JP2723579B2

JP2723579B2 - 燃料噴射ポンプ

Info

Publication number: JP2723579B2
Application number: JP63504675A
Authority: JP
Inventors: ブリユネル，アンドレ
Original assignee: Robert Bosch GmbH
Current assignee: Robert Bosch GmbH
Priority date: 1987-07-06
Filing date: 1988-06-11
Publication date: 1998-03-09
Anticipated expiration: 2013-03-09
Also published as: DE3722265A1; JPH02500852A; KR890701896A; EP0322426B1; DE3875935D1; CN1030458A; KR950006882B1; EP0322426A1; US4976236A; WO1989000243A1

Description

【発明の詳細な説明】〔技術分野〕本発明は、請求の範囲第１項の上位概念において規定
した形式の内燃機関用の燃料噴射ポンプから出発する。

〔背景技術〕

西独国特許出願公開第29 03 482号明細書又は西独国
特許出願P36 12 942.9号明細書に基づいて公知になつて
いる斯かる燃料噴射ポンプでは、ポンプピストンの吐出
ストローク中に噴射ノズルへ圧送される燃料量は噴射ノ
ズルの唯一の開放位相中に内燃機関のシリンダ内へ噴射
される。吐出時間ひいては燃料噴射量は電気的な切換弁
の閉弁時点と開弁時点とによつて規定される。切換弁の
閉弁と共にポンプ作業室が閉塞されるので、ポンプピス
トンストロークに伴つて吐出圧は昇圧し、また切換弁の
開弁と相俟つてポンプ作業室は放圧室と連通され、これ
によつてポンプ作業室内の圧力は衝撃的に低下し、噴射
ノズルは閉じ、それに伴なつて噴射は終了する。

デイーゼル機関では特にアイドリング運転時及び低回
転数時においては、噴射混合気の衝撃的な燃焼によつて
前記の所謂、直接噴射は重大な騒音問題を怠起する。し
かしながら、例えば西独国特許出願公開第34 44 234号
明細書又は西独国特許出願公開第35 11 492号明細書に
基づいて公知になつているように、燃料噴射量を、比較
的少量の前噴射量と、内燃機関の回転数及び負荷に関連
した主噴射量とに分けることによつて顕著な騒音低下が
得られる。

しかも西独国特許出願公開第34 44 234号明細書によ
れば、ラジアルピストンを備えた分配型燃料噴射ポンプ
では吐出ストローク中に分配ピストンの回動によつて放
圧口が開制御され、該放圧口はポンプ作業室を規定容積
の貯え室と接続する。この場合、噴射ノズルへ圧送され
る吐出量から、吐出ストローク中にコンスタントな吐出
容量分が分岐され、これによつてポンプ作業室内の吐出
圧は噴射ノズルの開放圧以下に低下し、ひいては該噴射
ノズルは閉鎖する。これを以て燃料前噴射は終了する。
しかしポンプピストンの吐出ストロークの続行によつて
再び吐出圧が昇圧するに伴なつて噴射ノズルは再び開
き、かつ主噴射期のあいだ残りの燃料噴射量が噴射され
る。回動する分配ピストンが、燃料貯蔵室に通じる制御
開口を開制御すると直ちに主噴射期は終了する。

西独国特許出願公開第35 11 492号明細書によればア
キシヤルピストンを備えた分配型燃料噴射ポンプでは、
ポンプ作業室に接続された貯え容量のコンスタントな貯
え室がポンプピストンの吐出ストローク中に電気的な切
換弁によつて解放される。これによつてポンプ作業室内
に圧力降下が生じることに基づいて噴射ノズルは閉じら
れかつ前噴射は終了する。主噴射の終期は、ポンプピス
トンの周面にシフト可能に装着されているリングスライ
ダの位置によつて規定され、該リングスライダはポンプ
ピストンの所定のストローク位置で放圧口を開放する。

最後に挙げた２つの公知の燃料噴射ポンプでは、燃料
噴射総量は、最初に説明した燃料噴射ポンプとは異なつ
て、電気的な切換弁によつてではなくて、分配ピストン
の回動位置もしくはリングスライダの軸方向位置によつ
て機械的に規定される。

