブロッ
ク27を3個組み合わせて形成することができる。
また、第13図に示すように、カサ型ポリゴンミラー23
を底面同士が向き合うように組み合わせたポリゴンミラ
ー28においても各実施例の適用が可能である。このポリ
ゴンミラー28を、例えばレーザービームプリンタに用い
た場合、上下対称に配置された反射面24により2ビーム
構成とすることができ、一操作で2ライン分の描画を行
なうことが可能となる。従って、印字等の速度を速める
ことができる。
このポリゴンミラー28は、例えば、第14図に示すよう
な同型のブロック29を3個組み合わせて形成することが
できる。
[効果] 以上説明してきたように、本発明のプラスチックポリ
ゴンミラーは、複数の反射面により外周面が形成される
プラスチックポリゴンミラーにおいて、反射面を、1面
毎又は2面以上毎に各々独立したブロックにより形成し
たものである。また、ブロックに、結合部と結合部に対
応する被結合部を形成したものである。更に、1の反射
面を有する複数個のブロックと、ブロックを円周状に配
列させて保持する配置盤及び蓋体とを有し、配置盤にブ
ロックを蓋体側へ付勢する弾発部材を設け、蓋体に反射
面の反射角度を配置盤の回転方向と垂直な方向へ変化さ
せる調整機構を設けたものである。この結果、反射面精
度を高めると共に各反射面毎の加工精度のバラツキを生
じさせないプラスチックポリゴンミラーを提供すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係るプラスチックポリゴンミラーの
第1実施例を示す平面図、第2図は第1図に示すブロッ
クの型の説明図、第3図は第2実施例を示す平面図、第
4図は第3図に示すブロックの型の説明図、第5図は第
3実施例を示す平面図、第6図は第5図に示すブロック
の型の説明図、第7図は第4実施例を示す説明図、第8
図は第7図に示す配置盤の平面図、第9図は第7図に示
す蓋体の平面図、第10図は第7図に示すブロックの型の
説明図、第11図はカサ型ポリゴンミラーを示す説明図、
第12図は第11図に示すカサ型ポリゴンミラーを形成する
ブロックの斜視図、第13図は他のポリゴンミラーを示す
説明図、第14図は第13図に示す他のポリゴンミラーを形
成するブロックの斜視図、第15図は従来の例を示した説
明図である。 1…プラスチックポリゴンミラー 2…反射面 4,7,14,15…ブロック 9…結合部 10…被結合部 16…配置盤 17…蓋体 19…バネ(弾発部材) 21…ビス(調整機構)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の反射面により外周面が形成されるプ
    ラスチックポリゴンミラーにおいて、 前記反射面は、1面毎又2面以上毎に各々独立したブロ
    ックにより形成されていることを特徴とするプラスチッ
    クポリゴンミラー。
  2. 【請求項2】前記ブロックに、結合部と該結合部に対応
    する被結合部を形成したことを特徴とする請求項1記載
    のプラスチックポリゴンミラー。
  3. 【請求項3】1の反射面を有する複数個のブロックと、 該ブロックを円周状に配列させて保持する配置盤及び蓋
    体とを有し、 前記配置盤に前記ブロックを前記蓋体側へ付勢する弾発
    部材を設け、 前記蓋体に前記反射面の反射角度を前記配置盤の回転方
    向と垂直な方向へ変化させる調整機構を設けたことを特
    徴とする請求項1記載のプラスチックポリゴンミラー。
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