JP2723778B2 - 自動二輪車のスタンド - Google Patents

自動二輪車のスタンド

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JP2723778B2
JP2723778B2 JP5121191A JP12119193A JP2723778B2 JP 2723778 B2 JP2723778 B2 JP 2723778B2 JP 5121191 A JP5121191 A JP 5121191A JP 12119193 A JP12119193 A JP 12119193A JP 2723778 B2 JP2723778 B2 JP 2723778B2
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幸隆 河村
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、レース時の自動二輪
車のタイヤ交換等において、車体全体あるいは車体の前
後の片方を持ち上げ、かつ、その持ち上げ状態を維持す
るのに使用される自動二輪車のスタンドに関する。
【0002】
【従来の技術】このような自動二輪車のスタンドとして
は、実開昭64−5883号公報に記載されているよう
な手動方式のスタンド、あるいは実開平5−10118
3号公報に記載されているような空気圧シリンダ等によ
るアクチュエータ駆動方式等がある。
【0003】いずれのスタンドも、その基本構成は、基
台と、この基台に立直姿勢に固定された固定支柱と、該
固定支柱に昇降自在に支持された昇降部材と、昇降部材
に片持支持されて水平に延びるバーを備えている。この
バーは、自動二輪車の車軸に形成された中空管部あるい
はエンジン部分に形成された中空管部等に挿通可能とな
っている。
【0004】自動二輪車の持ち上げ作業を行う場合に
は、まず、接地状態の自動二輪車の中空管部に、下降位
置のバーを差し込み、昇降部材を手動あるいはアクチュ
エータの作動で上昇させることにより、自動二輪車の全
体あるいは前後の片方を持ち上げる。
【0005】片持状のバーは、水平姿勢で自動二輪車の
中空管部に挿入され、上昇位置でも水平姿勢に維持され
るようになっている。
【0006】また、後者のアクチュエータ駆動方式の場
合には、空気圧シリンダを、基台の後端部に偏って配置
しており、かつ、固定支柱に概ね沿うように、起立姿勢
で配置している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、片持状
のバーを、上昇位置においても下降位置と同様に水平姿
勢に維持する構造では、自動二輪車が重量物であるため
に、その重みでバー先端側が下がるように撓んだ際、作
業中に自動二輪車がずれたりして、自動二輪車の支持が
十分であるとはいえない。
【0008】また、アクチュエータ駆動方式において、
空気圧シリンダ等を固定支柱側に偏らせて配置し、しか
も、起立姿勢としていると、スタンドの重心位置が、ス
タンド後方に寄ると共に高くなり、特に移動時の安定性
があまりよくない。
【0009】本願発明の目的は、スタンド自体の安定性
及び自動二輪車の持ち上げ時の安定性などを向上させ、
また、自動二輪車の収容スペースを広く確保できるよう
にすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願請求項1記載の発明は、基台と、この基台に立
直姿勢に固定された固定支柱と、該固定支柱に昇降自在
に支持された昇降部材と、昇降部材に片持支持され基台
と概ね平行に延びて自動二輪車の中空管部に挿通可能な
バーと、昇降部材を昇降するためのアクチュエータを備
えた自動二輪車のスタンドにおいて、昇降部材を上下の
リンク機構を介して固定支柱に昇降自在に支持し、上側
リンク機構の長さを下側リンク機構の長さよりも短くな
るように調整自在とすることにより、バー上昇位置の時
に、バーを、先端側が固定側よりも上方にくる姿勢に制
御する傾斜制御機構を備えたことを特徴としている。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の自
動二輪車のスタンドにおいて、伸縮駆動部材を有するア
クチュエータを、基台に沿って倒伏姿勢で配置し、上記
