JP2714887B2 - ナフチリジン誘導体、その製造法及びそれを含有する抗潰瘍剤 - Google Patents

ナフチリジン誘導体、その製造法及びそれを含有する抗潰瘍剤

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JP2714887B2
JP2714887B2 JP3202259A JP20225991A JP2714887B2 JP 2714887 B2 JP2714887 B2 JP 2714887B2 JP 3202259 A JP3202259 A JP 3202259A JP 20225991 A JP20225991 A JP 20225991A JP 2714887 B2 JP2714887 B2 JP 2714887B2
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利夫 栗原
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浩 奥村
富二男 小林
直樹 芦澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なナフチリジン誘導
体又はその医薬的に許容される塩、その製造法及びそれ
を含有する薬剤に関し、詳しくは胃酸分泌阻害作用と胃
粘膜保護作用を有する新規な1、8−ナフチリジン−2
(1H)−オン誘導体又はその医薬的に許容される塩、
その製造法及びそれを有効成分として含有する抗潰瘍剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】胃・十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍は、
酸やペプシンなどのいわゆる攻撃因子と、胃粘膜保護作
用や粘液合成促進作用、さらには胃粘膜血流量などのい
わゆる防御因子とのバランスがくずれて起こる自己消化
性の疾患であると説明されている。消化性潰瘍の治療は
現在では内科的治療が一般的であり、種々の薬物療法が
試みられている。
【0003】現在最も使用されている抗潰瘍剤として
は、ヒスタミンH2 受容体拮抗作用に基づくシメチジン
(Cimetidine)、ラニチジン(Ranitidine)などのいわ
ゆるH 2 −ブロッカーを挙げることができる。しかし、
これらの薬剤は副作用として抗アンドロゲン作用、肝臓
の代謝酵素阻害作用などが報告されている。
【0004】最近、胃壁細胞に存在するH+ −K+ −ア
デノシントリホスファターゼの阻害剤が優れた胃酸分泌
抑制剤となり得ることが報告されており(実験医学、第
5巻、第12号、1171頁〜1177頁(198
7))、例えば「オメプラゾール」(特開昭54−14
1783号公報)や特開昭59−18277号、特開昭
61−24589号、特開昭64−79177号公報記
載の化合物を挙げることができる。 しかしながら、こ
れらH2 −ブロッカーやH+ −K+ −アデノシントリホ
スファターゼ阻害剤は、防御因子の増強という観点から
は、何ら著明な効果を示さない。
【0005】当該研究分野においては、胃酸分泌抑制作
用と胃粘膜保護作用の両方を有する物質の探求も行われ
ており、例えば特開昭61−40287号、特開昭62
−158281号、特開昭62−228076号公報記
載の化合物などを挙げることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、胃酸
分泌抑制作用と胃粘膜保護作用の両方を具備し、かつ従
来知られている化合物よりも優れた抗潰瘍作用とより高
い安全性を有する化合物並びにその製造法を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述のよう
な状況に鑑みて、胃酸分泌抑制作用と胃粘膜保護作用の
両方を具備し、かつ従来知られている化合物よりも優れ
た抗潰瘍作用とより高い安全性を有する化合物を見出す
べく鋭意研究を行った結果、ある種の1,8−ナフチリ
ジン−2(1H)−オン誘導体がその目的に適合するこ
と見出して本発明を完成した。
【0008】すなわち本発明は、下記の一般式(I)
【化4】 (式中、R1 は水素原子、低級の直鎖状、分岐状もしく
は環状のアルキル基、アルケニル基を示し、R2 は所望
によりハロゲン原子、低級のアルキル基又はアルコキシ
基によりモノもしくはポリ置換されたフェニル基又はピ
リジル基を表わす。但し、R1 が水素原子のとき、R2
はフェニル基又は2−ピリジル基ではなく、R1 がエチ
ル基のとき、R2 はフェニル基ではない。)で表される
新規な1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン誘導体
又はその医薬的に許容される塩及び下記の一般式(II)
【化5】 (式中、R3 は水素原子、低級の直鎖状、分岐状もしく
は環状のアルキル基、アルケニル基を示し、R4 は所望
によりハロゲン原子、低級のアルキル基又はアルコキシ
基によりモノもしくはポリ置換されたフェニル基又はピ
リジル基を示す。)で表される1,8−ナフチリジン−
2(1H)−オン誘導体又はその医薬的に許容される塩
を有効成分として含有することを特徴とする抗潰瘍剤並
びに下記の一般式(III)
【化6】 (式中、R2 は請求項1に定義したものと同じ意味をも
ち、R5 は低級アルキル基を示す。)で表される化合物
に塩基を加えた後、2−アミノニコチンアルデヒドを加
え一定時間反応させ、さらに塩基を加えた後、R1 に相
当するハロゲン化物R1 X(式中、R1 は請求項1に定
義したものと同じ意味をもち、Xは塩素原子、臭素原子
又はヨウ素原子を示す。)と反応させることを特徴とす
る上記一般式(I)で表される1,8−ナフチリジン−
2(1H)−オン誘導体の製造法を提供するものであ
る。
【0009】本発明の一般式(II)で示される化合物は
後述する3化合物を除いてはいずれも従来開示されてい
ない新規化合物である。3つの化合物とはR3 が水素原
子であるときに、同時にR4 がフェニル基又は2−ピリ
ジル基である化合物、R3 がエチル基であるときに、同
時にR4 がフェニル基である化合物(例えばジャーナル
オブケミカル ソサエティ、(C)315〜321頁
(1966))である。
【0010】しかし、それらの抗潰瘍作用についてはこ
れらの文献では何ら触れられておらず、本発明の化合物
と共に本発明者らが初めて見出したものである。また、
米国特許第4,133,885号明細書には1,8−ナ
フチリジン−2(1H)−オンの3位にフェニル基を有
する化合物の抗潰瘍作用が開示されているが、これらの
化合物の1位の置換基はいずれも末端に窒素原子を含む
アルキル基であり、本発明の化合物とは全く異なるもの
である。さらに、これらの化合物はその胃酸分泌抑制作
用については言及されているものの、胃粘膜保護作用に
ついては何ら触れられておらず、本発明の化合物とはこ
の点でも大いに異なるものである。
【0011】 本発明化合物一般式(I)の定義におけ
る低級アルキル基とは、炭素数1乃至8の直鎖あるいは
分岐状のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、シクロプロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、シクロペンチル基、1−エチルプロ
ピル基、3−メチルブチル基、ヘキシル基、シクロヘキ
シル基、オクチル基などを挙げることができる。)であ
り、上記アルキル基の置換基としては、例えばシクロア
ルキル基などが挙げられ、好ましくはシクロプロピル基
が挙げられ、低級アルケニル基とは炭素数1乃至8の直
