JP2715182C - - Google Patents
Info
- Publication number
- JP2715182C JP2715182C JP2715182C JP 2715182 C JP2715182 C JP 2715182C JP 2715182 C JP2715182 C JP 2715182C
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mount
- main body
- exposure apparatus
- reticle
- lens barrel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 claims description 14
- 230000003287 optical Effects 0.000 claims description 8
- 239000000758 substrate Substances 0.000 claims description 8
- 238000007689 inspection Methods 0.000 claims description 4
- 239000000428 dust Substances 0.000 claims description 3
- 239000012190 activator Substances 0.000 claims 1
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 12
- 238000005286 illumination Methods 0.000 description 7
- 230000001629 suppression Effects 0.000 description 5
- 230000001965 increased Effects 0.000 description 4
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 4
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 3
- 230000004304 visual acuity Effects 0.000 description 3
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 239000012530 fluid Substances 0.000 description 2
- 230000002829 reduced Effects 0.000 description 2
- 240000004282 Grewia occidentalis Species 0.000 description 1
- 230000002238 attenuated Effects 0.000 description 1
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 1
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing Effects 0.000 description 1
- 230000002542 deteriorative Effects 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 230000002708 enhancing Effects 0.000 description 1
- 230000005484 gravity Effects 0.000 description 1
- 238000002955 isolation Methods 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- QSHDDOUJBYECFT-UHFFFAOYSA-N mercury Chemical compound [Hg] QSHDDOUJBYECFT-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052753 mercury Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 1
- 230000036961 partial Effects 0.000 description 1
- 230000002250 progressing Effects 0.000 description 1
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、半導体素子製造などに用いられる露光装置に関し、特には装置本体
の振動を制振するためのアクチュエータを有する露光装置に関するものである。 [従来技術] 半導体素子の微細化と高集積化はとどまることを知らず進歩を続けている。半
導体素子製造に用いられる露光装置としては、逐次移動型投影露光装置いわゆる