伸縮駆動部材に、ベルクランクを介して昇降部材を連結
したことを特徴とする自動二輪車のスタンドである。
【0012】請求項3記載の発明は、基台と、この基台
に立直姿勢に固定された固定支柱と、該固定支柱に昇降
自在に支持された昇降部材と、昇降部材に片持支持され
基台と概ね平行に延びて自動二輪車の中空管部に挿通可
能なバーと、昇降部材を昇降するためのアクチュエータ
を備えた自動二輪車のスタンドにおいて、基台の固定支
柱配置側の端部に、所定荷重以上の荷重により縮小する
ダンパー機構を傾斜姿勢制御機構として設け、バー上昇
時に、自動二輪車の荷重によりダンパー機構が圧縮して
スタンド全体が後ろ倒れ状態となるようにしていること
を特徴とする自動二輪車のスタンドである。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項3記載の自
動二輪車のスタンドにおいて、昇降部材を固定支柱間に
配置し、固定支柱とほぼ同じ垂直面内で上下揺動する上
下のリンク機構により、昇降部材を昇降自在に支持して
いることを特徴とする自動二輪車のスタンドである。
【0014】
【0015】
【作用】スタンドの全体を、バーの突出方向、すなわち
前方に移動することにより、自動二輪車の水平横向きの
中空管部に、下降位置の水平姿勢のバーを差し込む。ア
クチュエータを駆動させることにより、伸縮ロッド等の
伸縮駆動部材を後方へ伸長すると、その駆動力は、ベル
クランクを介して上向きへの駆動力に変換され、昇降部
材に加えられる。それにより昇降部材と一体にバーが上
昇し、自動二輪車の全体、あるいは前後のうちの片側を
持ち上げる。
【0016】バーが上昇位置まで移動したときには、傾
斜制御機構により、バーの姿勢は、その先端部が上方に
くるような傾斜姿勢に制御される。したがって、自動二
輪車の重みにより、たとえバーが撓んでも、自動二輪車
がバーの先端側にずれたりすることはない。
【0017】
【実施例1】図1〜図8は、本願の請求項1及び2記載
の発明を適用した自動二輪車のスタンドであり、バー3
0の先端側、すなわち自由端側を、スタンドの前側とし
て説明する。
【0018】平面図を示す図3において、基台1は、左
右1対のフレーム部材2と、これらを連結する前後のク
ロス部材3により、矩形枠状に形成されており、各フレ
ーム部材2の前端部にローラ6が設けられ、基台1の四
隅の下面には、ストッパー5が設けられている。
【0019】基台1の左右幅の中央部には、駆動用のア
クチュエータとして、前後方向に伸縮自在な空気圧シリ
ンダ8が倒伏姿勢で配置されている。空気圧シリンダ8
の前端部は、前側クロス部材3に設けられたブラケット
10に、水平なピン11を介して上下方向揺動可能に支
持されている。空気圧シリンダ8の伸縮駆動部材、すな
わち、伸縮ロッド9は、後方へ伸縮自在となっており、
その後端部は、ロッドエンド(球面滑り軸受)及び水平
なピン12を介してベルクランク13の下端部に回動自
在に連結されている。
【0020】左側面図を示す図1において、基台1の後
端部には、垂直上方に延びる左右1対の固定支柱14が
一体に固着されており、これらはクロス部材15により
連結されると共に、前下方へと延びる左右1対の補強ス
テー18により、基台1に支持されている。
【0021】上記クロス部材15には、上方からみて半
円状のハンドル16が固着されている。左右の補強ステ
ー18間には、これらを連結するクロス部材19が固着
され、該クロス部材19には、ベルクランク支持用のブ
ラケット42が固着されている。
【0022】固定支柱14の前側には、これと概ね平行
な昇降部材21が配置され、上下のリンク機構24,2
5により、固定支柱14に昇降自在に支持されている。
昇降部材21には、バー取付用のボス部31を有するブ
ラケット32が支持されており、上記ボス部31にバー
30の後端部が嵌入され、抜止めピン33により脱落不
能に係止されている。バー30は基台1と平行に水平前
方へと延び、前端部が尖っている。
【0023】上記ブラケット32は、上方から見て、後
ろ開きコの字形に形成されており、左右側板部分の後端
上部が、昇降部材21の左右側面に形成された取付用め
ねじ孔35に、ねじ付きピン36により回動自在に支持
されている。
【0024】ブラケット32の前面の下部には、ナット
