JP2717679B2 - 改良された耐摩耗層およびその形成方法 - Google Patents

改良された耐摩耗層およびその形成方法

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JP2717679B2
JP2717679B2 JP63294087A JP29408788A JP2717679B2 JP 2717679 B2 JP2717679 B2 JP 2717679B2 JP 63294087 A JP63294087 A JP 63294087A JP 29408788 A JP29408788 A JP 29408788A JP 2717679 B2 JP2717679 B2 JP 2717679B2
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紀 坂東
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Description

【発明の詳細な説明】 (1)産業上の利用分野 本発明は、耐摩耗性を有する耐摩耗層およびその形成
方法に関する。さらに詳しくは本発明は、気、液、固体
の各種物体の輸送管、輸送機器の駆動設備、あるいはそ
れらの付属設備、サイクロン、サイロ等、滑り、摩耗が
激しく、耐摩耗を必要とする分野の基体面に好適な改良
された耐摩耗層およびその形成方法に関する。
(2)従来の技術 従来、耐摩耗性が必要な基体表面に、耐摩耗性を付与
する方法としては金属粒、セラミック粒やセラミックタ
イルを内包または表面に張りつけたゴムシートを接着剤
で貼り着ける方法がとられて来た。
これらのシート材料としてゴムに限られているのは、
ゴムの可撓性が水平面の場合は当然ながら、曲面に対し
ても形状追従性が優れているためであって、エポキシ樹
脂等一般の合成樹脂の材料は硬くて可撓性シートを作る
ことは困難な為である。従って、耐摩耗面にさらに耐水
性、耐薬品性、耐熱性等の付加的な性能を求められても
ゴムでは限界があって、満足な結果が得られなかった。
近年、熱硬化性樹脂に耐摩耗材を混合した組成物を基
体表面に塗布することが行われるようになり、耐摩耗と
同時に付加的性能付与も可能となって来た。
(3)発明が解決しようとする課題 熱硬化性樹脂と耐摩耗材からなる耐摩耗組成物を塗布
する方法は、曲面構造に於て施工が困難という欠点はあ
るが、従来のゴムシートを貼りつける方法に比較して、
作業的にも経済的にも耐摩耗性能の点に於ても優れてい
る。しかしながら本発明者の精査によれば、このような
耐摩耗材を混在する耐摩耗層も、一定の大きさ、形状の
物体との恒常的な摺動、または摩擦の場合と大きさ、形
状などが不定な物体で、かつこの物体が、曲折部の正面
壁、落下部の床面等と衝突するような場所とでは、摩耗
の生じ方が異なり、摺動、衝撃の性質の異なる両現象か
ら発生する摩耗を同時に効率よく解決しようとしても、
耐摩耗材、樹脂の種類、形状、組合せ、配合割合等の変
更程度では充分満足できるような結果を得ることは至難
であることが判った。
かかる観点から本発明者は熱硬化性樹脂と耐摩耗材か
らなる耐摩耗組成物を使用した耐摩耗層の従来の欠点を
解決すべく鋭意検討し、本発明に至った。
すなわち本発明の目的は摺動、摩擦、衝撃等の要素の
異なる外力から生ずる異った摩耗を同時に効率よく解決
する改良された熱硬化性樹脂と耐摩耗材からなる耐摩耗
層の提供であり、その形成方法の提供にある。さらに本
発明の目的は耐水性、耐薬品性、耐熱性等の付加的性能
をも併せ持つ耐摩耗層とその形成方法の提供にある。
(4)課題を解決するための手段 本発明は、基体表面に接合する凹凸状の熱硬化性樹脂
と耐摩耗材とからなる耐摩耗組成物層と、該耐摩耗組成
物層に接合する熱硬化性樹脂組成物層とからなる改良さ
れた耐摩耗層である。
本発明はまた基体表面に耐摩層を形成するに当り、熱
硬化性樹脂および耐摩耗材よりなる耐摩耗組成物を該基
体表面に凹凸をつけて塗布し、硬化させ、次いで熱硬化
性樹脂組成物を塗布して平坦面を形成させることを特徴
