JP2720746B2 - 鋼管の熱間曲がり矯正方法 - Google Patents
鋼管の熱間曲がり矯正方法Info
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- JP2720746B2 JP2720746B2 JP5034864A JP3486493A JP2720746B2 JP 2720746 B2 JP2720746 B2 JP 2720746B2 JP 5034864 A JP5034864 A JP 5034864A JP 3486493 A JP3486493 A JP 3486493A JP 2720746 B2 JP2720746 B2 JP 2720746B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば焼き入れ炉、焼
き戻し炉及び熱間曲がり矯正装置（以下、「ホットスト
レートナー」という）を備えた連続ラインにおいて、鋼
管の熱間曲がりを矯正する方法に関するものである。
き戻し炉及び熱間曲がり矯正装置（以下、「ホットスト
レートナー」という）を備えた連続ラインにおいて、鋼
管の熱間曲がりを矯正する方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】鋼管、特に油井用鋼管は、その両端にね
じ切りを行う必要性から、また、メカニカル鋼管は、精
密な寸法精度が必要であることから、その真直性が要求
される。特に厳しい例としては、管端における鼻曲がり
として、１．０／１０００を要求するユーザーもある。
じ切りを行う必要性から、また、メカニカル鋼管は、精
密な寸法精度が必要であることから、その真直性が要求
される。特に厳しい例としては、管端における鼻曲がり
として、１．０／１０００を要求するユーザーもある。
【０００３】このような要求を満足すべく、メーカーで
は、一般にロータリーストレートナーを使用して矯正し
ているが、かかる矯正作業を冷間で行った場合には、塑
性変形しにくいことから曲がりもとれにくく、また、残
留応力も発生して鋼管の性能が悪くなる。
は、一般にロータリーストレートナーを使用して矯正し
ているが、かかる矯正作業を冷間で行った場合には、塑
性変形しにくいことから曲がりもとれにくく、また、残
留応力も発生して鋼管の性能が悪くなる。
【０００４】そこで、このような問題を解決するため
に、鋼管を加熱してから矯正機に供する、いわゆるホッ
トストレートナーが開発された。このホットストレート
ナーを使用すれば、同じ荷重でコールドストレートナー
を使用した場合よりも大きな塑性変形を与えることがで
きる上、残留応力も減少するという効果がある。
に、鋼管を加熱してから矯正機に供する、いわゆるホッ
トストレートナーが開発された。このホットストレート
ナーを使用すれば、同じ荷重でコールドストレートナー
を使用した場合よりも大きな塑性変形を与えることがで
きる上、残留応力も減少するという効果がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ホットスト
レートナーは、焼き戻し炉の出側に設置されているの
で、焼き入れ・焼き戻し処理、焼きなまし処理の後に適
用される。したがって、矯正加工時の温度は、焼き戻し
炉の設定温度で決まってしまい、自由に変更することが
できない。
レートナーは、焼き戻し炉の出側に設置されているの
で、焼き入れ・焼き戻し処理、焼きなまし処理の後に適
用される。したがって、矯正加工時の温度は、焼き戻し
炉の設定温度で決まってしまい、自由に変更することが
できない。
【０００６】特にＣｒ−Ｍｏ鋼管の場合にあっては、焼
き戻し温度が高温（６５０〜７３０℃）にもかかわら
ず、このような高温で矯正加工を行うと塑性変形部分が
軟化してしまうという現象（塑性軟化現象）が発生す
る。なお、このような問題を解決するために、鋼管が焼
き戻し炉を出てから、塑性軟化現象が起こらない温度
（５５０〜６５０℃）に下がるまでホットストレートナ
