JP2718542B2 - 免疫促進性グアニン誘導体、その組成物及びその使用法 - Google Patents

免疫促進性グアニン誘導体、その組成物及びその使用法

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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は免疫応答促進化合物(免疫促進物質)、特に
グアニン環の7位及び8位が置換したグアニンヌクレオ
シド誘導体、その誘導体を含む組成物及びそれらの使用
法に関する。
(発明の背景) 動物の免疫系は、個別に、そして、または協調して作
用する多くの要素から成り、その系により、動物宿主に
対して異物と判断される物質を阻止、除去または中和す
る。全てではないが一般に、この免疫系により異物と判
断される物質は、その宿主以外のものに由来する。この
ような外来物質の例には感染性細菌及びその細胞活性産
物、ウイルス粒子及びそれらのタンパク質、昆虫の毒針
から注入されたタンパク質及びそれらに類するものがあ
る。リューマチ関節炎のような自己免疫症では、その宿
主の免疫系が宿主製のタンパク質又は、自前のタンパク
質を異物として認識する。
免疫系の基本的因子は、胸腺由来のリンパ細胞(T細
胞)、骨髄で作られるリンパ細胞(B細胞)、中でも細
菌に対して細胞毒性を示す過酸化水素のような酸化剤を
作る酵素を生産する好中球及びT細胞のヘルパーT細胞
への転換を助ける、タンパク質設計されたインターロイ
キン1を生産すると同時に、その外来物質又は抗原にT
細胞を指し向けるマクロファージを含む白血球である。
外来物質に対し、順序よく連続的に作用するタンパク質
の複雑な混合物である補体も免疫応答において重要な役
割を果している。
B細胞は、中でも、それらの膜表面上のイムノグロブ
リンの存在により、T細胞と区別することができる。膜
結合イムノグロブリンは、抗原レセプターとして機能
し、分泌イムノグロブリンは、抗体として機能する。
イムノグロブリンには、部分的にイムノグロブリン分
子を構成している5個の抗原的に異なる重鎖タンパク質
に基づいて、IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMと呼ばれる5
クラスが知られている。また、B細胞は、補体レセプタ
ー(CR)、イムノグロブリンのFc領域に対するレセプタ
ー(FcR)、I領域関連抗原(Ia)及び全ての抗血清に
より同定され、かつB細胞の成熟及び活性化の様々な面
に相関性をもつ分化抗原類(Lyb 1−7)を含む、非イ
ムノグロブリン細胞マーカーを有している。これらのマ
ーカーは、B細胞を表現系で同定するのに有用である。
B細胞のイムノグロブリンが外来物質又は抗原と相互
作用を起こしたとき、T細胞、特にヘルパT細胞が体液
性免疫のために、B細胞を刺激し、抗体分泌細胞へと分
裂及び分化するのに必要である。サプレッサーT細胞
は、体液性免疫の制御に寄与する一方、細胞毒性T細胞
及び遅延型過敏症のT細胞仲介物は、細胞性免疫の重要
な要素である。
T細胞は、T細胞の機能に関連するLyt1,2及び3及び
L3T4と呼ばれる抗原を有している。ヘルパーT細胞前駆
体は、Lyt1+、2-、3-、L3T4+という発現型を有してい
る。
B細胞が最初のメッセージを活性化抗原物質から受け
取った後、ヘルパーT細胞がイムノグロブリン分泌性B
細胞の活性化及び分化を助けることが知られている。し
かし、T細胞がB細胞へ与える活性化及び分化の第2の
メッセージの様式は現在でも全く理解されていない。
グアノシン−3′,5′−サイクリック−リン酸(cGM
P)は、B細胞の増殖に必要な第2のメッセージを与え
るための天然物質と考えられている。9−ブロモグアノ
シン−3′,5′−サイクリック−リン酸(8−BrcGMP)
は弱い合成細胞内リンパ細胞マイトジェンであることが
分っている。
免疫応答は、人工的抑制(免疫抑制)又は、強化(免
疫強化又は免疫促進)により修正することができる。免
疫抑制すなわち、人工的に誘導される応答低下は、6種
の一般的方法(1)抗原による阻害、(2)特異的抗血
清又は抗体の投与、(3)抗リンパ細胞抗血清などの、
その他の生物学的試薬の使用、(4)薬剤又はホルモン
の使用、(5)放射及びリンパ組織の外科的除去により
行なうことができる。免疫強化には、免疫応答が展開す
る速度の増加、応答強度又はレベルの増加、応答の延
長、又は、その他の非免疫原性物質に対する応答の展開
に影響を与える試薬の投与が含まれる。
免疫応答を強化することが知られている試薬は、一般
にアジュバントと呼ばれ、そして、2種の一般的クラス
に分けることができる。(1)一般的な強化を提供する
もの、すなわち巾広い抗原に対して、細胞性、そして、
または体液性免疫応答を促進する物質及び(2)特異的
強化を提供するものすなわち、ある抗原に対してのみに
特異的な応答を促進する物質。
クラス1のアジュバントとして作用しうる物質は、次
に示すカテゴリーに分類することができる。(1)水あ
るいは油エマルジョン、例えばフロイントアジュバン
ト、(2)合成ポリヌクレオチド、(3)ホルモン、薬
剤及びサイクリックヌクレオチド、(4)内毒素、
(5)タンパク質性リンフォカイン及びモノカイン、例
えばインターロイキン。
免疫強化状態とは、ワクチン化後の身体状態により説
明できる。この時点では、免疫応答はすでに抗原性応答
により強化されているが、それ以上に、免疫程度そし
て、または免疫期間が改善するように強化することがで
きる。
免疫強化は、正常の免疫応答を示す動物同様、不完全
な免疫応答を示す動物についても起こすことができる。
後者の状態では、免疫強化は、宿主動物の免疫不完全状
態に関係しており、そして、むしろ普通以上のレベルに
応答を強化するので、予防程度の免疫(すなわち、ほぼ
正常レベル)が求められ、かつ,免疫再構成と呼ばれて
いる。以後の免疫強化という言葉には、免疫再構成を含
むと理解されるべきである。
ある病気及びAIDS、ブルトン型低γ−グロブリン血
症、老化及び薬剤誘導免疫抑制などの生理的状態におい
て、抗原依存B細胞活性化及び分化は欠けており、そし
て、または、低下したレベルでのみ存在しており、それ
により、この宿主の体液性免疫応答が低下している。こ
れらの病気や状態は、免疫抑制状態の代表例である。こ
こで、もしうまく効果があがれば、活性化及び分化の促
進は、その病気の症状をうまく減少させ、そして、また
はその患者の状態を改善する。
グッドマン(Goodman)及びウェイグル(Weigle)に
共譲渡された米国特許第4,539,205号は、アルドース鎖
(環)中5、又は6個の炭素原子を有するアルドースに
9−1′結合する、8位置換グアニン誘導体による動物
細胞性応答の調節が報告されている。この特許中に述べ
られている細胞の調節は主に一次及び二次免疫応答の強
化におけるアジュバンシティーのような免疫調節に関係
している。ある悪性状態に対する活性も、T細胞置換活
性、IL−1様活性(胸腺リンパ球について検定する)及
び好中球からのリソソーム酵素放出の誘導として公開さ
れている。これらの分子中の8位置換基は、水素に相対
的な電子吸引性誘導効果を有している。従って、ハロゲ
ン、メルカプト又はそのチオクソ互変異性体、アシルメ
ルカプト、アルキルスルフィド、ニトロ、シアノ、ケ
ト、ハロメチル及びメチレンオキシアルキル及びそれに
類するものが有用なものとして公開されており、一方、
アミノ基のような電子供与性置換基は不活性であること
が分った。
さらに、共譲渡された、米国特許第4,543,992号及び
それに相当して刊行されたヨーロッパ特許出願第833067
91.1号は、動物の細胞性応答における、8−ヒドロキシ
グアノシン(8−オキソグアノシン)、7−メチル−8
−オキソグアノシン及び7−メチル−8−チオキソグア
ノシンの誘導体の使用を公開している。さらに、米国特
許第4,539,205号中に公開されているグアニン誘導体を
用いた結果も、米国特許第4,643,992号に公開されてお
り、この特許で最初に公開されたグアニン誘導体を用い
た結果を同じであった。
また、米国特許第4,643,992で公開され、かつ特許請
求されている化合物の効果に関して、いくつかの報文及
び書籍が本発明者及び協同研究者によって報告がなされ
てきている。これら刊行された報文の例には、グッドマ
ン(Goodman)、プロシーディングイン・ソサイァティ
ー・オブ・エクスペリメンタル・バイオロジー・アンド
・メディシン(Proc.Soc.Exp.Biol.Med.)179,479(198
5)、グッドマン(Goodman)、ジャーナル・オブ・イム
ノロジー(J.Immunol.)136,3335(1985)、グッドマン
(Goodman)及びウェイグル(Weigle)、ヒトのプリン
代謝、パートB、ナイハン(Nyhan)及びトンプソン(T
hompson)編、プレナムプレス社、ニューヨーク、451頁
及び443頁(1986年)、グッドマン(Goodman)、及びウ
ェイグル(Weigle)、ジャーナル・オブ・イムノロジー
(J.Immunol.)135,3284(1985)、グッドマン(Goodma
n)及びウォルファート(Wolfert)、イムノロジカル・
リサーチ(Immunol.Res.),71(1986)、グッドマン
(Goodman)、ジャーナル・オブ・イムノロジー(J.Imm
unol.),137,3753(1986)、及びグッドマン(Goodma
n)及びヘンネン(Hennen)、セルラーイムノロジー(C
ell.Immunol.),102,395(1986)がある。
(発明の概要) ヒト及び動物細胞における免疫応答の強化に、7,8−
二置換グアニンヌクレオシド(グアノシン誘導体)が使
用される。有用な二置換グアニンヌクレオシドは、一般
式(I): (式中、XはO、S、Se又はNCNで、R1はエチル基より
大きく(2個の炭素原子より長く)かつデシル基より小
さい(10個の炭素原子より短かい)長さの直鎖、環状も
しくは分枝鎖ヒドロカルビル基(hydrocarbyl)基で、R
2及びR3は、水素原子、水酸基、低級アルコキシ基、低
級アルカノイロキシ基及びベンゾキシ基からなる群から
選ばれる同一又は異なる基であるか、もしくは、R2及び
R3がいっしょになって低級アルキリデンジオキシ基を構
成し、及びR4は、水素原子、低級アルカノイル基、及び
ベンゾイル基からなる群から選ばれる) で表わされる構造を有する。好ましい本発明のグアノシ
ン誘導体は、XがO又はSであり、かつR1がエチル基以
上でかつヘキシル基以下の長さを有するのである。特に
好ましいグアノシン誘導体は、7−アリル−8−チオク
ソグアノシン、7−アリル−8−オクソグアノシン、7
−ブチル−8−オクソグアノシン、7−(2−ブテニ
ル)−8−オクソグアノシン、7−ベンジル−8−オク
ソグアノシン及び7−プロピル−8−オクソグアノシン
である。一般式Iの化合物の医薬的に許容し得る非毒性
塩基付加塩も本発明に含まれる。活性成分として、上述
の二置換グアニンヌクレオシド誘導体の免疫強化(又は
免疫促進)効果量と共に、希釈量の生理学的に許容し得
るキャリヤーを含む免疫応答−増強組成物も本発明の範
囲である。
免疫応答、特に抗原特異的免疫応答を増強する方法も
本発明の範囲内である。この場合、白血球を、先に述べ
たグアニンヌクレオシド誘導体の免疫促進量を含む組成
物と、水性媒体中で接触させる。この組成物と白血球と
の接触は、接触した細胞がそれらの免疫応答の増強を示
すのに十分な時間維持される。この方法は、インビボで
も、または、細胞培養物に対してインビトロでも行なう
ことができる。接触を受けた白血球は、Bリンパ球であ
ることが望ましい。
アリルまたは炭化水素置換したアリル基で、7位置換
を受けた、8−オクソ、8−チオクソ又は、8−セレノ
クソプリンの合成法も考案された。本方法に従がい、プ
リン出発物質であって、その8位を−X−CH2−CR=CH2
基(式中、XはS、O又はSe及びRは水素原子、低級ア
ルキル基又はベンジル基)により、そして、9位を保護
基により置換されたプリン出発物質を提供できる。8位
で置換したプリン出発物質を、好ましくは希釈された不
活性液体媒体中、約50℃から約200℃の温度に加熱す
る。この温度を、そのプリン出発物質の、(i)8位が
=X基(ただし、Xは、出発物質中のXと同じもの)
で、かつ(ii)7位が−CH2−CR=CH2基で置換するのに
十分な期間(約1時間から約2週間)維持する。また、
この反応は、この液体媒体中、触媒量のPdCl2を包含さ
せることにより触媒することができる。また、このプリ
ンは、リボース又はデオキシリボースに9−1′結合し
ており、また、このプリン生成物はグアノシン、アデノ
シン又はイノシン誘導体であることが好ましい。最も好
ましいプリンヌクレオシドは、ここで議論されているグ
アノシン誘導体である。
(本発明の詳細な説明) I.序文 本発明は投与した宿主動物の免疫系を強化し、あるい
は、細胞培養物中の白血球を強化する免疫応答増強剤を
考案したものである。特に考案された免疫促進は、免疫
化抗原に選択的に抗原特異的なものである。
いくつかの報告されているマイトジェニックグアノシ
ン誘導体、例えばグアノシン−3′,5′−サイクリック
−リン酸及びその8−ブロモ誘導体の効果の研究におい
て、生理学的に許容し得る希釈量のキャリヤーを含む組
成物中、効果量の活性成分として存在する時、新しいク
ラスの低分子量グアニンヌクレオシド誘導体は、ホ乳類
細胞の応答を調節する上で著しい効果を示すことが発見
された。強いアジュバンティシティを起こす抗原特異的
体液性免疫応答の増強、T細胞置換因子様活性、Tヘル
パー活性、T細胞由来リンフォカイン分泌、T細胞の細
胞毒性活性及び免疫再構成活性は、特に調節されること
が分った細胞性応答の例である。これらの化合物及びそ
の使用法は、米国特許第4,539,205号及び第4,643,992号
に公開されている。
本発明の化合物は、上述の2つの特許の化合物に比
べ、驚異的に大きい活性を有することが分った。増強さ
れた活性の知見は、多くの理由で驚くべきものであっ
た。
上述の米国特許中に公開されている、最も活性のある
化合物は、白血球マイトジェンとして、及び抗原特異的
アジュバントとしての、7−メチル−8−オキソグアノ
シン(7m8oGuo)であった。以下に議論されているよう
に、マイトジェネシティー及びアジュバンティシティー
は必ずしも関連しない現象である。
引きつづいて得られたデータから、7m8oGuoが8−ヒ
ドロキシグアノシン(8オキソグアノシン(8oGuo)の
互変異性体)又は、8−メルカプトグアノシン(8MGuo
と呼ばれ、8−チオクソグアノシンの互変異性体)のよ
うな化合物以上の増加した活性を示すという事は驚くべ
きことであった。さらにそのいくつかを以後の例として
提供される一連のデータは、一連の8位置換グアノシン
の活性(マイトジェニシティ及びアジュバンティシティ
両方とも)が8位置換基の大きさが増すにつれ減少する
ことを明らかにした。