とする耐摩耗層の形成方法である。
本発明に使用する熱硬化性樹脂としては特に制限はな
く、例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、フラン樹脂、
ポリイミド樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。なか
でもウレタン樹脂は好ましく、ウレタン樹脂としては一
液型、二液型の何れも優れる。これらの熱硬化性樹脂は
悪影響の無い範囲内で混合使用することもできる。
本発明に使用する耐摩耗材としては、例えば衝撃に強
い金属、金属化合物、天然の各種鉱石、各種セラミック
等が挙げられる。特に炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ケ
イ素、窒化ホウ素、溶融アルミナ、アルミナジルコニア
等に代表されるセラミック類が好ましく、これらの天然
又は人造の高硬度化合物の砕粒又は焼結、細砕して得ら
れた粉粒体等が好適に使用することができる。これらの
耐摩耗材は数種併用してもよい。
耐摩耗材の形状について、球状、多面体、円筒体、角
柱体等特に制限されるものではなく、異なる形状、大き
さのものを併用することもできる。
本発明に使用する熱硬化性樹脂と耐摩耗材の配合割合
は通常この種組成物に適用される耐摩耗材含量が利用さ
れ、特別に拘束されるものではないが、耐摩耗材の量が
少な過ぎては当然耐摩耗の性能を発揮することができ
ず、反対に多過ぎては樹脂との結合が脆くなって、耐摩
耗を発揮できなくなるだけでなく被覆としての性格を失
う。具体的には樹脂100重量部に対して耐摩耗材10重量
部乃至1000重量部であり、好ましくは50重量部乃至600
重量部である。
本発明に使用する耐摩耗組成物の必須有効成分として
は熱硬化性樹脂と耐摩耗材であるが、必要に応じてコロ
イダルシリカ、有機ベントナイト、水添ヒマシ油、微粒
状炭カル、塩ビパウダー等公知の揺変性付与剤、溶剤、
硬化促進剤、可塑剤、安定剤或いはシランカップリング
剤、チタンカップリング剤等の表面処理剤、有機または
無機繊維状物、アルミナ粉、シリカ粉等の充填材、着色
染料顔料、消包剤、難燃剤、電磁波シール剤、静電防止
剤等の添加剤を耐摩耗組成物特性を満足する範囲内にお
いて適宜用いることが出来る。
本発明に用いる熱硬化性樹脂組成物とは、前記した熱
硬化性樹脂または、該熱硬化性樹脂に前記した耐摩耗材
を配合した組成物、さらにはこれらの組成物に前記した
揺変性付与剤、溶剤、硬化促進剤、可塑剤、安定剤、表
面処理剤、有機または無機繊維状物、充填材、各種添加
剤等を必要に応じて、該熱硬化性樹脂組成物の特性を満
足する範囲内に於て適宜混合したものを言う。
但し、熱硬化性樹脂組成物として熱硬化性樹脂と耐摩
耗材またはこれらに各種添加物を配合した組成物を挙げ
る場合は、耐摩耗組成物と同じ組成であってはならな
い。好ましくは熱硬化性樹脂の種類を変えることであ
り、さらに好ましくは熱硬化性樹脂組成物中の熱硬化性
樹脂は耐摩耗組成物中の熱硬化性樹脂より柔軟な性質を
示すものを用いる。具体的には例えば前者がウレタン樹
脂で後者がエポキシ樹脂である。また両組成物中の熱硬
化性樹脂も耐摩耗材も同じである場合は耐摩耗材の配合
割合を変えて用い、この場合には耐摩耗組成物の耐摩耗
材の配合割合を多くすることが好ましい。
本発明の耐摩耗層の特徴は基体表面に凹凸状に接合さ
れた前記熱硬化性樹脂と耐摩耗材からなる耐摩耗組成物
があり、その上にさらに接合された前記熱硬化性樹脂組
成物があって、これにより平坦面が形成されていること
である。従って本発明の耐摩耗層を形成するには先づ第
一工程として耐摩耗組成物を基体表面に適宜の方法によ
り凹凸状に塗布させ、硬化させる。
ここで言うところの凹突状とは明らかに突出体と判明
できる耐摩耗組成物の立体群落状を示し、単なる粗面で
はない。例えば本発明に使用する耐摩耗組成物のみを平
坦面に塗布して硬化させたときに得られる面は概して耐
摩耗材の些少の突出が観察されるが、このような状態は
本発明で言う凹凸面には含まれてない。その形状、大き
