JP2719838B2 - 微生物の有無の判定方法 - Google Patents

微生物の有無の判定方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、密封包装体に収納されている食品等の内容
物中に、微生物が存在するか否かを判定するための方法
に関する。
(従来の技術) 従来、密封包装体に収納されている食品等の内容物中
に、微生物が存在するか否かを判定するための方法とし
ては種々のものが知られている。例えば、日本食品工業
学会誌Vol.27、No.11(1980)、食品の物性第11集(198
5)には、密封包装体に収納されている食品等の内容物
中における微生物の増殖状況を、非破壊で観察する方法
が記載されている。この方法では、内容物を充填した密
封包装体を伝導型熱量計に入れた後、微生物増殖時に発
生する熱を経時的に長時間、例えば4〜24時間測定する
ことによって、微生物が被検体内に存在しているか否か
を測定していた。従って、従来の方法では、微生物の増
殖の進行状態を経時的に観察していたため、熱量計の使
用時間が長時間に及び、微生物の生命活動の有無を検知
できるまでに長時間を要していた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、密封包装体に収納されている食品等の内容
物中に微生物が存在するか否かを、微生物の増殖の進行
状況を経時的に観察することなく、より確実に且つより
迅速に判定するための方法を提供することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) 本発明は、包装体の少くとも一部を特定の積層体で形
成し、そこに切り込みを入れて内容物が収納されている
密封包装体の密封状態を解除して、微生物が増殖し易く
且つその増殖が継続する状態にすると共にその状態を一
定時間保持することによって、微生物の有無を短時間で
且つより確実に判定できるとの知見に基づいてなされた
のである。
すなわち、本発明は、微生物が繁殖可能な物質を収納
密封してなる全体が非通気性の包装体であって、その包
装体のヘッドスペースに当る部分に非通気性材料/通気
性材料/非通気性材料の構造の積層体が設けられ、該積
層体上にゴム板を付着させ、その上から該包装体に微小
な穿孔を施して、密封包装体を通気性があり微生物透過
性のない状態にした後、該包装体を菌の増殖条件下に保
持して微生物の増殖の有無を測定することを特徴とす
る、微生物の有無の判定方法を提供する。
本発明で微生物が繁殖可能な物質、つまり包装体内に
収納する内容物としては、食品、薬品、化粧品等の固
体、液体、ペースト、あるいはそれらの混合物を例示す
ることができる。
これら内容物を収納する全体として非通気性の包装体
としては、その少くとも一部又は全部が特定の積層体、
つまり通気性があるが微生物透過性のない材料Aおよび
非通気性材料Bの積層体で形成されていることが必要で
ある。ここにいう通気性とは、微生物が増殖時に消費す
る酸素量に相当する程度の量が包装体外部から包装体内
に入る程度の通気性のことであり、当該酸素量は内容物
の量、内容物の組成、対象となる菌の種類、温度等によ
って異なる。従って、材料Aの通気性があるが微生物透
過性のない材料を選択するに当たっては、これらの要因
を基に適宜当業者が決定すればよい。一方、非通気性と
は、上記通気性の逆で微生物が増殖時に消費する酸素量
以下に相当する程度の非通気性のことであり、この場合
も前記同様に適宜当業者が容易に決定することができ
る。通気性があり微生物透過性のない材質としては、紙
を代表例としては例示することができる。また、非通気
性材質としては、アルミ等の金属、ポリプロピレン、ポ
リエチレン等の合成樹脂を例示することができる。殊
に、アルミ等の金属は気密性という点で極めて優れてい
る。これら材質を使用して少くとも一部分を積層体とす
るが、この場合包装体の内側になる層を非通気性の材料
で構成するのが好ましい。しかしながら、反対の構成と
することもできる。
このように構成された包装体に内容物を収納し密封し