従って、置換基サイズ効果が見とめられる8位に隣接
してグアノシン環上に、7m8oGuoのメチル基が結合して
いるので、以前には置換基が存在していなかった7位へ
のその基又はその他の基の付加は、問題としている分子
がサイズ感受性の環内位置に隣接した位置により大きい
形で存在するという理由のみでこれも活性を低下させる
ことが期待されるであろう。7m8oGuo以上に、グアノシ
ン環上7位により大きい置換基を有する本発明の化合物
の増加したアジュバンティシティは、なおさら予期しが
たいものであり、驚くべきものであった。
II.化合物 ここで考案された免疫促進化合物は、7,8−二置換グ
アニンヌクレオシド誘導体(ここでは、グアノシン類又
はグアノシン誘導体とも呼ばれる)である。これらの化
合物は以下に示す一般式I: (式中、XはO、S、Se又はNCNであり、 R1は、エチル基より長く、かつデシル基より短かい直
鎖、環状又は分枝鎖ヒドロカルビル基であり、 R2及びR3は、水素原子、水酸基、低級アルコキシ基、
低級アルカノイロキシ基及びベンゾキシ基からなる群か
ら選ばれる同一又は異なる基であるか、もしくは、R2
びR3がいっしょになって低級アルキリデンジオキシ基を
形成し、及び R4は水素原子、低級アルカノイル基及びベンゾイル基
からなる群から選ばれる基である) で表わされる構造を有する。
上記一般式中のリボシル基は、β−配位の結合により
その環の1位に結合していることを意味していることに
注意せよ。さらに、D型のリボシル基を意味していると
理解しなければならない。
好ましいグアノシン誘導体は、XがO又はS、R1がエ
チル基以上でかつヘキシル基以下の長さを有し、かつ、
R2及びR3は水酸基もしくはアセトキシ基であるものであ
る。特に好ましい態様では、XはOであり、R1は、プロ
ピル基、アリル基、ブチル基、2−ブテニル基及びベン
ジル基からなる群から選ばれたものであり、R2及びR3
水酸基であり、及び、R4は水素である。最も好ましく
は、XはO、R1はアリル基、R2及びR3は水酸基及びR4
水素である。
先に示したように、R1基は、エチル基より長い。また
R1基は、デシル基よりも短かい。いわばR1は、各々適当
な水素原子を含んだ長さの、飽和した2個の炭素原子よ
りも長く、かつ、飽和した10個の炭素原子よりも短かい
炭化水素基である。単にプロピル、ブチル、ヘキシル、
デジル等と呼ばれる炭化水素基は普通の直鎖ラジカルと
理解される。分枝基とは、各々、2−プロピル又はイソ
プロピルなどのように、通常用いられている数字又は略
式接頭語により指示されている。
ヒドロカルビル基の鎖長は分子中の最も長い炭素鎖に
沿って測定される。この長さは、公表されている結合
角、結合長、及び原子半径を用い、必要ならばジグザグ
鎖を描き、かつそれを測定することにより、もしくは、
結合角、結合長及び原子半径が公表されている値となっ
ている市販のキットを用いてモデルを組み立てることに
より、容易に測定することができる。また、基の長さ
は、不飽和結合は、飽和結合と同じ長さを持ち、かつ不
飽和結角は、飽和結合と同じ値であると仮定することに
より、いくぶん小さく測定されるが、上述の測定様式は
好ましいものである。長さは、その基の最長のものが測
定される。
R1は特定の長さを有するヒドロカルビル基である。炭
化水素ラジカルであるから、R1は炭素及び水素原子のみ
を含む。
炭化水素及びヒドロカルビル基は大きく、脂肪族及び
芳香族に分けることができる。脂肪族基には(i)飽和
アルカン(アルキル基)及び(ii)モノ及びポリ不飽和
アルケン及びアルキン(アルケニル及びアルキニル基)
がそれぞれ含まれる。環状、直鎖及び分枝基は、各タイ
プの脂肪族基に存在する。芳香族R1基には、芳香族性ベ
ンゼン又はナフタレン環が含まれる。脂肪族基に結合し
た芳香族環を含むアラルカン、アラルケン及びアラルキ
ン基も、アルキル置換ベンゼン及びナフタレン誘導体と
して、考慮されている。代表的R1基を以下に示す。
すでに述べたように、R1基は、エチル基よりも長く、
かつデシル基よりも短い。それゆえ、このグループのア
ルキル基はC3−C9アルキル基と呼ばれる。このC3−C9
ルキル基は、以後議論されるR2、R3及びR4基の一部とし
ても有用な、ここで“低級アルキル基”と呼ばれるクラ
スのものがいくつか含まれている。ここで低級アルキル
基について議論するのが適切である。
ここで、“低級”と呼ばれている基は、それらが1か
ら約6個の原子を含むことを意味している。この定義
は、R1、R2、R3及びR4の全てで使用されているように、
“低級”という語に適用される。R2、R3及びR4に対して
は、1〜3個の炭素原子を含む“低級”基を使用するこ
とが望ましい。
低級アルキル基には、例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−
ブチル、n−ペンチル、3−メチル−2−ブチル、1−
メチルブチル、2−メチルブチル、neo−ペンチル、n
−ヘキシル、1−メチルペンチル、3−メチルペンチ
ル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、2−ヘキシ
ル、3−ヘキシル及びそれに類するもののような、直鎖
及び分枝基両方が含まれる。R1のC3−C9アルキル基のグ
ループには、低級基のグループのメチル及びエチル基は
含まれず、またヘプチル、オクチル及びノニルラジカル
の他に、アルキル置換アルキル基である、2−メチルヘ
プチル基のような分枝基までも含まれる。R1基はエチル
よりも長く、かつ、ヘキシルよりも短かい直鎖であるこ
とが好ましく、また、R1の低級アルキル基にプロピル、
ブチル、及びペンチルが含まれる方がより好ましい。
また、環状脂肪族基も考案さており、これは、不飽和
アルケニル及びアルキニル基のグループだけでなくアル
キル基のグループ中にも含まれうる。そのような基に
は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル
及びシクロオクチル基が含まれる。また、このグループ
には、2−シクロペンテニル、2−シクロヘキセニル、
3−シクロヘプテニル及びこれに類するもののような不
飽和基も含まれる。
さらに、考案された環状脂肪族基には、7位窒素原子
と環状構造の間に結合する、アルキレン、アルケニレン
又はアルキニレン基を有する基同様、直接グアニン環の
7位に結合する環に結合する1つ以上の低級アルキル基
置換を有する基が含まれる。前者の環状基のグループの
代表的基には、2−メチルシクロペンチル、3−エチル
シクロヘキシル及び4−iso−プロピルシクロヘプチル
が含まれる。後者の環状基のグループの代表的基には、
2−(シクロペンチル)エチル、3−(シクロヘキシ
ル)ブチル及びそれに類するものが含まれる。
不飽和基は、また別の脂肪族基のグループを構成す
る。代表的−不飽和化合物には3−ブテニル、2−メチ
ル−3−ペンテニル、3−ヘキシニル及びそれに類する
ものが含まれる。また、1つ以上の不飽和結合を含むが
芳香族性でもある環状基は、上述のように環状基と考え
られる。多不飽和基には、ブタジエニル、2−メチル−
2,4−ペンテジェニル及びそれに類するものが含まれ
る。
C3−C6β−アルケニル基は不飽和炭化水素基の特に好
ましいグループである。C3−C6β−アルケニル基にはグ
アニンの7位窒素原子にβ−結合するエチレン的二重結
合が含まれている。代表的基には、アリル(2−プロペ
ニル)、2−ブテニル、2−ペンテニル、3−メチル−
2−ペンテニル及びこれに類するものが含まれる。
芳香族基は別の炭化水素R1基のグループを構成してい
る。代表的芳香族ラジカルには、フェニル及びナフタレ
ン基が含まれる。3−又は4−メチルフェニル、3−又
は4−イソプロピルフェニル、3−エチルナフチル、5
−メチルナフチルラジカル及びこれに類するもののよう
な、アルキル置換芳香族ラジカルも考案されている。
さらに、アラルキル基も考案されたR1基である。ペン
ジル、フェネチル及び3−フェニルブチル基は、このグ
ループの代表例である。ベンジルは特に好ましいR1基で
ある。
アラルケニル基であることから、シンナミル基(3−
フェニル−2−プロピル)は非常に近い関係の基であ
る。またシンナミル基もC3−C6β−アルケニル基より長
い置換β−アルケニル基と見なすことができるが、その
長さのため、アジュバントとして驚くべき活性を示す。
R2及びR3基は同じでも、異なっていてもよく、また水
素、水酸基、低級アルコキシ基低級アルカノイロキシ基
及びベンゾキシ基からなる群から選ばれるものである。
またR2及びR3は共に2′,3′−環状低級アルキリデンジ
オキシ基を形成することができる。代表的R2及びR3基を
以下に議論する。
低級アルコキシ基は、酸素原子を介してグアニン糖環
に結合した低級アルキル基である。代表的低級アルコキ
シ基には、メトキシ、エトキシ、イソプロピル、ブトキ
シ、ヘキシロキシ及びそれに類するものが含まれる。低
級アルカノイロキシ基は、グアニン糖環水酸基及び低級
アルキルカルボン酸の間に形成されるエステルである。
低級アルカノイロキシ基の例にはホルモキシ、アセトキ
シ、プロピオノキシ、ヘキサノイロキシ及びそれに類す
るものが含まれる。
2′−及び3′水酸基の低級アルキルアセタール及び
ケタール誘導体は、2′,3′−環状低級アルキリデンジ
オキシ、又はより簡単に、低級アルキリデンジオキシ基
と呼ばれる。これらの基は、置換したグアノシンリボシ
ル基の2′−及び3′−水酸基と、ホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド又はそれに類するもののようなアルデ
ヒド又は、アセトン又はメチルエチルケトンのようなケ
トンとの反応により生成する。
R2及びR3は、水酸基、低級アルカノイロキシ基又はベ
ンゾキシ基であることが好ましく、またさらに水酸基又
はアセトキシ基であることがより好ましい。R2及びR3
低級アルカノイロキシ基又はベンゾキシ基であるとき、
それらの基は本発明の方法の白血球接触ステップの間又
は直後に失なわれ、従ってグアノシン誘導体の“プロド
ラッグ”型を提供することができる。R2及びR3は水酸基
であることが最も好ましい。
R4は、水素原子、低級アルカノイル基及びベンゾイル
基からなるグループから選ばれる基である。R4が低級ア
ルカノイル基はベンゾイル基のとき、そのカルボキシル
基は、先に述べたように切断され、再び“プロドラッ
グ”を提供すると考えられている。
有用なグアノシンは、生理的pH値、すなわちpH約7.0
からpH7.5で、相対的に酸性の1位環内窒素により提供
されるイオン電荷以外、実質的なイオン電荷をもたな
い。従って、有用な分子にグアノシン中に存在しない酸
及び塩基含有領域はない。
定義から、酸性及び塩基性基の不在はR1ラジカルから
伸びておりグアノシン分子全体に及んでいる。
グアニンは酸であり、従って塩基付加塩を形成する。
このような塩は保存安定性を与える上で有用であり、か
つ、宿主血液及びリンパ系あるいは培養媒体のバッファ
から提供される緩衝効果のため、本発明の方法で用いる
グアニン誘導体に付加的イオン電荷を与えることはな
い。
ここで、グアニン誘導体の医薬的に許容される、非毒
性塩基付加塩が有用となり、これは水又はメタノールあ
るいはエタノールのような低級アルキルアルコールのよ
うな適当な溶媒中、適当な塩基で免疫応答増強剤を処理
することにより作ることができる。代表的無機塩基に
は、ナトリウム、カリウム及びアンモニウムの水酸化物
及びこれに類するものが含まれる。代表的有機塩基に
は、トリス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタン(TR
IS)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピヘラジン
−エタンスルホン酸(HEPES)及びこれに類する塩基が
含まれる。逆に、この塩基付加塩型は、酸で処理するこ
とにより遊離型のグアノシンに変換することができる。
ここで有用となる置換したグアニンヌクレオシド誘導
体は化学文献で公表されている操作、あるいはそれに類
似する操作を用いて容易に合成される。いくつかの代表
的合成法は、後に材料と方法のセクションに示す。一般
的に、7,8位二置換グアニンヌクレオシド誘導体の合成
は、すでに形成されている9−1′−βアルドグルコシ
ドボンドから始めるが、この結合を最初に生成する必要
はない。本発明のいくつかの化合物を合成する新規でか
つ予想外の方法を後のセクションVで議論する。
以後説明する代表的合成に加え、三つの代表的合成様
式をここで簡単に説明する。これらの様式は文献により
提供される合成様式の代表例であり、そして、合成する
化合物として、本発明の7−炭化水素置換−8−チオク
ソグアノシンを用いて説明する。
最初の様式では、7−炭化水素置換−8−チオクソグ
アノシンを適当な溶媒中α−1−クロロ(又はブロモ又
はアセトキシ)−2,3,5−トリベンジオイル−D−リボ
ースのような、適当なα−1−脱離置換リボース誘導体
と反応させ、β−リボシル誘導体を生成させる。この反
応産物を回収し、HPLCで分画することにより、目的のグ
アノシン誘導体を得る。
第2の様式では、7−アリル−8−チオキソグアノシ
ン(22444;例9)を酸化し対応するアルデヒドを生成す
る。その後、生成した7−(2−エタナール)−8−チ
オクソグアノシンをウィティング反応で縮合して7−β
−C3−C6アルケニル(又は他の)ラジカル置換グアノシ
ンを作り、これを使用のため、存在するその他の副産物
から分離する。それからこの不飽和グアノシンを還元し
て、飽和置換体とすることができる。
第3の様式では、チオホスゲンと、適当に置換を受け
た2,5,6−トリアミノ−4−ヒドロキシピリトミジンと
の反応による閉環が利用されている。より明確に言う
と、2−アミノ−4−ヒドロキシ−5−炭化水素置換−
アミノ−6−β−D−リボシルピリミジンを酸捕捉塩基
の存在下、チオホスゲンと反応させ、7−炭化水素−8
−チオクソグアノシン誘導体を得、これは使用するた
め、その他の反応産物から分離できる。
III組成物 本発明の組成物は先に説明した本発明の置換したグア
ニンヌクレオシド誘導体の免疫強化(免疫応答増強又は
免疫促進)効果量を混合した、希釈量の生理的に許容さ
れるキャリヤーを含んでいる。
インビホ投与のための組成物は、慣例的な単位投与組
成物の形で経口又は腹腔内注射による投与で与えられ
る。ここで用いている“単位投与”という語句及びその
文法的同義語は、ヒトの患者又は他の動物に対して単一
投与に適した物理的に分離した単位を意味し、例えば希
釈剤又はビヒクルなどの必要とされる生理的に許容され
るキャリヤーと合せて、望ましい治療効果を生むのに必
要であると計算された、予め決められた効果量のグアノ
シン活性成分を含んでいる。本発明の新しい単位投与型
の説明は、(a)この活性グアノシン誘導体成分の独特
の性質及び達成すべき特別な治療効果、及び(b)ヒト
及び他の動物におけるインビボの場合同様、インヒドロ
