JP2726295B2 - 磁気特性及び表面性状の優れた方向性珪素鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性及び表面性状の優れた方向性珪素鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、圧延方向に優れた電磁特性を有する一方向
性珪素鋼板の製造方法に関するものである。
<従来の技術> 方向性珪素鋼板は周知のごとく変圧器その他の電気機
器の鉄心材料として使用され、板面に{110}面、圧延
方向に<001>軸が揃った2次再結晶粒によって構成さ
れている。このような結晶方位の2次再結晶粒を発達さ
せるためにはインヒビターとよばれる微細なMnS,MnSe,A
lN等のような析出物を鋼中に分散させ、高温仕上焼鈍中
に他の方位の結晶粒の成長を効果的に抑制することが必
要である。そのためのインヒビター分散形態のコントロ
ールは熱間圧延に先立つスラブ加熱中にこら析出物を一
旦固溶させ、この後適当な冷却パターンの熱間圧延を施
すことにより行われる。
ここで、熱間圧延の役割はスラブ鋳造組織を再結晶に
より、微細化し2次再結晶に最適に集合組織を得ること
を目的としている。従来の技術はインヒビター固溶ある
いは組織微細化を個々に達成しようとするもので、それ
に関する特許はこれまでに多数公開されている。
例えばインヒビター固溶に関しては特開昭63−10911
号公報にて開示されているように、スラブ表面温度が14
20〜1495℃の温度域に5〜60分保持するに際し、1320℃
以上において、1420〜1495℃の温度に達するまで8℃/
分以上の昇温速度で昇温することにより、表面欠陥が少
なく特性良好な一方向性珪素鋼板が得られるとしてい
る。この方法により確かにインヒビターの完全固溶は達
成でき、原理的にはスラブ表面粒の粗大化も抑制され表
面性状も改善できるが、しかしスラブのような重量物に
対して均一にこのような条件を達成することは実際には
困難であり、特にスラブ全長にわたって結晶粒粗大化を
完全に抑制することは不可能で、組織の均一性を保証す
るためには熱間圧延時に何らかの結晶粒微細化の処置を
加えることが必要である。
一方、組織微細化に関しては、例えば特開昭54−1202
14号公報で開示された1190〜960℃での再結晶高圧下圧
延による方法、特開昭55−119126号公報で開示された12
30〜960℃で、γ相を3%以上含んだ状態での30%以上
の高圧下圧延、特開昭57−11614号公報で開示された粗
圧延開始温度を1250℃以下にする方法、特開昭59−9382
8号公報で開示された1050〜1200℃で歪速度15S-1以下、
圧下率を15%/パス以上とする方法などが既に知られて
いる。これらはいずれも1200℃付近の温度域で、高圧下
圧延を行って、組織微細化をはかるという点で共通して
いる。すなわち、これらはいずれも「鉄と鋼」67(198
1)S1200に発表されている再結晶限界に関する知見ある
いはそれと同一の技術思想に基づいている。第5図はこ
の知見を示すものである。この図の示すところは高温で
の圧延は再結晶には全く寄与せず、低温での再結晶域で
の大きな歪付加のみが再結晶に寄与するという点であ
る。すなわち高温加熱したスラブでも再結晶による組織
微細化を狙うためには1250℃以下に冷却後圧延すること
が必須であることを示している。これらの技術ではいず
れの場合も加熱に関しては、1250℃以上としており上限
は特に規定していない。長時間炉内に保持することによ
り、インヒビターを固溶して、スラブ粒成長はある程度
容認し、熱間圧延により粒微細化するという点が共通し
ている。
しかしこれらの技術の実際を考えた場合、インヒビタ
ーを完全固溶させるためにスラブを高温加熱するとホッ
トストリップミル上に冷却装置が必要であり、また低温