〔発明の開示〕

請求の範囲第１項の特徴部分に記載した構成手段を有
する本発明の燃料噴射ポンプは、吐出開始時点と吐出終
了時点の制御が電気的な切換弁によつて構造的に簡単に
なるという以外に、前噴射量と主噴射量との配分も簡単
な形式で得られるという利点を有している。吐出終期並
びに吐出時間かつ又、前噴射及び主噴射の時点は、いか
なる場合にも構造上の干渉なしに変化することができ、
ひいては、回転数、吐出圧及び噴射ノズルのニードルス
トロークのような所定のパラメータに容易に適合され
る。本発明の燃料噴射ポンプは構造体積が僅かで切換弁
の互換が容易である点で優れている。両切換弁には同一
タイプの弁を使用することが可能である。

請求の範囲第２項以降の従属請求項において挙げた構
成手段によつて、請求の範囲第１項に開示した燃料噴射
ポンプの有利な実施態様と改良が可能になる。

請求の範囲第２項〜第７項に記載した本発明の実施態
様により、前噴射の終りと主噴射の始まりとの間の時間
間隔を極度に小さくすることが可能である。それという
のは両切換弁のいずれも相次いで切換えられることがな
いからである。すなわち１つの閉弁運動後に直ちに開弁
運動を、又はその逆の弁運動を行う必要はないからであ
る。主噴射開始時点は、例えば調整可能なストロークス
トツパによつて調節される貯えピストンストロークの設
定によつて調整することができる。

請求の範囲第５項及び第６項に記載した本発明の実施
態様によれば、貯えピストンのための制御室に起因する
無効容積を著しく小さくすることが可能である。

請求の範囲第８項に記載の手段に基づいても本発明の
有利な実施態様が得られる。規定の貯え容積を有する貯
え室を使用することなく第２切換弁の閉弁と開弁とによ
つて吐出容量を直接取出すことによつて、吐出期間を規
定する第１切換弁の切換周波数に不都合な影響を及ぼす
ことなく予噴射を制御することが可能になる。予噴射は
主噴射とは全く無関係に、かつ主噴射に反作用を及ぼす
ことなく調整することができる。また低回転数のために
はだだ予噴射だけを一要するに引続く主噴射なしに−行
うことも、また高回転数の場合には直接噴射を−要する
に燃料噴射量を前噴射量と主噴射量とに配分することな
しに−行うことも可能である。前者の予噴射だけの場合
には、予噴射を終らせるために第２切換弁を開弁したの
ち該第２切換弁は再び閉弁されず、また後者の直接噴射
の場合には第２切換弁は第１切換弁と同期制御される。
両者いずれの場合も第１切換弁の切換周波数、要するに
吐出開始時点及び吐出終了時点は、予噴射の規定によつ
て影響を受けることはない。両切換弁のいずれか一方が
故障した場合には、故障していない方の切換弁を開弁す
ることによつて緊急停止を付加的に生ぜしめることが可
能である。

〔図面の簡単な説明〕

第１図はラジアルピストンを有する分配型燃料噴射ポ
ンプの部分縦断面図、第２図は第１図に示した燃料噴射
ポンプの作用態様を説明するために略示したカム面の展
開図、第３図は第１図に示した燃料噴射ポンプのポンプ
作業室における吐出圧の時間的経過線図、第４図は第２
実施例による燃料噴射ポンプの部分縦断面図、第５図は
第４図のＶ−Ｖ線に沿つた断面図、第６図は第３実施例
による燃料噴射ポンプの部分縦断面図である。

