JP2718894B2 - 取鍋の耐火性ライニングの修復のために注型材料を部分的に塗布してライニングの内部構造を形成するための型板 - Google Patents

取鍋の耐火性ライニングの修復のために注型材料を部分的に塗布してライニングの内部構造を形成するための型板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼を鋳込むための取鍋
及び類似の金属製容器に降下でき、取鍋の高さの一部分
のみを覆い、取鍋底部の方向に僅かに円錐状に細くなっ
ており、取鍋の耐火性ライニングの修復のために注型材
料を部分的に塗布してライニングの内部構造を形成する
ための環状の型板であって、該型板は取鍋の修復される
べき表面を覆うが、該取鍋から間隔をあけているので、
これによって元のライニングの内面と、型板との間に形
成された空間に注型材料が注入できてなる型板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近では金属製容器を耐火性レンガでは
なく、鋳造技術によって内張り(ライニング)すること
が益々増えている。この方法では、取鍋又はその他の金
属製容器の所望の内方の内部空間を規定する型板又は金
型と、ライニングされるべき容器壁部との間の空間に、
大抵はチキソトロ−プ性をもって作用する耐火性の注型
材料が注入され、該注型材料は、チキソトロ−プ性によ
って限定されて、(大抵は型板の)振動の作用を受けつ
つ、水分が少ない場合でも非常に良好な流動性を有し
て、各々の空所を充填する。
【0003】DE−OS3741073からは、金属製
容器の耐久性がなくなったとき、すなわち溶湯に晒され
た注型材料の内層の磨耗後に、まだ役立つ耐火性ライニ
ングの残りを完全に破壊するのでなく、スラグの残り
と、元のライニングの、スラグによって浸食された表面
とを浅く除去することが公知である。除去がなされるの
は、形状が規則的な表面を製造しながらではなく、いわ
ゆる皮むきロボットが、可動ア−ムに取着され、表面を
転動し、かつ硬質金属製の突起を具備する工具によっ
て、振動の作用を加えつつ、表面に接触して、該表面を
必要な程度削るか、又は少なくとも粗くすることによっ
てである。しかし、この場合、工具は元のライニングの
現在の輪郭をなぞる。かように清浄にされた元のライニ
ングを具備する金属製容器に型板を新たに入れ、続いて
振動を加えつつ、型板と元のライニングとの間の空間に
チキソトロ−プ性の注型材料を再度充填する。かくし
て、ライニング用の高価な材料のうちの最大限50%を
既に節約できる。
【0004】取鍋のこのような完全な再生(完全な張替
えともいう)は、通常、多くの装入後に初めてなされる
必要がある。こうした完全な張替え作業中には、特に上
方のスラグ区域及び取鍋底部の衝撃区域(Aufprallzone)
においては、取鍋を部分的な張替え工程に置く必要があ
り、該取鍋では上記区域のみが再生される。何故なら
ば、取鍋のライニングの磨耗が局所的に進んだ状態で生
じるからである。このことによって、ライニングの磨耗
により生じる作業コストが著しく減少される。
【0005】主要磨耗区域の間の閉鎖が大抵僅かであっ
て、完全な張替え用の長い型板が取鍋に容易に挿入でき
ないので、部分的な張替えは通常短い型板を用いて行な
われ、該短い型板は上から取鍋に挿入されて、ライニン
グの再生されるべき領域、すなわち前もってスラグが還
元的に作動するバ−ナ及び/又は機械的に作動する皮む
きロボットによって大部分除去された領域のみを覆う
が、ライニングの加工される面から間隔をあけている。
かくして型板の外壁と、ライニングの加工される面との
間に形成された空間には、完全な張替えの場合と同様
に、チキソトロ−プ性をもって作用する新しい耐火性の
注型材料が注入される。
【0006】この部分的な張替えで問題である空間の下
端の密閉が必要なのは、チキソトロ−プ性の注型材料が
下へすなわち空間から容器内部に流れ込まないようにす
るためである。密閉は困難である。その特別な理由は、
通常、部分的な張替えのときに、ライニングの、まだ再
生されていない下方領域も、不規則な凹凸のある表面を
有するからである。
【0007】従って、空間の下端を密閉するためには、
通常型板の下縁では、型板の外面と、ライニングの表面
との間に一種の組立て発泡材が注入されるか、あるいは
下縁で、密閉するための空間にウ−ル材料(例えばシリ
ケ−トウ−ル又はスラグウ−ル)が注入される。
【0008】しかし、こうした公知の種類の密閉部材に
は、密閉に必要な材料が1度しか用いることができない
ので、取鍋の再生コストが増えてしまうという問題があ