ー前で待機する方法があるが、この方法では管端部と中
央部に温度差が生じるので、塑性歪み量にばらつきが生
じて寸法精度が悪くなる。
き戻し温度が高温（６５０〜７３０℃）にもかかわら
ず、このような高温で矯正加工を行うと塑性変形部分が
軟化してしまうという現象（塑性軟化現象）が発生す
る。なお、このような問題を解決するために、鋼管が焼
き戻し炉を出てから、塑性軟化現象が起こらない温度
（５５０〜６５０℃）に下がるまでホットストレートナ
ー前で待機する方法があるが、この方法では管端部と中
央部に温度差が生じるので、塑性歪み量にばらつきが生
じて寸法精度が悪くなる。
【０００７】本発明は、上記したような問題点に鑑みて
なされたものであり、塑性軟化現象を可及的に発生させ
ることなく、しかも塑性歪み量を鋼管の長手方向に均一
化して寸法精度の悪化を防止できる鋼管の熱間曲がり矯
正方法を提供することを目的としている。
なされたものであり、塑性軟化現象を可及的に発生させ
ることなく、しかも塑性歪み量を鋼管の長手方向に均一
化して寸法精度の悪化を防止できる鋼管の熱間曲がり矯
正方法を提供することを目的としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記した目的を解決する
ために、本発明鋼管の熱間曲がり矯正方法は、焼き入れ
・焼き戻し処理した鋼管を熱間状態で曲がり矯正する方
法において、焼き戻し処理後の鋼管を、その温度が、一
旦、矯正加工設定温度以下となるまで放冷した後矯正加
工設定温度まで均一加熱し、しかる後、曲がり矯正する
こととしているのである。
ために、本発明鋼管の熱間曲がり矯正方法は、焼き入れ
・焼き戻し処理した鋼管を熱間状態で曲がり矯正する方
法において、焼き戻し処理後の鋼管を、その温度が、一
旦、矯正加工設定温度以下となるまで放冷した後矯正加
工設定温度まで均一加熱し、しかる後、曲がり矯正する
こととしているのである。
【０００９】
【作用】本発明鋼管の熱間曲がり矯正方法では、曲がり
矯正を、鋼管に最適の矯正加工設定温度で行うことがで
きるので、曲がり矯正時に発生する塑性軟化現象が大幅
に減少し、しかも寸法精度も良好となる。
矯正を、鋼管に最適の矯正加工設定温度で行うことがで
きるので、曲がり矯正時に発生する塑性軟化現象が大幅
に減少し、しかも寸法精度も良好となる。
【００１０】
【実施例】以下、本発明方法を添付図面に示す１実施例
に基づいて説明する。図１は本発明方法を実施する熱処
理ラインの概略平面図、図２は図１の主要部の説明図、
図３は本発明方法のフローチャート図である。
に基づいて説明する。図１は本発明方法を実施する熱処
理ラインの概略平面図、図２は図１の主要部の説明図、
図３は本発明方法のフローチャート図である。
【００１１】図１及び図２において、１は焼き入れ炉、
２は焼き入れヘッド、３は冷却台、４は焼き戻し炉、５
はホットストレートナーであり、これらで熱処理ライン
を形成している。そして、鋼管Ｐはこの熱処理ラインで
焼き入れ・焼き戻し処理された後焼き戻し炉４から抽出
され、熱間状態で曲がり矯正される。
２は焼き入れヘッド、３は冷却台、４は焼き戻し炉、５
はホットストレートナーであり、これらで熱処理ライン
を形成している。そして、鋼管Ｐはこの熱処理ラインで
焼き入れ・焼き戻し処理された後焼き戻し炉４から抽出
され、熱間状態で曲がり矯正される。
【００１２】ところで、本発明では、図１に示すよう
に、焼き戻し炉４とホットストレートナー５との間に再
加熱装置６を介設するとともに、この再加熱装置６と焼
き戻し炉４間の搬送コンベアライン途中に、温度計７ａ
と７ｂを所定の間隔を存して設置しているのである。
に、焼き戻し炉４とホットストレートナー５との間に再
加熱装置６を介設するとともに、この再加熱装置６と焼
き戻し炉４間の搬送コンベアライン途中に、温度計７ａ
と７ｂを所定の間隔を存して設置しているのである。
【００１３】かかる構成の設備を用いて本発明方法を実
施するのであり、次に本発明方法を図３に示すフローチ