ステッパーと呼ばれる装置が主力機種であり、今後の超微細デバイスの製造にお
いてもその座を譲らないであろうと予測されている。そのため、素子の微細化の
ためにステッパーの解像力を向上させることは、今後さらに強い要求となる。 解像力はレイリーの式にのっとり、 Re=k・λ/NA で表わされる。そこで従来は、露光波長をg線(波長436nm)に固定したま
ま、投影レンズの開口数(NA)を大きくすることで解像力の向上を図ってきた
。しかし、NAの増加と共に焦点深度が減少し、他方投影レンズの設計、製造も
限界に達したため、今後のサブミクロン世代を担うためには露光光の波長を短く
せざるをえない状況になってきている。現在i線(波長365nm)ステッパー
は実用化の段階に入っており、その次の世代にはKrFエキシマレーザー(波長
248nm)を光源とするエキシマステッパーが有望視されている。 しかし、ここでエキシマステッパーを実用化するにあたり、従来のステッパー
にない問題も生じている。エキシマレーザー光源は、g線やi線を発光する高圧
水銀灯光源に比べかなり大型な光源ユニットになる。そのため従来のように、露
光装置本体にエキシマレーザー光源を載置した場合、露光装置の大型化および大
重量化を招くことになり実用上好ましくない。そこで、光源をステッパー本体と
は別置きに配置することが有効な対策とされる。しかしながら、このようにステ
ッパー本体と光源を分離することにより、両者の相対的位置関係が露光装置の基
本性能に大きく影響を与えることになる。例えば、ステッパーの姿勢変化に伴う
相対位置関係の変化によりレーザー光の光軸偏差や入射角偏差が生じる。そして
、それに起因した照度ムラ発生により、露光精度劣化や照度の劣化によるスルー
プットの低下などの問題が起きる。レーザービーム径の大径化などの対策方法も
あるが、結果的にはスループットの低下というデメリットとなる。 一方、解像力、スループットおよびアライメント精度を高める手段の一つとし
て、ステッパーの制振技術の向上がある。ステッパーで問題となる振動には周辺
環境(床等)からの伝達振動、および装置内可動部より発生する振動がある。こ
れらの振動を抑える技術として、従来は、装置本体を支持するマウント部にバネ
力と減衰力を持たせた除振台が利用されている。すなわち、床からの振動は、マ
ウントのバネ定数を下げることにより装置の共振周波数を下げ、振動絶縁領域を
広くして伝達率を低く抑えている。また、装置内部で発生する振動に対しては、
マウント部の減衰率を高めることで振動エネルギーを散逸させ、短時間での収束
安定を果たしている。 また、近年上記のようなバネ定数および減衰率固定式の単純マウントに代わり 、フィードバック制御系をもち可変復元力を発生するマウント(以後、サーボマ
ウントと呼ぶ)が市販されている。このサーボマウントは、マウントにより支持
される装置本体の加速度の計測値に基づき、振動の減衰を強めるように位相補正
された力を電磁力または流体圧によるアクチュエータで発生させ、装置の無共振
化と制振効果を図ったもので、現在精密機器の制振支持装置として用いられてい
る。 これらの単純マウントやサーボマウントは、装置の制振のためにその効果を発
揮してきたが、対象がステッパーの場合には次のような問題を生じている。ステ
ッパーは装置上のXYステージがステップ移動を行うため、装置本体の重心が逐
次変化する。このため、前述の従来用いられているマウントを制振支持装置とし
て使用する場合、ステップ動作毎に異なる状態で発生する振動を短時間で制振す
ることが困難となり、常にステッパを所定の姿勢に維持することが困難となる。
したがって、前述した別置き型光源を用いた場合には、このステッパーの姿勢変
化により光源装置とステッパーとの相対位置の変化が残ることとなり、レーザー
光入光部での光軸偏差を起こす原因となる。 [本発明が解決しようとしている課題] 従来例では、装置本体の水平レベルを保持するために、制振マウントにオート
レベリング機構をもたせたものもある。例えば、エアバネを用いたマウントの場
合、複数のマウント脚部が、それぞれ独立で鉛直方向位置の設定値に対する偏差
量に比例してメカ機構によるバルブの閉開を行い、これにより装置本体の水平を
保持している。 しかしながら、この従来例では、メカ機構のヒステリシスのためエキシマステ
ッパーで要求する姿勢保持精度数百μmを実現するのは困難である。さらに、鉛
直方向のみならず水平方向の位置決めに至っては、上記の制振マウントでは全く
対処できない。 本発明は、上述の従来形における問題点に鑑み、装置本体部の振動を短時間で
減衰させることにより、別置きの光源と露光装置本体部との相対位置関係の変化
による露光精度の劣化や露光光の照度の劣化を抑えた高精度で高スループットの
露光装置を提供することを目的とする。 [課題を解決するための手段および作用] 上記の目的を達成するため、本発明は、原板(レチクル3)上のパターンを基
板(ウェハ7)上の複数領域に投影光学系(投影レンズ5)を介して順に投影)
、露光するために前記基板をステップ移動させる露光装置において、前記投影光
学系を含む本体部とは別置きに配置された光源と、前記投影光学系を支持する鏡
