JP2711325B2 - ポップアップルーフを有する自動車 - Google Patents

ポップアップルーフを有する自動車

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JP2711325B2
JP2711325B2 JP5167452A JP16745293A JP2711325B2 JP 2711325 B2 JP2711325 B2 JP 2711325B2 JP 5167452 A JP5167452 A JP 5167452A JP 16745293 A JP16745293 A JP 16745293A JP 2711325 B2 JP2711325 B2 JP 2711325B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車体の上部にポップア
ップルーフを有する自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のポップアップルーフを有する自動
車としては、例えば、図6に示すものがある。すなわ
ち、走行時は、ポップアップルーフ1を下降収納し、キ
ャンプ地に停めたとき、ポップアップルーフ1を上昇作
動させて居住空間を拡張できるようになっている。この
ポップアップルーフ1は、上下動するルーフ部2の周囲
にテント地3を張って成り、テント地3により車外と車
室とを遮断している。テント地3は柔らかい材質のた
め、ポップアップルーフ1を下降収納する際に嵩張らず
に収納できる利点を有する。
【0003】また、従来のポップアップルーフを有する
自動車としては、特開平4−103432号公報、実開
昭56−141876号公報、実開平4−51840号
公報および実開平4−128934号公報に示すものが
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来のポップアップルーフを有する自動車では、ポッ
プアップルーフにテント地を使用するため、ルーフ部を
閉じたとき、車室にかかる空気圧でテント地が外側に膨
れ上がり、ルーフ部と車体との間にテント地が挟まると
いう問題点があった。このようにテント地が挟まると、
ルーフ部を完全に閉じることができないため、ルーフ部
を閉じる際には、数人がかりでテント地を車室側に押し
込まなければならず、使い勝手に問題があった。
【0005】実開平4−51840号公報および実開平
4−128934号公報に示すものでは、ルーフ部を閉
じたときロック装置がテント地をかみ込むのを防止する
ことを目的としているが、前述のとおり、車室にかかる
空気圧でテント地が外側に膨れ上がったときには、ルー
フ部と車体との間にテント地が挟まるのを解決すること
はできなかった。
【0006】また、従来のポップアップルーフを有する
自動車では、ポップアップルーフのテント地は、柔らか
い材質のため、風が吹くとバタついて騒音を出し、ポッ
プアップルーフの内部をベッドルームに用いたとき、睡
眠を妨げるという問題点があった。
【0007】また、従来のポップアップルーフを有する
自動車では、ポップアップルーフの開閉のたびに、テン
ト地を折り曲げたり伸ばしたり繰り返すため、テント地
に負担がかかり、ポップアップルーフの耐久性に劣ると
いう問題点があった。
【0008】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、ルーフ部と車体との間にテント地
が挟まるのを防止し、使い勝手が良好で、騒音によって
睡眠を妨げず、耐久性が高いポップアップルーフを有す
る自動車を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るポップアップルーフを有する自動車で
は、車体の上部にポップアップルーフを有する自動車に
おいて;前記ポップアップルーフは、ルーフ部と、複数
のサイドカバーと、複数のインナーカバーと、昇降装置
とを有し;前記複数のサイドカバーは、3個以上であっ
て、それぞれ重ねられて最も外側のサイドカバーの内部
に順次、収容され、それぞれの相対運動により伸縮可能
に構成され、各サイドカバーは隣合うサイドカバーに対
し最大に伸びたとき互いに係合する抜止め部を有し;最
も外側および最も内側のサイドカバーの一方のサイドカ
バーが前記ルーフ部に取り付けられ、それらの他方のサ
イドカバーが前記車体に取り付けられ;前記複数のイン