ャート図に基づいて説明する。先ず、焼き戻し炉４から
鋼管Ｐが抽出されると、図２に示すコンベア８ａ上の鋼
管Ｐの停止位置Ｓ1 まで搬送する間に、焼き戻し炉４側
に設置した温度計７ａで鋼管Ｐの温度を計測する。な
お、この温度計７ａで計測される鋼管Ｐ温度は焼き戻し
炉４での設定温度Ｔ0 と同じはずである。
施するのであり、次に本発明方法を図３に示すフローチ
ャート図に基づいて説明する。先ず、焼き戻し炉４から
鋼管Ｐが抽出されると、図２に示すコンベア８ａ上の鋼
管Ｐの停止位置Ｓ1 まで搬送する間に、焼き戻し炉４側
に設置した温度計７ａで鋼管Ｐの温度を計測する。な
お、この温度計７ａで計測される鋼管Ｐ温度は焼き戻し
炉４での設定温度Ｔ0 と同じはずである。
【００１４】そして、この温度計７ａでの計測温度Ｔ0
と、矯正加工設定温度Ｔ1 とを比較し、Ｔ1 ≧Ｔ0 の場
合は矯正加工設定温度Ｔ1 の設定エラーと判断する。他
方、Ｔ1 ＜Ｔ0 の場合は、前記コンベア８ａ上の停止位
置Ｓ1 で鋼管Ｐを停止する。
と、矯正加工設定温度Ｔ1 とを比較し、Ｔ1 ≧Ｔ0 の場
合は矯正加工設定温度Ｔ1 の設定エラーと判断する。他
方、Ｔ1 ＜Ｔ0 の場合は、前記コンベア８ａ上の停止位
置Ｓ1 で鋼管Ｐを停止する。
【００１５】この停止位置Ｓ1 でタイマーがｔ秒カウン
トした後、コンベア８ａを正転させ、鋼管Ｐをコンベア
８ｂ上に搬送する。そして、この搬送する間に、温度計
７ｂで鋼管Ｐの温度を計測し、この温度計７ｂでの計測
温度Ｔと、矯正加工設定温度Ｔ1 とを比較し、Ｔ＞Ｔ1
の場合は図２に示すコンベア８ｂ上の停止位置Ｓ2 で鋼
管Ｐを停止した後、コンベア８ｂを逆転させてコンベア
８ａ上の停止位置Ｓ1まで鋼管Ｐを搬送し、以上の操作
を再度行う。
トした後、コンベア８ａを正転させ、鋼管Ｐをコンベア
８ｂ上に搬送する。そして、この搬送する間に、温度計
７ｂで鋼管Ｐの温度を計測し、この温度計７ｂでの計測
温度Ｔと、矯正加工設定温度Ｔ1 とを比較し、Ｔ＞Ｔ1
の場合は図２に示すコンベア８ｂ上の停止位置Ｓ2 で鋼
管Ｐを停止した後、コンベア８ｂを逆転させてコンベア
８ａ上の停止位置Ｓ1まで鋼管Ｐを搬送し、以上の操作
を再度行う。
【００１６】他方、Ｔ≦Ｔ1 の場合はコンベア８ｂを正
転して鋼管Ｐを再加熱装置６に搬送し、ここで矯正加工
設定温度Ｔ1 まで均一加熱した後ホットストレートナー
５に搬送して曲がり矯正を行う。
転して鋼管Ｐを再加熱装置６に搬送し、ここで矯正加工
設定温度Ｔ1 まで均一加熱した後ホットストレートナー
５に搬送して曲がり矯正を行う。
【００１７】ちなみに、本発明方法の効果を確認するた
めに、材質：０．２７Ｃ−１Ｃｒ−０．７Ｍｏ鋼で、サ
イズ：φ２４４．５×ｔ１１．９９×Ｌ１２０００ｍｍ
の鋼管Ｐを本発明方法と、従来方法で曲がり矯正した場
合の結果と、その時の各位置での温度を表１に示す。な
お、表１において、Ｔ1 ’は矯正加工時の温度実績を示
し、また、楕円率とは鋼管Ｐの最大外径から最小外径を
引いた値を基準外径で割った値をいう。また、加工軟化
偏差とは、断面硬度９点法の最大値から最小値を引いた
値をいう。
めに、材質：０．２７Ｃ−１Ｃｒ−０．７Ｍｏ鋼で、サ
イズ：φ２４４．５×ｔ１１．９９×Ｌ１２０００ｍｍ
の鋼管Ｐを本発明方法と、従来方法で曲がり矯正した場
合の結果と、その時の各位置での温度を表１に示す。な
お、表１において、Ｔ1 ’は矯正加工時の温度実績を示
し、また、楕円率とは鋼管Ｐの最大外径から最小外径を
引いた値を基準外径で割った値をいう。また、加工軟化
偏差とは、断面硬度９点法の最大値から最小値を引いた
値をいう。
【００１８】
【表１】
【００１９】表１より明らかなように、本発明方法によ
れば、曲がり矯正時に発生する塑性軟化現象が従来法と
比べて大幅に減少し、しかも寸法精度も良好となる。
れば、曲がり矯正時に発生する塑性軟化現象が従来法と
比べて大幅に減少し、しかも寸法精度も良好となる。
【００２０】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法では、
