JP2726279B2 - グラフト共重合体その製法およびその用途 - Google Patents

グラフト共重合体その製法およびその用途

Info

Publication number
JP2726279B2
JP2726279B2 JP22573088A JP22573088A JP2726279B2 JP 2726279 B2 JP2726279 B2 JP 2726279B2 JP 22573088 A JP22573088 A JP 22573088A JP 22573088 A JP22573088 A JP 22573088A JP 2726279 B2 JP2726279 B2 JP 2726279B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copolymer
graft copolymer
weight
graft
polyamide oligomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP22573088A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0273828A (ja
Inventor
英郎 秋元
史朗 ▲なら▼崎
禮次 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dow Mitsui Polychemicals Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd filed Critical Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
Priority to JP22573088A priority Critical patent/JP2726279B2/ja
Priority to US07/403,659 priority patent/US5049626A/en
Priority to EP89309112A priority patent/EP0358519B1/en
Priority to DE68926556T priority patent/DE68926556T2/de
Publication of JPH0273828A publication Critical patent/JPH0273828A/ja
Priority to US07/967,560 priority patent/US5300548A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2726279B2 publication Critical patent/JP2726279B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyamides (AREA)
  • Polyethers (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、エチレン、ビニル単量体および一酸化炭素
からなる共重合体を基幹ポリマーとし、耐熱性および接
着性に優れた新規なグラフト共重合体に関し、また本発
明は上記のような新規なグラフト共重合体の製法および
その用途に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 軟質塩化ビニル樹脂は、柔軟性、透明性、強靱性など
多くの優れた性質を有しており、また柔軟性などの性質
が可塑剤の添加量により自由に調節できるという利点が
あるところから、フィルム、シート、押出成形品等極め
て広い用途に使用されている。しかしながら、軟質塩化
ビニル樹脂の接着は必ずしも容易でなく、そのため接着
剤について多くの検討がなされてきたが、いまだ満足す
べきものが見出されていない。従来一般には、軟質塩化
ビニル樹脂の接着には、クロロプレンゴム、ニトリルゴ
ム、ポリエステル等の溶液型接着剤が多用されてきた
が、これらの溶液型接着剤は、溶媒を使用するため、作
業環境が悪いばかりでなく、溶媒乾燥工程が必要であ
り、コスト高となる欠点があった。
このような欠点が改良するために、溶媒を用いず熱接
着可能な軟質塩化ビニル樹脂の接着にも用いられる接着
剤もすでに知られている。たとえばこのような接着剤と
して、塩化ビニルグラフトエチレン・酢酸ビニル共重合
体(特開昭57−167362号公報)、カルボキシル変性エチ
レン・酢酸ビニル共重合体(特開昭59−52174号公
報)、エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体(特
開昭57−165427号公報)などの使用が提案されている。
