JP2723585B2 - 投射型液晶表示装置 - Google Patents

投射型液晶表示装置

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JP2723585B2
JP2723585B2 JP1010694A JP1069489A JP2723585B2 JP 2723585 B2 JP2723585 B2 JP 2723585B2 JP 1010694 A JP1010694 A JP 1010694A JP 1069489 A JP1069489 A JP 1069489A JP 2723585 B2 JP2723585 B2 JP 2723585B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、投射型液晶表示装置に関し、特に液晶表示
素子の表示画像をスクリーン面に投影する投射型液晶表
示装置に関する。
〔従来の技術〕
投射型液晶表示装置は、液晶表示素子の表示画像をス
クリーン面に投影するものであり、拡大して投影するこ
とのできるものでもある。
第3図には、従来の投射型液晶表示装置が示されてい
る。
第3図に示すように、この場合の投射型液晶表示装置
は、ハロゲンランプやキセノンランプ等の光源41、TN
(ツイステッド・ネマティック)型液晶を用い画像を形
成する液晶表示素子42、および液晶表示素子42の表示画
像を光源41からの投射光45を用いてスクリーン44に拡大
投影するための投射レンズ43とから主に構成されてい
る。このような投射型液晶表示装置は、小型の液晶表示
素子42の表示画面を投射レンズ43でスクリーン44上に任
意の大きさに拡大投影することにより、大画面の画像を
容易に得ることができ、かつ装置が非常にコンパクトで
ある。
また、投射型液晶表示装置は、スライドフィルムや8
ミリフィルム等を拡大投影する映写機に比べて、液晶表
示素子という電子ディスプレイを用いているので、テレ
ビ放送信号やビデオ信号等からの画像再生が可能である
という特徴がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、従来の投射型液晶表示装置にあっては、より
横長の画面を得ようとする場合に、光利用効率などの面
で問題が生ずる。
一般に、映像を大画面表示する場合、画面の形状は映
画のように横長にした方が観察者の疲労は少なく、かつ
臨場感や画面の迫力を出すことができるといわれてい
る。このような画面形状の有用性は、その他の一般の表
示画面の場合についてもいえることであるが、特に、高
解像度、高画質が得られるものとして期待されているハ
イビジョンの場合も、画面の縦横比は9:16であり、通常
のTV画面の縦横比3:4に比べて画面形状は横に長くなっ
ている。
そこで、投射型液晶表示装置においても、このような
画面形状とするときには、使用液晶表示素子として横長
の液晶表示素子を用い、これを光源からの投射光によっ
て照明して横長の画面を形成することとなるが、このよ
うな横長の画面を従来の投射型液晶表示装置で実現しよ
うとする場合、光源からの投射光がその横長の液晶表示
素子全体を照明するには、少なくとも液晶表示素子の外
接円以上の円形で照明することになる。ここで液晶表示
素子以外の部分の光は投射画面には利用されず、液晶表
示素子の形状が横に長い長方形になる程、利用されない
光量が増えることになる。その結果、光源からの光利用
効率が低くなり、投射画面は暗くならざるを得ない。ま
た、投射画面の中央と左右両端とでは輝度の差が大きく
なるという問題点も生じてくることになる。
更に、これらの難点を図を用いてより詳しく説明す
る。
第4図は従来例の問題点を説明するための図である。
第4図(a)において、光源21からの投射光27は集光
レンズ23で集光され、液晶表示素子22を照明する。ここ
で、液晶表示素子22の画面形状が横に長い場合、例えば
ハイビジョンと同様に画面の縦横比が9:16の場合、投射
光27は、液晶表示素子22を第4図(b)に示すように照
明することになる。図から明らかなように、投射光27に