での治療的用途のための、これら活性成分の調合技術に
固有の制限により記述されており、またそれらに直接依
存する。
本発明に従がう適当な単位投与型の代表例には錠剤、
カプセル、丸薬、粉末包、顆粒、ウエハー及びそれに類
するもの、前述のものを分離した形で多数含むもの、及
び液体溶液、エマリジョン及びサスペンジョンがある。
液体組成物は、皮下、静脈、筋肉注射、経口及びそれに
類する通常の方法で投与することができる。
効果的な免疫促進量として、インビボ投与される活性
成分量は患者の年令及び体重、治療される特定の症状、
投与頻度、及び投与経路に依存する。1日当りの総投与
範囲は、体重キログラム当り約0.01から約200ミリグラ
ム、好ましくは、体重キログラム当り約0.1から約25ミ
リグラム、そして、より好ましくは体重キログラム当り
約1から約15ミリグラムとすることができる。ヒト成人
投与量は、1日当り約5から約1400ミリグラムの範囲
で、単一投与又は3もしくは4回に分けた投与により与
えられる。家畜への投与は、体重及び成人と比較した動
物の代謝速度に比例した投与量を用いた、ヒトへの投与
に対応している。
有効なインビボ濃度は、動物種毎に変化させることが
できることは、当業者には認められるところであろう。
また当業者は、この適当な濃度が容易に決定しうること
を知っている。
インビトロでの動物細胞の接触のための濃度は、ミリ
リットル当り約106〜107細胞の細胞濃度に対し、約1×
10-6から約3×10-4モル濃度である。この濃度は、約1
×10-5から約1×10-4モル濃度であることがより好まし
い。後に述べる結果のセクションからも分るように、与
えられたグアノシンに対するピーク濃度、すなわち最も
大きいアジュバンティシティを提供する濃度は、マウス
又はヒトのリンパ細胞システムで実験する場合、10〜10
0倍ほど変化する。
組成物は固体でも液体でもよい。生理的に許容される
キャリヤーは当分野でよく知られている。液体キャリヤ
ーの代表例には、活性成分グアノシン誘導体及び水に加
えてなんの物質も含まない、または、リン酸緩衝液のよ
うな、生理的pH値、生理的イオン強度、あるいはその両
方のリン酸ナトリウムのようなバッファを含む無菌的水
性溶液がある。さらに、水性キャリヤーは、ナトリウム
及びカリウムの塩化物、デキストロース及びその他の溶
質ばかりか、1つ以上のバッファ塩を含むことができ
る。後者のキャリヤーは、リンガーズインジェクショ
ン、デキストロースインジェクション、デキストロース
・アンド・ソディウムクロライドインジェクション及び
ラクテーティドリンガ−ズインジェクションにより例示
される。
また液体組成物は、水に加えて、かつ水を除外するよ
うに液相を含むこともできる。このような付加的相の代
表例には、グリセリン、綿実油、ゴマ油のような植物油
及び水−油エマルジョンがある。
代表的固体キャリヤーには、丸薬又は錠剤の製造で通
常使用される物質が含まれ、コーンスターチ、ラクトー
ス、リン酸二カルシウム、トラガカントゴム、及びメチ
ルセルロースU.S.P.のようなシックナー、SiO2微粉末、
ポリビニルピロリドン、ステアリン酸マグネシウム及び
それに類するものがある。さらに固体キャリヤーには、
当分野でよく知られている、生分解性及び非生分解性ポ
リマー、ポリペプチドキャリヤー、AFFI−GEL 601(カ
リホルニア、リッチモンド、バイオラドラボラトリーズ
社から市販されているフェニルボロネートレジン)のよ
うなアフィニティーキャリヤー、リポソーム及び合成ポ
リマーがある。メチルパラベン及びプロピルパラベンの
ような抗酸化剤は固液両組成物中に存在させることもで
きるし、また、ショ糖、又はテンサイ糖、サッカリンナ
トリウム、チクロナトリウム及びG.D.サール社から、商
標NUTRASWEETの名で販売されているジペプチドアスパラ
ギン酸−フェニルアラニンメチルエステル甘味料のよう
な甘味料も存在させることができる。
IV免疫促進法 白血球の免疫応答を増加させる方法も考案されてい
る。この免疫対応は、抗原特異的応答であることが望ま
しい。本方法に従がい、B細胞、T細胞、好中球及びマ
クロファージのような白血球を、別々に、もしくは一緒
に、先に述べたグアニンヌクレオシド誘導体の免疫促進
効果量を含む、前述の組成物と、水性媒体中で接触させ
る。
この方法は、インビボで、ヒト、マウス、ラット及び
モルモットのような実験動物、あるいは、豚、馬、牛、
犬及び猫のような家畜及びペットに対して行なうことが
できる。またこの方法はモノクローナル抗体生産のため
のハイブリドーマ培養物のような細胞培養物に対し、イ
ンビトロで行うこともできる。
グアノシン誘導体の組成物がそれ自体固体か液体かに
かかわらず、または、その組成物の液体が水性かどうか
にかかわらず、白血球は、水性媒体中で接触が行なわれ
る。インビボ法の場合、その水性媒体は、少なくともそ
の一部が、血液又はリンパ液の水で供給される。インビ
トロ法の場合、その水性媒体は、少なくともその一部
は、使用した培養媒体で供給される。
その組成物と、白血球との接触は、接触を受ける細胞
がその免疫応答の増加を示すまで維持される。この免疫
促進は、それ自体、細胞増殖、抗体分泌の増加、Tヘル
パー活性の増加、T細胞及びマクロファージ由来のサイ
トカイン生産の増加、好中球由来の酵素分泌及びそれに
類することにより明らかとなる。後に論議する結果は、
ネズミ脾細胞の非特異的マイトジェニック応答、ネズミ
B細胞及びTサプレッサー細胞を欠いたヒト末梢血液リ
ンパ細胞の抗原特異的応答、T細胞の抗原特異的増殖、
ネズミ免疫欠損B細胞における一次免疫応答のインビト
ロ再構成、ネズミB細胞における抗原特異的応答に対す
るTサプレッサー細胞置換活性及びネズミの抗体生産の
抗原特異的増加を示している。これら免疫応答の増加
は、本発明の方法の使用を説明するものであり、これを
制限するものではない。
インビボでの使用では、白血球及び至適濃度の組成物
の接触は、一般的に、その動物が代謝、排泄又はその両
プロセスにより体内からグアノシン誘導体が無くなるま
で維持する。この時間は免疫促進が表われるのに必要な
時間よりも長くなることもある。一般的に、個々の単位
投与との接触は、使用するキャリヤー又はビヒクルに依
存して、時間から約1週間以上までの期間維持される。
免疫欠損動物宿主には連続接触が有効である。インビト
ロでの接触は先に説明した免疫促進の1つが標準的検定
技術により明らかになるまで維持する。一般的にこの維
持時間には約1日から約7日間を要し、より一般的に
は、約2日から約6日間である。
V合成法 本発明はさらに9位窒素原子が反応から保護されてい
る7−アリル又は2炭化水素置換−アリル8オキソ、−
8−チオクソ又は8−セレノクソプリン誘導体の合成法
も考案している。特別に考案されているプリン誘導体
は、グアノシン、アデノシン及びイノシンもしくはそれ
らのデオキシリボアナログの誘導体である。生成した最
も好ましいプリンは、グアノシン誘導体であり、以下に
これを詳細に議論する。
特別に考案されたプリン類に対する9位窒素原子は、
保護基を結合することにより、反応から保護される。も
っとも好ましい保護基は、リボシル又はデオキシリボシ
ル基であり、またこのグアニンはそのリボシル又はデオ
キシリボシル基に9,1′−β結合している。その他の保
護基には、グリコシル及びアラビノシルのようなその他
の1−グリコシド類、アセチル、ベンゾイル及びt−ブ
チロキシカルボニルなどのアシル基類及び各々ベンジル
及びC2−C6アルキルのような除去可能及び除去不能保護
基が考案されている。9位保護基の特別な統一は、その
基がプリン分子の8位及び7位の反応を妨害しないかぎ
り、重要ではないと考えられている。同様に、その他の
置換基が、反応を妨害しない限ぎり、1位、2位及び6
位に存在することもできる。
本方法に従がい、プリン出発物質は、−X−CH2CR=C
H2基(式中、XはO、S又はSe、Rは水素原子、低級ア
ルキル基又はベンジル基)で8位が置換される。この8
位置換プリン出発物質を約50℃から約200℃の高温度に
加熱する。この高温度を、その8位置換出発物質が転移
し、そして(i)8位が=X基(式中の生産物における
Xは、出発物質におけるXと同じである)により、かつ
(ii)7位が−CH2−CR=CH2基(式中、Rは、出発物質
におけるRと同じである)により置換を受けたプリン産
物を生成するのに十分な時間(約1時間から約2週間)
維持する。産物7,8位二置換9位保護プリン誘導体は、
従来法で行うことのできる単離がなされることが好まし
い。
上述の反応は、反応条件に不活性な液体溶媒中に溶解
もしくは分散されたプリン出発物質について行うことが
望ましい。この目的のための代表的不活性液体溶剤に
は、後の材料及び方法のセクションで説明されている、
水、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドが
含まれている。
出発プリン誘導体は単離精製した物質である必要はな
いことに注意せよ。むしろその存在は、転位ステップを
通して8−オキソ、8−チオクソ、又は8−セレノクソ
アリル化合物の生成により与えられる粗反応混合物を持
込むことによるのと同様に、前駆体反応物及び最終産物
の構造から附随して推論することができる。
上記反応に有効な温度及びその維持時間は広く変化さ
せることができる。X=Oの場合の至適温度は約100
℃、X=S又はX=Seの場合は約135℃であるようであ
る。硫黄アナログは、酸素又はセレニウムアナログの場
合よい長い反応時間を必要とした。
理論に束縛されると考えずに、ここに説明した反応
は、6員環中間物又は遷移状態を介して進行する転位で
あると考えられている。この6員環は、プリン環の7位
窒素及び8位炭素原子、X−CH2−CR=CH2基のX原子及
び最初の3つの(線で描れた)炭素原子から、出発物質
の=CH2炭素原子が、7位の窒素原子と結合を形成する
ことで環を閉じることで形成されると考えられている。
本発明のこの態様の別の特徴には、この転位がテトラ
ヒドロフラン(沸点65℃)のような比較的低い沸点の溶
媒中、二塩化パラジウム(PdCl2)により触媒されると
いうことがある。非触媒転位の場合と同様に、一般に、
9位窒素原子に加え、糖環水酸基、6−オキソ(ヒドロ
キシ)基及び2−アミノ基のような、種々のグアノシン
上の反応性領域は、触媒転位の間、トリメチルシリル基
のような、適切な除去可能保護基で保護される。このよ
うな保護は非触媒反応には必要ない。代表的触媒転位に
おいては、9−保護−8−X−CH2−CR=CH2グアノシン
誘導体出発物質を、触媒量のPdCl2と、触媒/グアノシ
ンモル比を約1:1から約1:10で混合し、ついでこの混合
物を、テトラヒドロフランのような溶媒中、約10から約
20時間の適当な時間還流して、転位を効率よく起こす。
その後は、一般的に、反応産物を分離し、回収する。
合成中、除去可能保護基が使った場合、一般的にこれ
らの保護基を、目的とする7−CH2−CR=CH2−8−X−
グアノシン誘導体産物を回収する前に除去する。除去可
能保護基として、トリメチルシリル基を用いた場合、こ
れらの基は、保護産物を酢酸のような酸で処理すること
により除去することができる。
後に示す例9の実験から分るように、この触媒反応
は、非触媒反応(36パーセント)よりも高い収率で(4
2.5パーセント)7a8MGuoを提供し、それを、より短かい
反応時間、すなわち16時間対9日間、及びより低い温
度、すなわち、65℃対130℃で行うことができた。触媒
反応に対しては、一般に、この転位は約50℃から約100
℃の温度で行なわれる。一方、非触媒転位は、一般に焼
約100℃から約200℃の温度で行なわれる。
VI結果 本発明の化合物、組成物及び方法を用いた独特の結果
が得られており、またこれらの結果はしばしば米国特許
第4,643,992号に公開されている化合物、組成物及び方
法を用いた同様の結果と比較されている。これらの結果
の大部分は、7−(2−プロペニル)−8−オクソグア
ノシン(ここでは7−アリル−8−オクソグアノシンと
も呼ばれる)及び7−(2−プロペニル)−8−チオク
ソグアノシン〔ここでは7−アリル−8−チオクソグア
ノシンとも呼ばれる)を用いて得られている。簡便のた
め、これら2つの化合物は以前に7−メチル−8−オク
ソグアノシン(7m8oGuo)、8−メルカプトグアノシン
(8MGuo)及び8−オクソグアノシン(8oGuo)に対して
議論されたものと同じ略記法を用い、各々7a8oGuo及び7
a8MGuoと呼ばれる。比較のための化合物について用いら
れる別の略記法には、8−ブロモグアノシンに対する8
−BrGuoがある。
以下に議論されている結果、断らない限り、本発明の
方法中で用いられる本発明の組成物中の、1つ以上の本
発明の化合物を用いて得られたものである。説明の簡潔
さ及び容易さのため、以後化合物だけでも、これら化合
物が、本発明の組成物及び方法において用いられること
の理解が必要とされる。
ここで議論され、又は比較される活性を持つ、各新規
化合物も5桁の確認番号を与えられている。これらの数
字は、化合物の合成を説明する例のタイトル中にリスト
されている。5桁の数字そして、または、例番号は、こ
れら化合物を確認するのを助けるため、次の表及び議論
の中で用いられている。
A8位置換グアノシンの活性 先に示したように、種々の長さのチオエステルを有す
る、本発明の一連の8位置換グアノシンのアジュバンテ
ィシティ及びマイトジェニシティーを試験した。これら
の実験結果を以下の第1表及び第2表に示した。表全体
にわたる横線は、互いに別々の実験を区っている。
上記結果は、置換基の長さが増すにつれ、8位置換グ
アノシンの活性は、8−硫黄原子が水素原子のみに結合
している8MGuoに対して減少することを示している。従
って、8−(2−ブテニル)誘導体(22435)の抗原特
異的アジュバンティシティーは、より長い8−シンナミ
ル誘導体(22359)よりも大きいが、8−メルカプト化
合物(8MGuo)よりも小さかった。8−アリル誘導体(2
2300)は、指示されている濃度の場合、8MGuoのアジュ
バンティシティと程同じ活性を示した。同化合物のマイ
ドジェニシティの結果は8位置換基がより長くなるにつ
れ、徐々に低活性となるという傾向がより顕著になるこ
とを示した。
B.アジュバンティシティ及びマイトジェニシティ 本発明の化合物、組成物及び方法は、マイトジェニッ
ク及びポリクローナル応答、及び活性が第1及び第2表
で示されている化合物のアジュバンティシティーを誘導
及び増強するのに有効である。本発明のマイトジェニッ
ク性及びアジュバント性はマイトジェネシス及びポリク
ローナル応答がしばしば同期して起こる少なくとも2つ
の別々の経路から生ずると考えられている一方、アジュ
バンティシティーの結果は、しばしば異なる。例えば、
グッドマン(Goodman)等、ジャーナル・オブ・エクス
ペリメンタル・メディシン(J.Exp.Med.),147,800(1
978)及びマッキンタイヤー(McIntire)等ジャーナル
