JP2716456B2 - 一層大きい手絞り特性を有する商業的供給ジュースを得る方法 - Google Patents

一層大きい手絞り特性を有する商業的供給ジュースを得る方法

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本願は、特性が現在市販の製品よりも手絞りオレンジ
ジュースに近い工業的に加工されたオレンジジュース製
品に関する。詳細には、本願は、このような製品を製造
する際に有用な商業的供給ジュース(feed juices)を
得る方法に関する。
多くの人々の場合、オレンジジュース飲料の「金本位
(gold standard)」は、手で絞りたてのオレンジジュ
ースである。手絞りオレンジジュースは、消費者に望ま
しい多くの性質を有する。これらの性質としては、ジュ
ースの色および色相、その起泡特性、および浮かんでい
るそのままの砂じょうの外観が挙げられる。更に、手絞
りオレンジジュースは、特に心地良い果物様アロマおよ
びフレーバー特性を有する。
また、手絞りオレンジジュースは、独特のテクスチャ
ー的特性を有する。若干驚異的なことに、手絞りジュー
スは、擬似塑性挙動を示し、即ち、「剪断減粘性(shea
r−thinning)」である。この擬似塑性挙動は、オレン
ジジュースをちびちび飲むことおよび飲み込むことに伴
う剪断において特に明らかである。例えば、フロリダバ
レンシアオレンジからの手絞りジュースは、ちびちび飲
む時および飲み込む時の剪断に近似している剪断速度10
〜100秒-1において比較的低い平均粘度4〜6センチポ
アズ(8℃で測定)を有する。
オレンジジュースのこの独特の飲用テクスチャーは、
少なくとも2種の異なる因子によって制御されると推測
される。一方は、手絞りジュースに存在するバックグラ
ウンドまたは「沈降性」肉じょう(“sinking"pulp)の
量である。この沈降性肉じょうは、大きさがかなり小さ
いが(即ち、20メッシュ篩を通過)、オレンジジュース
の粘度に有意に影響する。他方は、比較的少量のペクチ
ンおよびヘスペリジン、肉じょう、果皮(peel)および
ラグ(rag)に存在する主要フラバノイドグリコシドで
ある。オレンジジュース中の雲状のものは、ペクチンと
一緒に粘着された針状ヘスペリジン結晶の集まりを含有
する。ヘスペリジンおよびペクチンのこの集まりは、沈
降性肉じょうよりも少ない程度で、オレンジジュースの
粘度に影響すると推測される。
手絞りオレンジジュースの独特の性質および特性は、
大部分、どのように作ったかということから生ずる。手
絞りは、オレンジ果物からのジュースのかなり穏やかな
抽出を包含する。この穏やかな抽出は、異臭化合物、並
びに色およびテクスチャーに悪影響を及ぼす物質の導入
を最小限にする。特に、手絞りは、苦いフレーバー特性
をジュースに付与することがある有意量の果皮油(peel
oil)および他の異臭の導入を防止する。また、手絞り
は、砂じょうの粘度増大沈降性肉じょうへの粉砕を最小
限にする。また、異臭成分、並びにヘスペリジングリコ
シドおよび可溶性ペクチンを含有する果皮のアルベド部
分およびラグの摩耗が典型的にはより少ない。
オレンジを手絞りすることは、商業量のオレンジジュ
ースを生産する実用的方法ではない。手絞り機を使用す
ることによるオレンジジュースからのジュースの収率
は、かなり低く、典型的には約80〜90%程度である。商
業量のジュースを手絞りによって抽出できたとしても、
その形態で流通することは、経済的ではないであろう。
手絞りオレンジジュースは、水約85〜約90%を含有す
る。オレンジジュースを貯蔵し流通するのに最も経済的
な方法は、濃縮形態である。事実、米国で工業的に加工
されたオレンジジュースの大部分は、濃縮形態で存在す
る。
手絞りオレンジジュースの流通を実用的ではなくさせ
るであろう別の因子は、貯蔵安定性の欠如である。手絞
りジュースは、ジュースに存在するペクチンを脱メトキ
シ化することがある。ペクチンエステラーゼ酵素を含有
する。これらの脱メトキシ化ペクチンは、時間にわたっ
て望ましくないゼリー状塊を形成することがあり、これ
らのゼリー状塊はジュースの粘度を増大する。更に、手
絞りジュースは、比較的高い水活性を有するので、殺菌
しなければ、比較的短時間のうちに微生物による腐敗を
受けやすい。
手絞りオレンジジュースの品質に近づけようとする工
業的に加工されたオレンジジュース製品が、試みられ
た。これらの試みは、完全には成功ではなかった。工業
的に加工されたジュース製品における手絞り特性の欠如
は、大部分、出発供給ジュース(feed juice)の品質に
よる。現在市販の供給ジュースは、爾後のジュース加工
時に除去することが非常に困難であるか不可能である有
意量の望ましくない成分または汚染物を含有する。
工業的操作においては、出発供給ジュースの品質は、
本質上2つの因子によって決定される。一方は、使用す
る果物の品質である。熟し過ぎた果物、未熟な果物また
は非常に小さい果物の使用は、望ましくないフレーバー
化合物および汚染物を供給ジュースに与えることがあ
る。他方のより有意な因子は、ジュース抽出および仕上
げで使用する装置、特に装置の操作条件である。操作条
件は、通常、ジュースの品質とオレンジ果物からのジュ
ースの収率との間の妥協を包含する。一般に、供給ジュ
ースの品質が高ければ高い程、収率は低いであろう。逆
も成り立つ。従って、供給ジュースが手絞りオレンジジ
ュースの特性を有することを目標とすることは、低いジ
ュース収率の潜在的な悪い経済性を仮定すれば、容易な
選択(choice)ではない。
供給ジュースが手絞り品質に近づくとしても、更に他
の工業的加工は、性質に悪影響を及ぼすことがある。手
で絞りたてのオレンジジュースの特性的な「新鮮な」化
合物としては、低分子量アルコール(例えば、エタノー
ルおよびメタノール)、アルデヒド(例えば、アセトア
ルデヒド)およびエステル(例えば、酪酸エチルおよび
3−ヒドロキシヘキサン酸エチル)が挙げられる。これ
らの化合物は、比較的揮発性であるので、揮発により容
易に失われることがある。更に、これらのデリケートな
化合物、並びに他のより少ない揮発性の化合物、例え
ば、バレンセンは、供給ジュースから大部分の水を除去
するのに典型的に使用する蒸発加熱濃縮プロセス時に容
易に劣化される。
これらのデリケートなアロマおよびフレーバー揮発物
の1保存法は、蒸発濃縮前にそれらを供給ジュースから
ストリッピングする方法である。1つのこのような方法
は、欧州特許出願第110,638号明細書に開示されてい
る。この特許に記載の方法においては、供給ジュース
は、スチームまたは不活性ガスでストリッピングして、
オレンジアロマ/フレーバー揮発物を除去する。次い
で、これらのストリッピングされた揮発物は、好ましく
は95゜Fから−50゜Fの範囲内の漸次より冷たい温度で凝
縮する。得られたアロマ/フレーバー凝縮物は、遠心分
離によって分離して、水性ストリッパーエッセンスおよ
びストリッパー油を与える。その後、ストリッパーエッ
センスおよびストリッパー油は、濃縮ストリッピングジ
ュースに加え戻す。
上記欧州特許出願第100,638号明細書に記載の方法
は、性状が基本的に保存される。このことは、どのよう
な揮発物を供給ジュースからストリッピングするとして
もストリッパーエッセンスまたはストリッパー油に本質
上存在するであろうことを意味する。これは、異臭揮発
性成分も包含する。従って、供給ジュースの品質は、上
記欧州特許出願第110,638号明細書に記載の方法によっ
て得られるストリッパーエッセンスおよびストリッパー
油の品質を大体決定できる。
デリケートなアロマおよびフレーバー揮発物を供給ジ
ュースから除去した後、次いでそれは、濃縮する。大抵
の工業的濃縮法は、加熱蒸発技術を利用して大部分の水
をジュースから除去する。水の除去に加えて、これらの
蒸発法は、追加の機能にも役立つ。1つの重要な機能
は、ジュースに存在する酵素、特にペクチンエステラー
ゼを失活することである。
供給ジュースを濃縮する標準蒸発システムは、温度促
進短時間蒸発器(TASTE)を利用する。TASTE蒸発器は、
供給ジュースの流動フィルムを供給ジュースから予め発
生されたスチームまたは蒸気で加熱することによって濃
縮する。標準的7段4効果TASTE蒸発器システムにおい
ては、40℃で出発し、96℃の最高蒸発温度を通過して、
供給ジュースは漸次より高い温度で加熱した後、漸次よ
り低い温度で加熱し、40℃で終る。ここで、濃縮ジュー
スは、63゜Brixの固形分を得る。
ナジ等、シトラス・サイエンス・エンド・テクノロジ
ー(Citrus Science and Technology),Vol.2(1977),
pp.217−218参照。
TASTE蒸発システムは、調理された異臭を得られる濃
縮オレンジジュースに付与することがある。このこと
は、ジュースが比較的高温、例えば96℃程度に付される
比較的長い時間(分)の組み合わせのためである。現在
市販のフロリダ供給ジュースに由来するTASTE濃縮物(5
8゜〜72゜Brix)は、8℃での粘度物約8,000〜約20,000
センチポアズを有することもある。これらのTASTE濃縮
物は、単強度(single strength)に希釈する時でさ
え、手絞りオレンジジュースの粘度よりもはるかに高い
粘度を有する。
背景技術 A.加工可能な果物の選択 ナジ等、シトラス・サイエンス・エンド・テクノロジ
ー、Vol.2,(1977),pp.183−189は、どのように柑橘類
の果物を加工用に製造するのか一般的説明を含む。この
文献は、選別時に、悪く損傷されたか軟らかくなったか
熟し過ぎたか他の理由で低品質または不健全な果物を果
物の選別時に手で除去することを教示している。また、
この文献は、「果物を加工前に大箱中で12〜72時間貯蔵
してもよい」ことを述べている。機械的に収穫された果
物に言及する時には、この文献は、果物が収穫とジュー
ス製造との間の時間を最小限にするためにできるだけ迅
速に取り扱うべきであることを述べている。
ランガンナ等、「シトラス・フルーツ。パートII。ケ
ミストリー、テクノロジー・エンド・クオリティー・レ
ビュー.,B.テクノロジー(Citrus Fruits.Part II.Chem
istry Technorogy and Quality Review.,B.Technolog
y)CRCクリティカル・レビューズ・イン・フード・サイ
エンス・エンド・ニュートリション(CRC Critical Rev
iews in Food Science and Nutrition),Vol.19(198
3),pp.4−5も、加工前の柑橘類の果物の取扱および選
別の一般的説明を与えている。この文献は、不健全な果
物を加工前に除去しなければならないことを述べてい
る。また、この文献は、洗浄後に、果物を再検査して、
初期に見落としたか後で損傷した損傷果物を除去するこ
とを述べている。
B.ジュースの抽出および仕上 上記のナジ等の文献の第188頁〜第199頁は、柑橘工業
にあてはまるようなジュース抽出および仕上の一般的説
明を与えている。この文献は、ジュース仕上機および抽
出器が柑橘類のジュースまたは濃縮物の性状、品質およ
び特性に重要であり、調節してジュース中の肉じょう、
油などの量を制御することができることを教示してい
る。この文献は、果皮油含量が非常に低い高品質ジュー
スを製造するものとしてブラウン・モデル400および700
ジュース抽出器を明記している。
上記のランガンナの文献の第6頁〜第7頁は、ジュー
ス抽出および仕上の一般的説明も与えている。この文献
は、ジュース抽出器および仕上機の設定および操作がジ
ュースの収率およびその品質特性を決定することを教示
している。この文献は、ゴールが肉じょうまたは膜を粉
砕しないか油およびジュースを果皮から抽出せずに、で
きるだけ多くのジュースを果物から除去することである
ことを述べている。また、この文献は、ジュースの抽出
時にかけられる圧力が品質に対して有意な効果を有する
こと、および過度の圧力がより高い含量の苦いリモネ
ン、全ペクチン、漿液粘度、フラベド、隔膜、および種
子からのテルペンおよびアルデヒドのオキシジェネーシ
ョン(oxygenation)などを有するジュースを生ずるこ
とを指摘している。逆に、より低い圧力で抽出されたジ
ュースは、より高い明度およびより良いフレーバーを有
する。
米国特許第4,518,621号明細書は、固形分を抽出ジュ
ースから除去するジュース仕上機を開示している。この
仕上機においては、抽出ジュースは、回転円筒篩に導入
する。発生された遠心力は、固形分を保持しながら、ジ
ュースの流体部分を篩を通して外方に押圧する。複数の
パドルは、篩内に回転のために配置されており、ジュー
スを内面に沿って均一に広げて分離を容易にする。この
仕上機は、ジュースの流体部分を固形分から「比較的穏
やかな方式」で、かつ仕上機に入るジュースに「対して
苛酷な機械的圧力をかけずに」分離すると主張されてい
る。主張されている主要な利益は、篩を通しての力を固
体成分にかけることの防止である。
米国特許第3,385,711号明細書は、適当な貯蔵条件で
合理的な貯蔵期間全体にわたって味が良いままであるオ
レンジジュースおよびオレンジジュース濃縮物の製法を
開示している。この特許は、ジュース製品中での苦さの
発生がジュースに存在する肉じょうのためであることを
述べている。この苦さ上の問題は、遠心分離、過また
は傾瀉によって肉じょうを抽出ジュースから分離し、次
いで、望ましくない苦さ特性を生じない肉じょうを加え
ることによって防止される。
発明の開示 本発明は、一層手絞りオレンジジュースのようなテク
スチャー性、アロマ性およびフレーバー性を有する商業
的供給ジュースを得る方法に関する。この方法は、 (A) 加工可能なオレンジ果物を選び; (B) 選ばれた果物を (1) 選ばれた果物を商業的ジュース抽出器中で穏
やかに抽出して滴定可能な果皮油約0.015%以下を有す
る抽出ジュースを与え; (2) 非ジュース物質を抽出ジュースから穏やかに
かつ迅速に除去して部分仕上ジュースを与え; (3) 知覚可能な肉じょうを部分仕上ジュースから
除去して、知覚可能な肉じょうを実質上含まずかつ (a) 8℃の温度での粘度少なくとも約10センチ
ポアズ;および (b) 沈降性肉じょう少なくとも約10%を有する
完全仕上ジュースを与え; (4) 沈降性肉じょうの少なくとも若干を完全仕上
ジュースから除去して、商業的供給ジュースを与える ことによって加工する ことを特徴とする。
知覚可能な肉じょうを実質上含まない本発明の方法か
ら生ずる商業的供給ジュースは、バレンシアオレンジ果
物または非バレンシアオレンジ果物から得ることができ
る。バレンシアオレンジ供給ジュースは、 (a) 8℃の温度での粘度約10センチポアズ以下; (b) 沈降性肉じょう約10%以下; (c) 滴定可能な果皮油約0.015%以下、および (d) 100ml当たり約175mg以下のフラバノイドグリコ
シド を有する。
非バレンシアオレンジ供給ジュースは、 (a) 8℃の温度での粘度約8センチポアズ以下; (b) 沈降性肉じょう約8%以下; (c) 滴定可能な果皮油約0.015%以下、および (d) 100ml当たり約200mg以下のフラバノイドグリコ
シド を有する。
A.オレンジ果物からの供給ジュースの取得 本発明の鍵の態様は、オレンジ果物から得られる出発
供給ジュースである。これらの供給ジュースの物理的お
よび化学的組成は、特に現在市販の供給ジュースと比較
して独特である。しかしながら、これらの独特の供給ジ
ュースのテクスチャー、アロマおよびフレーバーの性質
は、一層手絞りオレンジジュースのようであるようなも
のである。驚異的なことに、本発明の好ましい供給ジュ
ース(滴定可能な果皮油含量約0.010%以下)は、同じ
品種のオレンジ果物(例えば、バレンシアオレンジ果
物)から得られる時に、手絞りジュースと同等に好まし
いことが見出された。比較して、現在市販の供給ジュー
スは、手絞りジュースと比較して有意に好ましくないこ
とが見出された。
これらの「一層手絞りオレンジジュースのようであ
る」という特性は、本発明の独特な供給ジュースから調
製されたオレンジジュース製品のテクスチャー、アロマ
およびフレーバーの性質に重要である。更に、これらの
独特な供給ジュースの特定の物理的および化学的組成
は、アロマおよびフレーバー揮発物のストリッピングお
よび蒸発濃縮を含めた爾後加工に高度に重要である。驚
異的なことに、これらの高品質供給ジュースは、後述の
供給ジュース加工技術を使用する時には商業上許容可能
なジュース収率(少なくとも約90%)で得ることができ
る。このことは、高品質供給ジュースがはるかに低いジ
ュース収率でのみ得ることができるというオレンジジュ
ース工業における現在の確信(逆もまた同じ)に反す
る。
本発明の独特の供給ジュースは、バレンシアオレンジ
果物または非バレンシアオレンジ果物のいずれかからも
得ることができる。ここで使用する「バレンシアオレン
ジ果物」は、通常それぞれの収穫期の晩期に熟しかつ典
型的には比較的に高い果皮油含量を有する遺伝子型また
は品種バレンシアからのオレンジ果物を意味する。好適
なバレンシアオレンジ果物の例としては、フロリダバレ
ンシア果物、カリフォルニアバレンシア果物、およびブ
ラジリアンバレンシア果物が挙げられる。バレンシア果
物、特にフロリダバレンシアから抽出されるジュース
は、より強い「新鮮な」アロマ/フレーバー特性および
より薄い、より少ない肉じょうテクスチャーを有する傾
向がある。
ここで使用する「非バレンシアオレンジ果物」は、通
常収穫期の早期から中間部分で熟しかつ典型的には比較
的低い果皮油含量を有するすべての残りのオレンジ果物
を意味する。好適な非バレンシア果物の例としては、フ
ロリダ早期/中期オレンジ〔ハムリン(Hamlin)、パー
ソン・ブラウン(Parson Brown)およびパイナップル
(Pineapple)〕、ブラジリアン品種、例えばペラ・リ
オ(Pera Rio)およびナータル(Natal)、並びにタン
ジェリン、マンダリンオレンジ、ブラッドオレンジおよ
びネーブルオレンジが挙げられる。非バレンシアオレン
ジ果物から抽出されたジュースは、バレンシア果物から
抽出されたものと比較してより低い強さの「新鮮な」ア
ロマ/フレーバー特性およびより濃い、より高い肉じょ
うテクスチャーを有する傾向がある。
本発明の供給ジュースの重要な特性は、粘度である。
