JP2724473B2 - 電気制御式給水器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、請求項１の前提部分に記載した湯および水
を混合する装置、特に水道用備品である電気制御式給水
器に関する。

（従来の技術） かかる給水器が欧州特許出願広告明細書第158930号に
より知られている。この給水器は水及び湯用に共通のケ
ーシング内に配設した２つの部分空間を有し、それらに
共通する仕切り壁に給水器制御用電源としてペルチェア
レイが配設されている。

（発明が解決しようとする課題） しかし、この給水器の未使用時に湯が周囲温度に冷や
されるので、ペルチェアレイは、新たに弁を開くための
電流を供給することができない。この問題を克服するた
め、給水器の使用再開時、再び十分に高い温度になって
ペルチェアレイが弁操作用電流を供給できるようになる
まで、まず水を支障なく流すように提案される。かかる
給水器は閉じた循環水回路を有する設備、例えば温水暖
房装置に適している。例えば給水器や湯水と冷水の混合
装置又は弁等の水道用備品では、使用再開を確実にする
ため周知給水器の前又は後に手動操作可能なコックを設
けねばならないであろう。

そこで、本発明は、請求項１の前提部分に記載した給
水器を改良し、比較的長く中断した後でも簡単に使用再
開が確保される電気制御式給水器を提供することを目的
とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本発明は、水と湯を混合
してノズルから供給できる電気制御式給水器であって、 湯を通す第１管路と、水を通す第２管路と、 前記第1,第２管路にそれぞれ接続されて互いに対向
し、かつそれらの管路部分が他の管路部分よりも大きく
なっている２つの熱交換器と、 これらの熱交換器間にサンドイッチ状に対面配置され
たペルチェアレイを含み、かつ、このペルチェアレイの
一面側を湯を通す管路に接続し、また、他面側を水を通
す管路に接続した構成を有する制御用電源と、 水の流れ方向に関して前記ペルチェアレイの下流側の
管路に連結され、前記ノズルを介して流れる水と湯の流
量を制御するための弁装置と、 前記制御用電源に接続され、前記ペルチェアレイが感
知した前記熱交換器間の温度差に応じて、前記弁装置の
弁の開閉を制御する電子制御装置とを備えていることを
特徴としている。

（作 用） 水又は湯とペルチェアレイとの間の熱的結合範囲に各
１個の熱交換器が設けてあることにより、比較的多量の
水が蓄積され又湯を通す方の熱交換器が暖められるの
で、給水器遮断後の冷却がゆっくりしたものになる。更
に熱交換器が互いに分離してあることにより、熱交換器
は互いに断熱してあり又湯を通す方の熱交換器がペルチ
ェアレイと接触する範囲の外で熱伝導により冷やされる
ことはない。この措置により、ペルチェアレイの暖側で
上昇した温度が長時間にわたって維持され、従ってペル
チェアレイは長時間にわたって給水器制御用電流を供給
することができる。

場所をとらず簡単な格別好ましい一構成では熱交換器
がペルチェアレイをサンドイッチ状に取り囲んでいる。

更に、湯を通す方の熱交換器は蓄熱能力を高めるため
一層大きな容量を有するようにすることができる。この
ことで冷却がかなり遅くなる。

好ましい一実施例では制御装置が蓄電要素、特にペル
チェアレイにより充電可能な蓄電池又はコンデンサを有
する。湯を通す方の熱交換器がゆっくり冷えることによ
り、蓄電要素は最大限充電することができる。しかもこ
の充電は充電時間が長いため弱い電流で行なうことがで
き、蓄電要素の寿命、特に蓄電池の寿命が長くなる。

（実施例） 図面を基に発明対象の単に一例を詳しく説明する。

給水器12の湯と水を給水する本体10の取付用フランジ
14がねじ山16付きで形成してある。取付用フランジ14は
プレート20、例えば洗面台の通し穴18に挿通し、ナット
22を使ってプレートにしっかり螺着されている。プレー
ト20とナット22との間に座金24がある。給水本体10は取
付用フランジ14より上に構成され、Ｕ形キャップ26で蓋
が施される。ねじ28により、給水器12から流れ出る混合
水の温度を予め選定することができる。

給水本体10の内部10bに２つの熱交換器30,32が配設し
てあり、これは取付用フランジ14に挿通した各１個の接
続管34,36と連通するように結合してある。給水本体10
の外で接続管34,36は、図示省略したが一般に知られて
いる方法で給湯管及び給水管と結合してある。熱交換器
30を湯30a、熱交換器32を水32aが流れる。

熱交換器30,32は最も広い側面56,58を互いに平行に配
設した直方体形状の中空体30b,32bで構成されている。
各熱交換器30,32は管部材38,40により電気操作弁（弁装
置）46,48の各１つの入口42,44と結合してある。弁46,4
8の出口側は別の管部材50,52によりノズル本体54に連通
するように結合されている。

接続管34と管部材38は、湯を通す第１管路となり、接
続管36と管部材40は、水を通す第２管路となり、第1,第
２管路の途中には、それぞれ熱交換器30,32が接続され
ている。そして、熱交換器30,32は、互いに対向配置さ
れている。また、図２から明らかなように、第１管路3
4,38及び第２管路36,40よりも熱交換器の管路部分の容
積が十分大きくなっている。