ナーカバーは、3個以上であって、前記複数のサイドカ
バーの内側に設けられ、それぞれ重ねられてそれぞれの
相対運動により伸縮可能に構成され、各インナーカバー
は隣合うインナーカバーに対し最大に伸びたとき互いに
係合する抜止め部を有し;最も外側および最も内側のイ
ンナーカバーの一方のインナーカバーが前記ルーフ部に
取り付けられ、それらの他方のインナーカバーが前記車
体に取り付けられ;前記昇降装置は、前記複数のサイド
カバーと前記複数のインナーカバーとの間に設けられ、
前記ルーフ部を前記車体に対し昇降させる構成を有する
ことを;特徴とする。
【0010】複数のサイドカバーは、3個以上であれば
何個であってもよい。複数のサイドカバーは、定型性を
有するものであればいかなる材質から成ってもよいが、
合成樹脂成形品から成ることが好ましい。抜止め部に
は、防水用のパッキングが設けられていることが好まし
い。複数のサイドカバーは、最も外側のサイドカバーが
ルーフ部に取り付けられ、最も内側のサイドカバーが車
体に取り付けられていることが防水上から、好ましい。
【0011】ポップアップルーフは、ルーフ部の前部ま
たは後部の一方が上昇するチルトアップタイプのもので
あっても、ルーフ部の前部および後部の両方が上昇する
タイプのものであってもよい。昇降装置は、例えば、リ
ンクによる平行運動機構とアクチュエータとにより構成
したものであっても、手動によりルーフ部を昇降させる
ものであってもよい。
【0012】ポップアップルーフを有する自動車は、い
かなるタイプの自動車であってもよいが、ポップアップ
ルーフの内部をベッドルームに用いたキャンピングカー
が好適である。
【0013】請求項2の本発明に係るポップアップルー
フを有する自動車では、請求項1記載のポップアップル
ーフを有する自動車において、前記複数のサイドカバー
は、車体の前部から後部にかけて高くなるよう傾斜した
形状を有し、前記昇降装置は、前記ルーフ部の後部を昇
降させる構成を有することを、特徴とする。
【0014】
【0015】複数のインナーカバーは、3個以上であれ
ば何個であってもよいが、複数のサイドカバーと同数
か、それ以上の個数であることが好ましい。
【0016】
【作用】本発明に係るポップアップルーフを有する自動
車では、ポップアップルーフを開く場合には、昇降装置
によりルーフ部を上昇させると、ルーフ部に取り付けら
れたサイドカバーがルーフ部とともに上昇する。そのサ
イドカバーは、隣合うサイドカバーに対し最大に伸びた
とき、その隣合うサイドカバーと抜止め部により互いに
係合する。その隣合うサイドカバーは、抜止め部での係
合により、ルーフ部に取り付けられたサイドカバーの上
昇とともに上昇する。本発明に係るポップアップルーフ
を有する自動車では、ポップアップルーフを開くとき、
昇降装置によりルーフ部を上昇させると、複数のサイド
カバーの内側で、ルーフ部に取り付けられたインナーカ
バーがルーフ部とともに上昇する。そのインナーカバー
は、隣合うインナーカバーに対し最大に伸びたとき、そ
の隣合うインナーカバーと抜止め部により互いに係合す
る。その隣合うインナーカバーは、抜止め部での係合に
より、ルーフ部に取り付けられたインナーカバーの上昇
とともに上昇する。こうして、各インナーカバーは、順
次、上昇する。各インナーカバーは、昇降装置が停止す
るか、複数のサイドカバーが最大に伸びるか、あるい
は、車体に取り付けられたインナーカバーの抜止め部と
係合するかするまで上昇する。インナーカバーは、ルー
フ部の開閉にかかわらず、常に昇降装置を車室から遮断
する。ポップアップルーフを閉じるとき、昇降装置によ
りルーフ部を下降させると、各インナーカバーは、順
次、車体に取り付けられたインナーカバーと重ねられ、
縮められる。
【0017】こうして、各サイドカバーは、順次、上昇
する。各サイドカバーは、昇降装置が停止するまで、あ
るいは、車体に取り付けられたサイドカバーの抜止め部
と係合するまで上昇する。上昇したルーフ部およびサイ
ドカバーの内部は、車外から遮断され、居住空間または
収納空間として使用することができる。
【0018】ポップアップルーフを閉じる場合には、昇
降装置によりルーフ部を下降させると、各サイドカバー
は、順次、車体に取り付けられたサイドカバーと重ねら
れ、縮められる。各サイドカバーは、それぞれ重ねられ
て最も外側のサイドカバーの内部に収容され、コンパク
トになる。
【0019】請求項2の本発明に係るポップアップルー