おいて図の斜線で示した部分は画面の投射には利用され
ず、液晶表示素子22の形状が横長になる程その領域は広
くなる。従って、光源からの光利用効率は、縦横比が3:
4の場合に比べて低くならざるを得ない。
また、投射光27の強度分布は、光源21の発光点が有限
な大きさを持つため、中央が強く、周辺部が弱いので、
液晶表示素子22上の照度は、第4図(c)に示すよう
に、中央と左右両端とでの差が大きい分布になる。この
照度分布が投射画面の輝度分布に反映するため、投射画
面は中央が明るく、周辺部が極端に暗くなってしまうと
いう問題点が生じる。
本発明の目的は、横長の画面を投影する場合にも、光
源の光利用効率が高く、かつ画面輝度の均一性も良くす
ることのできる投射型液晶表示装置を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、有限な大きさ
の発光点からなる光源と、画面の縦横比が9:16程度に横
長の液晶表示素子とを有し、液晶表示素子の表示画像を
スクリーン面に拡大投射する投射型液晶表示装置におい
て、前記光源からの光束は光源の光軸上で強度が最も高
く、光軸から離れるにしたがって強度が低くなる強度分
布の不均一性を有し、前記光束を強度分布の不均一性が
ほぼ等しい二つの光束に分離するビームスプリッタと、
その二つの光束の少なくとも一方の光束を偏向する光束
反射素子とを前記光源と前記液晶表示素子との間に設
け、前記液晶表示素子面上で前記二つの光束の強度の高
い部分がそれぞれ前記液晶表示素子の中心から対称に離
れた位置を照明し、かつ、前記二つの光束の強度の低い
部分が互いに一部重ね合わさるように照明することによ
り、強度分布のほぼ一様な光束で前記液晶表示素子を照
明することを特徴とする。
〔作用〕
本発明では、ビームスプリッタと光束反射素子とを設
け二光束で液晶表示素子を照明することができ、画面の
投射に利用されない領域が小さくなると同時に、強度分
布も周辺部との差の少ないものとなり、横長の画面を投
影するときでも、その場合の光源の光利用効率を高め、
かつ均一な画面輝度が得られるような投射型液晶表示装
置が実現可能である。
〔実施例〕
次に、本発明について図面を参照して説明する。
第1図は、本発明の一実施例を説明するための投射型
液晶表示装置の平面図である。
本実施例装置は、第1図に示すように、光源1と、液
晶表示素子2と、投射レンズ3とを備えており、投射レ
ンズ3の前方には液晶表示素子2の表示画像が投影され
るスクリーン6が配置される。
液晶表示素子2は、後述もするように、縦横比が例え
ば9:16の横に長い液晶表示素子であり、このような液晶
表示素子2と光源1との間には、本実施例では、ビーム
スプリッタ4とミラー5とが設けられている。これら
は、二つの光束で液晶表示素子2を照明するために用い
られるものであって、ビームスプリッタ4は、光源1か
ら光束を二つの光束に分離するのに使用され、また、ミ
ラー5は、その二つの光束の少なくとも一方の光束を偏
向する光束反射素子を構成するものである。
図示の例では、光源1からの光束である投射光7がビ
ームスプリッタ4により投射光8と投射光9との二つの
光束に分離されるようになっていると共に、ミラー5
は、そのうちの投射光9の光束中に配されており、この
ミラー5によって投射光9が反射されて投射光10とさ
れ、上記投射光8と共に液晶表示素子2を照明するよう
になっている。
投射レンズ3については、このように投射光8と投射
光10で照明された液晶表示素子2の表示画像がスクリー
ン6に結像するように配置されている。
上述のように、本実施例では、光源1と、液晶表示素
子2と、投射レンズ3とから少なくとも構成され、液晶
表示素子2の表示画像をスクリーン面に投影する投射型
液晶表示装置において、光源1と液晶表示素子2との間
に、光源1からの光束を二つの光束に分離するビームス
プリッタ4と、前記二つの光束の少なくとも一方の光束
を偏向する光束反射素子としてのミラー5とを設け、前
記二つの光束で液晶表示素子2を照明するようになって
いる。