熱延のためにミルパワーが余計に必要となるなど、省エ
ネ、高生産性を目的とする、ホットストリップミルの思
想とも矛盾する。また低温圧延の効果に関しても必ずし
も明確でなかった。
つまり、これらの方法を実工程に適用するにはその効
果のわりには余りにも問題が多かった。
<発明が解決しようとする課題> よって本発明の目的はホットストリップミルの量産性
というメリットを最大限に生かし、かつ、インヒビター
完全固溶及び表面性状改善に有利な高温加熱を適用した
条件でも、完全微細均一な組織を確実に得て、均一で優
れた磁気特性及び表面性状を有する方向性珪素鋼板の製
造方法を提案するものである。
<課題を解決するための手段> 本発明は、重量%で、C:0.01〜0.08%、Si:2.5〜4.0
%、Mn:0.03〜0.10%を含み、さらにS、Se及びAlの1
種以上を0.01〜0.06%含有する珪素鋼スラブを加熱後、
粗圧延に引き続き熱間圧延し、次いで1回あるいは中間
焼鈍を挟む2回の冷間圧延により最終板厚とし、脱炭焼
鈍ののち最終仕上焼鈍を施す一連の工程からなる方向性
珪素鋼板の製造方法において、該粗圧延1パスめの圧延
温度(T1℃)を1350℃以上、かつ圧下率(R1%)を60≧
R1(%)≧−0.2T1+300とし、次いで該粗圧延最終パス
における圧延温度(T2℃)を1200℃以上、かつ圧下率
(R2%)を70≧R2(%)≧−0.1T2+165とすることを特
徴とする磁気特性及び表面性状の優れた方向性珪素鋼板
の製造方法である。
<作用> 本発明者らは高温域での再結晶挙動について多くの研
究を行った結果、従来は歪回復域であるとして、全く興
味の対象とされなかった高温域でも、歪量が十分大きけ
れば再結晶が十分に進行することを新たに見いだした。
この点についてはこれまで全く報告はない。というのは
工業的には高温加熱が非常に難しかったこと、そして実
験室的に検討する場合でも、高温圧延するには高温加熱
する必要があるがスケール生成や実験炉の補修などの問
題があり非常な困難があったからである。また普通鋼に
ついては多数実験報告があるが、1200℃以上の高温域は
動的復旧領域であり回復または動的再結晶が主であると
され、それ以上の検討が十分なされていなかった。特に
方向性珪素鋼の場合3%程度のSiを含むのでほとんどが
α相であり、α相は回復しやすいとされているので動的
再結晶はおこらないであろうということで全く興味の対
象とされていなかった。
しかし本発明者らはこの通説に疑問をもち超高温加熱
が可能なスケールの影響の少ない高温炉を開発し、実験
を行い前述のような結果を初めて見いだしたのである。
次に本発明に至った実験方法について説明する。
C=0.04%、Si=3.36%、Mn=0.05%、Se=0.022%
を含み残部実質的にFeからなる珪素鋼スラブを1350℃で
30分間加熱し、所定の温度になったときに1パス圧延し
てその後水冷し断面組織を観察し再結晶率を測定した。
圧延温度及び圧下率をいろいろ変更した。こうして得ら
れた結果を第1図に示す。
従来の知見では全く再結晶しないとされていた高温域
−例えば1350℃でも、30%以上の圧下率があれば再結晶
が進むことが見いだされた。この現象は次のように理解
される。まず圧延後の未再結晶粒内には粗いネットワー
ク状の転位組織で構成されるサブグレインが形成されて
いるのが観察された。したがって、回復は圧延後のかな
り速い時点で終了していると推定される。結晶粒間でこ
のネットワークの粗さすなわち転位密度の差が再結晶の
駆動力となる。高温では粒界が熱活性化されて移動可能
となり、その移動した粒界がある程度以上の曲率をもつ
とそれは再結晶核となりうる。こうした現象が起こり、
従来は動的再結晶を起こすほど歪はたまらないとされた
高温域でも実は再結晶が可能であることを確認した。た
だしこの再結晶挙動は上述したように未再結晶域の転位