鎖もしくは分岐状アルケニル基(例えば2−プロペニル
基、cis−又はtrans−2−ブテニル基、3−ブ
テニル基、cis−又はtrans−2−ペンテニル
基、cis−又はtrans−3−ペンテニル基、4−
ペンテニル基、cis−又はtrans−3−ヘキセニ
ル基、cis−又はtrans−2−ヘキセニル基、2
−シクロヘキセニル基、6−ヘプテニル基、cis−又
はtrans−2−ヘプテニル基、cis−又はtra
ns−2−オクテニル基などを挙げることができる。)
であり、アリール基とはフェニル基、1−ナフチル基又
は2−ナフチル基であり、ハロゲン原子とはフッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、アルコキ
シル基とは、上記の炭素数1乃至8の低級アルキル基に
対応するアルコキシル基を意味し、上記フェニル基又は
ピリジル基の置換基としては、ハロゲン原子、低級のア
ルキル基又はアルコキシル基などが挙げられ、モノもし
くはポリ置換されてもよく、好ましいのは、塩素、メト
キシなどでモノ置換されたフェニル基であり、置換位置
は特に制限はない。 化合物(I)の医薬的に許容される
塩は、常法により無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、リ
ン酸、硝酸等)、有機酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、
コハク酸、グルコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、ク
エン酸、マレイン酸、フマル酸、メタンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、アスコル
ビン酸等)と反応させて得ることができる。又、場合に
よっては水和物、含水物であってもよい。
【0012】本発明に係る化合物の代表的なものとして
は、次の化合物が例示される。1−メチル−3−フェニ
ル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−プ
ロピル−3−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1
H)−オン、1−シクロプロピル−3−フェニル−1,
8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−イソブチル
−3−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−
オン、1−(3−メチルブチル)−3−フェニル−1,
8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−シクロヘキ
シル−3−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1
H)−オン、1−オクチル−3−フェニル−1,8−ナ
フチリジン−2(1H)−オン、1−(2−プロペニ
ル)−3−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1
H)−オン、1−(3−ブテニル)−3−フェニル−
1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(3−
ペンテニル)−3−フェニル−1,8−ナフチリジン−
2(1H)−オン、1−(3−ヘキセニル)−3−フェ
ニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−
(6−ヘプテニル)−3−フェニル−1,8−ナフチリ
ジン−2(1H)−オン、1−(2−オクテニル)−3
−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オ
ン、1−ベンジル−3−フェニル−1,8−ナフチリジ
ン−2(1H)−オン、1−(4−フェニルブチル)−
3−フェニル−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オ
ン、1−(7−フェニルヘプチル)−3−フェニル−
1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−メチル
−3−(o−メチルフェニル)−1,8−ナフチリジン
−2(1H)−オン、1−プロピル−3−(o−メチル
フェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オ
ン、1−シクロプロピル−3−(o−メチルフェニル)
−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−イソ
ブチル−3−(o−メチルフェニル)−1,8−ナフチ
リジン−2(1H)−オン、1−(3−メチルブチル)
−3−(o−メチルフェニル)−1,8−ナフチリジン
−2(1H)−オン、1−シクロヘキシル−3−(o−
メチルフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)
−オン、1−オクチル−3−(o−メチルフェニル)−
1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(2−
プロペニル)−3−(o−メチルフェニル)−1,8−
ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(3−ブテニ
ル)−3−(o−メチルフェニル)−1,8−ナフチリ
ジン−2(1H)−オン、1−(3−ペンテニル)−3
−(o−メチルフェニル)−1,8−ナフチリジン−2
(1H)−オン、1−(3−ヘキセニル)−3−(o−
メチルフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)
−オン、1−(6−ヘプテニル)−3−(o−メチルフ
ェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、
1−(2−オクテニル)−3−(o−メチルフェニル)
−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−ベン
ジル−3−(o−メチルフェニル)−1,8−ナフチリ
ジン−2(1H)−オン、1−(4−フェニルブチル)
−3−(o−メチルフェニル)−1,8−ナフチリジン
−2(1H)−オン、1−(7−フェニルヘプチル)−
3−(o−メチルフェニル)−1,8−ナフチリジン−
2(1H)−オン、
【0013】1−メチル−3−(m−エチルフェニル)
−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−プロ
ピル−3−(m−エチルフェニル)−1,8−ナフチリ
ジン−2(1H)−オン、1−シクロプロピル−3−
(m−エチルフェニル)−1,8−ナフチリジン−2
(1H)−オン、1−イソブチル−3−(m−エチルフ
ェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、
1−(3−メチルブチル)−3−(m−エチルフェニ
ル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−
シクロヘキシル−3−(m−エチルフェニル)−1,8
−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−オクチル−3
−(m−エチルフェニル)−1,8−ナフチリジン−2
(1H)−オン、1−(2−プロペニル)−3−(m−
エチルフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)