・オブ・イムノロジー(J.Immunol.)117,674(1976)
参照。同様の差異について、いくつかが米国特許第4,64
3,992号に議論されている。
また、この活性の非共役性は、以下の第3表及び第4
表結果からも分かるように、ここで議論されている化合
物のいくつかについても示されている。
第4表に示した結果は、7−メチル、7−エチル、7
−アリル及び7−ブチル−8−オクソグアノシンは全
て、同濃度範囲に渡り、ネズミ系でほぼ同じマイトジェ
ネシティーを示すことを表わしている。しかし、ヒト系
におけるアジュバンティシティを試験したとき(第3
表)、本発明の化合物(7−アリル−及び7−ブチル−
8−オクソグアノシン)は7−メチル−8−オクソグア
ノシ(7m8oGuo)に比べ約100パーセント増のピーク値を
示した。興味深いことに、本発明のグアノシン誘導体の
存在下で増強されたアジュバンティシティを示す、第3
表で用いたものと同タイプの細胞である、ヒトの末梢B
細胞はどのグアノシン誘導体の存在下でもマイトジェニ
ック応答を示さない。上記の結果及びアジュバント応答
を示すヒトの細胞がマイトジェネティシティを示さない
ということは、マイトジェニシティ及びアジュバンティ
シティは必ずしも関連しておらず、かつ異なる経路で進
行しうることを確かにしている。
C.アジュバンティシティ実験 白血球起源として、ヒト及びネズミの白血球を用い、
多数のアジュバンティシティの比較が、本発明からはず
れる新しい化合物と同時に、本発明の化合物を用いて行
なわれた。遠交系ヒトの場合は別にしても、近交系マウ
ス由来のものでさえ、リンパ細胞応答に差があることか
ら、これらの結果は与えられた実験内で同実験で用いた
化合物及び各実験のコントロールに対して、最もよく比
較が行なわれた。しかし、各実験間の比較も、その傾向
や、大きな差異を示すものには有効である。後に示す第
5,第6及び第7表は、ピーク濃度の時の活性のみが各化
合物について示され、かつそのコントロールの結果を省
いた、実験の代表的データを提供している。各実験の結
果は、表を横切る水平線で区切ってある。
上記表の結果は、いくつかの特徴を示している。第1
に、本発明の化合物は、比較した米国特許第4,643,992
号で公開された化合物よりも活性が高い。活性の改善
は、約0.5から1対数単位(10倍)低い、ピークアジュ
バンティシティ観測時の濃度、またはその特許の化合物
が示すものよりも通常少なくとも約100パーセント高い
ことで示される、有意に高い、与えられたピーク濃度で
のアジュバンティシティに表われている。
改善したアジュバンティシティは、7a8MGuo、7m8oGuo
及び7−シンナミル−8−オクソグアノシン(22827)
を比較した第5表の第1グループの化合物に見えること
ができる。これから分かるように、7a8MGuoは、100倍低
い濃度で7m8oGuoより100パーセント以上大きい活性を有
していた。7−シンナミル−8−オクソグアノシンは、
同様のピーク濃度において、7m8oGuoよりも約100パーセ
ント以上大きい活性を有していた。同様の結果は、第5
表の下の方に示されているが、ここでは8−BrGuoと7
−エチル−8−オクソグアノシンを比較しており、両化
合物は培養当り同数のプラーク数を有していたが、後者
の化合物は1.5対数単位低い濃度でこの値を示した。後
に論議される他の研究から、7−エチル−8−オクソグ
アノシンで示された結果は、例外的に高いことが分
る。) 7−デシル−8−オクソグアノシン(23894)の使用
により示された培養当りのPFC値の増加が実質的にゼロ
であったことは、デシルラジカルの長さ以下のR1基の基
準を提供している。
以下の第6表に示した結果は、第6表の免疫促進剤が
リボシル水酸基及びいくつかの環上部位における、さら
にいくつかの置換基を有すること以外、第5表の結果と
同様にして得られた。
第6表の結果は、先に説明したように7位及び8位に
置換を受けたグアノシンも、もしそのリボシル水酸基が
置換基を有しているならば有効となりうることを示して
いる。したがって、イソプロピリデン環内に2′−及び
3′−水酸基が結合している7−アリル−8−チオクソ
グアノシン(23083)は、約0.5対数単位高い濃度であっ
たが、7a8oGuoと実質的に等しい活性を示した。同様
に、そのイソプロピリデン誘導体の5′−アセチルエス
テル(23287)も、約0.5対数単位高い濃度でピーク活性
を示した、8−ブロモグアノシンの約2倍のピークアジ
ュバンティシティを示した。
その5′−アセチル(アセトキシ)基をベンゾイル
(ベンゾキシ)基を置換した場合(23351)、同様の結
果が得られた。興味深いことに、化合物23351の2位ア
ミノ基に、さらにベンゾイル基が付加したとき、生成し
た化合物(23350)は、実験に用いた濃度で実質的に不
活性であった。
リボシル基の2′−、3′−及び5′−水酸基全てを
アセチル化したとき(化合物22360)、この化合物は高
い活性を維持した。後述する第8表に示した結果は、こ
のトリ−O−アセチル化合物は、特に低い濃度で実験し
た全ての化合物の中で最も活性があることを示してい
る。
以下の第7表に示した結果はヒトのリンパ細胞を用い
たこと以外は、先に議論した結果と同様に得られた。こ
れらの実験のいくつかは、1人以上のヒトに由来するリ
ンパ細胞は使用しており、それゆえ多数の実験について
報告されている。
第7表における結果は、ヒト系における7−メチル−
8−オクソグアノシンと比較した本発明の化合物の効果
の増加を示している。また、これらの結果はヘキシル基
よりも短かい7位置換基の優先性を示している。従っ
て、ヘキシル基より長い7−シンナミル−8−オクソグ
アノシン(22827)は、7m8oGuoと比較しては、活性が高
いが、7a8oGuoよりは実質的に活性は低い。
7−位置換基がヘキシル基よりも短かく、かつ、エチ
ル基よりは長い、7a8oGuo、7−ブチル−8−オクソグ
アノシン(23644)及び7−(2−ブテニル)−8−オ
クソグアノシン(23679)全てのアジュバンティシティ
の類似性も示されている。同様に、エチル基よりも長い
7位置換基を有する化合物のアジュバンティシティの増
加は7−エチル−8−オクソグアノシン(23643)と、7
a8oGuo又は7−ブチル−8−オクソグアノシン(2364
4)のアジュバンティシティを比較することによっても
分る。
R1ラジカルがエチル基よりも長く、かつヘキシル基よ
りも短かく、かつリボシル基が未置換である本発明の特
に好ましい化合物及び7m8oGuo及び7−エチル−8−オ
クソグアノシンの間のアジュバンティシティの差は、以
下の第8表の結果から見てとれる。これらの結果は、ネ
ズミリンパ細胞及び9個のグアノシン誘導体を用いて行
ない、使用するのに望ましい比較的低い濃度でグアノシ
ン誘導体をリンパ細胞と接触させる、より規模が大き
く、単一の実験から得られた。これらの結果を、以下の
第8表に示した。
第8表の試験は、7−ヘキシル−8−オキソグアノシ
ン(23924)は、より低い濃度で、7m8oGuoと比較してほ
ぼ等しい活性を示し、またより高い濃度で約2倍の活性
を示すことを明らかにしている。7−ブチル−(2364
4)、7−エチル−(23643)、及び7−(2−ブテニ
ル)−8−オクソグアノシンは全て、低い濃度で7m8oGu
oの少なくとも約2倍の活性を示し、より高い濃度で
は、7−ブチル−及び7−(2−ブテニル)−8−オク
ソグアノシンは、7−エチル−8−オクソグアノシンに
比べ、約100から200パーセントのアジュバンティシティ
の増加を示している。
7−プロピル−8−オクソグアノシン(24069)及び7
a8oGuoは、7a8MGuo及びその2′,3′,5′−トリアセチ
ル誘導体(22360)同様に、全て、7−エチル−8−オ
クソグアノシンよりも数倍のアジュバンティシティ活性
を有しており、また、7m8oGuoと比較してもなおより大
きい活性を有している。
第8表のより高い濃度での7位置換8−オクソグアノ
シンに対する第8表のマイクロモル当りの値(PFC−コ
ントロールPFC)データの、プロピル基よりもわずかに
長いアリル基及びブチル基よりもわずかに長い2−ブテ
ニル基で見た、置換中の最も長い炭素鎖の長さに対する
プロットを第5図に示し、アジュバンティシティと鎖長
の関係を説明している。そこに見られるように、アジュ
バンティシティは、3個以下の炭素の置換基、すなわち
メチル及びエチル基によっては、実質的により低い活性
が示され、約3個から約4個の鎖長でピークを示す。ヘ
キシル基置換基はメチル及びエチル基と同様の活性を示
す。
7位置換基のおよその鎖長に基づく見かけの構造活性
の関係に関するこの知見は、全く驚くべきものであっ
た。R.ガロ(Gallo)(「物理有機化学の進歩」1983
年、ニューヨーク、ジョンウィリー・アンド・サンズ
社、R.タフト(Taft)14巻、115−163頁)は、定量的に
構造−活性関係を議論しており、かつ、タフトEsパラメ
ータを用いて線型の、生物学的システムにおける、いく
つかの自由エネルギー関係式を報告した。このEsパラメ
ーターは、立体効果に対し、相対的自由エネルギーを提
供すると言われている。
例えば、ガロ(Gallo)の報告は、イソニコチン酸ヒ
ドラジド型抗結核剤の作用同様、α−キモトリプシンの
アシル化及び脱アシル化、ウサギにおける一級アルコー
ルからグルクロニドへの代謝、マウスにおけるアンフェ
タミンのロコモータ活性、フェニルホスフェートのジエ
チル置換体によるコリンエステラーゼ活性阻害、フェノ
キシエチルシクロプロピルアミンモノアミンオキシダー
ゼインヒビター及びジフェニルヒドラミン抗ヒスタミン
薬に対する線型のEs相関関係を他の人が報告していると
報告した。(ガロ(Gallo)、125頁参照) 従って、同様の相関関係が、Es又は、ファンデルワー
ルス半径に基づくと言われており、カートン(Charto
n)により開発された(ジャーナル・オブ・アメリカン
・ケミカル・ソサイアティ(J.Am,Chem.Soc.)97,1552
−1556(1975)),Es相関的立体パラメーターnuを用い
本発明の免疫促進におけるグアノシンの7位置換基に対
しても見うけられることが期待された。しかし、プロピ
ル、ブチル、ペンチル及びオクチルのような直鎖7位炭
化水素置換基に対するnu及びEsの試験は、これら置換基
に対し、nu値はすべて0.68であり、一方、Es値は各々、
−0.36、−0.39、−0.40及び−0.33であった。nuあるい
はEsに対してPFC/培養値をプロットしたときは、線型と
はならず、この結果とこれら立体パラメータとの間に全
く相関関係が示されないとが明白となった。
さらに、カートン(charton)(ジャーナル・オブ・
オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)41,2217−
2220(1976))も直鎖C9,C11,C13,C15及びC17アルキ
ルラジカルに対し、0.68のnu値を報告しており、このこ
とは、もし、ここで研究されているアジュバンティシテ
ィーが以前に記述されている生物学的プロセス同様相関
関係をとりうるならば、7−ブチル基及び7−デシル基
は、同様のPFC/培養値を与えなければならないことを意
味することに注目せよ。しかし、実質的にゼロのアジュ
バンティシティを示す7−デシル−8−オクソグアノシ
ン(23894)を、各々nuパラメータが0.56及び0.73であ
る。第5表の中間的活性をもつ7−エチル−及び7−ヘ
キシル−8−オキソグアノシン誘導体(各々、23643及
び23644)と比較したときでさえ、本発明の化合物で増
加したアジュバンティシティは、nu又はそれに相関する
Euパラメーターとは相関しなかったし、また、アジュバ
ンティシティを、各々パラメータから予想することもで
きなかった。
また、さらに、より好ましい化合物、すなわち、R1
エチル基よりも長く、ヘキシル基よりも短かく、かつ、
リボシル基が未置換のものの予想外の性質は、その投与
−応答曲線が7m8oGuoで得た同様の曲線に比べ、ピーク
濃度付近でブロードになることである。このブロードの
応答は、上述の単一の値をとる表からは見てとることは
できない。
ある場合には、その広がりが、ピーク濃度よりも低い
方に向いているように思えるし、また、他の場合には、
ピーク濃度よりも高い位置を占めるようにも見える。こ
の投与−応答曲線の見かけの歪みは本実験で用いたヌク
レオシド濃度が0.5対数単位変化した作用によるものら
しい。
この投与−応答曲線の見かけ上の歪みの理由にかかわ
らず、相対的幅の測定は、ピーク濃度におけるPFC値/
培養を含む、ピーク濃度の1対数濃度単位内で、0.5対
数単位毎のプラーク(PFC/培養)平均値を加算すること
により得ることができる。それから得られた総計を、3
で割って、1対数単位平均値を得る。このように、この
1対数単位平均値は、ピーク濃度の両側の0.5対数単位
平均値に平均ピーク値を加算すること、もしくは、ピー
ク濃度よりも1対数単位高い濃度から得た平均値と、1
対数単位低い濃度から得た平均値を平均ピーク値に加算
することにより得ることができる。平均プラーク値を選
択し最大総計を得、また、SRBCのみ存在させた場合のバ
ックグランド値は合計する前の各値から差し引かれる。
各値を、培養物中に存在するヌクレオシドのマイクロモ
ル数で割り、1対数単位範囲で得られた三個の最大値を
合計し、3で割って、マイクロモル当りの1対数単位平
均値を得る。
上述の計算を行ない、特定のグアノシン誘導体を用い
た種々の無関連実験に対して平均をとったとき、本発明
のより好ましい化合物に対する、マイクロモル当りの1
対数単位平均値は、7m8oGuoの値よりも非常に大きいこ
とが分る。これらの値の差は、ヒト及びネズミのリンパ
細胞両方で試したデータから見てとれる。代表的な値を
以下の第9表に示す。
投与−応答曲線は、鋭すぎて、それゆえ、特定の受容
体への適当な投与ができない。例えば、第7表に示され
ているヒト系のデータは、3人のヒト由来のリンパ細胞
調製物を比較するとき、実験化合物のピーク濃度が3〜
10倍(0.5〜1対数単位)程度異なることを示してい
る。もし、投与−応答曲線が狭ますぎるなら、一般に受
容者に対し通常選択される投与は特定の受容体には高す
ぎるか又は低すぎる。従って、ここでは、より好ましい
化合物に対するブロードな投与−応答曲線は、7m8oGuo
に比べより大きい利点を提供する。第9表のデータは、
7m8oGuoよりも約25〜約60倍大きい、より好ましい化合
物に対する値を示す、ヒト系における1対数単位平均値
を示している。
さらに、第5図に示されているものと形が同じである
構造活性プロフィールがいくつかの実験で得られた同じ
及び別のグアノシン誘導体に対するピーク時のPFC/培養
データを用いて得ることができる。ここでは、各実験の
単一ピークPFC値を用いる。この値は、この実験で得ら
れたコントロールのバックグランドプラークを差引いた
後、得られた培養当りのPFC値を、PFC値を与えた実験中