筒定盤(鏡筒定盤6)を空気バネ(エアバネ18)を用いて支持する複数のマウ
ント(マウント12)と、前記マウントのそれぞれを固定する固定フレーム(マ
ウントフレーム20)と、前記鏡筒定盤の振動を制振するための力を前記固定フ
レーム側から前記鏡筒定盤に作用させるアクチュエータ(X方向アクチュエータ
13またはY方向アクチュエータ14)を有し、XYZ方向とXYZそれぞれの
回転方向で表される6自由度の絶対位置決めを行う前記アクチュエータを用いて
、別置きの前記光源と前記本体部との相対位置を維持するとともに、前記本体部
と別置きで支持される基板を受け渡す搬送系、レチクルを照明するための照明系
、レチクルチェンジャおよびレチクルゴミ検査装置のうちの少なくとも1つと前
記本体部との相対位置を維持することを特徴としている。 またより好ましくは、上記鏡筒定盤と一体的に振動する部分加速度ピックアッ
プセンサ(加速度ピックアップセンサ16)を有している。 本発明は、露光装置の装置本体部(鏡筒定盤)をエアバネを用いた複数のマウ
ントで支持し、該装置本体部に対する制振機能に加えて位置決め機能も有するア
クチュエータを利用して、装置本体の6自由度絶対位置決めを可能にした。また
、本発明によって、前記装置本体と別置きで支持される種々の機能部との相対位
置関係を維持する。種々の機能部とは、例えばXYステージとの間で基板(ウェ
ハ)を受け渡す搬送系、レチクルを照明するための照明系、レチクルチェンジャ
、またはレチクルゴミ検査装置等がある。 [実施例] 以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。 第1図は、本発明の一実施例に係る露光装置の基本構成を表す装置正面図であ
る。また、第2図はこの露光装置のマウント部詳細図、第3図はマウント部アク
チュエータ配置を示すマウント部平面図である。 第1図において、1は入光部(レーザー光導入部)より入光したレーザービー
ムをレチクル上部まで導くところの照明系、2はレチクル基準マークに対するレ
チクル位置の検出およびレチクルに対するウェハ位置の検出をするところのアラ
イメントスコープ、3は転写すべきパターンを有するレチクル、4はレチクル3
およびアライメントスコープ2を支持する外筒、5はレチクル3上に形成された
パターンをウェハ上に縮小投影する投影レンズ、6は投影レンズ5、照明系1お
よび外筒4を支持する鏡筒定盤、7はウェハ、8はウェハ7を支持しX方向に移
動可能なXステージ、9はXステージ8を支持しY方向に移動可能なYステージ
、10はYステージ9を支持するステージ定盤、11は鏡筒定盤6およびステー
ジ定盤10を支持する基礎定盤である。 本発明の説明において、装置本体部の姿勢および絶対位置とは、この基礎定盤
11が支持する構成要素を一つの剛体と見なし6自由度の値(X,Y,Z方向と
X,Y,Z方向それぞれの回転方向)で表現される位置を指す。12は基礎定盤
11を支持するマウントで、基礎定盤11の4隅に固定されたそれぞれ4つのユ
ニットはフレームで結合されており、本実施例の特徴とする要素である。 31はこの露光装置全体の動作を制御する制御装置、32は主として4つのマ
ウント12の動作を制御するマウント制御装置、33は4つのマウント12のそ
れぞれのアクチュエータを駆動する駆動装置を示す。 次に、第1図の構成において、この露光装置の動作を説明する。 不図示のウェハ搬送系によりウェハ7がXYステージ8,9に搬送されると、
制御装置31からウェハ7の露光すべき位置(露光開始位置)にステップ動作す
るための駆動信号が出力される。それに応じて、XまたはYステージ8,9がス
テップする。ステップ終了時に、アライメントスコープ2により最終的な位置計
測が行われ、その信号のフィードバックによりステージ8,9の位置決めは完了
する。 一方、床からの振動やステージ移動にともなう振動あるいはステージ偏荷重に
よる姿勢変化は、後述するようにマウント12により計測され加速度信号および
変位信号としてマウント制御装置32にフィードバックされる。これにより装置
本体部の素早い振動減衰(制振)と位置決めとが行われる。制振と位置決めとが 行なわれると、マウント制御装置32は制御装置31に完了信号を送出する。 アライメントスコープ2とマウント制御装置32から完了信号を受け取った制
御装置31は、レーザー光源である光源装置の発光の指令信号を出す。光源より
発光したレーザー光は、露光装置本体部の照明系1、レチクル3、投影レンズ5
を通ってウェハ7に照射され、これによりウェハ7が露光される。 さらに第2図および第3図を参照して、第1図の露光装置のマウント12につ
いて詳しく説明する。なお、これらの図において第1図と同一の付番は同一の部
材を示すものとする。 この実施例の露光装置は、4基のマウント12を備えている。各々のマウント
12はマウントフレーム20によって固定されている。各マウント12は3方向
のアクチュエータを有する。Z方向(鉛直方向であり第3図の紙面に垂直な方向
)アクチュエータ18としてはエアバネアクチュエータなどを用いることが可能
である。また、X方向アクチュエータ13およびY方向アクチュエータ14とし
