JP2713494B2 - ゲランガムを用いた紙のサイジング方法 - Google Patents

ゲランガムを用いた紙のサイジング方法

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Description

【発明の詳細な説明】 製紙に関係するような表面サイジングとは、引き続い
て行われるコーティングまたは印刷のために、紙の手滑
度や引張り強さを改善し、紙の耐脂性を向上する目的
で、ペーパーウェブの表面に非顔料化コーティングを行
うことである。
デンプン(トウモロコシ、ろう質トウモロコシ、タピ
オカ、小麦、ジャガイモおよび米から製造される)は、
紙の表面サイジング用として工業的に最も多量に使用さ
れている。単独もしくはデンプンとともに使用されるヒ
ドロコロイドとしては、ポリビニルアルコール、カルボ
キシメチルセルロース、ワックスエマルジョンおよびア
ルギン酸塩が挙げられる。デンプンは紙表面を極めて不
規則に被覆するため、高濃度のデンプンを使用しない限
り、連続皮膜が容易に形成できないことは公知である。
希望する紙質に依存するが、代表的な濃度は6ないし12
%である。デンプンを水と混合し、デンプン粒子を加
熱、膨潤させて、アミロース分子を可溶化し、分散液を
冷却してゲルまたはペーストを形成させる。天然または
非変性デンプンは、通常の煮沸工程により劣化もしくは
粘度上昇の傾向があるため、化学変性または低粘度化デ
ンプンが紙サイズ剤に通常使用されている。これらのデ
ンプンとしては、酸化カチオン性ヒドロキシエチルエー
テル誘導体および酵素転換デンプンが挙げられる。
サイズ剤としては良好な皮膜形成性を有するものが有
利であり、適切にサイジングすることにより最適のサイ
ズ量の紙が得られ、サイズ剤により紙の浸透性を制御で
きるような均一で非多孔質のコーティングが得られる。
ゲランガムとデンプンの組合せは当該技術分野におい
て開示されている。例えばベアード(Baird)等の「バ
イオ技術(Bio/Technology)」1983年12月、781頁に
は、任意に製品テクスチャーや安定性を得るためにはゲ
ランガムと変性デンプンとを併用することが望ましいと
教示している。カン(Kang)等の「最近開発された新規
な細菌性多糖類(Some Novel Bacterial Polysaccharid
es of Recent Development)240頁には、ゲランガムが
デンプンの代用として、または一部の代用として構造剤
(structuring agent)として使用できることを教示し
ている。サンダーソン(Sanderson)等の「食品技術(F
ood Technology)」1983年4月、66頁、表4には、デン
プン6.56%とゲランガム0.2%を含むデンプンゼリー処
方を、68頁、図8には、デンプン4.8%/ゲランガム0.2
%混合物のアミログラフ(amylograph)を、68頁には、
パイの詰めものとプディングにデンプンとゲランガムを
併用する利点を教示している。米国特許第4,517,216号
明細書、表1−1にはゲランガム0.25%とコーンスター
チ0.25%の混合物を開示している。
ゲランガムと、化学変性または低粘度化デンプン、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアル
コールおよびメチルセルロースのような皮膜形成ヒドロ
コロイドの混合物は、紙や紙基材製品の有孔度を制御す
るのに有用であることを今や見出した。すなわち、この
混合物は紙サイジングに有用であり、かつ顔料化紙コー
ティング用バインダーとしても有用である。
本発明の混合物は、ゲランガムを0.25ないし10重量%
と、皮膜形成重合体を90ないし99.75重量%含むもので
ある。ゲランガムを1ないし8重量%含むものが好まし
い。皮膜形成サイズ剤は、ゲランガムを0.03ないし0.6
重量%、皮膜形成重合体を6ないし12重量%、ゲル化塩
を0.02ないし0.2重量%および100重量%にする水と、必
要に応じ各種添加剤を含むものである。
高脆性から低脆性までの範囲の性質を有する皮膜を、
デンプンビニルアルコール等と混合されるゲランガムの
型に応じて調製することができる。これら皮膜は、可撓
性や高密度を必要とする他の用途、例えば食品、接着剤
および織物に有用である。
ゲランガム(gellan gum)とは、生物体P.エロデア
(elodea)から生成されたヘテロ多糖を云い、米国特許
第4,326,052号、第4,326,053号、第4,377,636号、第4,3