に存在する、グアノシンのマイクロモル数で割ることに
より得た。それから、所定の化合物を用いて各実験で得
られたピーク値を平均し、先に、生ずることを注意し
た、実験毎の応答のゆらぎを減少させる。
ネズミ系に対する、このような平均ピーク値のプロッ
トを第6図に示した。この図の横軸は、第5図に再記述
してあるように決定した。第6図中に示した平均ピーク
値は、その偏差に対して使用された、いくつかの実験間
で見られる応答のゆらぎのため、第5図のもの程精密で
はない。さらに、グラフ上のいくつかの点は、広く変化
する結果を与えた単一又は二回の実験の結果である。た
とえば、2つのたいへん異なるピーク値から得られた、
7−ブチル−8−オクソグアノシン(23644)に対する
平均ピーク値は、ネズミ系に対する第8表のデータ及び
ヒト系に対する第7表のデータから、異常に高いと思わ
れる。従って、最も大きいピークPFC/培養値を与える炭
化水素置換基は、第5図よりも第6図における1から2
個の炭素長のものであるようである。それにもかかわら
ず、第6図のグラフに見られる構造活性関係は、そのデ
ータが精密でかつ、直接比較できる第5図の関係に実質
的に似ており、それにより、第6図に示されている結果
には信用を置くことができる。この実質的に類似する結
果は、エチル基より長いがヘキシル基よりは短かいR1
は、実質的に、かつ、予想できない程、7m8oGuoと比較
して、高いアジュバンティシティを示す。
7a8oGuoが低いピーク濃度で予想外に高いアジュバン
ティシティを示し、かつ、よりブロードな投与−応答曲
線を示すばかりか、7a8oGuoは、7m8oGuoよりもヒトの尿
に予想外によく溶ける。尿における予想外に高い溶解性
は、計算によるpi定数に基づく、水における予想される
溶解度に反する。本発明の化合物はその大部分が、投与
された動物の身体から、尿を介して排泄されることか
ら、尿を溶解度実験に用いた。尿への不溶性は、腎臓に
おけるその化合物の沈殿に導き、つづいて、その器官に
損傷を起こしうる。
pi定数は、1−オクタノールと水の間の分配係数によ
り決定される両溶媒における相対的溶解度の尺度であ
る。このpi定数は、生物学的マクロ分子への結合及び生
物学的システムを介しての輸送の両方を互いに関係づけ
るための選択パラメータであると言われている。ノーリ
ントン(Norrington)等、ジャーナル・オブ・メディカ
ル・ケミストリー(J.Med.Chem.)18,604(1975)。
pi定数パラメータは、レオ(Leo)及びハンシュ(Han
sch)及びその共同研究者により開発された。例えば、
レオ(Leo)等、ケミカル・レヴュー(Chem.Rev.),7
1,525(1971)及びC.ハンシュ(Hansch)及びA.レオ(L
eo),“化学における相関定数のための置換定数”、ウ
イリー・インターサイエンス、ニューヨーク、1979参
照。
ギリシャ文字(π)で普通示される、pi定数は、一般
式 π=logPX−logPH (式中、PXは目的の化合物に対する分配係数で、P
Hは、対応する未置換化合物に対する分配係数)で計算
される。別の無関係な化合物の置換基群のpi定数が1度
得られれば、それらに無関係な化合物の分配実験を行う
ことなしに、これらの置換基をもつ、別の無関係の化合
物についてもそれらを用いることができる。置換基とし
ての水素は:ゼロという値が与えられる。
上記の式から決定できるように、水中での溶解度がよ
り大きい置換基は、相対的により負のpi定数値を与え
る。逆に、1−オクタノール溶解度が大きい置換基は、
相対的により正のpi定数を与える。
上述のハンシュ(Hansch)及びレオ(Leo)の報告に
見られるpi定数はメチル基については0.56、アリル基に
ついては1.10である。従って、アリル基を有する化合物
は、メチル基を有する同様の化合物に比べ、1−オクタ
ノールに対し、よりよく溶解することが予想される。逆
に、所定の化合物上のメチル基の存在は、メチル基の代
りにアリル基を有する同様の化合物に比べ、より大きい
水溶性を与えることが予想される。
上述のpi定数からlogP値を計算する。ケムラブ(Chem
lab)コンピュータプログラムのLSEオプションを用い、
7m8oGuo及び7a8oGuoのpi定数を計算することにより、各
々Xがメチル基又はアリル基の場合の、logPX値は、各
々−8.43及び7.46である。このコンピュータプログラム
は、R.F.レッカー(Rekker)((1977)“疎水性フラグ
メント定数”、エレスビア版、ニューヨーク)の式を利
用している。このようにして、pi定数の使用は、7m8oGu
o、7a8oGuoに比べより大きい水溶性を予想している。
7m8oGuo及び7a8oGuoの、ヒト尿に対する溶解実験を行
うと、各々、4.88mg/ml及び16.3mg/mlであることが分っ
た。従って、7a8oGuoは7m8oGuoよりも3倍大きい溶解度
を有していたが、pi定数解析からは、より溶解性が低い
と予想された。尿における溶解度は、水におけるよりも
尿中の方がより高い塩含量があるため、水に対するより
もより低いことが期待しうる。
7a8mGuo又はここで公開されているその他の化合物のp
i定数解析は行なわれていない。ヒトの尿を用いた、上
述の溶解性実験は7a8mGuoを含んでおり、この化合物
は、硫黄原子の存在から予想されたように比較的不溶性
であることが分った(0.30mg/ml)。
上述の溶解性実験は、37℃、約18時間、ヒトの尿中過
剰量の各化合物を撹拌することにより行った。サンプル
容器は混合前に、アルゴンガスを吹き込んだ。各サンプ
ルは5ミクロンポアサイズのフィルターに通し、HPLCの
移動相で必要なだけ希釈し、それからHPLCで定量した。
D.T細胞置換活性. 抗体応答におけるT細胞の代りに、T依存抗原を使用
しうる、本発明の組成物の能力を第1図に示した。ここ
で、モノクローナル抗thy1、2と補体での処理による、
インビトロで生成したB細胞を、7a8oGuoの徐々に高め
た濃度の各組成物の存在下、抗原としてSRBCの有無の条
件下で培養した。
第1図のデータは、これらの条件下では、単離された
B細胞培養の抗原に対する応答は、7a8oGuoが補なわれ
ないかぎり乏しいことを示している。7a8oGuo調節応答
は、抗原依存であると同時に、投与量依存であった。さ
らに、この応答は抗原の削除が応答を著しく減少させる
ことから、B細胞の非特異的ポリクローナル活性化に寄
因させることはできない(点線)。SRBCに対する正常な
脾細胞の応答は、培養当り、約200から約600PFCの範囲
であった。
第1図のデータは、インビトロでのB細胞の、本発明
の組成物との接触は、それら接触細胞へ、T細胞様のシ
グナルを提供することを示している。また、これらの結
果は、その結果がグアノシンヌクレオシド誘導体に関し
て、抗原依存的でかつ投与量依存的であることを示して
いる。
E.一次体液性免疫応答のインビトロ再構成 第1図のデータに用いたB細胞は、免疫担当細胞であ
り、CBA/CaJマウス由来のものである。CBA/Nマウスは、
X染色体性一次B細胞免疫不全であり、それにより、性
染色体性免疫不全のネズミモデルとなりうる。
CBA/N株は、Lyb3/5/7抗原を有する成熟Bリンパ細胞
の亜集団の機能活性を欠いていると考えられている。フ
ーバー(Hober)等、ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンタル・メディシン(J.Exp.Med.),145,1(1977)、
アーメド(Ahmed)等、ジャーナル・オブ・エクスペリ
メンタル・メディシン(J.Exp.Med.),145,101(197
7)、及びスバロ(Subbaro)、ジャーナル・オブ・イム
ノロジー(J.Immunol.)122,2279(1979)参照。
雄及び雌の同型接合型CBA/N及びxid遺伝子と呼ばれる
CBA/N遺伝子に異型接合型雄マウス(雄マウスはx染色
体を有している)由来の脾細胞の培養物を、材料と方法
のセクションに説明されているようにして調製した。
0.1パーセント(v/v)SRBCサスペンジョンのみもしく
は、これに種々の量の7a8oGuoを加えたもの、0.1ミリリ
ットルを5×106細胞/mlの培養物に添加した。4日間の
培養後、培養物当り直接的抗SRBCプラーク形成値を検定
した。
CBA/Nマウス由来の細胞を、CBA/CaJマウス由来の脾細
胞調製物と比較する本実験の結果を第2図に示す。グア
ノシン誘導体濃度ゼロ時の第2図のテスト値は、CBA/Ca
J免疫担当細胞の約250PFC/培養に対して、実験的に応答
は無かった。
さらに、この図のテストは、CBA/CaJ免疫担当細胞及
び、本来免疫担当細胞であったCBA/Nの両方とも、7a8oG
uoの存在下で同数のPFC/培養値を生じうることを示して
いる。驚くべきことに、この同じ値は、CBA/CaJ及びCBA
/Nに対し、各々、7a8oGuo濃度10-5M及び3×10-5Mとい
う、0.5対数単位異なる7a8oGuoを含む組成物を細胞と接
触させることにより得られる。
それにより、第2のデータは、X染色体性免疫不全脾
細胞を、本発明の組成物と接触させることはその他の免
疫不全細胞のSRBCに対する一次体液性免疫応答を再構成
することができることを示している。
他のホ乳動物同様、マウスの免疫不全性は、第2図に
関して先に議論したように遺伝子欠陥によるものと同様
に、老齢又は老衰から起こる。従って、若年又は成人の
ように免疫性を有する動物は、それらが老年に到達した
ときに免疫不全となりうる。このことは近交系CBA/CaJ
マウス株の場合である。
さらに、SRBCに対する一次体液性抗体応答の再構成の
研究は、年令により免疫不全となった、週令156の老令C
BA/CaJマウス由来の脾細胞を用いて行なわれた。プラー
ク形成検定における、SRBCに対する、これら脾細胞のイ
ンビトロでの応答を、健康で成熟した週令8のCBA/CaJ
マウスのグループの同様の応答と比較した。この比較
は、7a8oGuoを含む組成物を、脾細胞と接触させるのに
用いて、第2図に関して先に述べた方法で行った。この
結果を、第3図に示す。
第3図のテストから分るように、SRBCは含むがグアノ
シン誘導体は含まない、健康な成熟マウスコントロール
のPFC/培養は、SRBC及びグアノシンの非存在下で生成し
た数の数倍であった。老令マウスのコントロールのPFC/
培養は両方ともほぼ等しいという、これらマウスに対し
ては通常のものであり、また、健康な成熟マウスのもの
に比べると多かった。これらの増加及び同様の応答は、
自己抗体形成クローンの生成によるものと考えられてい
る。
さらに図の実験は、3及び10マイクロモル濃度(μ
M)の両7a8oGuoの存在下でのSRBCに対するグアノシン
誘導体投与関連応答を示している。この応答は、免疫性
健康成熟マウス脾細胞及び元来免疫不全であったが現在
は一次体液性応答が再構成された老令脾細胞の両方につ
いて観察された。
それゆえ、第3図に示される結果は、免疫不全老令脾
細胞の、本発明の組成物との接触は、この欠失した免疫
応答を再構成することができる。第2及び第3図のデー
タは、X染色体性及び老令性免疫不全の両方での再構成
を示している。
F.インビボにおける抗体応答 CBA/CaJマウスを、pH6.9の0.28モル濃度カコジル酸パ
ッファ中の2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(TNB
S)及びウシ血清アルブミン(BSA)の反応から合成した
結合体(TNP−BSA)を用い、腹腔内注射(i.p.)により
免疫化した。各動物は、免疫化結合体50マイクログラム
(μg)を含む腹腔内注射を受けた。その後、マウスの
一群に(約30分以内)100パーセント綿実油又は、食塩
水中2パーセント(体積)綿実油を含むものを超音波処
理した水性組成物中7a8oGuoを含む別のi.p.注射を行っ
た。各動物は、7a8oGuo濃度5mg/mlの組成物0.2mlを注射
された。マウスの第3のグループは、免疫化はされた
が、本発明の組成物は受けず、コントロールとして使っ
た。その後、各グループからの抗TNP−BSA抗体分泌を抗
原として、TNP−BSAを用いた標準的酵素結合免疫吸着検
定法(ELISA)により、37日間にわたってモニターし
た。
この実験の結果を第4図に示し、コントロール値に対
する7a8oGuo含有組成物を用いて得られたELISA抗体値の
比として表わした。第4図から分かるように、7a8oGuo
を含む組成物の使用は、測定した最初の日(投与後9日
目)から、実験の最後(投与後37日目)まで、コントロ
ールよりも高い抗TNP−BSA抗体値を与えた。
第4図には示されていない特徴には、コントロール抗
体値は、投与後約2週間目にピークに達し、その後減少
しはじめることである。逆に、7a8oGuoを受けた動物の
抗体値は、投与後約2週間を通して増加し、その後実験
の期間中、同じ高いレベルを維持した。従って、実験に
入って2週間目に取られたデータの後、第4図のデータ
は7a8MGuo投与後の抗体値は比較的一定し、かつ、コン
トロールは減少していく様子を示している。
G.Tヘルパー細胞の活性化 外来もしくは修正した自己の主要組織適合性複合体
(MHC)決定因子で活性化したTリンパ細胞は自己完全
性のコントロールに関連する重要なエフェクター細胞性
を示すと考えられている。つまり同種移植拒絶反応及び
ウイルス的又は化学的に修正した自己構造の排除はこの
防御メカニズムの臨床的例である。アロ抗原存在下での
T細胞増殖は、Tヘルパー活性及びこの増加に対する相
関関係を提供することができる。ポバー(Pobor)等、
スカンジナビアン・ジャーナル・オブ・イムノロジー
(Scan.J.Immunol.),18,207−215(1983)。アロ抗原
存在下、及び本発明のグアノシン誘導体有無におけるT
細胞増殖実験を行ない、以下に議論している。
アロ抗原誘導の増殖に関するグアノシン誘導体の効果
を評価することにおいて、グアノシン誘導体を接触する
B細胞の同期的なマイトジェニック応答を最小にするこ
とは絶対に必要である。SJLマウス由来の脾細胞(この
B細胞はグアノシン誘導体のマイトジェニック効果に対
して減応答性であるが、そのアジュバント活性について
はそうではない)を、2つの実験における応答細胞とし
て用いた。これらの応答細胞を本発明のグアノシン誘導
体7M8oGuoの非存在又は徐々に増加させた条件下、照射
した同種異型の細胞(CBA/CaJマウス由来)もしくはホ
ジティブコントロールとして用いる、別のグアノシン誘
導体、8mGuoを使用して、刺激した。
刺激化(応答)細胞として、CBA/CaJマウス由来の胸
腺細胞及び刺激化細胞として照射BDF1マウス脾細胞を使
用して第3及び第4の実験を行った。これらの実験に
は、本発明の2個のグアノシン誘導体7a8MGuo及び7a8oG
uoを用い、そのうち1つの実験では、ポジティブコント
ロールとして役割を果たす8MGuoを用いた。