密度が低いため、その成長の駆動力は非常に小さい。し
かし粒界の易動度が非常に大きいとき、すなわち温度が
非常に高いとき(1300℃以上)には十分再結晶可能とな
るのである。
ここまで述べた点は3%Si鋼で1300℃以上の温度域圧
延の場合、すなわちα相単相の状態での再結晶機構であ
り、今回はじめて明らかになった点である。これに対し
て、従来知られていた第5図に示す再結晶限界曲線を与
えるのは一部γ相を含んだ場合である。つまり従来は圧
延実験でデータをだしてはいるが、その圧延前の熱処理
方法が省略され過ぎていた。すなわち高温例えば1350℃
程度で溶体化処理したサンプルを室温まで一度冷却して
から例えば1200℃程度に再加熱してその圧延温度として
圧延に供していたのである。この場合組織中には必ずγ
相が一部生成する。γ相はα粒の粒界付近に優先的に生
成し、そこから再結晶が容易に進行する。しかしこの場
合圧延温度が低く再結晶粒径は小さいので、元の粒径が
スラブ鋳造粒のように粗大な場合再結晶完了しがたく、
旧粒中心部にどうしても未再結晶部が残りやすい。また
γ相分率とその分散は温度のみならず、C,Si量や歪量そ
して冷却速度(保持時間)にも大きく依存する。したが
って少しの処理条件の変化でもその効果が大きく変化す
ることが知られている。これが従来低温熱延による粒微
細化効果が安定して得られなかった大きな理由であった
と推定される。
ところが今回本発明者らが見いだした高温でのα単相
の場合の再結晶挙動は、従来の低温でのγ相存在下の再
結晶と異なり、γ相を再結晶核生成サイトとせず、単に
粒界が核生成サイトとなり、また再結晶粒径も比較的大
きくなりやすいので、未再結晶部が残存しにくく、均一
な再結晶粒組織が得やすいことである。
以上に述べた高温での再結晶条件下では高温加熱スラ
ブをそのまま圧延しても、粗大粒を微細化することが可
能となる。また熱延途中で圧延待ちなどにより低温化す
る必要もないので、ホットストリップミルのメリットを
最大限利用できる。
以上の基本的知見を基に本発明は構成されたものであ
る。
次に本発明の構成要件についてさらに詳述する。
本発明では後で述べる成分組成からなる珪素鋼スラブ
を加熱炉に装入し加熱するが、加熱温度および加熱時間
はインヒビターの種類や量によって異なり、インヒビタ
ーの完全固溶を達成できる時間が確保されればよい。た
だし在炉があまり長すぎると多量のスケールが発生する
ので、表面性状に悪影響を及ぼさない程度の時間加熱さ
れる。こうして高温加熱され、インヒビターが完全固溶
状態のスラブは粗圧延に供せられる。
粗圧延は通常3〜4パスで行われるが、特に重要なの
は第1パスと最終パスであることを知見した。第1パス
目ではまず再結晶率を高めて結晶粒径を均一化すること
が重要である。工場での実験結果(第1パス)を第2図
に示す。75%以上の再結晶率を得るためにはかなりの高
温大圧下が必要である。なお75%の再結晶率というの
は、次の圧延パスまでには粗圧延の場合数秒の時間を要
するので、その間にさらに再結晶は進行するが、この場
合圧延直後の値である。従って第1パス目は1350℃以上
で圧延されなければならない。このときの温度T1℃で再
結晶に必要な圧下率(R1%)は第2図に示される結果等
より、下式に示す条件を満足することが必要である。
60≧R1(%)≧−0.2T1+300 第1パス目で完全に再結晶が完了すれば表層での熱間ワ
レに起因するヘゲ発生はかなり抑制されることもあわせ
て発見した。また未再結晶部の残存による最終焼鈍での
2次再結晶不良領域の抑制にも効果があることも判明し
た。
なお粗圧延では再結晶組織を微細化するよりも未再結
晶部を残さない方が重要である。したがって粗圧延最終
パスもα単相域で再結晶させることが必要である。とい
うのは(γ+α)2相域圧延では歪はγ粒に集中して蓄
積してしまうのでγ粒が優先的に再結晶するが、γ粒は
