JP2723686B2 - 固体撮像装置およびその製造方法 - Google Patents

固体撮像装置およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感度向上に有効なマイク
ロレンズを備えた固体撮像装置およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、固体撮像装置の小型化、高画素化
に伴う受光部面積の減少による感度およびS/N比の低
下が問題となっている。この問題を解決するために、受
光部の上にマイクロレンズを備えた固体撮像装置が利用
されるようになってきた。
【0003】以下に従来の固体撮像装置について説明す
る。図5は従来の固体撮像装置の要部断面図である。図
5において、1はシリコンからなる半導体基板、2はフ
ォトダイオードからなる受光部、3はアルミニウムから
なる遮光部、4はアクリル系透明膜からなる平坦化層、
5はゼラチン系レジストからなり所望の色に染色された
色フィルター層、6はアクリル系透明膜からなる中間
層、7はアクリル系樹脂からなり断面が半円状に形成さ
れたマイクロレンズである。
【0004】以上のように構成された固体撮像装置につ
いて、以下その動作を説明する。まず、受光部2の上方
だけでなく遮光部3の上方にも入射された光がマイクロ
レンズ7を通り集光され、そして中間層6を通り、さら
に所望の波長をもった光のみが色フィルター層5を通
り、さらに平坦化層4を通り、受光部2に入射する。さ
らに受光部2に入射した光はその量に応じて受光部2で
信号電荷に変換される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、図6に示すように、光が固体撮像装置に
対して斜めから入射した場合、すなわちビデオカメラの
絞りを開放にした場合、マイクロレンズ7のすそに入射
してきた光は受光部2に集光されず、固体撮像装置の感
度が効果的に向上しないという課題を有していた。
【0006】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、ビデオカメラのレンズ絞りに影響されることなく、
効果的に感度を向上させることのできる固体撮像装置お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の固体撮像装置は、受光部に対応して第1のレ
ンズ体が上に凸形状となるよう形成され、第1のレンズ
体を第2のレンズ体が覆い、第2のレンズ体は第1のレ
ンズ体を覆う凸形状の上部ではほぼ同じ第1の膜厚で、
かつすそでは第1の膜厚より厚く形成されている。また
本発明の固体撮像装置の製造方法は、受光部に対応して
第1のレンズ体を上に凸形状となるよう形成する工程
と、第1のレンズ体を第2のレンズ体が覆い、第2のレ
ンズ体は第1のレンズ体を覆う凸形状の上部ではほぼ同
じ第1の膜厚で、かつすそでは第1の膜厚より厚く形成
する工程を有するものである。
【0008】
【作用】この構成によって、マイクロレンズのすそに入
射した光は入射角が小さくなるため、屈折角が小さくな
って受光部に集光されるため、ビデオカメラのレンズ絞
りの影響を受けず、固体撮像装置の感度を向上させるこ
とができる。
【0009】
【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0010】図1は本発明の一実施例における固体撮像
装置の要部断面図である。図5に示す従来例と同一箇所
には同一符号を付して、詳細説明を省略した。なお、7
は固体撮像素子の受光部2の上に光透過率の高い材料で
形成した断面が部分半円状のマイクロレンズ(以下、部
分半円状レンズと称する)、8は部分半円状レンズ7の
すそに逆円弧状に広がった領域(以下、逆円弧状領域と
称する)9を設けた層(以下、入射角補正層と称する)
である。最終的には部分半円状レンズ7と入射角補正層
8からなるマイクロレンズ10が受光部2の上に形成さ
れたことになる。入射角補正層8は、部分半円状レンズ
7の上部ではほぼ同じ膜厚であるが、すその逆円弧状領
域では上部での膜厚より厚く形成されていることにな
る。
【0011】以上のように構成された固体撮像装置につ
いて、以下にその動作について説明する。図1に示すよ
うに、光が固体撮像装置に対して垂直に入射したとき
は、受光部2の上方だけでなく遮光部3の上方に入射し
た光もマイクロレンズ10を通り集光され、そして中間
層6を通り、さらに所望の波長をもった光のみが色フィ
ルター層5を通り、さらに平坦化層4を通り、受光部2
に入射する。さらに受光部2に入射した光はその量に応
じて信号電荷に変換される。一方、光が固体撮像装置に
対して斜めに入射したときの状態を図2に示したが、こ
のときも受光部2の上方に入射した光はもちろん、遮光
部3の上方、すなわちマイクロレンズ10の逆円弧状領
域9に入射した光もマイクロレンズ10に対する入射角
が小さく、あまり屈折しないため、固体撮像装置に対し
て垂直に入射したときとほぼ同等の集光効果を得ること
ができる。
【0012】次に本発明の一実施例における固体撮像装
