JP2717248B2 - 電力ケーブルの防食層保護方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は鉄塔立上げを行なう電力ケーブルの布設方式
において、ケーブルの金属シース上に施されているポリ
エチレンやポリ塩化ビニル等の防食層を保護する方法に
関するものである。 （従来技術） 第２図は鉄塔立上げ布設方式の電力ケーブル系統の線
図的説明図である。 図面において、（１）は電力ケーブルで、（11）はケ
ーブル導体、（12）はケーブルの金属シースで、この上
にポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の防食層が施されて
いる。（３）は地中部ケーブルの終端接続部、（４）は
ラインアレスタ、（５）はトランス、（６）は上記終端
接続部（３）の接地端子に取付けた防食層保護装置であ
る。又（７）は鉄塔、（８）は架空線、（９）は接地抵
抗、（10）はラインアレスタを組込んだケーブル立上げ
部終端接続部である。 （解決しようとする問題点） 第２図に示すような電力ケーブル系統において、例え
ば、電力ケーブルを66kV1×200mm²CVケーブル、ケーブ
ル長100mでサージ解析を行なうと、第１鉄塔に30KA（66
kV系統における標準雷撃電流）の雷撃があった場合、同
図Ａ点（電力ケーブルが地中管路から鉄塔立上げ部へ移
る移行点）で発生するサージ電圧は次の通りである。 ケーブル導体に発生するサージ電圧 383kV ケーブルの金属シースに発生するサージ電圧 173kV （大地部の防食層に加わるサージ電圧） ケーブル絶縁体に加わるサージ電圧 210kV （−） 鉄塔電位 184kV 鉄塔−金属シース間に加わるサージ電圧 11kV （鉄塔立上げ部の防食層に加わるサージ電圧） このことより、鉄塔立上げ部ケーブル防食層に加わる
サージ電圧は、防食層周囲の鉄塔電位も上昇するため、
防食層の耐圧規格値40kV以下で問題はないが、大地（管
路内）へはいったとたんに173kVと耐圧規格値以上（実
力レベルぎりぎりの値）まで上昇し、防食層の保護が有
効にできていないという問題点がある。 （問題点を解決するための手段） 本発明は上述の問題点を解消した防食層保護方法を提
供するもので、その特徴は、地中管路から鉄塔立上げ部
に移行する移行点の電力ケーブルシースと大地間に防食
層保護装置を設置することにある。 第１図は本発明の防食層保護方法の具体例の説明図
で、第２図と同一記号は同一部位をあらわしている。図
面より明らかなように、本発明では、第２図のＡ点、即
ち電力ケーブル（１）が地中管路から鉄塔立上げ部へ移
る移行点のケーブルの金属シース（12）と大地（接地メ
ッシュ）間に防食層保護装置（ギャップレスアレスタ）
（20）を設置することにより上述の問題点を解消するも
のである。 （作用） 第１図に示す系統において、第２図の場合と同条件で
解析を行なった結果、Ａ点に発生するサージ電圧は次の
通りである。 ケーブル導体に発生するサージ電圧 248kV ケーブルの金属シースに発生するサージ電圧 16kV （大地部の防食層に加わるサージ電圧） ケーブル導体とシース間に発生する電圧 232kV 即ち、防食層の耐圧規格値40kV以下に防食層に加わる
サージ電圧を抑えられることが確認された。これは、シ
ースに発生する高サージ電圧を防食層保護装置によって
大地へ逃がすためである。 （発明の効果） 以上説明したように、本発明の防食層保護方法によれ
ば、ケーブルの防食層に加わるサージ電圧を防食層の耐
圧規格値以下に抑えることが可能となる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の防食層保護方法の具体例の説明図であ
る。 第２図は従来の鉄塔立上げ布設方式の電力ケーブル系統
の線図的説明図である。 １……電力ケーブル、11……ケーブル導体、12……ケー
ブルの金属シース、３……ケーブル終端接続部、４……
ラインアレスタ、５……トランス、６……防食層保護装
置、７……鉄塔、10……アレスタ組込み立上げ部ケーブ
ル終端接続部、20……Ａ点に設けた防食層保護装置。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．鉄塔立上げを行なう電力ケーブルの布設方式におい
   て、地中管路から鉄塔立上げ部へ移行する移行点の電力
   ケーブルシースと大地間に防食層保護装置を設置するこ
   とを特徴とする電力ケーブルの防食層保護方法。