−オン、1−(3−ブテニル)−3−(m−エチルフェ
ニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1
−(3−ペンテニル)−3−(m−エチルフェニル)−
1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(3−
ヘキセニル)−3−(m−エチルフェニル)−1,8−
ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(6−ヘプテニ
ル)−3−(m−エチルフェニル)−1,8−ナフチリ
ジン−2(1H)−オン、1−(2−オクテニル)−3
−(m−エチルフェニル)−1,8−ナフチリジン−2
(1H)−オン、1−ベンジル−3−(m−エチルフェ
ニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1
−(4−フェニルブチル)−3−(m−エチルフェニ
ル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−
(7−フェニルヘプチル)−3−(m−エチルフェニ
ル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−
メチル−3−(p−プロピルフェニル)−1,8−ナフ
チリジン−2(1H)−オン、1−プロピル−3−(p
−プロピルフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1
H)−オン、1−シクロプロピル−3−(p−プロピル
フェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オ
ン、1−イソブチル−3−(p−プロピルフェニル)−
1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(3−
メチルブチル)−3−(p−プロピルフェニル)−1,
8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−シクロヘキ
シル−3−(p−プロピルフェニル)−1,8−ナフチ
リジン−2(1H)−オン、
【0014】1−オクチル−3−(p−プロピルフェニ
ル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−
(2−プロペニル)−3−(p−プロピルフェニル)−
1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(3−
ブテニル)−3−(p−プロピルフェニル)−1,8−
ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(3−ペンテニ
ル)−3−(p−プロピルフェニル)−1,8−ナフチ
リジン−2(1H)−オン、1−(3−ヘキセニル)−
3−(p−プロピルフェニル)−1,8−ナフチリジン
−2(1H)−オン、1−(6−ヘプテニル)−3−
(p−プロピルフェニル)−1,8−ナフチリジン−2
(1H)−オン、1−(2−オクテニル)−3−(p−
プロピルフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1
H)−オン、1−ベンジル−3−(p−プロピルフェニ
ル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−
(4−フェニルブチル)−3−(p−プロピルフェニ
ル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−
(7−フェニルヘプチル)−3−(p−プロピルフェニ
ル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−
メチル−3−(o−クロロフェニル)−1,8−ナフチ
リジン−2(1H)−オン、1−プロピル−3−(o−
クロロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)
−オン、1−シクロプロピル−3−(o−クロロフェニ
ル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−
イソブチル−3−(o−クロロフェニル)−1,8−ナ
フチリジン−2(1H)−オン、1−(3−メチルブチ
ル)−3−(o−クロロフェニル)−1,8−ナフチリ
ジン−2(1H)−オン、1−シクロヘキシル−3−
(o−クロロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2
(1H)−オン、1−オクチル−3−(o−クロロフェ
ニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1
−(2−プロペニル)−3−(o−クロロフェニル)−
1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(3−
ブテニル)−3−(o−クロロフェニル)−1,8−ナ
フチリジン−2(1H)−オン、1−(3−ペンテニ
ル)−3−(o−クロロフェニル)−1,8−ナフチリ
ジン−2(1H)−オン、1−(3−ヘキセニル)−3
−(o−クロロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2
(1H)−オン、1−(6−ヘプテニル)−3−(o−
クロロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)
−オン、
【0015】1−(2−オクテニル)−3−(o−クロ
ロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オ
ン、1−ベンジル−3−(o−クロロフェニル)−1,
8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(4−フェ
ニルブチル)−3−(o−クロロフェニル)−1,8−
ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(7−フェニル
ヘプチル)−3−(o−クロロフェニル)−1,8−ナ
フチリジン−2(1H)−オン、1−メチル−3−(m
−クロロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1
H)−オン、1−プロピル−3−(m−クロロフェニ
ル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−
シクロプロピル−3−(m−クロロフェニル)−1,8
−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−イソブチル−
3−(m−クロロフェニル)−1,8−ナフチリジン−
2(1H)−オン、1−(3−メチルブチル)−3−
(m−クロロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2
(1H)−オン、1−シクロヘキシル−3−(m−クロ
ロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オ
ン、1−オクチル−3−(m−クロロフェニル)−1,
8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(2−プロ
ペニル)−3−(m−クロロフェニル)−1,8−ナフ
チリジン−2(1H)−オン、1−(3−ブテニル)−
3−(m−クロロフェニル)−1,8−ナフチリジン−
2(1H)−オン、1−(3−ペンテニル)−3−(m
−クロロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1
H)−オン、1−(3−ヘキセニル)−3−(m−クロ
ロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オ
ン、1−(6−ヘプテニル)−3−(m−クロロフェニ
ル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−
(2−オクテニル)−3−(m−クロロフェニル)−
1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−ベンジ
ル−3−(m−クロロフェニル)−1,8−ナフチリジ
ン−2(1H)−オン、1−(4−フェニルブチル)−
3−(m−クロロフェニル)−1,8−ナフチリジン−
2(1H)−オン、1−(7−フェニルヘプチル)−3
−(m−クロロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2
(1H)−オン、1−メチル−3−(p−クロロフェニ
ル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−
プロピル−3−(p−クロロフェニル)−1,8−ナフ
チリジン−2(1H)−オン、
【0016】1−シクロプロピル−3−(p−クロロフ
ェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、
1−イソブチル−3−(p−クロロフェニル)−1,8
−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(3−メチル
ブチル)−3−(p−クロロフェニル)−1,8−ナフ
チリジン−2(1H)−オン、1−シクロヘキシル−3
−(p−クロロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2
(1H)−オン、1−オクチル−3−(p−クロロフェ
ニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1
−(2−プロペニル)−3−(p−クロロフェニル)−
1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(3−
ブテニル)−3−(p−クロロフェニル)−1,8−ナ
フチリジン−2(1H)−オン、1−(3−ペンテニ
ル)−3−(p−クロロフェニル)−1,8−ナフチリ
ジン−2(1H)−オン、1−(3−ヘキセニル)−3
−(p−クロロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2
(1H)−オン、1−(6−ヘプテニル)−3−(p−
クロロフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)
−オン、1−(2−オクテニル)−3−(p−クロロフ
ェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、
1−ベンジル−3−(p−クロロフェニル)−1,8−
ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(4−フェニル
ブチル)−3−(p−クロロフェニル)−1,8−ナフ
チリジン−2(1H)−オン、1−(7−フェニルヘプ
チル)−3−(p−クロロフェニル)−1,8−ナフチ
リジン−2(1H)−オン、1−メチル−3−(o−メ
トキシフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)
−オン、1−プロピル−3−(o−メトキシフェニル)
−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−シク
ロプロピル−3−(o−メトキシフェニル)−1,8−
ナフチリジン−2(1H)−オン、1−イソブチル−3
−(o−メトキシフェニル)−1,8−ナフチリジン−
2(1H)−オン、1−(3−メチルブチル)−3−
(o−メトキシフェニル)−1,8−ナフチリジン−2
(1H)−オン、1−シクロヘキシル−3−(o−メト
キシフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−
オン、1−オクチル−3−(o−メトキシフェニル)−
1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(2−
プロペニル)−3−(o−メトキシフェニル)−1,8
−ナフチリジン−2(1H)−オン、
【0017】1−(3−ブテニル)−3−(o−メトキ
シフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オ
ン、1−(3−ペンテニル)−3−(o−メトキシフェ
ニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1
−(3−ヘキセニル)−3−(o−メトキシフェニル)
−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(6
−ヘプテニル)−3−(o−メトキシフェニル)−1,
8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(2−オク
テニル)−3−(o−メトキシフェニル)−1,8−ナ
フチリジン−2(1H)−オン、1−ベンジル−3−
(o−メトキシフェニル)−1,8−ナフチリジン−2
(1H)−オン、1−(4−フェニルブチル)−3−
(o−メトキシフェニル)−1,8−ナフチリジン−2
(1H)−オン、1−(7−フェニルヘプチル)−3−
(o−メトキシフェニル)−1,8−ナフチリジン−2
(1H)−オン、1−メチル−3−(m−エトキシフェ
ニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1
−プロピル−3−(m−エトキシフェニル)−1,8−
ナフチリジン−2(1H)−オン、1−シクロプロピル
−3−(m−エトキシフェニル)−1,8−ナフチリジ
ン−2(1H)−オン、1−イソ−ブグチル−3−(m
−エトキシフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1
H)−オン、1−(3−メチルブチル)−3−(m−エ
トキシフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)
−オン、1−シクロヘキシル−3−(m−エトキシフェ
ニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1
−オクチル−3−(m−エトキシフェニル)−1,8−
ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(2−プロペニ
ル)−3−(m−エトキシフェニル)−1,8−ナフチ
リジン−2(1H)−オン、1−(3−ブテニル)−3
−(m−エトキシフェニル)−1,8−ナフチリジン−
2(1H)−オン、1−(3−ペンテニル)−3−(m
−エトキシフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1
H)−オン、1−(3−ヘキセニル)−3−(m−エト
キシフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−
オン、1−(6−ヘプテニル)−3−(m−エトキシフ
ェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、
1−(2−オクテニル)−3−(m−エトキシフェニ