供給ジュースに「正しい」粘度の選択は、最後のオレン
ジジュース製品に「一層手絞りジュースのような」テク
スチャーを達成するのに特に臨界的であることが見出さ
れた。例えば、余りに低い粘度を有する供給ジュースか
ら調製されたオレンジジュース製品は、テクスチャーが
「水っぽい」または「薄い」と特徴づけられるであろ
う。比較して、現在の高粘度の市販の供給ジュースは、
手絞りオレンジジュースの口当たりとは異なる「より濃
い」口当たりを有するオレンジジュース製品をもたら
す。更に、供給ジュース粘度は、ジュース収率および供
給ジュースの爾後の蒸発濃縮に対して重要な効果を有す
ることが見出された。例えば、余りに低い粘度を有する
供給ジュースは、通常、ジュース収率の許容不可能な損
失を意味する。対照的に、余りに高い粘度を有する供給
ジュースは、供給ジュースを蒸発で濃縮させることを極
めて困難にさせるか不可能にさせることがあり、調理さ
れた異臭の過度の発生を生じさせることがある。
これらの理由で、本発明の供給ジュースは、比較的低
い粘度を有する。供給ジュースの特定の粘度(8℃での
測定時)は、原料であるオレンジ果物に依存する。一般
に、非バレンシア果物から得られる本発明の供給ジュー
スは、バレンシア果物から得られるものよりも低い粘度
を有する。非バレンシア果物から得られる供給ジュース
の場合には、粘度は、約8センチポアズ以下である。典
型的には、非バレンシア供給ジュースは、粘度約5〜約
8センチポアズ、好ましくは約6〜約7センチポアズを
有する。バレンシア果物から得られた供給ジュースの場
合には、粘度は、約10センチポアズ以下である。典型的
には、バレンシア供給ジュースは、粘度約7〜約10セン
チポアズ、好ましくは約8〜約9センチポアズを有す
る。上記オレンジ果物の場合にこれらの粘度を有する供
給ジュースは、ジュース収率または本願のパートCで後
述の蒸発法によって供給ジュースを有効に濃縮する能力
に有意に影響を及ぼさずに一層手絞りジュースのような
テクスチャー性を有するオレンジジュース製品の調製を
可能にする(本発明の供給ジュースの粘度の測定法は、
本願のパートEに後述する)。
本発明の供給ジュースの別の鍵の特性は、沈降性肉じ
ょうの量である。ここで使用する「沈降性肉じょう」
は、粒径約0.5mm未満を有するジュースに存在する不溶
性物質を意味する。沈降性肉じょうは、通常、砂じょう
のはるかに微細な粒子への寸断または切断から生ずる。
沈降性肉じょうの量は、供給ジュースの粘度に対して特
に重要な効果を有する。一般に、沈降性肉じょうの量が
増大するにつれて、供給ジュースの粘度は、同様に増大
する。更に、沈降性肉じょうの量は、どの程度穏やかに
供給ジュースが抽出仕上げされたかの指示薬であること
ができる。一般に、抽出および仕上工程が穏やかであれ
ばある程、沈降性肉じょうの量は、少ない。沈降性肉じ
ょうの量に影響を及ぼす他の因子としては、果物の状態
(特に凍結損傷)および抽出前の物理的取扱いが挙げら
れる。
沈降性肉じょうの量は、本発明の供給ジュースでは望
ましく最小限にする。供給ジュースの特定の沈降性肉じ
ょう量は、原料であるオレンジ果物に依存する。一般
に、非バレンシア果物から得られる本発明の供給ジュー
スは、バレンシア果物から得られたものより少ない沈降
性肉じょうを有する。非バレンシア果物から得られた供
給ジュースの場合には、沈降性肉じょうの量は、約8%
以下である。典型的には、非バレンシア供給ジュース
は、沈降性肉じょう量約5〜約8%、好ましくは約6〜
約7%を有する。バレンシア果物から得られた供給ジュ
ースの場合には、沈降性肉じょうの量は、約10%未満で
ある。典型的には、バレンシア供給ジュースは、沈降性
肉じょう量約7〜約10%、好ましくは約8〜約9%を有
する(本発明の供給ジュースの沈降性肉じょうの測定法
は、本願のパートEで後述する)。
本発明の供給ジュースの別の重要な特性は、滴定可能
な果皮油の量である。果皮油の量は、どの程度注意深く
ジュースをオレンジ果物、特に脱油していない果物から
抽出したかの重要な指示薬であることができる。一般
に、供給ジュースに存在する果皮油(および他の果皮汚
染物)の量が少なければ少ない程、オレンジ果物からの
ジュースの抽出が穏やかである。
本発明の供給ジュースにおいては、滴定可能な果皮油
の量を最小限にすることが望ましい。これらの供給ジュ
ース中の滴定可能な果皮油の量は、約0.015%以下、好
ましくは約0.010%以下である。これらの供給ジュース
中の滴定可能は果皮油の特定の量は、しばしば、原料で
ある果物に依存する。一般に、非バレンシア果物からの
供給ジュースは、バレンシア果物から得られたものより
も少ない量の滴定可能な果皮油を有するように一層容易
に加工できる。非バレンシア供給ジュースの場合には、
滴定可能な果皮油の量は、典型的には、約0.004〜約0.0
10%である。バレンシアジュースの場合には、滴定可能
な果皮油の量は、典型的には、約0.006〜約0.015%であ
る。比較して、現在市販の供給ジュースは、典型的に
は、滴定可能な果皮油含量約0.020〜約0.045%を有する
(本発明の供給ジュースの滴定可能な果皮油含量の測定
法は、本願のパートEで後述する)。
供給ジュースに存在する果皮油の量は、オレンジアロ
マおよびフレーバー組成、並びに得られるオレンジジュ
ース製品のオレンジアロマおよびフレーバー組成に大き
い影響を及ぼすことがある。果皮油に存在するオレンジ
フレーバー化合物は、特性が苦いか焼ける傾向がある。
蒸発濃縮前のオレンジアロマおよびフレーバー揮発物を
除去回収するための供給ジュースの爾後ストリッピング
時に、これらの苦い/焼けるフレーバー化合物も、除去
回収できる。ストリッピングされた揮発物をその後に濃
縮ジュースに加え戻すので、供給ジュース中の果皮油の
量が余りに多いならば、オレンジジュース製品中で望ま
しくない苦い/焼けるフレーバー特性を生ずることがあ
る。更に、果皮油は、主としてテルペン(またはテルペ
ン様)化合物からなり、これらの化合物は酸化または熱
劣化して、望ましさがより少ないオレンジフレーバー化
合物になることがある。また、多量の果皮油は、望まし
い水溶性オレンジフレーバー化合物の油相への分配に悪
影響を及ぼすことがある。
供給ジュースのオレンジアロマおよびフレーバー品質
に対する最小限化果皮油含量の重要性は、望ましさがよ
り少ないオレンジ化合物の量に対するより望ましいオレ
ンジ化合物の量をベースとする比率によって特に示され
る。本発明の供給ジュースの目的では、より望ましいオ
レンジ化合物の量は、アセトアルデヒドとメタノールと
酪酸エチルと3−ヒドロキシヘキサン酸エチルとバレン
センと合計量をベースとする。アセトアルデヒド、メタ
ノール、酪酸エチルおよび3−ヒドロキシヘキサン酸エ
チルは、供給ジュースの「鮮度」に寄与する高揮発性化
合物である。バレンセンは、望ましい「オレンジ様」フ
レーバー特性を供給ジュースに与える揮発性がより低い
化合物である。
本発明の供給ジュースの目的では、望ましさがより低
いオレンジ化合物の量は、ヘキサナールとα−ピネンと
ミルセンとデタナールとリナロールとオクタナールとの
合計量をベースとする。これらの望ましさのより低い化
合物は、果物の果皮部分から得られる成分、並びに望ま
しくない劣化生成物を表す。ヘキサナールを除いて、こ
れらの化合物は、一般に、水よりも揮発性ではない。
果物品種(非バレンシアvsバレンシア果物)およびジ
ュース加工条件に加えて、果物耕区の季節および毎年の
変動は、所定の供給ジュースの場合のより望ましいオレ
ンジ化合物対望ましさがより低いオレンジ化合物の比率
に影響を及ぼすことがある。そうであるとしても、平均
して、本発明の供給ジュースは、所定の品種の果物の場
合の現在市販の供給ジュースと比較した時に、より望ま
しいオレンジ化合物対望ましさがより低いオレンジ化合
物のより高い比率を有することが見出された。逆に、平
均して、この比率は、所定の品種の果物の場合の手絞り
ジュースの比率よりも低いことも見出された。更に、驚
異的なことに、本発明の供給ジュース中の滴定可能な果
皮油の量が減少するにつれて(例えば、0.015%〜0.010
%)化学組成の変化(特に、より望ましい化合物対望ま
しさがより低い化合物の比率)は、減少された果皮油量
から予想されるであろうものよりもはるかに大きいこと
が見出された。
中位の滴定可能な果皮油量(中位の油)および好まし
い低い滴定可能な果皮油量(低油)を含有する本発明の
供給ジュースと手絞りジュース(HSJ)、現在市販の供
給ジュース(市販品)との間のより望ましい化合物対望
ましさがより低い化合物の比率の差(2つの果物季節±
標準偏差で平均化)を下記表に明記する。
より望ましいオレンジ化合物対望ましさがより低いオ
レンジ化合物の比率約8.5〜約12〜5を有する本発明の
或るバレンシア供給ジュースは、特に好ましいことが見
出された。これらの好ましいバレンシア供給ジュース
は、完全仕上ジュースのフレーバーパネリングにおい
て、比率的18〜約52を有する或る手絞りバレンシアジュ
ースと同等に好ましいことが見出された。また、これら
の好ましいバレンシア供給ジュースは、完全仕上ジュー
スのフレーバーパネリングにおいて、一般に比率約3〜
約7を有する現在の市販のバレンシア供給ジュースより
も有意に好ましいことが見出された(より望ましいオレ
ンジ化合物対望ましさがより低いオレンジ化合物の比率
約8.5〜約21.5を有する本発明の非バレンシア供給ジュ
ースは、同様の結果を与えるであろうことも予想され
る)。
(本発明の供給ジュース中のエタノール、メタノール、
アセトアルデヒド、酪酸エチルおよびヘキサナールの量
を測定するのに使用する方法は、本願のパートEで後述
のパージ/トラップ分析法である。本発明の供給ジュー
ス中の残りのオレンジ化合物の量を測定するのに使用す
る方法は、本願のパートEで後述の組織均質化分析法で
ある)。
本発明の供給ジュースの別の重要な特性は、フラバノ
イドグリコシドの量である。これらのグリコシドの量も
支配的例は、ヘスペルジンである。ヘスペリジンは、ラ
グと果皮のアルベド部分との両方において有意量で存在
し、肉じょうに特に多量で存在する。従って、供給ジュ
ースに存在するフラバノイドグリコシドの量は、オレン
ジ果物の抽出および得られたジュースの仕上げがどの程
度穏やかであったかの指示薬であることができる。一般
に、抽出および仕上げが穏やかであればある程、供給ジ
ュース中のフラバノイドグリコシドの量は、少ないであ
ろう。抽出とよび仕上げの穏やかさを指示することに加
えて、これらのフラバノイドグリコシドの量は、供給ジ
ュースの粘度に影響を及ぼすことがある。一般に、これ
らのグリコシドの量が少なければ少ない程、供給ジュー
スの粘度は、低いであろう(即ち、沈降性肉じょうの量
に対応する傾向がある)。供給ジュース(および得られ
たオレンジジュース製品)の粘度に影響を及ぼすことの
ほかに、多量のこれらのグリコシドは、爾後濃縮工程で
使用する蒸発器の焼付けを生じ、調理された異臭の発生
をもたらすことがある。
本発明の供給ジュースの場合には、フラバノイドグリ
コシドの量を最小限にすることが望ましい。これらの供
給ジュース中のグリコシドの特定量は、原料である果物
に依存する。一般に、非バレンシア果物から得られる供
給ジュースは、バレンシア果物から得かられるものもの
よりも多量のグリコシドを有する。非バレンシア供給ジ
ュースの場合には、これらのグリコシドの量は、約200m
g/100ml以下であり、典型的範囲は約125〜約200mg/100m
lである。バレンシア供給ジュースの場合には、これら
のグリコシドの量は、約175mg/100ml以下であり、典型
的範囲は約100〜約175mg/100mlである(本発明の供給ジ
ュース中のフラバノイドグリコシドの量を測定法は、本
願のパートEで後述する)。
本発明の独特の供給ジュースは、注意深い果物の選択
と加工条件との組み合わせによって得られる。第一工程
は、加工可能なオレンジ果物を選択することである。こ
こで使用する「加工可能なオレンジ果物」なる用語は、
工業的ジュース抽出/仕上装置で加工してBrix固形分対
滴定可能な酸性度(TA)の比率的約12〜約20、好ましく
は4約14〜約18を有する供給ジュースを与えることがで
きる果物を意味する。例えば、軟質な果物、腐った果物
または未熟な果物は、好ましくは、除去して望ましくな
い汚染物の供給ジュースへの導入を防止する。更に、選
ばれる果物は、好ましくは、収穫してから約48時間以内
に加工して供給ジュースとする。このことは、特に貯蔵
時の弊害および損傷の結果として時間にわたって生ずる
果物中の異臭化合物の発生を最小限にする。
選ばれる果物は、工業的ジュース抽出器中で穏やかに
抽出して、滴定可能な果皮油約0.015%以下、好ましく
は滴定可能な果皮油約0.010%以下を有する抽出ジュー
スを与える。「穏やかに抽出」なる用語は、抽出ジュー
ス中の果皮油の量を最小限にする抽出法を意味する。ま
た、穏やかな抽出法は、フラバノイドグリコシドを含有
する果皮のラグおよびアルベド部分の摩耗を最小限にす
る。更に、穏やかな抽出法は、典型的には、有意量の沈
降性肉じょうを抽出ジュースに加えることがある砂じょ
うの有意な寸断および切断を回避する。
「工業的ジュース抽出器」なる用語は、少なくとも20
0個のオレンジ果物/分を加工することができる機械的
ジュース抽出器を意味する。3種の一般型の工業的ジュ
ース抽出器である。1つは、「リーマー型」ジュース抽
出器と称される。リーマー型ジュース抽出器において
は、機械に入る果物は、半分にスライスする。2つの半
割れは、機械の対向側に行く。半割れは、配向し、カッ
プによってピックアップし、次いで、わずかに傾斜した
平面上の同期担体上で回転するセレーションリーマーを
横切って配置する。果物が回転自在の抽出器の回りを進
行すると、傾斜平面は、回転リーマーが増大圧力を半分
にされた果物にかけさせ、かくの如くジュースを絞り出
す。ナジ等、シトラス・サイエンス・エンド・テクロノ
ジー、Vol.2,(1977),pp.192−93参照。好適なリーマ
ー型ジュース抽出器の例としては、ブラウン・モデル
(Brown Model)400(350個の果物/分まで)、ブラウ
ン・モデル700(700個の果物/分まで)、およびベルツ
ッジ・モデル(Bertuzzi Model)R−16(400個の果物
/分まで)が挙げられる。リーマー型ジュース抽出器の
他の例に関しては、米国特許第3,858,500号明細書およ
び米国特許第4,421,021号明細書も参照。
柑橘工業で使用する第二の種類のジュース抽出器は、
「回転ディスク型」と称される。回転ディスク型ジュー
ス抽出器においては、各果物は、回転テーパー状円形ゴ
ム製ディスクの対間で楔状となる。ディスクは、果物を
鋼製ナイフを通して運び、このナイフは果物を半分にス
ライスする。各半割れは、多孔鋼格子と回転ディスクの
1つとの間の収斂路を移動し、かくの如くジュースを抽
出させる(格子は、抽出と同時にジュースの粗の一次仕
上げを与える)。抽出されたジュースは、コレクターの
底に流れ、このコレクターにおいて抽出の初期の低圧段
階からの低果皮油/肉じょう画分および抽出の後期の高
圧段階からの高果皮油/肉じょう画分に分けることがで
きる。上記のナジ等の文献の第194頁〜第195頁参照。好
適な回転ディスク型ジュース抽出器としては、ブラウン
・モデル1100が挙げられる。回転ディスク型抽出器の他
の例に関しては、米国特許第3,245,339号明細書および
米国特許第4,170,935号明細書も参照。
柑橘工業で使用する第三の種類のジュース抽出器は、
「往復カップ型」と称される。往復カップ型抽出器にお
いては、各果物は、下部カップに入れる。次いで、上部
カップは、降下する。このことは、丸い鋼製チューブの
鋭い上端が果物の底で円形孔を切断するようにさせる。
上部カップおよび下部カップの複数の指がかみ合うと、
絞り出されたジュースを積載したセグメントは、果物に
切断された孔を通してチューブに通過する。チューブの
下端は、ジュースの損失を防止しかつジュースをチュー
プの側面のパーフォレーションを通して強制的に通過さ
せるための絞りを有する。種子、ラグ、果皮および大き
い肉じょう粒子は、チューブ内に残る。上記のナジ等の
文献の第190頁〜第191頁参照。好適な往復カップ型ジュ
ース抽出器の例としては、FMCモデル291、FMCモデル39
1、FMCモデル491およびFMCモデル低油ジュース機械が挙
げられる。往復カップ型ジュース抽出器の他の例に関し
ては、米国特許第4,376,409号明細書および米国特許第
4,309,943号明細書も参照。
オレンジ果物を脱油しなければ、大抵のリーマー型ジ
ュース抽出器、回転ディスク型ジュース抽出器および往
復カップ型ジュース抽出器は、バレンシア果物の場合に
は約0.015%よりも多い滴定可能な果皮油含量、非バレ
ンシア果物の場合には典型的には約0.010%よりも多い
滴定可能な果皮油含量を有する抽出ジュースを与えるで
あろう。従って、ジュース抽出前の好ましい工程は、果
物を脱油することである。果物の脱油は、スカリファイ
ヤー装置を使用することによって達成できる。スカリフ
ァイヤーは、オレンジ果物の表面を刺すことによって作
動する。このことは、果皮油を果物からしみ出させる。
しみ出された果皮油は、果物から洗い流れ、除去して抽
出ジュースへの混入を防止することができる。この脱油
工程を実施するのに好適なスカリファイヤーとしては、
ブラウン油抽出器、インデリカト(Indelicato)スカリ
ファイヤーまたはベルツッジ・シトロ・ラップス(Bert
uzzi Citro Raps)が挙げられる。
すべてのジュース抽出器が、上記最大果皮油含有を有
する抽出ジュースを与えるために前脱油操作を必要とす
るとはかぎらない。1つのこのようなジュース抽出器
は、フロリダ州レークランドのFMCコーポレーションの
シトラス・マシネリー・ディビジョン製モデル低油ジュ
ース機械である。FMC低油ジュース機械は、前脱油工程
なしでバレンシア果物の場合には滴定可能な果皮油含量
約0.015%以下(非バレンシア果物の場合には典型的に
は約0.010%以下)を有する抽出ジュースを与えること
ができる往復カップ型ジュース抽出器である。滴定可能
な果皮油含量0.006%程度を有する抽出ジュースは、こ
の低油ジュース機械を使用してバレンシア果物から得る
ことができる(非バレンシア果物から得られる時には0.