41が溶接され、該ナット41に、後方突出状の姿勢微
調整ねじ38が螺挿されており、該姿勢微調整ねじ38
の後端縁を、昇降部材21の前面に固着された補強板4
0に当接させている。すなわち、姿勢微調整ねじ38の
突出量を調節することにより、昇降部材21に対するバ
ー30の取付角度を微調整できるようになっている。ま
た、取付用めねじ孔35は、上下方向に一定間隔をおい
て複数個設けられており、適宜めねじ孔35を選択し
て、ブラケット32を取り付けることにより、バー30
の取付高さを変更できるようになっている。
【0025】昇降部材21と空気圧シリンダ8との連結
機構を説明する。ベルクランク13の頂部(折曲部)
は、前記ブラケット42に、水平なピン43を介して該
ピン回り揺動自在に支持されており、前下方に延びる一
方のアーム部の下端は、前述のようにロッド9に回動自
在に連結され、後ろ下方に延びる他方のアーム部の後端
部には、上方に延びる連結リンク45の下側ロッドエン
ド45bが、ピン46により回動自在に連結されてい
る。連結リンク45の上側ロッドエンド45aは、ピン
47により、昇降部材21の下側コの字形ブラケット5
0に回動自在に連結されている。
【0026】上下のリンク機構24,25は、各後端部
がボルトピン57,58により上下方向揺動自在に固定
支柱14に支持され、それぞれ前方へと延び、前端部が
水平なボルトピン59,60により、昇降部材21に回
動自在に連結されている。上側リンク機構24の長さは
下側リンク機構25の長さよりも短く設定されており、
これにより、バー30の姿勢の傾斜制御を行うようにな
っている。すなわち、上側リンク機構24の回動半径R
1 が、下側リンク機構25の回動半径R2 よりも短く設
定されており、昇降部材21が両リンク機構24,25
の回動により上昇する行程において、その上昇に伴い、
バー30の角度が次第に前上がり状に変化するようにな
っている。
【0027】各リンク機構24,25の詳細な構造を説
明する。図3において、上側リンク機構24は、左右1
対の後向きねじ筒51と、左右幅中央部の前向きねじ筒
52と、これらを一体的に連結する連結板53と、後向
きねじ筒51に後方突出状に螺挿されたねじ付のロッド
エンド54と、前向きねじ筒52に前方突出状に螺挿さ
れたねじ付のロッドエンド55とから構成されている。
【0028】上側回動支点となる上側ボルトピン57
は、各固定支柱14の上端に固着されたねじ筒61に螺
着され、各ボルトピン57に左右のロッドエンド54が
支持されている。
【0029】昇降部材21の上端にはコの字形のブラケ
ット56が固着されており、該ブラケット56に、前側
のボルトピン59が挿入され、該ボルトピン59に中央
のロッドエンド55が支持されている。
【0030】各ねじ付のロッドエンド54、55は、上
側リンク機構24の装着前において、それらをねじ筒5
1,52に対して相対的に回すことより、それぞれの突
出量を調節でき、かつ、ロックナットにより、所定の突
出量でロックすることができる。
【0031】図5において、下側リンク機構25は、左
右1対のねじ筒63と、これらを一体的に連結する連結
板64と、各ねじ筒63の前後部にそれぞれ螺挿された
ねじ付のロッドエンド65,66とから構成されてい
る。両ねじ付のロッドエンド65,66は、互いに逆ね
じとなっている。
【0032】下側回動支点となる下側ボルトピン58
は、各固定支柱14の上下方向の中間部に固着されたね
じ筒62に螺着され、各ボルトピン58に左右のロッド
エンド66が支持されている。
【0033】昇降部材21の下部には、左右に突出する
と共に両端にナット71を一体的に備えた筒70が固着
されており、上記両端ナット71に前側のボルトピン6
0が螺着されており、各ボルトピン60に前側の各ロッ
ドエンド65が回動自在に連結されている。76はロッ
クナットである。
【0034】各ねじ付のロッドエンド65、66は、下
側リンク機構25の装着前において、それらをねじ筒6
3に対して相対的に回すことより、それぞれの突出量を
調節でき、かつ、ロックナット76により、所定の突出
量でロックすることができる。
【0035】図1に示すベルクランク13は、その後端
のピン46の位置を変更可能とすることにより、レバー
比(L1 :L2 )を調節できるようになっており、以下