さ、群落の形態等は、目的とする機能に合致するように
選択設計されるべき固定的に制限されるものではない。
形状については例えば笠型、半球状、柱状、筒状、円
錐、角錐、逆円錐、逆角錐等が挙げられる。群落の形態
は例えば井桁、千鳥、バイアス、ダブルヘリカル、波等
が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また耐摩耗組成物を塗布し硬化させる場合の「硬化」
とは、完全硬化から、例えば本発明で施工する次工程作
業である熱硬化性樹脂組成物の塗布を行うに当って、折
角形成された凹凸状体が容易には崩れない程度の硬化ま
で含む。その程度は作業性、耐摩耗組成物の性状、耐摩
耗組成物および熱硬化性樹脂組成物中のそれぞれの熱硬
化性樹脂の組合わせ等によって決めればよい。
好ましくは成るべく耐摩耗組成物の硬化の進まぬうち
にその形状を損わぬ頃合いを見出すことである。
次に第二工程として熱硬化性樹脂組成物を適宜の方法
で耐摩耗組成物の凹凸形状を崩さないよう注意しながら
できるだけ速かに塗布する。基体表面からの所定厚味に
達したところで基体表面に沿った平坦面を形成したの
ち、全組成物を完全硬化させれば目的の耐摩耗層を得る
ことができる。
ここで言う「平坦面」とは厳密な平滑面も含めるが本
発明の熱硬化性樹脂と耐摩耗材とからなる熱硬化性樹脂
組成物が硬化した際に示すような単なる粗面も含める広
範な解釈に立つものである。
本発明の耐摩耗層の形成に当って、所定形状の型枠を
使用し、作業することは本発明目的達成のために優れた
助成効果を示すものである。この場合の型枠は基体表面
に形成する耐摩耗層の設計形状および基体の形状、用途
等に対応して、その材質、形状、型枠内面の前処理等を
自由に選択構成すればよく、例えば材質としては合成ゴ
ム、シリンコンゴム、ふっ素ゴム、ウレタン、塩ビ、金
属、木材、セラミック、コンクリート、各種プラスチッ
ク、FRP等が挙げられる。本発明の方法においては第一
工程になる耐摩耗組成物の凹凸状体を形成する際に最も
型枠工法が効果を発揮し、型枠を使用しなければ目的を
達成できない場合もある。また第二工程となる熱硬化性
樹脂組成物の塗布の場合も、円筒内部とか円柱外側面、
垂直面等においては特に型枠工法を使用した方が作業
性、経済性に有利であり、正確、精密を期すことができ
る。
また型枠内面には、硬化し、基体表面に接合した耐摩
耗組成物および/または熱硬化性樹脂組成物が容易かつ
完全に型枠から離型できるように、離型剤を塗布した
り、離型層のライニングを施すことは本発明目的達成の
手段として有効なものである。
本発明の耐摩耗層の形成を実施する為に、必要な耐摩
耗組成物および熱硬化性樹脂組成物を製造するに当り、
耐摩耗材を熱硬化性樹脂に配合する前に、予め、シラン
カップリング剤、チタンカップリング剤あるいは樹脂、
薬液等で表面処理したり、プラズマエッチング等の物理
的表面処理を施しておくこと、あるいは基体表面の錆落
し、リン酸処理、シランカップリング剤、チタンカップ
リング剤で処理しておくこと等も有効な処置である。
さらに必要に応じて基体表面に予めプライマーを塗布
することは本発明の目的達成に好ましい。本発明で用い
られるプライマーは特に限定されるものではなく、公知
の一液型または二液型プライマーのいずれでもよいが好
ましくは基体表面との接着性がよく、かつ耐摩耗材なら
びに耐摩耗組成物との層間密着性に優れたものがよい。
例えば、二液型エポキシ樹脂系プライマー、一液型の湿
気硬化型ウレタン樹脂系プライマー、変性シリコン系プ
ライマー、フェノキシ樹脂系プライマー等が挙げられ
る。これらのプライマーの塗布量は、特に制限されない
が通常約30〜500g/m2である。
本発明の方法によって基体表面上に形成された耐摩耗
層の表面上に必要に応じてさらトップコートを塗布して
もよく、本発明効果を助長するものである。
本発明の耐摩耗層形成方法の適用される基体は耐摩耗
性を要求されるものならばその材質を選ぶものでなく、
例えば金属、木質、ガラス、コンクリート等が挙げられ
る。木質、コンクリート等の多孔質的なものやヒビ割