004%程度)。従って、前脱油工程は、このような低油
ジュース抽出器の場合には任意である。
抽出ジュースは、非ジュース物質を除去することによ
って部分的に仕上げる。ここで使用する「非ジュース物
質」なる用語は、抽出ジュースに存在するいかなるラ
グ、種子または果皮物質も意味する。これらの非ジュー
ス物質は、大きさが比較的大きく、本質上ジュース抽出
の廃棄物である。より重要なことに、これらの非ジュー
ス物質は、抽出ジュースによって浸出できる望ましくな
い苦いフレーバー化合物および酵素(例えば、ペクチン
エステラーゼ)を含有する。
従って、これらの非ジュース物質は、抽出ジュースか
ら穏やかにかつ迅速に除去することが必要である。「穏
やかに」とは、甘いフレーバー化合物および酵素の非ジ
ュース物質から抽出ジュースへの絞り出しが最小であ
り、並びに非ジュース物質の粉砕が最小であるような除
去を意味する。穏やかな除去法は、典型的には、比較的
低い仕事エネルギー入力を抽出ジュースに付与する。
「迅速に」とは、過剰量の望ましくない苦いフレーバー
成分および酵素が抽出ジュースによって浸出されてしま
う前のこれらの非ジュース物質の除去を意味する。一般
に、ジュース抽出約3分以内のこれらの非ジュース物質
の除去は、苦いフレーバー化合物および過度の浸出を回
避するのに十分である。
リーマー型または回転ディスク型ジュース抽出器を使
用する時には、抽出ジュースの部分仕上げは、一次仕上
機の使用を必要とする。リクアテックス(Liquatex)振
動篩が、特に好適な一次仕上機である。操作中、抽出ジ
ュースは、仕上機の篩上に注ぐ。節のメッシュサイズ
は、部分仕上ジュースが篩を通過し、一方、非ジュース
物質がその頂部上に保持されるようなものである。この
篩は、非ジュース物質が除去できるように、穏やかに振
動して非ジュース物質を篩の一つの側に移動させる。篩
の振動は、比較的低い仕事エネルギー入力、即ち、5BTU
/抽出ジュースガロン未満、好ましくは2BTU/抽出ジュー
スガロン未満がジュースに付与されるようなものであ
る。この低いエネルギー仕事入力は、非ジュース物質か
らの苦いフレーバー化合物および酵素の絞り出しを防止
するか最小限にする。低い仕事エネルギー入力を抽出ジ
ュースに付与する回転篩などの他の一次仕上装置も、振
動篩の代わりに使用できる。
振動篩一次仕上機は、抽出ジュースから非ジュース物
質を穏やかにかつ迅速に除去するが、オレンジ果物から
のジュースの有効な収率も減少する。非ジュース物質の
穏やかな除去に必要とされる低仕事エネルギー入力は、
非ジュース物質流に同伴されるかなり多量の望ましいジ
ュースを生ずる。この同伴ジュースは、通常、非ジュー
ス物質から回収することが困難であるか不可能である。
従って、増大されたジュース収率のためには、往復カッ
プ型ジュース抽出器を使用することが好ましい。往復カ
ップ型ジュース抽出器は、非ジュース物質のジュース抽
出および除去が同時に約1秒以下で実施されるので、一
次仕上機を必要としない。この組み合わされた抽出/仕
上操作は、ジュースの非ジュース物質への同伴を防止す
る。
非ジュース物質除去後、次いで、知覚可能な肉じょう
は、部分仕上ジュースから除去して完全仕上ジュースを
与える。ここで使用する「知覚可能な肉じょう」は、約
0.5mmよりも大きい大きさを有する不溶性肉じょう粒子
を意味する。知覚可能な肉じょうは、好適なスクリュー
型またはパドル型ジュース仕上機により、または振動篩
により、部分仕上ジュースから除去できる。好適なスク
リュー型仕上機の例としては、ブラウン・モデル2503お
よび3600スクリュー仕上機、FMCモデル35スクリュー仕
上機、および好ましくはFMCモデルUCF200「密閉公差」
仕上機が挙げられる。好適なパドル型仕上機の例として
は、ブラウン・モデル200パドル仕上機が挙げられる。
上記のナジ等の文献の第196頁〜第199頁参照。
その名前から推測できるように、知覚可能な肉じょう
は、口当たりの性質をオレンジジュースに付与し、それ
ゆえ、オレンジジュース製品の望ましい成分である。し
かしながら、供給ジュースを適当に加工するためには、
知覚可能な肉じょうは、少なくとも2つの理由で除去し
なければならない。第一の理由は、望ましいオレンジア
ロマおよびフレーバー化合物の肉じょうによる吸収を防
止することである。一旦吸収されたら、これらの化合物
は、供給ジュースの爾後揮発物ストリッピング時に容易
には除去できず、エッセンス収率の損失を表す。更に、
知覚可能に肉じょうは、効率良い蒸発濃縮のために除去
することが必要である。その大きさのため、供給ジュー
スに存在するかいかなる知覚可能な肉じょうも、(1)
蓄積かつ蒸発濃縮で使用する装置を閉塞し、かくの如く
除去するための反復浄化操作を必要とすることがあり、
(2)蒸発器を通しての供給ジュース流れパターンに影
響を及ぼし、かくの如く得られた濃縮物のジュース固形
分を減少するかジュース固形分の焼き焦げを生ずること
がある。
従って、完全仕上ジュースは、知覚可能な肉じょうを
実質上含まないことが必要である。ここで使用する「知
覚可能な肉じょうを実質上含まない」は、完全仕上ジュ
ース中の約1%未満の知覚可能な肉じょう量を意味す
る。典型的には、完全仕上ジュース中の知覚可能な肉じ
ょうの量は、できるだけ0%に近い。20メッシュ篩を備
えたスクリュー型またはパドル型仕上機は、典型的に
は、知覚可能な肉じょうのすべて(またはほとんどすべ
て)を除去するであろう。一旦除去されたら、知覚可能
な肉じょうは、典型的には、最終オレンジジュース製品
への爾後配合のために更に加工し(例えば、殺菌し)、
貯蔵する。
知覚可能な肉じょうの除去後、完全仕上ジュースは、
沈降性肉じょう量少なくとも約10%を有する。典型的に
は、完全仕上ジュースの沈降性肉じょう量は、約12〜約
30%である。この完全仕上ジュースの粘度は、少なくと
も約10センチポアズであり、典型的には約12〜約30セン
チポアズである。この粘度は、供給ジュースの効率良い
蒸発濃縮のため、並びに手絞りオレンジジュースにより
近く近づくテクスチャー/口当たりを有するオレンジジ
ュース製品を与えるために若干より低いことが必要であ
る。
完全仕上ジュースの粘度を下げるために、沈降性肉じ
ょうの少なくとも若干は、除去する。沈降性肉じょうの
除去量は、得られる供給ジュースが非バレンシア果物の
場合には沈降性肉じょう量約8%以下(典型的範囲約5
〜約8%)、バレンシア果物の場合には約10%以下(典
型的範囲約7〜約10%)を有するようなものである。こ
のことは、非バレンシア果物の場合には粘度約8センチ
ポアズ以下(典型的範囲約5〜約8センチポアズ)、バ
レンシア果物の場合には粘度約10センチポアズ以下(典
型的範囲約7〜約10センチポアズ)を有する供給ジュー
スも生ずる。完全仕上ジュースからの沈降性肉じょうの
除去は、典型的には、遠心分離を使用することによって
達成される。しかしながら、過器、ジュース仕上機、
ベルトプレスおよび固定篩を包含する他の分離法も、完
全仕上ジュースから沈降性肉じょうの一部分を除去して
本発明の供給ジュースを与えるために使用できる。
驚異的なことに、本発明の高品質供給ジュースは、商
業上有用なジュース収率で得ることができる。このこと
は、往復カップ型ジュース抽出器を使用するならば、特
に真実である。このような抽出器を使用する時には、本
発明の供給ジュースは、ジュース収率少なくとも約90%
で得ることができる。特に、FMC低油ジュース機械を使
用する時には、ジュース収率約92〜約95%が、達成でき
る(下記定義においては、100%を超えるジュース収率
を有することが可能である)。
本発明の方法の場合、「ジュース収率」は、フロリダ
法規20−63.001に明記のような「ステート(state)試
験」ジュース抽出器を使用することによってオレンジ果
物1箱当たり得られたジュース固形分の量(「ステー
ト」ジュース固形分収率)に対して、オレンジ果物1箱
当たり得られたジュース固形分の合計量(加工ジュース
固形分収率)をベースとする。換言すれば、ジュース収
率は、次式によって得ることができる: ジュース収率%=100%×(加工ジュース 固形分収率)/(「ステート」ジュース固形分収
率) 〔式中、加工ジュース固形分収率はプロセスからのジュ
ース収率(1箱当たり)×ジュースの固形分(゜Brix)
であり、「ステート」ジュース固形分収率は「ステート
試験」抽出器からのジュース収率(1箱当たり)×ジュ
ースの固形分(゜Brix)である〕 また、往復カップ型ジュース抽出器は、リーマー型お
よび回転ディスク型抽出器と比較して知覚可能な肉じょ
うの収率を増大することに関して望ましい。リーマー型
または回転ディスク型ジュース抽出器を使用する時に非
ジュース物質を除去するのに必要とされる一次仕上機
は、ジュース収率を減少するだけでなく、知覚可能な肉
じょうの収率も減少する。従って、本発明の供給ジュー
スを得るためには往復カップ型抽出器を使用すること
は、ジュース収率と知覚可能な肉じょう収率との最適の
組み合わせを与える。
本発明の供給ジュースは、本願のパートBおよびCで
後述のアロマ/フレーバ揮発物ストリッピングおよび蒸
発濃縮法で特に有用である。しかしながら、これらの供
給ジュースは、比較的低い粘度および滴定可能な果皮油
含量、および良好なオレンジアロマ/フレーバー特性の
ため、凍結濃縮法にも好適である。好適な凍結濃縮法に
関しては、米国特許第4,374,865号明細書参照。
下記のものは、本発明に従って得られる供給ジュース
の代表例である。
例1 ジュース抽出前に、2.25〜3インチの大きさを有する
カリフォルニアバレンシアパッキングハウスオレンジ果
物をランダム化し、十分に洗浄してロウを除去した。洗
浄された果物は、ブラウン・モデル400ジュース抽出器
を使用することによって抽出した。抽出器を設定して1/
8インチの果皮クリアランス(軟質プラスチックカップ
型)および抽出圧力20psigで操作した。約350個の果物
/分をこの抽出器によって加工した。
知覚可能な肉じょう、膜および種子は、抽出ジュース
をメッシュ開口部0.066インチを有する4平方フィート
のリクアテックス振動篩上に通過させることによって抽
出ジュースから除去した。
得られた完全仕上ジュースは、下記物理的特性および
化学的特性を有していた: ゜Brix 13.7 滴定可能な酸性度(%) 0.85 果皮油(%) 0.012 グリコシド(mg/100ml) 137 沈降性肉じょう(%) 16 フレーバー組成(ppb) エタノール 287,400 アセトアルデヒド 9700 メタノール 24,500 酪酸エチル 150 3−ヒドロキシヘキサン酸エチル 601 バレンセン 8696 ヘキサナール 250 α−ピネン 407 ミルセン 2048 デカナール 337 リナロール 475 オクタナール 0 より望ましい化合物対望ましさがより低い化合物の比率 12.48 この完全仕上ジュースは、1000〜3000gの力で操作さ
れる脱スラッジ遠心分離機を通過させて追加の沈降性肉
じょうを除去して、粘度約10センチポアズ以下および沈
降性肉じょう量約10%以下を有する供給ジュースを与え
ることができる。
例2 直径2.875インチ以下を有するフロリダパイナップル
オレンジ果物は、ジュース抽出前に十分に洗浄した。洗
浄された果物は、FMCモデル低油ジュース機械を使用す
ることによって抽出した。
知覚可能な肉じょうは、抽出ジュースを20メッシュ篩
(即ち、篩目の開きは0.020インチ)および圧力設定値2
0psigを有するFMCモデル35スクリュー仕上機に通過させ
ることによって抽出ジュースから除去した。
得られた完全仕上ジュースは、下記の物理的特性およ
び化学的特性を有していた: ゜Brix 12.2 滴定可能な酸性度(%) 0.69 果皮油(%) 0.010 グリコシド(mg/100ml) 151 沈降肉じょう(%) 17 フレーバー組成(ppb) エタノール 408,760 アセトアルデヒド 5530 メタノール 32,550 酪酸エチル 9.0 3−ヒドロキシヘサン酸エチル 3127 バレンセン 21,094 ヘキサナール 27 α−ピネン 691 ミルセン 2487 デカナール 278 リナロール 195 オクタナール 0 より望ましい化合物対望ましさがより低い化合物の比率 16.94 この完全仕上ジュースは、1000〜3000gの力で操作さ
れた脱スラッジ遠心分離機を通過して追加の沈降性肉じ
ょうを除去して、粘度約8センチポアズ以下および沈降
性肉じょう量約8%以下を有する供給ジュースを与える
ことができる。
例3 カリフォルニアバレンシアオレンジ果物は、脱油前に
ランダム化して腐った果物を除去した。ベルツッジ・シ
トロラップ(Citrorap)CI33/6脱油機を据えた(約85〜
90゜Fのすすぎ水スプレー、ラスピングロール:最高速
度300rpmおよび供給オーガビット速度8rpm)。FMCモデ
ル291ジュース抽出器(500個の果物を1分当たり加工)
も使用した。下記機械設定値を有していた: カップ 3インチ標準 果皮クリアランス 10/64インチ 絞 り 長口径7/16インチ ストレーナーチューブ 0.040インチ オリフィスチューブ 1インチ けた設定値 3/4インチ 2.5箱の洗浄オレンジを脱油機にゆっくりと降ろし、
次いで、ストレーナーバスケットで捕集した。これらの
脱油オレンジの一部分を使用して抽出器をプライムし
た。抽出ジュースを捨てた。次いで、追加の60ポンドの
脱油果物を抽出した。この抽出ジュースは、滴定可能な
果皮油含量0.013%を有していた。このジュースは、20
メッシュ篩および圧力設定値20psigを有するモデル35ス
クリュー仕上機を通過して、完全仕上ジュースを与える
ことができる。次いで、この完全仕上ジュースは、1000
g〜3000gの力で操作される脱スラッジ遠心分離機を通過
して追加の沈降性肉じょうを除去して、粘度約10センチ
ポアズ以下および沈降性肉じょう量約10%以下を有する
供給ジュースを与えることができる。
例4 ジュース抽出前に、直径2.875インチ以下のフロリダ
バレンシアオレンジ果物を十分に洗浄した。FMCモデル
低油ジュース機械を使用して、ジュースを抽出した。抽
出ジュースは、20メッシュ篩を有するFMC UCF200を仕
上機を圧力設定値20psigで通過させた。
得られた完全仕上ジュースは、下記物理的特性および
化学的特性を有していた: ゜Brix 11.9 滴定可能な酸性度(%) 0.81 果皮油(%) 0.011 グリコシド(mg/100ml) 126 沈降性肉じょう(%) 13 粘度(cps) 14.1 フレーバー組成(ppb) エタノール 338,150 アセトアルデヒド 5900 メタノール 30,200 酪酸エチル 350 3−ヒドロキシヘキサン酸エチル −− バレンセン 14,081 ヘキサナール 50 α−ピネン 505 ミルセン 1988 デカナール 95 リナロール 413 オクタナール 0 より望ましい化合物対望ましさがより低い化合物の比率 16.51 この完全仕上ジュースは、1000〜3000gの力で操作さ
れる脱スラッジ遠心分離機を通過して追加の沈降性肉じ
ょうを除去して、粘度約10センチポアズ以下および沈降
性肉じょう量約10%以下を有する供給ジュースを与える
ことができる。
例5 抽出前に、約24時間貯蔵されたプロセス等級ハムリン
オレンジ果物を使用した。数個の大箱の果物をブレンド
して公称15Brix/酸比平均を達成した。ブレンドされた
果物をCS−100で洗浄した後(100ppm)、新鮮な水リン
スで洗浄した。浄化された果物を目視し、抽出直前に格
付した。格付後、果物は、腐れ2%未満および不健全な
きずもの10%を示した。
果物を2つの大きさ範囲に分けた。小さい果物(直径
3インチ未満)を第一の一連のFMC低油ジュース抽出器
に供給した。大きい果物(3インチよりも大)を第二の
一連のFMC低油ジュース抽出器に供給した。
知覚可能な肉じょうおよび種子きずものを含有する抽
出ジュースを密閉マニホルドで捕集し、供給槽にサージ
した。次いで、このジュースを公称75psigの背圧で操作
するハイドロクロン脱種子機を通してポンプ給送して、
未熟な種子きずものを除去した。次いで、ジュースを0.
020インチの篩で5psigの背圧で操作するFMC UCF200の
仕上機を通過させ、知覚可能な肉じょうを除去した。
遠心分離前に、肉じょうを含まないジュースを水位制
御槽にサージした。3000gの力で操作するウェストファ
リア(Westfalia)SB−80脱スラッジ遠心分離機は、ジ
ュース流から沈降性肉じょうを除去した。供給速度およ
びショットサイクル時間を調節して、供給ジュースにお
ける所望の粘度減少を達成した。
この供給ジュースは、半分に切断され、オスター(Os
ter)ジューサーで穏やかに絞り出され、20メッシュ篩
を通して手で篩分けられた同一のオレンジ製の手絞りジ
ュースと比較した。この比較の分析結果を以下に示す。
B.供給ジュースからの水性ストリッパーエッセンスおよ
びストリッパー油の取得 本発明の別の鍵の態様は、望ましさがより低い追加の
オレンジアロマおよびフレーバー化合物を発生せずに、
供給ジュースに存在するより望ましいオレンジアロマお
よびフレーバー化合物を保存することにある。供給ジュ
ースに存在する特性的な「新鮮な」化合物としては、低
分子量アルコール(例えば、エタノールおよびメタノー
ル)、アルデヒド(例えば、アセトアルデヒド)および
エステル(例えば、酪酸エチルおよび酢酸エチル)が挙
げられる。これらの「新鮮な」化合物は、低沸点である
ので、揮発により、容易に失われることがある。更に、
これらの低沸点化合物、並びにバレンセンなどの或る望
ましい高沸点化合物は、供給ジュースの蒸発加熱濃縮時
に容易に劣化される。このことは、典型的には、リナロ
ール、α−テルピネオールなどの望ましさがより低いオ
レンジアロマおよびフレーバー化合物のより高い濃度を
もたらす。
これらのより望ましいオレンジアロマおよびフレーバ
ー化合物の基本的保存法は、欧州特許出願第110,638号
明細書に開示されている。この特許に記載の方法は、一
般に下記のことを包含する:(1)供給ジュースからの
オレンジアロマ/フレーバー揮発物の除去;および
(2)のオレンジアロマ/フレーバー凝縮物の形態での
これらの揮発物の回収(オレンジアロマ/フレーバー凝
縮物を分離して水性オレンジストリッパーエッセンスお
よびオレンジストリッパー油を与える)。この方法の詳
細および得られるストリッパーエッセンスおよび得られ
るストリッパー油は、下記の通りである。
1.揮発物の除去 供給ジュースは、熱交換器などの装置を通過してジュ
ースの温度をストリッピング搭の供給温度に迅速に上げ
る。
この温度は、約100゜F(37.7℃)〜約160゜F(71℃)
である。好ましくは、125゜F(51.7℃)〜140゜F(60
℃)の温度が、使用される。いかなる好適な手段、例え
ば、シェルおよびチューブ、プレートまたは螺旋熱交換
器または直接スチーム注入も、供給ジュースを加熱する
ために使用できる。低圧スチームまたは熱水は、熱交換
器における熱媒として使用できる。
次いで、加熱供給ジュースは、真空下で操作されるス
トリッパー塔の頂部にポンプ給送する。ストリッパー塔
は、1以上のストリッピング段階を包含する立て形円筒
容器からなることができる。各段階は、ジュース小滴の
微細スプレーを容器の全円形断面を横切って分布させる
装置からなる。ジュースは、塔の全断面が噴霧ジュース
小滴で覆われるように噴霧する。このことは、加圧噴霧
ノズルまたは他の装置、例えば、2つの流体ノズルまた
は紡糸ディスク噴霧器によって達成できる。中空または
中実円錐スプレーが、調製できる。
ジュースは、スチーム、不活性ガスなどのストリッピ
ング剤、即ち、窒素または二酸化炭素と接触して、アロ
マおよびフレーバー揮発物を除去またはストリッピング
する。揮発物の多くが水に溶けるか水と共蒸留し、かつ
の如く容易に除去されるので、スチームが、この目的で
好ましい。アロマおよびフレーバー揮発物の凝縮も達成
することが、より容易である。
スチームまたは不活性ガスは、ストリッパー塔の底を
通して導入する。一般に、ジュース中の可溶性固形分1
ポンド当たり約0.3ポンド〜約1.5ポンドのスチームが、
使用される。好ましくは、固形分1ポンド当たり0.6〜
1.0ポンドのスチームが、使用される。カット率は、ジ
ュース中の可溶性固形分1ポンド当たりのスチームのポ
ンドと定義される。
ストリッパー塔で上がる蒸気は、揮発された芳香物質
が蒸気留の一部分として運び去られるように特にノズル
付近の領域で、供給ジューススプレーと良く混合するこ
とが重要である。部分的または完全にストリッピングさ
れた供給ジュースは、捕集し、各段階の底からポンプ給
送する。頂部段階および中間段階の場合には、供給ジュ
ースは、多数の開口部を有するトレー上で捕集して、下
の段階からの蒸気が搭を上がり、各段階においてスプレ
ーと混合させる。開口部は、供給ジューススプレーが下
の段階に直接通過するのを防止するために覆われるべき
である。トレーは、100゜F(37.7℃)〜160゜F(71℃)
の温度への供給ジュースの全露出時間が最小限にするこ
とができるように供給ジュースホールドアップを最小限
にするように設計されるべきである。供給ジュースを1
つの段階から別の段階にポンプ給送すると、供給ジュー
スは、その段階のスプレーノズルを去る時に供給ジュー
スがフラッシュするように熱交換器または生スチーム注
入の使用によってストリッパー塔で平衡温度よりも高い
温度に加熱できる。一般に、供給ジュースは、約160゜F
(71℃)よりも高い温度で数秒よりも長い時間加熱すべ
きではない。
揮発性成分の除去量は、カット率、段数または各段階
の長さのいずれかを増大することによって増大できる。
カット率を約0.8または0.9よりも大きく増大することに
よって除去される追加の揮発物の量は、通常少なく、か
つ揮発物で凝縮される追加の水を除去するために高コス
トに対して釣り合わせなければならない。同様に、段数
を4または5を超えて増大することは、揮発物の除去量
の激増を生じない。高温での供給ジュースの追加の滞留
時間は、供給ジュース中での異臭の発生を生ずることが
ある。かくの如く、カット率および使用する段数は、コ
ストと揮発物除去と最小の劣化との最適の釣り合いを得
るように変更できる。
スチームがストリッパー塔の底で捕集してもよい供給
ジュースの表面に影響を及ぼさないように注意を払わな
ければならない。添加低圧スチームからの水蒸気は、ジ
ューススプレーを向流的に通過して、蒸気が各段階を上
方向に通過しかつストリッパー塔から出る時に揮発性物
質を除去し運び去るのを助長する。スチームに加えて、
不活性ガスも、供給ジュースをストリッピングするため
に使用できる。その後の濃縮工程が水を本質上純粋な形
態で除去するので、スチームが好ましい。他の不活性ガ
スを使用する時には、他の不活性ガスは、加圧平衡技術
を使用して揮発物から分離きなければならない。これら
の方法は、高揮発度のため、アロマおよびフレーマー揮
発物の若干の損失を生ずることがある。
ストリッピング段階における温度は、約100゜F(37.7
