JP2721584B2 - 電動式パワーステアリング装置の制御方法 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置の制御方法

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JP2721584B2 JP22743890A JP22743890A JP2721584B2 JP 2721584 B2 JP2721584 B2 JP 2721584B2 JP 22743890 A JP22743890 A JP 22743890A JP 22743890 A JP22743890 A JP 22743890A JP 2721584 B2 JP2721584 B2 JP 2721584B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、モータによりハンドルの補助トルクを発
生する電動式パワーステアリング装置の制御方法に関す
る。
〔従来の技術〕
第2図は通常の電動式パワーステアリング装置の斜視
図であり、例えば特開昭64−44378号公報において開示
されたものとほぼ同じである。
即ち、第2図に示すように、ハンドル1がハンドル軸
2を介してピニオン3に連結され、このピニオン3がラ
ック4に噛合し、ハンドル1の回転がハンドル軸2,ピニ
オン3を介してラック4に伝達され、タイヤ5が所定の
舵角に制御される。
そして、ハンドル軸2の先端部に、ハンドル軸2を介
してピニオン3に伝達される操舵トルクを検出し、操舵
トルクに比例した信号(例えば電圧信号)を出力するト
ルクセンサ6が設けられており、この種のトルクセンサ
6は、ハンドル軸2に設けられたねじればね機構、及び
そのねじれ量を検出する可変抵抗などにより構成され
る。
また、モータ7がクラッチ8及び歯車機構などからな
る減速機構9を介してもう一つのピニオン10に連結さ
れ、このピニオン10がラック4に噛合し、モータ7の回
転がクラッチ8,減速機構9,ピニオン10を介してラック4
に伝達され、ハンドル1の回転による操舵トルクにモー
タ7の回転による補助トルクが加えられる。
このとき、トルクセンサ6の出力電圧及び自動車の車
速に基づき、制御回路11によりアシストすべき補助トル
クが導出され、導出された補助トルクを発生するのに必
要なモータ7の駆動電流が設定され、ステアリングのア
シスト制御が行われる。
なお、第3図中の12は制御回路11,トルクセンサ6,モ
ータ7等の電源である。
ところで、接触不良等によりトルクセンサ6の出力電
圧に異常が生じると、トルクセンサ6の出力異常によ
り、モータ7が駆動されて異常な補助トルクを発生し、
適正な補助トルクが得られない。
このような異常に対し、トルクセンサ6の出力電圧が
電源電圧に近い過大電圧のとき、及びゼロに近い過小電
圧のときに、短絡,断線等の異常が発生したとして、ア
シスト制御を停止するなどの措置をとることが従来行な
われているが、安全対策としては不十分である。
そこで、従来同一特性を有する主トルクセンサと副ト
ルクセンサを設け、これら両トルクセンサを、同一の直
流電源の正,負端子に同一極性に接続し、それぞれの出
力端子から両センサの出力信号(電圧信号)を取り出す
ようにし、異常がない場合には、両トルクセンサの出力
電圧に偏差は生じず、両トルクセンサに異常が生じた場
合には、両トルクセンサの出力電圧に偏差が生じること
を利用し、両トルクセンサの出力電圧の偏差が許容値を
超えたときに、異常が生じたとしてアシスト制御を停止
するなどの措置を採ることが考えられている。
しかし、両トルクセンサが電源を共通にするため、電
源の正,負端子で接触不良が生じた場合、接触抵抗が増
加して電源と両トルクセンサ間に等価的に抵抗が挿入さ
れたことになり、この抵抗の挿入により両トルクセンサ
それぞれの両端間に加わる電圧が変化するが、両トルク
センサの極性が同一であるため、両トルクセンサの出力
電圧が同じように変化して両出力電圧には偏差が生じ
ず、両トルクセンサの出力電圧からは端子での接触不良
を検出することができないという問題があった。
このような問題を防ぐには、両トルクセンサの電源を
別にすればよいが、この場合、コネクタやハーネスの数
が増加し、コストアップにつながり、さらにピン数が増
加して故障率が上がるという不都合が生じる。
そこで、簡易な構成でトルクセンサの異常及び電源側
での異常を検出するために、第3図に示す構成のトルク
センサ回路を用いることを本件出願人は提案(未公開)
している。
即ち、第3図に示すように、同一特性を有する主トル
クセンサ21及び副トルクセンサ22を設け、これら両トル
クセンサ21,22を同一の直流電源の正,負端子23a,23bに
互いに逆極性の状態で接続し、出力端子24,25からの両
トルクセンサ21,22の出力信号を第3図には図示されて
いない制御回路により取込み、両出力信号の平均値を算
出し、算出した平均値から両トルクセンサ21,22の異常
及び電源側での異常を検出するようにしている。
第3図の構成では、両トルクセンサ21,22が同一電源
に対して逆極性に接続されているため、主トルクセンサ
21の出力電圧特性が第4図中の実線で示す直線Aとなる
場合、副トルクセンサ22の出力電圧特性は同図中の破線
で示す直線Bとなる。