ては、ボイスコイル型アクチュエータ、エアシリンダ型アクチュエータまたはエ
アバネアクチュエータなどを用いることが可能である。 これらのX,Y,Z方向のアクチュエータ13,14,18の取付においては
、5自由度の力を逃がす構造が必要である。本実施例においては以下のようにし
ている。まず、Z方向は従来のサーボマウントと同様に、積層ゴム15を間に介
してエアバネ18をマウントフレーム20に弾性支持するようにしている。これ
により、X,Y方向のスラスト力およびX,Y,Z方向の回りの回転力を逃がし
ている。また、X方向およびY方向については、4基のマウント12がマウント
フレーム20に固定支持されているため、アクチュエータ13,14から基礎定
盤11の力作用点までをロッド21を介して接続するようにしている。これによ
り、スラスト力や回転力をロッド21の変形により吸収し逃がしている。露光装
置本体部の姿勢変化は、現在マウント部の変位量で最大数ミリ程度にすることが
可能なので実用上上記の機構で充分である。 次に、振動および位置制御のためのセンサとしては加速度ピックアップセンサ
16と変位センサ17を用いている。加速度ピックアップセンサ16はマウント
12内の可動部(基礎定盤と一体である部分)に取り付けられている。変位セン サ17はマウントフレーム20(固定部)に取り付けてあり、そこからマウント
12の可動部の変位量を計測している。 これらのセンサ16,17の個数には、その制御系の形態によりいくつかのバ
リエーションがある。例えば、4基のマウント12が独立の制御系で構成された
場合、個々のマウント12に3自由度の加速度ピックアップ16と3自由度の変
位センサ17とが必要となる。また、センサの数をさらに少なくすることを考慮
するならば、4基のマウント12の総合制御により、加速度ピックアップ16は
全部で3自由度×2、変位センサ17も3自由度×2あればよい。しかし、セン
サの数は少なくしないほうが制御系の演算が速く応答性がよい。 本実施例の第3図のように、4基のマウント12を、第1マウント12−1、
第2マウント12−2、第3マウント12−3および第4マウント12−4と呼
ぶこととする。Z方向の加速度ピックアップ17は4基のすべてのマウント12
に取り付けた。X方向の加速度ピックアップ17は、第1マウント12−1と第
3マウント12−3に取り付けた。Y方向の加速度ピックアップ17は、第2マ
ウント12−2と第4マウント12−4に取り付けた。これらの加速度ピックア
ップ17からの信号はマウント制御装置32にフィードバックされる。 また、Z方向の変位センサ17は、第1マウント12−1、第2マウント12
−2、および第3マウント12−3に取り付けた。X方向の変位センサ17は、
第1マウント12−1と第3マウント12−3に取り付けた。Y方向の変位セン
サ17は第4マウント12−4に取り付けた。それぞれの変位センサ17から出
力された信号は、マウント制御装置32にフィードバックされる。 次に、4基のマウント12のアクチュエータ動作について説明する。Z方向の
運動とX軸回りそしてY軸回りの運動に関しては、4基のマウントのZ方向アク
チュエータにより制振と位置決めが行われる。XY面内の運動に関しては、対向
した同一方向のアクチュエータ(例えば、第1マウント12−1のX方向アクチ
ュエータ13と第2マウント12−2のX方向のアクチュエータ13)を1対と
して、XYの4対から発生する力でコントロールされる。X方向の運動に関して
は、2対のX方向アクチュエータ13で制振と位置決めが行われる。同様に、Y
方向は2対のY方向アクチュエータ14で制振と位置決めが行われる。そして、 Z軸回りの運動に関しては、2対のX方向および2対のY方向アクチュエータ1
3,14からそれぞれ発生させることのできる偶力によって制振と位置決めが行
われる。 [発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、空気バネを用いた複数のマウントで支
持されている鏡筒定盤の振動を制振するためのアクチュエータの力を各マウント
を固定する固定フレーム側から鏡筒定盤に作用させるようにしているので、鏡筒
定盤の振動を常に短時間で減衰させることができ、その姿勢を常に所定に維持で
きる。このため、本発明によれば、XYZ方向とXYZそれぞれの回転方向で表
される6自由度の絶対位置決めを行う前記アクチュエータを用いて、別置きの前
記光源と前記本体部との相対位置を維持するとともに、前記本体部と別置きで支
持される基板を受け渡す搬送系、レチクルを照明するための照明系、レチクルチ
ェンジャおよびレチクルゴミ検査装置のうちの少なくとも1つと前記本体部との
相対位置を維持することにより、高精度且つ高スループットな露光装置を実現す
ることができる。
の振動を制振するためのアクチュエータを有する露光装置に関するものである。 [従来技術] 半導体素子の微細化と高集積化はとどまることを知らず進歩を続けている。半
導体素子製造に用いられる露光装置としては、逐次移動型投影露光装置いわゆる
ステッパーと呼ばれる装置が主力機種であり、今後の超微細デバイスの製造にお