85,123号および第4,503,084号明細書に記載されてい
る。
本発明において有用なゲランガムのもう一つの有用な
型は、ゲランガムの溶液を室温で少なくとも6時間アル
カリ(例えばKOH)で処理して調製された、非脆性、低
アシル型である。処理されたガムはつぎに酸(例えばH2
SO4)で中和(pH6.5〜7.5)し、ついで約90.5℃に4分
間加熱する。加熱したガムはつぎに濾取し、イソプロパ
ノール沈殿、乾燥および微粉砕処理する。米国特許第4,
503,084号〔ベアード(Baird)等〕に記載されているよ
うに、天然ガムの発酵ブロース型であってもよい。しか
し本アルカリ処理は、室温で、ガムを十分に脱アセチル
化するのに要する量の数倍過剰のKOHを、ガム1gに対し
て0.15〜0.45g使用する。この方法により、低アシル量
(0.1〜2.0%)で非脆性、すなわち脆性値約40〜70%の
範囲のゲランガムが生成する。ごのゲランガムは下記の
ように本試験に対して最高値である。
一般にゲル組織の輪郭は、4要素、すなわちモジュラ
ス、硬さ、脆性および弾性によって評価される。これら
は、例えばインストロン型4201万能材料試験機(Instro
n 4201 Universal Testing Machine)により、試料をも
との高さの約1/4に圧縮する操作を連続して2回行なっ
て測定される標準ゲル性質である。構造破壊量を測定す
るため、試料は2回圧縮される。
脆性は、最初の圧縮操作中の力−変形曲線において最
初に現われる有意な低下として定義される。これが試料
の最初の破断点または割れである。圧縮操作で極めて早
期に破断するゲルは、遅れて破断するものより脆性が大
であると考えられる。脆性は、ゲルを破壊するに要する
%応力として測定される。脆性値が小さいものは、低応
力レベルでより脆性のゲルであることを示している。
サイズ剤を調製するため、ガム混合物を脱イオン水中
で100℃に加熱し、約30分間保持して水和する。加熱す
る前に、適当なゲル化塩を添加する。このような塩は、
ゲランと重合体混合体とのゲルマトリックスを形成する
ために使用される。ゲル化塩は、前記のゲランガムにつ
いて引用した特許に開示されており、参照することによ
って、その内容をここに組み入れることとする。
本発明のサイズ剤に使用する、デンプン、ポリビニル
アルコールまたはセルロース誘導体は、サイズ剤に有用
な種類として通常知られている市販品を使用することが
できる。このような製品は多数市販されており、文献に
広範囲に記載されている。例えば、カーター(Carter)
編「バルブおよび紙製造(Making Pulp and paper)」
〔クラウンゼラーバッハ(Crown Zellerbach)、196
8〕、特にIV−25ページ以下参照、およびホーレイ(Haw
ley)編、「縮刷化学辞典(The Condensed Chemical Di
ctionary)」8版、1971)など参照のこと。これら材料
の混合物も使用できる。
さらにサイズ剤に対しては、ゲランガム/重合体組合
せの皮膜形成機能に悪影響を与えない限り、通常のサイ
ジング添加剤を使用することができる。このような添加
剤としては、色素、分散剤、界面活性剤などが挙げられ
る。好ましい添加剤の一つは、ゲランガムが組成物中の
水に存在しているカルシウムによって望ましくないゲル
化を起すのを防ぐための、金属イオン封鎖剤であるヘキ
サメタリン酸ナトリウム〔カルゴン社(Calgon Corpora
tion)によってカルゴン(CALGON )の商標で市販され
ている〕を添加することである。ヘキサメタリン酸ナト
リウムの添加量は、ゲランガムの約50ないし200%であ
る。その他の金属イオン封鎖剤としては、エチレンジア
ミン四酢酸の塩およびクエン酸ナトリウムが挙げられ
る。
本発明組成物を、紙およびその他の基材に塗布するに
は、通常の装置および方法により行われる。
サイズ剤は約25℃でゲルを形成するが、製紙工場にお
ける通常の操業温度である40〜60℃では、これらサイズ
剤の粘度は低く、例えばブルックフールドLVT粘度計を
用い、スピンドル2.60rpmで測定して20センチポアズ(c
P)である。
本発明のサイズ剤は下記の試験法により分析した。
試験法 本発明のガム混合物のサイジング性を評価するため、
標準の原紙、例えばオフセット用紙を使用した。試験紙
は、23℃、50%相対湿度(RH)で調湿した。紙試料を約
23×28cm(9″×11″)に切断し、試験溶液をRKメカニ
カルコーター(Mechanical Coater)〔ニューヨーク、