その具体的構造を説明する。
【0036】図7において、ベルクランク13の後端部
には、ベルクランク半径方向に長い長孔80が形成され
ると共に、該長孔80の前後両側にめねじ孔81a,8
1bが形成されており、ベルクランク13の左右両側に
はそれぞれ細長い調節板83が配置されている。該調節
板83は、中央部にピン挿通孔85を有すると共に、
前,後端部にそれぞれボルト挿通孔86a,86bを有
している。中央のピン挿通孔85と前側のボルト挿通孔
86aとの中心間距離は、ピン挿通孔85と後側のボル
ト挿通孔86bとの中心間距離より長く設定され、か
つ、前後のボルト挿通孔86a,86b間の中心間距離
は、めねじ孔81a,81b間の中心間距離よりも少し
広く設定されている。
【0037】この調整機構により、ピン46を、以下の
ように、長孔80内で後側位置、中央位置及び前側位置
に変更調整することができる。
【0038】(1)図7のように調節板83の前側のボ
ルト挿通孔86aを、ベルクランク13の前側のめねじ
孔81aに合わせ、この前部のみをボルト88で固定す
ることにより、ピン46を長孔80内の後側位置に設定
できる。すなわち、L2 を最大長に設定できる。
【0039】(2)図7及び図8の状態から、ボルト8
8を外して、調整板83を距離dだけ前方にずらし、後
側のボルト挿通孔86bを、ベルクランク13の後側の
めねじ孔81bに合わせ、この後部のみをボルト88で
固定することにより、ピン46を長孔80の中央位置に
設定することができる。すなわち、L2 を中間長に設定
できる。
【0040】(3)調整板83の前後を逆にして、後側
にきたボルト挿通孔86aを後側めねじ孔81bに合わ
せ、後部のみをボルト88で固定することにより、ピン
46の位置を長孔80内の前側位置に設定できる。すな
わち、L2 を最短長に設定できる。
【0041】図1の昇降部材21の設定高さ調整機構と
して、連結リンク45は、いわゆるターンバックル方式
により、伸縮調節できるようになっている。
【0042】すなわち、図6において、連結リンク45
は、右ねじと左ねじが半分づつ形成されたねじ筒45c
と、その両端部に螺挿された互いに逆ねじのロッドエン
ド45a,45bからなっており、筒45cをねじ付ロ
ッドエンド45a,45bに対して回すことにより、伸
縮調整し、所望の長さにおいてロックナット89で固定
できるようになっている。
【0043】連結リンク45の長さを伸縮調整すること
により、図1の昇降部材21の下降位置を、図9の自動
二輪車の中空管部Pに合わせることができる。
【0044】図9は、レース用自動二輪車の略図であ
り、車体の概ね重心に相当する位置に、横向きの中空管
部Pが固着されている。上記中空管部Pの高さに合うよ
うに、図1の連結リンク45の長さを調節して、バー3
0の下降位置高さを設定する。
【0045】作業及び作用を説明する。図1に示すよう
に作業前においては、昇降部材21及びバー30は下降
位置に位置し、昇降部材21は垂直姿勢で、バー30は
水平姿勢に設定されている。前述のように、上側リンク
機構24が下側リンク機構25よりも短く設定されてい
るので、昇降部材21を垂直姿勢にセットするために
は、下降位置での各リンク機構24,25の前下がり状
の傾斜角を、下側リンク機構25の方が急になるように
設定してある。
【0046】図9のようにエンジンEに中空管部Pを備
えた自動二輪車に対し、図1のスタンド全体を前方へ押
し動かすことにより、下降位置にある水平姿勢のバー3
0を上記中空管部P内に差し込み、続いて、空気圧シリ
ンダ8を駆動することにより、伸縮ロッド9を後方へ伸
長させる。
【0047】そうすると、ベルクランク13は矢印X1
方向に揺動し、連結リンク45を介して昇降部材21を
上昇させる。
【0048】この上昇行程において、上下のリンク機構
24,25は、それぞれボルトピン57,58を回動中
心として上方に回動するが、上側のリンク機構24の回
動半径R1 は下側のリンク機構25の回動半径R2 より
も短く設定されており、初期の前下がり角も異なるの
で、図2に示すように、上昇に伴い昇降部材21は垂直
姿勢から後方へと傾き、それにより、バー30は、水平
姿勢から前上がり状に傾斜する。
【0049】バー30の最終傾斜度いは、極めて小さ