いてもその座を譲らないであろうと予測されている。そのため、素子の微細化の
ためにステッパーの解像力を向上させることは、今後さらに強い要求となる。 解像力はレイリーの式にのっとり、 Re=k・λ/NA で表わされる。そこで従来は、露光波長をg線(波長436nm)に固定したま
ま、投影レンズの開口数(NA)を大きくすることで解像力の向上を図ってきた
。しかし、NAの増加と共に焦点深度が減少し、他方投影レンズの設計、製造も
限界に達したため、今後のサブミクロン世代を担うためには露光光の波長を短く
せざるをえない状況になってきている。現在i線(波長365nm)ステッパー
は実用化の段階に入っており、その次の世代にはKrFエキシマレーザー(波長
248nm)を光源とするエキシマステッパーが有望視されている。 しかし、ここでエキシマステッパーを実用化するにあたり、従来のステッパー
にない問題も生じている。エキシマレーザー光源は、g線やi線を発光する高圧
水銀灯光源に比べかなり大型な光源ユニットになる。そのため従来のように、露
光装置本体にエキシマレーザー光源を載置した場合、露光装置の大型化および大
重量化を招くことになり実用上好ましくない。そこで、光源をステッパー本体と
は別置きに配置することが有効な対策とされる。しかしながら、このようにステ
ッパー本体と光源を分離することにより、両者の相対的位置関係が露光装置の基
本性能に大きく影響を与えることになる。例えば、ステッパーの姿勢変化に伴う
相対位置関係の変化によりレーザー光の光軸偏差や入射角偏差が生じる。そして
、それに起因した照度ムラ発生により、露光精度劣化や照度の劣化によるスルー
プットの低下などの問題が起きる。レーザービーム径の大径化などの対策方法も
あるが、結果的にはスループットの低下というデメリットとなる。 一方、解像力、スループットおよびアライメント精度を高める手段の一つとし
て、ステッパーの制振技術の向上がある。ステッパーで問題となる振動には周辺
環境(床等)からの伝達振動、および装置内可動部より発生する振動がある。こ
れらの振動を抑える技術として、従来は、装置本体を支持するマウント部にバネ
力と減衰力を持たせた除振台が利用されている。すなわち、床からの振動は、マ
ウントのバネ定数を下げることにより装置の共振周波数を下げ、振動絶縁領域を
広くして伝達率を低く抑えている。また、装置内部で発生する振動に対しては、
マウント部の減衰率を高めることで振動エネルギーを散逸させ、短時間での収束
安定を果たしている。 また、近年上記のようなバネ定数および減衰率固定式の単純マウントに代わり 、フィードバック制御系をもち可変復元力を発生するマウント(以後、サーボマ
ウントと呼ぶ)が市販されている。このサーボマウントは、マウントにより支持
される装置本体の加速度の計測値に基づき、振動の減衰を強めるように位相補正
された力を電磁力または流体圧によるアクチュエータで発生させ、装置の無共振
化と制振効果を図ったもので、現在精密機器の制振支持装置として用いられてい
る。 これらの単純マウントやサーボマウントは、装置の制振のためにその効果を発
揮してきたが、対象がステッパーの場合には次のような問題を生じている。ステ
ッパーは装置上のXYステージがステップ移動を行うため、装置本体の重心が逐
次変化する。このため、前述の従来用いられているマウントを制振支持装置とし
て使用する場合、ステップ動作毎に異なる状態で発生する振動を短時間で制振す
ることが困難となり、常にステッパを所定の姿勢に維持することが困難となる。
したがって、前述した別置き型光源を用いた場合には、このステッパーの姿勢変
化により光源装置とステッパーとの相対位置の変化が残ることとなり、レーザー
光入光部での光軸偏差を起こす原因となる。 [本発明が解決しようとしている課題] 従来例では、装置本体の水平レベルを保持するために、制振マウントにオート
レベリング機構をもたせたものもある。例えば、エアバネを用いたマウントの場
合、複数のマウント脚部が、それぞれ独立で鉛直方向位置の設定値に対する偏差
量に比例してメカ機構によるバルブの閉開を行い、これにより装置本体の水平を
保持している。 しかしながら、この従来例では、メカ機構のヒステリシスのためエキシマステ
ッパーで要求する姿勢保持精度数百μmを実現するのは困難である。さらに、鉛
直方向のみならず水平方向の位置決めに至っては、上記の制振マウントでは全く
対処できない。 本発明は、上述の従来形における問題点に鑑み、装置本体部の振動を短時間で
減衰させることにより、別置きの光源と露光装置本体部との相対位置関係の変化
による露光精度の劣化や露光光の照度の劣化を抑えた高精度で高スループットの
露光装置を提供することを目的とする。 [課題を解決するための手段および作用] 上記の目的を達成するため、本発明は、原板(レチクル3)上のパターンを基
板(ウェハ7)上の複数領域に投影光学系(投影レンズ5)を介して順に投影)
、露光するために前記基板をステップ移動させる露光装置において、前記投影光
学系を含む本体部とは別置きに配置された光源と、前記投影光学系を支持する鏡
筒定盤(鏡筒定盤6)を空気バネ(エアバネ18)を用いて支持する複数のマウ