アミティビル(Amityville)、テスティングマシン社
(Testing Machine Inc.)製〕により塗布した。コーテ
ィング付着重量を測定し、サイジングした紙は、写真印
画乾燥器を用いて乾燥した。つぎに試験に先立ち、この
試料を23℃、50%RHで24時間再調湿した。試験紙の有孔
度を、タッピ(T.A.P.P.I.)標準規格T460 OM−83およ
びT 536 CM−85に従って、テスティングマシン社製のガ
ーレイ(Gurly)デンソメータNo.4110(油充填)および
No.4120(水銀充填)の両者を用いて測定した。これら
の測定機は、所定の空気量、例えば10ccまたは100cc
が、紙試験片の試験面〔約6.5cm2(1in2)〕を通過する
時間(秒)を測定するものである。
本発明を、下記の実施例によりさらに詳細に説明する
が、これは説明のためのものであって、本発明を何等限
定するものではない。
実施例1 デンプンおよび低アシルゲランガムの評価 成 分 重量% ヒドロオキシエチルスターチエーテル 8.000 低アシルゲランガム 0.050〜0.1 硫酸カルシウム2水和物 0.104 脱イオン水で100%に 100.000 % 手順 デンプン、ゲランガムおよびCaSO4・2H2Oを混合し
て、攪拌機、冷却器、加熱用マントルおよび温度計を備
えた500cc反応フラスコ中に入れた脱イオン水に添加し
た。この混合物を攪拌しながら100℃に加熱し、30分間
保った。ついでガム溶液を攪拌しながら60℃に冷却し
て、試験紙の塗布に用いた。
第1表の結果が得られた。
実施例2 水道水でのデンプンとゲランガムの評価 成 分 重量% ヒドロキシエチルスターチエーテル 8.00 高アシルゲランガム 0.10 カルゴン(CALGON ) (ヘキサメタリン酸ナトリウム) 0.05〜0.20 ゲル化塩 0.04〜0.23 水道水で100%に 100.00% 手順 水道水には、ゲランガムの完全水和を阻害する2価イ
オンが含有されているため、金属イオン封鎖剤を使用し
た。従って、デンプン、ゲランガム、カルゴン(CALGO
N)およびゲル化剤をドライブレンドして、水道水に攪
拌しながら添加した。これ以降の手順は実施例1に記載
した手順と同様に行った。
第2表の結果が得られた。付着量は全て1.4g/m2であ
った。
実施例3 低pHにおけるデンプンと高アシルゲランガムの評価 成 分 重量% ヒドロキシエチルスターチエーテル 8.0 高アシルゲランガム 0.10 カルゴン(CALGON ) 0.05〜0.20 ゲル化塩 0.02〜0.04 水道水で100%に 100.00% 手順 デンプン、ゲランガム、カルゴン(CALGON)およびゲ
ル化塩をドライブレンドし、クエン酸で予めpH6.0〜6.5
に調節した水道水に添加し、それ以降の手順は実施例1
に記載した手順と同様に行った。
第3表の結果が得られた。付着量は全て1.4g/m2であ
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ケネス クレア アメリカ合衆国,92083 カリフオルニ ア,ヴイスタ,マーゲイル レーン 29761 (72)発明者 チエレーザ エム.オルテガ アメリカ合衆国,92129 カリフオルニ ア,サン デイエゴ,トルーマン スト リート 9143 (56)参考文献 特開 平2−54162(JP,A) 特開 昭60−259152(JP,A) 欧州公開291228(EP,A1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゲランガムを0.03ないし0.6重量%、皮膜
    形成重合体を6ないし12重量%、ゲル化塩を0.02ないし
    0.2重量%および水を含む組成物を紙に塗布することを
    特徴とする紙のサイジング方法。
  2. 【請求項2】ゲランガムの量と皮膜形成重合体の量の比
    が1:99と8:92の間である請求項1記載の方法。
JP2166557A 1989-06-23 1990-06-25 ゲランガムを用いた紙のサイジング方法 Expired - Lifetime JP2713494B2 (ja)

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US07/370,496 US5112445A (en) 1989-06-23 1989-06-23 Gellan gum sizing
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