く、たとえば図2の仮想線で示す上昇位置において、水
平な面に対して2°〜5°程度である。勿論、上下の回
動半径R1,R2 の比を調整することにより、傾斜角度を
さらに大きくしたり、あるいは小さくしたりすることは
可能である。
【0050】作業後は、空気圧シリンダ8を縮小するこ
とにより、昇降部材21を下降させる。下降位置まで下
降した時には、バー30の姿勢はもとの水平姿勢に戻っ
ている。
【0051】
【実施例2】図10〜図12は、請求項3及び4記載の
発明を適用したスタンドであり、傾斜制御機構として、
基台1の後部下面にストッパー兼用のダンパー99を設
け、昇降部材21を昇降自在に支持するリンク機構とし
て、バー30と平行な軸105,107を回動支点とし
て、上下揺動するリンク機構24,25を備え、昇降部
材21を、固定支柱14の前後幅内に収めている。その
他の構造は、前記実施例1と同様であるので、同じ部品
には同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0052】平面図を示す図11において、昇降部材2
1は、固定支柱14間の左右幅中央部に配置されてい
る。
【0053】上下のリンク機構24,25は、それぞれ
前後1対のリンク部材100と、それらを一体的に連結
する断面矩形の連結筒101から構成されている。
【0054】後面図を示す図12において、固定支柱1
4は、左側の支柱が高くなっており、上側リンク機構2
4は、左側の高い固定支柱14の上端部に、前後方向に
延びる支持用ボルトピン105及びロッドエンドを介し
て上下方向回動自在に支持されると共に、右方へ延びて
いる。上側リンク機構24の先端部は、左右幅の中央部
に位置し、昇降部材21の上端部に、前後方向に延びる
支持用ボルトピン106及びロッドエンドを介して回動
自在に連結されている。
【0055】下側リンク機構25は、右側の低い固定支
柱14の中間部より上寄り部分に、前後方向に延びる支
持用ボルト107及びロッドエンドを介して上下方向に
回動自在に支持されると共に、左方へ延びている。下側
リンク機構25の先端部は、左右幅の中央部に位置し、
昇降部材21の下端部に、前後方向に延びる支持用ボル
ト108及びロッドエンドを介して回動自在に連結され
ている。
【0056】左側面図を示す図10において、昇降部材
21及び連結リンク45は、固定支柱14の前後方向幅
内に収められており、また、上下のリンク機構24,2
5も、固定支柱14の前後方向幅からあまりはみ出さな
いように構成されている。
【0057】傾斜制御機構として用いられるダンパー9
9は、左右のフレーム部材2の後端部に設けられてお
り、フレーム2に溶着された円筒状の上側ケース110
と、地面に接地される円筒状の下側ケース111と、コ
イルばね112等から構成されている。
【0058】下側ケース111は、その下面にゴム製の
ストッパー113が固着され、中心部に形成された上方
突出状のねじボス部115には、上方に延びるボルト1
17が螺着されている。
【0059】上側ケース110は、その中央部に上下方
向に長いガイドスリーブ120が一体に固着され、該ガ
イドスリーブ120の下端部にはばね受け121が固着
され、ガイドスリーブ120はボルト117に上下方向
移動可能に嵌合している。
【0060】ばね受け121と下側ケース111の間に
上記コイルばね112が縮設されており、コイルばね1
12の弾性力により、ばね受け121及びガイドスリー
ブ120を介して上側ケース111を上方に付勢し、ガ
イドスリーブ120の上端縁がボルト117の頭部で係
止されることにより、スタンド全体を図10のような姿
勢に保っている。
【0061】コイルばね112のばね強さは、自動二輪
車の荷重がバー30にかかっていない時には、図10の
ように所定のストロークSを保ち、自動二輪車の荷重が
バー30にかかった時には、その荷重によりコイルばね
112が圧縮して、ストロークS分だけスタンド後部が
下がり、スタンド全体が後倒れ状に傾斜するようになっ
ている。すなわち、バー30が前上がり状に傾斜するよ
うになっている。
【0062】ダンパー99のストロークSは、ボルト1
17の上方突出量を調整することにより、変更可能であ
る。
【0063】作用及び作業を説明する。自動二輪車の側
方から、下降位置の水平姿勢のバー30を中空管部P内