胸腺細胞は、同種異型細胞に著しい応答を示さない未
成熟のT細胞が大部分である。しかし、インターロイキ
ン−2(IL−2)の存在下、これらの細胞は同種異型の
刺激に対して応答を示す。それ故、胸腺細胞を用いた本
実験は、共刺激量のIL−2存在下で行った。
4回のT細胞増殖実験の結果を下の第10表に示す。各
々の実験は別々の細胞群を使用しているので、その結果
は各実験内でのみ比較するのが好ましい。
上記の表で示されている結果は、T細胞含有応答細胞
群を、同種異型刺激細胞の存在下、本発明の組成物と接
触させることはこれら応答細胞の増殖を増加させること
を示している。この誘導されたT細胞の増殖は、グアノ
シンヌクレオシド誘導体が存在しないとき、同種異型細
胞それ自身により引き起こされる増殖効果より大きい。
さらに、一般に、従来から知られている化合物、8MGuo
を用いたとき見られる効果と比べた、本発明の化合物を
用いたとき見られる効果の実験内比較は、本発明の化合
物を使用したとき、予期できない増加を示した。
本発明を一般的に説明してきたので、より深い理解
が、説明の目的で以下に提供される合成及び操作を参照
することで得ることができる。
VIII.材料と方法 A 合成 例1. 7位炭化水素置換−8−オクソグアノシン類の合成の
一般的操作 1−アミノ−8−オクソグアノシン(以後化合物A)
を2ステップ操作を用いたいくつかの合成の出発物質と
して用いた。この物質は基本的に、リズカラ(Rizkall
a)等(バイオヒム、バイオフィズ、アクタ(Biochim,B
iophys,Acta.)、195,285−293(1969))により報告さ
れている方法で合成した。
ステップ1. ジメチルホルムアミド(DMF)中の化合物Aの溶液
に、250ミリリットル(ml)DMF中33mMのソディウムメト
キサイドを添加した。この反応混合物を、室温で(約18
〜22℃)30分間撹拌した。化合物Aよりも若干モル過剰
量の、7位置換基形成のために用いるアルキル化試薬を
含む(例えば、33mM対30mM)DMF溶液(10ml)を加え、
さらに、約20〜約40℃で、約16時間攪拌する。
その後、溶媒を減圧下で除き、残査を、蒸留水又は脱
イオン水(150ml)及び塩化メチレン(150ml)で処理し
た。得られた固体を濾過し、適当な溶媒から再結晶し
て、1−アミノ−7−置換−8−オクソグアノシンを得
る。これで、通常用いられている2ステップ合成操作の
“ステップ1を完了する。
ステップ2. その後、ステップ1の産物を濃塩酸に溶かし(例えば
15mlHCl中4.65mM)、この中に0℃で亜硝酸ナトリウム
水溶液を加え(例えば5ml水中、4.19mM)、さらに約1
時間攪拌する。生成した脱アミノ産物を特に断わらない
限り標準的結晶技術により得る。
上述の2ステップ法又は他の方法による、独特で代表
的な化合物の合成を、その他の合成と同様に以下に公開
する。
例2. 7−ブチル−8−オクソグアノシン(23644) 例1の2ステップ操作に従がい、アルキル化剤として
ヨウ化ブチルを用い、表題の化合物を、m.p.230℃以上
の白色粉末として、収率15%で得た。
NMR(DMSO−d6): δ10.8(bs,1H);6.4(da,2H); 5.6(d,J=5Hz,1H). IR(KBr): 1680,1610及び1510cm-1. C14H2N5O6: 理論値C,47.32;H,5.96;N,19.71 実験値C,47.03;H,5.86;N,19.56. 例3. 7−(2−ブテニル)−8−オクソグアノシン(2367
9) 例1の2ステップ操作に従がい、アルキル化剤とし
て、臭化2−ブテニルを用い、表題化合物を、mp167−1
70°の白色粉末として、10パーセント収率で得た。
NMR(DMSO−d6): δ10.7(bs,1H);6.4(bs,2H); 5.4−5.6(bs,3H); 3.3(bs,3H). IR(KBr): 1690,1650及び1600cm-1. C14H19N5O6−H2O: 理論値C,45.28;H,5.70;N,18.86 実験値C,45.16;H,5.61;N,18.82. 例4. 7−ヘキシル−8−オクソグアノシン(23924) 例1の2ステップ操作に従がい、アルキル化剤とし
て、ヨウ化ヘキシルを用い、表題化合物を、mp196−199
℃のベージュ粉末として、8%収率で得た。
NMR(DMSO−d6): δ10.8(bs,1H);6.5(bs,2H); IR(KBr): 1680,1640,1600cm-1. C16H25N5O6: 理論値C,50.12;H,6.57;N,18.27 実験値C,49.93;H,6.52;N,18.24. 例5. 7−プロピル−8−オクソグアノシン(24069) 7−アリル−8−オクソグアノシン(例8.1.0g,2.9m
M)、10%Pd/C(100mg)及びエタノール(100ml)の混
合物を室温で水素雰囲気下、3時間撹拌した。この触媒
をセライド板を通して濾過し、エタノールで洗浄した
(100ml)。合わせた濾液を、減圧下で濃縮した。この
残査をメタノール(20ml)に溶解し、ついでエーテル
(200ml)で処理した。生成した固体を濾過し、60℃で
乾燥して、mp151−153℃、白色粉末として55%収率で表
題化合物を得た。
NMR(DMSO−d6): δ10.8(bs,1H);6.5(ba,2H); 5.5(d,J=5.5Hz,1H); 0.8(d,J=7Hz,3H). IR(KBr):1680,1640cm-1. C13H19N5O6: 理論値C,45.75;H,5.61;N,20.56 実験値C,45.41;H,5.56;N,20.09. 例6. 7−エチル−8−オクソグアノシン(23643) 例1の2ステップ操作に従がい、アルキル化剤として
ヨウ化エチルを用い、表題化合物を、mp185−187℃、白
色粉末として収率15パーセントで得た。
NMR(DMSO−d6): δ6.7(bs,2H); 5.7(d,J=5Hz,1H); 1.2(t,J=6Hz,3H). IR(KBr): 1680,1640,1610及び1460cm-1. C12H17N5O6.1/2H2O: 理論値C,42.86;H,5.39;N,20.82 実験値C,43.17;H,5.24;N,20.45. 例7. 7−デシル−8−オクソグアノシン(23894) 例1の2ステップ操作に従がい、アルキル化剤として
ヨウ化デシルを用い、mp174−176℃、白色粉末として、
10パーセントの収率で表題化合物を得た。
NMR(DMSO−d6): δ10.8(bs,1H);6.4(bs,2H); 5.6(d,J=5Hz,1H). IR(KBr): 1690,1590及び1450cm-1. C20H33N5O6: 理論値C,54.66;H,7.57;N,15.93 実験値C,54.17;H,7.44;N,15.90. 例8. 7−(2−プロペニル)−8−オクソグアノシン(21
757) (また、7−アリル−8−オクソグアノシン)ここで
は、7−アリル−8−オクソグアノシンとも呼ばれる表
題化合物の合成のため、2つの操作を使用した。
操作1. 臭化アリル(3ブロモプロペン)をアルキル化剤とし
て用いる例1の2ステップ操作に従がい、mp230−231
℃、白色粉末として対応する1−アミン化合物から40パ
ーセントの収率で表題化合物を得た。
NMR(DMSO−d6): δ5.6(d,J=5Hz,1H); 6.5(bs,2H);10.8(ba,1H). IR(KBr):1660,1590及び1560cm-1. C13H17N3O6: 理論値C,46.02;H,5.05;N,20.64 実験値C,45.63;H,5.10;N,20.56. 操作2. A.ステップ1: 8−(2−プロペニル)オキシグアノシン 8−ブロモグアノシン(例えばシグマケミカル社、セ
ントルイス、Mo州、10g、29.5mM)、水素化ナトリウム
(油中60%、5g、125mM)、アリルアルコール(28ml)
及びジメチルスルホキシド(DMSO,200ml)を窒素雰囲気
下、60℃、3時間加熱した。この混合物を、室温まで放
冷した後、ジエチルエーテル(1)に注いで灰色の沈
殿を得た。
エーテル層をデカンテーションして廃棄し、固体残査
を水(50ml)及び酢酸(10ml)で処理した。この固体を
濾過し、逆相HPLC(C−18)で精製し、収率20パーセン
トで白色粉末として2−プロペニルエーテルを得た。
NMR(DMSO−d6): δ6.3(bs,2H); 6.2−5.8(m,1H); 5.6(d,J=5Hz,1H). B.ステップ2: 7−アリル−8−オクソグアノシン 水中(50ml)8−(2−プロペニル)−オキシグアノ
シンス(40ml、0.12mM)を、3時間還流した。この反応
混合物を室温まで放冷し表題化合物を85パーセントの収
率で逆相HPLC(C−18)によって得た。
例9. 7−(2−プロペニル)−8−チオクソグアノシン 〔または、7−アリル−8−チオクソグアノシン〕
(22444) ここでは7−アリル−8−チオクソグアノシン及び7
−アリル−8−メルカプトグアノシン(7a8MGuo)と呼
ばれる表題化合物を、8−(2−プロペニルメルカプ
ト)グアノシンから異なる2つの転位操作から合成し
た。
A.ステップ1.8−(2−プロペニルメルカプト)グアノ
シン(22300) 臭化アリル(8g、63.5mM)を、8−チオクソグアノシ
ン(20g、63.5mM)及び炭酸カリウム(10g、72mM)DMF
溶液(300ml)の混合物に添加し、この混合物を、攪拌
しながら、45℃で90分間加熱した。
その後、この混合物を室温まで冷やし、ジエチルエー
テル(1.4l)及び酢酸(5ml)の溶液に注いだ。生成し
た固体を濾過し、水(250ml)、アセトン(200ml)及び
ジエチルエーテルで洗浄後、オーブンで60℃の乾燥を行
ない、mp225℃(分解)の白色粉末として、表題のチオ
エーテル(14.7g、67パーセント収率)を得た。
NMR(DMSO−d6): δ5.70−5.91(m,2H);6.38(bs,2H). IR(KBr):1700,1640及び1610cm-1. C13H17N5O5S: 理論値C,43.93;H,4.82;N,19.71 実験値C,44.10;H,4.82;N,19.69. B.転位 ステップ2.操作1: 7−アリル−8−チオクソグアノシン ビストリメチルシリルアセトアミド(72g、354.7mM)
を、クロロホルム(500ml)中、出発物質として8−
(2−プロペニルメルカプト)グアノシン(20g、56.3m
M)のサスペンジョンに加え、生成した混合物を、窒素
雰囲気下、16時間還流した。冷却後、溶媒の大部分を減
圧下で除き、残査を減圧下、6時間、40℃に加熱した。
油状残査を、テトラヒドロフラン(500ml)、PdCl
2(10.3g、58.3mM)及びベンゾニトリル(12.1g、117m
M)と混合し、生成した混合物を窒素雰囲気下、3時間
還流した。その後、この混合物を室温まで放冷し、ピリ
ジン(25ml)と混合して、一晩(約16時間)攪拌した。
この混合物をシリカゲルで濾過し、塩化メチレン(2×
300ml)で洗浄した。合せた濾液を減圧下で濃縮し、そ
の残査を水、メタノール及び酢酸の混合物(500ml、10:
10:1)と混合して、さらに約16時間撹拌した。
加えた溶媒の大部分を減圧下で除き、この残査をDMF
(1リットル)に溶解してから活性炭で処理した。この
ようにして得たサスペンジョンを、セライト床で濾過
し、その濾液を減圧下で濃縮した。この残査をメタノー
ルで処理し、生じた固体を濾過後、アセトンで洗浄して
から、オーブンで60℃の乾燥を行ない、mp.230℃以上、
にぶい白色粉末として、7−アリル−8−チオクメグア
ノシン(8.5g、42.5パーセント収率)を得た。
NMR(DMSO−d6): δ5.90(m,1H);6.32(d,J=5Hz,1H); 6.56(bs,2H);10.60(bs,1H). IR(KBr): 1700,1635,1605及び1450cm-1. C13H17N5O5S: 理論値C,43.93;H,4.82;N,19.71 実験値C,43.96;H,4.87;N,19.62. ステップ2:操作2: 7−アリル−8−チオクソグアノシン DMF中(60g)出発物質として8−(2−プロペニルメ
ルカプト)−グアノシン(60g)を含む溶液を、窒素雰
囲気下、130℃の浴中9日間加熱した。生成した反応混
合物を室温まで放冷し、溶媒を減圧下で除いた。この残
査をメタノールで処理した。生じた固体を濾過し、アセ
トンで洗浄した後、60℃のオーブンで乾燥して、にぶい
白色粉末として、表題化合物(21g、36パーセント収
率)を得た。
例10. 7−(2−プロペニル)−8−セレノクソグアノシン
(23369) ここで7−アリル−8−セレノクソグアノシンとも呼
ばれる表題化合物は、8−セレのクソグアノシン〔チュ
(Chu)等、ジャーナル・オブ・メディカルケミストリ
ー(J.Med.Chem.),18,559−564(1975)〕及び臭化ア
リル(例9参照)を反応させ、つづいて熱転位させるこ
とにより合成した。この産物は水から再結晶し、乾燥し
た。mp.227−230℃。
C13H17N5O5Se: 理論値;C,38.28;H,4.26;N,17.41 実験値;C,38.77;H,4.25;N,16.92. 例11. 7−〔(3−フェニル)−2−プロペニル〕−
8−オクソグアノシン (または、7−シンナミル−8−オクソグアノシン)
(22827) この表題化合物は、例1の一般的な2ステップ操作に
従がい、対応する1−アミノ誘導体から合成した。ステ
ップ2において、濃塩酸中(15ml)、1−アミノ−7−
〔(3−フェニル)−2−プロペニル〕−8−オクソグ
アノシン(2g,4.65mM)溶液に、0℃で、水中(5ml)の
亜硝酸ナトリウム(0.29g、4.19mM)を加えた。この混
合物を1時間撹拌した。溶媒の大部分を減圧下で除き、
淡黄色固体を得た。この固体をメタノールで粉砕し、自
己粉末として表題化合物を得た。
NMR(DMSO−d6): δ10.8(bs,1H); 5.6(d,J=5Hz,1H). IR(KBr): 1680,1610,及び1530cm-1. C19H21N5O6: 理論値 C,54.94;H,5.10;N,16.86 実験値 C,54.70;H,5.10;N,16.90. 例12. 8−シアノイミノ−7−(2−プロペニル)グアノシ
ン(24328) DMSO(200ml)中の7−(2−プロペニル)−8−チ
オクソグアノシン(例9,10g,28.2mM)溶液に、窒素雰囲
気下室温でヨウ化メチル(6g、42.3mM)を加え、生成し
た混合物を3時間撹拌した。この混合物を0℃に冷却
し、シアナミド(2.4g、56.5mM)を加え、つづいて、水
素化ナトリウム(60%オイル分散物、1.79g、44.8mM)
を加えた。生成した混合物を室温まで温め、1時間攪拌
した。
この混合物を、ジエチルエーテル(1.4l)に注ぎ、10
分間攪拌した。この有機層をデカンテーションし、さら
にこの残査をジエチルエーテル(1.4l)及び酢酸(50m