ント(マウント12)と、前記マウントのそれぞれを固定する固定フレーム(マ
ウントフレーム20)と、前記鏡筒定盤の振動を制振するための力を前記固定フ
レーム側から前記鏡筒定盤に作用させるアクチュエータ(X方向アクチュエータ
13またはY方向アクチュエータ14)を有し、XYZ方向とXYZそれぞれの
回転方向で表される6自由度の絶対位置決めを行う前記アクチュエータを用いて
、別置きの前記光源と前記本体部との相対位置を維持するとともに、前記本体部
と別置きで支持される基板を受け渡す搬送系、レチクルを照明するための照明系
、レチクルチェンジャおよびレチクルゴミ検査装置のうちの少なくとも1つと前
記本体部との相対位置を維持することを特徴としている。 またより好ましくは、上記鏡筒定盤と一体的に振動する部分加速度ピックアッ
プセンサ(加速度ピックアップセンサ16)を有している。 本発明は、露光装置の装置本体部(鏡筒定盤)をエアバネを用いた複数のマウ
ントで支持し、該装置本体部に対する制振機能に加えて位置決め機能も有するア
クチュエータを利用して、装置本体の6自由度絶対位置決めを可能にした。また
、本発明によって、前記装置本体と別置きで支持される種々の機能部との相対位
置関係を維持する。種々の機能部とは、例えばXYステージとの間で基板(ウェ
ハ)を受け渡す搬送系、レチクルを照明するための照明系、レチクルチェンジャ
、またはレチクルゴミ検査装置等がある。 [実施例] 以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。 第1図は、本発明の一実施例に係る露光装置の基本構成を表す装置正面図であ
る。また、第2図はこの露光装置のマウント部詳細図、第3図はマウント部アク
チュエータ配置を示すマウント部平面図である。 第1図において、1は入光部(レーザー光導入部)より入光したレーザービー
ムをレチクル上部まで導くところの照明系、2はレチクル基準マークに対するレ
チクル位置の検出およびレチクルに対するウェハ位置の検出をするところのアラ
イメントスコープ、3は転写すべきパターンを有するレチクル、4はレチクル3
およびアライメントスコープ2を支持する外筒、5はレチクル3上に形成された
パターンをウェハ上に縮小投影する投影レンズ、6は投影レンズ5、照明系1お
よび外筒4を支持する鏡筒定盤、7はウェハ、8はウェハ7を支持しX方向に移
動可能なXステージ、9はXステージ8を支持しY方向に移動可能なYステージ
、10はYステージ9を支持するステージ定盤、11は鏡筒定盤6およびステー
ジ定盤10を支持する基礎定盤である。 本発明の説明において、装置本体部の姿勢および絶対位置とは、この基礎定盤
11が支持する構成要素を一つの剛体と見なし6自由度の値(X,Y,Z方向と
X,Y,Z方向それぞれの回転方向)で表現される位置を指す。12は基礎定盤
11を支持するマウントで、基礎定盤11の4隅に固定されたそれぞれ4つのユ
ニットはフレームで結合されており、本実施例の特徴とする要素である。 31はこの露光装置全体の動作を制御する制御装置、32は主として4つのマ
ウント12の動作を制御するマウント制御装置、33は4つのマウント12のそ
れぞれのアクチュエータを駆動する駆動装置を示す。 次に、第1図の構成において、この露光装置の動作を説明する。 不図示のウェハ搬送系によりウェハ7がXYステージ8,9に搬送されると、
制御装置31からウェハ7の露光すべき位置(露光開始位置)にステップ動作す
るための駆動信号が出力される。それに応じて、XまたはYステージ8,9がス
テップする。ステップ終了時に、アライメントスコープ2により最終的な位置計
測が行われ、その信号のフィードバックによりステージ8,9の位置決めは完了
する。 一方、床からの振動やステージ移動にともなう振動あるいはステージ偏荷重に
よる姿勢変化は、後述するようにマウント12により計測され加速度信号および
変位信号としてマウント制御装置32にフィードバックされる。これにより装置
本体部の素早い振動減衰(制振)と位置決めとが行われる。制振と位置決めとが 行なわれると、マウント制御装置32は制御装置31に完了信号を送出する。 アライメントスコープ2とマウント制御装置32から完了信号を受け取った制
御装置31は、レーザー光源である光源装置の発光の指令信号を出す。光源より
発光したレーザー光は、露光装置本体部の照明系1、レチクル3、投影レンズ5
を通ってウェハ7に照射され、これによりウェハ7が露光される。 さらに第2図および第3図を参照して、第1図の露光装置のマウント12につ
いて詳しく説明する。なお、これらの図において第1図と同一の付番は同一の部
材を示すものとする。 この実施例の露光装置は、4基のマウント12を備えている。各々のマウント
12はマウントフレーム20によって固定されている。各マウント12は3方向
のアクチュエータを有する。Z方向(鉛直方向であり第3図の紙面に垂直な方向
)アクチュエータ18としてはエアバネアクチュエータなどを用いることが可能
である。また、X方向アクチュエータ13およびY方向アクチュエータ14とし
ては、ボイスコイル型アクチュエータ、エアシリンダ型アクチュエータまたはエ