〔発明を実施するための最良の形態〕

第１図に部分的に縦断面して示したラジアルピストン
式の分配型燃料噴射ポンプはポツト状のケーシング10
と、該ケーシングを閉塞するカバー11とを有し、該カバ
ーは、ケーシング10の開放端部から嵌込まれておりかつ
該ケーシング10の底部（図示せず）と相俟つてポンプ内
室12を形成している。該ポンプ内室12は、低圧下にある
燃料で充填されており燃料貯え兼放圧室として使用され
る。ケーシング10の底部を通つて、第１図では軸線によ
つて略示した駆動軸13がガイドされている。ポンプ内室
12内では該駆動軸13は鉢形に拡大されておりかつその端
縁に沿つて、該駆動軸に対して相対回動不能に該駆動軸
に結合され、即ち該駆動軸と一緒に回転可能に該駆動軸
に結合されたカムリング14を支持している。該カムリン
グ14は内面に、半径方向内向きのカムを備えたカム面15
を有し、前記カムの数及び配列順序は、燃料噴射ポンプ
に内蔵されたラジアルピストンの数及び配列順序並びに
これらのラジアルピストンによつて駆動軸13の１回転当
り行われるピストンストロークの回数に適合されてい
る。駆動軸上には通常のように、前記ポンプ内室12に燃
料を満たすフイードポンプ（図示せず）が装着されてい
る。

また駆動軸13には分配ピストン16が該駆動軸13に対し
て相対回動不能に、即ち該駆動軸13と一緒に回転可能に
結合されており、該分配ピストンの軸線は駆動軸13の軸
線に整合している。分配ピストン16は、駆動軸13と結合
された端部を除いて分配シリンダ17内でガイドされてお
り、該分配シリンダは、駆動軸13の軸線に共軸に延びる
カバー11の孔内に保持されている。分配ピストン16の軸
方向位置は分配シリンダ17内で固定されている。カム面
15に近接して半径方向内向きに複数のガイド子18が設け
られており、該ガイド子は全周にわたつて均等に配分さ
れておりかつ分配ピストン16の近くまで達している。第
１図に示した分配型燃料噴射ポンプが、内燃掬関特にデ
イーゼル機関の全部で３つの噴射ノズルに燃料を供給す
る場合、第１図では１つしか示されていないが全部で３
つのガイド子18が設けられている。ガイド子８に共軸に
分配シリンダ17内には半径方向の貫通孔19が設けられて
おり、各貫通孔内には夫々１つのポンプピストン20が縦
方向摺動可能にガイドされている。前記ガイド子18内で
は夫々１つの所謂ローラタペツト21が摺動可能にガイド
されており、該ローラタペツトは転動体つまりローラ22
とタペツト受皿23とから成つている。該タペツト受皿23
の底と、分配シリンダ17内のガイド子18の基部とに支え
られているタペツトばね24がタペツト受皿23をローラ22
に圧着し、ひいては該ローラをカムリング14のカム面15
に圧着している。

各ポンプピストン20は半径方向の貫通孔19内でポンプ
作業室25を形成し、該ポンプ作業室の他方の端面は分配
ピストン16の周面に設けた環状溝26によつて形成され
る。該環状溝には、分配ピストン16の外周で軸方向に延
びる分配溝27と、該分配溝に平行に延びる連絡溝28とが
開口している。該連絡溝28は第２の環状溝29に達してお
り、該第２環状溝は前記第１の環状溝26から軸方向間隔
をおいて分配ピストン16の周面に配設されている。分配
シリンダ17の内部には１つの横断平面内で複数の噴射孔
30が開口し、該噴射孔は分配シリンダ17の全周にわたつ
て均等に配分されておりかつ分配シリンダ17とカバー11
とを通つて夫々１つの噴射ノズルにまで達している。分
配溝27の軸方向長さは、該分配溝が噴射孔30のポートの
横断平面内にまで入り込んで、従つて分配ピストン16の
回動位置に応じて３つの噴射孔30の１つを第１環状溝26
と連通させるように設計されている。第２環状溝29の範
囲では分配シリンダ17内に一側では流入孔32が、また他
側では半径方向の段付孔33が開口している。流入孔32は
電磁式の第１切換弁34の一方の弁接続口と接続されてお
り、また該切換弁の他方の弁接続口は、分配シリンダ17
内でポンプ内室12内にまで延在する流出孔35と連通して
いる。第１切換弁34の弁ケーシング36はその際、分配シ
リンダ17のシリンダ孔を同時にシールしつつ該分配シリ
ンダ17の端面上に載設されてキヤツプナツト67で以て分
配シリンダ17にねじ緊締されている。