フを有する自動車では、複数のサイドカバーは車体の前
部から後部にかけて高くなるよう傾斜した形状を有し、
ウェッジシェイプのボディタイプに適している。ウェッ
ジシェイプのボディタイプでは、高速走行のときの燃費
を低下させることができる。昇降装置は、ルーフ部の後
部を昇降させ、複数のサイドカバーの後部を伸縮させ
る。複数のサイドカバーは前部より後部が高くなってお
り、後部の内部空間を拡張することができる。
【0020】
【0021】
【0022】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の一実施例につい
て説明する。図1〜図5は、本発明の一実施例を示して
いる。
【0023】図1に示すように、自動車10は、車体1
1の上部にポップアップルーフ12を有している。自動
車10は、キャンピングカーである。図2に示すよう
に、車体11は、ボディ本体補強部13と、ルーフマウ
ント14と、ボディインナー15と、ボディアウター1
6とを有している。ルーフマウント14は、上部にベッ
ド受け14aを有している。
【0024】図2および図3に示すように、ポップアッ
プルーフ12は、ルーフ部20と、3個のサイドカバー
30a,30b,30cと、昇降装置40と、3個のイ
ンナーカバー50a,50b,50cとを有している。
【0025】ルーフ部20は、車体11の前部から後部
にかけて高くなるよう傾斜した形状を有し、閉じた状態
で自動車10をウェッジシェイプのボディタイプとす
る。ルーフ部20は、閉じた状態で蓋となり、内部にサ
イドカバー30a,30b,30c、昇降装置40、イ
ンナーカバー50a,50b,50cを収容する。
【0026】サイドカバー30a,30b,30cは、
矩形のリング状であって、車体11の前部から後部にか
けて高くなるよう傾斜した形状を有する。サイドカバー
30a,30b,30cは、合成樹脂から成り、順に寸
法が小さくなるよう成形される。サイドカバー30a,
30b,30cは、それぞれ重ねられて最も外側のサイ
ドカバー30aの内部にサイドカバー30b,30cが
順次、収容され、それぞれの相対運動により伸縮可能に
構成されている。サイドカバー30aは上端がルーフ部
20に取り付けられ、サイドカバー30cは下端が車体
11に取り付けられている。
【0027】図2に示すように、サイドカバー30aは
下端にフランジ31を有し、サイドカバー30bは上端
にフランジ32を、下端にフランジ33を有し、サイド
カバー30cは上端にフランジ34を有している。フラ
ンジ31〜34は、各サイドカバー30a,30b,3
0cが隣合うサイドカバーに対し最大に伸びたとき互い
に係合する抜止め部となっている。
【0028】図4に示すように、サイドカバー30aの
フランジ31の上面には、ゴムパッキング35が設けら
れ、フランジ31がサイドカバー30bのフランジ32
と係合するとき、車外の風雨が車室に入らないようにな
っている。サイドカバー30bのフランジ33にも、フ
ランジ31と同様にゴムパッキングが設けられている。
また、フランジ31,33には、ウェザーストリップ
(図示せず)が設けられている。
【0029】サイドカバー30bのフランジ32は、サ
イドカバー30bの本体36に断面がL字状のフランジ
部材32aをピン37で固定して構成される。サイドカ
バー30cのフランジ34もフランジ32と同様に構成
される。
【0030】図2に示すように、昇降装置40は、リン
クによる平行運動機構41と、パワー油圧ダンパーシリ
ンダーから成るアクチュエータ42と、1対のリンク機
構43とを有している。平行運動機構41は、2本のレ
ール51,52と、2本のリンク53,54とを有して
いる。レール51はルーフ部20の天井後部に取り付け
られ、レール52およびアクチュエータ42は車体11
のボディ本体補強部13の後部に固定されている。
【0031】リンク53およびリンク54は、中央部で
回動可能に取り付けられている。リンク53の下端はレ
ール52によりスライドし、リンク54の上端はレール
51によりスライドするようになっている。リンク53
の上端は、ルーフ部20の天井部に回動可能に取り付け
られている。リンク54の下端には、アクチュエータ4
2の一端が回動可能に取り付けられている。アクチュエ
ータ42の伸縮部55の先端はリンク53の下端に回動
可能に取り付けられている。
【0032】図5に示すように、各リンク機構43は、
