JP2718460B2 - 易崩壊性鋳型及びその製造方法 - Google Patents

易崩壊性鋳型及びその製造方法

Info

Publication number
JP2718460B2
JP2718460B2 JP3003221A JP322191A JP2718460B2 JP 2718460 B2 JP2718460 B2 JP 2718460B2 JP 3003221 A JP3003221 A JP 3003221A JP 322191 A JP322191 A JP 322191A JP 2718460 B2 JP2718460 B2 JP 2718460B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zirconia
mold
casting
alumina
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3003221A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0615404A (ja
Inventor
猛 高柳
芳大 小野田
Original Assignee
工業技術院長
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 工業技術院長 filed Critical 工業技術院長
Priority to JP3003221A priority Critical patent/JP2718460B2/ja
Publication of JPH0615404A publication Critical patent/JPH0615404A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2718460B2 publication Critical patent/JP2718460B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mold Materials And Core Materials (AREA)
  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、易崩壊性鋳型及びその
製造方法に関するもので、さらに詳しくは、自己崩壊性
を有する鋳型であり、金属加工技術における鋳造技術、
例えばインベストメント鋳造(精密鋳造)に用いて最適
の鋳型とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インベストメント鋳造品の周囲に
付着した鋳型材の大半はサンドブラスト、ノックアウト
マシン、ショットブラストといった機械的手段により除
去される。さらに、この手法によって除去できないほど
強固に付着した鋳型材あるいは複雑な形状部分に付着し
た鋳型材は、苛性ソーダ(NaOH)、苛性カリウム
(KOH)の単体もしくは両者を混合した水溶液を満た
したオートクレーブ中、あるいは、前記したアルカリ物
質の単体もしくは混合物を400〜500℃に加熱して
溶融した融液中に鋳造品を浸漬して鋳型材を除去してい
た。
【0003】
【発明が解決しようとするする課題】従来技術では、機
械的手法により除去を行うため、鋳造品に変形を生じた
り、鋳造品表面に傷が生じる危険性がある。また、機械
的手法により除去できない鋳型材の除去には、劇物であ
るアルカリ融液を用いて高温下で処理するため、処理装
置周辺にアルカリ物質が飛散して汚染され、作業環境が
悪化するとともに、周辺設備の腐食及び人体への危害が
懸念されていた。
【0004】そこで、本発明の目的とするところは、鋳
型材に自己崩壊性を付与し、鋳造品から鋳型材を容易に
除去し得る易崩壊性鋳型およびその製造方法を提供する
ところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、鋳型材として
自己崩壊性を有する耐火物を用いるか、あるいはこのよ
うな耐火物を従来から使用しているジルコン、アルミ
ナ、ムライト、シリカ等の鋳型材に配合すれば鋳型に自
己崩壊性を付与することができ、上記機械的手法による
鋳型材の除去並びにアルカリ融液処理における弊害を回
避し得るとの知見に基づき鋭意検討を重ねた結果、ジル
コニアを10重量%以上含むジルコニア系材料、例えば
ジルコニア−アルミナ、ジルコニア−ムライト、ジルコ
ニア−チタニア、ジルコニア−カルシア、ジルコニア−
マグネシア及びジルコニア−イットリア等を鋳型材とし
て用いて造型し、800〜1000℃で焼成すれば、目
的とする易崩壊性インベストメント鋳型が得られること
を確認した。
【0006】したがって、この発明は、ジルコニアを1
0重量%以上含むジルコニア系材料であるジルコニア−
アルミナ、ジルコニア−ムライト、ジルコニア−チタニ
ア、ジルコニア−カルシア、ジルコニア−マグネシア及
びジルコニア−イットリアの1種若しくは2種以上をス
ラリー又はスタッコの耐火物として用いて造型し、80
0〜1000℃で焼成してなる易崩壊性インベストメン
ト鋳型を提案するものである。また、この発明は、ジル
コニアを10重量%以上含むジルコニア系材料であるジ
ルコニア−アルミナ、ジルコニア−ムライト、ジルコニ
ア−チタニア、ジルコニア−カルシア、ジルコニア−マ
グネシア及びジルコニア−イットリアの1種若しくは2
種以上をスラリー又はスタッコの耐火物として用いて
し、800〜1000℃で焼成する易崩壊性インベス
トメント鋳型の製造方法をも提案する。
【0007】ジルコニアを10重量%以上含むジルコニ
ア系材料の製造方法としては、一般的な焼成法、焼結法
または電融法のいずれでも良く、特に電融法は量産化並
びに結晶の大きさ等を容易に制御できる点から望まし
い。
【0008】さらにまた、ジルコニアに固溶し、安定化
剤となり得るチタニア、カルシア、マグネシア及びイッ
トリア等を1種もしくは2種以上添加すれば、溶湯の鋳
造終了後における鋳型強度の劣化は前記材料よりやや小
さくなるが、鋳型成型時の強度を向上せしめることがで
きる。
【0009】
【作用】ジルコニアは1100℃付近で、単斜晶ジルコ
ニア、正方晶ジルコニアの変態があり、この変態による