℃)〜約160゜F(71℃)であることができる。約160゜F
(71℃)よりも高い温度は、ジュースのアロマおよびフ
レーバーの若干の劣化を生ずる。好ましくは、温度は、
約125゜F(51.7℃)〜約140゜F(60℃)であろう。各段
階は、異なる温度で操作できる。温度は、各段階で漸次
より高いことができ、またはすべての段階で同じである
ことができる。
ストリッピング搭体の圧力は、9インチHg絶対までで
あることができ、好ましくは約2〜約6インチHg絶対で
ある。最も好ましくは、ストリッピングは、3〜5イン
チHg絶対の圧力で実施する。
ストリッピングされた供給ジュースは、最後の段階か
らポンプ給送し、蒸発濃縮システムに直接送るか、さも
なければ蒸発濃縮前に冷却し貯蔵する。ジュースを冷却
するならば、エネルギーは、加熱ジュースを使用して入
って来るジュースを部分的に加熱するならば節約でき
る。それは、部分的に冷却する。
2.ストリッピングされた揮発物の回収 ストリッピングされたアロマおよびフレーバー揮発物
は、ストリッパー塔の頂部でデミスターを通過し、約10
5゜F(40.6℃)〜約−320゜F(−196℃)の温度での凝
縮によって回収する。実際の凝縮温度は、凝縮システム
内の圧力に依存するであろう。オレンジジュース中の大
部分のストリッパー揮発性化合物は、2〜9インチHg絶
対の圧力で約−50゜F(−45.5℃)で凝縮するが、約−6
0゜F(−51℃)〜約320゜F(−196℃)の凝縮器温度
が、ストリッピングされたアロマおよびフレーバー揮発
物の実質上すべてを低圧で凝縮するのに十分である。
凝縮は、シェルおよびチューブ熱交換器を使用し、液
体凝縮用たて形チューブ中および凝縮物を凍結するU字
状チューブ交換器のシェル中で凝縮して実施できる。ま
た、液体凝縮は、第一凝縮器の場合には冷却搭水、爾後
の凝縮器では冷凍冷却剤を使用して直列の2以上の凝縮
器で達成できる。グリコール、フレオン(Freon)など
の冷凍冷却剤が、使用できる。スチームエゼクター、機
械的真空ポンプ、または若干の組み合わせは、圧力を下
げかつ非凝縮物を除去するために使用できる。
ストリッピングによって供給ジュースから穏やかに除
去されたアロマおよびフレーバー揮発物は、好ましくは
3段で凝縮する。第一段階は、主として水およびアロマ
およびフレーバー揮発物の若干を凝縮する。第二および
第三段階は、残りの揮発物を凝縮する。第一段階凝縮器
は、約60゜F(15.6℃)〜約105゜F(40.6℃)、好まし
くは60゜F(15.6℃)〜80゜F(26.7℃)の温度であるこ
とができる。第二段階凝縮器は、約33゜F(0.5℃)〜約
60゜F(15.6℃)、好ましくは約40゜F(4℃)〜約50゜
F(10℃)の温度であることができる。このことは、大
部分の水および揮発性がより低いアロマおよびフレーバ
ー物質(即ち、より高い沸点化合物)の捕集を保証する
であろう。第三凝縮器は、約−50゜F(−45.5℃)であ
り、液体窒素温度(−320゜F)程度であることができ
る。アロマおよびフレーバー揮発物は、この第三凝縮器
において霜として凝縮または捕集する。これらの低温凝
縮器の捕集効率は、スチームまたはスチーム−非凝縮性
ガス混合物を使用して凝縮表面をプレフロストすること
によって改良できる。このことは、揮発性混合物の捕集
用のより多い凝縮サイトを与える。
霜を凝縮物の液体部分に加え戻す時に霜として凝縮す
る揮発物の損失を回避するように注意を払わなければな
らない。この再組み合わせを達成する1つの方法は、凍
結部分を1つの凝縮器上で捕集する方法である。霜の捕
集後、凝縮器は、蒸気システムおよび真空システムから
隔て、次いで、第一凝縮器からの液体凝縮物を充填す
る。次いで、この液体は、極低温凝縮器を通して再循環
霜を溶融することができる。この溶融温度は、揮発物が
冷たい液体に直接溶解しかつ揮発する機会がないように
約35゜F(1℃)〜約45゜F(7℃)であるべきである。
液体リング真空シールポンプは、低沸点アロマおよび
フレーバー揮発物を回収するために第三凝縮器の代わり
に使用できる。この種の真空ポンプとしては、揮発物流
と直接接触している水または水性ストリッパーエッセン
スによって形成される液体シールが挙げられる。この液
体シールは、アロマおよびフレーバー揮発物を凝縮し揮
発物流中に吸収させるのに十分な程冷たい。この揮発物
に富んだシール水は、アロマ/フレーバー凝縮物を与え
るためにそのまま使用でき、さもなければ、その一部分
は、後述のように、ストリッパー搭に再循環できる。
凝縮物は、エタノール、メタノール、アセトアルデヒ
ド、酪酸エチル、酢酸エチルなどの水溶性揮発物と、水
に比較的不溶性であるバレンセン、d−リモネン、ミル
セン、α−ピネンなどの油揮発物との混合物である。こ
れらの揮発性物質は、水中油の比較的安定な乳濁液に存
在する。若干の油は、分離することがある。油相および
水相は、長時間冷たく保持することにより、凍解によ
り、または好ましくは連続積重ねディスクハーメチック
遠心分離機で遠心分離することにより、分離できる。2
つの透明相が、得られる:(1)油成分をほとんど含ま
ない水性ストリッパーエッセンス;および(2)ストリ
ッパー油。少量のロウ状物質は、遠心分離機に捕集し、
周期的に除去しなければならない。
水性ストリッパーエッセンスおよびストリッパー油
は、不活性ガスブランケットを有する密閉槽中で貯蔵
し、好ましくはアロマおよびフレーバー化合物の酸化を
防止するために光から遮断する。水性ストリッパーエッ
センスは、使用前に冷温〔例えば、40゜F(4.4℃)以
下〕で貯蔵できる。ストリッパー油は、使用前に低温
〔−10゜F(−23.3℃)〕で貯蔵できる。
好ましくは、第一凝縮器から(または揮発物に富んだ
シール水から)の凝縮物の一部分は、ストリッパー塔の
頂部に再循環する。この再循環流は、熱交換器中で所望
の温度に加熱または冷却できる。好ましくは、温度は、
ストリッパー塔で使用する圧力での水の平衡温度に対応
する水温の約20゜F(11℃)以内である。ストリッパー
塔の頂部においては、再循環凝縮物は、塔の頂部に入れ
られた充填物質上に分布する。大抵の種類の物質移動充
填物、例えば、パール(Berl)サドル、ラッシッヒ(Ra
schig)リング、または好ましくはグッドロエ(Goodlo
e)型ワイヤメッシュ充填物が、使用できる。0.5〜3.0
理論移動単位の当量を与えるのに十分な充填物は、使用
してもよい。好ましくは、これは、約2移動単位に等価
の充填物であろう。
この再循環(精留)法は、ストリッパー塔の底を出る
ジュース中の揮発性物質の有意な損失なしに揮発物流か
ら凝縮水の10%〜95%(好ましくは90%または95%ま
で)を除去するのに使用できる。この再循環は、水性ス
トリッパーエッセンスのアロマおよびフレーバー揮発物
部分を凝縮するのに役立つ。
ストリッパー塔に使用する真空システムは、多段スチ
ームエゼクター、真空ポンプ、またはそれらの組み合わ
せを含めて所望の圧力を達成することができるいかなる
商業的システムであることもできる。液体リング真空ポ
ンプが好ましく、好ましい種類は「衛生」デザインであ
るステンレス鋼製のものである。この種の真空ポンプを
使用する時には、シール水は、水性ストリッパーエッセ
ンスに添加でき、または後述のようにストリッバー塔に
再循環して追加の少量の有価揮発性成分を回収する。更
に、小さい充填塔スクラッパーは、液体リング真空ポン
プ後に、導出ガス流から有価揮発性物質の事実上すべて
を除去するために使用できる。スクラッバーを使用する
時には、スクラッピング流体として使用する冷水(また
は他の液体)も、向流方式で液体リング真空ポンプ用シ
ール流体として使用できる。
3.水性ストリッパーエッセンスおよびストリッパー油 上記揮発物ストリッピング/回収法から生ずる1つの
製品は、独特な水性オレンジエッセンスである。このス
トリッパーエッセンスは、比較的多量のエタノールによ
って特徴づけられる。エタノールの量は、ストリッパー
エッセンス中の「新鮮な」化合物の濃度のかなり良好な
指示薬である。一般に、エタノールの量が多ければ多い
程、より多い「新鮮な」化合物は、ストリッパーエッセ
ンスに存在するであろう。本発明のストリッパーエッセ
ンスは、エタノール約0.5〜約8%を含む。典型的に
は、本発明のストリッパーエッセンスは、エタノール約
1〜約3%を含む。
本発明のストリッパーエッセンスは、より望ましいオ
レンジフレーバー化合物の混合物によって更に特徴づけ
られる。本発明の目的では、この混合物は、ストリッパ
ーエッセンスに存在する酢酸エチルと酪酸エチルとアセ
トアルデヒドとの合計量によって規定される。本発明の
ストリッパーエッセンスは、エタノール10,000部当たり
酢酸エチルと酪酸エチルとアセトアルデヒドとの合計量
約100〜約300部を含む。典型的には、これらのストリッ
パーエッセンスは、エタノール10,000部当たり酢酸エチ
ルと酪酸エチルとアセトアルデヒドとの合計約100〜約2
00部を含む。
本発明のストリッパーエッセンスは、望ましさがより
低いオレンジフレーバー化合物の混合物によって更に特
徴づけられる。本発明の目的で、この混合物は、ストリ
ッパーエッセンスに存在するヘキサナールとα−テルピ
ネオールとの合計量によって規定される。本発明のスト
リッパーエッセンスは、エタノール10,000部当たりヘキ
サナールとα−テルピネオールとの合計量約1〜約10部
を含む。好ましくは、これらのストリッパーエッセンス
は、エタノール10,000部当たりヘキサナールとα−テル
ピネオールとの合計量約1〜約5部を含む。
本発明のストリッパーエッセンスは、より望ましいオ
レンジフレーバー化合物(酢酸エチルと酪酸エチルとア
セトアルデヒドとの合計量をベースとする)対望ましさ
がより低いオレンジフレーバー化合物(ヘキサナールと
α−テルピネオールとの合計量をベースとする)の高い
比率によって特に特徴づけられる。この比率は、約10:1
から約300:1、典型的には約35:1から約80:1である。好
ましいストリッパーエッセンスは、酪酸エチル対合計ヘ
キサナール/α−テルピネオールの比率約2:1から約5:
1、および酪酸エチル対ヘキサナールの比率約3:1から約
7:1を有する。より望ましい化合物対望ましさがより低
い化合物のこの高い比率は、使用する供給ジュースの高
品質、並びに揮発物ストリッピング時および回収時のよ
り望ましいオレンジフレーバー化合物の保存を反映する
(エタノール、酢酸エチル、酪酸エチル、アセトアルデ
ヒド、ヘキサナールおよびα−テルピネオールの量の測
定法は、本願のパートEのストリッパーエッセンス分析
法のセクションで後述する)。
また、上記揮発物ストリッピング/回収法は、独特の
オレンジストリッパー油を与える。このストリッパー油
は、リモネン含量によって特徴づけられる。リモネン
は、これらのストリッパー油の主成分である。本発明の
ストリッパー油は、リモネン約〜約90%を含む。典型的
ストリッパー油は、リモネン約65〜約85%を含む。
本発明のストリッパー油は、かなり多量のバレンセン
によって更に特徴づけられる。バレンセンは、明確な
「オレンジ様」特色をストリッパー油に与える。本発明
のストリッパー油は、リモネン100部当たり約1〜約15
部のバレンセンを含む。典型的ストリッパー油は、リモ
ネン100部当たり約3〜約10部のバレンセンを含む。
本発明のストリッパー油は、望ましさがより低いオレ
ンジフレーバー化合物の混合物によって更に特徴づけら
れる。この混合物は、ストリッパー油に存在するα−ピ
ネンとミルセンとアクタナールとデカナールとリナロー
ルとの合計量によって規定される。これらの5種の化合
物の合計量は、本発明のストリッパー油の場合には、リ
モネン100部当たり約1〜約6部である。好ましくは、
これらの5種の化合物の合計量は、リモネン100部当た
り約1〜約4部である。
特に、本発明のストリッパー油は、バレンセン対望ま
しさがより低いこれらの5種のオレンジ化合物の合計量
の高い比率によって特徴づけられる。この比率は、約0.
5:1から約15:1、典型的には約0.5:1から約3:1である。
典型的ストリッパー油は、バレンセン対合計α−ピネン
/ミルセンの比率約1:1から約6:1(典型的には約1:1か
ら約4:1)、およびバレンセン対合計オクタナール/デ
カナールの比率約2:1から約10:1(典型的には約2:1から
約5:1)を有する。ストリッパーエッセンスと同様に、
本発明のストリッパーの場合のバレンセン対望ましさが
より低い化合物のこの高い比率は、使用する供給ジュー
スの高品質、並びに揮発物ストリッピング時および回収
時のバレンセンの保存を反映する(リモネン、バレンセ
ン、α−ピネン、ミルセン、オクタナール、デカナール
およびリナロールの測定法は、本願のパートEのストリ
ッパー油分析法のセクションで後述する)。
下記のものは、本発明に係る水性ストリッパーエッセ
ンスおよびストリッパー油の代表例である。
例1 ブラウン400ジュース抽出器および本願のパートAの
例1のジュース加工条件と同様のジュース加工条件を使
用して、供給ジュースをフロリダ早期/中期オレンジ果
物から得た。このフロリダ早期/中期供給ジュースを18
00ポンド/hr(818kg/hr)の速度で4段製造ストリッパ
ー塔にポンプ給送した。塔は、長さ40フィート(12
m)、内径24インチ(61cm)であった。塔を3.5インチ
(89mm)Hg(絶対)の真空下で操作した。
供給ジュースをBETE FOGモデル TFIY−FCN型ノズル
を通してストリッパー塔に噴霧する第一段階に入れる前
に、供給ジュースを最初126゜F(52.2℃)に加熱した。
ジュースが平衡温度よりもわずかに高くかつ溶液に由来
するであろう若干の溶存空気を含有するので、膨張放出
空気および少量のフラッシュ水蒸気は、ノズルから来る
ジュースを噴霧させ、スプレーはストリッパー塔の全断
面を覆った。ジュースを第一トレーから捕集し、直接注
入スチームノズルを含むパイプラインを通してポンプ給
送し、ここで128゜F(53.3℃)に再加熱し、第一段階と
同じ種類のノズルを通して再噴霧した。ジュースを第二
トレーから捕集し、次いで、直接注入スチームノズルを
含むパイプラインを通してポンプ給送し、ここで129゜F
(53.9℃)の温度に再加熱し、第二段階と同様に再噴霧
した。第三トレーからのジュースを直接注入スチームノ
ズルを含むパイプラインを通してポンプ給送し、ここで
145゜F(62.8℃)の温度に再加熱し、第一段階と同様に
ストリッパー塔にフラッシングした。更なる加工のため
に蒸発器供給槽にポンプ給送する前に、ストリッパー塔
の底から捕集されたジュースをプレート/フレーム熱交
換器を通してポンプ給送して、入って来る供給ジュース
によって125゜F(51.7℃)の温度に冷却した。
調理用スチームは、フラッシングされた蒸気のすべて
の一緒にした時にスチーム0.8ポンド/糖固形分ポンド
のカット率を与えるであろう速度で、ストリッパー塔に
底付近でスパージした。本例におけるフロリダ早期/中
期供給ジュースが11.3゜Brixのジュース固形分を有する
ので、全スチーム流量は、161ポンド/hr(73.2kg/hr)
であった。
発生された蒸気は、ステンレス鋼製ワイヤーガーゼミ
ストエリミネーターおよび約3フィート(0.9m)のグッ
ドロエ型ワイヤーガーゼ型充填物を通して2段シェル/
チューブ凝縮器に通過した。第一段階を約64゜F(17.8
℃)の冷却塔水で冷却し、一方、40゜F(4.4℃)のグリ
コールを使用して第二段階を冷却した。第一段階からの
凝縮物は、40゜F(4.4℃)のグリコールで冷却されたシ
ェル/チューブ熱交換器を通過させることによって約48
゜F(8.9℃)に冷却した。次いで、この凝縮物をデラバ
ル(DeLaval)194Fハーメチック遠心分離機を通過させ
て、ストリッパー油を除去した。この油を含まない凝縮
物の75%は、シェル/チューブ熱交換器を通してポンプ
給送して126゜F(52.2℃)に加熱し、次いで、グッドロ
エ型ワイヤーガーゼを通過するようにストリッパー塔の
頂部でBETE FOGモデルTFIY−FCN型ノズルを通して噴霧
することによって、再循環した。この凝縮物の残り25%
を冷壁凝縮物捕集槽に捕集し、窒素ガスでブランケット
した。第二凝縮器からの凝縮物は、40゜F(4.4℃)のグ
リコールで冷却されたシェル/チューブ熱交換器を通過
させることによって48゜F(8.9℃)に冷却した。この第
二凝縮物を凝縮物捕集槽に加えた。
第二段階からの残りの蒸気を第三段階凝縮器を構成す
る2個のシェル/チューブ熱交換器ユニットの1つを通
して引いた。蒸気は、約−60゜F(−51.1℃)の液体ア
ンモニアで冷却することによって第一ユニットで霜とし
て凝縮した。次いで、液体アンモニア流を停止し、第一
ユニットを蒸気流から隔てた。次いで、第二ユニットを
ライン上にさせて蒸気流を受容し、第一ユニットの場合
と同様に蒸気を霜として凝縮した。次いで、第二ユニッ
トを液体アンモニアで約40゜F(4.4℃)に加温して、霜
を溶解し、捕集槽から凝縮物を通してポンプ給送するこ
とによって除去した。2つのユニットは、約1時間間隔
でこの蒸気凝縮/霜除去サイクルにおいて交互に作動さ
せた。
次いで、第三段階凝縮器からの残りの蒸気を真空ポン
プを通過させた。真空ポンプから排出された蒸気の大部
分を第三段階凝縮器に再循環した。残りの非凝縮性蒸気
を雰囲気に排出した。
捕集槽からの凝縮物をデラバル194Fハーメチック遠心
分離を通して約2g/分の速度でポンプ給送した。遠心分
離機は、凝縮物を2つの透明流に連続的に分離した。ス
トリッパー油を軽成分として除き、55ガロン(208)
のステンレス鋼製ドラムにおいて窒素ガス下で捕集した
(再循環凝縮物からのストリッパー油と一緒に)。これ
らのドラムを0゜F(−17.8℃)で貯蔵した。より重い
水性ストリッパーエッセンスを冷壁貯蔵槽にポンプ給送
し、窒素下で40゜F(4.4℃)に保持した。
水性ストリッパーエッセンスは、ガスクロマトグラフ
ィー分析後に下記組成を有することが見出された(本願
のパートE参照)。
得られたストリッパー油は、ガスクロマトグラフィー
分析後に下記組成を有することが見出された(本願のパ
ートE参照)。
例2 FMC低油ジュース抽出器および本願のパートAの例2
のジュース加工条件と同様のジュース加工条件を使用し
て、供給ジュースをフロリダバレンシアオレンジ果物か
ら得た。このフロリダバレンシア供給ジュース(12.9゜
Brix)を例1と同様に4段ストリッパー塔に1600ポンド
/hr(727kg/hr)の速度でポンプ給送した。この塔の操
作条件を、次の通りであった: 第一段階温度 131゜F(55℃) 第二段階温度 133゜F(56.1℃) 第三段階温度 124゜F(51.1℃) 第四段階温度 125゜F(51.7℃) 低温度 125゜F(51.7℃) 真 空 3.5インチ(89mm)Hg絶対 カット率 スチーム0.8ポンド/糖固形分ポンド スチーム流量 165ポンド/hr(75kg/hr) ストリッパー塔から発生された蒸気を例1と同様にミ
ストエリミネーターおよびワイヤーガーゼ充填物を通し
て2段シェル/チューブ凝縮器に通過させた。第一段階
を約71゜F(21.7℃)の冷却塔水で冷却し、一方、40゜F
(4.4℃)のグリコールを使用して第二段階を冷却し
た。第一段階からの凝縮物の75%は、例1と同様に冷却
し、ストッリパー油を除去し、130゜F(54.4℃)に加熱
し、次いで、例1と同様にストリッパー塔の頂部を通し
て噴霧するとによって、再循環した。第一段階からの凝
縮物の残りの25%、並びに第二段階からの凝縮物を例1
と同様に捕集槽で捕集した。
第二段階からの残りの蒸気を真空ポンプを通過させ
た。真空ポンプから排出された蒸気を捕集槽で凝縮物を
通してバブリングした。捕集された凝縮物を例1と同様
に水性ストリッパーエッセンスおよびストリッパー油に
分離した。
水性ストリッパーエッセンスは、ガスクロマトグラフ
ィー分析後に下記組成を有することが見出された(本願
のパートE参照)。
得られたストリッパー油は、ガスクロマトグラフィー
分析後に下記組成を有することが見出された(本願のパ
ートE参照)。
C.供給ジュースの蒸発濃縮 供給ジュース(そのまま、または本願のパートBに従
ってアロマ/フレーバー揮発物を取り除いた)は、蒸発
濃縮して、Brix値によって測定した時に高いジュース固
形分を有するオレンジジュース濃縮物を与える。蒸発濃
縮の一次機能は、供給ジュースから水を除去することで
ある。しかしながら、蒸発濃縮は、供給ジュースに存在
するペクチンエステラーゼ酵素を失活するという追加の
機能を達成することもできる。このことは、ジュース中
のペクチンの脱メトキシ化およびオレンジジュース濃縮
物における爾後の望ましくないゼリー化を防止するか、
激減する。
蒸発濃縮時に生ずる加熱は、供給ジュースに残るオレ
ンジアロマおよびフレーバー化合物の酸化および劣化を
生ずることがある。このことは、望ましくない調理異臭
を発生することがある。更に、ジュースを蒸発濃縮時に
余り高い温度に余りに長時間加熱することは、得られる
オレンジジュース濃縮物の粘度を激増することがる。従
って、蒸発濃縮は、調理異臭の発生を最小限にし、並び
に得られたオレンジジュース濃縮物が比較的低い粘度を
有することを保証する方式で実施することが必要であ
る。
本発明の蒸発濃縮法は、約55゜〜約75゜Brixのジュー
ス固形分を有するオレンジジュース濃縮物を与える。本
発明の好ましい蒸発濃縮物は、約60゜〜約70゜Brixのジ
ュース固形分を有する。これらの蒸発濃縮物は、一層多
くの望ましい高沸点フレーバー化合物、特にバレンセン
を保持する。また、それらは、添加オレンジアロマ/フ
レーバー揮発物、特に本願のパートBに従ってストリッ
ピングされた供給ジュースから得られる水性オレンジス
トリッパーエッセンスおよびオレンジストリッパー油に
存在する揮発物をより良く示す傾向がある。
本発明の蒸発オレンジジュース濃縮物は、比較的低い
粘度を有する。特に、これらの濃縮物の粘度は、8℃の
温度で測定した時に約500〜約6000センチポアズであ
る。本発明の好ましい濃縮物は、粘度約2000〜約4000セ
ンチポアズを有する。比較して、通常のTASTE蒸発器ス
テムによって現在市販の供給ジュースから調製されたオ
レンジジュース濃縮物(58゜〜72゜Brix)は、典型的に
は、粘度約8,000〜約20,000センチポアズを有する。ま
た、本発明の濃縮物の粘度は、広範囲の剪断にわたって
測定した時に比較的低く、即ち、本発明の濃縮物は、流
れ抵抗がより小さい。このより低い流れ抵抗は、本発明
のオレンジジュース濃縮物が現在市販のオレンジジュー
ス濃縮物よりも迅速に溶融し、かつ水と迅速に混合する
ことを意味する(本発明の蒸発オレンジジュース濃縮物
の粘度の測定法は、本願のパートEの蒸発濃縮物分析法
のセクションで後述する)。
本発明の蒸発オレンジジュース濃縮物は、ペクチンエ
ステラーゼ活性を有していないか、さもなければ比較的
低水準のこのような活性を有する。特に、本発明の蒸発
濃縮物は、ペクチンエステラーゼ活性約0.5×10-4P.E.