半径方向の段付孔33内にはケーシング体37がねじピン
部38で以て螺入されており、該ケーシング体は、前記ね
じピン部38から離反した方の側で中空円筒形のカラー39
を有し、該カラー内には、電磁式の第２切換弁41の弁ケ
ーシング40が螺入されている。前記ケーシング体37は、
ねじピン部38の範囲を超えて長手方向に貫通して延びる
段付孔42を有し、該段付孔は、弁ケーシング40寄りの端
部で、軸方向孔43を有する栓体44によつて閉塞されてい
る。段付孔42の、小孔径をもつた孔区分内には貯えピス
トン45が軸方向に摺動可能にガイドされており、該貯え
ピストンは分配ピストン16の第２環状溝29と相俟つて貯
え室46を形成している。前記貯えピストン45は、段付孔
42の、大孔径をもつた孔区分内にまで入り込んでおりか
つ半径方向フランジ47と相俟つて、前記栓体44によつて
閉塞された貯えピストン45用の制御室48を形成してい
る。貯えピストン45は、一側で栓体44に、また他側では
半径方向フランジ47に支えられる戻しばね49によつて、
第１図に示した基本位置にプレロードがかけられてお
り、該基本位置では貯え室46の貯え容量は最小限であ
り、かつ僅かな無効容積を除けば零に等しい。圧縮コイ
ルばねとして構成された戻しばね49は、栓体44に一体成
形されたガイドピン上に位置し、該ガイドピンは貯えピ
ストン45用のストロークストツパ58を同時に形成してい
る。第２切換弁41を取外したのち栓体44を程度の差こそ
あれ強くねじ込むことによつて貯えピストン45の最大ス
トロークを、ひいては又、主噴射開始期を設定すること
が可能である。制御室48は軸方向孔43を介して、第２切
換弁41の一方の弁接続口と連通している。他方の弁接続
口は、弁ケーシング40内で延びる連通孔50を介して、分
配シリンダ17を取囲むカバー11に設けた環状溝51と接続
されており、該環状溝自体は斜向孔52を介してポンプ内
室12に接続されている。環状溝51の範囲で分配シリンダ
17内には、全周にわたつて均等に配分された３つの充填
孔53が配設されており、該充填孔を介してポンプ作業室
25は、ポンプピストン20の何れか１つの吸込ストローク
中に、分配ピストン16の第１と第２の環状溝26,29間の
連絡溝28が前記充填孔53の１つに重なる場合に常に充填
される。両切換弁34,41は同等に構成されており、か
つ、電磁石56,57により作動される弁部材54,55によつて
夫々弁ポート56,57を制御し、該弁ポートを介して夫々
両方の弁接続口は互に連通する。前記切換弁34,41の構
成と作用態様は西独国特許出願公開第35 23 536号明細
書に詳細に開示されている。

次に前記燃料噴射ポンプの作用態様を第２図及び第３
図と関連させて説明する。但し、第２図にはポンプピス
トン20の吸込ストロークと吐出ストロークを生ぜしめる
カム面15の部分的な展開図が略示されており、また第３
図にはポンプピストン20の吐出ストローク中にポンプ作
業室25内で発生する吐出圧の時間的な経過線図が示され
ている。

ローラタペツト21の接触しているカム面15の下り勾配
面では、対応したポンプピストン20は第１図では外向き
に移動する。連絡溝28は充填孔53に重なり、かつ、ポン
プ作業室25には、ポンプ内室12から斜向孔52、環状溝5
1、充填孔53、連絡溝28及び第１環状溝26を介して燃料
が充填される。貯えピストン45は遅くとも、ローラタペ
ツト21がカム面15上の部位１に到達した時に、貯え室46
の貯え容量が事実上零になる第１図の基本位置を占め
る。カム面15上の部位１と部位２との間の範囲ａにおい
て第２切換弁41が閉弁される。この場合第１及び第２切
換弁34,41の制御は、図示を省いた制御装置を介して行
われる。ローラタペツト21が部位２、つまりポンプピス
トン20の下死点、を超えてカム面15の上り勾配面の範囲
に達するとポンプピストン20の吐出ストロークが始ま
る。ローラタペツト21が点３に達すると、第１切換弁34
が閉弁される。いまや燃料は吐出圧を高めつつ（第３図
参照）第１環状溝26、分配溝27及び瞬間的に接続される
噴射孔30を介して１つの噴射ノズルへ圧送されて、そこ
で噴射される。ポンプ作業室25内の同じ吐出圧が第１環
状溝26、連絡溝28及び第２環状溝29を経て貯えピストン
45に作用する。第２切換弁41の閉弁と、これに基づく燃
料の充填された制御室48の閉止とによつて貯えピストン
45はロツクされているので、前記吐出圧は該貯えピスト
ンを押戻すことはできない。

時点３′（第３図）で第２切換弁41の励磁が断たれ
る。該第２切換弁は開弁し、それによつて制御室48は軸
方向孔43、連通孔50、環状溝51及び斜向孔52を介してポ
ンプ内室12と連通する。貯えピストン45に作用する吐出
圧は貯え室46の解放度を増しつつ貯えピストン45をシフ
トする。これに伴なつてポンプ内室25内の圧力は連続的
に低下する。ローラタペツト21がカム面15の部位４に達
した時点４では、制御室48の付加的な貯え容量によつて
ポンプ作業室25内の吐出圧は噴射ノズルの開放圧以下に
降下しているので、該噴射ノズルは閉じて前噴射は終了
した状態にある。カム面15に対するローラタペツト21も
しくはポンプピストン20の部位３と４との間の前噴射範
囲は第２図では比較的太い実線によつて明示されてい
る。部位４から部位５までのカム面15の上り勾配面にお
けるポンプピストン20の内向き運動は吐出圧の昇圧を生
ぜしめない。それというのは貯えピストン45が漸増的に
退避し、それに伴なつて、ポンプ作業室25に接続された
付加的な貯え容積を増大するからである。ローラタペツ
ト21が、ひいては又ポンプピストン20もカム面15上の部
位５に達すると、貯えピストン45はストロークストツパ
58に達し、該ストロークストツパによつて貯えピストン
のシフト運動は終る。いまや吐出圧は再び噴射ノズルの
開放圧以上に上昇し、かつ時点５（第３図）では燃料は
再び噴射ノズルを介して内燃機関のシリンダ内へ噴射さ
れる。時点５′において第１切換弁34の制御は中止さ
れ、これによつて該第１切換弁は開弁される。従つてポ
ンプ作業室25は第１環状溝26、連絡溝28、第２環状溝29
及び流出孔35を介してポンプ内室12と連通し、これによ
つてポンプ作業室25は急激に放圧される。吐出圧は著し
く迅速に噴射ノズルの開放圧以下にまで低下し、該噴射
ノズルは、ローラタペツト21ひいてはポンプピストン20
がカム面15上の部位６（第２図）に到達した時点６（第
３図）に閉じる。カム面15に対するローラタペツト21も
しくはポンプピストン20の部位５と６との間における主
噴射範囲は第２図では比較的太い実線で強調されてい
る。部位７においてポンプピストン20は上死点に達する
ので、ここからポンプピストンはその運動方向を反転し
かつカム面15の下り勾配面に沿つて再び吸込ストローク
を行う。カム面の範囲ｂ（第２図）内では、ポンプ作業
室25内の圧力、ひいては第２環状溝29内の圧力は、戻し
ばね49がピストンを、第１図に示した基本位置に押戻す
ほど低下されている。

制御室48を第２切換弁41の弁接続口と連通させる軸方
向弁43を絞りとして構成することによつて、又は制御室
48とポンプ内室12との間の部位に、例えばケーシング体
37内に延びる連通孔50内に絞りを設けることによつて、
時点３′（第３図）における第２切換弁41の開弁後の吐
出圧の低下が、例えば第３図で破線で示したような（範
囲β参照）所望の経過をとるように制御室48からの燃料
流出を絞ることが可能である。

分配型燃料噴射ポンプの、第４図及び第５図に示した
変化実施例では、貯え室46と制御室48とを取囲むケーシ
ング体37は省かれており、かつ第２切換弁41の弁ケーシ
ング40が、カバー11内に設けた、分配シリンダ17にまで
達する半径方向ねじ孔59内に直接螺入されている。やは
り半径方向フランジ47を有する貯えピストン45は、分配
シリンダ17内に設けた半径方向の段付孔60内に摺動可能
に直接支承されており、該段付孔は分配ピストン16の周
面に設けた第２環状溝29に開口している。段付孔60の、
より大きな孔径を有する孔区分が制御室48を形成してい
るのに対して、段付孔60の、より小さな孔径を有する孔
区分は貯えピストン45のシフト時に貯え室46を解放す
る。第１図では設けられていた戻しばね49は省かれてい
る。本実施例ではポンプピストン20の吸込ストローク時
の貯えピストン45の戻しは、制御室48内に支配する圧力
が貯えピストン45に対して、ポンプ作業室25ひいては第
２環状溝29内に支配する充填圧よりも大きなシフト力を
及ぼすことによつて、保証されている。これは、貯えピ
ストン45の、制御室48を制限するピストン面と貯え面46
を制限するピストン面とをそれ相応に構成することによ
つてか又は、ポンプ内室12と第２切換弁41との間及び／
又はポンプ内室12とカバー11内に設けた環状室51との間
に適当な弁機構を設けることによつて実現することがで
きる。第４図及び第５図に示した実施例では、該弁機構
は減圧弁61によつて略示されており、該減圧弁はポンプ
内室12を環状溝51と連通させるが、第２切換弁41は、符
号62で示した流入導管を介してポンプ内室12に直接接続
されている。前記減圧弁61はポンプピストンの吸込スト
ローク中に、制御室48内の燃料圧を保証し、該燃料圧は
ポンプ作業室25の充填圧を上回るので、貯えピストン45
は、第４図及び第５図に示した基本位置へ確実に戻され
る。因みにこの分配型燃料噴射ポンプの構成及び作用態
様は、第１図に示した分配型燃料噴射ポンプの構成多び
作用態様と実質的には異ならないので、本実施例では同
等の構成部分には同一の符号を使用した。

第６図に部分的にかつ縦断面図で示した分配型燃料噴
射ポンプのもう１つの実施例では、貯え室46が貯えピス
トン45及び制御室48と共に完全に省かれている。前噴射
を終らせるための、ポンプピストン20の吐出ストローク
中の燃料量の取出しは第２切換弁41の開閉によつて直接
生ぜしめられる。該第２切換弁41はキヤツプナツト63に
よつて、カバー11の雄ねじ山付突設部にねじ緊締されて
いる。第２切換弁の一方の弁接続口は、カバー11内で延
びる第１孔64を介してポンプ内室12と連通している。第
２切換弁の他方の弁接続口は、カバー11内で延びる第２
孔65と分配シリンダ17内の半径方向貫通孔66とを介して
分配ピストン16の周面に設けた第２環状溝29と連通して
いる。該分配型燃料噴射ポンプのその他の構造は第１図
に示した実施例に相応している。