主に旧α粒界に出現するので、どうしても組織は不均一
になるからである。粗圧延最終パス直前ではそれまでの
圧延の効果により結晶粒は再結晶微細化されているので
再結晶限界は工場での実験結果の第2図よりやや下方に
シフトして第3図のようになる。第3図にはγ相が出現
する領域を斜線でしめしているが圧下率が高くなるにし
たがってγ相出現温度が高くなっている。これは歪誘起
変態によるものである。γ相が出現しないα単相で圧下
を加えるには1200℃以上の圧延温度(T2℃)が必要であ
る。また75%以上の再結晶率を安定して得るために必要
な圧下率は、第3図に示された結果等より、下式に示す
条件を満足することが必要である。
70≧R2(%)≧−0.1T2+165 なお粗圧延での圧下率の上限は次パス以降の圧延におい
て十分な圧下率を確保する必要があるため、第1パス60
%、最終70%とした。
この後の熱延仕上圧延条件は通常と特に変わるところ
はない。仕上圧延前に均一な組織(未再結晶粒なし)を
得ていれば、仕上圧延前段において、(α+γ)2相域
での再結晶が起こり組織微細化は容易に達成できる。仕
上圧延された熱延鋼帯は必要に応じて焼鈍後酸洗され、
1回ないし中間焼鈍をはさむ2回の冷延で0.15〜0.50mm
厚程度の最終板厚となる。
次に成分限定理由を以下に説明する。
Cの範囲を0.010〜0.080重量%としたのは熱間圧延中
にα+γ域を通過させることによって熱延組織の改善を
はかる事を意図したもので、その適性範囲として限定し
たものである。
Siは鋼板の比抵抗を高め鉄損の低減に有効であるが、
4.0重量%を上回ると冷延性が損なわれ、2.5重量%を下
回ると鉄損低減効果が弱まること及び純化と2次再結晶
のため行われる最終高温仕上焼鈍においてα−γ変態に
よって結晶方位のランダム化を生じ十分な特性を得られ
ないことによる。
Mn量は熱間脆性による割れを生じない下限の量として
0.03重量%が必要であり、上限はMnSやMnSeの解離固溶
温度を高めないため、及びスラブ抽出から粗圧延に至時
間規制の過程でインヒビターの粗大化を起こさせないた
め、10%に制限される。
S,Se,AlはMnS,MnSe,AlNの形で鋼中に微細に分散し、
インヒビターとして作用するものでこれらの総量の下限
0.010重量%はインヒビターとして機能する最低の量で
あり、上限の0.060重量%はMnの場合と同様インヒビタ
ーの解離固溶をはかりやすくすることと熱延中の粗大化
防止の点から決めた。なおAlをインヒビター成分として
用いる場合、これにバランスするN量が必要になるのは
言うまでもない。インヒビターとしては上記元素の他に
SbやSn,As,Pb,Bi,Cu,Mo,B等の粒界偏析元素が知られて
おり、これらを使用することも可能である。
<実施例> 次に本発明の実施例を以下に述べる。
実施例1 C0.040重量%、Si3.30重量%、Mn0.054重量%、Se0.0
22重量%、及びSb0.024重量%を含有し残部実質的にFe
よりなる連鋳スラブをすぐ加熱炉に装入し、N2雰囲気中
で均熱保持し、均熱終了後直ちに粗圧延に供した。なお
これらの条件は表1に示した。粗圧延終了後は30mm厚の
シートバーとし、以後は仕上タンデムミルで2.0mm厚の
熱延鋼板とした。この熱延鋼板を酸洗後1次冷延で0.60
mm厚にし、950℃−3分間の中間焼鈍の後、2次冷延で
0.23mm厚の製品厚に仕上げた。この後800℃−4分の湿
水素中で脱炭焼鈍を行いMgOを塗布した後、850℃一次保
定、1200℃−5時間乾燥水素中で純化するという最終仕
上焼鈍工程を経て最終製品とした。製品の特性は表1に
併記した。また表面性状や2次再結晶不良部の幅方向で
の比率も併せて示した、長手方向特性のデータは第4図
に示した。表1及び第4図から明らかなように素圧延を
高温大圧下で行ったものが磁気特性、表面性状、幅方向
での均一な2次再結晶の進行、長手方向における磁気特