ル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−
ベンジル−3−(m−エトキシフェニル)−1,8−ナ
フチリジン−2(1H)−オン、
【0018】1−(4−フェニルブチル)−3−(m−
エトキシフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1
H)−オン、1−(7−フェニルヘプチル)−3−(m
−エトキシフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1
H)−オン、1−メチル−3−(p−プロポキシフェニ
ル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−
プロピル−3−(p−プロポキシフェニル)−1,8−
ナフチリジン−2(1H)−オン、1−シクロプロピル
−3−(p−プロポキシフェニル)−1,8−ナフチリ
ジン−2(1H)−オン、1−イソブチル−3−(p−
プロポキシフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1
H)−オン、1−(3−メチルブチル)−3−(p−プ
ロポキシフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1
H)−オン、1−シクロヘキシル−3−(p−プロポキ
シフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オ
ン、1−オクチル−3−(p−プロポキシフェニル)−
1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(2−
プロペニル)−3−(p−プロポキシフェニル)−1,
8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(3−ブテ
ニル)−3−(p−プロポキシフェニル)−1,8−ナ
フチリジン−2(1H)−オン、1−(3−ペンテニ
ル)−3−(p−プロポキシフェニル)−1,8−ナフ
チリジン−2(1H)−オン、1−(3−ヘキセニル)
−3−(p−プロポキシフェニル)−1,8−ナフチリ
ジン−2(1H)−オン、1−(6−ヘプテニル)−3
−(p−プロポキシフェニル)−1,8−ナフチリジン
−2(1H)−オン、1−(2−オクテニル)−3−
(p−プロポキシフェニル)−1,8−ナフチリジン−
2(1H)−オン、1−ベンジル−3−(p−プロポキ
シフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オ
ン、1−(4−フェニルブチル)−3−(p−プロポキ
シフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オ
ン、1−(7−フェニルヘプチル)−3−(p−プロポ
キシフェニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−
オン、1−メチル−3−(3−ピリジル)−1,8−ナ
フチリジン−2(1H)−オン、1−プロピル−3−
(3−ピリジル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)
−オン、1−シクロプロピル−3−(3−ピリジル)−
1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、
【0019】1−イソブチル−3−(3−ピリジル)−
1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(3−
メチルブチル)−3−(3−ピリジル)−1,8−ナフ
チリジン−2(1H)−オン、1−シクロヘキシル−3
−(3−ピリジル)−1,8−ナフチリジン−2(1
H)−オン、1−オクチル−3−(3−ピリジル)−
1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(2−
プロペニル)−3−(3−ピリジル)−1,8−ナフチ
リジン−2(1H)−オン、1−(3−ブテニル)−3
−(3−ピリジル)−1,8−ナフチリジン−2(1
H)−オン、1−(3−ペンテニル)−3−(3−ピリ
ジル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、1
−(3−ヘキセニル)−3−(3−ピリジル)−1,8
−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(6−ヘプテ
ニル)−3−(3−ピリジル)−1,8−ナフチリジン
−2(1H)−オン、1−(2−オクテニル)−3−
(3−ピリジル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)
−オン、1−ベンジル−3−(3−ピリジル)−1,8
−ナフチリジン−2(1H)−オン、1−(4−フェニ
ルブチル)−3−(3−ピリジル)−1,8−ナフチリ
ジン−2(1H)−オン、1−(7−フェニルヘプチ
ル)−3−(3−ピリジル)−1,8−ナフチリジン−
2(1H)−オン、
【0020】本発明の化合物の製造方法としては、種々
の方法が考えられるが、代表的な方法を次に述べる。
【化7】 一般式(III)(式中、R2 は前述と同じ意味を持ち、R
5 は低級アルキル基を意味し、好ましくはメチル基、エ
チル基を挙げることができる。)で表されるR2 を含む
カルボン酸エステルに1当量の塩基を加えた後、式(I
V)で示す2−アミノニコチンアルデヒドを加え一定時
間反応させる。続いて、単離することなくさらに1当量
の塩基を加えた後、R1 に相当するハロゲン化合物と反
応させることにより、前記一般式(I)で表される化合
物を得る。
【0021】本反応は種々の反応溶媒、例えばジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエ
タン、N,N−ジメチルホルムアミドなどを用いて行う
ことができるが、好ましくはN,N−ジメチルホルムア
ミドが用いられる。この際の塩基としては水素化ナトリ
ウム、水素化カリウム、カリウムビス(トリメチルシリ
ル)アミド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウ
ムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどを用いること
ができるが、好ましくは水素化ナトリウムが用いられ
る。反応温度は−78℃乃至溶媒沸点であるが、好まし
くは室温乃至溶媒沸点である。
【0022】次に、本発明の化合物の胃酸分泌抑制作
用、胃粘膜保護作用、抗潰瘍作用について説明するが、
ここに例示しない化合物についても、同様の効果が認め
られた。なお、結果を示す表中において化合物は、後述
する実施例番号で表示してあり、各々次の構造式の化合
物を表わしている。
【0023】
【表1】
【0024】幽門結紮ラットモデル 試験方法 6〜7週令の雄性SD系ラットを、48時間絶食飼育
し、実験当日の早朝からはさらに絶水した。体重が各群
で平均化するように群分けし、1群6〜8匹とした。ラ
ットをエーテルで軽麻酔後、腹部の毛を刈り剣状突起の
1cm下部で切開した。胃を体外へ引き出し、幽門と十
二指腸の結合部を絹糸で結紮した。被験薬物は十二指腸
内へ投与し腹筋、腹部の皮膚を縫合後、ラットをケージ
に戻し、絶食絶水下で5時間放置した。5時間後、ラッ
トをエーテル麻酔致死させて、胃を摘出後、前胃部に小
孔をあけ、胃液を試験管に採取した。胃液は直ちに遠心
分離して固形物を取り除き、上清についてその総酸度
(胃液0.5mlに精製水7.5mlを加えたものを、0.