第６図に示した分配型燃料噴射ポンプの作用態様を次
に第２図及び第３図と関連させて簡単に説明する。

吸込ストローク中、第２切換弁41は閉じられている。
時点３（第３図）に第１切換弁34は閉じられ、前噴射が
始まる。時点３′において第２切換弁41は開かれ、吐出
圧は低下し、かつ時点４で噴射ノズルは、吐出圧が噴射
ノズルの開放圧以下に降下したことに基づいて閉じ、こ
れを以て前噴射は終了する。時点５に第２切換弁41は再
び閉弁されるので、ポンプピストン20の吐出ストローク
の続行に伴なつて燃料が再び噴射ノズルへ圧送されて噴
射される。時点５′において第１切換弁34は開弁され、
これに伴なつて吐出圧が急激に低下する。時点６で主噴
射は終了する。容易に判るように主噴射に影響を及ぼす
ことなく、ただ第２切換弁41の開閉時点を選ぶことによ
つて前噴射を変化させることが可能である。同じく容易
に判るように、例えばアイドリング運転時又は低回転数
時には、時点５における第２切換弁41の再閉弁を省くこ
とによつて主噴射を完全に省くことが可能になる。また
高回転については、第２切換弁41を第１切換弁34と同期
に切換えることによつて、要するに第１と第２の切換弁
34,41を共に時点３で閉弁し時点５′で開弁することに
よつて直接噴射を容易に行うことが可能である。

本発明は、ラジアルピストンを備えた分配型燃料噴射
ポンプの前記実施例に限定されるものではない。本発明
は、西独国特許出願公開第35 11 492号明細書に開示さ
れているようなアキシヤルピストンを備えた分配型燃料
噴射ポンプ又は西独国特許出願公開第29 03 482号明細
書に開示されているような所謂ポンプノズルとして構成
された燃料噴射ポンプにも同等の形式で採用することも
できる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｆ０２Ｍ 41/14 ３４０Ｆ０２Ｍ 41/14 ３４０Ａ