体積変化は約7%と極めて大きい。したがって、ジルコ
ニアを10重量%以上含むジルコニア系材料を用いて造
型した鋳型は、加熱溶融された金属溶湯の注湯によって
これらの物質中に微細なクラックが無数に発生するた
め、容易に自已崩壊する。
【0010】アルミナ−ジルコニア系材料は、アルミナ
もしくはジルコニアの初晶とアルミナ−ジルコニア共晶
とからなり、また、ジルコニア−ムライト系材料はムラ
イト結晶とジルコニア結晶との混晶からなり、いずれも
50ミクロン〜サブミクロンもしくはそれ以下の微細な
結晶構造をとっている。したがって、これらの材料に含
まれた10重量%以上のジルコニアが体積変化すると、
さらに多くのクラックが発生し、自己崩壊性が一層高ま
る。
【0011】なお、従来から用いられているジルコン
は、ジルコニアを約67重量%含んでいるが、約150
0℃付近からジルコニアとシリカに分解し始め、鋳造中
にシリカと鋳造品との間で反応が生じたり、溶湯の鋳造
終了後、冷却時にシリカが再結晶し、本発明の目的とす
る鋳造終了後の強度低下は生じない。
【0012】
【実施例】以下、インベストメント鋳型についての適用
例について説明する。
【0013】インベストメント鋳型は常温で造型され、
800〜1000℃で焼成後、直ちに溶融金属が注湯さ
れ、鋳造が行われる。従って注湯後、鋳型は1000℃
以上に加熱され、その後常温まで冷却し鋳型は除去され
る。そこで、このような工程に準じた熱履歴を鋳型に与
えて鋳型強度を測定した結果を従来の鋳型と比較して表
1及び表2に示す。
【0014】表1は、ジルコニア系材料をスラリーの耐
火物として用いた例を示しており、バインダーとしての
コロイダルシリカ100部に対し耐火物(電融粉砕品、
#325F;約50μm下)を350部用いている。ス
タッコ(Stucco)としては従来品同様アルミナ
(#60)を使用した。
【0015】表2は、ジルコニア系材料をスタッコ(S
tucco)として用いた例を示しており、電融粉砕
品、#60(約300−200μm)を用いた。スラリ
ーの耐火物としては従来品同様電融粉砕品、#325F
のジルコンを用いた。
【0016】本発明実施品の鋳型の強度は、スラリーの
耐火物として用いた場合、表1に示したように試料番号
〜9のいずれも、従来品の試料番号10と11に比
べ、ほぼ同等から2倍以上と優れており、1200℃焼
成・冷却後は従来品の強度が70あるいは65kgf/
cmと高いのに比べ、5〜20kgf/cmと著し
く小さくなる。
【0017】また、表2に示したようにスタッコとして
用いた場合、成型後の鋳型強度は試料番号〜9のいず
れも、従来品の試料番号10と11に比べ、ほぼ同等か
ら2倍以上と優れており、1200℃焼成・冷却後は
0.5〜20kgf/cmと著しく小さくなる。
【0018】次に表2に示した試料番号4の鋳型により
実際に鋳造を行い、鋳型の崩壊性について調べた。
【0019】鋳造品の材質:SKD−61 (組成[%]Fe −0.4、C−1.0、Si−0.3 Mn−5.0、Cr−1.2、Mo−0.3V) 鋳造した部品:ロッカーアーム(自動車部品) 湯口の周囲に30個のロッカーアームを取り付けたワッ
クス模型の周囲に、表2の試料番号4に示した本発明に
おける鋳型(厚さ:約7mm)を形成し、脱ワックス
後、800℃で1.5時間焼成して鋳型を造型した。こ
の鋳型に1650℃の溶湯(SKD−61)を注湯し
た。その後鋳型を常温まで冷却した後、鋳型の除去処理
を行ったところ、極めて簡単に鋳造品から取り除くこと
ができた。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】以上の通り、この発明に係る鋳型および
その製造方法は、熱履歴によって容易に崩壊する易崩壊
性鋳型を提供し得たのであり、従来鋳造後の型ばらしに
難があった鋳造技術の問題点を払拭し得たのであり、鋳
型除去作業における大幅な省力化を図ることができる。
【0023】特に銅合金、鉄基、ニッケル基、コバルト
基合金などを用いてインベストメント鋳造する際におけ
る鋳型材料として適用すれば、従来のような機械的手法
による型材の除去さらにはアルカリ融液を用いた処理を
不要とするもので、インベストメント鋳造の作業性、作
業環境を一変させ得るものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニアを10重量%以上含むジルコ
    ニア系材料であるジルコニア−アルミナ、ジルコニア−
    ムライト、ジルコニア−チタニア、ジルコニア−カルシ
    ア、ジルコニア−マグネシア及びジルコニア−イットリ
    アの1種若しくは2種以上をスラリー又はスタッコの耐
    火物として用いて造型し、800〜1000℃で焼成し
    てなる易崩壊性インベストメント鋳型
  2. 【請求項2】 ジルコニアを10重量%以上含むジルコ
    ニア系材料であるジルコニア−アルミナ、ジルコニア−
    ムライト、ジルコニア−チタニア、ジルコニア−カルシ
    ア、ジルコニア−マグネシア及びジルコニア−イットリ
    アの1種若しくは2種以上をスラリー又はスタッコの耐
    火物として用いて造型し、800〜1000℃で焼成す
    易崩壊性インベストメント鋳型の製造方法
JP3003221A 1991-01-16 1991-01-16 易崩壊性鋳型及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2718460B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3003221A JP2718460B2 (ja) 1991-01-16 1991-01-16 易崩壊性鋳型及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3003221A JP2718460B2 (ja) 1991-01-16 1991-01-16 易崩壊性鋳型及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0615404A JPH0615404A (ja) 1994-01-25
JP2718460B2 true JP2718460B2 (ja) 1998-02-25