る。密閉が注型材料のポットライフの間中に組立て発泡
材によって確実に実現されるが、該組立て発泡材は特に
高いコストを生ぜしめることが明らかとなった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、空間
の下端の密閉がより簡単にかつより良好に行なえる型板
を開発することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、型板の、取
鍋の底部に向いた下縁に型板の周囲に亘って延び、かつ
ライニングの内面と型板との間に形成される空間を下方
に閉じる空気入れ可能な可撓性のホースループを設置し
たこと、このホースループは半径方向の支持ストリップ
を360度以上巻回しているので、前記ホースループの
始点領域及び終点領域は、軸方向に見て一定の長さに亘
って重なり合っていること、及び前記型板の前記下縁に
固定され、前記ホースループの圧力下で内張りの方に身
を寄せる可撓性の密閉ジャケットを具備し、該密閉ジャ
ケットは自らの周囲に亘って周設され、部分的に重なり
合う複数の密閉セグメントにより構成されていること、
により解決される。
【0011】本発明の型板は、取鍋の底部に向いた下縁
に型板の周囲に亘って延び、ホースループの圧力下で内
張に身を寄せる可撓性の密閉ジャケットを具備してい
る。この構成によって、型板を取鍋に据えた後、ホース
ループの圧力下で密閉ジャケットをライニングの表面へ
押圧することにより、空間の下端は閉じられる。密閉ジ
ャケットに可撓性があるので、密閉ジャケットがライニ
ングの不規則的な表面に密着することにより、該表面に
大きな凹凸があっても、不十分な密閉作用が生ずること
はない。また、注型材料のポットライフの終了後に型板
が取鍋から取り出されるのは、ホースループの圧力が除
去され密閉ジャケットが取鍋の内面から再度外された後
である。型板のこうした形状によって、1度しか使用で
きない密閉手段を必要とすることなく、型板とライニン
グの加工される表面との間の空間の下端の確実な密閉が
達成される。
【0012】また、前記ホースループは半径方向の支持
ストリップを360度以上巻回しているので、ホースル
ープの始点領域及び終点領域は、軸方向に見て、一定の
長さに亘って重なり合っている。この措置によって、ホ
ースループの始点領域及び終点領域においても、密閉ジ
ャケットがライニングの表面へ有効に押圧されて、該領
域では、チキソトロープ性をもって作用する注型材料が
不都合に流出しないことが保証される。
【0013】さらに、可撓性の密閉ジャケットは、自ら
の周囲に亘って周設され、部分的に重なり合う密閉セグ
メントにより構成されている。この構成によって、ライ
ニングの表面に大きい凹凸があっても、密閉ジャケット
の均等な接触が確実に保証される。何故ならば、部分的
に重なり合う密閉セグメントは互いにずらすことができ
るので、密閉ジャケットの可撓性が著しく高まるからで
ある。
【0014】前記ホースループを前記型板に固定するよ
うに定め、前記型板の周囲に亘って周設された可撓性の
支持ループが具備されており、該支持ループを通って前
記ホースループが延びていることが好ましい(請求項
2)。
【0015】前記型板の下縁から突出し、型板よりも小
さな直径を有し、前記ホースループを半径方向に支持す
る支持ストリップを設けることが好ましい。そして、こ
の支持ストリップには、加圧装置と接続する前記ホース
ループの端部を、前記型板の内部を通って案内する開口
部が形成されている。
【0016】ホースループは市販の消化ホースで製造す
ることができ、該消化ホースの少なくとも一端は加圧装
置、例えばコンプレッサ又は圧縮空気シリンダに接続さ
れている。また、実験では、密閉ジャケットがゴム製で
あるときに、密閉ジャケットの非常に良好な密閉性が達
成されることを示した。しかし、密閉ジャケットを可撓
性プラスチック又は繊維又は可撓性材料の複合材料で製
造することもできる。
【0017】本発明の型板の上述した構成によって、密
閉ジャケットの特に良好な密閉作用が達成されるだけで
なく、型板全体が所定の範囲内で自由に揺動できるの
で、チキソトロープ性の注型材料を流動化するための内
側バイブレータの使用にも型板が特に良好に適合してい
ることが達成される。内側バイブレータが型板全体を揺
動するので、揺動の振幅は、環状要素内の空気圧の適応
によって、注型材料の流動化に最適な数値に調節され
る。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の1実施例を説
明する。以下、「上」又は「下」と言うときは、直立な
取鍋に据えられた型板が占める図示した位置のことであ