アバネアクチュエータなどを用いることが可能である。 これらのX,Y,Z方向のアクチュエータ13,14,18の取付においては
、5自由度の力を逃がす構造が必要である。本実施例においては以下のようにし
ている。まず、Z方向は従来のサーボマウントと同様に、積層ゴム15を間に介
してエアバネ18をマウントフレーム20に弾性支持するようにしている。これ
により、X,Y方向のスラスト力およびX,Y,Z方向の回りの回転力を逃がし
ている。また、X方向およびY方向については、4基のマウント12がマウント
フレーム20に固定支持されているため、アクチュエータ13,14から基礎定
盤11の力作用点までをロッド21を介して接続するようにしている。これによ
り、スラスト力や回転力をロッド21の変形により吸収し逃がしている。露光装
置本体部の姿勢変化は、現在マウント部の変位量で最大数ミリ程度にすることが
可能なので実用上上記の機構で充分である。 次に、振動および位置制御のためのセンサとしては加速度ピックアップセンサ
16と変位センサ17を用いている。加速度ピックアップセンサ16はマウント
12内の可動部(基礎定盤と一体である部分)に取り付けられている。変位セン サ17はマウントフレーム20(固定部)に取り付けてあり、そこからマウント
12の可動部の変位量を計測している。 これらのセンサ16,17の個数には、その制御系の形態によりいくつかのバ
リエーションがある。例えば、4基のマウント12が独立の制御系で構成された
場合、個々のマウント12に3自由度の加速度ピックアップ16と3自由度の変
位センサ17とが必要となる。また、センサの数をさらに少なくすることを考慮
するならば、4基のマウント12の総合制御により、加速度ピックアップ16は
全部で3自由度×2、変位センサ17も3自由度×2あればよい。しかし、セン
サの数は少なくしないほうが制御系の演算が速く応答性がよい。 本実施例の第3図のように、4基のマウント12を、第1マウント12−1、
第2マウント12−2、第3マウント12−3および第4マウント12−4と呼
ぶこととする。Z方向の加速度ピックアップ17は4基のすべてのマウント12
に取り付けた。X方向の加速度ピックアップ17は、第1マウント12−1と第
3マウント12−3に取り付けた。Y方向の加速度ピックアップ17は、第2マ
ウント12−2と第4マウント12−4に取り付けた。これらの加速度ピックア
ップ17からの信号はマウント制御装置32にフィードバックされる。 また、Z方向の変位センサ17は、第1マウント12−1、第2マウント12
−2、および第3マウント12−3に取り付けた。X方向の変位センサ17は、
第1マウント12−1と第3マウント12−3に取り付けた。Y方向の変位セン
サ17は第4マウント12−4に取り付けた。それぞれの変位センサ17から出
力された信号は、マウント制御装置32にフィードバックされる。 次に、4基のマウント12のアクチュエータ動作について説明する。Z方向の
運動とX軸回りそしてY軸回りの運動に関しては、4基のマウントのZ方向アク
チュエータにより制振と位置決めが行われる。XY面内の運動に関しては、対向
した同一方向のアクチュエータ(例えば、第1マウント12−1のX方向アクチ
ュエータ13と第2マウント12−2のX方向のアクチュエータ13)を1対と
して、XYの4対から発生する力でコントロールされる。X方向の運動に関して
は、2対のX方向アクチュエータ13で制振と位置決めが行われる。同様に、Y
方向は2対のY方向アクチュエータ14で制振と位置決めが行われる。そして、 Z軸回りの運動に関しては、2対のX方向および2対のY方向アクチュエータ1
3,14からそれぞれ発生させることのできる偶力によって制振と位置決めが行
われる。 [発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、空気バネを用いた複数のマウントで支
持されている鏡筒定盤の振動を制振するためのアクチュエータの力を各マウント
を固定する固定フレーム側から鏡筒定盤に作用させるようにしているので、鏡筒
定盤の振動を常に短時間で減衰させることができ、その姿勢を常に所定に維持で
きる。このため、本発明によれば、XYZ方向とXYZそれぞれの回転方向で表
される6自由度の絶対位置決めを行う前記アクチュエータを用いて、別置きの前
記光源と前記本体部との相対位置を維持するとともに、前記本体部と別置きで支
持される基板を受け渡す搬送系、レチクルを照明するための照明系、レチクルチ
ェンジャおよびレチクルゴミ検査装置のうちの少なくとも1つと前記本体部との
相対位置を維持することにより、高精度且つ高スループットな露光装置を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係る露光装置の全体図、
第2図は、第1図の露光装置のサーボマウント詳細図、
第3図は、第1図の露光装置のサーボマウントにおけるアクチュエータ配置を