上記構成の投射型液晶表示装置において、液晶表示素
子2の表示画像のスクリーン6への投影は、次のように
して行われる。
第1図において、光源1は投射光7を発生し、投射光
7はビームスプリッタ4で投射光8と投射光9の二つの
光束に分離される。投射光8は、そのまま液晶表示素子
2を照明し、一方、投射光9はミラー5でその進行方向
が投射光8の進行方向とほぼ等しくなるように反射さ
れ、投射光10として液晶表示素子2を照明する。
このように、光源1と液晶表示素子2との間にビーム
スプリッタ4とミラー5とを配置し、光源1からの投射
光7を分離した二つの光束で液晶表示素子2を照明する
ことができる。すなわち、投射光8と投射光10の二つの
光束で横に長い画面形状を有する液晶表示素子2を照射
することとなる。
既述したように、投射レンズ3は、投射光8と投射光
10で照明された液晶表示素子2の表示画像をスクリーン
6に結像するように配置されていて、上記のように液晶
表示素子2が照明されたとき、液晶表示素子2に表示さ
れた画像をスクリーン6上に拡大投影することで、大画
面映像を表示することができると共に、横に長い表示画
面の場合でも、光源1の光利用効率が高い状態で、しか
も、画面輝度の均一性が良い状態で大画面表示を行うこ
とができる。
これは、次のように説明することができる。
第2図は、前記第4図の場合のものと対比して述べる
ための本発明の原理説明に供する図である。
既述したように、従来装置による構成の場合には、第
4図(b),(c)に示したように、光利用効率が低く
なり、また強度分布も差が大きいものとなるのに対し、
ビームスプリッタと光束反射素子を用いる本発明に従う
構成によれば、第2図(a)に示すように、光源31から
の投射光は、ビームスプリッタ34で投射光37と投射光38
の二つの光束に分離された後、投射光38は光束反射素子
35でその進行方向が投射光37とほぼ等しくなるように反
射されて投射光39となり、それぞれ投射光37と投射光39
とで液晶表示素子32を照明する。この場合、投射光37と
投射光39は、第2図(b)に示すように、一部が互いに
重なり合うように、液晶表示素子32を照明することにな
る。明らかに、第4図(b)と比較して、画面投射には
利用されない図の斜線部分の面積は非常に小さく、光源
からの光利用効率は高くなっている。
また、液晶表示素子32の照度分布についても、投射光
37と投射光39の二光束は、液晶表示素子32の中央から左
右にそれぞれ離れた位置を中心として照明しているた
め、第4図(c)に比べて、第2図(c)に示すように
一様性を著しく向上することができる。従って、投射画
面の輝度の均一性も従来性に比べて良くなる。
このように、投射型液晶表示装置において、光源と液
晶表示素子との間に、ビームスプリッタと光束反射素子
とを設け二光束で液晶表示素子を照明することにより、
横長の画面を投射する場合の光源の光利用効率を高め、
かつ均一な画面輝度を得ることができる。
以下は、第1図に示した構成の投射型液晶表示装置に
おいて、それぞれ使用した光源1、液晶表示素子2、ビ
ームスプリッタ4、ミラー5等についての具体例であ
る。
光源1については、本実施例では、ハロゲンランプや
キセノンランプ等輝度の高い白色光源を用いた。また、
図には明示していないが、投射光7により他の部品が劣
化するのを防ぐため、投射光7は、可視光のみを透過す
るフィルターを通している。
また、ビームスプリッタ4は、ガラス基板上にアルミ
ニウムやクロム等の金属膜や誘電体多層膜等を蒸着して
形成したハーフミラーであり、可視光の波長の光を一様
に、また透過光と反射光とをほぼ二光束の強度が等しく
なるように分離できるものを用いた。この他に、二つの
直角プリズムの一方の斜面に半透膜をコートして斜面ど
うしを接合したキューブタイプのビームスプリッタも用
いることができる。
更に、ミラー5は、アルミニウムの表面鏡であるが、
特に誘電体多層膜等により反射率を高めた増反射ミラー
を用いた。また、斜面において全反射条件を満たす直角
プリズムを用いても反射光の損失を少なくできる。