置の製造方法について、図1を参照しながら説明する。
まず半導体基板1の上に、受光部2、遮光部3、アクリ
ル系透明膜による平坦化層4、色フィルター層5からな
る固体撮像素子を形成する。次に、色フィルター層5が
形成された固体撮像素子の上に平坦化層4で使用したも
のと同じアクリル系透明膜を塗布し、中間層6を形成す
る。なお中間層6の膜厚はマイクロレンズ10の効果を
最大限に上げるために、中間層4の上面までの距離が9
μm程度となるように塗布膜厚を調節する。次に、光透
過率の高い材料、例えばg線に感光性をもつポジ型のア
クリル系樹脂を全面に2〜3μmの膜厚で塗布する。プ
リベーク後、受光部2の上にドット状のパターンが残る
ように露光、現像を行う。その後150〜200℃の温
度で熱フローすることにより断面が部分半円状レンズ7
が形成される。その後中間層6で使用したものと同じア
クリル系透明膜を20〜30cpに粘度調合し、膜厚が
0.3〜0.5μmとなるように全面に塗布することに
より、すその断面形状が受光部に対して20〜70°に
だれた、上に凹の入射角補正層8が形成される。なお、
これらのアクリル系透明膜は表面保護膜としても作用す
る。
【0013】以上のように本実施例によれば、マイクロ
レンズ10に対する光の入射角に関係なく、すなわちビ
デオカメラのレンズの絞り状態に関係なく、遮光部3の
上方に入射した光も受光部2に集光することができる。
また暗い場所を撮影する場合、レンズ絞りを開放にする
ので、本実施例のようにマイクロレンズ10のすその表
面を凹状に形成することにより、暗い場所を撮影する場
合も固体撮像装置の感度が向上し、高感度で撮影するこ
とができ非常に有用である。
【0014】なお、以上の実施例では、マイクロレンズ
10の断面を上に凹の形状としたが、断面形状を図3ま
たは図4に示すように台形状マイクロレンズ11として
も同様の効果が得られる。なお、図3は光が固体撮像装
置に対して垂直に入射した場合、図4は光が固体撮像装
置に対して斜めに入射した場合である。
【0015】また、本実施例では半導体基板の上に形成
された固体撮像素子の上に直接カラーフィルター層を形
成するカラー固体撮像装置について説明したが、カラー
フィルター層を形成しない白黒固体撮像装置でも同様の
効果がある。
【0016】以上のように本発明は、受光部に対応して
第1のレンズ体が上に凸形状となるよう形成され、第1
のレンズ体を第2のレンズ体が覆い、第2のレンズ体は
第1のレンズ体を覆う凸形状の上部ではほぼ同じ第1の
膜厚で、かつすそでは第1の膜厚より厚く形成すること
により、ビデオカメラのレンズ絞りの状態に関係なく感
度を向上させることのできる優れた固体撮像装置および
その製造方法を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における固体撮像装置の要部
断面図
【図2】本発明の一実施例における固体撮像装置で光が
斜めに入射したときの状態を説明する固体撮像装置の要
部断面図
【図3】本発明の一実施例におけるマイクロレンズが台
形状で光が垂直に入射したときの固体撮像装置の要部断
面図
【図4】本発明の一実施例におけるマイクロレンズが台
形状で光が斜めに入射したときの状態を説明するための
固体撮像装置の要部断面図
【図5】従来の固体撮像装置の要部断面図
【図6】従来の固体撮像装置で光が斜めに入射したとき
の状態を説明するための固体撮像装置の要部断面図
【符号の説明】
1 半導体基板 2 受光部 9 逆円弧状領域(すその表面が凹の逆円弧状に広がっ
た領域) 10 マイクロレンズ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に受光部を有する固体撮像
    素子が形成され、前記固体撮像素子上に前記受光部に対
    応し第1のレンズ体が上に凸形状となるよう形成され、
    前記第1のレンズ体を第2のレンズ体が覆い、前記第2
    のレンズ体は前記第1のレンズ体を覆う前記凸形状の上
    部ではほぼ同じ第1の膜厚で、かつすそでは前記第1の
    膜厚より厚く形成されていることを特徴とする固体撮像
    装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に受光部を有する固体撮像
    素子を形成する工程と、前記固体撮像素子上に前記受光
    部に対応して第1のレンズ体を上に凸形状となるよう形
    成する工程と、前記第1のレンズ体を前記第2のレンズ
    体が覆い、前記第2のレンズ体は前記第1のレンズ体を
    覆う前記凸形状の上部ではほぼ同じ第1の膜厚で、かつ
    すそでは前記第1の膜厚より厚く形成する工程を有する
    固体撮像装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 第1のレンズ体の断面がおおむね部分半
    円状の形状あるいは台形の形状であることを特徴とする
    請求項1記載の固体撮像装置。
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