JP2724533B2 - バツグ式反応集塵機のクリーニング制御方法 - Google Patents

バツグ式反応集塵機のクリーニング制御方法

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JP2724533B2 JP5215157A JP21515793A JP2724533B2 JP 2724533 B2 JP2724533 B2 JP 2724533B2 JP 5215157 A JP5215157 A JP 5215157A JP 21515793 A JP21515793 A JP 21515793A JP 2724533 B2 JP2724533 B2 JP 2724533B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、処理ガス中のダストと
共に、該ガス中に含まれる有毒ガス(例えばHCl等)
を中和するバツグ式反応集塵機のクリーニング制御方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に家庭用ごみ等を焼却するごみ焼却
炉から排出する排ガス中には、ダストと共にHCl、或
いはNOx、SOx等の有害ガスを含み、従ってダスト
の捕集と共にこれら有害ガスの処理が望まれている。こ
のため一つの手段として中和剤として消石灰を予め供給
し、バツグフイルタ表面に反応層を形成し、ついで焼却
炉から発生する含塵空気を冷却した後、これに消石灰の
適量(通常は例えばHClに対し2〜3倍の当量比)を
連続して供給し、中和する運転方法が採られている。つ
いでバツグフイルタにダストが多量に付着し、所定以上
の流通抵抗(圧損)に上昇したときは、上記反応層を残
存するように逆洗条件を選定して圧力空気を噴出して逆
洗を行う手段が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、長時間の使用
に際しては、上記反応層の有効成分(未反応成分)は次
第に減少し、反応層の効果が低下する等の問題がある。
これに対しては、通常上記含塵空気と共に供給する消石
灰量を増加し、その量は例えばHClに対し4〜5倍の
当量比で供給する手段が採られているが、消石灰の使用
量が増加し、消石灰の未反応成分は通常のクリーニング
によりダストと共に排出される等の問題がある。本発明
はかゝる点に鑑み、上記反応層の有効成分が減少し、排
出空気中の処理ガス濃度が所定値に到達したとき、通常
運転中に上記反応層を更新し、消石灰の追加供給量の減
少を計ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のバツグ式反応集塵機のクリーニング制御方法
は、含塵空気を濾過するバツグフイルタと、該バツグフ
イルタに対設される逆洗用圧力空気噴出ノズルとを設
け、含塵空気供給側には含塵空気中の処理ガスに対する
中和剤の供給機構を備え、該中和剤による反応層をバツ
グフイルタ表面に形成し、ついで該中和剤を投入しつつ
含塵空気を供給し、バツグフイルタによりダストの捕集
と共に処理ガスを中和するバツグ式反応集塵機におい
て、常時は処理ガスに対し所定の最小比率の中和剤を供
給し、逆洗に際してはバツグフイルタに付着する反応層
を残存保持すると共に、排出する処理ガス濃度が所定値
に到達したとき、反応層を除去する逆洗条件に切替え、
該反応層を除去すると共に、上記中和剤の供給量を増
し、反応層を急速に再成することを要旨とするものであ
る。
【0005】
【作 用】排出空気中の処理ガス濃度が所定値に到達
したとき、バツグフイルタの濾過面付着物の完全除去と
共に、中和剤の供給量を増加し、該中和剤による反応層
を急速に再成する。しかる後、中和剤の供給量を通常の
供給量に減少し、通常運転に移る。
【0006】
【実 施 例】図1及び図2は本発明を適用したバツグ
式反応集塵機を示す。この集塵機1は、筐体2内を上下
に区画壁3により区分し、上室は浄化空気室4とし、下
室は含塵空気室5とし、浄化空気室4は適宜の吸引フア