単位/゜Brix以下、好ましくは約0.1×10-4P.E.単位/
゜Brix以下を有する。このペクチンエステラーゼ活性
は、濃縮物の粘度を増大するであろうゼリー状塊を形成
するペクチンの脱メトキシ化を防止するのに十分な程低
い(本発明の蒸発オレンジジュース濃縮物のペクチンエ
ステラーゼ活性の測定法は、本願のパートEの蒸発濃縮
物分析法のセクションで後述する)。
本発明のオレンジジュース濃縮物の特に重要な特性
は、比較的少量の調理異臭である。「調理異臭」なる用
語は、各種のフレーバー表示体(descriptors)をカバ
ーする。これらの表示体としては、「カードボード
様」、「カラメル化」、「パイナップル熟し過ぎ果物
様」、「アンズ様」、「キャンディー様」などが挙げら
れる。濃縮物における調理異臭の存在は、ジュースが蒸
発濃縮時にどの位の熱弊害に付されたかの指示薬であ
る。特に、典型的には高温に比較的長時間付されるTAST
E濃縮物は、しばしば、高水準の調理異臭と記載される
ものを有する。
本発明の目的では、蒸発オレンジジュース濃縮物中の
調理異臭の相対量は、バレンセン保持率によって測定す
る。ここで使用する「バレンセン保持率」なる用語は、
蒸発濃縮前の供給ジュース中のバレンセンの量と比較し
てのオレンジジュース濃縮物中のバレンセンの量を意味
する。(濃縮物および供給ジュースを11.8゜Brixのジュ
ース固形分に正規化した時)。バレンセンは、熱のた
め、ジュースから揮発することがある。従って、高いバ
レンセン保持率は、蒸発濃縮時に、より少ない熱弊害に
付されたオレンジジュース濃縮物を指示すると推測され
る。
本発明の蒸発濃縮物の場合には、バレンセン保持率
は、少なくとも約28である。典型的には、バレンセン保
持率は、約28〜約55である。対照的に、現在市販の供給
ジュースから調製された通常のTASTE濃縮物は、バレン
セン保持率約11〜約25を有する(バレンセンの量は、本
願のパートEで後述の組織均質化分析法によって測定す
る)。
本発明の好ましい蒸発濃縮法は、下記特性を有する供
給ジュースを使用して出発する:(1)約9゜〜約14゜
Brix、好ましくは約10゜〜約12.5゜Brixのジュース固形
分;(2)8℃の温度で測定した時の粘度約10センチポ
アズ以下(即ち、非バレンシア供給ジュースの場合には
約5〜約8センチポアズ、バレンシア供給ジュースの場
合には約7〜約10センチポアズ)、典型的には約6〜約
9センチポアズ;(3)沈降性肉じょう量約10%以下
(即ち、非バレンシア供給ジュースの場合には約5〜約
8%、バレンシア供給ジュースの場合には約7〜約10
%)、典型的には約6〜約9%;および(4)ペクチン
エステラーゼ活性約1×10-4〜約5×10-4P.E.単位/゜
Brix(典型的には約1×10-4〜約3×10-4P.E.単位/゜
Brix)。供給ジュースの比較的低い粘度および沈降性肉
じょう量は、得られるオレンジジュース濃縮物の粘度に
特に重要である。また、それは、供給ジュースの効率良
い蒸発濃縮にも重要である。
本発明の好ましい蒸発濃縮法は、複数の蒸発器を包含
する。この好ましい方法で使用する蒸発器は、典型的に
は静的表面蒸発器である。ここで使用する「静的表面蒸
発器」なる用語は、ジュースと接触している1以上の表
面が本質上固定である蒸発器を意味する。この好ましい
方法を実施するのに好適である静的表面蒸発器の少なく
とも2種のモデルがある。一方は、西独ブレッテンのW.
シュミットCmbh & Co.K.G.製シグマスター(Sigmastar
プレート蒸発器である。これらのシグマスター プレ
ート蒸発器の構造を開示している米国特許第4,572,766
号明細書参照。他方は、スウェーデンのタンバのアルフ
ァ・ラーバルAB製カセット型蒸発器である。これらのカ
セット型蒸発器の構造を開示している米国特許第4,586,
565号明細書参照。シグマスター プレート蒸発器が、
特に好ましい静的表面蒸発器である。
この好ましい蒸発濃縮法においては、供給ジュース
は、最初に約15゜〜約25゜Brixのジュース固形分を有す
るように予備濃縮する。好ましくは、供給ジュースは、
約15゜〜約18.5゜Brixのジュース固形分に予備濃縮す
る。供給ジュースのこの予備濃縮は、1以上の蒸発器中
で約95〜約160゜Fの範囲内の温度で加熱することによっ
て実施する。供給ジュースは、蒸発器当たり平均約5〜
約25秒間加熱する。典型的には、供給ジュースは、蒸発
器当たり平均約15〜約20秒間加熱する。
供給ジュースのこの予備濃縮時に使用する蒸発器の数
は、多数の因子、特に加工すべき供給ジュースの量に依
存するであろう。供給ジュースから予め発生されたスチ
ームまたは蒸気は、熱をこれらの蒸発器に供給するため
に使用できる。2以上の蒸発器をこの予備濃縮工程で使
用する場合には、使用する温度は、一般に、供給ジュー
スのジュース固形分が増大するにつれて増大する。蒸発
器の特定の数、各蒸発器で使用する加熱温度、並びに各
蒸発器用加熱時間は、調理異臭の発生を最小限にするよ
うに選ぶべきである。
この好ましい蒸発濃縮法の鍵の態様は、この予備濃縮
供給ジュースを更に濃縮するのに使用する中間濃縮工程
である。この中間濃縮工程も、予備濃縮供給ジュースに
存在するペクチンエステラーゼ酵素を失活するという臨
界的機能を果たす。多量の調理異臭を発生せずにこれら
の目的を達成することは、この中間工程用加工条件の特
定の臨界的組み合わせの選択を必要とする。これらの臨
界的条件としては、(1)入る予備濃縮供給ジュースの
ジュース固形分;(2)この中間濃縮工程でのこの予備
濃縮供給ジュースの加熱温度;(3)この中間濃縮工程
での予備濃縮供給ジュースの加熱時間;(4)予備濃縮
供給ジュースを中間濃縮工程で付す蒸発器の加熱表面を
横切っての剪断度;および(5)得られる中間濃縮供給
ジュースのジュース固形分が挙げられる。
この中間濃縮工程は、予備濃縮供給ジュース(約15゜
〜約25゜Brixのジュース固形分およびペクチンエスラテ
ーゼ活性約1×10-4〜約5×10-4P.E.単位/゜Brix)を
真空下で1以上の蒸発器において約160〜約180゜Fの温
度において各蒸発器の加熱表面を横切っての高剪断条件
下で加熱することによって実施する。この中間工程は、
通常、約4.5〜約7.5psiaの圧力において蒸発器当たり平
均約5〜約25秒間実施する。好ましくは、予備濃縮供給
ジュースは、約5.5〜約7psiaの圧力において蒸発器当た
り平均約15〜約20秒かけて約165〜約177゜Fの温度に加
熱する。得られた中間濃縮供給ジュースは、約25゜〜約
40゜Brixのジュース固形分およびペクチンエステラーゼ
活性約0.5×10-4P.E.単位/゜Brix以下を有する。好ま
しい中間濃縮供給ジュースは、約30゜〜約37゜Brixのジ
ュース固形分を有する。
調理異臭の過度の発生なしでのペクチンエスラテーゼ
酵素の失活は、依然として、上記広範囲内の中間濃縮工
程での加工条件の注意深い選択を必要とする。例えば、
加熱温度が高くなればなる程、そして中間濃縮工程で使
用する平均加熱時間が長ければ長い程、調理異臭の発生
を回避するために、得られる中間濃縮供給ジュースのジ
ュース固形分は少量であるべきである。逆に、得られる
中間濃縮供給ジュースのジュース固形分が少なければ少
ない程、ジュースに存在するペクチンエステラーゼ酵素
の有効な失活を保証するために、加熱温度は高温である
べきであり、かつ加熱時間は長くあるべきである。
中間濃縮工程を1以上の蒸発器の加熱表面を横切って
の高剪断条件下で実施することも、ジュースに存在する
ペクチンエステラーゼ酵素を失活する際に重要であるこ
とが見出された。この中間工程を実施する際に使用する
静的表面蒸発器(例えば、シグマスター プレート蒸発
器)は、一般に、蒸発器の表面にわたって高速(例え
ば、気液界面で約100フィート/秒以上)で流れるジュ
ースの薄膜(例えば、平均厚さ約0.004インチ以下を有
するフィルム)を加熱することによって操作する。従っ
て、ここで使用する「各蒸発器の加熱表面を横切っての
高剪断」なる用語は、このような速度で蒸発器表面を横
切って流れることようなフィルムによって発生される種
類の剪断を意味する。中間濃縮工程で発生される剪断
は、ジュースの成分があたかも「延伸」されているよう
に作用するようなものであると推測される。
中間濃縮ジュースは、その後に1以上の蒸発器中で約
170〜約100゜Fの範囲内の温度において蒸発器当たり平
均約5〜約25秒間加熱して、約55゜〜約75゜Brixのジュ
ース固形分を有する高濃縮ジュースを与える。中間濃縮
ジュースのこの爾後濃縮は、基本的に最終オレンジジュ
ース濃縮物中で特定のジュース固形分を達成する目的の
ためである。一般に、加熱温度および加熱時間は、有意
量の調理異臭を発生せずに最終目的ジュース固形分を効
率良く達成するように選ばれる。特に、中間濃縮供給ジ
ュースのジュース固形分が増大するにつれて、調理異臭
の発生を回避するために、加熱時間、および特に加熱温
度は、逆に減少すべきである。予備濃縮供給ジュースを
得る場合と同様に、使用する蒸発器の数は、主として加
工すべきジュースの量および所望のスチーム経済性、即
ち、スチームの使用量に依存する。次いで、高濃縮ジュ
ースは、約65゜F以下(典型的には約50〜約55゜F)の温
度に迅速に冷却して最終オレンジジュース濃縮物を与え
る。
本発明の好ましい蒸発濃縮法を実施するシグマスター
プレート蒸発器を包含する特定の7段蒸発システムを
図に概略的に示し、数10によって示す。
システム10で使用する7つの蒸発段階をE1〜E7と標識
する。この蒸発濃縮システムを通しての供給ジュースFJ
の流れは、ベタの矢印で示す。この供給ジュースは、白
抜きの矢印によって示すように、源S1およびS2から供給
されるスチーム、および供給ジュースから発生される蒸
気によって蒸発段階E1〜E7の各々で加熱する。蒸発濃縮
システム10に入る前に、供給ジュースFJは、バランス槽
12に送り、次いで予熱機14(典型的にはプレート/フレ
ーム熱交換器)にポンプ給送し、この予熱機14は典型的
には供給ジュースを約113゜Fの温度に加熱する。
予熱された供給ジュースは、蒸発段階E6において蒸発
濃縮システム10に入る。この蒸発段階E6は、並列に連結
された2個のシグマスター プレート蒸発器を含む。供
給ジュースは、順次蒸発段階E6、18によって示される交
換器(典型的にはプレート/フレーム熱交換器)(これ
は典型的にはジュースを約146゜Fの温度に加熱する)、
次いで、蒸発段階E4およびE3を通過させることによって
予備濃縮する。段階E3およびE4の各々は、並列に連結さ
れた2個のシグマスター プレート蒸発器を含む。次い
で、この予備濃縮供給ジュースは、22によって示される
交換器(典型的にはプレート/フレーム熱交換器)を通
過する。この交換器22は、典型的には蒸発段階E1に達す
る前にジュースを約170゜Fに加熱する。
蒸発段階E1およびE2は、極めて重大な中間濃縮工程が
生ずるところである。段階E1およびE2は、各々1個のシ
グマスター プレート蒸発器を含む。中間濃縮ジュース
が蒸発段階E1およびE2を去った後、中間濃縮ジュース
は、蒸発段階E5およびE7を通しての通過によって更に濃
縮する。段階E5およびE7は、各々1個のシグマスター
プレート蒸発器を含む。図示のように、所望のジュース
固形分を有する高濃縮ジュースは、蒸発段階7を去り、
26によって示される製品クーラー(典型的にはプレート
/フレーム熱交換器)を通過し、そこで典型的には約60
゜F以下の温度に迅速に冷却する。次いで、冷却された
オレンジジュース濃縮物は、オレンジジュース製品とす
る更に他の加工のために、文字Pによって示すように製
品クーラーを出る。
蒸発段階E1〜E7におけるジュースの加熱時に、水とオ
レンジアロマ/フレーバー揮発物との両方を含有する蒸
気が、発生される。この蒸気の若干は、各蒸発段階で凝
縮する。段階E1からの凝縮物の大部分は、水の形態であ
り、この水は典型的には捨てる。段階E2〜E7、特にE3、
E4およびE6からの蒸気は、有意量のオレンジアロマ/フ
レーバー揮発物を含有し、これらのオレンジアロマ/フ
レーバー揮発物は捕集し、次いで、アロマ回収システム
(図示せず)で加工して有用なオレンジアロマ/フレー
バー物質を回収することができる(E1、E2、E5およびE7
からの蒸気は、より少ない量のオレンジアロマ/フレー
バー揮発物を有する)。
ジュースを蒸発段階E1〜E6の各々において加熱するた
めに、S1によって示されるスチームは、熱圧縮機30に供
給する。この熱圧縮機は、蒸発段階E1によって発生され
る蒸気の一部分(典型的には50%)も含有し、この蒸気
は増大されたスチーム効率のために、破線の矢印によっ
て示すように再循環する。熱圧縮機30からのスチーム/
蒸気流は、蒸気段階E1を通過するジュースを加熱する。
段階E1から発生された蒸気の残部は、白抜きの矢印によ
って示すように、蒸発段階E2に入り、そこで、この段階
を通過するジュースを加熱する(任意の態様において
は、これらの残りの蒸気の80%は段階E2に行くことがで
き、20%は段階E3に行くことができる)。白抜きの矢印
によって示すように、段階E2、E3、E4およびE5で発生さ
れた蒸気は、それぞれ段階E3、E4、E5およびE6を通過す
るジュースを加熱するために使用される(任意の態様に
おいては、段階E4で発生された蒸気の80%は段階E5に行
くことができ、一方、残りの20%は段階E6に行く)。蒸
発段階E6からの蒸気流は、冷却して(典型的にはチュー
ブ/シェル熱交換中で)、オレンジアロマ/フレーバー
揮発物の少なくとも若干と一緒に水を凝縮する。次い
で、段階E6からのこの凝縮物は、捕集し、上記のような
アロマ回収システムで加工する。
図示のように、蒸発段階E7を通過するジュースは、S2
によって示される第二源からのスチームによって加熱す
る。段階E7におけるジュースの加熱時に、スチームは、
凝縮するのに十分な程冷たくなる。段階E7からのこの凝
縮スチームは、捕集し、予熱機14または交換器18または
22用の熱源として使用できる。
この7段蒸発システム用の若干の典型的操作条件(加
熱温度、圧力、導出ジュースのジュース固形分)を下記
表に示す(11.6゜Brixの出発供給ジュース)。
より小さいスケールで、本発明の好ましい蒸発濃縮法
は、4つの蒸発段階を包含するシステムにおいて実施で
きる。このより小さいシステムは、ジュース(12゜Brix
の出発ジュース固形分)を予備濃縮する蒸発段階E6およ
びE3(各段階に1個のシグマスター 蒸発器)、中間濃
縮工程を実施する蒸発段階E1(1個のシグマスター
発器)および中間濃縮ジュースを最終蒸発オレンジジュ
ース濃縮物に所望のジュース固形分に更に濃縮する蒸発
段階E5(1個のシグマスター 蒸発器)を使用する。若
干の典型的操作条件(加熱時間、圧力、導出供給ジュー
スのジュース固形分)を下記表に示す。
本発明のオレンジジュース濃縮物を製造する別の好ま
しさのより低い蒸発濃縮法は、遠心コーン蒸発器を包含
する。この遠心コーン蒸発器は、少なくとも1個の回転
自在の中空コーン状部材を有する。回転自在の部材が回
転している際に、供給ジュースは、その下面上に噴霧す
る。回転速度は、供給ジュースを高剪断条件下で下面を
横切って遠心的に広げるのに十分な程速い。重力のた
め、供給ジュースは、回転自在の部材の底に下方向に流
れる。
回転自在の部材の下面は、通常、回転自在の部材に形
成されたジャケットを通して典型的には供給されるスチ
ームによって加熱する。典型的には、スチームは、約18
5〜約235゜F(好ましくは約212〜約227゜F)の飽和スチ
ーム温度で供給する。このことは、回転自在の部材の加
熱下面を横切って流れる供給ジュースが約100〜約135゜
F、好ましくは約110〜約125゜Fの最高温度に加熱するこ
とを保証する。供給ジュースを真空(典型的には約20〜
約30インチHg)下で加熱するので、供給ジュースは蒸発
のため濃縮する。生成された得られた蒸気は、回転自在
の部材の頂部を通して出る。高濃縮ジュースは、回転自
在の部材の底に達する時、約55゜〜約75゜Brixのジュー
ス固形分を有する。この高濃縮ジュースは、典型的に
は、膨張クーラー(典型的にはシェル/チューブ熱交換
器)へ出口を通して上方向に遠心的に強制的に移動し、
この膨張クーラーにおいて即座に約90゜F以下(典型的
には約70〜約85゜F)の温度に冷却してオレンジジュー
ス濃縮物を与える。
本法で使用するのに好適な遠心コーン蒸発器は、スウ
ェーデンのタンバのアルファ・ラーバルAB製セントリー
サーム(Centri−Therm)蒸発器である。セントリーサ
ーム蒸発器においては、コーン状部材は典型的には約10
00〜約1500rpmの速度で回転する。この回転速度は、気
液界面において下面を横切っての速度約50フィート/秒
以上でコーン状部材の下面上の平均供給ジュース膜厚約
0.002イチ以下を与える。典型的には、セントリーサー
ム蒸発器の回転自在のコーン状部材の下面上のジュース
の平均滞留時間は、約1秒以下である。ワインのアルコ
ール含量を減少する際の遠心コーン蒸発器の構造および
操作を記載している米国特許第4,405,652号明細書(特
に第4図および第3欄第5行〜第45行)も参照。
遠心コーン蒸発器は、最小限の調理異臭しか有してお
らず低い粘度を有するオレンジジュース濃縮物を与える
が、複数の静的表面蒸発器を包含する本発明の蒸発濃縮
法が、多数の理由で好ましい。1つの理由は、多容量の
供給ジュースを取り扱う能力、並びに資本設備費であ
る。別の理由は、蒸発濃縮法におけるスチームの効率良
い利用(即ち、より良いスチーム経済性)である。最も
重要なことに、供給ジュースが遠心コーン蒸発器で酵素
を失活するには余りに低い最高温度に加熱するので、出
発供給ジュースは、低いペクチンエステラーゼ活性、即
ち、約0.5×10-4P.E.単位/゜Brix以下を有していなけ
ればならない。このことは、(1)通常激減されたジュ
ース収率で低ペクチンエステラーゼ活性の供給ジュース
を製造する極めて穏やかなジュース加工条件;または
(2)フレーバー品質に影響を及ぼしかつ資本設備費を
増大することがある濃縮前の供給ジュースの殺菌を必要
とする。これらの因子は、一緒に複数の静的表面蒸発器
を包含する好ましい方法を、最少量の調理異臭しか有し
ておらず比較的低い粘度を有する多量の蒸発オレンジジ
ュース濃縮物を得るのに一層商業上魅力的にさせる。
下記のものは、本発明の蒸発濃縮法によって得られる
オレンジジュース濃縮物の代表例である。
例1 本願のパートAの例2に記載のジュース加工条件と同
様のジュース加工条件で得られかつ本願のパートBの例
1に記載の条件と同様の条件下でアロマ/フレーバー揮
発物を取り除いたフロリダ早期/中期供給ジュースを使
用した。このストリッピングされた供給ジュースの特性
は、次の通りであった: Brix 11.6゜ 粘 度 6.0cps 沈降性肉じょう 8% ストリッピングされた供給ジュースをシグマスター
プレート蒸発器を包含する7段蒸発システムに102ガロ
ン/分の速度で供給した。このシステムの操作条件は、
次の通りであった: E7段階からの高濃縮ジュースを約60゜Fに迅速に冷却