示すマウント部平面図である。 1:照明系、 2:アライメントスコープ、 3:レチクル、 5:投影レンズ、 7:ウェハ、 8:Xステージ、 9:Yステージ、 10:ステージ定盤、 12:マウント、 13:X方向アクチュエータ、 14:Y方向アクチュエータ、 15:積層ゴム、 16:加速度ピックアップ、 17:変位センサ、 18:Z方向アクチュエータ。
示すマウント部平面図である。 1:照明系、 2:アライメントスコープ、 3:レチクル、 5:投影レンズ、 7:ウェハ、 8:Xステージ、 9:Yステージ、 10:ステージ定盤、 12:マウント、 13:X方向アクチュエータ、 14:Y方向アクチュエータ、 15:積層ゴム、 16:加速度ピックアップ、 17:変位センサ、 18:Z方向アクチュエータ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 (1) 原板上のパターンを基板上の複数領域に投影光学系を介して順に投影
露光するために前記基板をステップ移動させる露光装置において、前記投影光学
系を含む本体部とは別置きに配置された光源と、前記投影光学系を支持する鏡筒
定盤を空気バネを用いて支持する複数のマウントと、前記マウントのそれぞれを
固定する固定フレームと、前記鏡筒定盤の振動を制振するための力を前記固定フ
レーム側から前記鏡筒定盤に作用させるアクチュエータとを有し、XYZ方向と
XYZそれぞれの回転方向で表される6自由度の絶対位置決めを行う前記アクチ
ュエータを用いて、別置きの前記光源と前記本体部との相対位置を維持するとと
もに、前記本体部と別置きで支持される基板を受け渡す搬送系、レチクルを照明
するための照明系、レチクルチェンジャおよびレチクルゴミ検査装置のうちの少
なくとも1つと前記本体部との相対位置を維持することを特徴とする露光装置。 (2) 上記鏡筒定盤と一体的に振動する部分に設けられた加速度ピックアッ
プセンサを有することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
Family
ID=
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5187519A (en) | Exposure apparatus having mount means to suppress vibrations | |
JP4656448B2 (ja) | 投影光学装置及び露光装置 | |
JP5348630B2 (ja) | 露光装置及びデバイス製造方法 | |
JP5348628B2 (ja) | 露光装置、露光方法及びデバイス製造方法 | |
US6999162B1 (en) | Stage device, exposure system, method of device manufacture, and device | |
JPH11329962A (ja) | ステ―ジ装置およびその駆動方法 | |
JP2004063653A (ja) | 防振装置、ステージ装置及び露光装置 | |
US20110085152A1 (en) | Vibration control apparatus, vibration control method, exposure apparatus, and device manufacturing method | |
JP6563600B2 (ja) | 振動絶縁デバイス、リソグラフィ装置、および振動絶縁システムを調節する方法 | |
JP2006086442A (ja) | ステージ装置及び露光装置 | |
CN105493237B (zh) | 移动体装置和曝光装置以及器件制造方法 | |
JP5348629B2 (ja) | 露光装置及びデバイス製造方法 | |
US20230094685A1 (en) | Stage apparatus, exposure apparatus, method of manufacturing flat panel display, and device manufacturing method | |
JP5348627B2 (ja) | 移動体装置、露光装置及びデバイス製造方法 | |
TW200302507A (en) | Stage device and exposure device | |
JP7472958B2 (ja) | 移動体装置、露光装置、及びデバイス製造方法 | |
JP2012531030A (ja) | 露光装置及びデバイス製造方法 | |
US20040145751A1 (en) | Square wafer chuck with mirror | |
JP2715182B2 (ja) | 露光装置 | |
JP2753893B2 (ja) | 露光装置 | |
US20070115451A1 (en) | Lithographic System with Separated Isolation Structures | |
JP2715182C (ja) | ||
JP2005217303A (ja) | 露光装置及びデバイスの製造方法 | |
JP2001345256A (ja) | ステージ装置および露光装置 | |
CN113544587A (zh) | 物体定位器装置及装置制造方法 |