ン(図示省略)に連結する排出ダクト6を取付ける。含
塵空気室5は焼却炉(図示省略)に連結される含塵空気
導入ダクト7を側方に連結し、下方は漏斗状とし、その
下端にはロータリーバルブ8を設ける。
【0007】上記区画壁3には多数の有底筒状のバツグ
フイルタ10を垂下して取付け、かつ該バツグフイルタ
上部を開口してベンチユリ管11を取付ける。このベン
チユリ管11は図2に示す如く複数個(図例は4個)ず
つ複数列(図例は4列)に区分し、各列に対しそれぞれ
噴出管12a、12b、12c、12d(以下総称する
ときは、単に12と言う)を対向して設け、それぞれの
噴出管12には上記ベンチユリ管11に対して噴出ノズ
ル13を開口し、各ベンチユリ管12の基端は電磁開閉
器14a、14b、14c、14d(以下総称するとき
は単に14という)を取付け、ヘッダ15を介して空気
供給管16に接続され、圧力調整弁17によって調整さ
れた圧力空気を電磁開閉器14側に接続する。ここで圧
力調整弁17は後述する指令信号によって逆洗用空気の
圧力を適宣に調整する。18はヘッダ15と各電磁開閉
器14とを接続する中間ダクトを示す。
【0008】上記浄化空気排出ダクト6及び含塵空気導
入ダクト7にはそれぞれ圧力検出器20、21を設け、
両検出器の出力信号は圧損検出器22に印加される。但
しこの圧損はバツグフイルタ8による圧力損失である。
また23は排出ダクト6に設けられた処理ガス濃度の検
出器、24は風量検出器を示す。
【0009】30はこの集塵機1に対する中和剤供給機
構で、集塵機1に可及的に近接して含塵空気導入ダクト
8に設けられる。この供給機構30は、中和剤収納タン
ク31およびこの収納タンク内の中和剤を繰り出す繰出
機構駆動モータ32並びにこの駆動モータの回転数制御
部33及び投入部34とからなる。35は投入用圧力空
気供給管を示す。この回転数制御部33は、駆動モータ
として誘導モータを使用する場合極数変換または周波数
変換方式等があるが、その何れでもよい。但しモータの
回転数は可変速で常時は低速とし、送り出される含塵空
気中の処理ガス濃度に対し中和剤を予め定められた量
(通常2〜3当量比)を供給すべく変速可能とし、後述
するバツグフイルタ10の反応層を除去した後はモータ
32を高速回転し供給量を増加し、バツグフイルタに反
応層を再成するに必要な量を繰り出すようにしたもので
ある。
【0010】40は上記圧力調整弁17、電磁開閉器1
4及び中和剤供給機構30の回転数制御部33を制御し
バツグフイルタ10に対する逆洗の強さ、間隔及び中和
剤の供給を制御するクリーニング制御機構を示すもの
で、以下その制御要領を図3に基づいて説明する。
【0011】図は圧損と中和剤供給量と排出側の処理ガ
ス濃度との関係を示すもので、Aは圧損値、Bは中和剤
供給量、Cは排気中の処理ガス濃度を示す。先ず運転開
始時Dには圧力調整弁17により逆洗用空気の圧力を低
圧に設定するとともに、逆洗間隔を長くし、バッグフィ
ルタ10の逆洗を可及的に小とする。同時に中和剤供給
機構30の回転数制御部33を高速運転側とし、中和剤
を多量(例えば通常運転時の追加投入量の約10倍)の
量Qを供給する。これによりバツグフイルタ10に所要
厚さの反応層を形成する。この反応層形成終了時E点に
到達した後、回転数制御部33は駆動モータ32を低速
運転側に切換えるとともに逆洗圧力及び逆洗間隔を自動
調整とし、バツグフイルタ10の圧損値Pに保持せしめ
る。この通常運転に際しては、排出ダクト6に設けた処
理ガス濃度検出器23が検出する処理ガス濃度の変化に
応じ中和剤供給機構30は駆動モータ32の回転速度を
規制し、処理ガス濃度に比例した当量比(例えば2〜3
当量比)の量の中和剤を投入する。
【0012】その後は通常運転に伴い処理ガスと共に中
和剤供給機構30により所定量の中和剤が供給され、バ
ツグフイルタ10に蓄積する。この付着量は圧損検出器
22により圧損として検出される。なお制御回路40に
おいてこの付着塵埃を除去するクリーニング(通常クリ
ーニングという)を行う。