l)で処理した。有機層をデカンテーションし、残査を
水に溶かした(500ml)。
この水層を逆相(C−18)HPLCで精製し、白色粉末と
して35%収率で表題化合物を得た。
NMR(DMSO−d6): δ11.0(bs,1H); 6.5(bs,2H), 5.5(d,J=5Hz,1H). IR(KBr): 2190,1700及び1640cm-1. C14H17N7O5−1/2H2O: 理論値 C,45.16;H,4.87;N,26.33 実験値 C,45.00;H,4.66;N,26.07. 例13. 8−(2−ブテニルメルカプト)グアノシン(2243
5) 臭化アリルの代りに2−ブテニルクロライドを用いる
以外は、8−(2−プロペニルメルカプト)グアノシン
合成の最初の操作に従がい、表題化合物は、mp.210℃
(分解)白色粉末として、48パーセントの収率で得られ
た。
NMR(DMSO−d6): δ6.3(bs,2H); 5.6(d,J=5Hz,1H); 1.6(d,J=6Hz,3H). IR(KBr): 1690,1630,1600,1510及び1365cm-1. C14H19N5O5S: 理論値 C,45.52;H,5.18;N,18.96 実験値 C,45.38;H,5.32;N,18.79. 例14. 8−(シンナミルメルカプト)グアノシン(22359) 臭化アリルの代りに臭化シンナミルを用いること以
外、8−(2−プロペニルメルカプト)グアノシン(例
9)の合成操作に従がい、表題化合物を、mp172℃(分
解)にぶい白色粉末として、33パーセントの収率で得
た。
NMR(DMSO−d6): δ7.25(br,5H); 6.7−6.2(m,4H); 5.7(d,J=5Hz,1H). IR(KBr): 1690,1640及び1600cm-1. C19H21N5O5S: 理論値 C,52.89;H,2.91;N,16.23 実験値 C,53.26;H,4.90;N,16.08. 例15. 7−(2−プロペニル)−8−チオクソ−2′,3′−
o−イソプロピリデングアノシンヘミハイドレート(23
083) 7−(2−プロペニル)−8−チオクソグアノシン
(例9,6g、16.9mM)、2,2−ジメトキシプロパン(5ml、
40.7mM)、アセトン(200ml)及び濃硫酸(10滴)を窒
素雰囲気下、室温で52時間撹拌した。この混合物を0℃
に冷却し、濃アンモニア水(5ml)で処理した。溶媒の
大部分を減圧下で除き、白色の固体を濾過した。この固
体を、水、さらにアセトンで洗浄し、その後、ジエチル
エーテルで乾燥してから60℃のオーブンで乾燥して、m
p.237℃(分解)、淡黄色粉末として表題化合物を収率7
5%で得た。
NMR(DMSO−d6): δ1.32(s,3H);1.52(s,3H); 5.92(m,1H);6.58(bs,1H),6.95(bs,2H). IR(KBr): 1695,1630,1600及び1450cm-1. C16H21N3O3S−1/2H2O: 理論値 C,47.51;H,5.48;N,17.32 実験値 C,47.08;H,5.12;N,17.30. 例16. 7−シンナミル−2′,3′−イソプロピリデン−8−
オクソグアノシンヘミハイドレート(23803) 7−(2−プロペニル)−8−チオクソグアノシンの
代りに、7−シンナミル−8−オクソグアノシン(例1
1)を用いる以外、例15の操作に従がい、表題化合物
を、mp230℃、にぶい白色粉末として、収率35パーセン
トで得た。
NMR(DMSO−d6): δ10.9(bs,1H); 7.3−7.6(m,5H); 6.6(bs,2H),6.4(m,2H). IR(KBr): 1680,1630,1590,1450,1420及び1380cm-1. C22H25N5O6−1/2H2O: 理論値 C,56.89;H,5.64;N,15.07 実験値 C,54.08;H,5.53;N,15.12. 例17. 8−シアノイミノ−7−(2−プロペニル)−2′,
3′−o−イソプロピリデングアノシンヘミハイドレー
ト(24456) 7−(2−プロペニル)−8−チオクソグアノシンの
代りに7−(2−プロペニル)−8−チオクソ−2′,
3′−o−イソプロピリデングアノシン(例15)を用い
ること以外、例12の操作に従がい、表題化合物を、mp22
2℃(分解)明褐色粉末として、51パーセント収率で得
た。
NMR(DMSO−d6): δ7.45(bs,1H); 6.9(ba,2H);6.2(bs,1H);1.5及び1.3(両s,3H各
々). IR(KBr): 2185及び1595cm-1. C17H21N7O5−1/2H2O: 理論値 C,49.51;H,5.38;N,23.79 実験値 C,49.34;H,5.22;N,23.06. 例18. 5′−アセチル−7−(2−プロペニル)−2′,3′
−o−イソプロピリデン−8−チオクソグアノシン(23
287) 7−(2−プロペニル)−2′,3′−o−イソプロピ
リデン−8−チオクソグアノシン(例15、1.2g、3m
M)、トリエチルアミン(3ml)、無水酢酸(0.3g、2.9m
M)及び塩化メチレン(100ml)の混合物を、室温で6時
間撹拌した。この混合物を水(100ml)に注ぎ、有機層
を分離して水層を塩化メチレン(2×50ml)で抽出し
た。
合せた有機層を乾燥し(Na2SO4)、溶媒を減圧下で除い
た。残査をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(10
0g、酢酸エチル/ヘキサン(9:1v/v)で精製し、表題化
合物を、mp179℃(分解)、にぶい白色粉末として収率7
0パーセントで得た。
NMR(DMSO−d6): δ11.1(bs,1H); 6.85(ba,2H); 6.6(s,1H);2.01(s,3H); 1.45及び1.32(両s,3H各々) IR(KBr): 1730,1710,1680及び1630cm-1. C18H23N5O6S: 理論値 C,49.42;H,5.30;N,16.01 実験値 C,49.33;H,5.36;N,15.50. 例19. 7−(2−プロペニル)−6,5′−ジベンゾイル−
2′,3′−o−イソプロピリデン−8−チオクソグアノ
シン(22314) 無水酢酸の代りにベンゾイルクロライドを用いること
以外、例18の一般操作に従がい、表題化合物を、mp.99
−101℃黄色粉末として、収率12パーセントで得た。
NMR(CDCl3): δ8.3−7.4(m,10H), 6.85(d,J=1Hz,1H); 1.61及び1.38(両s,3H各々). IR(KBr): 1760,1720,1640,1600及び1450cm-1. C30H29N5O7S: 理論値 C,59.69;H,4.84;N,11.60 実験値 C,59.73;H,4.88;N,11.49. 例20. 7−(2−プロペニル)−2−N,5′−o−ジベンゾ
イル−2′,3′−o−イソプロピリデン−8−チオクソ
グアノシンヘミハイドレート(23350) 例19の精製に用いたシリカゲルカラムを、酢酸エチル
/ヘキサン(3:7v/v)でさらに溶出を続けると、表題化
合物が、mp134−136℃、淡黄色粉末として、収率20パー
セントで得られた。
NMR(CDCl3): δ10.1(bs,1H); 8.2−7.3(m,10H); 1.65及び1.34(両s,3H各々). IR(KBr): 1710,1680,1610及び1588cm-1. C30H29N5O7S−1/2H2O; 理論値 C,58.81;H,4.94;N,11.43 実験値 C,58.77;H,4.82;N,11.50. 例21. 7−(2−プロペニル)−5′−ベンゾイル−2′,
3′−o−イソプロピリデングアノシン−8−チオクソ
グアノシン四水和物(23351) 例19及び20で用いたシリカゲルカラムを、酢酸エチル
/ヘキサン(4:1v/v)でさらに溶出を続けると表題化合
物が、m214℃(分解)淡黄色粉末として収率21パーセン
トで得られた。
NMR(DMSO−d6): δ11.1(bs,1H); 7.9−7.3(m,5H); 6.7(bs,2H);6.6(s,1H); 1.6及び1.4(両s,3H各々). IR(KBr): 1700,1630,1590及び1450cm-1. C23H25N5O6−1/4H2O: 理論値 C,54.80;H,5.10;N,13.90 実験値 C,54.77;H,4.99;N,13.85. 例22. 7−(2−プロペニル)−8−チオクソ−2′,3′,
5′−トリアセチルグアノシン(22360) 7−(2−プロペニル)−8−チオクソグアノシン
(7a8MGuo、1g、2.8mM)、トリエチルアミン(2ml)、
無水酢酸(1.2ml、13mM)及び塩化メチレン(50ml)の
混合物に、4−N,N−ジメチルアミノ−ピリジン(10m
g)を加えた。生成した反応混合物を、N2雰囲気下、室
温で16時間撹拌した。
さらに塩化メチレン(50ml)を加え、この溶液を1NHC
l、ブライン及び水で洗浄し、その後これを乾燥した(Na
2SO4)。溶媒を減圧下で除き、残査を溶出液として酢酸
エチルを用いたシリカゲルクロマトグラフィー(200g)
で精製した。表題化合物は、mp100−102℃、淡黄色粉末
として収率54パーセントで得られた。
NMR(CDCl3)): δ2.01(s,3H); 2.10(s,6H); 6.79(d,J=3Hz,1H). IR(KBr): 1740,1690,1630,1450及び1230cm-1. C19H23N5O8S: 理論値 C,47.39;H,4.82;N,14.55 実験値 C,47.29;H,4.84;N,14.19. 第2の表題化合物の大規模合成は、この化合物を26パ
ーセント収率で与え、また、7−(2−プロペニル)−
8−チオクソ−2′,3′,5′−2−N−テトラアセチル
グアノシン(25177)も、mp90−92℃のものとして、40
パーセント収率で得られた。
NMR(DMSO−d6): δ12.1(bs,1H); 11.4(s,1H); 6.4(d,J=5Hz,1H); 2.15,2.00,1.94及び1.90(各s,3H各々). IR(KBr): 1750及び1690cm-1. C21H25N5O9S: 理論値 C,48.18;H,4.81;N,13.38 実験値 C,48.20;H,4.69;N,13.32. 例23. 7−ベンジル−8−オクソグアノシン(24234) ベンジルブロミドをアルキル化剤として用いる、例1
の2ステップ操作に従がい、表題化合物を、mp,175℃、
にぶい白色粉末として、収率20%で得た。
NMR(DMSO−d6): 10.7(bs,1H); 7.3(s,5H), 6.4(bs,2H), 5.6(d,J=5Hz,1H). IR(KBr): 1680,1600及び1450cm-1. C17H19N5O6: 理論値 C,52.44;H,4.92;N,17.99 実験値 C,52.47;H,5.03;N,17.10. B.投与のための代表的組成物 本発明の化合物を投与するために適した代表的固体及
び液体組成物を、代表的活性分として、より好ましいグ
アニンヌクレオシド誘導体5種を用いて、以下に説明す
る。
錠剤 錠剤には次の成分の調合されている。
重量比 7−アリル−8−オクソグアノシン 2.5 ラクトース、粉末 36.4 コーンスターチ、乾燥型 34.5 微粉化 SiO2 5.6 ポリビニルピロリドン 0.6 ステアリン酸マグネシウム 0.4 80.0 グアノシン誘導体を、ラクトース、重量比25.0のコー
ンスターチ、及び重量比4.0のSiO2と完全に混合する。
この混合物を5%のポリビニルピロリドンエタノール溶
液で均一に湿潤化させる。この湿潤物質を、1ミリメー
トルメッシュのスクリーンに通し、粒状化する。この粒
状物を、乾燥チャンバー中60℃、24時間で乾燥する。こ
の乾燥化粒状物を再び1ミリメートルメッシュスクリー
ンに通す。得られた粒状物の70.0パーセントを適当なミ
キサー中、SiO2の残り、コーンスターチの残り、及びス
テアリン酸マグネシウム全てを含む、予め1ミリメート
ルメッシュスクリーンを通した混合物と混合する。その
後、このようにして得られた混合物を、各々800ミリグ
ラムで、25ミリグラムのグアノシンを含む錠剤にプレス
する。
スターチカプチル カプセル内容物は、次に示す成分から調合する。
重量比 7−ブチル−8−オクソグアノシン 10.0 ラクトース 450.0 コーンスターチ 540.0 1000.0 グアノシン誘導体を徐々にラクトースと混合する。全
てのラクトースが混合されたとき、得られた混合物をコ
ーンスターチと混ぜる。この混合物1.0gをカプセルに納
める。各カプセルはグアノシン誘導体10ミリグラムを含
んでいる。
錠剤 各々50ミリグラムの7−(2−ブテニル)−8−オク
ソグアノシンを含む10000個組の錠剤は次のタイプ及び
量の成分から調合する。
7−(2−ブテニル)−8−オクソグアノシン 500g リン酸二カルシウム 1000g メチルセルロース,U.S.P.(15cps) 75g タルク 150g コーンスターチ 250g ステアリン酸マグネシウム 25g 2000g グアノシン誘導体とリン酸二カルシウムをよく混ぜ、
メチルセルロース7.5パーセント水溶液とともにNo.8ス
クリーン(米国標準ふるいシリーズ)を通すことで粒状
化し、注意深く乾燥する。この乾燥した粒状物をNo.12
スクリーン(米国標準ふるいシリーズ)を通し、タル
ク、スターチ及びステアリン酸マグネシウムと完全に混
合し、錠剤状にプレス成形する。
注射用製剤 筋肉、皮下又は洞内注射に適し、かつ、成分1ミリリ
ットル中、50ミリグラムの7−ベンジル−8−オクソグ
アノシンを含む無菌製剤を、次に示すタイプ及び量の成
分から調合する。
7−ベンジル−8−オクソグアノシン 5 g 生理食塩水 98ml ごま油 2ml グアノシン誘導体及び食塩水及び食塩水を混合し、つ
いで十分超音波処理して、実質的に均一な分散物を作
る。その後、ごま油を加え、この混合物を同様に均一化
して、エマルジョンとする。エマルジョン化の後、この
無菌製剤の最終容積の5〜15パーセントを、週に1度か
2度、皮下又は腹腔内注射して、免疫性を増加させる。
経口的使用のための水性製剤 各5ミリリットル(ティースプーン1杯)中、7−プ
ロピル−8−オクソグアノシン25mgを含む、経口的使用
のための水性製剤を次の成分から調合する。
7−プロピル−8−オクソグアノシン 5.0 g メチルパラベン、U.S.P. 0.75g プロピルパラベン、U.S.P. 0.25g サッカリンナトリウム 1.25g チクロナトリウム 0.25g グリセリン 300 ml トラガカンス粉 1.0 g オレンジオイルフレイバー 1.0 g F.D.及びCオレンジ色素 0.75g 脱イオン水 最終容量1とする。
C.方法 リンパ細胞培養: 血清含有培養培地を1当り、次のものを含むよう調
整する;91.9ミリリットルRPMI1640(フローラボラトリ
ー社、MD州ロックビル)、0.1ミリリットル100×グルタ
ミン、1.0ミリリットル100×ピルビン酸ナトリウム、1.