01N水酸化ナトリウム溶液にて中和滴定し、1mlあ
たりの酸度に5時間で分泌した胃液量(目盛り付きスピ
ッツグラスにて計測(ml/5hr)を積算した。)を
求めた。
【0025】結果 得られた結果を第2表に示す。(表中の百分率は対照群
に対する各測定項目の増減百分率を示す。)
【0026】
【表2】
【0027】塩酸・エタノール胃粘膜損傷モデル 試験方法 24時間絶食した雄性SD系ラット(B.W.180〜
210g)に被験薬物を経口投与し、その1時間後に1
50mM塩酸を含む60%エタノール液を5ml/kg
の用量で経口投与した。さらにその1時間後、ラットを
エーテル麻酔致死させて胃を摘出し、ホルマリン固定後
胃粘膜の損傷部の面積を画像解析装置を用いて計測し
た。
【0028】結果 得られた結果を第3表に示す。(表中の百分率は対照群
に対する各測定項目の増域百分率を示す。)
【0029】
【表3】
【0030】次に、本発明の化合物の急性毒性と安定性
を下記試験により確認した。 急性毒性試験 本発明の化合物(実施例番号2)を5週令のICR雄性
マウスに、300mg/kg単回投与し、5日間観察し
た結果死亡例は見られなかった。
【0031】安定性試験 本発明の化合物(実施例番号3)の結晶10mgを試験
管にとり、温度40℃、相対湿度75%の条件で80時
間放置した。この検体をメタノールに溶解し薄層クロマ
トグラフィー(シリカゲル)に付し、塩化メチレン対メ
タノール=9対1の溶媒で展開した。本発明の化合物
は、試験前と後では、変化を認めなかった。この結果か
ら、本発明にかかる化合物は非常に安定であることが判
った。
【0032】本発明の化合物は、前述のように、胃酸分
泌抑制作用と胃粘膜保護作用を同時に併せ持ち、有効な
抗潰瘍作用を示すと共に安全かつ安定である。したがっ
て、本発明の化合物は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、
ゾーリンガーエリソン症候群などの予防ならびに治療に
有効である。
【0033】本発明の化合物を上記の疾患の治療あるい
は予防を目的として投与する場合、散剤、顆粒剤、カプ
セル剤、シロップ剤などとして経口的に投与しても良い
し、また坐剤、注射剤、外用剤、点滴剤などとして非経
口的に投与しても良い。投与量は症状の程度、患者の年
齢、潰瘍の種類、既往歴などによって著しく異なるが、
通常成人一日あたり約0.01〜200mg/kg、好
ましくは0.05〜50mg/kg、より好ましくは
0.1〜10mg/kgの割合で、一日1〜数回に分け
て投与する。
【0034】製剤化の際は、通常の製剤担体を用い、当
該技術分野における常法にしたがって製造できる。すな
わち、経口的固形製剤を製造する場合は、主薬に賦形剤
及び必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯
味剤、矯臭剤などを加えた後、常法に従って錠剤、被覆
製剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などとする。賦形剤と
しては、例えば乳糖、コーンスターチ、白糖、ブドウ
糖、ソルビット、結晶セルロース、二酸化ケイ素などが
用いられる。結合剤としては、例えばポリビニルアルコ
ール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、メチル
セルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シ
ェラック、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピ
ロリドンなどが用いられる。崩壊剤としては、例えば澱
粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウ
ム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキス
トリン、ペクチンなどが用いられる。
【0035】滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグ
ネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、
硬化植物油などが用いられる。着色剤としては、医薬品
への添加が許可されているものが用いられる。矯味、矯
臭剤としては、例えばココア末、ハッカ脳、芳香酸、ハ
ッカ油、龍脳、桂皮末などが用いられる。これらの錠
剤、顆粒剤に糖衣、ゼラチン衣その他必要により適宜コ
ーティングをほどこすことは、何ら差し支えない。注射
剤を調製する場合には、必要に応じて主薬にpH調整
剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤などを添加し、常法に
より皮下、筋肉内、静脈内用注射剤とする。
【0036】以上に示したように、本発明の化合物は、
優れた抗潰瘍作用を有していることが明らかである。さ
らに、本発明の化合物は安全性も高いので、優れた抗潰
瘍薬としてヒト又は動物の消化性潰瘍の予防ならびに治
療に有用である。
【0037】
【実施例】次に、本発明をより詳細に説明するために実
施例を述べるが、本発明は何らこれらに限定されるもの
ではない。なお、実施例中の 1H−NMR,13C−NM
R,MS(CI)はそれぞれプロトン核磁気共鳴スペク
トル、カーボン核磁気共鳴スペクトル、質量分析スペク
トル(CI法)を表す。また、Rf値を算出するために
用いたシリカゲルTLCはメルク社のART5554で
ある。
【0038】実施例1 乾燥アルゴン雰囲気下、油性水素化ナトリウム(含量5
5%)1.22gを乾燥ヘキサンで洗浄後、乾燥N,N