このとき、自動車が直進状態、即ちタイヤの転向角が
中立の位置にあるときの両トルクセンサ21,22の出力電
圧が同一になるように設定している。
従って、両トルクセンサ21,22の出力電圧の平均値
は、電源電圧を5Vとして第4図中の直線Cに示すように
常に2.5Vとなり、両トルクセンサ21,22の出力電圧の平
均値を検出することにより、平均値が2.5Vであれば、両
トルクセンサ21,22は正常に作動していることがわか
り、例えば主トルクセンサ21の出力電圧に基づき、第2
図に示すモータ7を駆動して補助トルクを発生し、ステ
アリングのアシスト制御を行えばよい。
つぎに、電源の端子23a,23bでの接触不良が生じた場
合、両トルクセンサ21,22の出力電圧は同じ値だけシフ
トするが、両トルクセンサ21,22の極性が互いに逆極性
であるため、電源の端子23a,23bでの接触不良により両
トルクセンサ21,22の出力電圧特性は、第4図中の直線
A,Bからそれぞれ直線A′,B′のようにシフトするた
め、両トルクセンサ21,22の平均値が、同図中の直線C
(2.5V)からC′にシフトし、平均値の2.5Vからのずれ
を検出することによって、電源端子23a,23bでの接触不
良の発生を検出でき、前述のモータの駆動によるアシス
ト制御を停止すればよい。
また、いずれかのトルクセンサ21,22に異常が発生し
た場合、両トルクセンサ21,22の出力電圧特性のうち異
常を来たした方の出力特性のみがシフトするため、例え
ば主トルクセンサ21の出力電圧特性が第2図中の直線A
からシフトし、一方副トルクセンサ22の出力電圧特性は
同図中の直線Bの位置に保たれるため、両トルクセンサ
21,22の平均値が2.5Vからずれ、この平均値のずれを検
出することにより、センサ異常の発生を検出でき、前述
と同様、アシスト制御を停止すればよい。
このように、簡易な構成により、主,副トルクセンサ
21,22の異常を検出できるのは勿論のこと、電源の正,
負端子23a,23bで接触不良が生じても、容易にこれを検
出することができ、しかも従来の如く、主,副トルクセ
ンサを別個の電源に接続する場合のように、コネクタ,
ハーネス数やピン数が増加することがなく、コストアッ
プ,故障率の上昇を防止することができ、安全でかつ確
実なアシスト制御が可能となる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、衝撃等により瞬間的な電源端子の接触不良
や、一時的な電源電圧の落ち込みなどが生じた場合、或
いは電源,電圧にノイズやサージ等が重畳した場合に
も、両トルクセンサ21,22の平均値が正常時の2.5Vから
ずれるため、これらが原因で、アシスト制御すべき状態
にも拘らずアシスト制御が停止してしまい、故障率の増
大を招くという問題点があった。
そこでこの発明は、上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、瞬間的な電源端子の接触不良や一
時的な電源電圧の落ち込み等の瞬間的な電源側の異常が
生じても、これによってアシスト制御が停止しないよう
にし、故障率を大幅に改善できるようにすることを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る電動式パワーステアリング装置の制御
方法は、ハンドルの操舵トルクをトルクセンサにより検
出し、前記トルクセンサの出力信号に基づき、モータに
より前記ハンドルの補助トルクを発生する電動式パワー
ステアリング装置の制御方法において、前記トルクセン
サとして、前記ハンドルの操舵トルクを検出する主トル
クセンサ及び副トルクセンサを設け、前記両トルクセン
サを同一電源に対して互いに逆極性に接続し、正常時に
おける前記両トルクセンサの出力信号の平均値を基準と
し、前記両トルクセンサの出力信号の平均値が前記基準
値からずれた状態が所定時間継続するときに、前記モー
タによる補助トルクの発生を停止することを特徴として
いる。
〔作用〕
この発明においては、逆極性に接続された両トルクセ
ンサの正常時における出力信号の平均値を基準値とし、
両トルクセンサの出力信号の平均値が基準値からずれた
状態が所定時間継続するときに、モータによる補助トル
クの発生を停止してアシスト制御を停止するため、衝撃
等による瞬間的な電源側の異常が生じても、これによっ
てアシスト制御は停止せずに継続的にアシスト制御が行
われる。
〔実施例〕
第1図はこの発明の電動式パワーステアリング装置の
制御方法の一実施例の動作説明用フローチャートであ
る。
ところで、本実施例の要部であるトルクセンサ回路の
構成は第3図と同様であるため、改めて説明することは
省略し、以下においては、第3図及び第4図を参照しつ
つ、第1図のフローチャートに基づき、動作について説
明する。
正常時では、前述したように両トルクセンサ21,22の
出力信号の平均値は、電源電圧を5Vとして2.5Vであり、
しかもこの正常時の平均値は、第4図の直線A,Bに示す
両トルクセンサ21,22それぞれの出力信号の中立位置に
おける値と一致しており、いま正常時の平均値(2.5V)
を基準値T0とする。
そして、第1図に示すように、両トルクセンサ21,22
の出力信号Tm,Tsが前述した制御回路により取り込まれ