【0013】この場合、各噴出管12によるバツグフイ
ルタ10の逆洗に際しては、前記反応層を残す必要があ
る。即ち、所定の圧損値Pにする必要がある。そのため
逆洗圧力と逆洗間隔が測定圧損値と測定風量値によって
自動調整されている。
【0014】上記クリーニング終了後の排出ダクト6の
排気中の処理ガス(HCl)濃度は、該処理ガス濃度に
対する中和剤の量を一定当量比(例えば2〜3当量比)
としても、これにより完全に中和されず、前記反応層の
中和剤が反応し、時間の経過と共に反応成分(未反応成
分)が減少する。従って排出空気中のHCl濃度が漸次
上昇し、ついに所定濃度Rに到達したときまたは時間設
定により定められたときは制御機構40はこれを検出
し、反応層まで除去する更新のための逆洗(強制クリー
ニングという)に移る。その時点をFとする。
【0015】この場合、クリーニング制御機構40より
の指令により、圧力調整弁17をもって逆洗用圧力空気
を高圧とし、電磁開閉器14a〜14dを順次作動し、
高圧空気による逆洗と同時に制御機構40は中和剤供給
機構30の回転数制御部33を高速側に切換え、中和剤
を最大量Q(例えば処理ガスのHClに対し10倍程度
の当量比)に供給する。
【0016】その逆洗の終了時をG点とする。その後は
中和剤の多量の投入を継続すると共に逆洗を中止するこ
とにより反応層を形成し、その反応層が所定厚さに到達
したとき(H点)、中和剤の多量投入を停止し、回転数
制御部33は駆動モータ32を低速運転側に切換える。
以後これを繰り返し、前述の如く処理ガス濃度が濃度R
に達した点Iにおいて上記の如く強力な逆洗(強制クリ
ーニング)による反応層の更新を行う。
【0017】
【発明の効果】以上の如く本発明は、排出空気中の処理
ガス濃度が設定値に到達したときまたは設定周期で、バ
ツグフイルタに形成された反応層を更新するようにした
から、通常運転中の中和剤供給量は処理ガス濃度に対し
僅少(例えば2〜3当量比)としてもHClの発生量の
多いときの動作遅れや反応もれを減少させ、安定した処
理を行うことができ、従って該中和剤の供給量の減少を
計ることができる。また、この更新は通常運転中におい
て行うようにしたから、連続運転を行う焼却炉例えばご
み焼却炉等の運転を中止することなく行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を提要した集塵機の全体説明図である。
【図2】図1におけるX−X線に沿う断面図である。
【図3】本発明のクリーニング制御要領の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 バツグ式反応集塵機 10 バツグフイルタ 13 圧力空気噴出ノズル 30 中和剤注入機構 40 クリーニング制御機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平4−91717(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含塵空気を濾過するバツグフイルタと、
    該バツグフイルタに対設される逆洗用圧力空気噴出ノズ
    ルとを設け、含塵空気供給側には含塵空気中の処理ガス
    に対する中和剤の供給機構を備え、該中和剤による反応
    層をバツグフイルタ表面に形成し、ついで該中和剤を投
    入しつつ含塵空気を供給し、バツグフイルタによりダス
    トの捕集と共に処理ガスを中和するバツグ式反応集塵機
    において、常時は処理ガスに対し所定の最小比率の中和
    剤を供給し、逆洗に際してはバツグフイルタに付着する
    反応層を残存保持すると共に、排出する処理ガス濃度が
    所定値に到達したとき、反応層を除去する逆洗条件に切
    替え、該反応層を除去すると共に、上記中和剤の供給量
    を増し、反応層を急速に再成することを特徴とするバツ
    グ式反応集塵機のクリーニング制御方法。
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