JP2723576B2 - エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂の製造方法

Info

Publication number
JP2723576B2
JP2723576B2 JP63326322A JP32632288A JP2723576B2 JP 2723576 B2 JP2723576 B2 JP 2723576B2 JP 63326322 A JP63326322 A JP 63326322A JP 32632288 A JP32632288 A JP 32632288A JP 2723576 B2 JP2723576 B2 JP 2723576B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
water
epichlorohydrin
epoxy resin
organic phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63326322A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02173032A (ja
Inventor
ゆかり 中根
晴比古 川上
隆良 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP63326322A priority Critical patent/JP2723576B2/ja
Publication of JPH02173032A publication Critical patent/JPH02173032A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2723576B2 publication Critical patent/JP2723576B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エポキシ樹脂の製造方法に関し、さらに詳
しくは一価又は多価フェノール化合物とエピクロルヒド
リンとを水酸化アルカリの存在下に反応させてエポキシ
樹脂を製造するに際して、反応系の水分をエピクロルヒ
ドリンと共沸蒸発させ、冷却凝縮後、水相と有機相とに
二相分液させた含水有機相を共沸脱水後、反応系に戻す
ことを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法に関するもの
である。
エポキシ樹脂は硬化剤の存在下で3次元化して熱硬化
物を与え、この硬化物はその優れた耐熱性、耐湿性、耐
薬品性、電気特性を生かし、電気・電子用、塗料用、土
木・建築用、接着剤等に広く用いられている。特に、近
年エレクトロニクス産業の著しい発展に伴い、電気・電
子部品として使用されているエポキシ樹脂、加水分解性
塩素の含有量を低くする事が重要課題となっている。
〔従来の技術〕
一般にエポキシ樹脂の製造方法としては二段法と一段
法が知られている。ポリグリシジルエーテルの製造法を
例にとると、二段法は原料のフェノール化合物をそのフ
ェノール性水酸基に対し5モル倍以上の大過剰のエピク
ロルヒドリンに溶解又は分散させ、四級アンモニウム塩
等の触媒の存在下に付加反応を進行させ、クロルヒドリ
ンエーテル化合物となし、その後に水酸化ナトリウムを
加えて脱塩酸反応を行って目的のエポキシ樹脂を得る方
法である。この場合、工程が二段階に分かれる為長時間
を有するという欠点があり、又、製造工程が複雑でコン
トロールしにくい等の欠点がある。
また、一段法は、原料のフェノール化合物をそのフェ
ノール性水酸基に対して3モル倍以上のエピクロルヒド
リンに溶解または分散させ、原料のフェノール化合物の
フェノール性水酸基と同モルの水酸化ナトリウムを装入
し、生成する水分をエピクロルヒドリンと共沸させて除
去しながら反応を進める方法であり、フェノール性水酸
基へのエピクロルヒドリンの開環付加反応によるクロル
ヒドリンエーテルの生成、それに続く脱塩酸反応による
エポキシ環の生成を同時に行う方法である。この製造方
法は、反応時間が短く、効率良くエポキシ樹脂を製造す
ることが可能である。この反応に用いられる水酸化アル
カリは水溶液であり、また反応により水が生成する。反
応系における水の存在はエポキシ環の開環重合、クロル
ヒドリンエーテルへのエピクロルヒドリンの付加、エピ
クロルヒドリンの加水分解等の副生が起こりやすく、そ
の結果オリゴマーやポリマーが副生し、目的とするエポ
キシ樹脂の収率が低下する。また、得られたエポキシ樹
脂の加水分解性塩素含有量も多い。この為に水分を除去
する方法として一般的にはエピクロルヒドリンと共沸蒸
発させ、凝縮後、分離した水相を抜き出し、エピクロル
ヒドリンを含む有機相を反応系に戻す方法が用いられて
いる。しかしながらこの方法でも有機相中に多量の水が
存在するため、工業的に充分満足する方法とは言えな
い。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、反応系中の水分を効率良く除き、加水分解
性塩素含有量の少ない高純度のエポキシ樹脂を一段法で
容易に製造する方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討し、
遂に本発明に至った。
即ち、本発明は、一価又は多価フェノール化合物とエ
ピクロルヒドリンとを水酸化アルカリ水溶液の存在下に
100〜110℃で反応させて、エポキシ樹脂を製造するに際
して、反応系の水分をエピクロルヒドリンと共沸蒸発さ
せ、冷却凝縮後、水相と有機相とに二相分液させた含水
率1〜10%の含水有機相を実質的にほとんど水を含まな
いように共沸脱水後、反応系に戻すことを特徴とする一
段法エポキシ樹脂の製造方法である。
本発明で用いる一価又は多価フェノール化合物とは、
ハロゲン、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ア
ラルキル基等で置換された若しくは置換されていない一
価又は多価フェノール化合物で、フェノール、o−クレ
ゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、ブチルフェ
ノール、キシレノール、α−ナフトール、β−ナフトー
ル、レゾルシン、ヒドロキノン、メチルレゾルシン、ジ
フェノールメタン(ビスフェノールF)、ジフェノール
プロパン(ビスフェノールA)、四臭化ビスフェノール
A、ビフェノール、1,1,2,2−テトラ(ヒドロキシフェ