(ステップS1)、両出力信号Tm,Tsの平均値(=Tm+T
s)/2)が算出され、算出された平均値が基準値T0
等しいか否かが判定され(ステップS2)、判定の結果が
肯定的であれば、異常がないと判断され、制御回路に内
蔵のフェイルカウンタのカウント値Fcがゼロにリセット
されたのち(ステップS3)、主トルクセンサ21の出力信
号Tmに基づいて発生すべき補助トルクが決定され、通常
のアシスト制御が行われ(ステップS4)、その後ステッ
プS1に戻る。
一方、前述したステップS2の判定の結果が否定的であ
れば、何らかの異常が生じたと判断され、フェイルカウ
ンタのカウント値Fcと設定値Qとが比較され、Fc<Qか
否かの判定がなされ(ステップS5)、判定の結果が肯定
的であれば、主トルクセンサ21の出力信号Tmが{Tm
−T0)}に補正され(ステップS6)、フェイルカウンタ
のカウント値Fcが“1"だけインクリメントされたのち
(ステップS7)、ステップS4におけるアシスト制御処理
が行われ、ステップS5の判定の結果が否定的であれば、
アシスト制御が停止される(ステップS8)。
このとき、フェイルカウンタのカウント値Fcが設定値
Qになると、ステップS1,S2,S5,S6,S7,S4のループをQ
回繰り返すのに要する所定時間(ΔT)異常が継続し、
衝撃等による瞬間的な異常ではなく、継続的な異常が発
生したと判断され、モータによる補助トルクの発生が停
止されてアシスト制御が停止される。
ところで、衝撃等による瞬間的な異常は、電源端子の
瞬間的接触不良や一時的な電源電圧低下など電源側の異
常であるため、このような瞬間的な電源側の異常が生じ
た場合には、前述の第4図の説明のように、両トルクセ
ンサ21,22の出力信号Tm,Tsが同じようにシフトし、シフ
ト後の両トルクセンサ21,22の出力信号Tm,Tsの平均値
と基準値T0との差(−T0)がシフト量に相当すること
になり、ステップS6においてシフト後の主トルクセンサ
21の出力信号Tmからシフト量(−T0)を減算処理し、
出力信号Tmを補正することによって、シフト前の正常時
の主トルクセンサ21の出力信号Tmに基づくアシスト制御
と同様のアシスト制御が行われる。
従って、瞬間的な電源側の異常はΔT時間も継続しな
いため、ステップS1,S2,S5〜S7,S4のループを数回繰り
返すうちに正常状態に戻り、異常が生じている間は、ス
テップS6の処理によって補正された主トルクセンサ21の
出力信号Tmに基づき正常時と同様のアシスト制御が行わ
れる。
このように、両トルクセンサ21,22の出力信号の平均
値が所定時間(ΔT)継続するときに、アシスト制御を
停止するため、瞬間的な電源側の異常が生じても、これ
によってアシスト制御が停止することはなく、正常時と
同様のアシスト制御を行うことができ、故障率を大幅に
改善することができる。
なお、上記実施例では、フェイルカウンタを用い、一
定の処理を所定の回数繰り返す時間を基に、異常が所定
時間継続するかどうかを判断する場合について説明した
が、カウンタではなく、タイマを用いて異常が継続する
時間の判定を行うようにしてもよいのは勿論である。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の電動式パワーステアリング装
置の制御方法によれば、主,副トルクセンサの出力信号
の平均値が基準値からずれた異常状態が所定時間継続す
るときに、モータによる補助トルクの発生を停止してア
シスト制御を停止するため、衝撃等による瞬間的な電源
側の異常が生じても、これによってアシスト制御は停止
せずに継続的にアシスト制御を行うことができ、故障率
を大幅に改善することが可能となり、より安全で確実な
アシスト制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の電動式パワーステアリング装置の制
御方法の一実施例の動作説明用タイミングチャート、第
2図は一般の電動式パワーステアリング装置の斜視図、
第3図は第2図の装置に適用され、かつこの発明の背景
となるトルクセンサ回路の結線図、第4図は第3図の動
作を説明するためのトルクセンサ出力電圧特性図であ
る。 1……ハンドル、7……モータ、 21,22……主,副トルクセンサ、 23a,23b……正,負端子

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハンドルの操舵トルクをトルクセンサによ
    り検出し、前記トルクセンサの出力信号に基づき、モー
    タにより前記ハンドルの補助トルクを発生する電動式パ
    ワーステアリング装置の制御方法において、 前記トルクセンサとして、前記ハンドルの操舵トルクを
    検出する主トルクセンサ及び副トルクセンサを設け、前
    記両トルクセンサを同一電源に対して互いに逆極性に接
    続し、正常時における前記両トルクセンサの出力信号の
    平均値を基準とし、前記両トルクセンサの出力信号の平
    均値が前記基準値からずれた状態が所定時間継続すると
    きに、前記モータによる補助トルクの発生を停止するこ
    とを特徴とする電動式パワーステアリング装置の制御方
    法。
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