しかしながら、これらの共重合体は融点が低いため、こ
れらの共重合体を接着剤として用いて被着体を接着する
と、被着体が高温雰囲気下に置かれた場合に、剪断力に
より容易に接着破壊を起こしてしまうという本質的な欠
点があり、その改良が求められていた。
本発明者は、このような現状に鑑み、耐熱性に優れ、
熱接着可能な接着剤を得るべく検討を重ねた結果、不飽
和カルボン酸エステルおよびビニルエステルから選ばれ
る単量体(a)、エチレン(b)および一酸化炭素
(c)からなる基幹共重合体(A)を特定のポリアミド
オリゴマーで変性した新規な共重合体が、耐熱性に優
れ、しかも熱接着可能であり、その上に、優れた物性を
有することを見出すに至り、本発明に到達した。
発明の目的 本発明の目的は、耐熱性に優れ、しかも熱接着可能で
あるなどの優れた物性を有する新規なグラフト共重合体
を提供することにある。本発明の他の目的は、軟質塩化
ビニル樹脂およびその他の基材に対し、低温熱接着が可
能であり、しかも接着性特に耐熱接着性に優れた新規な
グラフト共重合体を提供することにある。
本発明の他の目的は、原料基幹共重合体(A)と比較
して、特に耐熱変形性、耐熱接着性が改善され、しかも
軟質塩化ビニル樹脂と積層した場合の該樹脂中に含まれ
る可塑剤による膨潤傾向の低減が認められる新規なグラ
フト共重合体を提供することにある。本発明にその他の
目的は、以下の記載から一層明らかになるであろう。
発明の概要 本発明に係る新規なグラフト共重合体は、不飽和カル
ボン酸エステルおよびビニルエステルから選ばれる単量
体(a)、エチレン(b)および一酸化炭素(c)を共
重合してなる基幹共重合体(A)に、片末端が1級アミ
ノ基であるポリアミドオリゴマー(B)がグラフトされ
ていることを特徴としている。
このような新規なグラフト共重合体は、上記のような
基幹共重合体(A)に上記のようなポリアミドオリゴマ
ーを共重合させることによって製造することができ、こ
の新規なグラフト共重合体は、接着剤特にポリ塩化ビニ
ル用接着剤として用いた場合に、優れた特性を示す。
発明の具体的説明 以下本発明に係る新規なグラフト共重合体およびその
製造方法ならびにその用途について具体的に説明する。
本発明に係る新規なグラフト共重合体は、不飽和カル
ボン酸エステルおよびビニルエステルからなる群から選
ばれる単量体(a)と、エチレン(b)と、一酸化炭素
(c)とを共重合して得られる基幹共重合体(A)に、
片末端が1級アミンであるポリアミドオリゴマー(B)
がグラフト重合されてなる共重合体である。
基幹共重合体(A)を製造する際用いられる単量体
(a)は、上記のように不飽和カルボン酸エステルおよ
びビニルエステルからなる群から選ばれる。このような
不飽和カルボン酸エステルは、α,β−不飽和カルボン
酸エステルが好ましく、α,β−不飽和カルボン酸成分
としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸など
が用いられ、エステルを構成するアルコール成分として
は、炭素数1〜10程度の直鎖または分岐のアルコールが
好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n
−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール、
n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−デカ
ノールなどが用いられる。
このような不飽和カルボン酸エステルとしては、具体
的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)ア
クリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸フェニル、マレイン酸ジメ
チルなどが用いられる。
またビニルエステルとしては、具体的には、ギ酸ビニ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが用いられ
る。
このような基幹共重合体(A)では、単量体(a)が
10〜50重量%好ましくは20〜40重量%の量で、エチレン
(b)が20〜89重量%好ましくは40〜78重量%の量で、
一酸化炭素(c)が1〜30重量%好ましくは2〜20重量
%の量で共重合されていることが望ましい。この基幹共
重合体(A)において、一酸化炭素(c)の含有量が1
重量%未満であると、この基幹共重合体(A)へのポリ
アミドオリゴマーのグラフト量を高めることが難しく、
したがって、良好な性能を有するグラフト共重合体が得
難い。またその含有量が30重量%を超えると、得られる
グラフト共重合体の耐候安定性が悪くなるのでグラフト
共重合体の使用分野が制限される。なお本発明に係るグ