2本のレール56,57と、2本のリンク58,59と
を有している。レール56はルーフ部20の天井の両側
前部に取り付けられ、レール57は車体11のボディ本
体補強部13の両側前部に固定されている。リンク58
およびリンク59は、中央部で回動可能に取り付けられ
ている。リンク58の下端はレール57によりスライド
し、リンク59の上端はレール56によりスライドする
ようになっている。リンク58の上端はルーフ部20の
天井部に回動可能に取り付けられ、リンク59の下端は
ボディ本体補強部13に回動可能に取り付けられてい
る。このような構成により、昇降装置40は、ルーフ部
20の後部を車体11に対し昇降させるようになってい
る。
【0033】図3に示すように、インナーカバー50
a,50b,50cはサイドカバー30a,30b,3
0cの内側に設けられており、昇降装置40はサイドカ
バー30a,30b,30cとインナーカバー50a,
50b,50cとの間に設けられている。
【0034】インナーカバー50a,50b,50c
は、板状であって、それぞれ重ねられてそれぞれの相対
運動により伸縮可能に構成されている。インナーカバー
50aはルーフ部20に垂直に取り付けられ、インナー
カバー50cは車体11のボディ・リア・ルーフヘッダ
ー17に垂直に取り付けられている。インナーカバー5
0aは下端にフランジ61を有し、インナーカバー50
bは上端にフランジ62を、下端にフランジ63を有
し、インナーカバー50cは上端にフランジ64を有し
ている。フランジ61〜64は、各インナーカバー50
a,50b,50cが隣合うインナーカバーに対し最大
に伸びたとき互いに係合する抜止め部となっている。
【0035】次に、作用を説明する。図1(A)から図
1(B)に示すように、自動車10がキャンプ地などに
着いて、ポップアップルーフ12を開く場合には、昇降
装置40によりルーフ部20の後部を上昇させる。ま
ず、図2(A)から図2(B)に示すように、アクチュ
エータ42を作動し、伸縮部55を縮める。リンク5
3,54の下端および上端はレール52,53をスライ
ドし、リンク53,54の上端がルーフ部20の後部を
押し上げる。ルーフ部20の上昇につれて、リンク機構
43が、ルーフ部20の両側前部をガイドする。
【0036】これにより、ルーフ部20に取り付けられ
たサイドカバー30aの後部がルーフ部20とともに上
昇する。そのサイドカバー30aは、隣合うサイドカバ
ー30bに対し最大に伸びたとき、その隣合うサイドカ
バー30bとフランジ31,32により互いに係合す
る。その隣合うサイドカバー30bの後部は、フランジ
32での係合により、サイドカバー30aの上昇ととも
に上昇する。こうして、サイドカバー30a,30bの
後部は、順次、上昇する。サイドカバー30a,30b
は、各フランジ31〜34がすべて係合し、昇降装置4
0が停止するまで上昇する。
【0037】図3に示す状態から昇降装置40によりル
ーフ部20を上昇させると、サイドカバー30a,30
bの上昇とともに、これらの内側で、ルーフ部20に取
り付けられたインナーカバー50aがルーフ部20とと
もに上昇する。そのインナーカバー50aは、隣合うイ
ンナーカバー50bに対し最大に伸びたとき、その隣合
うインナーカバー50bとフランジ61により互いに係
合する。その隣合うインナーカバー50bは、フランジ
62での係合により、インナーカバー50aの上昇とと
もに上昇する。こうして、インナーカバー50a,50
bは、順次、上昇する。インナーカバー50a,50b
は、昇降装置40が停止するまで上昇する。
【0038】サイドカバー30a,30b,30cは、
前部より後部が高くなっており、ウェッジシェイプによ
り高くなった後部の空間を有効に活用して、後部の内部
空間を拡張することができる。上昇したルーフ部20お
よびサイドカバー30a,30b,30cの内部は、車
外から遮断され、ベッドルームや収納部として使用する
ことができる。
【0039】ポップアップルーフ12は、テント地を使
用せず、サイドカバー30a,30b,30cが相対運
動により伸縮して車外と車室とを遮断するから、ルーフ
部20と車体11との間にテント地が挟まってルーフ部
20が完全に閉じるのを妨げるのを防止することができ
る。このため、ポップアップルーフ12の開閉は、オー
トマチック化し、ワンタッチで開閉できるようにするこ
とができる。オートマチック化により、女性や子供でも