ノール)エタン、フェノールノボラック、臭素化フェノ
ールノボラック、クレゾールノボラック、臭素化クレゾ
ールノボラック、レゾルシンノボラック、臭素化レゾル
シンノボラック、ビスフェノールAノボラックまたはナ
フトールノボラック等があげられる。
本発明で用いる水酸化アルカリとしては、水酸化リチ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化カルシウムおよび水酸化バリウム等の
アルカリ金属やアルカリ土類金属水酸化物があげられ、
特に好ましくは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カルシウム等である。これらの水酸化アルカリは水
に溶解した溶液として用いる。
本発明の反応条件は、特に限定されるものではない
が、一般に、一価又は多価フェノール化合物及びエピク
ロルヒドリンの使用量は、理論的には水酸基に対してエ
ピクロルヒドリンは当モルであるが、脱水剤として作用
する量を必要とするので、大過剰に使用する。通常、一
価又は多価フェノールのフェノール性水酸基1モルに対
して、エピクロルヒドリンが1〜10モル、好ましくは2
〜8モルである。エピクロルヒドリンが1モル未満では
反応が充分進行せず、また分子間反応による高分子量化
のために、エポキシ当量の上昇等の問題がある。一方、
使用量が10モルを越えても、目的物の収率をさらに向上
させる効果はなく、反応混合物の容積増大による生産性
の低下等があり、通常、工業的には10モル以下で十分で
ある。
水酸化アルカリは一価又は多価フェノールのフェノー
ル性水酸基1モルに対して0.9〜1.5モルが好ましい。水
酸化アルカリの量が少なすぎると加水分解塩素含有量が
多くなり、また、反応収率は低下する。また、多く加え
すぎても反応に影響を及ぼさず原料の無駄となるばかり
か、反応収率も低下する。
反応部および水分分離部、共沸脱水部を有して成る反
応装置で共沸脱水を行いながら反応させることにより達
成される。
反応温度は80〜120℃、好ましくは100〜110℃で行わ
れる。
反応温度が低すぎると主反応は遅くなり、また系内の
水分が多いために副反応が起こりやすい。高い場合は、
反応系は加圧状態で行われなければならない。また、副
反応が起こりやすく、収率が低下する。
水酸化アルカリ水溶液の添加は、急激な反応を抑え、
又、系内水分量を低くする為に1〜5時間かけて少量す
づ連続的に添加する。全反応時間は通常1〜6時間であ
る。
反応中の共沸留出液は水分分離部で水相と有機相に分
液し、分液された有機相を共沸脱水部で脱水し、有機相
に残存した水分を実質的にほとんど除去した後に反応系
に戻す。即ち水分分離部と反応部の間に共沸脱水部を設
け、ここに水相を分液除去した有機相をフィードして、
脱水しながら反応部に循環する方法を用いる。この共沸
脱水部としては泡鐘塔、多孔板塔、充填塔等の蒸留塔が
用いられ、その段数が数段から数十段を有するものであ
れば特に限定されない。
水分分離部で分離された1〜10%の水分を含有する有
機相を蒸留塔の上部に装入し、塔頂より溜出する水とエ
ピクロルヒドリンの共沸ガスは、凝縮器で凝縮し、水分
分離部にフィードバックする。なお、凝縮液は一部還流
してもよい。凝縮液はエピクロルヒドリンの共沸最低沸
点の組成に近い約25%の水分を含む液となる。一方塔底
より溜出するエピクロルヒドリンは回収部段数に関係す
るが、実施的にほとんど水分を含まないものが得られ、
これを反応部に戻す方法を用いる。
反応終了後は、未反応エピクロルヒドリンの回収、ト
ルエン等、芳香族炭化水素による生成物の溶解、アルカ
リ金属塩化物等の濾別、水洗、乾燥等の方法を適宜組み
合わせることにより、目的のエポキシ樹脂を得ることが
できる。
〔作用〕
本発明の方法によれば水酸化アルカリ水溶液中の水と
反応生成する水をエピクロルヒドリンとの共沸により蒸
発し、凝縮後水分分離部で分離した有機相を共沸脱水部
で実施的にほとんど水分を含まないエピクロルヒドリン
として反応系内に循環するため、反応系内の水分を容易
に低減でき加水分解等の副反応が抑制され、目的とする
エポキシ樹脂を高収率で得ることができる。
また、共沸脱水部を用いることにより、反応部に還流
する水分が実質的にほとんど無く反応部における共沸蒸
発に用いられるエピクロルヒドリンの量は少なくなる。
この為共沸蒸発に要する加熱エネルギーは約3割低減可
能となる。
特に反応温度が水とエピクロルヒドリンの最低共沸温
度(88℃)より高い温度で反応を行う場合有効な手段で
ある。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1 内容積100の反応部と凝縮器、水分分離部及び塔径
2インチ、高さ1.5mのラシッヒリング充填塔を有する共
沸脱水部で構成された反応装置を用いて、ビスフェノー
ルA20.0kgエピクロルヒドリン81.0kgを仕込み、均一に
溶解させた。内温110℃に加熱し、48.5重量%の水酸化
ナトリウム水溶液13.86kgを3時間かけて装入した。そ
の間共沸蒸発ガスを水分分離部に送り水相を分離し、有
機相を共沸脱水部で脱水して反応部に戻した。反応終了
後、減圧下で未反応のエピクロルヒドリンを回収し、ト
ルエンに溶解し、不溶分の塩化ナトリウムを濾別した。
次に水洗後、減圧下でトルエンを完全に除去した。これ
で28.8kgのエポキシ樹脂を得た。このエポキシ樹脂はエ
ポキシ当量189g/eq,加水分解性塩素は310ppmであった。
比較例1 実施例1に用いた装置で、共沸脱水部を使用せず、水
分分離部より反応部に有機相を直接戻す以外は実施例1
と同様の操作を行った。
得られた樹脂は28.1kgであり、エポキシ当量190g/eq,
加水分解性塩素は590ppmであった。
実施例1に於ける共沸蒸発量は概略200kgであり、比
較例1の場合は概略300kgであった。また、実施例1の
共沸脱水部の溜分は概略15kgであり、比較例1に比べ実
施例1の方がエネルギー消費量は少なかった。
〔発明の効果〕
本発明の製造方法は反応系内の水分を効率的に除去す
ることにより加水分解性塩素含有量の少ないエポキシ樹
脂を高収率かつ低エネルギーで得ることができる。ま
た、連続式一段法プロセスが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のフローチャート図である。 1……反応部 2……凝縮器 3……水分分離部 4……共沸脱水部 (a)……苛性アルカリ (b)……分離水 (c)……蒸気