ラフト共重合体を接着剤に用いる場合には、酸素原子含
有量が5〜20重量%程度である基幹共重合体(A)を用
いることが好ましい。
基幹共重合体(A)の分子量は、グラフト共重合体の
用途によっても異なるが、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ(GPC)による重量平均分子量が104〜106
に104〜5×105であることが好ましい。なお、GPCによ
る平均分子量とは、オルトジクロロベンゼンを溶媒とし
て135℃で測定し、ポリスチレンの分子量に換算した値
である。
このような基幹共重合体(A)はすでに良く知られて
おり、一般には反応温度150〜250℃、反応圧力500〜300
0kg/cm2の条件で単量体(a)、エチレン(b)および
一酸化炭素(c)をバルク重合の方法でラジカル共重合
することによって得られるし、溶液重合や乳化重合でも
製造が可能である。
本発明に係る新規なグラフト共重合体では、上記のよ
うな基幹共重合体(A)に、片末端が1級アミノ基であ
るポリアミドオリゴマー(B)がグラフト重合されてお
り、ポリアミドオリゴマーから誘導される側鎖が基幹共
重合体(A)に結合されている。
本発明で用いられるポリアミドオリゴマー(B)は、
片末端が1級アミノ基であり、他端であるカルボキシル
基は不活性化された構造を有し、通常末端カルボキシル
基は1級アミンによって封止されている。そして本発明
では、グラフト共重合は、上記片末端の1級アミノ基が
基幹共重合体のカルボニル基と反応することによって行
なわれる。
なおポリアミドオリゴマー(B)の他端カルボキシル
基を1級アミンで封止するには、従来公知の方法が採用
できる。
このような、基幹共重合体(A)中における一酸化炭
素成分とポリアミドオリゴマー(B)中の1級アミノ基
との反応は、次式のようなピロール環生成反応またはシ
ッフ塩基生成反応によりグラフトされているものと推定
される。
このようなグラフト共重合体の生成は、たとえば薄層
クロマトグラフィーによって確認することができる。た
とえば、本発明のグラフト共重合体をシリカゲルの薄層
板にスポットし、トルエン−2,2,2−トリフルオロエタ
ノール(1/1)で展開すると、原料のそれと異なるRf
として現れる。たとえば、ポリアミドオリゴマーおよび
基幹共重合体のRf値が通常、それぞれ0および0.3〜0.8
であるのに対し、グラフト共重合体のRf値は、通常0.1
〜0.2程度である。
ポリアミドオリゴマー(B)の数平均分子量は、600
〜10000特に600〜4000であることが好ましい。ポリアミ
ドオリゴマー(B)の数平均分子量が600未満である
と、得られるグラフト共重合体の耐熱性改良効果が充分
ではなく、また10000を超えるとグラフト反応が遅くな
り、グラフト効率を高めることが難しくなってくる。
ポリアミドオリゴマー(B)としては、種々のものが
使用可能であり、各種ラクタム、ω−アミノカルボン
酸、ナイロン塩などの単独重合体または共重合体が用い
られ、このポリアミドオリゴマー(B)の片末端は炭素
数1〜20程度の1級アミンで封止されている。
このようなポリアミドオリゴマー(B)としては、具
体的には、カプロラクタム、ラウロラクタム、ヘキサメ
チレンジアンモニウムアジペートの単独重合体あるいは
共重合体、たとえばナイロン6、ナイロン66、ナイロン
11、ナイロン12、ナイロン6/66、ナイロン6/12、ナイロ
ン46などのオリゴマーの片端が、封止剤としてのn−ブ
チルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン
などで封止されたポリアミドオリゴマーを用いることが
できる。このようなポリアミドオリゴマー(B)は、そ
の融点が130〜230℃程度であることが好ましい。融点は
使用するモノマーの種類、共重合オリゴマーにあって
は、モノマーの使用比率などによって調整することがで
きる。
もしポリアミドオリゴマー(B)として、片末端が1
級アミンで封止されていないポリアミドオリゴマーを用
いると、グラフト変性中にオリゴマーの分子量が増加
し、所望のグラフト共重合体を効率良く得ることが難し
い。また両末端がアミノ基であるオリゴマーを使用する
と、グラフト変性中に架橋が起こるため、加工性の良い
グラフト共重合体を得ることが難しい。
本発明に係るグラフト共重合体では、その使用目的に
よっても異なるが、基幹共重合体(A)60〜99重量部と
くに70〜98重量部に対し、ポリアミドオリゴマー(B)
が1〜40重量部、とくに2〜30重量部の割合でグラフト
していることが好ましい。(B)成分のグラフト量が少
なすぎると、耐熱性の改良効果が充分でない。また
(B)成分のグラフト割合が上記範囲を超えると、耐熱
性が優れるという反面、軟質塩化ビニル樹脂の接着用途
には、接着力が小さくなる。
グラフト共重合体は、基幹共重合体(A)とポリアミ
ドオリゴマー(B)を、溶媒の存在下または不存在下に
緊密に接触させることによって製造することができる。
反応温度はたとえば50〜250℃の範囲である。溶媒を用
いる反応にあっては、両原料を溶解するような溶媒を用
いることが好ましく、たとえば1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロイソプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノ
ールの如き、フッ素含有アルコールが用いられる。また
溶媒を用いない反応にあっては、両原料の融点以上の温
度で、両成分が充分接触するように溶融混練する方法を
採用することがよい。
上記のような基幹共重合体(A)にポリアミドオリゴ
マー(B)をグラフト重合させる反応においては、特に
は触媒を必要としないが、酸の存在下で重合反応を行な
うと、反応が速くなる。このような酸としては、硫酸、
塩酸、リン酸などの無機塩、p−トルエンスルホン酸、
クロル酢酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸などを使用
することができる。
反応に際し、予め両成分をドライブレンドしておく
か、あるいはほとんど反応しないような条件下で緊密に
混合して両者の組成物を作っておき、使用に際し、この
組成物を溶融押出ししながら反応させ、そのまま溶融物
を所定形状に成形したりあるいは被着体に塗布したりす
ることができる。
このようにして得られる新規なグラフト共重合体の構
造は、後述するように、13C核磁気共鳴吸収スペクトル
13C−NMR)、赤外線吸収スペクトル(IR)、温度−溶
融粘度曲線などに基いて確認される。
本発明に係るグラフト共重合体は、原料の基幹共重合
体と比較して、熱変形温度が高く、耐熱性に優れてお
り、そして多くの場合、グラフト共重合体の破断点抗張
力は、基幹共重合体と同等かまたはそれ以上の値を示
す。またこのグラフト共重合体は、軟質塩化ビニル樹脂
あるいはその他の基材に対し、良好な接着性を示すと共
に接着部の耐熱性も優れている。さらにこのグラフト共
重合体を軟質塩化ビニル樹脂と積層した際に、可塑剤の
移行は基幹共重合体(A)を用いた場合より少なくなっ
ており、したがって軟質塩化ビニル樹脂の剛直化や表面
肌の悪化などのトラブルを減少させることができるとい
う利点もある。
本発明に係るグラフト共重合体は、単味であるいは種
々の添加剤あるいは他の素材とブレンドして、各種基材
の接着剤あるいはヒートシール材として使用することが
できる。本発明に係るグラフト共重合体を接着剤として
用いた場合の被着体としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂金
属、木材、布、ポリオレフィン発泡体などをあげること
ができる。これら被着体への塗布は、上記のようなグラ
フト共重合体を被着体上へ押出コートする方法、予めグ
ラフト共重合体フィルムを作って置き、このフィルムを
被着体上へ熱圧着する方法、グラフト共重合体を被着体
上へロールコーターでコートする方法などを採用するこ
とができる。このグラフト共重合体をホットメルト接着
剤として使用する場合は、粘着付与樹脂、可塑剤、ワッ
クス等を適宜該グラフト共重合体中へ配合して用いれば
よい。
また本発明に係るグラフト共重合体は、各種重合体の
改質剤として使用することができる。たとえばポリ塩化
ビニル、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカー
ボネートなどに改質剤として配合することができる。
本発明に係るグラフト共重合体には、耐候安定剤、酸
化防止剤、顔料、染料、帯電防止剤、各種充填剤などを
配合することができる。
発明の効果 本発明に係る新規なグラフト共重合体は、熱変形温度
が高く、かつ耐熱性に優れ、その上接着性にも優れてい
る。このような新規なグラフト共重合体は、接着剤とし
て有用であり、特に軟質塩化ビニルに対しても優れた接
着性を示し、このグラフト共重合体に対する軟質塩化ビ
ニルからの可塑性の移行も少ない。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
本発明をそのいくつかの好適実施形態の実施例によっ
て例証するがこれらの実施例中で部数、割合、百分率は
他のことわりがない限りはすべて重量による。
基幹共重合体の特性決定 (1)共重合体組成比の決定 共重合組成比は13NMRによって決定した。酢酸ビニル
の炭素のケミカルシフトは172ppm、アクリル酸、n−ブ
チルの の炭素は175ppm、一酸化炭素のC=Oは214ppmであ
る。
(2)メルトフローレート 荷重2160g、温度190℃で測定した。
(3)PS換算重量平均分子量 共重合体をo−ジクロロベンゼンに溶解し、ウォータ
ーズ社ゲルパーミエーションクロマトグラフで135℃に
て測定し、分布曲線より計算した。
ポリアミドオリゴマーの特性決定 (1)硫酸粘度 JIS K 6810に基き、98%濃硫酸に溶解し、オストワル
ド粘度計で測定した。
(2)数平均分子量 硫酸粘度より数平均重合度を計算し、数平均分子量に
換算した。共重合ポリアミドは6ナイロンとして換算し
た。
(重合度)=(粘度−1.05)×100 (3)デュポン社DSCを用いて10℃/分で昇温し、測定
した。
(4)末端アミノ基の量滴定により求めた。
なお表中の骨格構造の表示の「6」はε−カプロラク
タムの重合体、「6/66」はε−カプロラクタムとヘキサ
メチレンジアンモニウムアジペートとの共重合体、「6/
12」はε−カプロラクタムとω−ラウロラクタムとの共
重合体、「12/66」ω−ラウロラクタムとヘキサメチレ
ンジアンモニウムアジペートとの共重合体を表わしてい
る。
グラフト反応 東洋精機ラボプラストミル(容量50ml)を所定の温度
に加熱し、基幹共重合体とポリアミドオリゴマー合計50
gを投入し、ローター回転数50回転/分で10分間混練し
た後取り出した。
グラフト共重合体の性能評価 (1)性能評価用シート作成 180℃で圧縮成形した。
(2)メルトフローレート 2160g、190℃および2160g、230℃で測定した。
(3)破断点抗張力、破断点伸度 JIS K 6301に示された4号形ダンベルを用い、引張速
度200mm/分で測定した。
(4)融点 デュポン社DSCで測定した。
(5)対軟質PVC接着力 グラフト共重合体を熱プレスにより0.2mm厚のシート
にし、軟質PVC(PVC/DOP=100/60 厚み0.2mm)に狭
み、120℃、1kg/cm2、5秒間ヒートシールした。
初期接着力は23℃で1日、経時変化は50日で3ヶ月の
後23℃で1日放置の後に、T型剥離試験を行なった。
T型剥離は島津製作所オートグラフを用い、クロスヘ
ッドスピード300mm/分で行なった。
(6)剪断接着破壊温度 0.2mm厚のグラフト共重合体シートを75g/m2のクラフ
トに狭み、120℃、1kg/cm2、5秒の条件でヒートシール
し、サンプルを作成し、JIS K 6844に準じて荷重1kg、2
4℃/時で昇温した。
(7)DOP膨潤度 グラフト共重合体の1mmシートを30mm×10mmに打ち抜
き、DOP(ジオクチルフタレート、可塑剤)に浸漬し、2
3℃で14日間放置した後重量を測り、重量増加率を計算
した。
(8)13C核磁気共鳴吸収スペクトル グラフト共重合体600mgを3ccのトルエン/2,2,2−トリ
フルオロエタノール(1/1)に溶解して測定した。
装置:日本電子社(JEOL)JNM−GX270 67.8MHz 測定温度:63.0℃ 積算回数:30000回 (9)フーリエ変換赤外吸収スペクトル グラフト共重合体を0.1mmのプレスシートにして測定
した。
装置:BIO RAD社 FTS−40 分解能:4.0cm-1 積算回数:64回 (10)溶融粘度 装置:インストロン社 キャピラリーレオメーター 測定温度:170、190、210、230℃ 剪断速度:15.8、52.7、158、527、1580、5266 1/秒 実施例1 エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素三元共重合体(エ
チレン63重量%、酢酸ビニル28重量%、一酸化炭素9重
量%、メルトフローレート35g/10分(190℃)、ポリス
チレン換算重量平均分子量14.1万)95重量部に対し、n
−ブチルアミンで封止されたナイロン6オリゴマー(数
平均分子量1960、NH2含有量5.1×10-4モル/g、融点213
℃)5重量部の割合でブラベンダ−プラストグラフ中に
仕込み、230℃、50rpmの条件で10分間混練して反応させ
た。得られたグラフト共重合体につき、性能評価を行な
った結果を第1表に示す。
実施例2〜5 実施例1において、ポリアミドオリゴマーの種類およ
び使用割合、反応温度を第1表のようにした以外は、実
施例1と同様に行なった。
結果を第1表に示す。
なお、実施例4で得たグラフト共重合体につき、トル
エン/2,2,2−トリフルオロエタノール(1/1)に溶解
し、シリカゲルの薄層板にスポットし、トルエン/2,2,2
−トリフルオロエタノール(1/1)で展開したところ、R
f値は0.1であった。同時にスポットした基幹共重合体の
Rf値は0.3〜0.7の間に広く分布し、ポリアミドオリゴマ
ーのRf値は0であった。
また、実施例4のグラフト共重合体の13C−NMRチャー
トを第1図に示す。
比較例1 原料共重合体の性能評価につき第1表に示す。
実施例6 実施例1の三元共重合体ペレット90部、実施例1のポ