れ、クラックのある表面えの本発明実施に当ってはそれ
らの欠損部にはパテ、トノ粉、樹脂等によるシーリング
をし、必要に応じてブラスト、油性分の清拭、ブライマ
ー等の表面処理を施すことも有効である。
(5)本発明の作用効果 本発明は、基体表面に接した凹凸状の耐摩耗組成物層
と、さらにこれに接合し耐摩耗層の平坦面を形成する熱
硬化性樹脂組成物層とから成り、それらは比較的硬い層
と比較的柔軟な層との相異なる性能を有する二層から成
ることを特徴としている。
本発明の耐摩耗層としては特異なこの構成が従来の耐
摩耗層には認められないところの如何なる外力に対して
も耐え得る性能を示す原因となっていることは、以下の
実施例に明らかにされることであるが、その作用的なも
のは定かではない。
しかしながら基体表面に対して平行移動を主とするま
たは/および定形的な物流物体による摺動摩擦的な応力
に対しては、表面の熱硬化性樹脂組成物層で充分な耐摩
耗性を発揮し、よしんば表面摩耗が進んだとしても次の
耐摩耗組成物層で強力に摩耗の進行が食い止められる。
全ゆる方向からの衝突するような不定形物流物体による
衝撃的な応力に対しては耐摩耗組成物層が直接、間接に
最大限に受け止め、その応力の歪を熱硬化性樹脂組成物
層で吸収緩和させるために、両層の特性の相異がうまく
複合的に融和した結果であろうかと思われる。
本発明の耐摩耗層の形成方法は基体表面の耐摩耗層の
目的形状を正確に写した型枠に耐摩耗組成物を充填し、
これを基体表面に転写するかの如き方法を採用すること
により、正確かつ精密な耐摩耗層を容易に得られるよう
になったので性能再現および信頼性が高くなった。
また、異った耐摩耗組成物を同時に異った場所に施工
することができるようになったために複数の機能効果を
簡単に付与できるようになった。
さらに大型機器、連続操業部の機器等で耐摩耗性の要
求される部分の耐摩耗施工や補修は従来、現場加工が不
可能または長期操休等による経済面の損失が大きかった
が、本発明方法によれば予め型枠を準備しておけば、現
場にて短期間で施工または補修することができるように
なったために工期、経済的に有利になった。
本発明の方法の提供により、気体、液体、固体、スラ
リー等の輸送管、殊にベンド部の内側面、スラリーポン
プのケーシング内面、サイクロン、ホッパー、シュータ
ー等の壁面、プーリー、アイドラー、サイロの表面、岸
壁、橋脚のスプラッシュゾーン等の摩耗が容易かつ確実
に防止されるようになったことはこの種産業界、社会に
寄与する意義が大きい。
以下に本発明の耐摩耗層およびその形成方法を実施例
により詳述するが本発明はこれらの実施例により制限さ
れるものではない。
実施例1 300mm×300mm×3mmのサンドブラスト処理された鋼板
の表面にサントープライマーPE(三東化工業(株)製品
名、エポキシ樹脂系プライマー)を150g/m2の割合でハ
ケ塗りし、2時間放置した。
その間に、この鋼板の表面に300mm×300mm×3mmのシ
リコンゴム板を設置、固定した。このシリコンゴム板に
は直径5mmの円柱型貫通孔が縦、横とも5mm間隔で削切し
内面に離型剤を塗布してある。これらの貫通孔に、下
記、耐摩耗組成物Aを製造して直ちに充填し、翌日この
組成物が容易に形状を崩さないことを確認したのちシリ
コンゴム板を取り除いた。鋼板面には直径5mm、高さ3mm
の円柱耐摩耗組成物が縦、横とも5mm間隔で全面に接合
されていた。
次いで下記熱硬化性樹脂組成物Pを製造し直ちに円柱
耐摩耗組成物も含む鋼板面に塗布し、温度40℃で5時間
保持して鋼板面から厚さ5mmの耐摩耗層1を形成した。
[耐摩耗組成物A] スミエポキシELA−128(住友化学工業(株)製品名、
エポキシ樹脂、エポキシ当量190) 100重量部およびスミキュアー700(住友化学工業(株)
製品名、ポリアミド系エポキシ用硬化剤)45重量部をよ
く混合してエポキシ樹脂液を得た。この樹脂液25重量部
に炭化ケイ素系セラミック砂と窒化ホウ素系セラミック
砂の等量混合砂74重量部とシランカップリング剤1重量
部を均一に混合して耐摩耗組成物Aを得た。
[熱硬化性樹脂組成物P] ポリフレックスFL−87(第一工業製薬(株)製品名、