た後、積層体の非通気性材料に切り込みを入れて該包装
体を通気性があり微生物透過性のない状態にする。この
ようにすることにより、包装体に外部から微生物が入る
ことがなく、当初から内容物中に存在していた微生物を
増殖し易く且つその増殖が継続する環境になることにな
り、密封包装体内に微生物が存在しておれば、当該微生
物は増殖してくると共にその増殖が継続されることにな
る。一方、密封包装体内に微生物が存在していなけれ
ば、微生物の増殖現象はみられない。これによって、密
封包装体内の微生物の有無をより確実に且つより迅速に
判定することができる。密封包装体を通気性があり微生
物透過性のない状態にする方法としては、密封包装体の
ヘッドスペースに当る部分に非通気性材料/通気性材料
/非通気性材料の構造の積層体が設けられ、該積層体上
にゴム板を付着させ、その上から該包装体に微小な穿孔
を施す方法、密封包装体のヘッドスペースに当る部分の
積層体表面に穿孔等を施した後、その上に前記した非通
気性のない材質を付着させる方法等があるが、前者の方
法を採用すると、微生物の二次汚染を良好に防止するこ
とができる。尚、穿孔を施すために使用する針等は予め
適宜方法によって殺菌しておくことが望ましい。
次に、上記処理を施した密封包装体を、菌が増殖する
のに要する期間保持する。この場合、該密封包装体を震
盪すると微生物の増殖および増殖の継続をより確実に実
現させる環境にすることができるので、菌が増殖するの
に要する期間を短くすることができると共に微生物の有
無の判定を更に確実に且つ迅速にすることができる。上
記保持する温度としては、約25〜40℃が好ましいが、当
該温度は判定しようとする微生物の種類によって当然異
なってくるので、当該微生物の増殖適性温度域とするの
が、微生物の有無の判定を確実に且つ迅速にするために
は重要である。こうした温度条件下での保持時間は特に
限定されないが、24〜48時間保持すればほとんどの微生
物は十分に増殖すると共に増殖の継続状態になっている
ので、この後、微生物の有無を判定すると確実性が増加
する。
このようにして上記密封包装体を増殖条件下に保持し
た後に、適宜方法により微生物の有無を判定する。微生
物の有無を判定する方法としては、熱測定法、寒天平板
法、pH測定法等があげられるが、微生物の有無の判定を
極める確実に且つ迅速に実施することができるという点
で、熱測定法が最も好ましい。熱測定法とは、微生物が
増殖する際に発生する熱量を測定する方法をいう。その
具体的な方法を第1図に基いて説明する。
第1図は、内容物を充填した密封包装体(全体が積層
体で形成されている。)を恒温体中に収納した時の、該
恒温体の断面図を示すものである。図中、熱容量の大き
な金属ブロックである恒温体1中に、内容物を充填した
密封包装体2を収納する。半導体性熱伝対素子であるサ
ーモモジュール3は、恒温体1と密封包装体2との間に
生ずる温度差を電圧に変換するものである。このよう
に、内容物を充填した密封包装体2を恒温体1中に収納
した時点より、経時的に該密封包装体から恒温体へ流れ
る熱量、又は恒温体から該密封包装体へ流れる熱量を測
定する。
本発明の方法により、微生物の有無の判定が容易にで
きるものとしては、大腸菌(B.coli)、スタヒィロコッ
カス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidi
s)等の通性嫌気性菌、バシラス属(Bacillus)、シュ
ードモナス族(Pseudo−monas)等の好気性菌を例示す
ることができる。
次に実施例により本発明を説明する。
(実施例) 実施例1 2.188×10-4mol/lの水酸化ナトリウムを含み、シュー
ドモナス菌の濃度が2×10/mlである、3.125×10-4mol/
lのリン酸二水素ナトリウム水溶液1mlを調製し、これを
500mlの殺菌処理したコーンスープに添加した。次い
で、500ml容のゼーベルトップ型の積層容器(外表面か
らポリエチレン、紙、アルミ箔、ポリエチレンという順
で積層されている)2個に、微生物の二次汚染がないよ
うな無菌状態下で充填、密封した。2個の容器の内、一