ポップアップルーフ12を容易に開閉することが可能に
なる。
【0040】サイドカバー30a,30b,30cは、
合成樹脂から成って定型性を有し、ポップアップルーフ
12を閉じるときの空気圧で膨らむことはない。従っ
て、数人がかりでテント地を車室側に押し込む苦労がな
く、使い勝手が良好である。サイドカバー30a,30
b,30cは、型成形により大量生産することができ、
形状、寸法を一定に保って、製品の均一化を図ることが
できる。
【0041】また、従来のテント地を用いたポップアッ
プルーフでは、テント地が雨や風を直接、受けるうえ、
開閉のたびに折り曲げられたり伸ばされたりして傷みや
すく、その縫製部や、接着部、取付部にも負担がかか
り、耐久性に問題があった。特に、リンク関節部がテン
ト地に接触するものでは、テント地が破損しやすかっ
た。これに対し、ポップアップルーフ12は、互いにス
ライドして伸縮するサイドカバー30a,30b,30
cにより側面を覆われており、テント地を用いるものに
比べて、耐久性が高い。
【0042】また、薄い布から成るテント地を用いた従
来のポップアップルーフでは、テント地が外気温の影響
を直接、車室に及ぼすため、車室は、夏には眠れないほ
ど暑くなり、冬には凍えるほど寒くなり、そのポップア
ップルーフ内の人の体調を崩してしまうことがあった。
【0043】これに対し、ポップアップルーフ12で
は、図4に示すように、サイドカバー30aのフランジ
31とサイドカバー30bのフランジ33とにゴムパッ
キング35およびウェザーストリップが設けられてい
る。ポップアップルーフ12を開いた状態で、フランジ
31とフランジ32、フランジ33とフランジ34がそ
れぞれ重なり合う。これにより、各サイドカバー30
a,30b,30cの間には周囲すべてに隙間がなく、
風雨が車室に浸入するのが防止されている。このため、
車室内は、外気温の影響を受けず、快適に過ごすことが
できる。
【0044】また、ポップアップルーフ12は、テント
地を使用しないため、風でバタつくことがなく、騒音に
よって睡眠を妨げることがない。
【0045】また、インナーカバー50a,50b,5
0cは、ルーフ部20の開閉にかかわらず、常に昇降装
置40を車室から遮断する。昇降装置40ではリンク5
3,54に指を挟んで怪我をするおそれがあるが、イン
ナーカバー50a,50b,50cで遮断することによ
り、車内の人を昇降装置40から安全に保護するととも
に、車室の見た目を良くすることができる。
【0046】ポップアップルーフ12を閉じる場合に
は、昇降装置40によりルーフ部20を下降させると、
サイドカバー30a,30bは、順次、車体11に取り
付けられたサイドカバー30cと重ねられ、縮められ
る。サイドカバー30b,30cは、それぞれ重ねられ
て最も外側のサイドカバー30aの内部の所定の位置に
収容され、コンパクトになる。
【0047】ポップアップルーフ12を閉じた状態で、
サイドカバー30a,30b,30cは、ルーフ部20
の内部に完全に納められる。ポップアップルーフ12
は、車体11のモノコック補強部の幅以内に納まる。こ
のため、ポップアップルーフ12は、車室内のスペース
を狭くして居住性を低下させたり、他の設備の装着に悪
影響を及ぼしたりすることがない。
【0048】昇降装置40によりルーフ部20を下降さ
せると、サイドカバー30a,30bの下降とともに、
インナーカバー50a,50bは、順次、車体11車体
に取り付けられたインナーカバー50cと重ねられ、縮
められる。
【0049】サイドカバー30a,30b,30cは、
車体11の前部から後部にかけて高くなるよう傾斜した
形状を有し、ウェッジシェイプのボディタイプに適して
いる。ウェッジシェイプのボディタイプでは、ポップア
ップルーフ12を閉じた状態での通常走行で燃費を低下
させる効果があり、特に、高速走行のときには一段と燃
費を低下させる。
【0050】なお、本実施例では、ポップアップルーフ
の後部を昇降する例を示しているが、ポップアップルー
フは前部を昇降するものであっても、全体を昇降するも
のであってもよい。また、ポップアップルーフ12の前
部にリンク機構43を設ける代わりに、ポップアップル
ーフ12の前部を軸で回動可能に支持するようにしても
よい。
【0051】また、本実施例では、サイドカバー30
a,30b,30c、ルーフ部20、および車体11が
それぞれ別体の例を示しているが、サイドカバー30a