リアミドオリゴマー粉末10部をドライブレンドし、30ミ
リ単軸押出機(L/D=32、ダルメージスクリュー)を用
い、シリンダー温度230℃、スクリュー回転数40回転/
分で反応させながら押出し、グラフト共重合体を得た。
結果を第1表に示す。
実施例7〜14、比較例2 基幹共重合体としてエチレン−アクリル酸n−ブチル
−一酸化炭素共重合体(エチレン60重量%、アクリル酸
n−ブチル30重量%、一酸化炭素10重量%、メルトフロ
ーレート6g/10分(190℃)、ポリスチレン換算重量平均
分子量42万)を用い、第2表に示すポリアミドオリゴマ
ーを所定配合割合で反応させた以外は、実施例1と同様
に行なった。
結果を第2表に示す。
なお、比較のため、原料基幹共重合体の性能評価も併
せて第2表に示す。また実施例9および実施例10のグラ
フト共重合体の赤外線吸収スペクトルを第2図および第
3図に示し、また実施例9のグラフト共重合体の溶融挙
動につき第4図に示す。第4図から明らかなように粘度
低下は、温度上昇と共に起こるが、融点近傍近くでかな
り激しく、融点以上になると再び緩やかになっており、
グラフト共重合体特有の溶融挙動を示している。
実施例15〜18 基幹共重合体を第3表のものに変えた以外は、実施例
9と同様のグラフト共重合を行なった。
結果を第3表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のグラフト共重合体の13C核磁気共鳴
吸収スペクトルの一例を示す図面であり、第2図および
第3図は、赤外線吸収スペクトルの一例を示す図面であ
る。第4図は、本発明のグラフト共重合体の溶融特性の
一例を示す図面である。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和カルボン酸エステルおよびビニルエ
    ステルから選ばれる単量体(a)、エチレン(b)およ
    び一酸化炭素(c)を共重合してなる基幹共重合体
    (A)に、片末端が1級アミノ基であるポリアミドオリ
    ゴマー(B)がグラフトされていることを特徴とするグ
    ラフト共重合体。
  2. 【請求項2】基幹共重合体(A)は、単量体(a)が10
    〜50重量%、エチレン(b)が20〜89重量%、一酸化炭
    素(c)が1〜30重量%の割合で共重合されている共重
    合体である請求項第1項に記載のグラフト共重合体。
  3. 【請求項3】基幹共重合体(A)の重量平均分子量が10
    4〜106である請求項第1項または第2項に記載のグラフ
    ト共重合体。
  4. 【請求項4】ポリアミドオリゴマー(B)の数平均分子
    量が600〜10000である請求項第1項に記載のグラフト共
    重合体。
  5. 【請求項5】基幹共重合体(A)に対し、ポリアミドオ
    リゴマー(B)が1〜40重量%の割合でグラフトされて
    いる請求項第1項〜第4項のいずれかに記載のグラフト
    共重合体。
  6. 【請求項6】不飽和カルボン酸エステルおよびビニルエ
    ステルから選ばれる単量体(a)、エチレン(b)およ
    び一酸化炭素(c)からなる基幹共重合体(A)に、片
    末端が1級アミノ基であるポリアミドオリゴマー(B)
    をグラフト重合させることを特徴とするグラフト共重合
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】不飽和カルボン酸エステルおよびビニルエ
    ステルから選ばれる単量体(a)、エチレン(b)およ
    び一酸化炭素(c)からなる基幹共重合体(A)に、片
    末端が1級アミノ基であるポリアミドオリゴマー(B)
    を配合してなるグラフト共重合体製造用原料組成物。
  8. 【請求項8】請求項第1項〜第5項のいずれかに記載の
    グラフト共重合体からなる接着剤。
  9. 【請求項9】ポリ塩化ビニルの接着に用いられる請求項
    第8項に記載の接着剤。
JP22573088A 1988-09-08 1988-09-08 グラフト共重合体その製法およびその用途 Expired - Lifetime JP2726279B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22573088A JP2726279B2 (ja) 1988-09-08 1988-09-08 グラフト共重合体その製法およびその用途
US07/403,659 US5049626A (en) 1988-09-08 1989-09-06 Graft copolymer and process for the preparation thereof and use