る。
【0019】図1に全体として参照符号100が付され
た設備はサイロ1を有する。該サイロ1は、例えば、ラ
イニング7を製造するための注型材料2を収容する2つ
の室を具備する。注型材料2はサイロ1の下方に設置さ
れたミキサ3内で液状成分と混合され、搬送ベルト4を
介して、修復されるべき取鍋5の上方に設置された分配
ベルト6に供給される。該分配ベルト6は取鍋5の対称
軸線Lを中心に回転可能に支承されているので、注型材
料2が取鍋5のライニング7の周囲に均等に供給され
る。取鍋5の内部空間の高さの一部分のみを占める環状
の型板10が上から取鍋5に据えられ、型板10はライ
ニング7の修復されるべき上方領域8を覆っているが、
該上方領域8のライニング7の表面から間隔をあけてい
るので、該表面と型板10との間に空間9が形成され、
注型材料2が空間9に注入される。型板10は取鍋5の
底部に向いた下縁11に密閉手段12を有し、該密閉手
段12は、ライニング7の、まだ十分に保存されている
下方領域8´に対して空間9を密閉するために用いられ
る。
【0020】以下、型板10の技術的構造及び作動方法
を図2及び図3を参照して詳述する。図2に縦断面で示
され、かつ下に向かって僅かに円錐状に細くなっている
型板10の上縁には、側方に突出するラグ13が設けら
れ、該ラグ13は型板10を取鍋5に据えられた状態に
して取鍋5の上縁に支持している。ラグ13は型板10
をホイスト、例えばクレ−ンに吊り下げるために用いる
保持部14を具備している。型板10の内面には複数の
内側バイブレ−タ(Innenvibrator) 29が配置されてお
り、図2には例えばそのうちの1個のみが示されてい
る。内側バイブレ−タ29は、型板10全体を揺動する
ことによって、チキソトロ−プ性の注型材料を流動化す
るために用いられる。型板10の、取鍋5の底部に向け
られた下縁11には、対称軸線Lに対し直角の支持リン
グ17と、該支持リング17を外側で囲繞する円筒状の
支持スリ−ブ18とが取付角16によって取着されてお
り、支持スリ−ブ18は対称軸線Lに同軸に延び、型板
10の下縁11よりも僅かに小さい直径を有する。支持
スリ−ブ18には、隣り合っているが、軸方向及び半径
方向に互いに離隔している細長い穴状の開口部19,1
9´が形成され、該開口部19,19´の長手方向の長
さ(Laengsausdehnung)は対称軸線Lに対し直角に延びて
いる。開口部19,19´は支持スリ−ブ18の外面に
沿って巡っている1本のホ−スル−プ21の2つのホ−
ス端部20,20´を通すために用いられる。ホ−スル
−プ21はほぼ水平方向面に沿って支持スリ−ブ18の
回りに案内されて、ホ−スル−プ21の始点領域と終点
領域が開口部19,19´の間で重なり合い、すなわち
僅かな長さだけ(eine kurze Strecke)垂直に重なって延
びている。ホ−ス端部20,20の少なくとも1は加圧
装置(図示せず)と結合しており、他方のホ−ス端部は
圧力安定性をもって閉じられている。
【0021】かように支持スリ−ブ18を巡るホ−スル
−プ21によって、空気圧の環状エレメント22が形成
され、型板10の下縁11から延出している可撓性の密
閉ジャケット23は、環状エレメント22によって、随
意にライニング7の修復不要な領域8´の上面へと押圧
可能である(図3を参照)。可撓性の密閉ジャケット2
3は自らの周囲に亘って周設されかつ互いに部分的に重
なった密閉セグメントにより構成されているので、密閉
ジャケット23がライニング7の下方領域8´の上面に
ほぼ皺が寄らずに接触することができ、従って良好な密
閉作用が達成される。図3から明らかなように、取付角
16の外側に設置された締付手段24によって、密閉ジ
ャケット23は型板10に固定される。締付手段24で
は、ボルト25によって、ル−ズプレ−ト26を、取付
角16に動かないように取着されたプレ−ト27へと締
め付けることができる。締付手段24は、同様に、型板
10の周囲に亘って周設された可撓性の支持ル−プ28
を固定するのに用いられる。ホ−スル−プ21は支持ル
−プ28の中を延びており、型板10の対称軸線Lの方
向に固定されている。
【0022】ライニング7を部分的に張り替えるため、
ホ−スル−プ21が無圧のとき、本発明の型板10が取
鍋5に降下される。注型材料2を例えば図1に示された
方法で空間9に供給しないうちに、ホ−スル−プ21に
圧力を印加することによって、該ホ−スル−プ21は、
支持スリ−ブ18に支持されつつ、密閉ジャケット23
をライニング7のまだ多少保存されている下方領域8´
の表面に押圧して、空間9が下方に確実に密閉される。