した。得られたオレンジジュース濃縮物は、下記物理的
特性および化学的特性を有していた: Brix 64.7゜ Brix/酸比 14.8 粘 度 3383cps 沈降性肉じょう 7% グリコシド 94.8mg/100ml P.E.単位 0 バレンセン 615.9ppb バレンセン保持率 28.4 例2 本願のパートAの例4に記載のジュース加工条件と同
様のジュース加工条件下で得られかつ本願のパートBの
例2に記載の条件と同様の条件下でアロマ/フレーバー
揮発物を取り除いたフロリダバレンシア供給ジュースを
使用した。このストリッピングされた供給ジュースは、
12゜Brixの固形分を有していた。
ストリッピングされた供給ジュースをシグマスター
プレート蒸発器を包含する4段蒸発器システムに17.8ガ
ロン/分の速度で供給した。このシステムの操作条件
は、次の通りであった: E7段階からの高濃縮ジュースを約50゜Fに迅速に冷却
した。得られたオレンジジュース濃縮物は、下記物理的
特性および化学的特性を有していた: Brix 66.1゜ Brix/酸比 14.5゜ 粘 度 3075cps 沈降肉じょう 8% グリコシド 120mg/100ml P.E.単位 0.15/×10-4 バレンセン 6950ppb バレンセン保持率 43.6 例3 大きさ2.5〜3.5インチの晩期フロリダバレンシアパッ
キングハウスオレンジを手で選別して、いかなる望まし
くない果物も除去した。オレンジを高果皮クリアランス
(3/16インチ)で操作するブラウン・モデル400ジュー
ス抽出器で抽出して、ジュース中の油含量を最小限にし
た。ラグおよび種子は、リクアテックス振動篩(10メッ
シュ)を使用することによって、この抽出ジュースから
除去した後、ブラウン・モデル3600スクリュー仕上機
(20メッシュ)を使用して知覚可能な肉じょうを除去し
た。得られた供給ジュースは、12.2゜Brixの固形分を有
していた。
セントリ・サームCT−1B遠心コーン蒸発器を使用し
て、供給ジュースを濃縮した。この蒸発器の操作条件
は、次の通りであった: 供給速度 0.23ガロン/分 スチーム温度 104〜108℃ 回転速度 1200rpm 真 空 27.0〜27.5インチHg 蒸気温度 40〜41℃ 蒸発器からの高濃縮ジュースをチラーによって約78゜
Fに冷却した。得られたオレンジ濃縮物は、下記物理的
特性および化学的特性を有していた: Brix 63.9℃ Brix/酸比 17.9. 沈降性肉じょう(11.8゜Brixで) 6% グリコシド(11.8゜Brixで) 107mg/100ml D.単強度オレンジジュース製品およびオレンジジュース
濃縮物 本発明のオレンジジュース製品は、単強度オレンジジ
ュース製品の形態、またはオレンジジュース濃縮物の形
態であることができる。単強度オレンジジュース製品
は、約8゜〜約14゜Brixのジュース固形分を有する。好
ましくは、このような製品は、約11゜〜約13゜Brixのジ
ュース固形分を有する。オレンジジュース濃縮物の場合
には、ジュース固形分は、約35゜〜約65゜Brixである。
好ましくは、ジュース固定分を、約40゜(3対1濃縮
物)〜約60゜(5対1濃縮物)Brixである。
これらのオレンジジュース製品の重要な特性は、比較
的低い粘度である。単独製品は、8℃の温度での粘度約
7センチポアズ以下を有する。これらの単強度製品は、
典型的には粘度約4〜約6センチポアズを有する。本発
明のオレンジジュース濃縮物は、約11.8゜Brixのジュー
ス固形分に水で再構成する時に、本発明の単強度オレン
ジジュース製品の粘度のような粘度、即ち、8℃で約7
センチポアズ以下(典型的粘度範囲約4〜約6センチポ
アズ)を有する単強度オレンジジュース飲料を与える
(本発明のオレンジジュース製品の粘度は、本願のパー
トAの供給ジュースの場合に使用したのと同じ方法によ
って測定する)。
本発明のオレンジジュース製品の別の重要な特性は、
比較的低いペクチンエステラーゼ活性である。本発明の
オレンジジュース製品は、ペクチンエステラーゼ活性約
0.5×10-4P.E.単位/゜Brix以下、好ましくは約0.1×10
-4P.E.単位/゜Brix以下を有する。この比較的低いペク
チンエステラーゼ活性は、ジュース製品をゼリー化し、
かくの如く粘度を増大することがあるペクチンの脱メト
キシ化を防止する(本発明のオレンジジュース製品のペ
クチンエステラーゼ活性は、本願のパートCの蒸発オレ
ジジュース濃縮物の場合に使用したのと同じ方法によっ
て測定する)。
本発明のオレンジジュース製品の別の重要な特性は、
滴定可能な油の量である。これらの製品の滴定可能な油
含量は、約0.015%以下である(濃縮製品の場合には、
滴定可能な油含量は、11.8゜Brixのジュース固形分への
希釈をベースとする)。滴定可能な油含量の範囲は、典
型的には約0.004〜約0.015%である。本発明の好ましい
オレンジジュース製品は、滴定可能な油含量約0.010%
以下を有する。これらの好ましい製品の場合の滴定可能
な油含量の典型的範囲は、約0.004〜約0.010%である
(本発明のオレンジジュース製品の滴定可能な油含量
は、本願のパートAの供給ジュースの滴定可能な果皮油
含量を測定するのに使用したのと同じ方法によって測定
する)。
本発明のオレンジジュース製品の別の重要な特性は、
オレンジアロマおよびフレーバー成分である。このオレ
ンジアロマ/フレーバー成分中の鍵の化合物は、エタノ
ールである。エタノールの量は、通常、オレンジジュー
ス製品の「新鮮な」化合物の濃度の指示薬である。本発
明のオレンジジュース製品中のエタノールの量は、約40
0,000〜約1,200,000ppbであることができる。好ましい
オレンジジュース製品は、エタノール量約500,000〜約
1,000,000ppbを有する。
本発明のオレンジジュース製品の「新鮮な」アロマ/
フレーバー特性は、4種の他の鍵の揮発性化合物によっ
て更に規定される。これらの化合物は、アセトアルデヒ
ド、メタノール、酪酸エチル、および3−ヒドロキシヘ
キサン酸エチルである。アセトアルデヒドの場合には、
その量は、約4000〜約20,000ppb、好ましくは約7000〜
約14,000ppbである。メタノールの場合には、その量
は、約10,000〜約60,000ppb、好ましくは約25,000〜約5
0,000ppbである。酪酸エチルの場合には、その量は、約
500〜約2000ppb、好ましくは約700〜約1400ppbである。
3−ヒドロヘキサン酸エチルの場合には、その量は、約
100〜約700ppb、好ましくは約100〜約500ppbである(本
発明のオレンジジュース製品中のエタノール、アセトア
ルデヒド、メタノールおよび酪酸エチルの量は、本願の
パートEで後述のパージ/トラップ分析法によって測定
する。3−ヒドロキシヘキサン酸エチルの量は、本願の
パートEで後述の組織均質化分析法によって測定す
る)。
本発明のオレンジジュース製品のオレンジアロマ/フ
レーバー成分を規定する別の重要な化合物は、バレンセ
ンである。バレンセンの量は、オレンジジュース製品が
どの程度「オレンジ様」であるかの重要な指示薬であ
る。本発明のオレンジジュース製品の場合には、バレン
センの量は、約2000〜約20,000ppbである。好ましく
は、その量は、約3000〜約10,000ppbである(本発明の
オレンジジュース製品中のバレンセン量は、本願のパー
トEで後述の組織均質化分析法によって測定する)。
また、本発明のオレンジジュース製品のオレンジアロ
マ/フレーバー成分は、望ましさがより低いオレンジフ
レーバー化合物の量に対しての多量のこれらのより望ま
しい「新鮮な」「オレンジ様」の化合物によって特徴づ
けられる。望ましさがより低いオレンジフレーバー化合
物としては、α−ピネン、ミルセンなどのテルペン、お
よびヘキサナール、デカナール、リナロール、オクタノ
ール、4−テルピネオール、α−テルピネオール、ドデ
カナール、ノートカンなどの酸化生成物が挙げられる。
本発明のオレンジジュース製品の場合には、望ましさが
より低いオレンジ化合物に対するより望ましい「新鮮
な」/「オレンジ様」化合物の量は、アセトアルデヒド
と酪酸エチルと3−ヒドロキシヘキサン酸エチルとバレ
ンセンとの合計量対ヘキサナールとα−ピネンとミルセ
ンとデカナールとリナロールとオクタノールと4−テル
ピネオールとα−テルピネオールとドデカナールとノー
トカトンとの合計量の比率によって規定される。この比
率は、本発明のオレンジジュース製品の場合には、少な
くとも約2:1、典型的には約2:1から約10.3:1である。比
較して、この比率は、オレンジジュース濃縮物から調製
された現在市販のオレンジジュース製品の場合には1.5
以下、フロリダバレンシアオレンジから調製された手絞
りオレンジジュースの場合には少なくとも10.4である。
本発明のオレンジジュース製品の場合には、上記の望
ましさがより低いオレンジフレーバー化合物の各々の量
は、次の通りである: 化 合 物 典型量(ppb) ヘキサナール 約10 〜約300 α−ピネン 約100〜約2000 ミルセン 約500〜約3000 デカナール 約100〜約1500 リナロール 約200〜約2000 オクタノール 約10 〜約300 4−テルピネオール 約50 〜約300 α−テルピネオール 約50 〜約300 ドデカナール 約30 〜約300 ノートカトン 約50 〜約1000 化 合 物 好ましい量(ppb) ヘキサナール 約30 〜約200 α−ピネン 約100〜約1500 ミルセン 約800〜約2800 デカナール 約50 〜約1000 リナロール 約200〜約1000 オクタノール 約10 〜約250 4−テルピネオール 約50 〜約200 α−テルピネオール 約50 〜約200 ドデカナール 約50 〜約200 ノートカトン 約100〜約500 (本発明のオレンジジュース製品中のヘキサナールの量
は、本願のパートEで後述のパージ/トラップ分析法に
よって測定する。残りの望ましさのより低いオレンジ化
合物量は、本願のパートEで後述の組織均質化分析法に
よって測定する)。
本発明のオレンジジュース製品は、Brix固形分対滴定
可能な酸性度(TA)の適当な比率に処方する。本発明の
オレンジジュース製品の場合には、このBrix固形分対TA
の比率は、約12〜約20であることができる。本発明の好
ましいオレンジジュース製品は、Brix固形分対TAの比率
約14〜約17を有する。この比率は、異なるBrix固形分対
TAの比率を有する濃縮物の適当なブレンドによって調節
できる。
また、本発明のオレンジジュース製品は、適量の知覚
可能な肉じょうを有するように処方する。単強度製品の
場合には、知覚可能な肉じょうの量は、0〜約3%であ
ることができる。好ましくは、単強度製品は、知覚可能
な肉じょう量約1〜約2%を有する。オレンジジュース
濃縮物の場合には、知覚可能な肉じょうの量は、約2〜
約8%であることができる。好ましいオレンジジュース
濃縮物は、知覚可能な肉じょう量約4〜6%を有する。
また、本発明のオレンジジュース製品は、特に少量の
沈降性肉じょうを有する。本願のパートAで供給ジュー
スに関して上記のように、沈降性肉じょう量は、粘度に
対して有意の効果を有することがある。本発明のオレン
ジジュース製品は、典型的には沈降性肉じょう量約4〜
約10%を有する。好ましいオレンジジュース製品は、沈
降性肉じょう量約6〜約9%を有する(本発明のオレン
ジジュース製品の沈降性肉じょう量の測定法は、本願の
パートAの供給ジュースの場合に使用したのと同じであ
る)。
本発明のオレンジジュース製品は、オレンジジュース
濃縮物とアロマ/フレーバー物質と知覚可能な肉じょう
と水との適当なブレンドによって処方する。好ましいオ
レンジジュース濃縮物源は、本願のパートCに記載の蒸
発濃縮法によって得られるものである。他の方法によっ
て得られたオレンジジュース濃縮物がフレーバーがかな
り快くかつ粘度が比較的低い限り、この好ましいオレン
ジジュース濃縮物は、これらの他の濃縮物とブレンドす
ることができる。この好ましいオレンジジュース濃縮物
約30〜100%は、他の濃縮物0〜約70%とブレンドす
る。好ましくは、この好ましいオレンジジュース濃縮物
約50〜100%(最も好ましくは約90〜100%)は、他の濃
縮物0〜約50%(最も好ましくは0〜約10%)とブレン
ドする。
上記のように、本発明のオレンジジュース製品を製造
する際に使用するオレンジジュース濃縮物は、Brix固形
分対TAの異なる比率を有する濃縮物をブレンドすること
を包含する。更に、本発明のオレンジジュース製品を処
方する際に使用するオレンジジュース濃縮物は、典型的
には、異なる品種のオレンジい果物から得られる濃縮物
をブレンドすることを包含する。これらのオレンジジュ
ース濃縮物は、典型的には、フロリダ早期/中期バレン
シアオレンジ果物に由来する。フロリダバレンシアオレ
ンジ果物から得られる濃縮物は、本発明のオレンジジュ
ース製品に特に好ましい。他のオレンジ果物、特にブラ
ジリアンバレンシア果物から得られる濃縮物は、フロリ
ダ早期/中期バレンシア果物から得られる濃縮物と一緒
に処方できる。典型的には、本発明のオレンジジュース
製品を処方する際に使用するオレンジジュース濃縮物
は、濃縮物の下記ブレンドを含む:フロリダ早期/中期
果物に由来する濃縮物0〜約30%;フロリダバレンシア
果物に由来する濃縮物約50〜100%;およびブラジリア
ンバレンシア果物に由来する濃縮物0〜約50%。好まし
くは、濃縮物のこのブレンドは、フロリダ早期/中期果
物に由来する濃縮物0〜約20%、フロリダバレンシア果
物に由来する濃縮物約50〜100%、およびブラジリアン
バレンシア果物に由来する濃縮物0〜約50%を含む。
本発明のオレンジジュース製品を処方する際に使用す
るオレンジジュース濃縮物は、オレンジアロマ/フレー
バーに関してかなり快い。従って、物質は、オレンジジ
ュースの特性的アロマおよびフレーバーを付与するため
にこの濃縮物に添加することが必要である。好ましいア
ロマ/フレーバー物質源は、本願のパートBに従って得
られる水性オレンジストリッパーエッセンスおよびオレ
ンジストリッパー油である。これらのストリッパーエッ
センスおよびストリッパー油は、より望ましいオレンジ
フレーバー化合物対望ましさがより低いオレンジフレー
バー化合物の高い比率のため、特に好ましい。
これらの好ましいストリッパーエッセンスおよびスト
リッパー油の特定のオレンジアロマおよびフレーバー特
性は、原料であった供給ジュースに応じて変化できる。
フロリダバレンシアオレンジ果物に由来する供給ジュー
スから得られるストリッパーエッセンスおよびストリッ
パー油は、最も好ましいオレンジアロマおよびフレーバ
ー特性を有する。ストリッパーエッセンスは、フロリダ
早期/中期および/またはブラジリアンバレンシアエッ
センス0〜約50%(好ましくは0〜約20%)およびフロ
リダバレンシアエッセンス約50〜100%(好ましくは約8
0〜100%)を含む。使用する典型的ストリッパー油は、
同様の量の早期/中期/ブラジリアンバレンシア油およ
びフロリダバレンシア油を含む。
本願のパートBに従って調製されたストリッパーエッ
センスおよびストリッパー油は、所望のオレンジアロマ
/フレーバー衝撃の有意部分を与えるが、他のアロマ/
フレーバー物質源は、しばしば加えて使用される。例え
ば、フロリダ州イートン・パークのフロレックス・フレ
ーバーズ・リミテッド製フロレックス(Florex)50041
(酪酸エチル対ヘキサナールの比率20:1)、56010、フ
ロリダ州セーフティー・ハーバーのレッド・シトラス・
スペシャリティーズ製ナチュラル・オレンジ・アロマ
(Natural Orange Aroma)(#070570)、ナチュラル・
オレンジ・アロマ・プラス(Natural Orange Aroma Plu
s)(#375002u)。エンリッチト・オレンジ・スリー・
フォールド・エッセンス・オイル(Enriched Orange 3
Fold Essence Oil)(#375212u)などの市販のオレン
ジエッセンス、およびニューヨーク州ニューヨーク市の
インターナショナル・フレーバーズ・エンド・フラグラ
ンシーズ・インコーポレーテッド製フロレックス5801
R、シトリフ・オレンジ(Citriff Orange)#1598026
7、ニューヨーク州フローラル・パークのシトラス・エ
ンド・アライド・エッセンスシーズ・リミテッド製純度
85〜90%のバレンセン〔シトラス・エンド・アライド
(Citrus & Allied)〕、冷間プレス果皮油などの市販
のオレンジ油は、アロマ/フレーバー物質の少なくとも
一部分を本発明のオレンジジュース製品に供給するため
に使用できる。インターナショナル・フレーバーズ・エ
ンド・フラグランシーズ・インコーポレーテッド製オレ
ンジ・ウィズ・アザー・ナチュラル・フレーバーズ(Or
ange with Other Natural Flavors)#15980828、オハ
イオ州シンシナティーのフライズ・エンド・フライズ・
インコーポレーテッド製ナチュラル・シトラス・エンハ
ーサー、オレンジ・タイプ(Natural Citrus Enhancer,
Orange type)などの天然フレーバーの非オレンジ源
も、アロマ/フレーバー物質源として使用できる。
本発明のオレンジジュース製品を処方する知覚可能な
肉じょう源は、典型的には、本願のパートAに記載のよ
うに部分仕上ジュースから除去されたものである。フレ
ーバーがかなり快くかつ過度には悪化または損傷されて
いない市販の知覚可能な肉じょう源も、本発明のオレン
ジジュース製品で使用できる。
本発明のオレンジジュース製品の製造における典型的
ブレンド順序は、次の通りである:中間濃縮物は、オレ
ンジジュース濃縮物の一部分およびオレンジエッセンス
物質をブレンド槽に加えた後、オレンジ油物質および残
りのオレンジジュース濃縮物を加えることによって調製
する。これらの物質をブレンドして中間濃縮物を調製す
ることは、好ましくは約30゜Fの最高温度で行う。一旦
すべての物質をブレンド槽に加えたら、典型的には少な
くとも30分間混合して、オレンジ油物質が中間濃縮物全
体にわたって均一に分布されることを保証する。この中
間濃縮物は、好ましくは、使用前に約20゜Fの最高温度
で貯蔵する。
本発明の単強度オレンジジュース製品およびオレンジ
ジュース濃縮物は、この中間濃縮物を適量の知覚可能な
肉じょう、オレンジアロマ/フレーバー物質および水と
ブレンドすることによって調製する。典型的ブレンド順
序は、水および知覚可能な肉じょうをブレンド槽に加え
た水、中間濃縮物およびオレンジアロマ/フレーバー物
質を同時に加えることを包含する。水または中間濃縮物
は、適当なBrix固形分調節のために、の混合物に添加で
きる。また、オレンジ油物質は、適当な滴定可能な油含
量を達成するために添加できる。
一旦調製したら、本発明のオレンジ製品は、カン、箔
状容器、カートン、ビンまたは他の適当な容器に充填で
きる。単強度オレンジジュース製品は、典型的には容器
に充填する前に殺菌または滅菌する。オレンジジュース
濃縮製品の場合には、これらの製品は、典型的にはカン
に充填した後に凍結する。