EP89309112A EP0358519B1 (en) 1988-09-08 1989-09-08 Graft copolymer
DE68926556T DE68926556T2 (de) 1988-09-08 1989-09-08 Pfropfcopolymer
US07/967,560 US5300548A (en) 1988-09-08 1992-10-27 Process for the preparation of a graft copolymer including a monomer of esters of unsaturated carboxylic acids or vinyl esters and polyamide oligomers

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22573088A JP2726279B2 (ja) 1988-09-08 1988-09-08 グラフト共重合体その製法およびその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0273828A JPH0273828A (ja) 1990-03-13
JP2726279B2 true JP2726279B2 (ja) 1998-03-11

Family

ID=16833925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22573088A Expired - Lifetime JP2726279B2 (ja) 1988-09-08 1988-09-08 グラフト共重合体その製法およびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2726279B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0273828A (ja) 1990-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0739364B1 (en) A continuous process for the aminolysis of ethylene copolymers
JPS61502612A (ja) ポリアミドとカルボン酸基含有エチレンポリマ−とのブレンド
US3257478A (en) Pressure sensitive adhesive compositions
CN1311043C (zh) 基于聚酰胺嵌段接枝共聚物的热熔粘合剂
US5385987A (en) Resin composition and adhesive using the same
JP2002518544A (ja) ポリアミドをベースとする長い開放時間のホットメルト
US5049626A (en) Graft copolymer and process for the preparation thereof and use
US10040981B2 (en) Hot melt adhesive containing a polyamide/ polyolefin hybrid polymer
JPS5952677B2 (ja) ホットメルト接着剤組成物
JP2726279B2 (ja) グラフト共重合体その製法およびその用途
JP2599725B2 (ja) ホットメルト感圧接着剤組成物および該組成物を被覆したシート物質
WO1996007677A1 (en) Water dispersible ethylene ionomers
US5137974A (en) Hot melt adhesive compositions
JPH0551037B2 (ja)
JPH0144222B2 (ja)
JP3041079B2 (ja) 溶液接着剤およびプリントラミネーション用接着剤
JPH11172216A (ja) 水系接着剤組成物
JPH09506134A (ja) 改良された溶融加工可能な湿分硬化性エチレンコポリマーのホットメルト接着剤
JP4543365B2 (ja) 水性2液型プラスチック材料用接着剤組成物
JP3029708B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
US5484847A (en) Moisture-curable melt-processible ethylene graft copolymers
JP2594341B2 (ja) ホツトメルト接着剤組成物
JPH02245033A (ja) グラフト共重合体の製造方法
JP3161801B2 (ja) 新規なポリビニルアルコール
JP2002105419A (ja) 粘着剤用ポリマー混合物、該粘着剤用ポリマー混合物を用いた粘着剤組成物および粘着製品