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一価又は多価フェノール化合物とエピクロ
    ルヒドリンとを水酸化アルカリ水溶液の存在下に100〜1
    10℃で反応させてエポキシ樹脂を製造するに際し、反応
    系の水分をエピクロルヒドリンと共沸蒸発させ、冷却凝
    縮後、水相と有機相とに二相分液させた含水率1〜10%
    の含水有機相を実質的にほとんど水を含まないように共
    沸脱水後、反応系に戻すことを特徴とする一段法エポキ
    シ樹脂の構造方法。
JP63326322A 1988-12-26 1988-12-26 エポキシ樹脂の製造方法 Expired - Fee Related JP2723576B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63326322A JP2723576B2 (ja) 1988-12-26 1988-12-26 エポキシ樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63326322A JP2723576B2 (ja) 1988-12-26 1988-12-26 エポキシ樹脂の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02173032A JPH02173032A (ja) 1990-07-04
JP2723576B2 true JP2723576B2 (ja) 1998-03-09

Family

ID=18186475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63326322A Expired - Fee Related JP2723576B2 (ja) 1988-12-26 1988-12-26 エポキシ樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2723576B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60130579A (ja) * 1983-12-20 1985-07-12 Mitsui Toatsu Chem Inc アリルグリシジルエ−テルの製造法
JPS6354417A (ja) * 1986-08-22 1988-03-08 Mitsui Petrochem Ind Ltd 高純度多価フエノ−ルポリグリシジルエ−テルの製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02173032A (ja) 1990-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
SU489318A3 (ru) Способ получени простых метилолглицидиловых эфиров
US2801227A (en) Process for manufacture of glycidyl ethers of polyhydric phenols
US2841595A (en) Process for manufacture of glycidyl ethers of polyhydric phenols
US2536732A (en) Production of furfural
TW200536876A (en) Production of bisphenol a with reduced isomer formation
TW201313672A (zh) 自雙酚-a流份回收苯酚及丙酮
JPS5973578A (ja) 少なくとも1個の芳香族ヒドロキシル基又は芳香族アミン基を有する化合物のグリシジル誘導体を製造する方法
US3242220A (en) Preparation of bisphenols
JP2723576B2 (ja) エポキシ樹脂の製造方法
JP2688236B2 (ja) エポキシ樹脂の製造方法
JPH0420008B2 (ja)
US3677986A (en) Production of para-substituted phenol/formaldehyde resins
US4137220A (en) Preparation of novolak epoxy resins
EP0094588B1 (en) Process for preparing polyglycidyl compounds
JPH0579051B2 (ja)
US3763104A (en) Production of para substituted phenol formaldehyde resins using heterogeneous multi phase reaction medium
JPH07173089A (ja) 高純度テトラキスフェノールエタンの製造方法
JP2545554B2 (ja) モノ−および/またはポリグリシジル化合物の製造方法
JPS6335171B2 (ja)
US2783246A (en) Manufacture of xanthene
AU560379B2 (en) A process for reducing the total halide content of an epoxy resin
GB788887A (en) Improvements in or relating to the production of glycidyl ethers of polyhydric phenols
CN115436310A (zh) 一种监测双酚f合成反应进程的方法
JPH089657B2 (ja) 高純度ポリフエノ−ル類の製造方法
JPH02252716A (ja) ポリフェノールの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees