JP2710984B2 - 自動検針用メータとしゃ断弁との信号授受方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水道メータ、温水メータ、カロリーメータ又
はガスメータ等、流体の使用量を計測する自動検針用メ
ータと該メータに近接配置され、前記流体をしゃ断する
しゃ断弁との信号授受方法の改良に関する。

〔従来技術〕

流体の使用量を計測する自動検針用の水道メータ、温
水メータ、カロリーメータ又はガスメータ等で、前記流
体をしゃ断するしゃ断弁が近接配置されていて、自動検
針センタからのしゃ断信号を自動検針用メータの自動検
針用電子部が受信すると、自動検針用電子部がしゃ断信
号であることを判断して、しゃ断弁のしゃ断弁駆動用電
子部に信号を送ってしゃ断弁を閉じるテレコントロール
システムが使われる。

〔本発明が解決しようとする課題〕

上記システムでは、自動検針用メータと、しゃ断弁と
を別体構造にすることで、両者をそれぞれ別々に設置又
は取外し可能として、設置性とか保安性を向上させたい
という要望が強い。

ところが、両者を別体構造にすると、自動検針用電子
部としゃ断弁駆動用電子部とを別々のユニット構造と
し、両者の間で信号の授受を行なう必要がある。この信
号の授受に周知技術のワイヤカップリングを使うと、結
線がむつかしく、信頼性が低い。

もっと具体的には次のような問題点がある。

しゃ断弁は電磁弁であるため、そのコイルとプランジ
ャ間の絶縁抵抗が低く、プランジャは電気的に接地され
ているため、しゃ断弁駆動用電子部の電子回路と接地と
の間の絶縁抵抗が低いということになる。そのため、通
信回路からメータの自動検針用電子回路に入り込むノイ
ズ、雷サージ、電波等が自動検針用電子部からワイヤカ
ップリングを通してしゃ断弁駆動用電子部に入り込み、
更に電磁弁のコイルからプランジャを経て接地に流れ、
電子回路の誤動作とか破壊を生じる。即ち自動検針用電
子部の耐電圧、耐ノイズ性が悪くなるという問題点があ
る。

自動検針用メータを設置した後、後日しゃ断弁を取り
付ける必要が出た場合、先に設置したメータの自動検針
用電子部にしゃ断弁駆動用電子部をワイヤカップリング
するのに、ハンダ付するかコネクタで接続する必要があ
るが、設置現場でのハンダ付は不可能であるし、又コネ
クタでは接続の信頼性が低いので実用的に使えない。結
局しゃ断弁だけを後日取り付けることはできなくて、メ
ータごと交換しなければならないという問題点がある。

又、自動検針用電子部と、しゃ断弁駆動用電子部の電
源電圧が同じでない場合が多く、例えば前者が3V、後者
が6Vというように電圧が異なると、その間の整合がむつ
かしい。

さらに又、自動検針用電子部の電源としゃ断弁駆動用
電子部の電源とを共通の電池でまかなうとしても、しゃ
断弁を多数作動させて電池電圧が低下すると、自動検針
用電子部が誤動作する恐れがあり、しかも、しゃ断弁に
励磁電流を流すときに電池の電圧が低下しこの点からも
自動検針用電子部の誤動作がより生じ易くなるという問
題点がある。

本発明は、自動検針用メータとしゃ断弁を別体構造と
し、両者の電子部を別々のユニット構造にしても前記問
題点が生じない信号授受方法を提案するのが目的であ
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明の自動検針用メー
タとしゃ断弁との信号授受方法においては、自動検針用
電子部としゃ断弁駆動用電子部との間を非接触で信号を
授受するようにしたことを特徴とするものである。

〔作用〕

自動検針用メータの電子部としゃ断弁駆動用電子部と
の間の信号授受がホトカップリングで行なわれる。

〔実施例〕

第１図において、１は自動検針用水道メータで、下部
に羽根車２を有する計量部３を、上部に水道メータ用電
子部４を備えている。羽根車２の回転軸上端には永久磁
石５が固着されていて、電子部４に設けた流量センサ６
が永久磁石５の回転磁界を電気信号に変換する。この電
気信号は自動検針用電子部７で計数積算されて水道の使
用量を計測する。８は自動検針用電子部に電力を供給す
る電池、９は自動検針用電子部からの信号を光に変換し
て後記しゃ断弁駆動用電子部に伝える発光ダイオード、
10は自動検針入出力線である。

11は水道メータの計量部と直列に接続設置されたしゃ
断弁で、コイル12と、このコイル12の励磁で作動するプ
ランジャ13を有し、プランジャ13の移動で弁が開閉す
る。14はしゃ断弁駆動用電子部、15は該電子部へ電力を
供給する電池、16は前記発光ダイオードの光を受けて電
気信号に変換し、しゃ断弁駆動用電子部14に伝えるホト
トランジスタ、17はしゃ断弁駆動部である。この実施例
では発光ダイオード９とホトトランジスタ16で自動検針
用電子部７としゃ断弁駆動用電子部14とをホトカップリ
ングしている。

第２図の実施例において、第１図と同一の符号で示す
ものは、第１図とほゞ同一機能を果たすもので説明を省
略する。18はプランジャ13の上下動、即ちしゃ断弁の開
閉を自動検針センタへ通知するためのアンサバック用ス
イッチである。19はしゃ断弁駆動用電子部14により作動
する発光ダイオード、20は該発光ダイオード19の光信号
を受光して電気信号に変換し、自動検針用電子部７へ伝
えるホトトランジスタである。この実施例では、自動検
針用電子部７としゃ断弁駆動用電子部14との間は二つの
ホトカップリングで結合されている。一方のホトカップ
リングは発光ダイオード９とホトトランジスタ16で構成
され、他方のホトカップリングは発光ダイオード19とホ
トトランジスタ20とで構成されている。

第２図において、図示されていない自動検針センタか
らのテレコントロールでしゃ断弁を閉じるときの動作を
第３図を用いて説明する。

先ず検針センタからの自動検針しゃ断弁閉電文（下り
電文）が自動検針入出力線10を経て自動検針用電子部７
に入ると、発光ダイオード９が短時間発光し、コイル12
にしゃ断弁駆動電流が短時間流れてしゃ断弁が閉じる。
それと同時にそれまで閉じていたアンサバック用スイッ
チ18が開き、自動検針用上り電文が自動検針用電子部か
ら送信される。

次に、自動検針センタから自動検針しゃ断弁開電文
（下り電文）により、テレコントロールでしゃ断弁を開
くときの動作を第４図を参考にして説明する。

自動検針しゃ断弁開電文（下り電文）が自動検針入出
力線10を経て自動検針用電子部７に受信されると、発光
ダイオード９が短時間発光する。

このときの発光のしかたは、前記しゃ断弁を閉じるとき
とは違っており、しゃ断弁駆動用電子部14はその違いを
判断して、しゃ断弁を開くべく、前記の場合とは逆向き
のしゃ断弁駆動電流をコイル12に短時間流してしゃ断弁
を開く。するとアンサバック用スイッチ18が閉じてONと
なり、発光ダイオード16が発光する。そこで、自動検針
用電子部７から自動検針上り電文が送出されて一連の動
作を終了する。

〔発明の効果〕

自動検針用電子部としゃ断弁駆動用電子部との間をホ
トカップリングしたので、両電子部を別個にユニット化
でき、両ユニット間の結線が不要となったため、自動検
針用メータとしゃ断弁を別々に設置できるようになり、
設置性、メンテナンス性が向上した。

ホトカップリングのため電気的接続がなくなり、信頼
性が向上した。

接地に対する絶縁抵抗が低いしゃ断弁駆動用電子部を
自動検針用電子部に対しホトカップリングでアイソレー
ションしたため、耐電圧、耐ノイズ、耐サージ、耐電波
性が向上した。

両電子回路がホトカップリングでアイソレーションさ
れたため、両電子回路の電源を独立して設けることがで
きる。その結果両電子部の電源電圧の整合がとれ、両電
子部同志の電源電圧が大幅に違っていても問題がなく、
しゃ断弁の駆動に商用電源を使うこともできる。又、し
ゃ断弁駆動用電子部の電池が自動検針用電子部の電池よ
り先に放電してしまっても自動検針用電子部の自動検針
動作に悪影響が出ない等の効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法を用いた自動検針用水道メータと
しゃ断弁の実施例略図、第２図は他の実施例の要部略
図、第３図と第４図は第２図の実施例の作動を説明する
タイミングチャートである。 １……水道メータ、７……自動検針用電子部、９……発
光ダイオード、11……しゃ断弁、14……しゃ断弁駆動用
電子部、16……ホトトランジスタ、19……発光ダイオー
ド、20……ホトトランジスタ

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動検針用電子部としゃ断弁駆動用電子部
   との間を非接触で信号を授受することを特徴とする自動
   検針用メータとしゃ断弁との信号授受方法。
2. 【請求項２】自動検針用電子部としゃ断弁駆動用電子部
   との間をホトカップリングしたことを特徴とする自動検
   針用メータとしゃ断弁との信号授受方法。
3. 【請求項３】自動検針用メータが水道メータである請求
   項１記載の自動検針用メータとしゃ断弁との信号授受方
   法。