とルーフ部20とが一体に形成されていてもよく、ま
た、サイドカバー30cと車体11とが一体に形成され
ていてもよい。同様に、インナーカバー50aがルーフ
部20と一体であってもよく、インナーカバー50cが
車体11と一体であってもよい。
【0052】本発明に係るポップアップルーフを有する
自動車によれば、ルーフ部を開閉するとき、テント地を
使用せず、複数のサイドカバーが相対運動により伸縮し
て車外と車室とを遮断するから、ルーフ部と車体との間
にテント地が挟まるのを防止し、使い勝手が良好で、騒
音によって睡眠を妨げず、耐久性を高めることができ
る。また、複数のサイドカバーの内側に伸縮する複数の
インナーカバーが設けられて昇降装置を車外および車室
から常に遮断するから、車外および車内の人を昇降装置
から保護するとともに、車の外観および車室の見た目を
良くすることができる。
【0053】特に、請求項2の本発明に係るポップアッ
プルーフを有する自動車によれば、複数のサイドカバー
は車体の前部から後部にかけて高くなるよう傾斜した形
状を有し、昇降装置により後部が伸縮するから、ウェッ
ジシェイプにより高くなった後部の空間を有効に活用し
て、後部の内部空間を拡張することができる。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のポップアップルーフを有す
る自動車の、ポップアップルーフの開閉状態を示す側面
図である。
【図2】本発明の一実施例のポップアップルーフを有す
る自動車の、ポップアップルーフの開閉状態を示す車体
後部側の要部断面図である。
【図3】本発明の一実施例のポップアップルーフを有す
る自動車の、インナーカバーを示す車体後部側の要部断
面図である。
【図4】本発明の一実施例のポップアップルーフを有す
る自動車の、サイドカバーの抜止め部を示す要部断面図
である。
【図5】本発明の一実施例のポップアップルーフを有す
る自動車の、昇降装置の取付け位置を示す概略側面図で
ある。
【図6】従来のポップアップルーフを有する自動車の斜
視図である。
【符号の説明】
10 自動車 11 車体 12 ポップアップルーフ 20 ルーフ部 30a,30b,30c サイドカバー 31,32,33,34 フランジ 40 昇降装置 41 平行運動機構 42 アクチュエータ 43 リンク機構 50a,50b,50c インナーカバー 61,62,63,64 フランジ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体の上部にポップアップルーフを有する
    自動車において、 前記ポップアップルーフは、ルーフ部と、複数のサイド
    カバーと、複数のインナーカバーと、昇降装置とを有
    し、 前記複数のサイドカバーは、3個以上であって、それぞ
    れ重ねられて最も外側のサイドカバーの内部に順次、収
    容され、それぞれの相対運動により伸縮可能に構成さ
    れ、各サイドカバーは隣合うサイドカバーに対し最大に
    伸びたとき互いに係合する抜止め部を有し、 最も外側および最も内側のサイドカバーの一方のサイド
    カバーが前記ルーフ部に取り付けられ、それらの他方の
    サイドカバーが前記車体に取り付けられ、 前記複数のインナーカバーは、3個以上であって、前記
    複数のサイドカバーの内側に設けられ、それぞれ重ねら
    れてそれぞれの相対運動により伸縮可能に構成され、各
    インナーカバーは隣合うインナーカバーに対し最大に伸
    びたとき互いに係合する抜止め部を有し、 最も外側および最も内側のインナーカバーの一方のイン
    ナーカバーが前記ルーフ部に取り付けられ、それらの他
    方のインナーカバーが前記車体に取り付けられ、 前記昇降装置は、前記複数のサイドカバーと前記複数の
    インナーカバーとの間に設けられ、前記ルーフ部を前記
    車体に対し昇降させる構成を有することを、 特徴とするポップアップルーフを有する自動車。
  2. 【請求項2】前記複数のサイドカバーは、車体の前部か
    ら後部にかけて高くなるよう傾斜した形状を有し、 前記昇降装置は、前記ルーフ部の後部を昇降させる構成
    を有することを、 特徴とする請求項1記載のポップアップルーフを有する
    自動車。
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