0ミリリットル50×非必須アミノ酸、1.0ミリリットルの
104ユニットヘニシリンG及び104マイクログラムストレ
プトマイシン水溶液、及び5.0ミリリットルの認定ウシ
胎児血清(FCS)。これらの成分を見かけ上均一になる
まで混合する。脾細胞サスペンジョン及び脾臓B細胞濃
縮集団をグッドマン(Goodman)等(ジャーナル・オブ
・イムノロジー(J.Immunol.)、121,1905(1978))の
方法で調製した。
羊赤血球(SRBC)に対する一次体液性免疫応答の評価
のため、5×106〜107個のネズミ脾細胞を、免疫原の有
無条件下、4又は5日間5%FCS含有培地1.0ミリリット
ル中で培養した。細胞は、毎分7回振盪する組織培養箱
(CBSサイエンティフィック、CA州デルマー)を用い、1
0%CO2−空気の加湿雰囲気下、37℃で培養トレー(コス
ター社、MA州、ケンブリッジ)中でインキュベートし
た。プールしたSRBCは、CO州デンバー、コロラドセラム
社から市販されている。
ヒトの末梢血液リンパ細胞(PBL)は、フィコール・
ジアトリゾエート密度勾配遠心により、正常なヘパリン
化静脈血液から調製した。PBLは、ヒスタミン・タイプ
2レセプター保有サプレッサーT細胞をヒスタミン−ウ
サギ血清アルブミンコート化プラスチックペトリ皿(セ
レクト(Cell−ect)No.2キット、セラゲン社、MA州、
ボストン)の表面に粘着すること、及びウィソキー(Wy
socki)及びサトー(Sato)(プロシーディング・イン
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc.N
atl.Acad.Sci)USA,75,2844(1978))により報され、
及びカバグナロ(Cavagnaro)及びオスバンド(Osban
d)(バイオテクニックス(Biotechnigues)、1月/2
月、30(1983))により修正されたように、パニングに
より非粘着性細胞を回収することにより、それらを取り
除いた。
ヒトのリンパ細胞に対する、これらの実験で使用する
組織培養培地は、以下のように調製した。100ミリリッ
トル(ml)には、87.9mlRPMI1640(フローラボラトリー
ズ社、MD州ロックビル)、0.1ml100×グルタミン、1.0m
l1.0M HEPESバッファ(マイクロバイオロジカルアソシ
エイト社、MD州、ベセスダ)、1.0mlの104Uペニシリン
G及び104マイクログラムストレプトマイシン水溶液及
び10mlの新鮮なオートロガス(autologous)熱失活化血
漿を含んでいた。SRBCに対する一次体液性免疫応答の評
価のため、上述のように調製したリンパ細胞を、IL−2
(インターフェロン−γ活性を持たないヒトIL−2の部
分精製調製物は、MD州シルバースプリングのエレクトロ
−ヌクレオニクス社から入手される)及びグアニンヌク
レオチド誘導体とともに、抗原として5×106SRBCを含
む1ml培地(CO州、デンバー、コロラドセラム社)1.0ml
中、2×106/mlの密度で培養した。
プラーク形成細胞(PFC)検定 SRBCに対する抗体を分泌するPFCは、ジァーン(Jern
e)及びノーデイン(Nordin)(サイエンス(Scienc
e)、140,405(1963))の溶血プラーク検定法の修正法
を用いて、4又は5日後に評価した。この細胞をプラー
ク化する前に、完全培地中生育させた。それらは、標準
低Mrアガロース(バイオラドラボラトリーズ社、CA州、
リッチモンド)中でプラーク化させ、そして、補体なし
の条件で1.5時間インキュベーションした後、SRBC吸着
モルモット補体中、1時間インキューベションした。
T細胞置換活性 5×106生存CBA/CaJマウスB細胞を培養した。以後に
より詳細に議論しているように、これらの細胞は、順
に、まず脾細胞を、T細胞のthy1.2抗原に対する補体固
定モノクローナル抗体で処理し、第2に存在するT細胞
を溶解するための補体(ニューイングランドニュクリア
ー社、MA州、ボストン)で処理して作った。そのように
処理した細胞をその後、0から10-4モル濃度の範囲の種
々の量のグアノシン誘導体を含む、血清培地中、免疫原
として、0.1mlの0.1パーセント(v/v)SRBCの有無の条
件下で生育させた。SRBCに対する直接的PFCがその4日
後に測定した。
マウス. 週令8〜16のCBA/CaJマウスを、ME州、バーハーバー
のジャクソンラボラトリーから購入した。CBA/Nの育種
核は、MD州、ベセスダ、ナショナル・インスチチュート
・オブ・ヘルス、アニマル・プロダクション・セクショ
ンから提供された。週令8〜16のSJL、BDF1及びC57BL/6
Jマウスは、CA州、ラジョラ、スクリプス、クリニック
・アンド・リサーチ・ファンデーションのマウス・ブリ
ーディング・ファシリティから得た。全てのマウスは、
ウェイン・ラブ・ブロックスF6ペレット(IL州、シカ
ゴ、アライドミルズ社)及びHClでpH値3.0で酸性化した
塩素化水で維持した。
細胞調製物. 脾臓及び胸腺細胞サスペンションは、グッドマン(Go
odman)等(ジャーナル・オブ・イムノロジー(J.Immun
ol.)121,1905(1978))により報告されている方法に
より調製した。B細胞濃縮集団は、108個の脾細胞を、
4℃、30分、モノクローナル抗thy1.2抗体(MA州、ボス
トン、ニューイングラントニュークリア)の1000倍希釈
物で処理することによって調製した。処理細胞を、10分
間280×重力で遠心して抗体を除き、この細胞を37℃、4
5分間、CBARBC吸着モルモット補体の6倍希釈物に再懸
濁した。その後、細胞を洗浄し、先に説明したように培
養した。
注射. マウスに50μgTNP−BSAを含む溶液を、i.p.注射し
た。免疫注射約30分後、6匹のマウス2グループも、10
0パーセントゴマ油中の7a8MGuo0.2ml、又は、7a8MGuo5m
g/mlを含む、生理食塩中で超音波処理した2%(v/v)
ゴマ油0.2mlのi.p.注射を受けた。6匹のマウスの第3
のグループは、グアノシン誘導体は除いた免疫操作を受
けた。抗TNP−BSA抗体値を、標準技術を用いて測定し
た。
Tヘルパー細胞活性化 1.5×105個の生存するSJLマウス由来の脾細胞又はCBA
/CaJマウス胸腺リンパ球を段階的濃度の代表的7、8位
二置換グアニン誘導体存在下で0.2ml培養培地中、各
々、同数のCBA/CaJはBDF1マウス由来の照射した(2500r
ad)脾細胞有無の条件い培養した。使用したリンパ球培
養培地は、先に説明したものであり、またさらに、最終
濃度50μMになるように2−メルカプトエタノールを補
った。また、胸腺リンパ球培養物は、コラボラティブリ
サーチにより、ラットT細胞モノクローンという名称で
売られている10パーセント(v/v)のコンカナバリンA
ラット脾細胞ならし培地を含んでいた。90時間の培養
後、培養当り、1マイクロキューリーの〔3H〕TdRを混
合し、この培養物をさらに6時間維持した。
この培養物をブランデルセルハーベスターを用い(MD
州、ロックビル、バイオロシカルリサーチアンドディベ
ロップメントラボラトリーズ、M24V)グラスファイバー
フィルターティスタ上に収穫した。フィルターディスク
をプラスチックシンチレーションバイアルに移し、液体
シンチレーションカクテルでカバーし、そして、ベック
マンのLS5700液体シンチレーションカウンターで計数し
た。
本発明は好まい態様に関して説明してきた。この公開
された事柄の修正そして、または変化は、これまで述べ
てきた本発明の範囲を逸脱することなしに行うことがで
きることは、当業者にとって明白なことであろう。
本発明はいくつかの長所及び利点を有している。
本発明の1つの利点には、この化合物が一般的により
効果的である、つまり、従来のグアノシン免疫促進剤よ
りも、より低い投与量で同様の応答を、または、所定の
投与量でより大きい応答を提供するということがある。
本発明の長所には、その組成物の1つを使用すると、
第1(抗原性)メッセージに応答して、Bリンパ球の活
性化及び分化に必要な第2のメッセージを提供しうると
いうことである。
本発明の別の利点には、この増加した免疫応答は、T
ヘルパー細胞活性の存在下又は非存在下の両方で効果を
発揮できることがある。従って、増加した免疫応答は、
T細胞依存及びT細胞非依存の両システムにおいて、注
目される。
本発明の別の長所には、特定の免疫抑制及び免疫不全
条件及び病気病状が本発明の使用で改善及び軽減できる
ことがある。
さらに本発明の利点及び長所は、前後の議論から当業
者には明白であろう。
化学物質及び細胞による及びそれらへのメッセージの
授受のような擬人的記述は、観察された現象の理解を助
ける、説明を目的とした手段として用いている。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の公開の一部を形成している。 第1図は、T細胞き除かれているが特異的抗原として、
羊の赤血球細胞(SRBC)を含む、CBA/CaJマウスB細胞
培養物に接触させるのに用いた7−アリル−8−オクソ
グアノシン(7a8oGuo)を含む水性組成物のT細胞置換
活性を示している。実線の点は、培養物中に含まれる一
定量のSRBCを用いた、7a8oGuo量を変化させた場合のプ
ラーク形成を示している。点線は、SRBCなしの場合の結
果を示している。縦軸は培養当り、直接的抗−SRBCプラ
ーク形成細胞(PFC)単位×10-2で表わされている。横
軸は、接触組成物中に存在する7a8oGuoの濃度単位(モ
ル濃度、M)を表わしている。詳細は先に述べられてい
る。 第2図は、より多いSRBC存在下で7a8oGuoを含む水性組
成物に、培養した免疫不全CBA/Nマウス脾細胞を接触さ
せることにより得られるこれら細胞(点線)における特
定の抗原、SRBCに対する一次体液性免疫応答のインビト
ロ再構成を示している。免疫能を持つCBA/CaJマウス由
来の脾細胞を用いた同様の実験(実線)も、比較のため
グラフに示した。各線のポイントは、指示される量の7a
8oGuo及びSRBC存在下で得られたPFC値を表わしている。
縦軸及び横軸は第1図と同様である。この実験の詳細は
先に説明してある。 第3図は、7a8oGuoを含む組成物と接触させることによ
り得られた。免疫能を有する(週令8)CBA/CaJマウス
と比較した免疫不全老令(週令156)CBA/CaJマウス脾細
胞における、SRBCに対する一次体液性免疫応答のインビ
トロの再構成を示している。左部分は細胞を入手したマ
ウスの週令(wks)、SRBCの存在(+)、非存在(−)
及び7a8oGuoのマイクロモル濃度(μM)を示してい
る。バーの長さは、第1図及び第2図の縦軸と同じ単位
である。この実験の詳細は先に説明してある。 第4図は、7−アリル−8−メルカプトグアノシン(7a
8MGuo)を含む組成物と、インビボで白血球を接触させ
ることにより引き出された、増加した抗トリニトロフェ
ニル・ウシ血清アルブミン(TNP−BSA)抗体応答の、イ
ンビボでの速度論を示した多くのプロットを含むグラフ
である。ここで、グアノシン誘導体(5mg/mlの7a8MGuo
0.2ml)は、動物体内に導入されるとき、100パーセント
ゴマ油(実線)又は、2パーセントゴマ油食塩水のビヒ
クル中に存在した。 CBA/CaJマウス3グループを使用した。各グループをTNP
−BSA結合体で免疫化した。1つのグループは100パーセ
ントゴマ油−グアノシン誘導体を受け、第2のグループ
は、2パーセントゴマ油−グアノシン誘導体を受け、そ
して第3のグループは(点線)はグアノシン誘導体を受
けずコントロールとした。 TNP−BSAに対する抗体値は、抗原としてTNP−BSAを用い
た標準的酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)の操作を用
い、37日間にわたって測定した。データは、コントロー
ル値に対する各グアノシン誘導体含有組成物を用いて得
られた値を比として表わされている。このように、免疫
後37日目には、100パーセントゴマ油ビヒクルからの7a8
oGuoを受けた動物は、コントロール動物の約5倍の値を
示した。一方、2パーセントゴマ油ビビクルから7a8oGu
oを受けた動物は、コントロール動物の約4倍の値を示
した。これらの実験の詳細は先に説明した。 第5図は、7位炭化水素置換8−オクソグアノシンの7
位置換基の長さと、インビトロでのSRBCに対するネズミ
リンパ球の抗原特異的PFC応答との構造機能関係を示す
グラフである。PFC値は、1×10-5モル濃度(M)のグ
アノシンの場合の第8表によるものである。データポイ
ントは、7m8oGuo、7−エチル(23643)、7−アリル
(21757)、7−プロピル(24069)、7−ブチル(2364
4)、7−(2−ブテニル)(23679)及び7−ヘキシル
(23924)誘導体に対するものである。コントロール値
を引いた直接的抗SRBC PFC/培養値に対する各値は、1ml
培養物中に存在するグアノシン誘導体のマイクロモル数
〔(1×10-5M)/(10-3リットル)〕で割って、縦軸
の値を得た。横軸は、7位置換基の最も炭素鎖中に存在
する炭素原子数に対応している。アリル鎖はプロピルよ
りわずかに長いとされ、また2−ブテニルは、ブチルよ
りもわずかに長いとされた。このグラフに関する詳細は
先に説明した。 第6図は、第5図と同様のもう1つのグラフである。こ
のグラフのデータポイントは、数匹のマウス由来のリン
パ球を用い、何回かの実験から経時的に得たものであ
る。平均した(ピーク時の直接的抗SRBC PFC値)−(コ
ントロールPFC値)を7位置換基の最長炭素鎖に存在す
る炭素数に対してプロットしたものである。ピーク値は
“正味”のPFC値を得るため、種々のグアノシン誘導体
濃度で得られた各データから、まずコントロールPFC/培
養の値を引いて得た。それからこのようにして得た各正
味PFC値を、その正味値を生じた実験に用いたグアノシ
ンのマイクロモル数で割ってマイクロモル当りのピーク
PFC値を得た。特定の誘導体を用いた実験から、各グア
ノシン誘導体に対して得た。マイクロモル当りのピーク
PFC値を平均した。これらの平均値がグラフ上に示され
ている。 グアノシン誘導体を確認するために、ここで用いている
カッコ内の5桁の数字も、この図で用いられており、そ
れらは第5図のものと同じである。さらに、7−ベンジ
ル(24234)、7−シンナミル(22827)、及び7−デシ
ル(23894)に対するデータも第6図に示した。 第5図中でも現われている、グアノシン誘導体に対する
横軸は、この図でも繰り返えされている。さらに、7−
ベンジル誘導体は、ペンチルよりもわずかに小さい横軸
の座標に割当てられており、また7−シンナミル誘導体
は、ヘプチルよりもわずかに小さい横軸座標に割当てら
れている。この図に関するより詳細は先に説明した。
フロントページの続き (72)発明者 ウィリアム ワイグル アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92014 デル マー リュエット レ パルク 13740 アパートメント シー (72)発明者 スタンリー ベル アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 19072 ナーバース ブレイバーン レ ーン 732 (72)発明者 ロバート チェン アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08502 ベル ミード ビヴァリー ド ライヴ 39 (72)発明者 ローランド ケイ ロビンズ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92715 アーヴィン チタン 3 (72)発明者 ウィリアム ジェイ ヘネン アメリカ合衆国 テキサス州 77802 ブライアント ロング ドライヴ 2306

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式: (式中、XはO、S、Se又はNCNであり、 R1は、エチル基より長く、かつデシル基よりも短かい直
    鎖、環状又は分枝ヒドロカルビル基であり、 R2及びR3は、水素原子、水酸基、低級アルコキシ基、低
    級アルカノイロキシ基及びベンゾキシ基からなる群から
    選ばれる同一又は異なる基であるか、もしくは、R2及び
    R3が合わせて低級アルキリデンジオキシ基を構成し、 R4は水素原子、低級アルカノイル基及びベンゾイル基か
    らなる群から選ばれる基である) で表わされる、置換グアニンヌクレオシド誘導体又はそ
    の医薬的に許容される非毒性塩基付加塩。
  2. 【請求項2】前記R1基がC3−C6の直鎖アルキル基、C3
    C6の直鎖β−アルケニル基及びベンジル基からなる群か
    ら選ばれる直鎖基である、請求項1記載の置換グアニン
    ヌクレオシド誘導体。
  3. 【請求項3】前記R1基がプロピル基、ブチル基、アリル
    基、2−ブテニル基及びベンジル基からなる群から選ば
    れ、かつXがOである、請求項1記載の置換グアニンヌ
    クレオシド誘導体。
  4. 【請求項4】前記R2及びR3が水酸基であり、かつ前記R4
    が水素である請求項1記載の置換グアニンヌクレオシド
    誘導体。
  5. 【請求項5】前記R1がアリル基であり、前記R2及びR3
    各々アセトキシ基であり、かつ、XがO又はSである請
    求項1記載の置換グアニンヌクレオシド誘導体。
  6. 【請求項6】前記R2及びR3が水酸基であり、前記R4が水
    素原子であり、かつXがO又はSである請求項1記載の
    置換グアニンヌクレオシド誘導体。
  7. 【請求項7】7−アリル−8−チオキソ−2′,3′,5′
    −トリアセチルグアノシン、7−アリル−8−アキソグ
    アノシン、7−ブチル−8−オキソグアノシン、7−
    (2−ブテニル)−8−オキソグアノシン、7−アリル
    −8−チオキソグアノシン、7−ベンジル−8−オキソ
    グアノシン、及び7−プロピル−8−オキソグアノシン
    からなる群から選ばれる、請求項1記載の置換グアニン
    ヌクレオシド誘導体。
  8. 【請求項8】免疫促進に効果的量の請求項1記載の免疫
    応答促進性置換グアニンヌクレオシド誘導体と混合され
    た希釈量の生理的に許容し得るキャリヤーを含むことを
    特徴とする免疫応答を促進する医薬組成物。
  9. 【請求項9】前記ヒドロカルビル基がC3−C6の直鎖アル
    キル基、C3−C6の直鎖β−アルケニル基及びベンジル基
    からなる群から選ばれる直鎖基であり、かつXがO又は
    Sである請求項8記載の組成物。
  10. 【請求項10】前記R1基がプロピル基、ブチル基、アリ
    ル基、2−ブテニル基及びベンジル基からなる群から選
    ばれ、かつXがOである請求項8記載の組成物。
  11. 【請求項11】プリン誘導体を調整する方法であって、
    以下の工程: (1)8位で−X−CH2CR=CH2基(ただし、XがS、O
    及びSeからなる群から選ばれ、かつRが水素原子又は低
    級アルキル基又はベンジル基である)により置換され、
    かつさらに9位の窒素原子に結合した保護基を含むプリ
    ン原料を調製し、 (2)前記プリン原料を約50℃〜200℃の温度に加熱
    し、 (3)(i)8位において基=X(ただし、Xは前記プ
    リン出発原料中のXと同じである)で置換され、かつ
    (ii)7位において、 −CH2−CR=CH2基で置換された、転位プリン生成物を生
    成するのに十分な期間、前記加熱温度を維持する、 ことを特徴とするプリン誘導体の調製方法。
  12. 【請求項12】さらに、上記プリン生成物を単離する工
    程を含む請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】さらに前記液体溶剤媒体が触媒量のPdCl
    2を含み、かつ、前記プリン出発原料を、約50℃〜100℃
    に加熱する請求項11記載の方法。
  14. 【請求項14】前記9位の窒素原子が上記保護基として
    リボシル基又はデオキシリボシル基と9−1′−β結合
    している請求項11記載の方法。
  15. 【請求項15】上記プリン出発原料が8−(2−プロペ
    ニル)オキシグアノシンである請求項11記載の方法。
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