本発明に従って調製されたオレンジジュース製品の代
表例は、次の通りである。
例I 大きさ2.5〜3.5インチの晩期フロリダバレンシアパッ
キングハウスオレンジを手で選別して、いかなる望まし
くない果物も除去した。オレンジを高果皮クリアランス
(3/16インチ)で操作するブラウン・モデル400ジュー
ス抽出器で抽出して、ジュース中の油含量を最小限にし
た。ラグおよび種子は、リクアテックス振動篩(10メッ
シュ)を使用することによって、この抽出ジュースから
除去した後、ブラウン・モデル3600スクリュー仕上機
(20メッシュ)を使用して、知覚可能な肉じょうを除去
した。得られた供給ジュースは、下記化学的特性および
物理的特性を有していた: Brix 12.2゜ 滴定可能な酸性度 0.73 果皮油 0.008% グリコシド 101kg/100ml 本願のパートBの例2に記載の加工条件と同様の加工
条件を使用して、この供給ジュースの一部分からのオレ
ンジアロマおよびフレーバー揮発物をストリッピング
し、凝縮し、捕集した。得られたバレンシアストリッパ
ーエッセンスは、下記組成を有していた。
化 合 物 量(ppm) エタノール 8826 アセトアルデヒド 134 酢酸エチル 8.08 酪酸エチル 8.93 ヘキサナール 0.43 α−テルピネオール 0.63 セントリーサームCT−1B遠心コーン蒸発器を使用し
て、残りの未ストリッピング供給ジュースを濃縮した。
この蒸発器の操作条件は、次の通りであった: 供給速度 0.23ガロン/分 スチーム温度 104〜108℃ 回転速度 1200rpm 真 空 27.0〜27.5インチHg 蒸気温度 40〜41℃ 蒸発器からの高濃縮ジュースをチラーによって約78゜
Fに冷却した。得られたオレンジ濃縮物は、下記物理的
特性および化学的特性を有していた: Brix 63.9゜ 滴定可能な酸性度 3.57 沈降性肉じょう(11.8゜Brix) 6% グリコシド(11.8゜Brix) 107mg/100ml オレンジジュース濃縮製品は、下記成分から調製し
た: 成 分 量(重量%) バレンシア濃縮物 63.8 バレンシアストリッパーエッセンス 20.9 エッセンスブレンド 0.3 フレーバー増進剤** 0.17 知覚可能な肉じょう 4.8 水 10.0 100.0 *エッセンスブレンド組成: バレンシアTASTEエッセンス 35% 早期/中期TASTEエッセンス 15% ナチュラル・オレンジ・アロマ・プラス(#375002
u) 25% ナチュラル・オレンジ・アロマ(#070570) 25% **フレーバー増進剤組成: #D8118ナチュラル・シトラス・エンハーサー、オレ
ンジ・タイプ 3.3% オレンジ・ウィズ・アザー・ナチュラル・フレーバー
ズ(#15980828) 1.7% エタノール 95.0% この製品を調製する際に、知覚可能な肉じょう、バレ
ンシアストリッパーエッセンス、エッセンスブレンド、
バレンシア濃縮物の10%および水の90%をブレンド槽で
一緒にし、約5分間混合して、中間濃縮物を調製した。
次いで、残りのバレンシア濃縮物および水をこの中間濃
縮物に加え、追加の10分間混合した。この混合の最後の
5分間で、フレーバー増進剤を加えた。ブレンド槽を断
熱し、グリコールシステムによって冷却して製品をブレ
ンド時に32〜40゜Fに保った。完成オレンジジュース濃
縮製品を12オンスのカンに詰め、次いで、−10゜Fで貯
蔵した。このオレンジジュース濃縮製品の物理的特性お
よび化学的特性は、次の通りであった: Brix 42.4゜ 滴定可能な酸性度 2.42 果皮油(11.8゜Brix) 0.006% 沈降性肉じょう(11.8゜Brix) 8% フレーバー組成(ppb) アセトアルデヒド 13,591 エタノール 919,284 メタノール 42,371 酪酸エチル 1299 3−ヒドロキシヘサン酸エチル − バレンセン 7310 ヘキサナール 34 α−ピネン 280 ミルセン 944 デカナール 396 リナロール 385 オクタノール 104 4−テルピネオール − α−テルピネオール 92 ドデカナール 130 ノートカトン 395 例II 晩期フロリダバレンシアオレンジを洗浄し、選別し
て、いかなる望ましい果物も除去し、ブラウン油抽出器
を使用して脱油した。脱油オレンジを高果皮クリアラン
ス(それぞれ1/8インチおよび1/4インチ)で操作するブ
ラウン・モデル400および700ジュース抽出器で抽出し
て、ジュース中の油含量を最小限にした。ラグおよび種
子は、リクアテックス振動篩(6メッシュ)を使用する
ことによって、この抽出ジュースから除去した後、ブラ
ウン・モデル3900スクリュー仕上機(20メッシュ)を使
用して知覚可能な肉じょうを除去し、遠心分離機を使用
して追加の沈降性肉じょうを除去した。2つの供給ジュ
ースを得た。その第二のものは、除去された有意により
多い沈降性肉じょうを有していた。遠心分離前のこれら
の2種の供給ジュースの化学的特性および物理的特性
は、次の通りであった: 例Iに使用して加工条件と同様の加工条件を使用し
て、第一供給ジュースからのオレンジアロマおよびフレ
ーバー揮発物をストリッピングし、凝縮し、捕集した。
得られたバレンシアストリッパーエッセンスは、下記組
成を有していた: 化 合 物 量(ppm) エタノール 10975 アセトアルデヒド 82 酢酸エチル 1.6 酪酸エチル 3.3 ヘキサナール 1.0 α−テルピネオール 2.8 4個のシュミットシグマスタープレート蒸発器を本願
のパートCの例2の加工条件と同様の加工条件下で使用
して、第一供給ジュースおよび第二供給ジュースを濃縮
した。得られたバレンシア濃縮物は、下記物理的特性お
よび化学的特性を有していた: オレンジジュース濃縮製品は、下記成分から調製し
た: 成 分 量(重量%) バレンシア濃縮物 67.3 バレンシアストリッパーエッセンス 13.9 エッセスブレンド** 0.33 フレーバー増進剤*** 0.17 ストリッパー油 0.0085 冷間プレス果皮油 0.0085 知覚可能な肉じょう 4.8 水 13.5 100.0 *第一濃縮物80%、第二濃縮物20% **エッセンスブレンド組成: ナチュラル・オレンジ・アロマ・プラス(#375002
u) 75% ナチュラル・オレンジ・アロマ(#070570) 25% ***フレーバー増進剤組成: #D8118ナチュラル・シトラス・エンハンサー、オレ
ンジ・タイプ 3.3% オレンジ・ウィズ・アザー・ナチュラル・フレーバー
ズ(#15980828) 1.7% エタノール 95.0% この製品を調製する際に、知覚可能な肉じょう、バレ
ンシアストリッパーエッセンス、エッセンスブレンド、
バレンシア濃縮物の10%および水の90%をブレンド槽で
一緒にし、約5分間混合した。ストリッパー油および冷
間プレス油をこのブレンドに加え、次いで、5分間混合
して中間濃縮物を調製した。次いで、残りのバレンシア
濃縮物および水をこの中間濃縮物に加え、追加の10分間
混合した。この混合の最後の5分に、フレーバー増進剤
を加えた。完成オレンジジュース濃縮製品を12オンスの
カンに詰め、次いで、−10゜Fで貯蔵した。このオレン
ジジュース濃縮製品の物理的特性および化学的特性は、
次の通りであった: Brix 41.7゜ 滴定可能な酸性度(11.8゜Brixで) 0.69 果皮油(11.8゜Brixで) 0.006% 沈降性肉じょう(11.8゜Brixで) 8% 粘度(11.8゜Brixで) 5.8cps(平均) フレーバー組成(ppb) アセトアルデヒド 7745 エタノール 888,442 メタノール 27,436 酪酸エチル 917 3−ヒドロキシヘキサン酸エチル 121 バレンセン 6341 ヘキサナール 144 α−ピネン 195 ミルセン 846 デカナール 311 リナロール 752 オクタノール 21 4−テルピネオール 63 α−テルピネオール 163 ドテカナール 52 ノートカトン 237 例III フロリダバレンシアオレンジを洗浄し、選別して、い
かなる望ましくない果物も除去した。本願のパートAの
例4に記載のジュース加工条件と同様のジュース加工条
件を使用して、オレンジをFMC低油ジュース抽出器で抽
出した。知覚可能な肉じょう、FMCモデルUCF200スクリ
ュー仕上機を使用することによって、この抽出ジュース
から除去した後、遠心分離機を使用して追加の沈降性肉
じょうを除去した。得られた供給ジュースは、下記化学
的特性および物理的特性を有していた: Brix 12.3゜ 滴定可能な酸性度 0.91 果皮油 0.012% グリコシド 120mg/100ml 沈降性肉じょう 10% 粘 度 9.0cps 例IIで使用した加工条件と同様の加工条件を使用し
て、この供給ジュース中のオレンジアロマおよびフレー
バー揮発物をストリッピングし、凝縮し、捕集した。得
られたフロリダバレンシアストリッパーエッセンスは、
下記組成を有していた: 化合物 量(ppm) エタノール 13177 アセトアルデヒド 119 酢酸エチル 4.3 酪酸エチル 3.6 ヘキサナール 0.9 α−テルピネオール 1.2 4個のシュミットシグマスタープレート蒸発器を本願
のパートCの例2に記載の加工条件と同様の加工条件下
で使用して、ストリッピングされた供給ジュースを濃縮
した。得られたフロリダバレンシア濃縮物は、下記物理
的特性および化学的特性を有していた: Brix 63.2゜ 滴定可能な酸性度 4.39 沈降性肉じょう(11.8゜Brix) 8% 粘度(11.8゜Brixで) 5.6 グリコシド(11.8゜Brix) 116mg/100ml オレンジジュース濃縮物および単強度製品は、下記成
分から調製した: 成 分 量 (重量%) フロリダバレンシア 濃縮物 32.6 ブラジリアンTASTE 濃縮物 32.2 フロリダバレンシアストリッパーエッセ ンス 5.6 ブラジリアンストリ ッパーエセンス** 2.9 第一エッセンスブレンド***0.4 フロレックス・アロ マ#10 0.8 第二エッセンスブレ ンド**** 0.16 ストリッパー油 0.019 冷間プレス果皮油 0.008 エンリッチト・オレ ンジ・スリー・フォ ールド、エッセンス ・オイル(#375521 2u) 0.001 油ブレンド***** 0.005 知覚可能な肉じょう 4.8[7.4] ****** 20.5[17.9]****** 100 *ブラジリアンTASTA濃縮物の物理的特性および化学的
特性: Brix 64.1゜ 滴定可能な酸性度 3.86 果皮油 0.006% 沈降性肉じょう 8% 粘度(11.8゜Brixで) 6.1cps **フロリダバレンシアストリッパーエッセンスと同様
の加工条件下でブラジリアンバレンシア供給ジュースか
ら取得 ***例IIにおけるエッセンスブレンドと同じ ****第二エッセンスブレンド組成: フロリダバレンシアストリッパーエッセンス:67% フロレックス#56010:33% *****油ブレンド組成: フロリダバレンシアストリッパー油 8.3% フロリダ早期/中期ストリッパー油 3.0% 冷間プレスバレンシア果皮油 20.4% エンリッチト・オレンジ・スリー・フォールド・エッ
センス・オイル(#375212u) 38.0% シトリフ・オレンジ(#15980267) 23.2% C&Aバレンセン(純度 85〜90%) 7.1% ******カッコ内のNo.:単強度製品用濃縮物ブレン
ド 濃縮製品を調製する際に、知覚可能な肉じょう、スト
リッパーエッセンス、エッセンスブレンド、全濃縮物10
%および水の90%をブレンド槽で一緒にし、約5分間混
合した。次いで、ストリッパー油、冷間プレス果皮油、
エッセンス油および油ブレンドを加え、5分間混合して
中間濃縮物を調製した。次いで、残りの濃縮物および水
をこの中間濃縮物に加え、追加の10分間混合した。完成
オレンジジュース濃縮製品を12オンスのカンに詰め、次
いで、−10゜Fで貯蔵した。完成濃縮物を適量の水で稀
釈し、次いで、34゜Fでの貯蔵のためにカートンへの充
填前に滅菌した以外は、単強度製品を濃縮製品と同じ方
法で調製した。これらのオレンジジュース製品の物理的
特性および化学的特性は、次の通りであった: E.分析法 1.供給ジュースおよびオレンジジュース製品 a.パージ/トラップヘッドスペース分析 パージ/トラップヘッドスペース分析システムは、ヒ
ューレット−パッカード(Hewlett−Packard)(HP)76
75Aパージ/トラップサンプラーおよびHP5880Aガラスク
ロマトグラフ(G.C.)からなる。この分析システムは、
自動操作用に修正する。毛管カラムの試料導入は、4方
弁を7675Aサンプラーに加え、コールドトラップを5880A
G.C.のカラムオープンに加えることによって達成する。
ジュースの試料1mlをテフロン(TeflonR)被覆撹拌棒
付きの試料採取容器(容量15mlの培養管)に入れる。水
浴(27±1℃)中で磁気撹拌下に5分間平衡後、揮発性
化合物をヘリウムによって10ml/分の速度で1分間室温
の吸着管に掃引する。吸着管にテナックス(TenaxR
(80/100メッシュ)吸着剤(ミルトン・ロイ・カンパニ
ーのアプライド・サイエンス・ディビジョン)200mgお
よび各端でシリル化ガラスウールの小さいプラグを充填
して吸着剤を所定位置に保つ。この疎水性重合体は、有
機揮発物を選択吸着し、水を含有するヘリウム流を雰囲
気にベントする。次いで、テナックス 管を清浄な乾燥
ヘリウムガス(流量10ml/分)で更に1分間フラッシン
グして、トラップから水を除去する(この水は、毛管カ
ラムの冷間トラッピングシステムでの氷形成によって目
詰り上の問題を生ずることがある)。
毛管カラムへの試料注入をテナックス トラップの脱
着および毛管カラムの第一部分(2インチ)上への脱着
試料の再濃縮によって遂行する。熱脱着は、テナックス
管をそれぞれ通して流量2.7ml/分で流れるヘリウムで
8分かけて200℃に迅速に加熱することによって行う。
毛管カラムの第一部分は、液体窒素(−150℃)で冷却
されたトラップ内に配置されている。試料をテナックス
管から毛管カラム上に掃引し、そこで液体窒素温度に
おいて狭いバンドで凝縮する。試料の毛管カラムへの注
入の場合には、冷却後、この冷トラップを非常に迅速に
加熱する。140℃に達するのに約20秒かかり、温度を140
℃に1分間保持する。ヘリウム開閉弁および冷トラップ
の冷却および加熱順序を予プログラム化モードで自動制
御する。
使用する毛管カラムは、デュラワックス−3(Durawa
x−3)融解シリカ毛管カラム(J&Wサイエンティフ
ィック・インコーポレーテッド、内径0.32mm×長さ60
m)である。ジュラワックス−3は、カルボワックス−2
0M(Carbowax−20M)50%およびメチルシリコーン50%
を含有する安定化液相である。毛管カラム出口でのキャ
リヤーガス流(He)は、2.7ml/分(40℃でガス線速度3
4.5cm/秒)である。注入ポートおよび火炎イオン化検出
器温度をそれぞれ180℃および220℃に設定する。カラム
オーブン温度を50℃に18分間保持し、1.5℃/分で70℃
に上げ、次いで、5℃/分で145℃に上げ、次いで、145
℃に8分間保持する。
化合物の既知標準の場合に得られたピークの保持時間
および質量分光測定によって同定する。スーパー(Supe
r)INCOSデータシステムを使用して、パージ/トラップ
ヘッドスペース分析システムをフィニガン・マット(Fi
nnigan Mat)4500質量分析計に直接接続した。ピーク面
積の積分をヒューメット−パッカード5880A系列端子、
レベル4、またはヒューメット−パッカード3357E実験
室自動化システムの使用によって得る。この自動化ヘッ
ドスペース分析システムは、アロマ化合物の大部分に良
好な精度を与える(相対標準偏差率=5.0〜14.7%、n
=6)。ジュース試料を単強度、即ち、11.8゜Brixで分
析する。
オレンジジュース中の5種の同定成分(アセトアルデ
ヒド、メタノール、エタノール、酪酸エチルおよびヘキ
サナール)の濃度を定量するために、揮発性成分を取り
除いたオレンジジュースへの個々の成分の標準添加を使
用して、線回帰分析を遂行する。重複分析データを有す
る5種の異なる濃度範囲を使用して、表1に示す線回帰
式を作る。Yは、クロマトグラム上の個々の成分のピー
ク面積を表す。オレンジジュース中の成分の濃度(pp
m)をXとして表現する(ppmは1000をかけることによっ
てppbに換算できる)。これらの式から、オレンジジュ
ース中の5成分の濃度を同じ分析条件下で得られたヘッ
ドスペースクロマトグラム上のピーク面積から計算す
る。
b.組織均質化法 組織均質化(TH)法は、オレンジジュースフレーバー
成分の溶剤、塩化メチレンでの直接抽出をベースとす
る。均質化後、溶剤層を分離し、蒸発して小容量とす
る。内標準を作用して、定量化を行う。
校正標準は、後述のように調製する: 内標準溶液、プロペルベンゼン10μを酢酸エチル40
mlに加えることによって調製する。校正のためには、校
正標準混合物200μを揮発性成分を取り除いたオレン
ジジュース濃縮物に加える。この校正試料を使用前に1
1.8゜Brixに希釈する。
分析法は、次の通りである:オレンジジュース(11.8
゜Brix)30gを100ml質量のシリンダーに秤量添加する。
内標準溶液(50μ)、塩化メチレン(8ml)および飽
和塩溶液(3ml)をオレンジジュース試料に加える。次
いで、試料を30秒間均質化する。均質化された試料を遠
心管に移し、10,000rpmにおいて5℃で30分間遠心分離
する。溶剤下層を5mlのバイアルに移し、窒素下で蒸発
し小容量とする。
毛管カラムインゼクター付きのヒューレット−パッカ
ード5880Aガスクロマトグラフを分析で使用する。ペー
シックプログラムを有するヒューレット−パッカード33
57ミニコンピューターを使用して、ガスクロマトグラフ
からデータを得る。下記条件を使用する: 空気流量:300ml/分 水素流量:30ml/分 窒素流量:30ml/分(メーキャップガス) ヘリウム流量:3ml/分(キャリヤーガス)(20psi設定) スプリット流:20ml/分 隔壁パージ流:2〜3ml/分 DX−4融解シリカ毛管カラム (0.32mm×60m、J&Wサイエンティフィック)を分析
のために使用する。
オーブンを50℃で5分間加熱し、次いで、2℃/分で
120℃の温度に上げさせる。次いで、オーブン温度は、
1.5℃/分で160℃の温度に上がり、次いで、8℃/分で
210℃の温度に上がり、次いで、3℃/分で240℃の温度
に上がり、次いで、240℃に10分間保持する。
校正試料の塩化メチレン抽出物をガスクロマトグラフ
に注入して、各成分の保持時間および応答因子を確立す
る。校正抽出物の応答因子を予め測定したようなストリ
ッピングしたオレンジジュース濃縮物に存在する残渣量
に関して補正する。フィニガンMAT4500GC質量分析計に
よって測定したような既知標準の保持時間データを使用
して、クロマトグラム中の各化合物のアイデンティティ
を確認する。
ヒューレット・パッカード3357ミニコンピューターを
使用して、データをガスクロマトグラフから得る。ジュ
ース試料中の各化合物の量(mg/mlまたはppb)を次の通