性の均一性といった点で優れていることがわかる。
実施例2 C0.035重量%、Si2.98重量%、Mn0.072重量%、S0.01
8重量%を含有し残部実質的にFeよりなる連鋳スラブを
すぐ加熱炉に装入し、H2雰囲気中で均熱保持し、均熱終
了後直ちに粗圧延に供したが、その条件は表2に示し
た。粗圧延終了後は35mm厚のシートバーとし、以後は仕
上タンデムミルで2.4mm厚の熱延鋼板とした。この熱延
鋼板を酸洗後1次冷延で0.85mm厚にし、950℃−2分間
の中間焼鈍の後、2次冷延で0.35mm厚の製品厚に仕上げ
た。この後820℃−3分の湿水素中で脱炭焼鈍を行いMgO
を塗布乾燥後、1180℃−7時間乾燥水素中で最終仕上焼
鈍工程を経て最終製品とした。製品の特性は表2に併記
した。また表面性状や2次再結晶不良部の幅方向比率も
併せて示した。表2から明らかなように粗圧延を高温大
圧下でおこなったものが磁気特性、表面性状、幅方向で
の均一な2次再結晶の進行状況といった点で優れている
ことがわかる。
実施例3 C0.050重量%、Si3.10重量%、Mn0.078重量%、S0.02
4重量%、およびAl0.032重量%、N0.006重量%を含有し
残部実質的にFeより成る連鋳スラブをすぐ加熱炉に装入
し、N2雰囲気中で均熱保持し、均熱終了後直ちに粗圧延
に供したが、その条件は表3に示した。粗圧延終了後は
30mm厚のシートバーとし、以後は仕上タンデムミルで2.
3mm厚の熱延鋼板とした。この熱延鋼板を酸洗後1次冷
延で1.60mm厚にし、1100℃−2分間均熱し急冷、その
後、2次冷延で0.23mm厚の製品厚に仕上げた。さらにMg
Oを塗布した後、1200℃での最終仕上焼鈍工程を経て最
終製品とした。製品の特性は表3に併記した。また表面
性状や長手方向特性のデータも併せて示した。表3から
明かなように粗圧延を高温大圧下でおこなったものが磁
気特性、表面性状、幅方向での均一な2次再結晶の進行
状況といった点で優れていることがわかる。
<発明の効果> 本発明の方法により、ホットストリップミルのメリッ
トを最大限に生かし、かつ、安定的に磁気特性及び表面
性状の優れた方向性珪素鋼板が製造できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はα単相での再結晶限界の実験結果を示すグラ
フ、第2図はスラブ加熱直後のα単相での再結晶限界を
示すグラフ、第3図は粗圧延複数パス後のα単相での再
結晶限界を示すグラフ、第4図は本発明と比較例での長
手方向の特性変化を示すグラフ、第5図はα+γ2相域
での再結晶限界を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 嘉明 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.01〜0.08%、Si:2.5〜4.0
    %、Mn:0.03〜0.10%を含み、さらにS、Se及びAlの1
    種以上を0.01〜0.06%含有する珪素鋼スラブを加熱後、
    粗圧延に引き続き熱間圧延し、次いで1回あるいは中間
    焼鈍を挟む2回の冷間圧延により最終板厚とし、脱炭焼
    鈍ののち最終仕上焼鈍を施す一連の工程からなる方向性
    珪素鋼板の製造方法において、該粗圧延1パスめの圧延
    温度(T1℃)を1350℃以上、かつ圧下率(R1%)を 60≧R1(%)≧−0.2T1+300とし、次いで該粗圧延最終
    パスにおける圧延温度(T2℃)を1200℃以上、かつ圧下
    率(R2%)を70≧R2(%)≧−0.1T2+165とすることを
    特徴とする磁気特性及び表面性状の優れた方向性珪素鋼
    板の製造方法。
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