Family

ID=11551384

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3003221A Expired - Lifetime JP2718460B2 (ja) 1991-01-16 1991-01-16 易崩壊性鋳型及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2718460B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10259034B2 (en) 2014-03-12 2019-04-16 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Slurry for forming mold, mold and method for producing mold

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102009120B (zh) * 2010-12-10 2012-05-09 北京工业大学 一种氧化锆系口腔专用包埋材料及其铸型制作方法
JP6317995B2 (ja) * 2014-05-08 2018-04-25 伊藤忠セラテック株式会社 精密鋳造鋳型製造用スラリーのフィラー材及びそれを用いて得られたスラリー並びに精密鋳造鋳型
FR3054149B1 (fr) * 2016-07-22 2019-04-05 Safran Procede de fabrication de moule carapace

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56119641A (en) * 1980-02-22 1981-09-19 Toshiba Corp Production of mold for quick precision casting
JPH02169144A (ja) * 1988-12-22 1990-06-29 Nkk Corp 崩壊性鋳型

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
日本鋳物協会編「鋳物便覧」改訂4版(昭61−1−20)p.1047〜1048

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10259034B2 (en) 2014-03-12 2019-04-16 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Slurry for forming mold, mold and method for producing mold

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0615404A (ja) 1994-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0204674B1 (en) Casting of reactive metals into ceramic molds
JP6106751B2 (ja) チタン酸カルシウム含有鋳型組成物並びにチタン及びチタンアルミナイド合金を鋳造する方法
EP2950943B1 (en) Calcium hexaluminate-containing mold and facecoat compositions and methods for casting titanium and titanium aluminide alloys
US4415673A (en) Refractory material
JPS6234449B2 (ja)
US5004039A (en) Refractory material
US5310420A (en) Refractory containing investment material and method of making
JP2718460B2 (ja) 易崩壊性鋳型及びその製造方法
US5057155A (en) Mold forming material
JP6334526B2 (ja) るつぼ及びフェースコート組成物、並びにチタン及びチタンアルミナイド合金の溶融方法
JPH0140791B2 (ja)
JP2015531733A5 (ja)
US4504591A (en) Refractory material
US3303030A (en) Refractory mold
EP0093212B1 (en) Refractory material
JPS6363296B2 (ja)
JPH05200479A (ja) 精密鋳造用セラミック中子
RU2132760C1 (ru) Смесь для изготовления литейных керамических стержней
CA1202333A (en) Refractory material
Miller et al. Casting platinum jewellery alloys
JPS61273233A (ja) 精密鋳造用鋳型材とそれを用いた鋳造方法
RU2158655C2 (ru) Способ удаления корундовых и кварцесодержащих керамических стержней из внутренних полостей отливок
JP2524678B2 (ja) 耐火造形物
JPH03189045A (ja) 歯科用チタン鋳造物用ノンシリカ鋳型材料
GB2294040A (en) Ceramic shell mold and cores for casting of reactive metals