り計算する: C.フラバノイドグリコシド分析 ヘスペリジン240mg/100mlを含有するストック溶液
は、純度80%のヘスペリジン300mgを0.1N NaOH80mlを含
有する100ml容量のフラスコで溶解し、pHを氷酢酸で7.0
に調節し、次いで、蒸留水で所定容量に希釈することに
よって調製する。
このストック溶液から、100ml当たりヘスペリジン4
0、80、120、180mgを含有する標準溶液も調製する。
ストック溶液および4種の標準溶液を使用して、次の
通り標準分光光度曲線を得る: 各溶液の場合に、3個の試験管を使用する(すべてで
15個)。各試験管にジエチレングリコール(90%濃度)
5mlおよび標準溶液0.1mlをピペットで分注する。各試験
管を渦ミキサーで良く混合した後、4N NaOH 0.1mlを第
二および第三試験管に加え、その後渦ミキサーで混合す
る。分光測光を行う前に、試験管を黄色の十分な顕色の
ために45分間放置する。標準溶液およびジエチレングリ
コールのみを含有する第一試験管を使用して、分光光度
計(パウシュ・エンド・ロンブ・スペック21)の零点規
正を第二および第三試験管の場合の420nmで行う。第二
および第三試験管の読みを平均して、各標準溶液の吸光
度の値を得る。ストックおよび標準溶液の吸光度の値を
プロットして、標準曲線を与える。この標準曲線から、
吸光度の値はヘスペリジンmg/100mlに換算できる。
フラバノイドグリコシドに関して分析されるジュース
試料は、知覚可能な肉じょう、即ち、20メッシュ篩を通
過しない肉じょうを含むべきではない。各ジュース試料
の吸光度の値は、ストックおよび標準溶液の吸光度の値
を測定するのに使用したのと同じ方法によって測定す
る。次いで、ジュース試料の吸光度の値を標準曲線と比
較して、試料中のヘスペリジンmg/100mlを求める。
d.粘度 ULアダプターの試料カップに粘度標準(既知粘度5〜
10センチポアズ)16mlを注ぐ。ブルックフィールドLVTD
回転粘度計を据える(ULアダプターを25℃の水浴に入れ
る)。読みを12rpmで取る前に、試料カップ中の粘度標
準の既知粘度を12rpmでの平均ダイアル読みで割って、
応答因子を求める。
知覚可能な肉じょうは、20メッシュ篩を通過させると
によってジュース試料(11.8゜Brixの固形分)から除去
する(濃縮製品の場合には、肉じょう除去前に、水を加
えてジュース試料を11.8゜Brixに希釈する)。ULアダプ
ターの試料カップに篩分け試料16mlを注ぐ。粘度計のUL
アダプターを8℃の水浴に入れる。読みを12rpmで取る
前に、篩分けジュース試料を水浴中で15分間平衡させ
る。12rpmでのジュース試料の粘度は、ダイアル読みに
応答因子をかけることによって求める。
e.沈降性肉じょうの容量% ジュースは、均一な試料を得るのに十分な程撹拌す
る。知覚可能な肉じょうは、20メッシュ篩を通過させる
とによって試料から除去する(濃縮製品の場合には、知
覚可能な肉じょう除去前に、水を加えてジュース試料を
11.8゜Brixに希釈する)。篩分け試料を80±2゜Fの温
度で平衡する。次いで、2個の50mlの円錐形の目盛管に
良く混合された平衡試料の各々正確に50mlを充填する。
管は、目盛尺が回転方向に面するように遠心分離機(IE
CモデルHN−SII、IEC遠心ヘッド#215、IECトラニオン
リング#325、IECシールド#320)に入れる。荷重を釣
り合わせながら、試料を1500rpmで10分間遠心分離す
る。各管の底の肉じょうのmlを最も近いmlまで読み、次
いで、2をかけて沈降性肉じょうの容量%を得る。管の
値を平均して、試料の沈降性肉じょうの容量を得る。
f.滴定可能な果皮油含量(スコットオイル法) この方法は、ナジ等、シトラス・サイエンス・エンド
・テクノロジー、Vol.2(1977),pp.506−508に記載の
スコットオイル法をベースとする。この方法において
は、果皮油をジュース試料を2−プロパノール溶液から
蒸留し、次いで、酸性媒体中の標準KBr−KBrO3溶液で滴
定する。
0.025N KBr−KBRo3滴定液は、0.1N KBr−KBrO3溶液
(テキサス州アーリングトンのRICCAケミカル・カンパ
ニー製、カタログNo.1170)1部を蒸留水3部で希釈す
ることによって調製する。酸性指示薬溶液も、0.1%メ
チルオレンジ溶液5mlを希塩酸溶液(蒸留H2O 2部、HC
l1部)1000mlと一緒に混合することによって調製する。
標準スコット果皮油蒸留装置をこの方法で使用する。
この装置は、本質上平底蒸留フラスコ、傾斜アダプター
および蒸留冷却器からなる。
ブランク滴定値(TB)は、2−プロパノール25mlおよ
び酸性指示薬溶液10mlを含有する3種の別個の混合物を
滴定液で滴定し、次いで、使用する滴定液の合計mlを3
で割ることによって得られる。
単強度製品および供給ジュースの場合には、良く混合
されたジュース試料25mlを沸騰チップまたはビーズを含
有する蒸留フラスコにピペッドで分注した後、2−プロ
パノール25mlを加える。次いで、蒸留フラスコ中の混合
物を約85℃の温度に加熱する。水蒸気の凝縮が移送管上
に表れるまで、留出物を捕集する(留出物約35ml)。次
いで、留出物に酸性指示薬溶液10mlを加える。磁気撹拌
機で撹拌しながら、酸性留出物溶液を無色の終点まで滴
定液で滴定する。終点に達するに必要とされる滴定液の
容量(TS)を記録する。次いで、試料の滴定可能な果皮
油%を下記計算によって得る: 滴定可能な果皮油=(TS−TB)×0.004 濃縮製品の場合には試料を11.8゜Brixに希釈するま
で、水を加える。次いで、この希釈試料の滴定可能な果
皮油含量を単強度製品および供給ジュースの場合に使用
したのと同じ方法によって滴定する。
2.水性ストリッパーエッセンス a.エタノール、メタノール、アセトアルデヒド以外の揮
発物の毛管カラムガスクロマトグラフィー分析 標準混合溶液は、無水エタノール(10ml)を50ml容量
のフラスコに加えた後、オレンジジュースに存在する各
種の化合物を以下の表示量で加えることによって調製す
る。
上記化合物のすべてをフラスコに加えた後、標準混合
溶液をエタノールで所定容量に希釈する。
内標準溶液も、小容量(2〜3ml)の蒸留水を10ml容
量のフラスコに加えることによって調製する。シクロヘ
キサン(25μ)を加え、水/シクロヘキサノン内標準
溶液を蒸留水で所定容量に希釈する。
校正溶液は、15%エタノール溶液4mlを2ドラムのバ
イアルにピペットで分注し、次いで、このバイアルに内
標準溶液20μおよび標準混合物溶液20μを加えるこ
とによって調製する。
試料溶液は、先ずピペットを試料の一部分で2回すす
ぎ、試料4mlの2ドラムのバイアルにピペットで分注
し、バイアルに内標準溶液20μを加えることによって
調製する。
毛管カラムインゼクター付きのヒューレット−パッカ
ード5880Aガスクロマトグラフを分析で使用する。ベー
シックプログラムを有するヒューレット−パッカード33
57ミニコンピューターを使用してデータをガスクロマト
グラフから得る。下記条件を使用する: 空気流量:250ml/分 水素流量:30ml/分 窒素流量:30ml/分(メーキャップガス) ヘリウム流量:2ml/分(キャリヤーガス)(9.5psi設
定) スプリット流:10ml/分 隔壁パージ流:3ml/分 DB−1融解シリカ毛管カラム (0.32mm×30m、J&Wサイエンティフィック)をガス
クロマトグラフの場合に使用する。
オーブンを40℃で7分間加熱し、次いで、3.0℃/で8
0℃の温度に上げさせる。次いで、オーブン温度は、5
℃/分で240℃の最終温度に上がり、次いで240℃に5分
間保持する。
校正溶液の1μ部分をガスクロマトグラフに注入し
て、存在する各種の化合物の保持時間および応答因子を
確立する。試料溶液の1μ部分をガスクロマトグラフ
に注入し、次いで、校正溶液ガスクロマトグラフと比較
して各種の化合物を同定する。試料溶液中の各化合物の
量(mg/mlまたはppm)を次の通り計算する: b.エタノール、メタノールおよびアセトアルデヒドの充
填カラムガスクロマトグラフィー分析 内標準溶液は、n−プロパノール(0.2ml)を250ml容
量のフラスコに加え、次いで、蒸留水で所定容量に希釈
することによって調製する。
アセトアルデヒドストック溶液も、蒸留水5mlを25ml
容量のフラスコに加えることによって調製する。アセト
アルデヒド(1ml)を加え、アセトアルデヒドストック
溶液を蒸留水で所定容量に希釈する。
校正溶液は、蒸留水300mlを500ml容量のフラスコに加
えた後、エタノール10ml、メタノール1mlおよびストッ
クアセトアルデヒド溶液8mlを加えることによって調製
する。この校正溶液を蒸留水で所定容量に希釈する。
校正試料は、校正溶液1mlおよび内標準溶液1mlを1ド
ラムのバイアルにピペットで分注することによって調製
する。
試料溶液は、試料1mlおよび内標準溶液1mlを1ドラム
のバイアルにピペットで分注することによって調製す
る。
火炎イオン化検出器付きのヒューレット−パッカード
5890ガスクロマトグラフを分析で使用する。ヒューレッ
ト−パッカード3390A積分器を使用して、データをガス
クロマトグラフから得る。下記条件を使用する: 空気流量:38psi 水素流量:12psi 窒素流量:25ml/分 カルボパック(Carbopack)B/5% 80/120メッシュ充填カラム(2mm×6フィート)をガ
スクロマトグラフの場合に使用する。
オーブンを2分かけて80℃に加熱し、次いで、8.0℃
/分で120℃の温度に上げさせる。インゼクター温度は1
50℃であるのに対し、検出器温度は200℃である。
校正試料の1μ部分をガスクロマトグラフに注入し
て、エタノール、メタノールおよびアセトアルデヒドの
場合の保持時間および応答因子を確立する。試料溶液の
1μ部分をガスクロマトグラフに注入し、次いで、校
正試料ガスクロマトグラフと比較して各種の化合物を同
定する。試料溶液中の各化合物の量(mg/mlまたはppm)
を次の通り計算する: 3.ストリッパー油揮発物の毛管カラムガスクロマトグラ
フィー分析 標準混合物は、オレンジ油に存在する下記化合物をフ
ラスコ以下の表示量で加えることによって調製する: 内部標準溶液も、小容量(10〜20ml)の酢酸エチルを
100ml容量のフラスコに加えることによって調製する。
プロピルベンゼン(300μ)を加え、次いで、内部標
準溶液を酢酸エチルで所定容量に希釈する。
校正溶液は、標準混合物溶液1mlおよび内標準溶液1ml
を1ドラムのバイアルに加えることによって調製する。
試料溶液は、先ずピペットを試料の一部分で2回すず
き、次いで、試料1mlおよび内標準溶液1mlを1ドラムの
バイアルにピペットで分注することによって調製する。
毛管カラムインゼクター付きのヒューレット−パッカ
ード5880Aガスクロマトグラフを分析で使用する。ベー
シックプログラムを有するヒューレット−パッカード33
57ミニコンピューターを使用して、データをガスクロマ
トグラフから得る。下記条件を使用する: 空気流量:250ml/分 水素流量:30ml/分 窒素流量:30ml/分(メーキャップガス) ヘリウム流量:3ml/分(キャリヤーガス)(20psi設定) スプリット流:150ml/分 隔壁パージ流:3ml/分 DX−4融解シリカ毛管カラム (0.32mm×30m、J&Wサイエンティフィック)をガス
クロマトグラフの場合に使用する。
オーブンを55℃で5分間加熱し、次いで、2℃/分で
120℃の温度に上げさせる。次いで、オーブン温度は、
1.5℃/分で160℃の温度に上がり、次いで、4℃/分で
220℃の最終温度に上がり、次いで、220℃に10分間保持
する。
校正溶液の1μ部分をガスクロマトグラフに注入し
て、存在する各種の化合物の場合の保持時間および応答
因子を確立する。試料溶液の1μ部分をガスクロマト
グラフに注入し(溶剤プラグ技術使用)、次いで校正溶
液ガスクロマトグラフと比較して各種の化合物を同定す
る。試料溶液中の各化合物の量を次の通り計算する: 4.蒸発オレンジジュース濃縮物 a.粘度 100rpmで回転されるNo.6または7スピンドルを有する
RVTブルックフィールド粘度計を使用する以外は、ジュ
ース濃縮物の粘度を供給ジュースの場合のE(1)
(d)と同じ方法によって測定する。
b.ペクチンエステラーゼ活性 この方法は、ジュースまたはジュース濃縮物中の酵素
ペクチンメチルエステラーゼ(ペクチンエステラーゼ)
の活性の程度を測定する。
2M塩化ナトリウムストック溶液は、塩化ナトリウム5
8.45gを500ml容量のフラスコに入れ、蒸留水を標線まで
加え、次いで、塩化ナトリウムが完全に溶解するまで振
とうすることによって調製する。
1%ペクチン/塩溶液は、次の通り調製する:2M塩化
ナトリウムストック溶液の75ml部分を1容量のフラス
コに入れ、次いで、蒸留水で標線まで希釈する。次い
で、ブレンダージャー(7−リングブレンダー)にこの
溶液の約3/4を充填する。可変変圧器を使用して、ブレ
ンダーを約40%設定値で走行する。純粋な柑橘ペクチン
(10±0.1g)をブレンダージャーにゆっくりと振りかけ
るように入れた後、塩溶液の残りの1/4を加える。次い
で、この1%ペクチン/塩溶液を約1分間ブレンドす
る。
試料中のペクチンエステラーゼ活性は、次の通り測定
する:1%ペクチン/塩溶液の100ml部分を250mlのビーカ
ーに入れ、このビーカーを水浴を使用することによって
35℃±1℃の温度とさせる。次いで、11.8゜Brixに希釈
されたジュース濃縮物試料10mlをビーカー中の溶液にピ
ペットで分注する。磁気撹拌機を溶液に入れた後、pH計
電極〔フィッシャー(Fisher)滴定装置II Fep〕を挿入
し、次いで、溶液をゆっくりと撹拌する。溶液のpHを7.
5よりも正にわずかに上のpH、例えば、7.6に上げるのに
十分な0.10N NaOH溶液を加える。溶液のpHが正確に7.5
に下がった時に、0.02N NaOHは、pHをできるだけ7.5に
近く保持するであろう速度で10分間加える。この10分の
期間で必要とされる0.02N NaOHのml数を下記計算で使用
して、゜Brix当たりのジュース濃縮物試料のペクチンエ
ステラーゼ活性(P.E.単位)を求める。
P.E.単位/゜Brix=〔(0.02N NaOHml) 0.02〕/〔(試料の゜Brix)×100〕
【図面の簡単な説明】
図は本発明の場合に使用する好ましい蒸発濃縮システム
を概略的に示す図である。 10……蒸発濃縮システム、E1、E2、E3、E4、E5、E6、E7
……蒸発段階、FJ……供給ジュース。
フロントページの続き (72)発明者 ルドルフ、ゴットフリード、カール、ス トローベル アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナ チ、トンプソン、ロード、7305 (72)発明者 チー‐フェイ、ツァイ アメリカ合衆国オハイオ州、ウェスト、 チェスター、シンバーウッド、ドライ ブ、6757

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 加工可能なオレンジ果物を選び; (B) 選ばれた果物を (1) ジュースを商業的ジュース抽出器中で選ばれた
    果物から穏やかに抽出して滴定可能な果皮油約0.015%
    以下、好ましくは0.006〜0.010%を有する抽出ジュース
    を与え; (2) 非ジュース物質を抽出ジュースから穏やかにか
    つ迅速に除去して部分仕上ジュースを与え; (3) 知覚可能な肉じょう(pulp)を部分仕上ジュー
    スから除去して、知覚可能な肉じょうを実質上含まずか
    つ (a) 8℃の温度での粘度少なくとも約10センチポア
    ズ、好ましくは7〜10センチポアズ;および (b) 沈降性肉じょう少なくとも約10%を有する完全
    仕上ジュースを与え; (4) 沈降性肉じょうの少なくとも若干を完全仕上ジ
    ュースから除去して、 (a) 8℃の温度での粘度約10センチポアズ以下; (b) 沈降性肉じょう約10%以下、好ましくは約7%
    〜約10%; (c) 滴定可能な果皮油約0.015%以下、好ましくは
    約0.006〜約0.010%; (d) 100ml当たり約175mg以下のフラバノイドグリコ
    シド を有する供給ジュースを与える ことによって加工する ことを特徴とする商業的供給ジュースをオレンジ果物か
    ら得る方法。
  2. 【請求項2】商業的ジュース抽出器が往復カップ型であ
    り、ジュース収率が少なくとも約90%、好ましくは約92
    %〜約95%である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】完全仕上ジュースが、粘度約12〜約30セン
    チポアズおよび沈降性肉じょう約12〜約30%を有する、
    請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】供給ジュースが、100ml当たり約100〜約17
    5mgのフラバノイドグリコシドを有する、請求項1、2
    または3に記載の方法。
  5. 【請求項5】工程(B)(1)前に、選ばれた果物を脱
    油する工程を更に含む、請求項1、2または3に記載の
    方法。
  6. 【請求項6】供給ジュース中のアセトアルデヒドとメタ
    ノールと酪酸エチルと3−ヒドロキシヘキサン酸エチル
    とバレンセンとの合計量対ヘキサナールとα−ピネンと
    ミルセンとデカナールとリナロールとオクタナールとの
    合計量の比率が、約8.5〜約21.5である、請求項1、
    2、3、4または5に記載の方法。
  7. 【請求項7】商業的ジュース抽出器がリーマー型または
    回転ディスク型であり、工程(B)(2)を振動篩を使
    用して実施する、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】知覚可能な肉じょうを実質上含まずかつ (a) 8℃の温度での粘度約10センチポアズ以下、好
    ましくは約7〜約10センチポアズ; (b) 沈降性肉じょう約10%以下、好ましくは約7%
    〜約10%; (c) 滴定可能な果皮油約0.015%以下、好ましくは
    約0.006〜約0.010%;および (d) 100ml当たり約175mg以下、好ましくは約100〜
    約175mgのフラバノイドグリコシド を有する商業的バレンシアオレンジ供給ジュース。
  9. 【請求項9】バレンジアオレンジ果物から得られる、請
    求項8に記載の供給ジュース。
  10. 【請求項10】供給ジュース中のアセトアルデヒドとメ
    タノールと酪酸エチルと3−ヒドロキシヘキサン酸エチ
    ルとバレンセンとの合計量対ヘキサナールとα−ピネン
    とミルセンとデカナールとリナロールとオクタナールと
    の合計量の比率が、約8.5〜約21.5である、請求項8ま
    たは9に記載の供給ジュース。
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