方の容器Aのヘッドスペースの部分に15mm×15mm×1mm
にカットした接着剤付きゴム板(東レエンジニアリング
(株)製、商品名:粘着ゴム板)を貼り付けた後、該ゴ
ム板の上から予め放射線殺菌した注射針で穿孔を施し
た。これとは別に、他の一方の容器Bはそのままの状態
で何の処置も施さなかった。その後、上記2個の容器を
恒温体(温度:30℃)中に81時間保持した。
このようにして、容器A、Bと恒温体の間を流れる熱
量を81時間測定したところ、第2図から明らかなよう
に、容器から発する熱量を電圧に変換した出力は18時間
後にほぼピークに達し、その後、徐々に出力は低下して
いった。ところが、低下の限界値は、容器Aの方が約40
0μvであるのに対し、容器Bの方は0か又はそれ以下
の値になり、あたかも菌が存在していないかのような数
値を示した。従って、27時間後に熱量を測定したので
は、容器Bの場合は菌が存在するにもかかわらず「無」
という判断になり、一方、容器Aの場合は「有」という
判断になり、菌の有無を正確に判断することができる。
そればかりでなく、菌の増殖が認められる約9時間以降
であれば、いつにても菌の有無を迅速且つ正確に判断す
ることができるということがいえる。
実施例2 予めガス滅菌した500ml容紙製容器(実施例1に同
じ)8個(No.1〜8)に無菌処理したコンスープを500m
lずつ充填した後、1分間開放状態で室内に放置した。
その後無菌的にシールを施し、8個中4個(No.1〜4)
について、ヘッドスペース部分にゴム板を貼り、滅菌済
み注射針で穿孔を施した。その後、8個を30℃で2日間
振盪培養した後、伝導型熱量計にセットし、2時間のサ
ーモグラムから収束値を求めた。その結果を第1表に示
す。尚、各試料中に菌が実際に存在しているか否かを確
認するために、各試料を開封して寒天平板法で確認し
た。
上記結果から明らかなように、穿孔を施した試料(N
o.1〜4)において、菌数:0のもの(No.1と4)につい
ては収束値が20〜50で菌数が多いもの(No.2と3)につ
いては750〜1100というように、はっきりした違いがみ
られる。これに対し、穿孔を施していない試料(No.5〜
8)の場合には、菌数:0のもの(No.6)と菌数が多いも
の(No.8)とは共に収束値が50となっており、菌の有無
をはっきりと判定することはできなかった。
(効果) 本発明の方法によると、内容物中に微生物が存在して
いたか否か、つまり殺菌が不十分であったか否かをより
確実に且つより迅速に判定することができる。また、密
封包装体を通気性があり微生物透過性のない状態下にお
く方法が、例えば密封包装体のヘッドスペースに当る部
分の表面にゴム板を付着させ、その上から該包装体に針
等によって微小な穿孔を施すという極めて簡単な方法に
よって容易に達成することができるので、特に高度な技
術を必要とせずに微生物の有無を判定できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、内容物を充填した密封包装体を恒温体中に収
納した時の該恒温体の断面図を示す。 第2図は、容器A、Bと恒温体の間を流れる熱量と、記
録時間との関係を表わす。ここで、縦軸は容器A、Bと
恒温体の間に生ずる温度差を電圧に変換した出力の値を
示し、横軸は時間を示す。また、図中、―は容器A、…
………は容器Bの場合を表わす。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微生物が繁殖可能な物質を収納密封してな
    る全体が非通気性の包装体であって、その包装体のヘッ
    ドスペースに当る部分に非通気性材料/通気性材料/非
    通気性材料の構造の積層体が設けられ、該積層体上にゴ
    ム板を付着させ、その上から該包装体に微小な穿孔を施
    して、密封包装体を通気性があり微生物透過性のない状
    態にした後、該包装体を菌の増殖条件下に保持して微生
    物の増殖の有無を測定することを特徴とする、微生物の
    有無の判定方法。
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