−ジメチルホルムアミド20mlに懸濁した。これに氷
冷下4.43gのメチル(4−メトキシフェニル)アセ
テートを滴下した。30分攪拌した後、2−アミノニコ
チンアルデヒド(3g)を含む乾燥N,N−ジメチルホ
ルムアミド溶液7mlを滴下した。さらに、80℃で1
2時間加熱攪拌した後、水冷下でこれに乾燥ヘキサンで
洗浄した油性水素化ナトリウム(含量55%)1.22
gを含む乾燥N,N−ジメチルホルムアミド懸濁液5m
lを加えた。30分攪拌した後、1−ブロモ−2−プロ
ペン(3.27g)を含む乾燥N,N−ジメチルホルム
アミド溶液5mlを滴下した。室温にて3時間攪拌した
後、水50mlを注ぎ、これよりクロロホルムを用いて
3回抽出を行った。抽出有機層を合わせて水で4回、飽
和食塩水で1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。この抽出有機層より溶媒を減圧除去し抽出残渣
6.25gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーに付し、クロロホルムにおける溶出画分より3
−(p−メトキシフェニル)−1−(2−プロペニル)
−1,8ナフチリジン−2(1H)−オンを2.20
g得た。(Rf値:0.55、ベンゼン対酢酸エチル=
4対1)。以下に、本品の物理化学的データを示す。
【0039】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :3.84(3H,S),5.1
4 〜5.26(4H,m),6.00 〜6.14(1H,m),6.93 〜6.98(2H,
m),7.17(1H,dd,J=4.9Hz,7.8Hz),7.66 〜7.71(2H,m),7.7
2(1H,S),7.88(1H,dd,J=2.0Hz,7.8Hz),8.57(1H,dd,J=2.0
Hz,4.9Hz)13 C-NMR(CDCl3)δ(ppm):43.7, 55.3, 113.7, 116.0, 11
7.1, 118.2, 128.4, 130.3, 132.6, 133.3, 136.0, 14
8.9, 149.2, 159.9, 161.8 MS(CI)m/z:293(MH+ )
【0040】実施例2 実施例1におけるメチル(4−メトキシフェニル)アセ
テートの代わりにエチル(2−ピリジル)アセテート
を、1−ブロモ−2−プロペンの代わりにシクロヘキシ
ルメチルブロマミドを用い、同様の操作によって1−シ
クロプロピルメチル−3−(2−ピリジル)−1,8−
ナフチリジン−2(1H)−オンを得た(Rf値:0.
30、ベンゼン対酢酸エチル=4対1)。以下に、本品
の物理化学的データを示す。
【0041】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :0.45〜0.50(2H,
m),0.55 〜0.60(2H,m),1.47 〜1.51(1H,m),4.56(2H,d,J
=7.1Hz),7.20(1H,dd,J=4.7Hz,7.7Hz),7.27〜7.30(1H,
m),7.78(1H,ddd,J=1.9Hz,7.6Hz,7.6Hz),8.00(1H,dd,J=
1.8Hz,7.7Hz),8.49(1H,d,J=1.0Hz),8.58(1H,S),8.62(1
H,dd,J=1.8Hz,4.7Hz),8.69〜8.71(1H,m)13 C-NMR(CDCl3)δ(ppm):3.9, 10.3, 45.7, 115.7, 118.
2, 123.1, 124.8, 131.0, 136.2, 137.1, 137.2,149.3,
149.8, 150.1, 153.1, 162.0 MS(CI)m/z:278(MH+ )
【0042】実施例3 実施例1におけるメチル(4−メトキシフェニル)アセ
テートの代わりにメチル(p−クロロフェニル)アセテ
ートを、1−ブロモ−2−ブロペンの代わりに1−ブロ
モ−3−メチルブタンを用い、同様の操作によって3−
(p−クロロフェニル)−1−(3−メチルブチル)−
1,8−ナフチリジン−2(1H)−オンを得た(Rf
値:0.77、ベンゼン対酢酸エチル=4対1)。以下
に、本品の物理化学的データを示す。
【0043】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :1.00(2H,d,J=6.
4Hz),1.61 〜1.80(3H,m),4.61(2H,m),7.18(1H,dd,J=4.9
Hz,7.8Hz),7.38〜7.43(2H,m),7.64 〜7.69(2H,m),7.73
(1H,S),7.89(1H,dd,J=2.0Hz,7.8Hz),8.62(1H,dd,J=2.0H
z,4.9Hz)13 C-NMR(CDCl3)δ(ppm):22.6, 26.6, 36.7, 40.7, 115.
8, 118.1, 128.4, 130.4, 132.6, 134.4, 134.7,136.3,
149.3, 149.9, 161.6 MS(CI)m/z:327(MH+ )
【0044】実施例4 実施例1におけるメチル(4−メトキシフェニル)アセ
テートの代わりにエチルフェニルアセテートを、1−ブ
ロモ−2−ブロペンの代わりにヨードメタンを用い、同
様の操作によって1−メチル−3−フェニル−1,8−
ナフチリジン−2(1H)−オンを得た(Rf値:0.
55、ベンゼン対酢酸エチル=4対1)。以下に、本品
の物理化学的データを示す。
【0045】1H-NMR(CDCl3) δ(ppm) :3.93(3H,S),7.1
9(1H,dd,J=4.9Hz,7,8Hz),7.39 〜7.47(2H,m),7.70 〜7.
73(2H,m),7.76(1H,dd,J=2.0Hz,7.8Hz),8.61(1H,dd,J=2.