ポリイソシアネート化合物、NCO含有率6.5%)96重量部
とコロイダルシリカ4重量部からなる組成物を主剤と、
3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン1
9.5重量部、フタル酸ジオクチル18重量部、アスベスト
4重量部コロイダルシリカ7重量部、シランカップリン
グ剤1.5重量部からなる組成物を硬化剤とし、この主剤
と硬化剤との混合比2:1(重量比)で混合した後、該混
合物30重量部に対して炭化ケイ素セラミック砂50重量
部、溶融アルミナ系セラミック砂18.5重量部チタンカッ
プリング剤1.5重量部とを加えてよく混合して熱硬化性
樹脂組成物Pを得た。
実施例2 実施例1における円柱状耐摩耗組成物を鋼板面直径5m
m、高さ3mm、上辺直径2mmの笠型に変更しただけで他は
全て実施例1と同様に処理して鋼板上に厚さ5mmの耐摩
耗層IIを形成した。
実施例3 実施例1に使用したと同じ大きさの鋼板に同じ前処理
を実施した。
一方、内側300mm×300mm×1mmの角皿の底に直径5mm、
深さ2mmの円筒孔を縦、横とも5mm間隔に全面に掘削して
あるシリコンゴム板に、実施例1に使用した耐摩耗組成
物Aを充填して直ちに鋼板面に設置、固定した。翌日、
組成物の形状が崩れないことを確認した後、型枠を除
き、熱硬化性樹脂組成物Pを塗布して平坦面を形成し、
温度40℃で5時間保持し、鋼板面から厚さ5mmの耐摩耗
層IIIを形成した。
実施例4 実施例3において、使用した熱硬化性樹脂組成物Pを
耐摩耗組成物とし、同じく耐摩耗組成物Aを熱硬化性樹
脂組成物として使用したほかは全て実施例3と同様に処
理して耐摩耗層IVを形成した。
実施例5 実施例1における円柱状耐摩耗組成物群落の代りに一
辺8mm、高さ5mmの正四角柱状耐摩耗組成物にして縦、横
とも2mm間隔の群落とした。そのほかは全て実施例1と
同じ組成物を同じように処理して鋼板面から厚さ5mmの
耐摩耗層Vを形成した。
実施例6 実施例1における円柱状耐摩耗組成物群落の代りに実
施例5における正四角柱状耐摩耗組成物群落とし、か
つ、熱硬化性樹脂組成物Pの代りに下記熱硬化性樹脂組
成物Qを使用したほかは全て実施例1と同じように処理
して鋼板面から厚さ5mmの耐摩耗層IVを形成した。
[熱硬化性樹脂組成物Q] 熱硬化性樹脂組成物Pにおいてセラミック砂を使用せ
ずに、その分を樹脂混合物とコロイダルシリカに代えて
混合し熱硬化性樹脂組成物Qを得た。
比較例1 300mm×300mm×3mmのサンドブラスト処理された鋼板
の表面に実施例1で行ったと同じ前処理を実施し、その
上に実施例1で使用した耐摩耗組成物Aのみを平均に塗
布し、温度40℃で5時間保持して肉厚5mmの耐摩耗層VII
を得た。
比較例2 300mm×300mm×3mmのサンドブラスト処理された鋼板
の表面に、実施例1で行ったと同じ前処理を実施し、そ
の上に実施例1で使用した熱硬化性樹脂組成物Pを肉厚
3mmになるように塗布し、翌日この上に実施例1で使用
した耐摩耗組成物Aを均一に塗布し、温度40℃で5時間
保持して肉厚5mmの耐摩耗層VIIIを得た。
比較例3 300mm×300mm×3mmのサンドブラスト処理された鋼板
の表面に、実施例1で行ったと同じ前処理を実施した。
一方、内則り300mm×300mm×3mmのシリコンゴム製皿を
準備した。この皿の底には直径5mm深さ2mmの円柱くぼみ
が縦、横とも5mm間隔に削切してある。円柱くぼみに実
施例1で使用したと同じ耐摩耗組成物Aを充填し、次い
で皿の部分に下記熱硬化性樹脂組成物Rを充填し直ちに
鋼板面に載置固定し、温度40℃で5時間保持した後、シ
リコンゴム製皿を取除いて耐摩耗層IXを得た。
[熱硬化性樹脂組成物R] 実施例1で使用した耐摩耗組成物Aにおけるエポキシ
樹脂液30重量部に同じセラミック混合砂69重量部、シラ
ンカップリグ剤1重量部を均一に混合して耐摩耗組成物
Rを得た。
次に、実施例1〜6および比較例1〜3で形成した鋼
板上の耐摩耗層I〜IXについて、次の要領で耐摩耗試験