に差し込み、続いて、空気圧シリンダ8を駆動すること
により、伸縮ロッド9を後方へ伸長させる。そうする
と、ベルクランク13は矢印X1 方向に揺動し、連結リ
ンク45を介して昇降部材21を上昇させる。
【0064】この上昇行程において、自動二輪車の荷重
がバー30にかかり始めると、ダンパー99の上側ケー
ス110は、コイルばね112を圧縮しながら下降し、
スタンド全体が後ろ倒れ状に傾斜する。
【0065】バー30が図10の仮想線で示す上昇位置
まで達したときも、バー30は前上がり状の姿勢に保た
れている。傾斜度合いは、極めて小さく、たとえば2°
〜5°程度であるが、ダンパー99のストロークを調整
することにより、その角度を変更することができる。
【0066】作業後は、空気圧シリンダ8を縮小するこ
とにより、昇降部材21を下降させ、自動二輪車の荷重
が除かれと、ダンパーはコイルばね112により元の状
態に復帰し、スタンド全体を元の状態の戻す。
【0067】
【その他の実施例】
(1)図13及び図14は、ベルクランク13のレバー
比調整機構の変形例を示している。ベルクランク13の
他方のアーム部の後端部にナット部124を溶着すると
共に、上方から見てコの字形のアジャスタ125を嵌め
合わせている。アジャスタ125は、前端部の両側にピ
ン挿入孔85を有すると共に後端部にボルト挿通孔12
6を有している。上記ナット部124にはアジャストボ
ルト127が螺挿されており、該アジャストボルト12
7の後部には、つば127a及びロック用のねじ部12
7bが一体に形成されている。ねじ部127bの後端面
には工具係合用の六角穴127cが形成されている。
【0068】アジャストボルト127のロック用ねじ部
127bは、アジャスタ125のボルト挿通孔126に
挿通され、ロックナット128により、アジャスタ12
5に固定されている。
【0069】ベルクランク13のレバー比を調整する場
合には、ロックナット128を緩めてアジャストボルト
127を回すことにより、そのつば部127cの位置を
調整すると共に、アジャスタ125を長孔80と平行に
移動させて、ピン挿入孔85を長孔80内の所望の位置
に移動する。
【0070】そして、つば部127aにアジャスタ12
5を当接させ、ロックナット128でアジャスタ125
とアジャストボルト127を締め付ける。
【0071】(2)アクチュエータとしては、空気圧シ
リンダの他に、油圧シリンダを使用することも可能であ
る。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように本願請求項1記載の
発明では、 (1)自動二輪車の中空管部に挿通可能な片持ち状のバ
ーの姿勢を、昇降部材の上昇位置の時に、そのバー先端
側が固定側よりも上方にくる傾斜姿勢に制御する傾斜制
御機構を備えているので、自動二輪車持ち上げ時、たと
えその重みでバーが撓んでも、自動2輪車を安定した状
態で支持しておくことができる。 (2)傾斜制御機構として、昇降部材を昇降自在に固定
支柱に支持するリンク機構を利用しているので、特別な
制御機構を新たに取り付ける必要はなく、部品点数の節
約及び構造の簡素化に役立つ。 (3)上側リンク機構の長さを下側リンク機構の長さよ
りも短くすることにより傾斜制御機構を構成しているの
で、構造が簡単で、しかも、上下リンク機構の回動半径
の差により、昇降部材の上昇に比例して徐々に傾斜させ
ていくことができ、急激な傾斜による衝撃等はない。
【0073】請求項2記載の発明では、バーを取り付け
た昇降部材を駆動するために、伸縮駆動部材を有するア
クチュエータを基台上に倒伏姿勢で配置し、上記伸縮駆
動部材に、ベルクランクを介して昇降部材を連結してい
るので、従来のように固定支柱近傍に縦向きのアクチュ
エータを配置するような構造に比べて、スタンド全体の
重心の位置が、低く、かつ、スタンドの前後左右幅の中
央部にくるように構成することができ、上記請求項1記
載の発明と同様に、自動2輪車を安定した状態で支持し
ておくことができると共に、移動時の安定性も向上す
る。
【0074】また、従来のように固定支柱近傍に縦向き
のアクチュエータを配置するような構造に比べて、バー
の固定側端部近くまで、自動二輪車の中空管部に挿通す
ることができる。すなわち、バーの挿入作業時、二輪車