更にまた、液晶表示素子2に関しては、これは本実施
例では、TN(ツイステッド・ネマティック)型液晶セル
であり、薄膜トランジスタを各画素ごとにマトリクス状
に配列させ、液晶を駆動するアクティブマトリクス型の
ものを用いたが、他のもの、すなわち単純マトリクス
型、あるいは薄膜ダイオードを配列させたアクティブマ
トリクス型等の液晶表示素子でも良い。ここで、表示画
面の形状は、既述したように、縦横比がハイビジョンの
場合と同様の比率のもの、すなわち9:16と横に長ものを
用いた。
以上の構成のものを用いて実際に拡大投影を行わせた
ところ、投射光8と投射光10の二つの光束で、横に長い
画面形状を有する液晶表示素子2を照明することによ
り、光源からの光利用効率を高めることができ、かつ、
画面輝度の均一性が良くなった。
なお、第1図の構成において、液晶表示素子2による
画像については、白黒表示の場合、カラーフィルターを
内蔵したカラー表示の場合のいずれにも適用できる。ま
た、投射光8,投射光10をダイクロイックフィルタで赤,
青,緑の三色に分離し、それぞれ三枚の液晶表示素子に
入射させ、再びダイクロイックフィルタで合成してカラ
ー表示を行う場合についても、同様の投射型液晶表示装
置が得られる。
更にまた、表示画面については、テレビ放送信号やビ
デオ信号を入力して再生したものでも良いし、パーソナ
ルコンピュータやワードプロセッサで作成したキャラク
タやグラフ等を表示させても良い。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、光源と液晶表
示素子との間に設けたビームスプリッタと光束反射素子
とを使用し、光源からの光束を分離した二つの光束で液
晶表示素子を照明することができるので、横に長い表示
画面の場合でも、光源の光利用効率が高く、かつ画面輝
度の均一性が良い画面表示を実現できる投射型液晶表示
装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る投射型液晶表示装置を
説明するための平面図、 第2図は本発明の原理説明に供する図、 第3図は従来例を説明するための図、 第4図は従来例の問題点を説明するための図である。 1,31……光源 2,32……液晶表示素子 3……投射レンズ 4,34……ビームスプリッタ 5……ミラー 6……スクリーン 7〜10,37〜39……投射光 35……光束反射素子
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−102626(JP,A) 特開 昭63−121821(JP,A) 特開 昭62−299943(JP,A) 特開 昭61−122626(JP,A) 特開 昭61−90584(JP,A) 実開 昭63−150922(JP,U) 実開 昭62−155583(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有限な大きさの発光点からなる光源と、画
    面の縦横比が9:16程度に横長の液晶表示素子とを有し、
    液晶表示素子の表示画像をスクリーン面に拡大投射する
    投射型液晶表示装置において、前記光源からの光束は光
    源の光軸上で強度が最も高く、光軸から離れるにしたが
    って強度が低くなる強度分布の不均一性を有し、前記光
    束を強度分布の不均一性がほぼ等しい二つの光束に分離
    するビームスプリッタと、その二つの光束の少なくとも
    一方の光束を偏向する光束反射素子とを前記光源と前記
    液晶表示素子との間に設け、前記液晶表示素子面上で前
    記二つの光束の強度の高い部分がそれぞれ前記液晶表示
    素子の中心から対称に離れた位置を照明し、かつ、前記
    二つの光束の強度の低い部分が互いに一部重ね合わさる
    ように照明することにより、強度分布のほぼ一様な光束
    で前記液晶表示素子を照明することを特徴とする投射型
    液晶表示装置。
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