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】内燃機関用の燃料噴射ポンプであって、ポ
ンプ作業室を制限する少なくとも１つのポンプピストン
を備えており、該ポンプピストンが吸込ストロークと吐
出ストロークとを行うためにカム駆動装置によって往復
動されて、吸込ストローク時に前記ポンプ作業室が燃料
貯蔵室特にポンプ内室から燃料を充填され、かつ吐出ス
トローク時に燃料が前記ポンプ作業室から接続した噴射
ノズルへ圧送されるようになっており、吐出時間ひいて
は噴射される燃料噴射量を制御する電気的に操作可能な
第１の弁を備えており、該弁が一方で前記ポンプ作業室
に、また他方で方圧室に接続されていて、閉弁によって
吐出開始時点を、また開弁によって吐出終了時点を確定
するようになっており、吐出ストローク中に燃料噴射量
を前噴射量と主噴射量とに分けるために前記ポンプ作業
室（25）から燃料容量が取出され、かつ該取出しの開始
が、吐出開始時点に閉弁しかつ前噴射終了時点に開弁す
る電気的に操作可能な第２の弁（41）によって制御され
るようになっている形式のものにおいて、電気的に操作
可能な第１の弁が第１の切換弁（34）であり、該切換弁
の電気的な調節駆動部が電圧負荷に際して該切換弁を第
１の切換位置に移動させかつ電圧供給中断時に該切換弁
を第２の切換位置に移動させるようになっており、第１
の切換弁（34）が前噴射量の高圧噴射の開始の制御のた
めに閉弁され、かつ主噴射の終了のために開弁されるよ
うになっており、電気的に操作可能な第２の弁（41）が
第２の切換弁として構成されており、該第２の切換弁の
切換調節によって、前記ポンプ作業室から流出する容積
流が制御され、かつ第２の切換弁の制御時点によって前
噴射の終了が第１の切換弁の閉鎖状態で規定されている
ことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
【請求項２】ポンプ作業室（25）には貯え室（46）が連
通し、該貯え室が、軸方向摺動可能な貯えピストン（4
5）によって制限されており、該貯えピストンが、前記
貯え室（46）から離反した方の端面で以て、燃料の充填
された制御室（48）を制限し、該制御室が第２切換弁
（41）を介して燃料貯蔵室特にポンプ内室（12）と接続
している、請求の範囲第１項記載の燃料噴射ポンプ。
【請求項３】制御室（48）内には、貯えピストン（45）
のストロークを制限する、殊に該貯えピストン（45）に
対する最大軸方向距離を設定可能なストッパ（58）が設
けられている、請求の範囲第２項記載の燃料噴射ポン
プ。
【請求項４】貯えピストン（45）には戻しばね（49）
が、該貯えピストン（45）を貯え室（46）の最小貯え容
積の方向にシフトする力を以て係合しており、該戻しば
ねのシフト力が、ポンプ作業室（25）内の吐出圧によっ
て前記貯えピストン（45）に及ぼされるシフト力よりも
小である、請求の範囲第２項又は第３項記載の燃料噴射
ポンプ。
【請求項５】制御室（48）内の圧力と貯え室（46）内の
圧力との比及び／又は貯えピストン（45）は、前記制御
室（48）内に支配する燃料圧が、前記貯え室（46）内に
支配するポンプ作業室（25）の充填圧よりも大きなシフ
ト力を前記貯えピストン（45）に及ぼすように構成され
ている、請求の範囲第２項又は第３項記載の燃料噴射ポ
ンプ。
【請求項６】貯え室（46）内に支配する充填圧よりも高
い制御室（48）内燃料圧を保証する弁機構（61）が設け
られている、請求の範囲第５項記載の燃料噴射ポンプ。
【請求項７】制御室（48）と燃料貯蔵室特にポンプ内室
（12）との間を第２切換弁（41）を介して連通させる連
通路内に絞りが配置されている、請求の範囲第２項から
第６項までのいずれか１項記載の燃料噴射ポンプ。
【請求項８】第２の電気的な切換弁（41）の一方の弁接
続口がポンプ作業室（25）に、また他方の弁接続口が放
圧室特にポンプ内室（12）に接続し、前記第２の切換弁
が主噴射開始と同時に改めて閉弁する、請求の範囲第１
項記載の燃料噴射ポンプ。
【請求項９】ラジアルピストンとして構成されたポンプ
ピストン（20）及びポンプ作業室（25）が駆動軸（13）
の軸線に対して半径方向に配置されており、カム駆動装
置が、カム面（15）をもったカムリング（14）及び、前
記ポンプピストン（20）と前記カム面（15）との間に配
置されたローラタペット（21）を有し、しかも前記カム
リング（14）又は、前記のローラタペット（21）とポン
プピストン（20）とから成る構成ユニットが駆動軸（1
3）と同期的に回転し、該駆動軸（13）には、該駆動軸
の軸線方向に延在して分配シリンダ（17）内を摺動する
分配ピストン（16）が該駆動軸（13）に対して相対回動
不能に結合されており、該分配ピストンが、ポンプ作業
室（25）の、ポンプピストン（20）から離反した方の側
を環状溝（26）によって制限しており、該環状溝（25）
には１つの分配溝（27）が開口しており、該分配溝が、
分配シリンダ（17）の内部で同一横断平面内で開口して
夫々１つの噴射ノズルに通じている複数の噴射孔（30）
を前記環状溝（26）と順次連通させ、前記分配ピストン
（16）が、軸方向の連絡溝（28）を介して前記環状溝
（26）と連通する第２の環状溝（29）を有し、該第２環
状溝は、前記分配シリンダ（17）内に設けられている２
つの開口をオーバーラップしており、しかも第１の開口
が流入導管（32）を介して第１切換弁（34）に、また第
２の開口が貯え室（46）にか又は導管（65,66）を介し
て第２切換弁（41）に接続されている、請求の範囲２項
から第８項までのいずれか１項記載の燃料噴射ポンプ。
【請求項１０】貯え室（46）が、第２の開口に共軸にケ
ーシング体（37）内に設けた半径方向孔（42）によって
形成されており、前記ケーシング体が、該半径方向孔と
共軸に分配シリンダ（17）内に設けた半径方向孔（33）
内に螺入されており、かつ殊に第２切換弁（41）が前記
ケーシング体（37）内にねじ締結されている、請求の範
囲第９項記載の燃料噴射ポンプ。
【請求項１１】貯え室（46）が、第２の開口に共軸に分
配シリンダ（17）内に設けた半径方向弁（60）によって
形成されており、かつ第２切換弁（41）が、前記半径方
向孔（60）と共軸にポンプケーシング内に設けたねじ孔
（59）に螺入されている、請求の範囲第９項記載の燃料
噴射ポンプ。