特に、第１図から明らかなように、制御用電源の構成
要素であるペルチェアレイ60が、熱交換器30,32間にサ
ンドイッチ状に対面配置され、対面する熱交換器の側面
56,58に隣接する。このペルチェアレイの相反する側の
広い外面又は領域60a,60bは熱交換器30,32の側面56,58
に接触する。一般に知られているようにペルチェアレイ
60は幾つかの電気的に相前後し且つ熱的に平行に配設さ
れたペルチェアレイ素子からなる。ペルチェアレイ60は
暖側が熱交換器30の側面56と熱的に良好に結合してある
一方、冷側は他方の熱交換器32の側面58と熱的に良好に
結合してある。ペルチェアレイ60の接続線62は端子64に
より別の接続線66と電気的に結合してあり、後者は概略
図示した電子制御装置68に至る。電子制御装置68は図示
省略した制御線により両方の弁46,48と給水器12の頭部
端12aに配設した近接センサ70と電気的に結合してあ
る。

本発明を理解するうえでこの電子制御装置68を詳しく
説明する必要はない。しかし電子制御装置内に好ましく
は蓄電池又はコンデンサ68aが配設してあり、これらは
後になお説明するようにペルチェアレイ60により供給さ
れる電流を充電することができる。

給水器12は以下の如く機能する。洗浄すべき手が近接
センサ70の範囲内に達すると近接センサが電子制御装置
68に電気信号を送信する。電子制御装置がこの信号を評
価し増幅し弁46,48に開弁命令を送信する。これにより
水32a及び湯30aがそれぞれ矢印Ａに従って熱交換器30,3
2、管部材38,40、弁46,48及び別の管部材50,52を通って
ノズル本体54へと流れる。ノズル本体54内で湯30aと水3
2aとが混合された後混合水はそこから給水器12を離れ、
洗浄すべき手へと流れる。湯30aを通す方の熱交換器30
が迅速に暖まり、水32aを通す方の熱交換器32がその温
度を水温に適応させるのでペルチェアレイ60は比較的大
きな温度差に曝される。その結果電圧が生じ、該電圧に
より接続線62,66から電子制御装置68へと、そしてその
逆へと電気の流れが惹き起こされる。この電流により、
電子制御装置68内に配設した蓄電池又はコンデンサが充
電し、このエネルギーが弁46,48及び全電子素子に供給
される。

近接センサ70の範囲から外に手が出るや、近接センサ
が再び電子制御装置68に信号を送信し電子制御装置は別
の命令により46,48の閉止を制御する。蓄電池又はコン
デンサの充電時間を長くするため、湯30aを通す方の熱
交換機30の容量を大きくすることができる。これでもっ
て両熱交換機30,32間の温度差が長く持続する。

本発明により構成することのできるその他の給水器と
しては、例えば流体の温度、圧力、流量等に関し電気式
又は電子式表示装置及び光学式又は音響式警報装置を有
する給水器がある。

（発明の効果） 本発明はペルチェアレイが湯を通す方の熱交換器と水
を通す熱交換器との間の温度差を検出して電流に変換
し、この電流が電子制御装置に供給されるので、熱交換
器の下流に設けた弁が給水器を流れる湯水流量を制御で
きる。

しかもペルチェアレイの暖側で上昇した温度が長時間
にわたって維持されるように構成したので、給水器の使
用再開時、再び十分高い温度になってペルチェアレイが
弁操作用の電流を供給し、比較的長く中断した後でも簡
単に使用再開が確保できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る実施例の給水器をを示す一部断面
構成図。 第２図はやはり一部断面で示した同じ給水器の側面図。 30,32……熱交換器 30a……湯 32a……水 60……ペルチェアレイ。

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水と湯を混合してノズル（54）から供給で
   きる電気制御式給水器であって、 湯（30a）を通す第１管路（34,38）と、水（32a）を通
   す第２管路（36,40）と、 前記第1,第２管路にそれぞれ接続されて互いに対向し、
   かつそれらの管路部分が他の管路部分よりも大きくなっ
   ている２つの熱交換器（30,32）と、 これらの熱交換器（30,32）間にサンドイッチ状に対面
   配置されたペルチェアレイ（60）を含み、かつ、このペ
   ルチェアレイの一面側（60a）を湯（30a）を通す管路
   （34,38）に接続し、また、他面側（60b）を水（32a）
   を通す管路（36,40）に接続した構成を有する制御用電
   源と、 水の流れ方向に関して前記ペルチェアレイ（60）の下流
   側の管路に連結され、前記ノズル（54）を介して流れる
   水と湯の流量を制御するための弁装置（46,48）と、 前記制御用電源に接続され、前記ペルチェアレイ（60）
   が感知した前記熱交換器（30,32）間の温度差に応じて
   前記弁装置（46,48）の弁の開閉を制御する電子制御装
   置（68）とを備えていることを特徴とする給水器。
2. 【請求項２】熱交換器（30,32）は、直方体形状の中空
   体であることを特徴とする請求項１に記載の給水器。
3. 【請求項３】湯を通す第１管路側の熱交換器（30）が、
   水を通す第２管路側の熱交換器（32）の容積よりも大き
   くなるように、熱の蓄積容量を増加させることを特徴と
   する請求項１または２に記載の給水器。
4. 【請求項４】制御装置（68）は、蓄電要素、特にペルチ
   ェアレイ（60）により充電可能な蓄電池またはコンデン
   サを有することを特徴とする請求項１〜３のいずれかに
   記載の給水器。
5. 【請求項５】給水器が、湯または水（30a,32a）用の電
   気操作弁（46,48）を有する給水器（12）であることを
   特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の給水器。
6. 【請求項６】制御装置（68）には、近接センサ（70）が
   接続されていることを特徴とする請求項５記載の給水
   器。