を行いその結果を表1に示した。
[摺動耐摩耗試験] 耐摩耗層の表面に、粒度40番のレジノイド型丸砥石
(直径205mm、幅25mm)を回転数1200rpmにて1分間軽く
接触させて、表面の摩耗状態を観測する。
[衝撃耐摩耗試験] 前記摺動耐摩耗試験に使用したレジノイド型丸砥石を
使用し、同じ回転数で5秒間隔で5秒間づつ耐摩耗層の
表面に強く接触させる動作を10サイクル実施し、表面の
摩耗状態を観測する。
表中◎印は殆ど変化なし。
○印は若干の摩耗を生じている。
△印は摩耗を生じている。
×印は摩耗を認め、耐摩耗材の剥離が多い 耐摩耗層VIには衝撃試験で耐摩耗材の剥離が散見され
た。VIIおよびVIIIは摩耗も認められるが摺動、衝撃と
も耐摩耗材の剥離が生じている。耐摩耗層I〜VIには殆
ど変化が認められず本発明の耐摩耗層が性能の優れてい
ることがわかる。
実施例7 幅1000mm、直径500mmのサンドブラストされたプーリ
ー表面に、サントープライマーPU133(三東化工業
(株)製品名、ウレタン系プライマー)を150g/m2の割
合でハケ塗りし、2時間放置した。
直径10mm、深さ3mmの円柱くぼみを縦、横とも10mm間
隔で散在したシリコンゴム製型枠の該円柱くぼみに実施
例1で使用したと同じ耐摩耗組成物Aを充填し、直ちに
プーリー中央帯に500mm幅に巻きつけ固定し、一夜間放
置した。翌日型枠を取除き、プーリー中央帯500mm幅に
直径10mm、高さ3mmの円柱型耐摩耗組成物Aの群落を得
た。
次いで、実施例1で使用したと同じ熱硬化性樹脂組成
物Pを、該耐摩耗組成物Aからなる円柱群落をも含め、
プーリー面から肉厚5mmとなるように全面に塗布した。
塗布は継ぎ目の生じないように特に注意した。室温で一
週間養生して耐摩耗層を有するプーリーを得た。
このプーリー表面に、30メッシュの溶融酸化アルミニ
ウムグリットを空気式噴射機により通常のサンドブラス
ト方式で2分間噴射したのち、プーリー表面を観察した
が殆んど変化を認めなかった。
さらにこのプーリーに幅900mmのベルトをつけ、ベル
ト速度毎分135mとなるように運転しながら次の二種類の
試験を行った。
(1)けい砂および粘度を含んだ泥水をベルトとプーリ
ーの間に滴下しながら、運転、停止を繰り返えしてベル
トの滑りを観察した。繰り返えし500回頃から時にベル
トスリップが認められたが、殆んど問題にならない程度
であった。表面の擦り傷が若干認められたが摩耗は殆ん
ど無かった。
(2)ベルトとプーリーの間に砕石屑と砂との混合物を
散布しながら継続運転し、プーリー表面を観察した。運
転500時間後では殆んど変化は無かった。1000時間後、
中央円柱群のある部分は表面に擦り傷が認められる程度
で変化は無かったが、表面では摩耗が認められ、セラミ
ックの剥離が生じていた。
実施例8 砕石場の角錐型鋼製の砕石シューターの相対する二面
に実施例1と全く同様の前処理および耐摩耗層を形成さ
せた。他の相対する二面には前処理は実施例1と同様で
あるが、実施例1に使用した熱硬化性樹脂組成物Pのみ
で肉厚5mmの耐摩耗層を形成させた。
このシューターに砕石を投入し、稼働させ、1ヶ月後
に表面を観察した。実施例1と同様の耐摩耗層面は擦り
傷は認められるが、セラミックの摩耗、剥離は僅かであ
った。熱硬化性樹脂組成物Pのみで形成された二面はセ
ラミックの剥離・摩耗が激しかった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体表面に接合する凹凸上の熱硬化性樹脂
    と耐摩耗材からなる耐摩耗組成物層と、該耐摩耗組成物
    層に接合する熱硬化性樹脂組成物層とからなる改良され
    た耐摩耗層。
  2. 【請求項2】基体表面に耐摩耗層を形成するに当り、熱
    硬化性樹脂および耐摩耗材よりなる耐摩耗組成物を該基
    体表面に凹凸をつけて塗布し、硬化させ、次いで熱硬化
    性樹脂組成物を塗布して平坦面を形成させることを特徴
    とする耐摩耗層の形成方法。
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