チキソトロ−プ性の注型材料2が空間9に注入される間
に、型板10が内側バイブレ−タ29によって振動され
ることによって、注型材料2は圧縮される。型板振動の
振幅は空気圧の環状要素22に印加される圧力の高さに
よって影響を受ける。チキソトロ−プ性の注型材料2が
凝固した後に、圧力がホ−スル−プ21から排出される
ことによって、密閉ジャケット23がライニング7の表
面から離れ、型板10と共に、修復された取鍋5から取
り出される。従って、かように構成された型板10が繰
返し用いることができ、残余の耐火性ライニングのため
に修復されるべき領域を密閉する特別な措置を要しな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はチキソトロ−プ性の注型材料を供給し、
好ましくは本発明の型板を使用する設備の部分断面側面
図である。
【図2】図2は本発明の型板の縦断面図である。
【図3】図3は図2の部分III に図示された密閉ジャケ
ット及び空気圧の支持要素を配置した図である。
【符号の説明】
2…注型材料、5…取鍋、9…空間、10…型板、11
…下縁、18…支持ストリップ、19,19´…開口
部、21…ホ−スル−プ、22…環状要素、23…密閉
ジャケット、28…支持ル−プ。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼を鋳込むための取鍋(5)及び類似の
    冶金用の容器の耐火性ライニングの修復のために注型材
    料(2)を部分的に塗布してライニングの内部構造を形
    成するための型板(10)であって、該型板(10)は
    前記取鍋(5)の高さの一部分のみを環状に覆い、取鍋
    底部の方向に僅かに錐状に細くなっており、前記取鍋
    (5)に降下することができ、前記型板(10)は前記
    取鍋(5)の修復される表面を覆うが、該取鍋(5)か
    ら間隔をあけているので、これによって元のライニング
    の内面と前記型板(10)との間に形成された空間
    (9)に前記注型材料(2)が注入でき、前記型板(1
    0)の、前記取鍋(5)の底部に向いた下縁(11)に
    は、前記型板(10)の周囲に亘って延び、かつ前記空
    間(9)を下方に閉じる空気入れ可能な可撓性のホース
    ループ(21)が設置されてなる型板(10)におい
    て、 前記ホースループ(21)は半径方向の支持ストリップ
    (18)を360度以上巻回しているので、前記ホース
    ループ(21)の始点領域及び終点領域は、軸方向に見
    て、一定の長さに亘って重なり合っていること、及び前
    記型板(10)の前記下縁(11)に固定され、前記ホ
    ースループ(21)の圧力下で内張りの方に身を寄せる
    可撓性の密閉ジャケット(23)が具備されており、該
    密閉ジャケット(23)は自らの周囲に亘って周設さ
    れ、部分的に重なり合う密閉セグメントにより構成され
    ていることを特徴とする型板。
  2. 【請求項2】 前記ホースループ(21)を前記型板
    (10)に固定するように定め、前記型板(10)の周
    囲に亘って周設された可撓性の支持ループ(28)が具
    備されており、該支持ループ(28)を通って前記ホー
    スループ(21)が延びていることを特徴とする請求項
    1に記載の型板。
  3. 【請求項3】 前記型板(10)に固定され、該型板
    (10)の前記下縁(11)から突出し、前記型板(1
    0)よりも小さな直径を有し、前記ホースループ(2
    1)を半径方向に支持する支持ストリップ(18)が具
    備され、該支持ストリップ(18)には、加圧装置と接
    続する前記ホースループ(21)の端部を前記型板(1
    0)の内部を通って外に案内する開口部(19,19
    ´)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の型板。
  4. 【請求項4】 前記ホースループ(21)は市販の消化
    ホースにより製造されていることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれか1に記載の型板。
  5. 【請求項5】 前記可撓性の密閉ジャケット(23)は
    ゴムで製造されていることを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれか1に記載の型板。
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