曲がり矯正を、鋼管に最適の矯正加工設定温度で行うこ
とができるので、曲がり矯正時に発生する塑性軟化現象
が大幅に減少し、しかも寸法精度も良好となる。
曲がり矯正を、鋼管に最適の矯正加工設定温度で行うこ
とができるので、曲がり矯正時に発生する塑性軟化現象
が大幅に減少し、しかも寸法精度も良好となる。
【図１】本発明方法を実施する熱処理ラインの概略平面
図である。
図である。
【図２】図１の主要部の説明図である。
【図３】本発明方法のフローチャート図である。
Ｐ 鋼管 ４ 焼き戻し炉 ５ ホットストレートナー ６ 再加熱装置 ７ａ 温度計 ７ｂ 温度計 ８ａ コンベア ８ｂ コンベア
Claims (1)
- 【請求項１】 焼き入れ・焼き戻し処理した鋼管を熱間
状態で曲がり矯正する方法において、焼き戻し処理後の
鋼管を、その温度が、一旦、矯正加工設定温度以下とな
るまで放冷した後矯正加工設定温度まで均一加熱し、し
かる後、曲がり矯正することを特徴とする鋼管の熱間曲
がり矯正方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5034864A JP2720746B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 鋼管の熱間曲がり矯正方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5034864A JP2720746B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 鋼管の熱間曲がり矯正方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06226348A JPH06226348A (ja) | 1994-08-16 |
| JP2720746B2 true JP2720746B2 (ja) | 1998-03-04 |
Family
ID=12426039
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5034864A Expired - Lifetime JP2720746B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | 鋼管の熱間曲がり矯正方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2720746B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013129879A (ja) * | 2011-12-22 | 2013-07-04 | Jfe Steel Corp | 耐硫化物応力割れ性に優れた油井用高強度継目無鋼管およびその製造方法 |
| US11724299B2 (en) | 2017-12-27 | 2023-08-15 | Sandvik Intellectual Property Ab | Method for straightening of a FeCrAl alloy tube |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01162518A (ja) * | 1987-12-18 | 1989-06-27 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 熱間ストレートナ制御量設定方法 |
-
1993
- 1993-01-29 JP JP5034864A patent/JP2720746B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06226348A (ja) | 1994-08-16 |
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