0Hz,4.9Hz)13 C-NMR(CDCl3)δ(ppm):28.9, 116.0, 118.1, 128.3, 1
28.5, 129.0, 133.9, 135.6, 136.2, 136.3, 149.2, 14
9.5, 161.5 MS(CI)m/z:236(MH+ )
【0046】次に、本発明の処方例を示す。 実施例5 錠剤:実施例2の本発明化合物0.5重量部及び乳糖
4.5重量部を混合粉砕し、この混合物に乳糖48重量
部、結晶セルロース22.5重量部及びステアリン酸マ
グネシウム0.4重量部を加えて均一に混合し、打錠機
を用いて加圧成形して75mg/錠の錠剤とした。
【0047】実施例6 カプセル剤:実施例2の本発明化合物0.5重量部及び
乳糖4.5重量部を混合粉砕し、この混合物に乳糖1
4.5重量部、トウモロコシデンプン60.0重量部及
びステアリン酸マグネシウム2.0重量部を加えて均一
に混合した。これを1カプセルあたり200mgの割合
で3号ゼラチン硬カプセルに充填してカプセル剤とし
た。
【0048】
【発明の効果】本発明の化合物は文献未収載の新規化合
物であり、簡便な方法で製造することができる。この化
合物は、胃酸分泌抑制作用と胃粘膜保護作用を併せ持
ち、抗潰瘍作用を示す上に、毒性が低いので、抗潰瘍剤
として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 千賀子 静岡県焼津市岡当目10番地 サッポロビ ール株式会社 医薬開発研究所内 (72)発明者 栗原 利夫 静岡県焼津市岡当目10番地 サッポロビ ール株式会社 医薬開発研究所内 (72)発明者 松浦 昭宏 静岡県焼津市岡当目10番地 サッポロビ ール株式会社 医薬開発研究所内 (72)発明者 奥村 浩 静岡県焼津市岡当目10番地 サッポロビ ール株式会社 医薬開発研究所内 (72)発明者 小林 富二男 静岡県焼津市岡当目10番地 サッポロビ ール株式会社 医薬開発研究所内 (72)発明者 芦澤 直樹 静岡県焼津市岡当目10番地 サッポロビ ール株式会社 医薬開発研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−159382(JP,A) 特開 昭62−228076(JP,A) 特開 昭54−22394(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子、低級の直線状、分岐状もしく
    は環状のアルキル基、アルケニル基を示し、Rは所望
    によりハロゲン原子、低級のアルキル基又はアルコキシ
    ル基によりモノもしくはポリ置換されたフェニル基又は
    ピリジル基を示す。但し、Rが水素原子のとき、R
    はフェニル基又は2−ピリジル基ではなく、Rがエチ
    ル基のとき、Rはフェニル基ではない。)で表される
    新規な1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン誘導体
    又はその医薬的に許容される塩。
  2. 【請求項2】 が2−プロペニル基、シクロプロピ
    ルメチル基、3−メチルブチル基およびメチル基であ
    り、R がp−メトキシフェニル基、2−ピリジル基、
    p−クロロフェニル基およびフェニル基である請求項1
    記載の1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン誘導体
    又はその医薬的に許容される塩。
  3. 【請求項3】 1,8−ナフチリジン−2(1H)−オ
    ン誘導体が、3−(p−メトキシフェニル)−1−(2
    −プロペニル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−
    オンである請求項1記載の1,8−ナフチリジン−2
    (1H)−オン誘導体又はその医薬的に許容される塩。
  4. 【請求項4】 1,8−ナフチリジン−2(1H)−オ
    ン誘導体が、1−シクロプロピルメチル−3−(2−ピ
    リジル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オンで
    ある請求項1記載の1,8−ナフチリジン−2(1H)
    −オン誘導体又はその医薬的に許容される塩。
  5. 【請求項5】 1,8−ナフチリジン−2(1H)−オ
    ン誘導体が、3−(P−クロロフェニル)−1−(3−
    メチルブチル)−1,8−ナフチリジン−2(1H)−
    オンである請求項1記載の1,8−ナフチリジン−2
    (1H)−オン誘導体又はその医薬的に許容される塩。
  6. 【請求項6】 1,8−ナフチリジン−2(1H)−オ
    ン誘導体が、1−メチル−3−フェニル−1,8−ナフ
    チリジン−2(1H)−オンである請求項1記載の1,
    8−ナフチリジン−2(1H)−オン誘導体又はその医
    薬的に許容される塩。
  7. 【請求項7】 下記の一般式(II) 【化2】 (式中、R は水素原子、低級の直線状、分岐状もしく
    は環状のアルキル基、アルケニル基を示し、R は所望
    によりハロゲン原子、低級のアルキル基又はアルコキシ
    ル基によりモノもしくはポリ置換されたフェニル基又は
    ピリジル基を示す。)で表される新規な1,8−ナフチ
    リジン−2(1H)−オン誘導体又はその医薬的に許容
    される塩を有効成分として含有することを特徴とする抗
    潰瘍剤。
  8. 【請求項8】 下記の一般式(III) 【化3】 (式中、R は請求項1に定義したものと同じ意味をも
    ち、R は低級アルキル基を示す。)で表される化合物
    に塩基を加えた後、2−アミノニコチンアルデヒドを加
    え一定時間反応させ、さらに塩基を加えた後、R に相
    当するハロゲン化物R X(式中、R は請求項1に定
    義したものと同じ意味をもち、Xは塩素原子、臭素原子
    又はヨウ素原子を示す。)と反応させて請求項1記載の
    一般式(I)で表される1,8−ナフチリジン−2(1
    H)−オン誘導体を得ることを特徴とする1,8−ナフ
    チリジン−2(1H)−オン誘導体の製造法。
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