の重心をバーの固定端側に寄せることができ、これによ
っても、支持が向上する。
【0075】
【0076】
【0077】請求項3記載の発明のように、傾斜制御機
構として、固定支柱配置側の端部に、所定荷重以上の荷
重により縮小するダンパーを設け、自動二輪車の重さを
利用して、スタンド全体と共にバーを傾斜させるように
する場合には、構造が簡単である。
【0078】請求項4記載の発明のように、昇降部材
を、固定支柱間に配置し、固定支柱と略同じ垂直面内で
上下揺動する上下のリンク機構により、昇降部材を昇降
自在に支持することにより、固定支柱の前側のスペー
ス、すなわち自動二輪車の配置スペースを広く確保で
き、タイヤ交換作業等がし易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願請求項1及び2記載の発明を適用した自
動二輪車のスタンドの左側面図である。
【図2】 上昇位置の状態を示す第1図と同じ部分の左
側面図である。
【図3】 図1の平面図である。
【図4】 図1のIV−IV断面図である。
【図5】 図4のV−V断面図である。
【図6】 連結リンクの拡大縦断面図である。
【図7】 図1のVII−VII断面図である。
【図8】 図7のVIII−VIII断面図である。
【図9】 自動二輪車の左側面略図である。
【図10】 別の実施例の左側面図である。
【図11】 図10の平面図である。
【図12】 図10のXII矢視図である。
【図13】 ベルクランクの変形例を示す左側面図であ
る。
【図14】 図13のXIVーXIV断面図である。
【符号の説明】
1 基台 8 空気圧シリンダ(アクチュエータ) 9 伸縮ロッド(伸縮駆動部材) 13 ベルクランク 14 固定支柱 21 昇降部材 24,25 リンク機構(傾斜制御機構) 30 バー 99 ダンパー(傾斜制御機構)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台と、この基台に立直姿勢に固定され
    た固定支柱と、該固定支柱に昇降自在に支持された昇降
    部材と、昇降部材に片持支持され基台と概ね平行に延び
    て自動二輪車の中空管部に挿通可能なバーと、昇降部材
    を昇降するためのアクチュエータを備えた自動二輪車の
    スタンドにおいて、昇降部材を上下のリンク機構を介し
    て固定支柱に昇降自在に支持し、上側リンク機構の長さ
    を下側リンク機構の長さよりも短くなるように調整自在
    とすることにより、バー上昇位置の時に、バーを、先端
    側が固定側よりも上方にくる姿勢に制御する傾斜制御機
    構を備えたことを特徴とする自動二輪車のスタンド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動二輪車のスタンドに
    おいて、伸縮駆動部材を有するアクチュエータを、基台
    に沿って倒伏姿勢で配置し、上記伸縮駆動部材に、ベル
    クランクを介して昇降部材を連結したことを特徴とする
    自動二輪車のスタンド。
  3. 【請求項3】 基台と、この基台に立直姿勢に固定され
    た固定支柱と、該固定支柱に昇降自在に支持された昇降
    部材と、昇降部材に片持支持され基台と概ね平行に延び
    て自動二輪車の中空管部に挿通可能なバーと、昇降部材
    を昇降するためのアクチュエータを備えた自動二輪車の
    スタンドにおいて、基台の固定支柱配置側の端部に、所
    定荷重以上の荷重により縮小するダンパー機構を傾斜姿
    勢制御機構として設け、バー上昇時に、自動二輪車の荷
    重によりダンパー機構が圧縮してスタンド全体が後ろ倒
    れ状態となるようにしていることを特徴とする自動二輪
    車のスタンド。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の自動二輪車のスタンドに
    おいて、昇降部材を固定支柱間に配置し、固定支柱とほ
    ぼ同じ垂直面内で上下揺動する上下のリンク機構によ
    り、昇降部材を昇降自在に支持していることを特徴とす
    る自動二輪車のスタンド。
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